JP2004220856A - コルゲートチューブ用カバー付コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コネクタハウジング11から導出される電線Wを覆うようにしてコルゲートチューブ21を保持する筒状のカバー31を有するコネクタにおいて、コルゲートチューブ21を保持する係止部37の隣接位置にはコルゲートチューブ21から導出される電線Wの経路をコルゲートチューブ21の端縁部22の内周よりも小径となるように規制する電線案内部39を設ける。この電線案内部39によって電線Wをコルゲートチューブ21の端縁部22に生じるバリ等の鋭利な部分と接触させないようにすることができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコルゲートチューブ用カバー付コネクタに関し、詳しくは、コルゲートチューブの端縁部との接触による電線の損傷防止を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コネクタハウジングに導入される電線を保護するためのコルゲートチューブをカバーを介してコネクタハウジングの端子挿入面側に装着してなるコルゲートチューブ用カバー付コネクタが自動車用コネクタとして多用されている。そして、このようなコネクタとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この種のコネクタにおける筒状のカバーは、電線導出側の端部にコルゲートチューブの外周に嵌合して、コルゲートチューブを抜け止め状態で保持するための凹凸状の保持部を備えている。そして、コルゲートチューブから導出された電線はカバー内のスペースにおける経路を通ってコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−27645号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、従来のカバー1の内部において、カバー1の端部に装着されたコルゲートチューブ2の端縁部2aから電線Wが導出している部分の様子を示している。ここで、電線Wはコルゲートチューブ2の端縁部2aの内周に接しながらカバー1の内部経路を通ってコネクタハウジングへ導入される。ところが、コルゲートチューブ2の端縁部2aには成形時或いは切断時の都合により鋭利な突起状のバリが発生していることがある。このようなバリが存在する場合、自動車走行中の振動等の影響で電線Wに振れが生じると、電線Wがコルゲートチューブ2の端縁部2aとの摺動接触にさらされて、電線Wの絶縁被覆に損傷を生じることがある。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、カバーの内部において、コルゲートチューブから導出される電線がコルゲートチューブの端縁部と接触しない状態で保持できるようにして電線の損傷を防止することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電線の端末に取り付けられた端子金具が挿入されたコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの端子挿入面側に装着されると共に上記コネクタハウジングから導出される電線を覆う筒状のカバーとからなるコネクタにおいて、
上記カバーにおける電線が導出される側の端部内周面にはコルゲートチューブの外周に嵌合して該コルゲートチューブを抜け止め状態で装着可能な係止部を設け、該係止部の隣接位置には上記コルゲートチューブから導出される電線の経路を上記コルゲートチューブの端縁部内周よりも小径となるように規制する電線案内部を設けていることを特徴とするコルゲートチューブ用カバー付コネクタを提供している。
【0008】
上記構成によれば、カバー内においてコルゲートチューブの端縁部から導出される電線は電線案内部によってその経路が規制されるので、コルゲートチューブの端縁部に接触することがない。よって、電線の振動等に伴いコルゲートチューブの端縁部と摺動接触することによる絶縁被覆の損傷を確実に防止することができる。
【0009】
上記カバーは合体することで筒状をなす一対の半割カバーからなると共に、両半割カバーの間には両半割カバーを合体状態に保持するロック機構を設け、上記電線案内部は上記両半割カバーの内周に周設した半割の環状突片から構成するのが好ましい。このようにすれば、半割カバーの一方にコルゲートチューブの端部を嵌め込むと共に電線を半割の環状突片の内周に位置決めした後、他方の半割カバーを合わせてロック機構により合体固定することでコルゲートチューブおよび電線を簡単に装着することができる。また、電線は環状突片の内周によりその経路が規制されるので、半割カバーを合体させるときに、カバーの周縁部に電線がかみ込むのを防止できる。
【0010】
上記電線案内部における電線との接触部の断面はR面形状とするのが好ましい。このように構成すれば、電線の絶縁被覆に対する電線案内部の接触部分がより一層滑らかとなり、電線被覆への影響をなくすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のコルゲートチューブ用カバー付コネクタ10の実施形態を示し、電線Wの端末に取り付けられた端子金具(図示せず)が挿入されるコネクタハウジング11と、コネクタハウジング11から導出される電線Wを覆うと共に、電線Wに外装されたコルゲートチューブ21の端部を保持するカバー31とから構成している。
【0012】
コネクタハウジング11は合成樹脂製からなり、図2に示すように、端子金具を収容する5つのキャビティ12を備え、外面には相手側コネクタと結合固定するためのロックアーム13を備えている。また、コネクタハウジング11の後面側である端子挿入面11aには、カバー31の一端を装着するための突片14を突設している(図4)。
【0013】
コルゲートチューブ21は合成樹脂製からなり、コネクタハウジング11のキャビティ5から導出される5本の電線Wを束ねて保護するためのものであり、外周面には凸条21aと凹溝21bが交互に周設されて可撓性を有するようになっている。そして、カバー31に保持される端縁部22は、凹溝21bの中間部分で切断されている(図4)。
【0014】
カバー31は、合成樹脂製のL型筒状体からなり、図3に示すように、二つ割りの一対の半割カバー31a、31bから構成すると共に、コネクタハウジング11に取り付けるハウジング側端部33の一側に突設したヒンジ32を介して開閉可能に連結している。半割カバー31a、31bの間には、両者を閉じて合体状態で固定するロック機構を備えている。このロック機構は、4箇所設けられ、一方の半割カバー31a側においてハウジング側端部33におけるヒンジ32と反対側の側壁と、コルゲートチューブ21を保持するチューブ側端部34の両側壁および中間の傾斜部分に外方に向けて係止爪35を設けている。そして、他方の半割カバー31bには、係止爪35に対応する位置に、半割カバー31a、31bの合体状態において係止爪35を受け入れて係合する係止枠36を設けている。
【0015】
半割カバー31aにおいてハウジング側端部33の両側壁の内面には、コネクタハウジング11の突片14に係合する嵌合溝33aを形成し、この嵌合溝33aの上下位置には、突片14の上下に設けた凹部14aに嵌合するガタ詰め突起33bを設けている。一方、カバー31の他端であるチューブ側端部34の内周には、コルゲートチューブ21の端部を抜け止め状態で装着するために、コルゲートチューブ21の凹溝21bに対応して係合する3本の半割状の係止突片37a、37bからなる係止部37を半割カバー31a、31bにそれぞれ突設している。
【0016】
更に、係止部37より奥側の隣接位置には、図4、図5に示すように、係止部37に装着されたコルゲートチューブ21の端縁部22の内径D1より小径となる電線Wの経路38を規制する電線案内部39を設けている。この電線案内部39は、半割カバー31a、31bの内周壁からそれぞれ一体的に周設した半割の環状突片39a、39bから構成し、この環状突片39a、39bの内周により囲まれた部分を電線Wの経路38としている。即ち、経路38の径D2はコルゲートチューブ21の端縁部22の内径D1より小さい寸法設定とし、これによりコルゲートチューブ21からカバー31の奥へ導出される電線Wを電線案内部39で案内して、電線Wがコルゲートチューブ21の端縁部22に接触しない状態を確保している。また、経路38となる環状突片39a、39bにおける電線Wとの接触部の断面は、図5に示すようにR面形状39cとし、電線Wの絶縁被覆への損傷を防止する形状としている。
【0017】
次に、上記構成からなるコルゲートチューブ用カバー付コネクタの作用について説明する。
図4に示すように、コルゲートチューブ21が外装された5本の電線Wの端末に取り付けられた各端子金具をコネクタハウジング11の対応する各キャビティ12内に挿入係止する。そして、カバー31を構成する一方の半割カバー31aのハウジング側端部33をコネクタハウジング11の端子挿入面側11aに係合保持させると共に、コルゲートチューブ21の端縁部22を対応する係止突片37aに係止保持させる。このとき、図5に示すように、コルゲートチューブ21の端縁部から導出される各電線Wを電線案内部39の環状突片39aの経路38内に位置するように配置する。そして、他方の半割カバー31bを閉じて半割カバー31aと合体すると共に、係止爪35と係止枠36とからなるロック機構によって閉塞状態で固定する。
【0018】
上記構成とすると、各電線Wはカバー31内に保持され、コルゲートチューブ21の端縁部22から導出された電線Wは電線案内部39の経路38に案内された状態となる。即ち、コルゲートチューブ21の端縁部22の内径D1より経路38の径D2の方が小さい寸法設定となっているので、各電線Wはコルゲートチューブ21の端縁部22に常に接触することなく配置される。このため、電線Wが自動車走行中の振動等により振れが発生しても、コルゲートチューブ21の端縁部22における切断バリ等と接触することがない。よって、電線Wの絶縁被覆がコルゲートチューブ21の端縁部22と摺動接触することに起因する損傷を未然に防止することができる。
【0019】
なお、上記実施形態においては、電線案内部39を環状突片39a、39bから構成した例を示したが、コルゲートチューブ21の端縁部22の内径D1より小径であれば経路38が角形状であってもよい。更に、環状突片39a、39bをカバー31の側壁を肉厚にすることにより経路38を狭く形成するようにしてもよい。また、カバー31としてL型で角筒状のものを示したが、ストレート型のものや円筒状のものにも同様に適用可能である。更に、半割カバー31a、31bをヒンジ32により連結したものを示したが、それぞれ別体のものであってもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明では、カバー内部にコルゲートチューブの端縁部の内径より小径の電線導入経路を確保する電線案内部を設けたので、電線がコルゲートチューブの端縁部と接触することに起因する絶縁被覆の損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコルゲートチューブ用カバー付コネクタの平面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】カバーを開いた状態の斜視図である。
【図4】コネクタハウジングにカバーとコルゲートチューブを保持した状態におけるカバーを開いた状態の平面図である。
【図5】要部の拡大図である。
【図6】図5においてコルゲートチューブを除いたX−X面図である。
【図7】従来例を示す図である。
【符号の説明】
10 コルゲートチューブ用カバー付コネクタ
11 コネクタハウジング
11a 端子挿入面
21 コルゲートチューブ
22 端縁部
31 カバー
31a、31b 半割カバー
32 ヒンジ
35 係止爪(ロック機構)
36 係止枠(ロック機構)
37 係止部
37a、37b 係止突片
38 導入経路
39 電線案内部
39a、39b 環状突片
D1 内径
D2 径
Claims (3)
- 電線の端末に取り付けられた端子金具が挿入されたコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの端子挿入面側に装着されると共に上記コネクタハウジングから導出される電線を覆う筒状のカバーとからなるコネクタにおいて、
上記カバーにおける電線が導出される側の端部内周面にはコルゲートチューブの外周に嵌合して該コルゲートチューブを抜け止め状態で装着可能な係止部を設け、該係止部の隣接位置には上記コルゲートチューブから導出される電線の経路を上記コルゲートチューブの端縁部内周よりも小径となるように規制する電線案内部を設けていることを特徴とするコルゲートチューブ用カバー付コネクタ。 - 上記カバーは合体することで筒状をなす一対の半割カバーからなると共に、両半割カバーの間には両半割カバーを合体状態に保持するロック機構を設け、上記電線案内部は上記両半割カバーの内周に周設した半割の環状突片からなる請求項1に記載のコルゲートチューブ用カバー付コネクタ。
- 上記電線案内部における電線との接触部の断面はR面形状とされている請求項1または請求項2に記載のコルゲートチューブ用カバー付コネクタ。
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