JP3612991B2 - 出力バッファ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はCMOSの半導体集積回路に関し、出力電流を変えることが出来る出力バッファに関している。
【0002】
【従来の技術】
従来CMOSの半導体集積回路の出力バッファは出力電流の値は固定であるのが一般的である。特殊な用途の為に出力バッファの出力電流を変える事が出来るように例えば特許公開番号S61288517の様な回路が知られている。
【0003】
図4に従来の回路例を示す。図4において、1は電源端子、2はグランド(以下GNDと略す)、11はデータの入力端子、14は出力端子、15は出力電流を変えるための制御入力端子、61はCMOSで構成されたインバータ回路、48から50はエンハンスメントPチャンネル型MOSトランジスタ(以下Pch−Trと略す)、28から30はエンハンスメントNチャンネル型MOSトランジスタ(以下Nch−Trと略す)である。
【0004】
インバータ61の入力は入力端子15と接続され、Pch−Trの48と49は直列に接続され49のソースは電源に接続し、48のドレインは出力端子14に接続されている。Nch−Trの28と29も直列に接続され、28のソースはGNDに接続され、29のドレインは出力端子14につながっている。Pch−Trの50はソースが電源にドレインが出力端子14に接続されおり、Nch−Tr30のドレインは出力端子14に接続され、ソースはGNDに接続されている。
【0005】
Pch−Tr48、50のゲートとNch−Tr29、30のゲートは入力端子11と接続され、Phc−Tr49のゲートはインバータ61の出力と接続し、Nch−Tr28のゲートは入力端子15と直接接続している。
【0006】
今、入力端子15にローレベルを印加するとPch−Tr49とNch−Tr28はオフになる。その為、入力端子11にハイレベル、ローレベルを印加しても実際にスイッチングするトランジスタPch−Trの50とNch−Trの30だけであり、出力電流は小さい。一方、入力端子15にハイレベルを印加するとPch−Tr49とNch−Tr28はオンになり、入力端子11の入力信号によってPch−Tr48と49の直列トランジスタとNch−Tr28と29の直列トランジスタも出力電流として加わることになり、出力電流は増加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図4の例では出力電流を制御するためのトランジスタと入力端子は1個だけであったが複数個設けることによって出力電流をより細かく制御することも出来る。しかしながらトランジスタをオン/オフさせて出力電流を制御しているので出力電流を細かく制御しようとすれば使用するトランジスタ数が非常に多くなる欠点がある。また、どんなにトランジスタの数を増やしても出力電流を連続的に変えることは不可能である。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、使用するトランジスタ数が少なく、出力電流を連続的に変えることが出来るようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、出力バッファのトランジスタを直列に接続して、一方のゲートには出力すべき信号を入力してもう一方のゲートに出力電流を制御するためのアナログ信号を入力する。このアナログ信号の電圧レベルを変えることによって出力電流を連続的に変えることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1に示す。図1において1は電源、2はGND、11は入力端子、12と13は出力電流を制御するための制御入力端子、14は出力端子である。21から23はNch−Trで、41から43はPch−Trである。Nch−Tr21と22は直列に接続され、GNDと出力端子14の間に挿入されている。Pch−Tr41と42は直列に接続され、電源と出力端子14の間に挿入されている。また、Nch−Tr23とPch−Tr43のドレインは出力端子14に共通接続され、23のソースはGNDに43のソースは電源に接続されている。入力端子11はトランジスタ22、23、42、43のゲートに接続され、入力端子12はトランジスタ41のゲートに入力端子13はトランジスタ21のゲートに接続されている。
【0011】
今、入力端子12に電源と同じ電位を与え、入力端子13にはGNDと同じ電位を与えると、Pch−Tr41とNch−Tr21は完全にオフになる。その為入力端子11に信号が入力されても出力に寄与するすなわち出力電流として有効になるのはランジスタ23と43のみになる。この状態が出力電流が最も小さい場合である。
【0012】
次に入力端子12にGNDと同じ電位を与え、入力端子13には電源と同じ電位を与えると、Pch−Tr41とNch−Tr21は完全にオンになる。
【0013】
この時に入力端子11にローレベルを与えると出力は“H”になりこの時のハイレベル出力電流IOHはトランジスタ43の出力電流と直列に接続されたトランジスタ41と42の出力電流の和となり、出力電流は最大になる。
【0014】
また、入力端子11にハイレベルを与えると出力は“L”になりこの時のローレベル出力電流IOLはトランジスタ23の出力電流と直列に接続されたトランジスタ21と22の出力電流の和となり、やはり出力電流は最大になる。
【0015】
次に、制御入力端子12、13に中間電位を与えたときの事を考える。電源電圧を3Vとし、入力端子12に1.5Vを与えるとPch−Tr41はオンにはなるが完全なONではなく、その等価的な抵抗値は入力端子12にGNDと同じ電位を与えた時より大きくなる。その為ハイレベル出力電流は前述の最大電流よりも小さくなる。
【0016】
同様に入力端子13にも1.5Vを与えるとNch−Tr21は完全なオンにはならないのでローレベル出力電流も前述の最大電流よりも小さくなる。
【0017】
この様に、本発明では出力電流制御の入力端子に任意の電圧を与えることによって、出力電流を無段階に変えることが出来る。
【0018】
図2に本発明の別の実施例を示す。図2において1は電源、2はGND、11は入力端子、12と13は出力電流を制御するための制御入力端子、14は出力端子である。24,25はNch−Trで、44、45はPch−Trである。Nch−Tr24と25は直列に接続され、GNDと出力端子14の間に挿入されている。Pch−Tr44と45は直列に接続され、電源と出力端子14の間に挿入されている。入力端子11はトランジスタ24、44のゲートに接続され、入力端子12はトランジスタ45のゲートに、入力端子13はトランジスタ25のゲートに接続されている。
【0019】
図2の例では出力電流を制御するトランジスタが出力端子側に入れている点と、最低出力電流を決めているトランジスタ(図1の23と43)がない点が異なっている。図2の回路ではハイレベル出力電流を制御している入力端子12に電源電圧と同じ電圧を与えるとPch−Tr45は完全にオフになるのでハイレベル出力電流も完全に0になってしまう。入力端子12にGNDと同じ電位を与えるとPch−Tr45は完全なオンになりハイレベル出力電流は最大になる。
【0020】
同様に入力端子13にGNDと同じ電位を与えるとNc−Trは完全にオフになりローレベル出力電流は完全な0になってしまう。入力端子13に電源電圧と同じ電位を与えるとNch−Tr25は完全なオンとなりローレベル出力電流は最大になる。
【0021】
図2の例では図1の回路例と比べて出力電流を0から最大出力まで変えられるという利点がある。また、出力電流を制御しているトランジスタが出力端子側についているので主力電流が0の状態での出力端子の寄生容量が小さいというメリットもある。
【0022】
図3に本発明の別の実施例を示す。図3において、1は電源、2はGND、11は入力端子、12と13は出力電流を制御するための制御入力端子、14は出力端子である。26と27はNch−Trで、46と47はPch−Trである。Nch−Tr26はソースがGNDにドレインがPch−Tr46のドレインおよび、Nch−Tr27のソースとPch−Tr47のソースと共通接続され、Pch−Tr46のソースは電源に接続している。Pch−Tr47のドレインとNch−Tr27のドレインが共通接続されて出力端子14につながっている。入力端子11はトランジスタ26と46のゲートに接続され、入力端子12はPch−Tr47のゲートに入力端子13はNch−Tr27のゲートに接続されている。
【0023】
図3の回路ではNch−Tr27とPch−Tr47で構成されたトランスミッションゲートで出力電流の値を制御するようにしている点が図1や図2の回路と大きく異なっている点である。トランスミッションゲートを使用しているので、Pch−Tr46とNch−Tr26で構成されるインバーター出力のをこのトランスミッションゲートの抵抗値を制御することによって出力電流を制御している。トランスミッションゲートはPch−Tr47とNch−Tr27で構成されているのでこれら2つのトランジスタの合成抵抗がトランスミッションゲートの等価的な抵抗になる。その為、小さなトランジスタサイズでも等価的な抵抗は小さくすることができる。また、図2の例では出力電流制御入力端子12に電源と同じ電位を与えるとハイレベル出力電流(IOH)は完全に0になり出力はLレベルに固定されてしまうが、図3の場合には入力端子12に電源と同じ電位を与えてももう一方のNch−Tr27が完全なオフ状態でなければハイレベル出力電流はわずかであっても流れる事になり、出力はH/Lに変化することが出来るという利点がある。
【0024】
以上の説明では出力バッファは通常の出力バッファとして説明したが、3ステート出力バッファにおいても出力トランジスタの前段のプリドライバーを変えることによって同じように適用することが出来る。
【0025】
また、一般的にCMOSのデジタル回路においてはアナログ信号を取り扱うことは難しく、本発明の出力バッファの出力電流制御端子に与える電位をどこから供給するかが問題となる。もちろん、半導体集積回路上でアナログ電圧を発生するような回路を内蔵して、この回路で生成した電圧を制御入力端子に与えることも出来る。
【0026】
また、もっと簡単な方法として、ICの外部端子から静電気対策の入力バッファなどを経由して出力電流制御端子に電圧を供給する方法がある。一般的にバスの出力端子などでは、同じ出力バッファが複数使用されることが多く、これら複数の出力バッファを同じ出力電流に制御したい事がある。この場合には、出力電流制御端子を共通に接続することによって同時に制御出来るのでICの外部端子をいたずらに増やさなくても良く、効率的に本発明を使用することが出来る。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を使用すれば出力電流の値を制御入力端子に加える電圧レベルによって連続的に変えることが出来るという効果がある。これによって、従来であれば半導体集積回路の出力端子に接続される負荷容量が変わると遅延時間も変わってしまったが、本発明を使用すれば、出力電流を調整して遅延時間を同じする事も出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出力バッファの回路図を示す図。
【図2】本発明の実施例2の回路図を示す図。
【図3】本発明の別の実施例の回路図を示す図。
【図4】従来の回路例を示す図。
【符号の説明】
1は電源
2はGND
11は出力バッファの入力端子
12、13は出力電流制御の為の入力端子
14は出力バッファの出力端子
21〜30はNチャンネル型MOSトランジスタ
41〜50はPチャンネル型MOSトランジスタ
61はインバータ
Claims (1)
- ソース電極が電源に接続された第1のPチャンネル型MOSトランジスタと、
ソース電極がグランドに接続された第2のNチャンネル型MOSトランジスタと、
ソース電極が、前記第1のPチャンネル型MOSトランジスタのドレイン電極と前記第2のNチャンネル型MOSトランジスタのドレイン電極とに接続された第3のPチャンネル型MOSトランジスタと、
ソース電極が、前記第1のPチャンネル型MOSトランジスタのドレイン電極と前記第2のNチャンネル型MOSトランジスタのドレイン電極とに接続された第4のNチャンネル型MOSトランジスタと、
前記第3のPチャンネル型MOSトランジスタのドレイン端子と前記第4のNチャンネル型MOSトランジスタのドレイン端子とが接続された出力端子と、
を備え、
前記第3のPチャンネル型MOSトランジスタのゲート電極には任意の電圧レベルが与えられ、前記第4のNチャンネル型MOSトランジスタのゲート電極には前記任意の電圧レベルとは別の任意の電圧レベルが与えられて出力電流を制御することを特徴とする出力バッファ回路。
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JPH11261395A JPH11261395A (ja) | 1999-09-24 |
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1998
- 1998-03-13 JP JP06376298A patent/JP3612991B2/ja not_active Expired - Fee Related
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