JP2004221865A - レベルシフト回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力端子INに電源電圧Vccが入力されると、ハイ電圧HVが出力端子OUTから出力され、入力端子INに0(接地)が入力されると、0が出力端子OUTから出力される。この回路において、FET15、16は共に抵抗として動作し、その抵抗値は各ゲートへ供給される電圧VBに応じて変化する。すなわち、抵抗18、19の値を調整することによって、FET14、16の合成抵抗を変えることができ、FET14のオン抵抗を変えることができる。これにより、電源電圧が変更になった場合に、FET12、14のチャネル面積を変えなくても、抵抗18、19の抵抗値を調整することによってFET14のオン抵抗を変更することができ、電源電圧変更に簡単に対応することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、LSI(大規模集積回路)内に作成されるレベルシフト回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯電話等においては、装置の小型化に伴い、電池も益々小型化され、この結果、電池の出力電圧も例えば1.3V(ボルト)とかなり低くなってきている。しかし、特に、フラッシュメモリを内蔵する回路等においては、10Vという高い電圧が必要であり、このため、電源電圧をチャージポンプ回路によって昇圧し、また、制御信号をレベルシフト回路によって昇圧して使用している。
【0003】
ところで、LSIの設計工程においては、電源電圧の変更を指示される場合がある。例えば、電源電圧1.8Vで設計されたLSIを電源電圧1.3Vに変更するよう顧客から指示される場合がある。このような場合、従来はレベルシフト回路を構成するFET(電界効果トランジスタ)のチャネル寸法を変更することによって対応していた。
【0004】
図3は、従来のレベルシフト回路の変更を説明するための図であり、(イ)は電源電圧1.8Vのレベルシフト回路を示し、(ロ)は電源電圧1.3Vのレベルシフト回路を示す。図3(イ)において、符号1,2はPチャネルFET、3,4はNチャネルFET、5はインバータであり、FET1,2のソースがハイ電圧HV(10V)に接続され、FET3,4のソースが接地されている。この回路において、入力端子INに1.8Vが入力されると、FET3、FET2がオン、FET1、FET4がオフとなり、出力端子OUTから10Vの電圧が出力される。一方、入力端子INに0(接地電位)が入力されると、FET3、FET2がオフ、FET1、FET4がオンとなり、出力端子OUTから0が出力される。
【0005】
このレベルシフト回路において、FET2のチャネル幅(μm)およびチャネル長さ(μm)はそれぞれ、
FET2:チャネル幅・・・・1.0
チャネル長さ・・・1.1
であり、FET4のチャネル幅およびチャネル長さはそれぞれ、
FET4:チャネル幅・・・・12
チャネル長さ・・・2
である。
【0006】
このレベルシフト回路を電源1.3Vの回路に変更するには、同図(ロ)に示すように、FET2およびFET4のチャネル寸法を次のように変更し、これによってPチャネルFET2とNチャネルFET4のオン抵抗の比を変える必要がある。
FET2:チャネル幅・・・・1.0
チャネル長さ・・・1.3
FET4:チャネル幅・・・・32
チャネル長さ・・・2
【0007】
しかしながら、上述したようにFETのチャネル寸法を変更する作業には次の問題がある。
(1)LSI内の全てのレベルシフト回路について変更を要するため、変更に膨大な時間が掛かる。
(2)上記の数値から明らかなように、電源電圧の低下に対応するためには、変更後のFETのチャネル面積が大きくなり、このため、変更前は収納できた回路が変更後は1つのLSI内に収納できなくなる。
なお、従来の技術として特許文献1、2に記載されるものが知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−26716号公報
【特許文献2】
特開2002−84184号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、電源変更に簡単に対応することができ、しかも、電源変更に際して回路面積が大きくなることがないレベルシフト回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、制御トランジスタと、前記制御トランジスタの負荷となる負荷トランジスタとを具備し、前記制御トランジスタの制御電極に供給される電圧レベルを所定幅シフトして前記制御トランジスタおよび前記負荷トランジスタの接続点から出力するレベルシフト回路において、前記負荷トランジスタにシリーズに接続された負荷抵抗制御用トランジスタと、前記負荷抵抗制御用トランジスタの抵抗値を制御する制御回路とを設けたことを特徴とするレベルシフト回路である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレベルシフト回路において、前記制御回路は、シリーズ接続され一端が高電圧に、他端が低電圧に接続された複数の抵抗によって構成され、前記抵抗の接続点の電圧を前記負荷抵抗制御用トランジスタへ供給することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のレベルシフト回路において、前記制御回路は、抵抗およびトランジスタをシリーズ接続してなる第1の回路と、前記第1の回路とカレントミラー回路を構成する第2の回路とからなり、前記第2の回路の電流によって前記負荷抵抗制御用トランジスタの電流を制御することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態によるレベルシフト回路の構成を示す回路図である。この図において、符号11はNチャネルFETであり、FET11のゲートは入力端子INに接続され、ソースは接地され、ドレインはPチャネルFET13のドレインおよびPチャネルFET14のゲートに接続されている。17は入力端子INの電圧を反転してNチャネルFET12のゲートへ出力するインバータである。FET12はそのソースが接地され、ドレインがFET14のドレイン、FET13のゲートおよび出力端子OUTに接続されている。15、16はPチャネルFETであり、各ソースが共にハイ電圧HV(10V)に接続され、各ドレインがそれぞれFET13、14の各ソースに接続されている。18、19はLSI内部に設けられた調整用抵抗であり、抵抗18の一端がハイ電圧HV(または電源電圧Vcc)に接続され、抵抗18の他端が抵抗19の一端に接続され、抵抗19の他端が接地されている。そして、抵抗18、19の接続点の電圧VBがFET15、16の各ゲートへ入力されている。
【0013】
このような構成において、入力端子INに電源電圧Vccが入力されると、FET11、FET14がオン、FET12、FET13がオフとなり、ハイ電圧HVがFET16、14を介して出力端子OUTから出力される。一方、入力端子INに0(接地電位)が入力されると、FET11、FET14がオフ、FET12、FET3がオンとなり、出力端子OUTから0が出力される。
この回路において、FET15、16は共に抵抗として動作し、その抵抗値は各ゲートへ供給される電圧VBに応じて変化する。すなわち、抵抗18、19の値を調整することによって、FET14、16の合成抵抗を変えることができ、言い換えれば、FET14のオン抵抗を変えることができる。これにより、電源電圧が変更になった場合に、FET12、14のチャネル面積を変えなくても、抵抗18、19の抵抗値を調整することによってFET14のオン抵抗を変更することができ、電源電圧変更に簡単に対応することができる。
【0014】
また、この回路におけるFET16、14、12の各チャネル寸法は次の通りである。
FET16;チャネル幅・・・・1.0
チャネル長さ・・・2.5
FET14;チャネル幅・・・・1.0
チャネル長さ・・・2.5
FET12;チャネル幅・・・・8
チャネル長さ・・・2
【0015】
この寸法から、FET16,14,12の合計チャネル面積を計算すると、
1×2.5+1×2.5+8×2=21
となる。これに対し、図3(イ)の基本回路におけるFET2、4の合計チャネル面積は、
1×1.1+12×2=25.1
となり、図3(ロ)のチャネル面積変更後の回路におけるFET2、4の合計チャネル面積は、
1×1.3+32×2=65.1
となる。すなわち、従来の回路によれば、電源電圧を1.8Vから1.3Vに変更する場合、チャネル面積が、65.1/25.1=2.6倍大きくなったが、第1の実施形態によれば、チャネル面積は変更なく、しかも、その面積は基本回路の、21/25.1=0.84倍で済む。
【0016】
図2はこの発明の第2の実施形態の構成を示す回路図であり、この図において、図1の各部と対応する部分には同一の符号が付してある。この図に示す実施形態が図1に示すものと異なる点は、図1の抵抗18、19に代えて、抵抗21−1〜21−n、半導体スイッチ22−1〜22−(n−1)、NチャネルFET23、24、PチャネルFET25、26がそれぞれLSI内に設けられている点である。すなわち、抵抗21−1〜21−nは直列接続され、抵抗21−nの一端がハイ電圧HVに接続され、抵抗21ー1の一端がFET23のドレインに接続されている。
【0017】
スイッチ22−1〜22−(n−1)はそれぞれ抵抗21−1〜21−(n−1)の両端に並列接続されている。FET23のソースは接地され、ゲートはドレインおよびFET24のゲートに接続されている。FET24のソースは接地され、ドレインはFET25のドレインに接続されている。FET25のゲートは接地され、ソースはFET26のソースに接続されている。FET26のゲートはソースに接続されると共に、FET15のゲートに接続され、ドレインがハイ電圧HVに接続されている。
【0018】
このような構成において、抵抗21−1〜21−nおよびFET23の回路と、FET24,25,26の回路はカレントミラー回路を構成しており、したがって、FET23のソース−ドレイン電流と、FET24のソース−ドレイン電流は同一の電流となる。また、FET14、25、26の回路とFET11、13、15の回路もカレントミラー回路を構成しており、したがって、FET26のソース−ドレイン電流と、FET15のソース−ドレイン電流は同一の電流となる。同様に、FET14、25、26の回路とFET12、14、16の回路もカレントミラー回路を構成しており、したがって、FET26のソース−ドレイン電流と、FET16のソース−ドレイン電流は同一の電流となる。
【0019】
以上の結果、スイッチ22−1〜22−(n−1)をオン/オフ制御することにより、FET23のソースドレイン電流を変えれば、FET15、16の各ソース−ドレイン電流を変えることができ、言い換えれば、スイッチ22−1〜22−(n−1)のオン/オフ制御によりFET14のオン抵抗を変えることができる。すなわち、スイッチ22−1〜22−(n−1)のオン/オフ制御により、電源電圧変更に容易に対処することができる。
【0020】
また、この第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、FET12、14、16の合計チャネル面積が基本回路の0.84倍で済む利点がある。
【0021】
なお、上記第1、第2の実施形態はレベルシフト回路を1回路しか図示していないが、実際のLSIには多数のレベルシフト回路が設けられる。それに対し、図1の抵抗18、19、あるいは、図2の抵抗、スイッチおよびFETの回路は1組設けられるだけであり、図1の回路の場合は抵抗18、19の接続点の電圧VBが全部のレベルシフト回路のFET15、16の各ベースへ供給される。したがって、抵抗18、19を一度調整するだけで、LSI内の全てのレベルシフト回路の電源電圧変更に対する処理が終了する。図2の回路の場合も同様である。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電源変更に簡単に対応することができ、しかも、電源変更に際して回路面積が大きくなることがない利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図2】この発明の第2の実施形態によるレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図3】従来のレベルシフト回路の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
11〜16、23〜26…FET
18、19…抵抗
21−1〜21−n…抵抗
22−1〜22−(n−1)…スイッチ
Claims (3)
- 制御トランジスタと、前記制御トランジスタの負荷となる負荷トランジスタとを具備し、前記制御トランジスタの制御電極に供給される電圧レベルを所定幅シフトして前記制御トランジスタおよび前記負荷トランジスタの接続点から出力するレベルシフト回路において、
前記負荷トランジスタにシリーズに接続された負荷抵抗制御用トランジスタと、
前記負荷抵抗制御用トランジスタの抵抗値を制御する制御回路と、
を設けたことを特徴とするレベルシフト回路。 - 前記制御回路は、シリーズ接続され一端が高電圧に、他端が低電圧に接続された複数の抵抗によって構成され、前記抵抗の接続点の電圧を前記負荷抵抗制御用トランジスタへ供給することを特徴とする請求項1に記載のレベルシフト回路。
- 前記制御回路は、抵抗およびトランジスタをシリーズ接続してなる第1の回路と、前記第1の回路とカレントミラー回路を構成する第2の回路とからなり、前記第2の回路の電流によって前記負荷抵抗制御用トランジスタの電流を制御することを特徴とする請求項1に記載のレベルシフト回路。
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