JP2004219971A - 投写型表示装置及び光学部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射型ライトバルブの表面にゴミが付着するのを防止することが可能な投射型表示装置を提供する。
【解決手段】偏光ビームスプリッタ取り付け部8j、8kに偏光ビームスプリッタ6の前記上下面を挟みこんで接着剤にて取り付け固着する。次に、ライトバルブ7を取り付けた背面冷却基板部材7aと一体化されたライトバルブホルダー8aと偏光ビームスプリッタ6を取り付けた偏光ビームスプリッタホルダー8gとを前述の半田付け部8bと8h、8cと8iとを半田付けして一体化固定する。このとき、ライトバルブ7と偏光ビームスプリッタ6との間の空間は、第1防塵シート8d、補助部材8e、第2防塵シート8fによって防塵空間とされる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は反射型ライトバルブを使用し、このライトバルブから射出された光をプリズム部材に入射させ、このプリズム部材を経由した光を投射光学系にて投射する投射型表示装置、及び光学部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の従来の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置としては、特開平10−133301号公報に記載されるようなものが知られている。図12は、このような従来の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置の構成を示す図である。
【0003】
光源1から射出された光源光は平行に配置されたダイクロイックミラー51、52によってR(赤)光、G(緑)光、B(青)光の三原色光に色分解され、各色光毎に配置された偏光ビームスプリッタ53R、53G、53Bに入射される。
【0004】
前記偏光ビームスプリッタ53R、53G、53Bに入射した各色光は各偏光ビームスプリッタの偏光分離部によって反射され、射出面から射出されて反射型ライトバルブ54R、54G、54Bにそれぞれ入射する。
【0005】
反射型ライトバルブ54R、54G、54Bで変調反射された光は再度偏光ビームスプリッタ53R、53G、53Bに入射し、偏光分離部にて変調光のみが投射光として検光して取り出される。そして、色合成光学光学系を構成するダイクロイックミラー55、56に入射して色合成され、当該合成光は投射レンズ57に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラーの拡大投射像が形成される。
【0006】
さらに、このような投射型表示装置において、更に投射像のコントラストを向上させる方法として、前記各色光用のライトバルブと偏光ビームスプリッタとの間にそれぞれ1/4波長位相板等の波長位相板を配置することが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記投射型表示装置においては、反射型ライトバルブ54R、54G、54Bと投射像を形成するスクリーンとは投射レンズ57に対して光学的に共役の関係があるので、ライトバルブ54R、54G,54Bの表面にゴミが付着するとそのゴミの像がスクリーン上に拡大投影されてしまうという問題があった。
【0008】
また、前記各色光毎に配置される1/4波長位相板等の波長位相板が前記ライトバルブの近接位置にあるため、この波長位相板の表面に付着したゴミも投射レンズによってスクリーン上に投射されるという問題もあった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされてもので、反射型ライトバルブ、波長位相板の少なくとも一方の表面にゴミが付着するのを防止することが可能な投射型表示装置及び光学部品を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材に入射させ、当該プリズム部材を経由して投射光学系に入射させて投射させる機能を有する投射型表示装置であって、前記反射型ライトバルブの光射出面と前記プリズム部材の光入射面との間を密封して防塵構造にする防塵カバーを有することを特徴とする投写型表示装置(請求項1)である。
【0011】
本手段においては、反射型ライトバルブの光射出面と前記プリズム部材の光入射面との間を密封して防塵構造にする防塵カバーを有するので、反射型ライトバルブの光射出面にゴミが付着するのを防止できる。
【0012】
なお、本手段(請求項1)を初め各手段(各請求項)におけるプリズム部材には、通常のプリズムの他、偏光ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー、ハーフミラー、ミラーのように、光を分光したり、光の方向を変更するものが含まれる。
【0013】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記防塵カバーが、前記反射型ライトバルブから射出された光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されたものであることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0014】
本手段においては、防塵カバーが、反射型ライトバルブから射出された光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されている。よって、後に実施の形態で述べるように、防塵カバーの内部に設けられた、1/4波長板や、他の光学部材の向きを調整する等の調整を行うことが容易になる。
【0015】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材との間に配置される波長位相板をさらに有し、前記波長位相板は、前記防塵部材のひとつに保持されていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0016】
本手段においては1/4波長板等の波長位相板が防塵部材のひとつに保持されているので、この防塵部材を、熱伝達の良いもので構成しておけば、この防塵部材を通して放熱を図ることができ、又は、防塵部材の位置調整により、向きを調整することが可能となる。
【0017】
前記課題を解決するための第4の手段は、反射型ライトバルブから射出した光をプリズムに入射させ、当該プリズムを経由して投射光学系に入射させて投射させる機能を有する投射型表示装置であって、前記ライトバルブより大きい外形を有し、前記ライトバルブが取り付けられる基板を有すると共に、前記基板と前記プリズムの入射面の間に前記ライトバルブを囲む大きさの開口を有する応力変形可能な防塵部材を少なくとも2つ以上有しており、前記防塵部材のうち第1の防塵部材の開口部には、前記ライトバルブが挿入されると共に、前記基板に当該防塵部材の枠部が押し付けられ、前記プリズムの入射面には前記防塵部材のうち第2の防塵部材の枠部が押し付けられ、前記第1の防塵部材と、前記第2の防塵部材とが当接しているか、又はこれら第1及び第2の防塵部材の間に、他の枠構成を有する部材、又は他の防塵部材の少なくとも一つが挟まれており、前記基板と前記プリズムには、その間に挟まれている物体を圧縮するような圧縮力が加えられていることを特徴とする投射型表示装置(請求項4)である。
【0018】
本手段においては、前記基板、前記プリズム、及び前記第1の防塵部材、前記第2の防塵部材、さらにこれに加えて場合により設けられることがある前記他の枠構成を有する部材、又は他の防塵部材により、防塵空間が形成され、この防塵空間の中にライトバルブが収納される。そして、前記基板と前記プリズムの間には、その間に挟まれている物体を圧縮するような圧縮力が加えられているので、前記防塵空間を構成する部材同士は密着しており、防塵構造が完全なものとなる。従って、ライトバルブにゴミ等が付着することが無くなる。また、防塵部材は2つ以上に分けられているので、各々の厚さを薄くすることができ、製造が容易である。
【0019】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記他の枠構成を有する部材が薄板形状の補助部材であることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0020】
前記他の枠構成を有する部材を薄板形状の補助部材とすることにより、前記第1の防塵部材、又は前記第2の防塵部材の表面性状が良好でない場合でも、この補助部材の表面性状が良好であるので、押圧力が加わったときに互いの密着性が良好となる。よって、防塵性が確保される。
【0021】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段であって、前記他の枠構成を有する部材が波長位相板を取り付けた枠形状を有する波長位相板ホルダーであり、当該波長位相板ホルダーのライトバルブ側の枠部には、さらに枠形状を有する防塵部材が取り付けられ、当該防塵部材の枠部が前記第1の防塵部材に直接又当接するか、又はこれらの間に、他の枠構成を有する部材、又は他の防塵部材の少なくとも一つが挟まれていることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0022】
本手段によれば、前記ライトバルブとプリズムの間に波長位相板が設けられる場合であっても、ライトバルブが置かれる空間を防塵空間内とすることができ、ライトバルブにゴミ等が付着することを防止できる。
【0023】
前記課題を解決するための第7の手段は、反射型ライトバルブから射出した光を、波長位相板を介して受光するプリズム部材を有し、このプリズム部材を経た光を投射レンズから投射させる投射型表示装置であって、前記ライトバルブ射出面と前記プリズム部材の入射面との間の前記波長位相板を含む空間が防塵カバーで囲んで密閉された防塵空間とされ、前記波長位相板を前記防塵空間に配置するために使用され、前記波長位相板を直接取り付けた金属から形成されるホルダーの一部が、前記防塵空間の外部に露出していることを特徴とする投写型表示装置(請求項7)である。
【0024】
本手段においては、例えば、防塵空間の外部に露出させたホルダーの一部に冷却気流を当てることによって波長位相板を冷却することができる。このためには、当該ホルダーを熱伝導率の良い部材で構成し、さらには、冷却気流があたる部分に放熱板を設けることが好ましい。
【0025】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段であって、前記防塵カバーが、前記反射型ライトバルブから射出された光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されたものであることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0026】
本手段においては、防塵カバーが、反射型ライトバルブから射出された光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されている。よって、後に実施の形態で述べるように、防塵カバーの内部に設けられた、1/4波長板や、他の光学部材の向きを調整する等の調整を行うことが容易になる。
【0027】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第7の手段又は第8の手段であって、前記金属から形成されるホルダーの一部を冷却する冷却装置が設けられ、この冷却装置により、前記金属から形成されるホルダーの一部を介して、前記波長位相板が冷却されることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0028】
本手段においては、例えば、冷却ファン、又はペルチェ素子等の熱交換素子からなる冷却装置により、波長位相板を冷却することが可能である。
【0029】
前記課題を解決するための第10の手段は、反射型ライトバルブから射出された光を、波長位相板を介して受光するプリズム部材を有し、このプリズム部材を経た光を投射レンズから投射させる投射型表示装置であって、前記ライトバルブ射出面と前記プリズム部材の入射面との間の前記波長位相板を含む空間が防塵カバーで囲んで密閉された防塵空間とされ、前記波長位相板を前記防塵空間に配置するために使用され、前記波長位相板を直接取り付けた金属から形成されるホルダーの一部が、前記防塵空間の外部に露出していることを特徴とする光学部品(請求項10)である。
【0030】
本手段においても、例えば、防塵空間の外部に露出させたホルダーの一部に冷却気流を当てることによって波長位相板を冷却することができる。このためには、当該ホルダーを熱伝導率の良い部材で構成し、さらには、冷却気流があたる部分に放熱板を設けることが好ましい。
【0031】
前記課題を解決するための第11の手段は、前記第10の手段であって、前記金属から形成されるホルダーの一部を冷却する冷却装置が設けられ、この冷却装置により、前記金属から形成されるホルダーの一部を介して、前記波長位相板が冷却されることを特徴とするもの(請求項11)である。
【0032】
本手段においては、例えば冷却ファン、又はペルチェ素子等の熱交換素子からなる冷却装置により、波長位相板を冷却することが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図5は本発明の第1の実施の形態である投射型表示装置の基本構成を示す図である。なお、以下の説明においては、ある部材を、たとば6のように代表する符号で表し、これの青色光用のものを6B、緑色光要のものを6G、赤色光用のものを6Rというように、それぞれB、G、Rの符号を添えて表すことがある。
【0034】
ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源1から射出された光源光は、B光(青色光)を反射する特性を有するダイクロイックミラー2Bと、R光(赤色光)とG光(緑色光)を反射する特性を有するダイクロイックミラー2RGとを互いに直交するようにX型に配置したクロスダイクロイックミラー2に入射し、互いに反対方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0035】
色分解されたB光は折り曲げミラー3で進行方向を変えられて進行し、B光用に配置された偏光ビームスプリッタ6Bに入射する。R光とG光の混合光は折り曲げミラー4で進行方向を変えられて進行し、G光を反射する特性を有するダイクロイックミラー5に入射し、当該ダイクロイックミラー5を透過して進行するR光と、反射して進行するG光とに色分解される。そして、R光は偏光ビームスプリッタ6R、G光は偏光ビームスプリッタ6Gに入射する。
【0036】
偏光ビームスプリッタ6B、6G、6Rはそれぞれ2個の三角プリズム部材を偏光分離膜を挟んで形成した複合プリズム構造を有している。
【0037】
各色光用に配置された偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bに入射した各色光は偏光分離部にて反射されて射出面から射出され、射出面近傍に配置された反射型のライトバルブ7R、7G、7Bにそれぞれ入射する。
【0038】
ライトバルブ7R、7G、7Bにて変調、反射された光は再度偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bにそれぞれ入射し、偏光分離部によって当該偏光分離部を透過する変調光と、反射する非変調光とに偏光分離される。
【0039】
偏光分離部を透過する変調光を取り出し(検光し)、各色の検光光を色合成するクロスダイクロイックプリズム9にそれぞれ異なる入射面から入射させる。
【0040】
クロスダイクロイックプリズム9に入射したB光の検光光は内部に配置されたB光反射ダイクロイック膜9Bで反射され、R光の検光光はR光反射ダイクロイック膜9Rで反射される。G光の検光光は両膜9R、9Bを透過する。これにより、三色光の色合成が達成され、当該合成光が射出面から射出される。
【0041】
合成光は投射レンズ11に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラー像が拡大投射される。
【0042】
なお、偏光ビームスプリッタ6Rとライトバルブ7Rとの間の空間は後述する防塵一体化部材8R(図5においては概念簡略化して図示されている)にて防塵空間とされている。また、偏光ビームスプリッタ6Gとライトバルブ7Gとの間の空間は後述する防塵一体化部材8G(図5においては概念簡略化して図示されている)にて防塵空間とされている。更に、偏光ビームスプリッタ6Bとライトバルブ7Bとの間の空間は後述する防塵一体化部材8B(図5においては概念簡略化して図示されている)にて防塵空間とされている。
【0043】
ここで、上記防塵一体化部材8R、8G、8Bを用いた偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bとライトバルブ7R、7G、7Bとの防塵一体化構造について図1、図2を用いて説明する。なお、以下の説明ではG光用の防塵用一体化部材8Gを一例として説明しているが、R光用とB光用防塵用一体化部材8R、8Bの構成も同様である。よって、以下の図においては、R、B、Gを付さない符号を用いて説明することがある。
【0044】
図1は防塵一体化部材8を説明する断面構成図。図2はその分解斜視構成図である。
まず、反射型ライトバルブ7について説明する。図1、図2に記載されているように反射型ライトバルブ7はその背後に設けられた、当該ライトバルブ7より外形が大きい背面冷却基板部材7aに熱伝導の良好な接着剤を用いて接着され一体化されている。その接着はライトバルブ7の回りに略同じ寸法の余白を残して行う。さらに、図2に示すように背面冷却基板部材7aのライトバルブ7接着面の左右端部には後述のライトバルブホルダー8aへ背面冷却基板部材7aをネジにて取り付けるための取り付け穴7bを有する部分が接続面に平行に延設されている。 ライトバルブホルダー8aは金属部材から構成され、中央部には背面冷却基板部材7aの外形と略一致する大きさの開口を有し、その外枠部分には冷却基板部材7aの取り付け用穴7bと一致する位置に雌ネジ8zを有している。
【0045】
当該穴部7bと雌ネジ8zを一致させ、ネジにてライトバルブホルダー8aと冷却背面基板7aとを結合する。さらに、ライトバルブホルダー8aの上下部には、それぞれ後述の偏光ビームスプリッタ6を取り付けた偏光ビームスプリッタホルダー8gと半田付けして一体化するための半田付け部8b、8cが前記開口部のなす面より斜め前部に突出してそれぞれ形成されている。
【0046】
偏光ビームスプリッタ6の、ライトバルブ7からの光の入射面と直角に当接する上下面に偏光ビームスプリッタホルダー8gを取り付ける。偏光ビームスプリッタホルダー8gは金属板部材から構成され、中央部には開口部が形成され、当該開口部の上下部にはそれぞれ前記開口部のなす面と直角に曲げられた、偏光ビームスプリッタ6の上下面をそれぞれ挟んで取り付ける取り付け部8j、8kが形成されている。さらに、偏光ビームスプリッタホルダー8gの上下部にはそれぞれ前述のライトバルブホルダー8aの半田付け部8b、8cと半田付けによって固着される半田付け部8h、8iが形成されている。
【0047】
偏光ビームスプリッタ取り付け部8j、8kに偏光ビームスプリッタ6の上下面を挟みこんで接着剤にて取り付け固着する。
次に、ライトバルブ7を取り付けた背面冷却基板部材7aと一体化されたライトバルブホルダー8aと、偏光ビームスプリッタ6を取り付けた偏光ビームスプリッタホルダー8gとを前述の半田付け部8bと8h、8cと8iとを半田付けして一体化固定する。このとき、ライトバルブ7と偏光ビームスプリッタ6との間の空間は、第1防塵シート8d、補助部材8e、第2防塵シート8fによって防塵空間とされる。すなわち、図5で防塵一体化部材8R、8G、8Bとして説明したのものの一例が第1防塵シート8d、防塵シート、補助部材8e、第2防塵シート8fである。
【0048】
以下、この構造と組み立て方法を、図1、図2を参照して具体的に説明する。第1防塵シート8dはライトバルブ7の外形より大の形状の開口部を有する枠形状を有し、応力に対して変形可能な材料によって形成された部材からなり、厚みはライトバルブ7のそれよりも厚く形成されている。そして、開口のなす平行な枠面を、その開口中にライトバルブ7を挿入してライトバルブ7の背面の冷却基板部材7aのライトバルブ取り付け面の側面部に当接させる。
【0049】
第2の防塵シート8fは第1防塵シート8dと略同じ形状を有し、同じ材料から構成された部材であってその枠部の開口部と平行な一方の面には接着シート(図2に砂状線で示されるもの)が貼りつけられている。そして接着シートは偏光ビームスプリッタホルダー8gに固定された偏光ビームスプリッタ6の検光光射出面に固着される。
【0050】
次に、第1防塵シート8dの枠部と第2防塵シート8fの枠部とを当接させた状態で、ライトバルブホルダー8aと偏光ビームスプリッタホルダー8gとを半田付けにより一体化する。この際に、防塵効果を完全にするために、両防塵シート8d、8fの当接部に補助部材8eを挟み込んで当接させるようにする。この補助部材8eとしては、応力によって厚み、形状が変形しないものが望ましく、例えば塩ビからなる枠形状の薄板部材を用いることができる。
【0051】
この補助部材8eは第1防塵シート8dと第2防塵シート8fの当接による防塵を確実にするために配置するものであり、必須部材ではなく、第1防塵シート8dと第2防塵シート8fの当接部の表面性が良好である場合には不要である。表面性が良好でない場合は両者を、表面が平滑な補助部材8eに押し当てて、密着性を良くする。
【0052】
図1の断面構成から理解できるように、偏光ビームスプリッタ6の検光光射出面とライトバルブ7の間の空間は、第1防塵シート8d、第2防塵シート8f、補助部材8eによって防塵空間とすることができる。さらに、本実施の形態では、2個の防塵シートを当接させることによって防塵構造を形成するので、各防塵シートの厚みを防塵空間の距離の略半分とすることが可能となり、防塵シートの加工が容易であるばかりでなく、組み立ても容易である上にその単価を下げることが可能となる。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態においては投射型表示装置の偏光ビームスプリッタとライトバルブの間の空間を容易に防塵構造とすることが可能となり、投射像においてライトバルブ上のゴミ像を投射することをなくすことが可能となる。なお、防塵シートは必ずしも接着していなくてもよい。
【0054】
(第2の実施の形態)
本実施の形態における投射型表示装置は図5に示す投射型表示装置と基本的に同じ構成の投射型表示装置であるが、当該構成図にて示す反射型ライトバルブ7R、7G、7Bと偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bとの間に1/4波長位相板(波長位相板の図示は省略する)を配置し,投射像のコントラストを向上させるものである。
【0055】
この構成の防塵一体化部材8R、8G、8Bの構成を8Gを代表として図3に示す断面構成図、図4に示す分解斜視図を用いて説明する。8R、8Bも同様の構造を有することは前実施の形態と同様である。よって、以下の図においては、R、B、Gをとった符号により説明することがある。また、図3、図4においては、図1、図2に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0056】
8rは偏光ビームスプリッタホルダーであり、前実施の形態の偏光ビームスプリッタホルダー8gと基本的に同じ構造を有しているが、この構造にさらに、後述する1/4波長位相板12を固定した1/4波長位相板ホルダー8mの一部を貫入させて固定させて一体化させるための穴部8x、8yと、波長板ホルダーの光軸の周りに対しての固定位置を決定するために使用する図示されている雌ネジ部8βを有するところが異なる。
【0057】
ライトバルブ7を固着させた背面冷却基板部材7aをライトバルブホルダー8aへ取り付ける方法、偏光ビームスプリッタ6を偏光ビームスプリッタホルダー8rへ取り付ける方法は第1の実施の形態と同様である。
【0058】
本実施の形態においては、1/4波長位相板12を固定する1/4波長位相板ホルダー8mを使用する。1/4波長位相板ホルダー8mは金属板材料から構成されており、中央部に開口部を有し、さらに、その開口部の円周部に形成され、1/4波長位相板ホルダー8mの光軸の周りの位置を調節するための円弧形状を有する複数の穴部8αと、当該ホルダーの上下部に延接して設けられている延出部8n、8pを有する。延出部8n、8pは、偏光ビームスプリッタホルダー8rに設けられた穴部8x、8yへ貫入させて、光軸に対する1/4波長位相板ホルダー8mの回転角度を決定して固定するためのものである。
【0059】
1/4波長位相板12は1/4波長位相板ホルダー8mの開口部を覆うかたちで図4におけるライトバルブ7側に固着される。1/4波長位相板12を取り付けた1/4波長位相板ホルダー8mの延出部8n、8pを、偏光ビームスプリッタ6を取り付けた偏光ビームスプリッタホルダー8rの穴部8x、8y部に貫入させる。その際、枠形状を有し、弾力変形性を有する第3の防塵シート8qを、1/4波長位相板ホルダー8mと偏光ビームスプリッタホルダー8rの間に挟んで、当該防塵シート8qを1/4波長位相板ホルダー8mの開口部の外周部と偏光ビームスプリッタ6の射出面とに当接させる。
【0060】
また、その際に、1/4波長位相板ホルダー8mの円弧形状の穴部8αを通して、偏光ビームスプリッタホルダー8rの雌ネジ部8βにネジを入れておく。一方、第1の実施の形態で述べたように、ライトバルブ7を背面冷却基板7aに熱伝導の良好な接着剤を用いて接着し、かつ、背面冷却基板7aとライトバルブホルダー8aを、ネジにより結合しておく。
【0061】
そして、このように一体化したライトバルブ7、背面冷却基板7a、ライトバルブホルダー8aの面冷却基板7aと、1/4波長位相板ホルダー8mの間に、第1防塵シート8d、第2防塵シート8f、補助部材8eを挟み込む。その際、第1防塵シート8dは、その穴部にライトバルブ7が入り込むような状態で、枠部が背面冷却基板7aに当接し、第2防塵シート8fは、その穴部に1/4波長位相板12が入り込むような状態で、枠部が1/4波長位相板ホルダー8mに当接する。
【0062】
このような状態で、ライトバルブホルダー8aの半田付け部8b、8cと、偏光ビームスプリッタホルダー8yの半田付け部8s、8tとを半田付けして固着する。すると、第1防塵シート8d、第2防塵シート8fは、背面冷却基板7aと1/4波長位相板ホルダー8mにより押圧されて変形し、それぞれ第1防塵シート8dと補助部材8e、補助部材8eと1/4波長位相板ホルダー8mに密接する。一方、第3の防塵シート8qは、1/4波長位相板ホルダー8mと偏光ビームスプリッタ6間に挟み込まれて押圧され、両者に密着する。よって、第1防塵シート8d、第2防塵シート8f、補助部材8e、第3の防塵シート8qの穴部は、防塵構造部となり、この中にライトバルブ7が収納される。従って、ライトバルブ7にゴミ等が付着することが無くなる。
【0063】
この状態で、偏光ビームスプリッタホルダー8rの雌ネジ部8βに入っており、かつ、1/4波長位相板ホルダー8mの円弧形状穴部8αを挿通しているネジを支持軸として1/4波長位相板ホルダー8mを、光軸を中心に回転させて、1/4波長位相板12の位置を決定し、穴部8x、8yを通過している延出部8n、8pを穴部8x、8y部に接着剤で固定する。
【0064】
以上の説明のように1/4波長板12をライトバルブ7と偏光ビームスプリッタ6の間に挿入した構成の投射型表示装置においても前実施の形態と同様にライトバルブ7と偏光ビームスプリッタ6間の防塵構図を達成でき、ライトバルブ7上へゴミの付着することを防ぐことが可能となる。従って、ゴミの像のないコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0065】
なお、本発明は第1の実施の形態、第2の実施の形態に示した構成の投射型表示装置に限定されるものではない。他の構成の投射型表示装置として例えば図6に示す構成の投射型表示装置について説明する。
【0066】
この投射型表示装置は、光源光を偏光ビームスプリッタ6に入射させ、偏光分離された一方の偏光をプリズム24B、24R、24Gと内部に形成された複数のダイクロイック膜によって構成される色分解合成複合プリズム24によってB光、G光、R光に色分解して射出し、それぞれ反射型ライトバルブ7B、7G、7Rに入射、変調させて反射射出し、複合プリズム24に入射して色合成して当該合成光を射出して偏光ビームスプリッタ6に入射して検光光を取り出して投射レンズ26にて投射する。
【0067】
投射型表示装置は光源1と偏光ビームスプリッタ6と色合成分解プリズム24とライトバルブ7R、7G、7Bと投射レンズ26とを有する。色合成分解プリズム300はプリズム(プリズム部材)24B,24B,24Rで構成される。プリズム24Bは、B光反射ダイクロイック膜によりB光を反射し、R光とG光とを透過することによりB光成分を取り出す。プリズム24Rはプリズム24Bに対し空隙を介して配置され、R光を反射し、G光を透過するR光反射ダイクロイック膜により、R光を反射しG光を透過することにより、光源光からR光成分を取り出す。プリズム24Gは、光源光から残ったG光成分を取り出す。プリズム24Gはプリズム24Rに固着されている。
【0068】
ライトバルブ7R、7G、7Bは反射型の液晶ライトバルブである。ライトバルブ7R、7G、7Bは入射光の偏光状態を変調する。投射レンズ210は広角投射レンズである。
【0069】
凹面鏡によってほぼ平行光に変換された光源1からの光源光は、偏光ビームスプリッタ6に入射する。偏光ビームスプリッタ6の偏光分離部を透過したP偏光は色分解合成プリズム24に入射し、複合プリズム24によって、R、G、B光に分離され、それぞれ、ライトバルブ7R、7G、7Bに入射する。
【0070】
色合成分解プリズム24はライトバルブ7R、7G、7Bからの反射光を色合成する。色合成され、色合成分解プリズム24から射出された光は偏光ビームスプリッタ6の偏光分離部で検光される。そして、ライトバルブ7R、7G、7Bで変調されたS偏光成分だけが投射レンズ26に入射する。投射レンズ26はR、G、B色のライトバルブ7R、7G、7Bの像を図示しないスクリーンにフルカラー像として投射する。
【0071】
この例においては、プリズム24Rとライトバルブ7Rとの間の空間、プリズム24Gとライトバルブ7Gとの間の空間、プリズム24Bとライトバルブ7Bとの間の空間は、それぞれ、前述の防塵一体化部材8R、8G、8B(図6においては概念簡略化して図示されている)にて防塵空間とされている。
【0072】
すなわち、この構成の投射型表示装置の前記複合プリズムの各プリズムと各色光用のライトバルブとの間にも第1の実施の形態に記載した同様の防塵構造を適用することができ、同様の効果を奏することができる。この場合は第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタ6に代えてプリズム24を使用すればよい。
【0073】
さらに、図6の投射型表示装置において各色光用のライトバルブ7B、7G、7Rとプリズム24B、24G、24Rの間に1/4波長板や進行する色光の偏光具合に応じて採用する他の波長位相板を配置する構成もありうる。この際には前述の第2の実施の形態において偏光ビームスプリッタを複合プリズムのプリズムに置き換え、1/4波長位相板以外の波長位相板を採用するのであればそれを1/4波長位相板と置き換えて同様の構造の防塵構造を採用すれば同様の効果を奏する投射型表示装置を提供することが可能となる。
【0074】
(第3の実施の形態)
図10は、本発明の第3実施の形態である投射型表示装置の基本構成を示す図である。ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源1から射出した光源光は偏光変換装置10に入射して略単一直線偏光(この実施の形態ではZ軸の方向に平行な方向に振動方向を有する)に変換され、B光反射ダイクロイックミラー2Bと、R光、G光を反射するダイクロイックミラー2RGとを互いに直交するようにX型に配置したクロスダイクロイックミラー2に入射し、互いに反対方向に進行するB光と、R光とG光との混合光とに色分解される。ライトバルブ7B、7R、7G、1/4波長位相板128B、12R、12G、偏光ビームスプリッタ6B、6R、6G、クロスダイクロイックプリズム9からなる光学系を検光合成光学系と総称することがある。
【0075】
この色分解装置と、その再合成光学系(検光合成光学系)の構成は、図5に示したものとは、偏光ビームスプリッタ6B、6R、6Gと反射型ライトバルブ7B、7R、7Gの間に、それぞれ1/4波長位相板12B、12R、12Gが設けられている点、光源1からの光が、波長変換装置10を通って直線偏光に変換される点のみであるので、図5に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付して、図10の説明を省略する。
【0076】
なお、図10には記載されていないが、検光合成光学系は後述する一体化部材を用いて一体化されている。一体化された検光合成光学系のライトバルブ7B、7R、7Gと1/4波長位相板12B、12R、12Gとには紙面の検光合成光学系の下部に配置された冷却ファン45(図7参照)により冷却気流が供給される。
【0077】
図7を用いて検光合成光学系の一体化について説明する。図7は検光合成光学系の側面を示す図である。図7は図10のX軸に平行な方向から見た側面図である(但し筐体43は断面で示されている)。
【0078】
図7ではG光用のライトバルブ7G、防塵カバー34G(防塵カバー34G内には図示しない1/4波長位相板12Gが収容されている)、偏光ビームスプリッタ6Gだけが記載され、R光用、B光用のライトバルブ等は図示されていない。しかし、R光用のもの、B光用のものも、G光用のものと同じ構造を有する。
【0079】
図7に示すように一体化された検光合成光学系のクロスダイクロイックプリズム9は一体化部材42を用いて筐体43に固着されている。一体化部材42が固着された筐体43の開口部分は投射レンズ11(図10参照)の取付部として兼用される。
【0080】
図7に示すように偏光ビームスプリッタ6Gとクロスダイクロイックプリズム9とはガラス板部材41Gを用いて接着され、一体化されている。ライトバルブ7G、1/4波長板12G(図8参照)、偏光ビームスプリッタ6Gも後述する部材によって一体化されている。
【0081】
図8は図7の部分拡大断面図、図9は図8の分解斜視図である。図9に示すように、ライトバルブ7Gは裏面に形成された金属部材からなる冷却フィンを有する冷却部材と一体化されている。ライトバルブホルダー35Gの中央部に形成された開口にライトバルブの7Gの前面ガラス7G−A(図8参照)を嵌め込み、冷却部材とライトバルブホルダー35Gとをネジ結合することによりライトバルブ7Gとライトバルブホルダー35Gとが一体化する。
【0082】
なお、金属部材から構成されるライトバルブホルダー35Gの上下部には後述する偏光ビームスプリッタホルダー32Gに半田付けするための取付部35G−A、35G−Bが形成されている。
【0083】
1/4波長位相板12Gは金属部材から構成される1/4波長位相板取付ホルダー33Gに取り付けられる。1/4波長位相板取付ホルダー33Gの中央部の開口の上下部の一部分を折り曲げて形成した取付部33G−A、33G−Bで1/4波長位相板12Gの上下部を挟み込み、且つ、1/4波長位相板取付ホルダー33Gの開口の外枠部に押し付けることにより1/4波長位相板12Gを1/4波長位相板取付ホルダー33Gに取り付ける。
【0084】
なお、1/4波長位相板取付ホルダー33Gの開口の外枠部には、1/4波長板12Gを取り付けた1/4波長位相板取付ホルダー33Gを光軸に対して回転させて1/4波長位相板12Gの光軸の傾きを調節して高コントラスト像の投射の調節を担保するため、偏光ビームスプリッタホルダー32Gに配置されている2つのピンを挿入するための円弧状穴33G−C、33G−Dが形成されている。
【0085】
また、1/4波長位相板取付ホルダー33Gの上下部には、1/4波長位相板取付ホルダー33Gを回転させるためと、1/4波長位相板12Gをこの1/4波長位相板取付ホルダー33Gを介して冷却するための冷却部33G−E、33G−Fがそれぞれ設けられている。
【0086】
偏光ビームスプリッタ6Gには、まず金属部材から構成される偏光ビームスプリッタホルダー32Gが取り付けられる。偏光ビームスプリッタホルダー32Gの中央部の開口の上下部の一部分を折り曲げて形成した取付部32G−A、32G−Bで偏光ビームスプリッタ6Gの上下面をそれぞれ挟み込んで偏光ビームスプリッタ6Gに偏光ビームスプリッタホルダー32Gを取り付ける。取付部32G−A、32G−Bと偏光ビームスプリッタ6Gとは接着される。このとき、偏光ビームスプリッタホルダー32Gの中央部の開口に防塵シート31Gが挿入される。
【0087】
偏光ビームスプリッタ6Gに取り付けられた偏光ビームスプリッタホルダー32Gの開口の上下部の取付部32G−Aと取付部32G−Bとの間に形成された隙間に、1/4波長位相板12Gを取り付けた1/4波長位相板取付ホルダー33Gの冷却部33G−E、33G−Fを挿入して、それらを反対側(偏光ビームスプリッタ6側)に出し、1/4波長位相板取付ホルダー33Gの開口の外枠部を防塵シート31Gに押し付ける。
【0088】
そのため、この防塵シート31Gは偏光ビームスプリッタ6Gの射出面と1/4波長板12Gを取り付けた1/4波長位相板取付ホルダー33Gの開口の外枠部とに押し付けられることになり、防塵性を確保することが可能となる。
【0089】
次に、ライトバルブ7Gを取り付けたライトバルブホルダー35Gと偏光ビームスプリッタホルダー32Gとの間に、防塵カバー34G、1/4波長位相板12G、1/4波長位相板取付ホルダー33Gを挟み込む。
【0090】
その際、ライトバルブホルダー35Gの取付部35G−A、35G−Bと偏光ビームスプリッタホルダー32Gの取付部32G−C、32G−Dとをそれぞれ半田付けによって固着する。
【0091】
このとき、防塵カバー34Gはライトバルブホルダー35Gと1/4波長位相板取付ホルダー33Gの開口の外枠部とに押し付けられることにより防塵性が確保される。
【0092】
図8から、ライトバルブ7Gと1/4波長板12Gとは防塵を確保された空間(防塵空間)内に配置されることが理解できる。また、1/4波長位相板12Gを取り付けた1/4波長位相板取付ホルダー33Gの冷却部33G−E、33G−Fが防塵機能を確保した状態で、外部(防塵空間の外部)に露出していることがわかる。
【0093】
そして、図7に示すように、ライトバルブ7Gの入射面と、1/4波長位相板12Gへの防塵構造を確保して一体化された検光合成光学系に対し、冷却ファン45から、図10Z方向(図7の上方向)へ吹き出される冷却気流が、床部材44に形成された開口部を通して供給される。これにより、ライトバルブ7Gの裏面に形成された冷却フィンに冷却気流が当たり、これによりライトバルブ7G等の冷却が可能となる。
【0094】
この実施の形態によれば、ライトバルブ7R、7G、7Bの入射面と、このライトバルブ7R、7G、7Bと偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bとの間に配置する1/4波長位相板12R、12G、12Bとを防塵空間に配置したので、ライトバルブ7R、7G、7Bの表面、1/4波長位相板12R、12G、12Bの表面に塵が付着するのを防止することができる。
【0095】
また、1/4波長位相板12Gを取り付けた1/4波長位相板取付ホルダー33Gの外部に露出した冷却部33G−E、33G−Fが冷却ファン45による冷却気流によって直接冷却される。
【0096】
そのため、冷却部33G−E、33G−Fと1/4波長位相板取付ホルダー33Gとの間で熱交換が行われ、1/4波長位相板取付ホルダー33Gに接触する1/4波長位相板12Gを冷却することができる。また、冷却気流のうちの一部は矢印で示すように筐体43の上部に進行して筐体43の上部で反射して下部へ進行し、1/4波長位相板取付ホルダー33Gの上部の冷却部33G−Eを冷却することができる。
【0097】
なお、上述実施の形態の投射型表示装置では反射型ライトバルブ7R、7G、7Bと偏光ビームスプリッタ6R、6G、6Bとの間に1/4波長位相板12R、12G、12Bを配置したが、波長位相板は1/4波長位相板に限定されるものではない。
【0098】
1/4波長位相板とすることができるのは、使用するライトバルブの液晶層のプレチルトによる位相変化がないように設計作製されている場合である。
【0099】
図10に示す構成の投射型表示装置において、液晶層の液晶の捻れと液晶層の有する複屈折とから発生する入射偏光の位相の変化が無視できない反射型ライトバルブ7R、7G、7Bの場合には、位相変化を補正する値を加えた補正板としての波長位相板を1/4波長位相板6B、6G、6Rの代わりに配置する。なお、どのような光学特性を有する位相波長板であっても形状は同様であるので、上記実施の形態と同様の構成とすることにより同様の効果を奏する投射型表示装置を提供することは可能である。
【0100】
また、この実施の形態で示した投射型表示装置の構成は図10に示す構成に限定されるものではない。
【0101】
(第4の実施の形態)
次に、本発明を他の構成の投射型表示装置に適用した例を説明する。図11はこの発明の第4の実施の形態である投射型表示装置の基本構成を示す図である。この実施の形態の構成は、図6に示すものとは、色合成分解プリズム24と反射型ライトバルブ7B、7R、7Gの間に、それぞれ波長位相板27B、27R、27Gが設けられている点、及び光源1から出た光が、偏光変換装置10を通って、直線偏光に変換される点のみであるので、図6に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付して、図11の説明を省略する。
【0102】
波長位相板27R、27G、27Bは補正板として機能し、各色が経由するダイクロイック膜、全反射膜によって変化する位相の変化分を補正する。すなわち、ダイクロイック膜及び全反射膜の光学特性が両膜を経由する色光の偏光状態の変化がないように設計作製され、かつ反射型ライトバルブの液晶層に起因する偏光の位相の変化が無視できる場合には、波長位相板として1/4波長位相板を用いる。
【0103】
なお、ライトバルブ7Rと波長位相板27Rとプリズム24Rは図示しない部材によって一体化される。ライトバルブ7Rの射出面とプリズム24Rの入射面との間の波長位相板27Rを含む空間は防塵カバー(図示せず)で囲まれた防塵空間とされ、この防塵空間の外部へ波長位相板12Rを取り付けた金属から形成されるホルダー(図示せず)の一部が防塵機能を確保した状態で露出する。
【0104】
また、ライトバルブ7Gと波長位相板27Gとプリズム24Gは図示しない部材によって一体化される。ライトバルブ7Gの射出面とプリズム24Gの入射面との間の波長位相板27Gを含む空間は防塵カバー(図示せず)で囲まれた防塵空間とされ、この防塵空間の外部へ波長位相板27Gを取り付けた金属から形成されるホルダー(図示せず)の一部が防塵機能を確保した状態で露出する。
【0105】
更に、ライトバルブ7Bと波長位相板27Bとプリズム24Bは図示しない部材によって一体化される。ライトバルブ7Bの射出面とプリズム24Bの入射面との間の波長位相板27Bを含む空間は防塵カバー(図示せず)で囲まれた防塵空間とされ、この防塵空間の外部へ波長位相板27Bを取り付けた金属から形成されるホルダー(図示せず)の一部が防塵機能を確保した状態で露出する。
【0106】
なお、前述した各構成部材は投射レンズ26を除いて筐体(図示せず)内に配置され、冷却ファン45(図7参照)により図11の紙面に直交する方向に吹き出す冷却気流が供給される。この実施の形態である投射型表示装置は、前記第3実施の形態の投射型表示装置と同様の効果を奏する。
【0107】
なお、上記各実施の形態では金属から形成されるホルダーの一部に冷却気流を当てることによって冷却するようにしたが、この構成に限るものでなく、例えば冷却素子を用いて冷却するようにしてもよい。又、図7に示したような構成は、各実施の形態に適用することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射型ライトバルブ、1/4波長位相板の少なくとも一方の表面にゴミが付着するのを防止することが可能な投射型表示装置及び光学部品を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である投射型表示装置の防塵構造の概略断面図である。
【図2】図1に示した防塵構造を構成する部材を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である投射型表示装置の防塵構造の概略断面図である。
【図4】図3に示した防塵構造を構成する部材を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態を使用する投射型表示装置の第1の例の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態を使用する投射型表示装置の第2の例の概略構成を示す図である。
【図7】検光合成光学系の側面を示す図である。
【図8】図1の部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態である投射型表示装置の防塵構造の
【図10】本発明の実施の形態を使用する投射型表示装置の第3の例の概略構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態を使用する投射型表示装置の第4の例の概略構成を示す図である。
【図12】従来の反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…光源、2…クロスダイクロイックミラー、3…折り曲げミラー、4…折り曲げミラー、5…ダイクロイックミラー、6…偏光ビームスプリッタ(プリズム)、7…ライトバルブ、7a…背面冷却基板部材、7b…穴部、8a…ライトバルブホルダー、8b、8c…半田付け部、8d…第1防塵シート、8e…補助部材、8f…第2の防塵シート、8g…偏光ビームスプリッタホルダー、8h、8i、半田付け部、8j、8k…取り付け部、8m…1/4波長位相板ホルダー、8n、8p…延出部、8q…第3防塵シート、8r…偏光ビームスプリッタホルダー、8s、8t…半田付け部、8x、8y…穴部、8z…雌ねじ、8α…穴部、8β…雌ねじ部、9…クロスダイクロイックプリズム、10…偏光変換装置、11…投射レンズ、12…1/4波長位相板、23…偏光ビームスプリッタ、24…色合成分解プリズム、26…投射レンズ、27R…波長位相板、31G…防塵シート、32…偏光ビームスプリッタホルダー、33…4波長位相板取付ホルダー、34…防塵カバー、35…ライトバルブホルダー、41…ガラス板部材、42…一体化部材、43…筐体、44…床部材、45…冷却ファン、

Claims (11)

  1. 反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材に入射させ、当該プリズム部材を経由して投射光学系に入射させて投射させる機能を有する投射型表示装置であって、前記反射型ライトバルブの光射出面と前記プリズム部材の光入射面との間を密封して防塵構造にする防塵カバーを有することを特徴とする投写型表示装置。
  2. 請求項1に記載の投写型表示装置であって、前記防塵カバーが、前記反射型ライトバルブから射出した光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されたものであることを特徴とする投写型表示装置。
  3. 請求項2に記載の投写型表示装置であって、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材との間に配置される波長位相板をさらに有し、前記波長位相板は、前記防塵部材のひとつに保持されていることを特徴とする投写型表示装置。
  4. 反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材に入射させ、当該プリズム部材を経由して投射光学系に入射させて投射させる機能を有する投射型表示装置であって、
    前記ライトバルブより大きい外形を有し、前記ライトバルブが取り付けられる基板を有すると共に、
    前記基板と前記プリズム部材の入射面の間に前記ライトバルブを囲む大きさの開口を有する応力変形可能な防塵部材を少なくとも2つ以上有しており、
    前記防塵部材のうち第1の防塵部材の開口部には、前記ライトバルブが挿入されると共に、前記基板に当該防塵部材の枠部が押し付けられ、前記プリズム部材の入射面には前記防塵部材のうち第2の防塵部材の枠部が押し付けられ、
    前記第1の防塵部材と、前記第2の防塵部材とが当接しているか、又はこれら第1及び第2の防塵部材の間に、他の枠構成を有する部材、又は他の防塵部材の少なくとも一つが挟まれており、
    前記基板と前記プリズム部材には、その間に挟まれている物体を圧縮するような圧縮力が加えられていることを特徴とする投射型表示装置。
  5. 請求項4に記載の投射型表示装置であって、前記他の枠構成を有する部材が薄板形状の補助部材であることを特徴とする投射型表示装置。
  6. 請求項4に記載の投射型表示装置であって、前記他の枠構成を有する部材が波長位相板を取り付けた枠形状を有する波長位相板ホルダーであり、当該波長位相板ホルダーのライトバルブ側の枠部には、さらに枠形状を有する防塵部材が取り付けられ、当該防塵部材の枠部が前記第1の防塵部材に直接又当接するか、又はこれらの間に、他の枠構成を有する部材、又は他の防塵部材の少なくとも一つが挟まれていることを特徴とする投射型表示装置。
  7. 反射型ライトバルブから射出した光を、波長位相板を介して受光するプリズム部材を有し、このプリズム部材を経た光を投射レンズから投射させる投射型表示装置であって、
    前記ライトバルブ射出面と前記プリズム部材の入射面との間の前記波長位相板を含む空間が防塵カバーで囲まれて密閉された防塵空間とされ、
    前記波長位相板を前記防塵空間に配置するために使用され、前記波長位相板を直接取り付けた金属から形成されるホルダーの一部が、前記防塵空間の外部に露出していることを特徴とする投写型表示装置。
  8. 請求項7に記載の投写型表示装置であって、前記防塵カバーが、前記反射型ライトバルブから射出された光を通過させる開口を有する複数の防塵部材を組み合わせて構成されたものであることを特徴とする投写型表示装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の投写型表示装置であって、前記金属から形成されるホルダーの一部を冷却する冷却装置が設けられ、この冷却装置により、前記金属から形成されるホルダーの一部を介して、前記波長位相板が冷却されることを特徴とする投写型表示装置。
  10. 反射型ライトバルブから射出した光を、波長位相板を介して受光するプリズム部材を有し、このプリズム部材を経た光を投射レンズから投射させる投射型表示装置であって、
    前記ライトバルブ射出面と前記プリズム部材の入射面との間の前記波長位相板を含む空間が防塵カバーで囲まれて密閉された防塵空間とされ、
    前記波長位相板を前記防塵空間に配置するために使用され、前記波長位相板を直接取り付けた金属から形成されるホルダーの一部が、前記防塵空間の外部に露出していることを特徴とする光学部品。
  11. 請求項10に記載の投写型表示装置であって、前記金属から形成されるホルダーの一部を冷却する冷却装置が設けられ、この冷却装置により、前記金属から形成されるホルダーの一部を介して、前記波長位相板が冷却されることを特徴とする光学部品。
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