JP5723117B2 - 電動リールのモータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、制御装置、特に、ブラシレスモータによりスプールを駆動する電動リールのモータ制御装置に関する。
電動リールは、モータによりスプールを糸巻取方向に回転させて釣り糸を巻き取る。この種の電動リールにおいて、スプール駆動用のモータとして、ブラシレスモータを採用したものが従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
ブラシレスモータは、固定子側に磁石が配置され、回転子側に複数のコイルが周方向に間隔を隔てて配置される。そして、回転子の位置を検出して複数のコイルを順次励磁及び消磁するように、スイッチング素子でスイッチングしている。これにより、ブラシとの摩擦が生じなくなり、回転時の騒音を抑えてモータの長寿命化を図ることができる。また、ブラシによるノイズが生じなくなり、ノイズによる制御系の暴走を防止できる。従来の電動リールでは、操作レバーの操作位置に応じて複数段階のスプール速度を得るようにモータを速度制御している。
一方、電動リールには、スプール速度ではなく、釣り糸に作用する張力が一定になるようにモータを制御することも行われている(例えば、特許文献2参照)。従来の張力一定制御では、モータに作用する巻き上げトルクを、例えば電流値により検出し、複数段階毎に設定された電流値になるようにモータを制御する。
特開2000−175602号公報 特許4427126号明細書
従来のブラシレスモータを採用した電動リールでは、張力一定制御を行うと、設定された張力が小さいとき、負荷によりモータが低速回転することがある。このようなモータの低速回転時にブラシレスモータでは回転むらが生じて回転が不安定になることがある。
本発明の課題は、電動リールにおいて、張力一定制御を行っても、ブラシレスモータの回転を安定させることにある。
発明1に係る電動リールのモータ制御装置は、ブラシレスモータによりスプールを駆動する電動リールのモータ制御装置である。モータ制御装置は、モータ電流制御部と、回転速度検出部と、モータ速度制御部と、を備えている。モータ電流制御部は、モータ操作部材の操作に応じて、ブラシレスモータに流れる電流値を複数段階に制御する。回転速度検出部は、ブラシレスモータの回転速度を検出する。モータ速度制御部は、複数段階の少なくともいずれかでのモータ電流制御部による制御中に、回転速度検出部が所定速度以下の回転速度を検出すると、所定速度を下回らないようにブラシレスモータを制御する。
このモータ制御装置では、通常は、ブラシレスモータに流れる電流値を、モータ操作部材の操作に応じて複数段階のいずれかに制御して段階毎に張力一定制御を行う。また、複数段階の少なくともいずれか段階での制御中にブラシレスモータの回転速度が所定速度以下になると、所定回転数を下回らないようにブラシレーモータが制御される。
ここでは、すくなくともいずれかの段階での電流制御中に負荷によりブラシレスモータの回転速度が所定速度以下に低下すると、所定速度を維持するようにブラシレスモータが制御される。このため、電流値により張力一定制御を行っていても、回転速度が常に所定速度以上に回復されるので、張力一定制御を行っても、ブラシレスモータの回転を安定させることができる。ここで、所定速度は、例えば、800rpm〜2000rpm程度の低い回転速度である。
発明2に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1に記載の装置において、回転速度検出部は、ブラシレスモータの逆起電流を整流して得られたデータによりブラシレスモータの回転位相を検出する位相検出部を有する。
この場合には、ブラシレスモータの制御に用いるための位相検出部の検出結果によりモータの回転速度を検出できるので、モータの回転速度を検出するためのセンサを設けことなくモータ制御部で使用するモータの回転速度を検出できる。
発明3に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、モータ速度制御部は、電流値が所定値以下となるような段階以下でモータ電流制御部がブラシレスモータを制御しているときに、所定速度を下回らないようにブラシレスモータを速度制御する。
この場合には、あまり電流値が高くない状態で電流値を増やす速度制御を行うので、速度制御により電流値を増加させて制御を行ってもブラシレスモータが過熱しにくくなる。
発明4に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、スプールの回転速度を検出するスプール速度検出部と、スプール速度制御部と、モード切換部と、をさらに備える。スプール速度制御部は、モータ操作部材の操作に応じて、スプールの回転速度を複数段階に制御する。モード切換部は、モータ電流制御部による張力一定モードと、スプール速度制御部による速度一定モードと、を切換可能である。
この場合には、釣りを行う状況や魚種によって、モータの制御を変更できるので、より多くの釣果を望むことができる。
本発明によれば、すくなくともいずれかの段階での電流制御中に負荷によりブラシレスモータの回転速度が所定速度以下に低下すると、所定速度を維持するようにブラシレスモータが制御される。このため、電流値により張力一定制御を行っていても、回転速度が常に所定速度以上に回復されるので、張力一定制御を行っても、ブラシレスモータの回転を安定させることができる。
本発明の一実施形態が採用された電動リールの斜視図。 その側面断面図。 カウンタケースの平面図。 カウンタケースの断面図。 モータ装着部分の断面図。 制御系の構成を示すブロック図。 記憶部の記憶内容を示すブロック図。 リール制御部のメインルーチンのフローチャート。 スイッチ入力の処理内容を示すフローチャート。 スプール速度制御の処理内容を示すフローチャート。 モータ電流制御の処理内容を示すフローチャート。 モータ速度制御の処理内容を示すフローチャート。 各動作モード処理の処理内容を示すフローチャート。
<リールの全体構成>
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用した電動リールは、外部電源から供給された電力によりモータ駆動される大型のリールである。また、電動リールは糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。
電動リールは、釣り竿に装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール10の回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、本発明の一実施形態による水深表示用のカウンタケース4と、を主に備えている。
リール本体1は、フレーム7と、フレーム7の左右を覆う第1側カバー8a及び第2側カバー8bと、フレーム7の前部を覆う前カバー9(図2)とを有している。フレーム7は、例えば、ガラス繊維を含浸したポリアミド樹脂等の合成樹脂製であり、第1側板7a及び第2側板7bと、それらを下部、後部及び前上部の3箇所で連結する複数の連結部材7cと、を有している。
図2に示すように、リール本体1の内部には、スプール10に連動して動作するレベルワインド機構13(図2)やハンドル2及びモータ12の回転をスプール10に伝達する回転伝達機構等が設けられている。
また、リール本体1の内部には、モータ12及びハンドル2に連結された糸巻用のスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部に、スプール10を糸巻取方向に回転駆動するモータ12が配置されている。
図1に示すように、第2側カバー8bの中央下部には、ハンドル2が回転自在に支持されている。また、ハンドル2の支持部分の上方前部には、モータ12を複数段階に制御するための調整レバー5が揺動自在に支持されている。調整レバー5の後方には、クラッチ操作部材11が揺動自在に配置されている。クラッチ操作部材11は、ハンドル2及びモータ12とスプール10との駆動伝達をオンオフするクラッチ(図示せず)をオンオフ操作するための部材である。このクラッチをオンすると、仕掛けの自重による糸繰り出し中に、糸繰り出し動作を停止できる。ハンドル2と逆側の第1側カバー8aには、電源ケーブル接続用のケーブルコネクタ14が下向きに装着されている。
前カバー9には、釣り糸通過用の横長の開口9aが形成されている。下部の連結部材7cには、電動リールを釣り竿に装着するための竿装着脚部7dが形成されている。
<モータの構成>
モータ12は、例えば、定格出力が180ワット程度のブラシレスモータであり、電動リールに用いるものとしては比較的大容量のものである。
モータ12は、図2に示すように、モータケース15と、モータケース15の内周面に設けられた固定子16と、固定子16の内周側に配置された回転子17と、回転子が固定された出力軸18と、を有している。モータケース15は、耐食性を高めるためにアルマイト処理されたアルミニウム合金製の部材である。モータケース15は、図5に示すように、一端に配置される第1カバー部15aと、他端に配置される第2カバー部15bと、第1カバー部15aと第2カバー部15bとの間に配置される中間カバー部15cと、を有している。第1カバー部15a及び第2カバー部15bは、同じ外径を有する有底筒状の部材であり、筒状部分が対向して配置されている。中間カバー部15cは、第1カバー部15a及び第2カバー部15bと同じ外径を有する筒状の部材である。第1カバー部15a、第2カバー部15b及び中間カバー部15cは、第1カバー部15a側から挿入された第2カバー部15bにねじ込まれる複数本(例えば3本)の固定ボルト29により一体で固定されている。固定ボルト29は、メッキ等の防食被膜により防食処理されている。したがって、中間カバー部15cは、第1カバー部15a及び第2カバー部15bにより挟持されている。第2カバー部15bの筒状部分には、図2及び図5に示すように、水抜き用の少なくとも一つの貫通孔15dが径方向に沿って形成されている。貫通孔15dはモータ12内部に結露等により生じた水をモータ12内部から抜くために設けられている。貫通孔15dは、竿装着脚部7dに向かう下部と、その両側とに、例えば3つ設けられている。
固定子16は、中間カバー部15cに固定された複数(例えば3個)の積層コア16aと、積層コア16aに巻回された複数(例えば3個)のコイル16bと、を有している。積層コア16aは、例えば無方向性珪素鋼板製である。積層コア16aには、固定ボルト29により回転方向に位置決めされるU字状に凹んで形成された複数(3個)の位置決め凹部16c(図2)が形成されている。固定子16は、露出部分がメッキ等の防食被膜により防食処理されている。なお、図5では、固定ボルト29が直径上に2本配置されているように描かれているが、これは模式的に表したものであり、実際には、図2に示すように、3本の固定ボルト29が周方向に等間隔に配置されている。
回転子17は、複数(例えば4個)の磁石17aと、複数の磁石17aを一括して保持する磁石ホルダ17bとを含んでいる。磁石ホルダ17bは、出力軸18に一体回転可能に連結されている。回転子17は、出力軸18に装着された左右一対の第1位置決め部材26a及び第2位置決め部材26bにより出力軸18に軸方向に位置決めされている。第1位置決め部材26a及び第2位置決め部材26bは、それぞれ鍔付き筒状の真鍮製の部材であり、その鍔部分26cがバランスウェイトの機能を有している。鍔部分26cは、磁石17aの両端面に接触して配置されている。鍔部分26cに外側面には、磁石17aに係合して磁石17aを回転方向及び径方向への移動を規制するための規制凹部26dがそれぞれ形成されている。回転子17、第1位置決め部材26a及び第2位置決め部材26bは、露出部分がメッキ等の防食被膜により防食処理されている。
出力軸18は、例えば、ステンレス合金製の軸であり、第1カバー部15a及び第2カバー部15bに左右一対の軸受27により回転自在に支持されている。出力軸18の第1端(図5左端)には、出力軸18の糸繰り出し方向の回転を禁止するためのワンウェイクラッチ28が装着されている。ワンウェイクラッチ28は、リール本体1の第1側板7aに形成された膨出部7e内に外輪28aが回転不能に装着されたローラクラッチである。出力軸18の第2端(図5右端)には、図示しない回転伝達機構を構成する遊星歯車機構の太陽ギアが固定されている。スプール10には遊星歯車機構を介してモータ12の回転が伝達される。遊星歯車機構は、例えば1/50の減速比でモータ12の回転を減速する。
モータケース15の第2カバー部15bは、膨出部7eに芯出された状態で連結され、複数(例えば2本)の固定ボルト31により固定されている。これよりモータ12がリール本体1に固定される。第2カバー部15bの端部からは、コイル16bに電気的に接続される3本のモータ線34がカウンタケース4に向けて延びている。
リール本体1の第1側板7a及び第2側板7bの上部に、図1及び図2に示すように、釣り糸の先に装着された仕掛けの水深を表示するカウンタケース4が固定されている。
<カウンタケース構成>
カウンタケース4は、図3及び図4に示すように、リール本体1の前上部に載置されたケース本体19と、回路基板20と、複数のコンデンサ21と、液晶ディスプレイを有する水深表示部22と、リール制御部23と、を備えている。
ケース本体19は、リール本体1の第1側板7a及び第2側板7bに固定されている。ケース本体19は、外部に露出する合成樹脂製の上ケース部材30と、上ケース部材30に固定される下ケース部材32と、を有している。
上ケース部材30は、例えば、ガラス短繊維で強化されたポリアミド樹脂製である。上ケース部材30は、表示部分が前細りに形成されている。上ケース部材30は、内部に下ケース部材32とで収納空間SA(図4)を有している。
上面部33の表示部分には、概ね台形形状の表示用に開口する表示枠33aが形成されている。表示枠33aの開口は、上ケース部材30に溶着された透明カバー37により塞がれている。
また、表示枠33aの後方には、メニュースイッチSW1、決定スイッチSW2、及びメモスイッチSW3が配置されている。メニュースイッチSW1は、例えば、選択操作を行うためのメニュー操作用のスイッチである。決定スイッチSW2は、例えば、メニュースイッチSWで選択された操作を決定するためのスイッチである。メモスイッチSW3は、例えば、棚メモ用のスイッチである。メニュースイッチSW1は、水深表示部22内の表示項目を選択するために使用されるボタンである。たとえば、メニュースイッチSW1を操作するごとに上からモード(仕掛けの水深を水面からの深さで表示するモード)と底からモード(仕掛けの水深を水底からの水深で表示するモード)とに切り換える。またメニュースイッチSW1を3秒以上長押しすると、長押しの都度、モータ12の制御モードを速度一定モードと張力一定モードとに切り換えできる。ここで、速度一定モードは、調整レバー5の揺動位置に応じてスプール10の回転速度の上限速度を複数段階(例えば31段階)に多段速度制御可能なモードである。張力一定モードは、調整レバー5の揺動位置に応じて釣り糸に作用する張力の上限張力を複数段階(例えば31段階)に多段張力制御可能なモードである。なお、両モードとも、最高段階の31段階は、100%デューティでモータ12を動作させる速巻速度であり、電流制限は行うが、速度制御は行わない。なお、速度一定モードにおいて、第1段階のスプール回転速度は、28rpm(rpm=1分間の回転数)から30rpmの範囲に制御される。したがって、モータ12の回転速度は、1400rpmから1500rpmの範囲に制御される。
図4に示すように、下ケース部材32は、前上部の連結部材7cに位置決めして載置される。下ケース部材32は、第1側板7a及び第2側板7bの内側面に複数本(例えば2本)のねじ31により固定される。下ケース部材32は、例えば、アルミニウム合金及びマグネシウム合金等の軽量で熱伝導率が高い金属製の枠状の部材である。下ケース部材32は、複数本(例えば4本)の固定ねじ(図示せず)により上ケース部材30を固定している。下ケース部材32に回路基板20が搭載されている。
<回路基板の構成>
回路基板20は、図4に示すように、第1回路基板20aと、第1回路基板20aの下方に配置された第2回路基板20bと、を有している。第1回路基板20aと第2回路基板20bとは基板コネクタ43により電気的に接続されている。第1回路基板20aは、水深表示部22が搭載される概ね台形形状の基板である。第2回路基板20bは、リール制御部23が搭載される概ね台形の合成樹脂製の基板である。第1回路基板20a及び第2回路基板20bは、下ケース部材32に固定されている。
第2回路基板20bの上面には、図4に示すように、リール制御部23を構成するワンチップマイクロコンピュータ24が搭載される。第2回路基板20bの下面には、モータ12を駆動する複数のFET(電界効果トランジスタ)25が搭載される。FET25は、モータ12をPWM(パル幅変調)する際にデューティ比に応じてスイッチングするスイッチ素子として機能する。また、FET25は、例えば、モータ12の固定子16のコイル16bを順に励磁及び消磁するためのスイッチ素子として機能する。また、第2回路基板20bに、コンデンサ21が接続されている。コンデンサ21は、FET25から発生するノイズを平滑化する機能を有している。また、モータ12の逆起電流を整流する機能を有している。この逆起電流を整流することにより、モータ12の回転位相を検出している。この検出された回転位相によりFET25が制御されてコイル16bを順に励磁及び消磁し、モータ12を回転させる。また、この回転位相によりモータ12の回転速度を検出している。
水深表示部22は、中央に配置された4桁の16セグメント表示の水深表示領域22aと、その右下方に配置された3桁の7セグメントのメモ水深表示領域22bと、メモ水深表示領域22bの左方に配置された7セグメントの段階表示領域22cとを有している。段階表示領域22cは、調整レバー5の位置(段階SC)を、例えば0から30までの31段階で表示する。ここでは、水深表示領域22aに16セグメントの表示を用いているので、水深表示がより視認しやすくなる。
<リール制御部の構成>
リール制御部23は、図6に示すように、機能構成としてモータ12を制御するモータ制御部60と、水深表示部22を制御する表示制御部61と、を有している。モータ制御部60は、モータ12をPWM制御するとともに、モータ12の固定子16の複数のコイル16bを励磁及び消磁する制御を行う。この励磁及び消磁制御の際には、モータ制御部60は、コンデンサ21でモータ12の逆起電流を整流して得られたデータによりモータ12の回転位相を検出し、検出された回転位相に応じて複数のコイル16bを順次励磁及び消磁する。
リール制御部23には、調整レバー5、メニュースイッチSW1、決定スイッチSW2、及びメモスイッチSW3が接続されている。また、スプール10の回転速度及び回転方向を検出するためのスプールセンサ41と、コイル16bへの通電をオンオフするとともにモータ12をPWM駆動する5つのFET25及びコンデンサ21を含むモータ駆動回路68と、ブザー47と、水深表示部22と、記憶部46と、他の入出力部と、が接続されている。モータ駆動回路68は、第2回路基板20bに搭載されている。モータ駆動回路68には、モータ12に流れる電流を検出する電流検出部68aが設けられている。
スプールセンサ41は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されており、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール10の回転方向を検出できる。また、検出パルスによりスプールの回転数を検出できる。
記憶部46はたとえばEEPROM等の不揮発メモリから構成されている。記憶部46には、図7に示すように、棚位置等の表示データを記憶する表示データ記憶エリア50と、実際の糸長とスプール回転数との関係を示す糸長データを記憶する糸長データ記憶エリア51と、段階SCに応じたスプール10の巻き上げ速度(rpm)及び巻き上げトルク(電流値)を記憶する回転データ記憶エリア52と、種々のデータを記憶するデータ記憶エリア53とが設けられている。
回転データ記憶エリア52には、速度一定モードでの段階SC毎の上限速度Vsc、上限速度Vscの下限値Vsc1及び上限値Vsc2のデータ並びに張力一定モードでの上限張力Qsの下限値Qsc1及び上限値Qsc2のデータが記憶されている。
データ記憶エリア53には糸長に関する各種のデータが格納されている。たとえば船縁停止位置が格納されている。
モータ制御部60は、ソフトウェアで実現される機能構成として、回転速度検出部62と、モータ電流制御部63と、モータ速度制御部64と、スプール速度検出部65と、スプール速度制御部66と、モード切換部67と、を有している。回転速度検出部62は、モータ12の逆起電流を整流して得られたデータによりモータ12の回転位相を検出する位相検出部62aを有している。この回転位相の時間的な変化によりモータ12の回転速度を検出している。
モータ電流制御部63、モータ操作部材としての調整レバー5の揺動操作位置に応じて、モータ12に流れる電流値を複数段階(例えば31段階)に制御する。すなわち、張力一定モードの際にモータ12の制御を行う。モータ速度制御部64は、モータ電流制御部63による張力一定制御中に、回転速度検出部62が所定速度S(例えば、速度一定モードの第1段階(SC=1)のモータ回転速度である1400rpmから1500rpmの範囲の速度)以下の回転速度を検出すると、少なくともいずれかの段階で、所定速度Sを下回らないようにモータ12を制御する。ただし、この実施形態では、モータ電流制御部63が、31段階のうち、始めの5段階(SC=5)以下で電流制御を行っているときにのみ、モータ速度制御部64が動作するようにしている。これは、電流値が大きい段階で速度制御を行うと、さらに速度を上げるためにモータ12に大きな電流を流すことになる。このため、モータ12が過熱するおそれがあるからである。スプール速度検出部65は、スプールセンサ59からの出力により、スプール10の回転方向及び回転速度を検出する。スプール速度制御部66は、調整レバー5の揺動操作位置に応じて、スプール10の回転速度を複数段階(例えば31段階)に制御する。すなわち、速度一定モードの際にモータ12を制御する。モード切換部67は、張力一定モードと速度一定モードとを切り換えるものである。前述したように、例えば、メニュースイッチSW1の3秒以上長押し操作により動作モードの切り換え動作が実現される。
このような構成の電動リールでは、釣り糸を繰り出す時には、クラッチ操作部材11を手前(後方)に操作することによりクラッチをオフする。クラッチオフすると、スプール10が自由回転状態になり、釣り糸に装着された重りの自重により釣り糸がスプール10から繰り出される。釣り糸が繰り出されるとスプール10が糸繰り出し方向に回転し、スプールセンサ59の検出パルスにより水深表示部22の水深表示が繰り出し量に応じて変化する。仕掛けが棚に到達すると、ハンドル2を糸巻取方向に回して図示しないクラッチ戻し機構によりクラッチをオンして釣り糸の繰り出しを停止する。
魚の当たりがあると、調整レバー5を操作し釣り糸を巻き上げる。調整レバー5を図1時計回りに揺動させると、その揺動角度に応じてスプール10の回転速度又は釣り糸に作用する張力の最大値を段階的に設定できる。
<リール制御部の動作>
次にリール制御部23の具体的な制御動作について、図8以降に示す制御フローチャートに基づいて説明する。なお、以下の説明は本発明の制御手順の一例であり、本発明の制御手順は以下のフローチャートで示した内容に限定されない。
電動リールに図示しない電源ケーブルを介して電源が投入されると、図8のステップS1において初期設定を行う。この初期設定では各種の変数やフラグをリセットしたりする。また、船縁停止位置FN(停止水深の一例)を標準的な船縁停止位置である第1糸長L1(たとえば、6m)にセットする。
次にステップS2では表示処理を行う。表示処理では、水深表示等の各種の表示処理を行う。ここで、段階表示領域5cに段階SCを表示する。
ステップS3では、後述する各動作モードで算出される水深LXが第1糸長L1以下か否かを判断する。ステップS4では、いずれかのスイッチSW1〜スイッチSW3又は調整レバー5が押されたか否かのスイッチ入力の判断を行う。またステップS5ではスプール10が回転しているか否かを判断する。この判断は、スプールセンサ41の出力により判断する。ステップS6では、その他の指令や入力がなされたか否かを判断する。
水深LXが第1糸長L1以下のときには、ステップS3からステップS7に移行する。ステップS7では、その水深で5秒以上停止しているか否かを判断する。6m以下の水深で5秒以上停止しているのは、船縁で釣った魚を取り込んだり、仕掛けに餌を付け直したりする等の動作を行っているときが多い。このため、5秒以上停止していると判断するとステップS8に移行し、そのときの水深LXを船縁停止位置FNにセットする。5秒未満の時はステップS7からステップS4に移行する。
スイッチ入力がなされた場合にはステップS4からステップS9に移行して図9に示すスイッチ入力の処理を実行する。またスプール10の回転が検出された場合にはステップS5からステップS10に移行する。ステップS10では各動作モード処理を実行する。その他の指令あるいは入力がなされた場合にはステップS6からステップS11に移行してその他の処理を実行する。
ステップS6のスイッチ入力処理では、図9のステップS15で調整レバー5が操作されたか否かを判断する。ステップS16では、メニュースイッチSW1が3秒以上長押されたか否かを判断する。ステップS17では、その他のスイッチが操作されたか否かを判断する。その他のスイッチの操作にはメニュースイッチSW1の通常操作、決定スイッチSW2、及びメモスイッチSW3等の操作を含んでいる。
調整レバー5が揺動操作されたと判断するとステップS15からステップS18に移行する。ステップS18では、調整レバー5の段数を取り込む。調整レバー5には図示しないロータリエンコーダが設けられており、ロータリエンコーダの出力を取り込む。ステップS19では、調整レバー5が段階SC=0に操作されたか否かを判断する。段階SCが0ではない場合は、ステップS20に移行する。
ステップS20では、メニュースイッチSW1の長押し操作により速度一定モードか張力一定モードのいずれか設定されたか否かを判断する。速度一定モードが設定されている場合は、ステップS20からステップS21に移行する。ステップS21では、図10に示す速度一定モードを実現するためのスプール速度制御処理を行い、ステップS17に移行する。このスプール速度制御処理では、段階SC毎に設定されたスプール回転数となるようにモータ12をフィードバック制御する。
取り込んだ段階SCが「0」のときは、ステップS20からステップS22に移行する。ステップS22では、モータ12をオフする。
張力一定モードが設定されている場合は、ステップS20からステップS23に移行する。ステップS23では、張力一定モードの段階SCが「6」以上か否かを判断する。段階SCが「6」以上の場合は、ステップS23からステップS24に移行する。ステップS24では、図11に示す張力一定モードを実現するモータ電流制御処理を行いステップS16に移行する。モータ電流制御処理では、段階SC毎に設定された電流値となるようにモータ12をフィードバック制御する。
張力一定モードに設定され、段階SCが5以下の場合は、ステップS23からステップS25に移行する。ステップS25では、モータ12の回転速度MVを取り込む。ステップS26では、取り込んだモータ12の回転速度MVが所定回転速度(例えば、1400rpm)Sを超えているか否かを判断する。モータ12の回転速度MVが所定回転速度Sを超えている場合は、ステップS26からステップS24に移行してモータ電流制御処理を行う。モータ12の回転速度MVが所定回転速度Sを超えていない場合は、ステップS26からステップS27に移行する。ステップS27では、図12に示すモータ速度制御処理を行い、ステップS16に移行する。モータ速度制御処理では、所定回転速度Sを維持するようにモータ12をフィードバック制御する。
メニュースイッチSW1が長押し操作されると、ステップS16からステップS28に移行する。ステップS28では、モータ12の制御モードが速度一定モードか否かを判断する。速度一定モードのときは、ステップS28からステップS29に移行し、制御モードを張力一定モードに設定する。速度一定モードではなく張力一定モードのときは、ステップS28からステップS30に移行し、制御モードを速度一定モードに設定する。これらの処理が終わると、ステップS17に移行する。
他のスイッチ入力がなされると、ステップS17からステップS31に移行し、たとえば、底からモードへの変更やその他のモードの設定等の他のスイッチ入力処理を行い、図8に示すメインルーチンに戻る。
ステップS21のスプール速度制御処理では、スプール10の回転数が段階SC毎に設定された上限速度Vscとなるようにモータ12を制御する。なお、上限速度Vscは、スプール10の糸巻径により補正され、実際には、スプール10に巻き付ける釣り糸の巻き上げ速度が一定になるようにモータ12が制御される。
スプール速度制御処理では、図10のステップS41で調整レバー5により設定された段階SC及びスプールセンサ41の出力により算出されたスプール10の回転速度Vdを取り込む。ステップS42では、スプール10の速度Vdが段階SCに応じた上限速度Vscの下限値Vsc1未満か否かを判断する。ステップS43では、スプール10の速度Vdが段階SC段階SCcに応じた上限速度Vscの上限値Vsc2を超えているか否かを判断する。なお、速度制御を行う際に、段階SC毎に上限速度Vscの下限値Vsc1及び上限値Vsc2を設けたのは、下限値Vsc1及び上限値Vsc2の間で速度が変動している場合にはデューティ比が変化せず、デューティ比が頻繁に変動するワウリングが生じなくなり、フィードバック制御が安定するからである。この上限値Vsc2と下限値Vsc1とは上限速度Vscの、たとえば±10%以内に設定されている。
速度Vdが下限値Vsc1未満の場合には、ステップS42からステップS44に移行する。ステップS44では、現在の第1デューティ比D1を取り込む。この第1デューティ比D1は、記憶部46の回転データ記憶エリア52に設定が変更される都度記憶されている。また、各段階SC毎に最大値DUscと最小値DLscが回転データ記憶エリア52に設定されており、最初に各段階SCに設定されたときには、たとえばその中間の第1デューティ比D1=((DUsc+DLsc)/2)にセットされる。ステップS45では、現在の第1デューティ比D1が設定された段階の最大値DUscを超えているか否かを判断する。超えている場合はステップS47に移行して第1デューティ比D1に最大値DUscをセットする。超えていない場合には、ステップS45からステップS46に移行し、第1デューティ比D1を所定の増分DI(たとえば1%)だけ増やしてステップS43に移行する。なお、最高段階(SC=31)のデューティ比は、100%に設定されているが、それより前までの段階(SC=1から30)では最大値DUscはデューティ比が85%以下に設定されている。
速度Vが上限値Vsc2を超えている場合には、ステップS43からステップS48に移行して現在の第1デューティ比D1を取り込む。この第1デューティ比D1もステップS44と同様である。ステップS49では、現在の第1デューティ比D1が設定された段階の最小値DLscを下回っているか否かを判断する。下回っている場合はステップS51に移行して第1デューティ比D1に最小値DLscをセットする。下回っていない場合には、ステップS49からステップS50に移行し、第1デューティ比D1を所定の減分DI(たとえば1%)だけ減らしてスイッチ入力処理に戻る。
ステップS24のモータ電流制御処理では、図11のステップS61で調整レバー5により設定された段階SC及び電流検出部68aの検出結果のトルクを糸巻径で補正した張力Qdを取り込む。ステップS62では、張力Qdが段階SCに応じた上限張力Qsの下限値Qsc1未満か否かを判断する。ステップS63では、張力Qdが段階SCに応じた上限張力Qsの下限値Qsc2を超えているか否かを判断し、スイッチ入力処理に戻る。なお、張力制御を行う際に、段階SC毎に上限張力Tsの下限値Qsc1及び上限値Qsc2を設けたのは、速度一定モードと同様に両張力Qsc1,Qsc2の間で張力が変動している場合にはデューティ比が変化せず、デューティ比が頻繁に変動するワウリングが生じなくなり、フィードバック制御が安定するからである。この上限値Qsc2と下限値Qsc1とは上限張力Qscの、たとえば±10%以内に設定されている。
張力Qdが下限値Qsc1未満の場合には、ステップS62からステップS64に移行する。ステップS64では、現在の第2デューティ比D4を取り込む。この第2デューティ比D4は、回転データ記憶エリア52に設定が変更される都度記憶されている。ステップS65では、第2デューティ比D4を所定の増分DI(たとえば1%)だけ増やしてステップS63に移行する。これを張力Qdが下限値Qsc1を超えるまで続ける。
張力Qdが上限値Qsc2を超えている場合には、ステップS63からステップS66に移行して現在の第2デューティ比D4を取り込む。この第2デューティ比D4もステップS64と同様である。つぎのステップS67では、第2デューティ比D4を所定の減分DI(たとえば1%)だけ減らしてステップS16に移行する。これを張力Qdが上限値Qsc2を下回るまで続ける。
ステップS27のモータ制御処理では、モータ12の回転速度MVが所定速度Sを下回らないようにモータ12を制御する。
モータ速度処理では、図12のステップS71では、現在の張力Qd及び第2デューティ比D4を取り込む。ステップS72では、現在の張力Qdが一つ上位の段階(SC+1)の張力の上限値Q(sc+1)2を超えたか否かを判断する。例えば、現在の段階SC=3の場合、現在の張力Qdが段階SC=4の張力の上限値Q(sc4)2を超えたか否かを判断する。現在の張力Qdが一つ上位の段階の張力の上限値Q(sc+1)2以下の場合は、ステップS73に移行する。ステップS73では、第2デューティ比D4を所定の増分DMI(例えば、5%から10%)だけ増やしてスイッチ入力処理に戻る。このモータ速度制御処理では、増分の割合が大きく設定されている。
また、現在の張力Qdが段階の張力の上限値Q(sc+1)2を超えている場合には、ステップS73をスキップしてスイッチ入力処理に戻る。これにより、現在の張力Qdが上位の段階SC+1の張力の上限値Q(sc+1)2を超えると、第2デューティ比D4は変化しない。このモータ制御処理により、弱い張力に設定された張力一定モードの際に、モータ12の回転速度が所定速度Sより低くなると、モータ12を増速制御する。このため、張力一定制御において、張力が弱く設定されている場合に、モータ12の低速回転による不具合を防止できる。張力一定制御においては、いずれの段階SCであっても、負荷が増大するとモータ12が停止することがある。
ステップS10の各動作モード処理では、図13のステップS81でスプール10の回転方向が糸繰り出し方向か否かを判断する。この判断は、スプールセンサ41のいずれのリードスイッチが先にパルスを発したか否かにより判断する。スプール10の回転方向が糸繰り出し方向と判断するとステップS81からステップS82に移行する。ステップS82では、スプール回転数が減少する毎にスプール回転数から糸長データ記憶エリア51に記憶されたデータを読み出して水深(放出された糸長)LXを算出する。この水深LXがステップS2の表示処理で表示される。ステップS83では、得られた水深LXが棚又は底位置に一致したか、つまり、仕掛けが棚又は底に到達したか否かを判断する。棚又は底位置は、仕掛けが棚又は底に到達したときにメモスイッチSW3を押すことで記憶部46の表示データ記憶エリア50にセットされる。ステップS84では、学習モード等の他のモードか否かを判断する。
水深が棚位置又は底位置に一致するとステップS83からステップS85に移行し、仕掛けが棚又は底に到達したことを報知するためにブザー47を鳴らす。他のモードの場合には、ステップS84からステップS86に移行し、指定された他のモードを実行する。他のモードではない場合には、各動作モード処理を終わりメインルーチンに戻る。
スプール10の回転が糸巻き取り方向と判断するとステップS81からステップS87に移行する。ステップS87では、スプール回転数から糸長データ記憶エリア51に記憶されたデータを読み出して水深LXを算出する。この水深LXがステップS2の表示処理で表示される。
ステップS88では、船縁停止位置に到達したか否かを判断する。船縁停止位置FNに到達するとステップS88からステップS89に移行する。ステップS89では、仕掛けが船縁にあることを報知するためにブザー47を鳴らす。ステップS90では、モータ12をオフする。これにより魚や釣れたときや仕掛けを回収して餌を交換するときに、取り込みやすい位置に魚や仕掛けが配置される。船縁停止位置まで巻き取っていない場合にはメインルーチンに戻る。
<特徴>
(A)モータ制御部60は、ブラシレスモータを用いたモータ12によりスプール10をものである。モータ制御部60は、回転速度検出部62と、モータ電流制御部63と、モータ速度制御部64と、を備えている。回転速度検出部62は、モータ12の回転速度を検出する。モータ電流制御部63は、調整レバー5の操作位置に応じて、モータ12に流れる電流値を複数段階SCに制御する。モータ速度制御部は、複数段階SCの少なくともいずれかでのモータ電流制御部63による制御中に、回転速度検出部62が所定速度S以下の回転速度MVを検出すると、所定速度Sを下回らないようにモータ12を制御する。
このモータ制御部60では、通常は、モータ12に流れる電流値を、調整レバー5の操作に応じて複数段階SCのいずれかに制御して段階SC毎に張力一定制御を行う。また、複数段階SCの少なくともいずれか段階SCでの制御中にモータ12の回転速度MVが所定速度S以下になると、所定速度Sを下回らないようにモータ12が制御される。
ここでは、すくなくともいずれかの段階SCでの電流制御中に負荷によりモータ12の回転速度MVが所定速度S以下に低下すると、所定速度Sを維持するようにモータ12が制御される。このため、電流値により張力一定制御を行っていても、回転速度MVが常に所定速度し以上に回復されるので、張力一定制御を行っても、モータ12の回転を安定させることができる。
(B)モータ制御部60において、回転速度検出部62は、モータの逆起電流を整流して得られたデータによりブラシレスモータの回転位相を検出する位相検出部62aを有する。
この場合には、モータ12の制御に用いるための位相検出部62aの検出結果によりモータ12の回転速度を検出できるので、モータ12の回転速度を検出するためのセンサを設けことなくモータ制御部60で使用するモータ12の回転速度を検出できる。
(C)モータ制御部60において、モータ速度制御部64は、電流値が所定値以下となるような段階SC以下でモータ電流制御部63がモータ12を制御しているときに、所定速度Sを下回らないようにモータ12を速度制御する。
この場合には、あまり電流値が高くない状態で電流値を増やす速度制御を行うので、速度制御により電流値を増加させて制御を行ってもモータ12が過熱しにくくなる。
(D)モータ制御部60において、スプール10の回転速度を検出するスプール速度検出部65と、スプール速度制御部66と、モード切換部67と、をさらに備える。スプール速度制御部66は、調整レバー5の操作に応じて、スプール10の回転速度を複数段階SCに制御する。モード切換部67は、モータ電流制御部63による張力一定モードと、スプール速度制御部66による速度一定モードと、を切換可能である。
この場合には、釣りを行う状況や魚種によって、モータの制御を変更できるので、より多くの釣果を望むことができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、張力一定制御と、速度一定モードとを切り換え可能にしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、張力一定制御だけを行ってもよい。
(b)前記実施形態では、モータ12のスプールの内部に収納したが、モータをスプール外に装着した電動リールにも本発明を適用できる。
(c)前記実施形態では、モータの回転位相を逆起電流により検出したが、専用のセンサを設けてモータの回転位相を検出してもよい。
(d)前記実施形態では、モータ操作部材として調整レバーを例示したが本発明はこれに限定されない。例えば、押しボタンの押圧操作時間等により段階を増加及び減少してもよい。
5 調整レバー(モータ操作部材の一例)
10 スプール
12 モータ
23 リール制御部
46 記憶部
51 糸長データ記憶エリア
52 回転データ記憶エリア
60 モータ制御部
62 回転速度検出部
63 モータ電流制御部
64 モータ速度制御部
65 スプール速度検出部
66 スプール速度制御部
67 モード切換部
68 モータ駆動回路
68a 電流検出部
SW1 メニュースイッチ
SW2 決定スイッチ
SW3 メモスイッチ

Claims (4)

  1. ブラシレスモータによりスプールを駆動する電動リールのモータ制御装置であって、
    モータ操作部材の操作に応じて、前記ブラシレスモータに流れる電流値を複数段階に制御するモータ電流制御部と、
    前記ブラシレスモータの回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記複数段階の少なくともいずれかの段階での前記モータ電流制御部による制御中に、前記回転速度検出部が所定速度以下の回転速度を検出すると、前記所定速度を下回らないように前記ブラシレスモータを制御するモータ速度制御部と、
    を備えた電動リールのモータ制御装置。
  2. 前記回転速度検出部は、前記ブラシレスモータの逆起電流を整流して得られたデータにより前記ブラシレスモータの回転位相を検出する位相検出部を有する、請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
  3. 前記モータ速度制御部は、前記電流値が所定値以下となるような段階以下で前記モータ電流制御部が前記ブラシレスモータを制御しているときに、前記所定速度を下回らないように前記ブラシレスモータを速度制御する、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
  4. 前記スプールの回転速度を検出するスプール速度検出部と、
    前記モータ操作部材の操作に応じて、前記スプールの回転速度を複数段階に制御するスプール速度制御部と、
    前記モータ電流制御部による電流制御モードと、前記スプール速度制御部による速度制御モードと、を切換可能なモード切換部と、
    をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動リールのモータ制御装置。
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