JP2004309808A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射型ライトバルブから投射レンズに至る各色光の光路中にゴミが進入するのを防止する投射型表示装置を提供する。
【解決手段】反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材を介して投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記防塵部材により前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とする。
【選択図】 図3
【解決手段】反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材を介して投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記防塵部材により前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図20は従来の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置の構成を示す図である。
図示しない光源から射出された光は平行に配置されたダイクロイックミラー11、12によってR(赤)光、G(緑)光、B(青)光の三色光に色分解され、各色光毎に配置された偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射する。偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射した各色光は各偏光ビームスプリッタの偏光分離部で反射され射出面から射出される光は反射型ライトバルブ14R、14G、14Bにそれぞれ入射する。
反射型ライトバルブ14R、14G、14Bで変調反射された光は再度偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射し、偏光分離部で変調光のみを偏光分離部の透過光として検光し、色合成光学光学系を構成するダイクロイックミラー15、16に入射して色合成され投射レンズ17に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラーの拡大投射像が形成される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−133301号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した投射型表示装置においては、投射レンズは投射型表示装置の筐体部に配置され、他の構成部材は筐体中に配置されているが、光源、反射型ライトバルブ等を冷却するために筐体に配置された冷却ファンを用いて冷却用の空気を筐体外から導入するために、導入する空気中に含まれるゴミ等が光路中の部材に付着してスクリーン上に拡大投影されてしまうという問題があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、反射型ライトバルブから投射レンズに至る各色光の光路中にゴミが進入するのを防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために請求項1に係る発明は、反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材を介して投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記防塵部材により前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置された前記防塵部材とを接続することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記プリズム部材と前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記プリズムの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0007】
請求項5に係る発明は、光源から射出した光を色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、前記色分解された各色光を偏光ビームスプリッタで偏光分離し、前記各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射させ、変調して反射射出した各色光を前記偏光ビームスプリッタで検光し、前記検光光を色合成光学系入射して色合成し、前記色合成された光を投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記色合成光学系と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色合成光学系とを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
請求項6に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタを経て色分解合成複合プリズムでR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、色分解された各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記色分解合成複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路に配置する前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色分解合成複合プリズムを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0009】
請求項7に係る発明は、光源からの光を時系列色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に時系列に色分解し、色分解された各色光を偏光ビームスプリッタを経て反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記偏光ビームスプリッタに入射、検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記各色光用の反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項8に係る発明は、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間に配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0010】
請求項9に係る発明は、請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記防塵部材を接続することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項10に係る発明は、請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0011】
請求項11に係る発明は、請求項4に記載の投射型表示装置において前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記プリズム部材の前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項12に係る発明は、請求項10に記載の投射型表示装置において前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記偏光ビームスプリッタの前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る投射型表示装置の基本構成を示す図である。
ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源101から射出された光は偏光変換装置102によって紙面に垂直な方向に振動方向を有する偏光に変換され、B光反射特性を有するダイクロイックミラー103Bと、R光とG光を反射する特性を有するダイクロイックミラー103RGとを互いに直交するようにX型に配置したクロスダイクロイックミラー103に入射し、互いに反対方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0013】
前記色分解されたB光は折り曲げミラー104で偏向され、B光用に配置された偏光ビームスプリッタ107Bに入射するR光とG光の混合光は折り曲げミラー105で偏向され、G光を反射する特性を有するダイクロイックミラー106に入射し、ダイクロイックミラー106を透過するR光と、反射するG光とに色分解され、R光は偏光ビームスプリッタ107R、G光は偏光ビームスプリッタ107Gに入射する。
偏光ビームスプリッタ107B、107G、107Rはそれぞれ2個の三角プリズム部材で偏光分離膜を挟んで形成した複合プリズムである。
各色光毎に配置された偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bに入射した各色光は偏光分離部で反射され射出面から射出し、射出面近傍に配置された反射型ライトバルブ108R、108G、108Bにそれぞれ入射する。
【0014】
本実施形態で使用する反射型ライトバルブ108R、108G、108Bは不図示のガラス基板とシリコン基板で液晶層を挟んだ構成を有しており、シリコン基板の背面には冷却用のフィン部を有するアルミニウム製のホルダー部材を熱伝導良好な接着剤で貼り付けた構造となっている。
反射型ライトバルブ108R、108G、108Bで変調されて、反射された光は再度偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bにそれぞれ入射し、偏光分離部によって偏光分離部を透過する変調光と、反射する非変調光とに偏光分離される。前記偏光分離部を透過する変調光を取り出し(検光し)、各色の検光光を色合成するクロスダイクロイックプリズム109にそれぞれ異なる入射面から入射させる。
クロスダイクロイックプリズム109に入射したB光の検光光はクロスダイクロイックプリズム109内部に配置されたB光反射ダイクロイック膜109Bで反射され、R光の検光光はR光反射ダイクロイック膜109Rで反射され、G光の検光光はB光、R光反射ダイクロイック膜109B、109Rを透過することにより三色の光が色合成され、合成光が射出面から射出される。
この合成光は投射レンズ110に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラー像が拡大投射される。
【0015】
なお、図1には図示されていないが偏光ビームスプリッタ107Rと反射型ライトバルブ108R、偏光ビームスプリッタ107Gと反射型ライトバルブ108G、偏光ビームスプリッタ107Bと反射型ライトバルブ108Bとはそれぞれ後述する防塵部材で防塵された一体化構造になっている。また、各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bとクロスダイクロイックプリズム109は後述するようにガラス基板を挟んで接続一体化されている。さらに、後述するようにクロスダイクロイックプリズム109の合成光射出面と投射レンズ110の入射面の間の光路は防塵構造になっている。
次に図2、図3を参照しながら図1の投射型表示装置における色合成光学系と投射レンズの間の光路の防塵構造について説明する。図2は一体化部材を構成する偏光ビームスプリッタ107R、107G、107B、クロスダイクロイックプリズム109、両者間に接着して配置する透明光学部材からなる一体化ガラス部材111R、111G、111B、投射レンズ110、投射レンズ110を保持するマウント部を有する一体化部材112、防塵部材201の構造を図示したものである。
【0016】
図2に示すように、一体化ガラス部材111R、111G、111Bを用いて一体化したクロスダイクロイックプリズム109と反射型ライトバルブ108R、108G、108Gを取り付けた偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bは、クロスダイクロイックプリズム109の下面を一体化部材112のマウント部と垂直な面からなる床面部に接着して取り付ける。投射レンズ110を取り付けた一体化部材112のマウント部とクロスダイクロイクプリズム109の間の合成光の光路には、光路に対して垂直な面の断面形状が凹型で、変型可能な柔軟な部材からなる防塵部材201を凹型の2つの突き出し部を一体化部材112の床面部に押しつけ、凹型の一方の側面を一体化部材112のマウント部を有する面に押し付ける。防塵部材201内側の面の一部はクロスダイクロイックプリズム109の合成光の射出面と直角なR光とB光の入射面と、クロスダイクロイックプリズム109上面に押しつけられる。なお本実施形態では各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと色合成光学系のクロスダイクロイックプリズム109の間には一体化ガラス部材111R、111G、111Bを接着した構成としているが、これにより偏光ビームスプリッタとクロスダイクロイックプリズムの大きさを最小にすることができる。偏光ビームスプリッタ又はクロスダイクロイックプリズムを大きい形状にした場合には直接偏光ビームスプリッタとクロスダイクロイックプリズムを接着してもよい。
【0017】
図3は図2に示した構造の断面構成図を示す。図3に示すように投射レンズ109の鏡筒のほぼ中央の外周部は、マウント部に形成された雌ねじでマウント部に密着して取り付けられるレンズ鏡筒の取付部を有している。マウント部に形成された穴に、レンズ鏡筒の取付部の先端部から挿入し、取付部をマウント部に隙間無く密着し、ねじで螺着して防塵構造にしてマウント部に取り付ける。なお、レンズ内部も防塵構造になっている。
【0018】
次に、図4の斜視分解構成図と図5の一体化断面構成図を用いて反射型ライトバルブ108R、108G、108Bと偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bの防塵一体化に関する詳細な説明をする。図4と図5においてはG光に関する反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gに関する防塵一体化構造の説明となっているが、R光用、B光用の反射型ライトバルブ108R、108Bと偏光ビームスプリッタ107R、107Bの防塵一体化構造も同じであるので、それらの説明は省略する。
【0019】
まず、反射型ライトバルブ108Gについて説明する。図4に示すようにガラス基板、液晶層、シリコン基板とからなる反射型ライトバルブ108Gは、シリコン基板の背面に反射型ライトバルブと外形が同じで、背面に冷却フィンを、外周部に第一取付部材134Gに取り付けるための複数の雌ねじ部を有するホルダー部材108G−Aを、反射型ライトバルブで発生した熱をホルダー部材108G−Aのフィンに伝達するために熱伝導の良好な接着剤を用いて接着している。なお、図にはライトバルブのシリコン基板中に形成されているアクティブマトリクス駆動回路へ外部信号を伝達する信号伝達基板108G−Bが示されている。上記構成の反射型ライトバルブ108Gを取り付ける第一取付部材134Gは、ライトバルブ108Gの背面に取り付けたホルダー部材108G−Aの冷却フィンの外形が通過できる大きさの開口部を有する金属板部材であり、その外周部にはホルダー部材108G−Aの雌ねじ部と一致する位置に穴が形成され、その開口部を形成する外周部の上下部にはそれぞれ斜め前方に偏光ビームスプリッタ107Gに取り付けた第二取付部材131Gと半田付けして一体化する半田付け部が設けられている。開口部に冷却フィンを通過させ、穴からネジを螺着させることにより、ライトバルブ107Gを第一取付部材134Gに一体化して取付ける。
【0020】
次に、偏光ビームスプリッタ107Gと第二取付部材131Gの取付けについて説明する。第二取付部材131Gは金属板部材から形成されており、中央部に開口部を有する外周部と、開口部の上下には開口部に垂直に外周部から偏光ビームスプリッタ107Gの上下面をそれぞれ挟み込んで接着固定する偏光ビームスプリッタ取付部を形成し、外周部の上下には前述の、第一取付部材134Gの半田付け部と半田付けして固定されるはんだ取付部を設けている。偏光ビームスプリッタ取付部を偏光ビームスプリッタ107Gの上下面を挟み込んで接着して取り付ける。
【0021】
ライトバルブ108Gと一体化された第一取付部材134Gと、偏光ビームスプリッタ107Gと一体化された第二取付部材131Gとを、それぞれ開口部を有する応力によって変形可能な柔軟部材からなる第一防塵部材132Gと第二防塵部材133Gを、その開口部が直列となるように、第一防塵部材132Gの他方を偏光ビームスプリッタ107Gの入射面に直接当てて、第二防塵部材133Gの他方を反射型ライトバルブ108Gの前面ガラス基板に押し当てる構成で接続して第二取付部材131Gと第一取付部材134Gの半田付け部をそれぞれ半田付けして固定することにより、偏光ビームスプリッタ107Gと反射型ライトバルブ108Gの間の防塵一体化構造を形成する。図5には図4の構成の断面構造を示す。第一取付部材134Gと第二取付部材の131Gの半田付けによる一体化固定は、他色用の同部材の取付も同様であるが、投射像における各色光用のライトバルブの画素位置を一致させた、いわゆるレジストレーションを達成させて行うことは言うまでもない。
以上の説明により、ライトバルブ107G、107R、107Bと投射レンズ110の間の各色光の光路は全て防塵構造とすることが可能となり、光路中にゴミが入り込むことはなく、投射像にゴミを投射することがなくなる。
【0022】
次に、図6に他の防塵構造を示す。図6に示すように、円筒形状を有する防塵部材202を、投射レンズ110の入射面部とクロスダイクロイックプリズム109の合成光の射出面との間に配置して防塵構造を形成する。防塵部材202も応力に応じて変形可能な弾力性を有する柔軟な材料を使用する。投射レンズ110の入射面の外周の鏡筒部の側面に防塵部材202の一方の外周部を押し当て、他方の外周部をクロスダイクロイックプリズム109の射出面に押し当てて投射レンズ110の鏡筒のマウント部への取付を行い、防塵構造とする。防塵部材202の先端は投射レンズ110の入射面に当たる構成となっているが、その先端部を投射レンズ110の入射面部の鏡筒の外周を包み込む構成にしても構わない。
【0023】
さらに、図7に他の防塵構造を示す。防塵部材203と防塵部材204の複数個を使用する。両部材とも応力に応じて変形可能な弾力性を有する柔軟部材を用いることは同様である。防塵部材203の外形および開口の形状は円形であり、部材204の外形および開口の形状は四角である。両部材の断面形状は、両部材を押しつけた際に、その全周に渡って少なくとも両者の断面の一部が重なる形状になっている。
部材203を投射レンズ103の入射面の外周部に、部材204をクロスダイクロイックプリズム109の射出面にそれぞれ押しつけ、両部材を少なくとも両部材が全周に渡って少なくとも断面の一部が重なるように防塵部材を構成する。その取付け上記した防塵部材と同様に投射レンズの鏡筒部の外周に形成されたマウント部112の取付部に取り付けることによって防塵構造にする。この場合、防塵部材203、204の厚みを薄くすることができるので防塵部材を安価に量産製造することができる。
(第2実施形態)
本実施形態における投射型表示装置の基本構成図を図8に示す。本実施形態における投射型表示装置は、第1実施形態の投射型表示装置において、各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間にそれぞれ1/4波長位相板121R、121G、121Bを配置している。他の構成は同じなので、同じ部材については同じ部番を記載した。
1/4波長位相板を配置する目的は、偏光ビームスプリッタを反射して射出し、反射型ライトバルブに入射する光線のうち光軸に対して斜めの光線の偏光の振動方向が進行方向に依存する場合に、反射型ライトバルブで反射されて射出し、偏光ビームスプリッタに入射して検光される検光光のコントラストを向上させるために1/4波長位相板を2回通過させ、偏光ビームスプリッタに入射する光線の偏光の振動方向を、検光のコントラストを向上させる方向に変換することである。
【0024】
本実施形態における投射型表示装置の防塵構造は、色合成光学系のクロスダイクロイックプリズム109と投射レンズ110の間の光路に関しては第1実施形態の3種類の防塵構造と同じであるが、1/4波長位相板121R、121G、121Bを偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間の光路に配置している点が異なる。
図9の斜視分解構成図と図10の防塵構造断面図を参照して、1/4波長位相板121R、121G、121Bを配置する偏光ビームスリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間の光路の防塵一体化構造を説明する。図9、図10においては第1実施形態と同様にG光に関する構造の記載となっているが、他色光のR光とB光に関しても同様の構造となっている。
【0025】
反射型ライトバルブ108Gと第一取付部材145Gの構成は第1実施形態の図4と同じであり、反射型ライトバルブ108Gのシリコン基板の背面に取り付けたホルダー部材108G−Aのフィン部を第一取付部材145Gの開口部に通し、開口部の外周部の穴で反射型ライトバルブ108Gのホルダー部材108G−Aの雌ねじにネジを螺着させて反射型ライトバルブ108Gと第一取付部材145Gを一体化する。
偏光ビームスプリッタ107Gに取付ける第二取付部材141Gは開口部を有する外周部の2つ隅に開口に対して垂直にピン部材141G−C、141−Dを有し、上下部に第一取付部材への半田付け部が設けられ、その付け根部分に開口部141−A、141−Bを有している。開口部の上下には開口に垂直に形成された偏光ビームスプリッタ取付部がある。偏光ビームスプリッタ107Gの上下面を偏光ビームスプリッタ取付部にて挟み込んで接着して偏光ビームスプリッタ107Gと第二取付部材141Gを取付ける。
【0026】
1/4波長位相板121Gを取り付ける1/4波長板取付部材143Gは中央に開口部を有する金属板部材からなり、その上下部にはそれぞれ斜め方向に第2取付部材141Gの上下部に形成された開口部141−A、141−Bにそれぞれ挿入されて接着して取付ける取付部が設けられている。さらに、開口部の周りの2つの隅には第二取付部141Gのピン141−C、141−Dを挿入して、光軸の周りに1/4波長板取付部材を回転させる円弧形状の穴が設けられている。1/4波長板121Gは図のように開口部を覆う構成で1/4波長位相板取付部材143Gに接着して取り付ける。
次に、第一防塵部材142Gを偏光ビームスプリッタ107Gの入射面と1/4波長板取付部材143Gの開口部を有する外周面とで挟み、偏光ビームスプリッタ107Gと一体化した第二取付部材141Gの上下の開口部141G−A、141G−Bに1/4波長位相板121Gを取り付けた1/4波長位相板取付部材143の上下の取付部をそれぞれ挿入してその取付部の弾性を利用して仮止めする。
【0027】
そして、第二防塵部材144Gの開口部の中に1/4波長位相板121Gを挿入して、1/4波長板取付部材143Gの外周部と、反射型ライトバルブ108Gの入射ガラス面に押しつけ、反射型ライトバルブ108Gと一体化した第一取付部材145Gの上下の半田付け部をそれぞれ第二取付部材141Gの半田付け部とを半田付けして一体化する。なお、その半田付けは、G光用のライトバルブ108Gと他の色光用の反射型ライトバルブ108R、108Bの画素を一致させて固定する。
【0028】
さらに、1/4波長板取付部材143Gの上下の取付部を用いて、1/4波長位相板143Gを光軸の周りに回転させて、投射像のコントラストが最適になる位置(反射型ライトバルブ107Gをオン状態としたときとオフ状態にしたときの投射像における光量の比が最大になる位置)で1/4波長板取付部材143Gの円弧形状の穴と第二取付部材141Gのピンの周囲を接着剤で固定する。
【0029】
図9の防塵構造の断面図を図10に示す。図10に示すように1/4波長位相板を取り付けた1/4波長位相板取付部材143Gは、防塵部材142G、144Gとともに防塵構成を形成する部材の役目を果たしている。図8に示す投射型表示装置の基本構成において、反射型ライトバルブから投射レンズまでの光路を防塵構造にすることにより、外部から光路中にゴミの入り込むことを防ぎ、投射像にそのゴミの像が投射されるのを防止することができる。
次に上記した構成において、第一防塵部材142G、第二防塵部材144Gの開口部の大きさがその内部を通過する光の断面に比して十分に大きくない場合について図11、図12を参照しながら説明する。上記したように、投射像のコントラストが最適になる1/4波長板121Gの位置を決定するのに、1/4波長板121Gを取り付けた1/4波長板取付部材143Gを光軸の周りに、防塵部材142G、144Gを押さえつけた状態で回転させる。この場合防塵部材142G、44Gは応力に対して変形可能な柔軟材料を使用するので、回転によって防塵部材142G、144Gが変形しすることによって開口の形1状が変形して膨らみ、開口を通過する光の光束の一部を遮ってしまう場合がある。これを防止するためには、図11に示すように、反射型ライトバルブ107Gのガラス基板の表面に、第二防塵部材144Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材151を設ける。防塵部材変形防止部材151の外周の大きさは、第二防塵部材144の開口の大きさとほぼ同じである。同様に偏光ビームスプリッタ107Gの入射面には、第一防塵部材141Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材152を、1/4波長位相板取付部材143Gの両面にそれぞれ設けられる第二防塵部材144G、第一防塵部材142Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材153、154を設ける。
【0030】
コントラストを調節する際に光軸の周りに1/4波長板取付部材143Gを回転させるが、それに伴って第一、第二防塵部材142G,144Gは変形しようとするが、防塵部材変形防止部材151,152,153,154によって、第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。
【0031】
本実施形態の防塵構造では、第一防塵部材142Gは偏光ビームスプリッタ107Gと1/4波長位相板取付部材143Gに、第二防塵部材144Gは1/4波長位相板取付部材143Gとライトバルブ107Gのガラス基板表面にそれぞれ押さえつけているが、これ以外にも第一防塵部材142Gの一方を偏光ビームスプリッタ107Gの表面に、第二防塵部材144Gの一方をライトバルブのガラス表面にそれぞれ接着剤にて貼り付けても構わない。この場合には反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gには変形防止部材は必要なく、1/4波長位相板取付部材143Gに配置する変形防止部材のみで、第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。一方、逆に1/4波長位相板取付部材143Gに第一、第二防塵部材142G,144Gを接着剤で取り付け、それぞれを偏光ビームスプリッタ107G、反射型ライトバルブ108Gのガラス表面に押さえつけても構わない。この場合には、1/4波長位相板取付部材143Gに配置する変形防止部材は不用であり、反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gの変形防止部材のみで第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。
【0032】
1/4波長位相板取付部材143Gに配置する防塵部材変形防止部材153は、厚い1/4波長位相板121Gを使用した場合には、波長位相板121Gの側面部を変形防止部材の代わりに使用することも可能である。この構成の1/4波長位相板121Gを使用した場合には、防塵部材変形防止部材153は必要ない。
(第3実施形態)
第3実施形態の投射型表示装置の基本構造を図13を参照しながら説明する。
【0033】
ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源301から射出された光は偏光変換装置302によって紙面に垂直な方向に振動方向を有する偏光した光に変換され、時系列色分解光学系311によってR光、G光、B光に時系列に色分解する。時系列色分解光学系311は円盤の外周部を三等分してR光透過、G光透過、B光透過フィルターを備えたもので、円盤を回転軸の周りに回転させることによって時系列色分解、すなわち時間によって異なる色の光を透過させることができる。
時系列色分解光学系311を経て射出した時系列に同じ光路で進行するR光、G光、B光は偏光ビームスプリッタ307に入射し、偏光分離部を反射して射出面近傍に配置した反射型ライトバルブ308に入射し、入射する色光毎にその色信号によって変調作用を受けて反射射出し、再度偏光ビームスプリッタ307に入射して、変調光である偏光分離部を透過して射出する光を検光光として取りだし、投射レンズ310に入射して不図示のスクリーン上に投射する。
【0034】
本実施形態の投射型表示装置の反射型ライトバルブ308、偏光ビームスプリッタ307、投射レンズ310の斜視構成図を図14に示す。図14に示すように、偏光ビームスプリッタ307は投射レンズ310を取り付けるマウント部材を有する基板部材312の上にガラス基板からなる補助部材311を介して接着して取付け固定される。投射レンズ310のマウント部への取付け、偏光ビームスプリッタ307への反射型ライトバルブ308の取付けは第1実施形態ならびに第2実施形態に示した取付方法と同様の方法を使用する。
偏光ビームスプリッタ307の検光光の射出面と投射レンズ310の間の光路の防塵構造は第1実施形態、第2実施形態の投射型表示装置のクロスダイクロイックプリズムと投射レンズの間の光路の防塵構造と同じである。さらに、反射型ライトバルブ308と偏光ビームスプリッタ307の間の防塵構造も第1実施形態、第2実施形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブ間の防塵構造と同じである。また図13では偏光ビームスプリッタ307と反射型ライトバルブ308の間に1/4波長位相板を配置していないが、必要な場合には、1/4波長位相板を配置し第2実施形態と同様な構成として防塵構造にする。
(第4実施形態)
本実施形態の投射型表示装置の基本構成を図15を参照しながら説明する。ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源401から射出された光は偏光変換装置402によって紙面に平行で進行方向に垂直な方向に振動方向を有する偏光した光に変換されて、偏光ビームスプリッタ407に入射し、偏光分離部を透過して射出する光はプリズム403、404、405からなる複合プリズムによって構成される色分解合成光学系にプリズム403の403a面から入射する。入射した光は403b面に形成されたB光反射膜で反射されるB光と、B光反射膜を透過して403面から射出し、空隙を有して配置されるプリズム404の404a面に入射するR光とG光の混合光とに色分解される。B光は403a面で全反射され403c面から射出し、反射型ライトバルブ408Bに入射する。
【0035】
プリズム404に入射したR光とG光の混合光は、404b面に形成されたR光反射膜で反射されるR光と、R光反射膜を透過して404b面と405a面とを接着剤にて接着してプリズム404と一体化されたプリズム405に入射するG光とに色分解される。
R光は404a面で全反射され、404c面から射出して反射型ライトバルブ408Rに入射する。プリズム405に入射したG光は、405b面で全反射され、405c面から射出して反射型ライトバルブ408Gに入射する。反射型ライトバルブ408R、408G、408Bの構造は第1実施形態と同じである。反射型ライトバルブ408R、408G、408Bに入射した各色光はそれぞれ色信号によって変調され、反射射出され、入射光路を逆行し、複合プリズムで色合成されてプリズム403の403a面から合成光として射出される。射出した光は偏光ビームスプリッタ407に入射して、偏光分離部で反射される光を検光光として取りだし、投射レンズ410に入射し不図示のスクリーン上に投射される。
【0036】
本実施形態の投射型表示装置の防塵一体化構造を図16〜図18を参照しながら説明する。
複合プリズムを構成する各プリズム403、404、405の一体化する構造を説明する。図17は複合プリズムの断面構成図であり、各プリズムの厚さ(紙面に対して垂直方向の長さ)は同じで、プリズム403の403b面とプリズム404の404a面とは空隙を介して配置される。プリズム404の404a面の外周部のみに接着剤層を形成し、この面とプリズム403の403b面とを接着層で接着して空隙を構成する。R光反射膜を形成したプリズム404の404b面とプリズム405の405a面とは全面を接着剤で接着する。図18は複合プリズムと偏光ビームスプリッタ407の間の防塵一体化構造を示す斜視分解図である。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの403a面との間の防塵構造は、第一防塵部材421を偏光ビームスプリッタ407に押しあて、第二防塵部材422を複合プリズムの403a面に押しあて、さらに第一防塵部材421と第二防塵部材422とを押し当てることによって形成する。第一、第二防塵部材421、422とも応力によって変形可能な柔軟材料からできており、開口部を有している。第一、第二防塵部材421、422とも外形形状は同じで、403a面の外形とほぼ一致する。第2防塵部材422は中央部に開口を有し、外周の枠の幅はほぼ同じである。一方第一防塵部材421の開口部は中央部でなく、偏った位置にある。第一防塵部材421の開口部は、偏光ビームスプリッタ407の入射面の形状よりも一方の長さが長くなっているため、この長い部分は、偏光ビームスプリッタ407へ取付けると偏光ビームスプリッタ407に押し付けることができないため、第一防塵部材421を押さえ込む補助部材413を偏光ビームスプリッタ407の側面に形成してある。
【0037】
各プリズム403、404、405と反射型ライトバルブ408R、408G、408Bとの防塵構造は、第1実施形態で示した偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブの防塵構造とおなじである。
図16は偏光ビームスプリッタ407、複合プリズム、反射型ライトバルブ、投射レンズ410の一体化の構造を示す斜視構成図である。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムとを一体化部材で一体化する。一体化するために一体化部材411A、411Bを使用し、両一体化部材を偏光ビームスプリッタ407、複合プリズムが一体化状態を維持するように、偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの上下面にそれぞれ接着剤にて接合し、一体化部材の端部を投射レンズ410を取り付けたマウント部にネジで螺着して取付け固定する。
【0038】
この一体化した状態で偏光ビームスプリッタ407の検光光の射出面と投射レンズ410の入射面との間の防塵構造は、第1実施形態のクロスダイクロイックプリズムの射出面と投射レンズの入射面の防塵構造と同様の防塵構造とする。
これにより本実施形態の投射型表示装置の各色光用の反射型ライトバルブ408R、408G、408Bと投射レンズ410の入射面の間の光路を防塵構造とすることができ、投射像においてゴミの像を投射することを防ぐことができる。
他の防塵構造の例を図19を参照しながら説明する。偏光ビームスプリッタ407の入射面の外周部に図に示すように防塵部材423を形成する。この防塵部材はスクリーン印刷で塗料を印刷してもよいし、この形状にエッチングして形成した金属箔を接着剤にて貼り付けてもよい。さらに、この形状に形成した薄膜形状の柔軟材料を接着剤で接着してもよい。偏光ビームスプリッタ407への防塵部材の形成はその外周部の平面度を保ちながら行う。
【0039】
防塵部材の外周部前面をプリズム403の403a面の所定位置に押しつける。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの取付けは図16に示す取付部材411A、411Bを用いて行う。この一体化の際には、防塵部材と423と403a面との間に空隙を形成しないように面精度良く押しつける。
ライトバルブ408R、408G、408Bと複合プリズムの間の防塵一体化は第1実施形態の同様である。本実施形態では、防塵部材423の開口を形成する外周部の幅は小さいので、この部分を403a面に押しあてても、403a面でのB光の全反射に対する影響は少なくなる。また、防塵部材423のB光に対する屈折率を空気の屈折率に近い材料を使用すれば、全反射は問題なく行うことが可能となる。本実施形態では、第3実施形態における防塵部材を403a面に押しつける補助部材413を偏光ビームスプリッタ407の側面に形成する必要はない。
【0040】
本実施形態の投射型表示装置においても、光路中にゴミの進入を阻止できるので、その像を投射することはない。
本実施形態において、図15の反射型ライトバルブと複合プリズム間に配置した波長位相板はないが、各色光において経由するダイクロイック膜、全反射膜において、偏光状態を調節し、投射像のコントラストが良好な状態を確保しているからである。ダイクロイック膜、全反射膜において良好な状態が確保ができない場合には、プリズムと反射型ライトバルブの間の光路中に波長位相板を配置し、波長位相板で最適な投射像のコントラストを得るようにするが、その際の波長位相板を含むプリズムと反射型ライトバルブの間の光路の防塵構造は第2実施形態の図9、図10に示す防塵一体化構造を形成すれば防塵効果を有する投射型表示装置を提供することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の様に本発明は、反射型ライトバルブから投射レンズに至る各色光の光路中にゴミが進入するのを防止することができる投射型表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図2】投射レンズと色合成光学系の間の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図3】投射レンズと色合成光学系の間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図4】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する斜視分解構成図。
【図5】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図6】投射レンズと色合成光学系の間の他の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図7】投射レンズと色合成光学系の間の他の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図8】第2実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図9】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する斜視分解構成図。
【図10】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図11】他の実施例のライトバルブ上に形成した防塵部材の変形防止部材を説明する斜視構成図。
【図12】他の実施例の反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図13】第3施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図14】主要部材の配置の斜視構成図。
【図15】第4実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図16】主要部材の一体化を示した斜視構成図。
【図17】色分解合成複合プリズムの一体化を示す断面構成図。
【図18】偏光ビームスプリッタと複合プリズムの間の防塵構造を説明する斜視分解図。
【図19】偏光ビームスプリッタと複合プリズムの間の他の例の防塵構造を説明する斜視分解図。
【図20】従来の反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置の構成を示す図
【符号の説明】
101、301、401 光源
102、302、402 偏光変換装置
103 クロスダイクロイックミラー
104、105 折り曲げミラー
106 ダイクロイックミラー
107R、107G、107B、307、407 偏光ビームスプリッタ
108R、108G、108B 反射型ライトバルブ
109 クロスダイクロイックプリズム
110、310、410 投射レンズ
121R、121G、121B 1/4波長位相板
132G、133G、142G、144G、201、202、203、204、421、422、423 防塵部材
131G、141G 第二取付部材
134G、145G 第一取付部材
143G 1/4波長位相板取付部材
151、152、153、154 防塵部材変形防止部材
311 時系列色分解光学系
403、404、405 プリズム部材
413 防塵部材押さえ付け部
【発明の属する技術分野】
この発明は反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図20は従来の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置の構成を示す図である。
図示しない光源から射出された光は平行に配置されたダイクロイックミラー11、12によってR(赤)光、G(緑)光、B(青)光の三色光に色分解され、各色光毎に配置された偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射する。偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射した各色光は各偏光ビームスプリッタの偏光分離部で反射され射出面から射出される光は反射型ライトバルブ14R、14G、14Bにそれぞれ入射する。
反射型ライトバルブ14R、14G、14Bで変調反射された光は再度偏光ビームスプリッタ13R、13G、13Bに入射し、偏光分離部で変調光のみを偏光分離部の透過光として検光し、色合成光学光学系を構成するダイクロイックミラー15、16に入射して色合成され投射レンズ17に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラーの拡大投射像が形成される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−133301号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した投射型表示装置においては、投射レンズは投射型表示装置の筐体部に配置され、他の構成部材は筐体中に配置されているが、光源、反射型ライトバルブ等を冷却するために筐体に配置された冷却ファンを用いて冷却用の空気を筐体外から導入するために、導入する空気中に含まれるゴミ等が光路中の部材に付着してスクリーン上に拡大投影されてしまうという問題があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、反射型ライトバルブから投射レンズに至る各色光の光路中にゴミが進入するのを防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために請求項1に係る発明は、反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材を介して投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記防塵部材により前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置された前記防塵部材とを接続することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記プリズム部材と前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記プリズムの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0007】
請求項5に係る発明は、光源から射出した光を色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、前記色分解された各色光を偏光ビームスプリッタで偏光分離し、前記各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射させ、変調して反射射出した各色光を前記偏光ビームスプリッタで検光し、前記検光光を色合成光学系入射して色合成し、前記色合成された光を投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記色合成光学系と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色合成光学系とを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
請求項6に係る発明は、光源からの光を偏光ビームスプリッタを経て色分解合成複合プリズムでR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、色分解された各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記色分解合成複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路に配置する前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色分解合成複合プリズムを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0009】
請求項7に係る発明は、光源からの光を時系列色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に時系列に色分解し、色分解された各色光を偏光ビームスプリッタを経て反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記偏光ビームスプリッタに入射、検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記各色光用の反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項8に係る発明は、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の投射型表示装置において前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間に配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0010】
請求項9に係る発明は、請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記防塵部材を接続することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項10に係る発明は、請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0011】
請求項11に係る発明は、請求項4に記載の投射型表示装置において前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記プリズム部材の前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
請求項12に係る発明は、請求項10に記載の投射型表示装置において前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記偏光ビームスプリッタの前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る投射型表示装置の基本構成を示す図である。
ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源101から射出された光は偏光変換装置102によって紙面に垂直な方向に振動方向を有する偏光に変換され、B光反射特性を有するダイクロイックミラー103Bと、R光とG光を反射する特性を有するダイクロイックミラー103RGとを互いに直交するようにX型に配置したクロスダイクロイックミラー103に入射し、互いに反対方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0013】
前記色分解されたB光は折り曲げミラー104で偏向され、B光用に配置された偏光ビームスプリッタ107Bに入射するR光とG光の混合光は折り曲げミラー105で偏向され、G光を反射する特性を有するダイクロイックミラー106に入射し、ダイクロイックミラー106を透過するR光と、反射するG光とに色分解され、R光は偏光ビームスプリッタ107R、G光は偏光ビームスプリッタ107Gに入射する。
偏光ビームスプリッタ107B、107G、107Rはそれぞれ2個の三角プリズム部材で偏光分離膜を挟んで形成した複合プリズムである。
各色光毎に配置された偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bに入射した各色光は偏光分離部で反射され射出面から射出し、射出面近傍に配置された反射型ライトバルブ108R、108G、108Bにそれぞれ入射する。
【0014】
本実施形態で使用する反射型ライトバルブ108R、108G、108Bは不図示のガラス基板とシリコン基板で液晶層を挟んだ構成を有しており、シリコン基板の背面には冷却用のフィン部を有するアルミニウム製のホルダー部材を熱伝導良好な接着剤で貼り付けた構造となっている。
反射型ライトバルブ108R、108G、108Bで変調されて、反射された光は再度偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bにそれぞれ入射し、偏光分離部によって偏光分離部を透過する変調光と、反射する非変調光とに偏光分離される。前記偏光分離部を透過する変調光を取り出し(検光し)、各色の検光光を色合成するクロスダイクロイックプリズム109にそれぞれ異なる入射面から入射させる。
クロスダイクロイックプリズム109に入射したB光の検光光はクロスダイクロイックプリズム109内部に配置されたB光反射ダイクロイック膜109Bで反射され、R光の検光光はR光反射ダイクロイック膜109Rで反射され、G光の検光光はB光、R光反射ダイクロイック膜109B、109Rを透過することにより三色の光が色合成され、合成光が射出面から射出される。
この合成光は投射レンズ110に入射し、図示しないスクリーン上にフルカラー像が拡大投射される。
【0015】
なお、図1には図示されていないが偏光ビームスプリッタ107Rと反射型ライトバルブ108R、偏光ビームスプリッタ107Gと反射型ライトバルブ108G、偏光ビームスプリッタ107Bと反射型ライトバルブ108Bとはそれぞれ後述する防塵部材で防塵された一体化構造になっている。また、各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bとクロスダイクロイックプリズム109は後述するようにガラス基板を挟んで接続一体化されている。さらに、後述するようにクロスダイクロイックプリズム109の合成光射出面と投射レンズ110の入射面の間の光路は防塵構造になっている。
次に図2、図3を参照しながら図1の投射型表示装置における色合成光学系と投射レンズの間の光路の防塵構造について説明する。図2は一体化部材を構成する偏光ビームスプリッタ107R、107G、107B、クロスダイクロイックプリズム109、両者間に接着して配置する透明光学部材からなる一体化ガラス部材111R、111G、111B、投射レンズ110、投射レンズ110を保持するマウント部を有する一体化部材112、防塵部材201の構造を図示したものである。
【0016】
図2に示すように、一体化ガラス部材111R、111G、111Bを用いて一体化したクロスダイクロイックプリズム109と反射型ライトバルブ108R、108G、108Gを取り付けた偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bは、クロスダイクロイックプリズム109の下面を一体化部材112のマウント部と垂直な面からなる床面部に接着して取り付ける。投射レンズ110を取り付けた一体化部材112のマウント部とクロスダイクロイクプリズム109の間の合成光の光路には、光路に対して垂直な面の断面形状が凹型で、変型可能な柔軟な部材からなる防塵部材201を凹型の2つの突き出し部を一体化部材112の床面部に押しつけ、凹型の一方の側面を一体化部材112のマウント部を有する面に押し付ける。防塵部材201内側の面の一部はクロスダイクロイックプリズム109の合成光の射出面と直角なR光とB光の入射面と、クロスダイクロイックプリズム109上面に押しつけられる。なお本実施形態では各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと色合成光学系のクロスダイクロイックプリズム109の間には一体化ガラス部材111R、111G、111Bを接着した構成としているが、これにより偏光ビームスプリッタとクロスダイクロイックプリズムの大きさを最小にすることができる。偏光ビームスプリッタ又はクロスダイクロイックプリズムを大きい形状にした場合には直接偏光ビームスプリッタとクロスダイクロイックプリズムを接着してもよい。
【0017】
図3は図2に示した構造の断面構成図を示す。図3に示すように投射レンズ109の鏡筒のほぼ中央の外周部は、マウント部に形成された雌ねじでマウント部に密着して取り付けられるレンズ鏡筒の取付部を有している。マウント部に形成された穴に、レンズ鏡筒の取付部の先端部から挿入し、取付部をマウント部に隙間無く密着し、ねじで螺着して防塵構造にしてマウント部に取り付ける。なお、レンズ内部も防塵構造になっている。
【0018】
次に、図4の斜視分解構成図と図5の一体化断面構成図を用いて反射型ライトバルブ108R、108G、108Bと偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bの防塵一体化に関する詳細な説明をする。図4と図5においてはG光に関する反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gに関する防塵一体化構造の説明となっているが、R光用、B光用の反射型ライトバルブ108R、108Bと偏光ビームスプリッタ107R、107Bの防塵一体化構造も同じであるので、それらの説明は省略する。
【0019】
まず、反射型ライトバルブ108Gについて説明する。図4に示すようにガラス基板、液晶層、シリコン基板とからなる反射型ライトバルブ108Gは、シリコン基板の背面に反射型ライトバルブと外形が同じで、背面に冷却フィンを、外周部に第一取付部材134Gに取り付けるための複数の雌ねじ部を有するホルダー部材108G−Aを、反射型ライトバルブで発生した熱をホルダー部材108G−Aのフィンに伝達するために熱伝導の良好な接着剤を用いて接着している。なお、図にはライトバルブのシリコン基板中に形成されているアクティブマトリクス駆動回路へ外部信号を伝達する信号伝達基板108G−Bが示されている。上記構成の反射型ライトバルブ108Gを取り付ける第一取付部材134Gは、ライトバルブ108Gの背面に取り付けたホルダー部材108G−Aの冷却フィンの外形が通過できる大きさの開口部を有する金属板部材であり、その外周部にはホルダー部材108G−Aの雌ねじ部と一致する位置に穴が形成され、その開口部を形成する外周部の上下部にはそれぞれ斜め前方に偏光ビームスプリッタ107Gに取り付けた第二取付部材131Gと半田付けして一体化する半田付け部が設けられている。開口部に冷却フィンを通過させ、穴からネジを螺着させることにより、ライトバルブ107Gを第一取付部材134Gに一体化して取付ける。
【0020】
次に、偏光ビームスプリッタ107Gと第二取付部材131Gの取付けについて説明する。第二取付部材131Gは金属板部材から形成されており、中央部に開口部を有する外周部と、開口部の上下には開口部に垂直に外周部から偏光ビームスプリッタ107Gの上下面をそれぞれ挟み込んで接着固定する偏光ビームスプリッタ取付部を形成し、外周部の上下には前述の、第一取付部材134Gの半田付け部と半田付けして固定されるはんだ取付部を設けている。偏光ビームスプリッタ取付部を偏光ビームスプリッタ107Gの上下面を挟み込んで接着して取り付ける。
【0021】
ライトバルブ108Gと一体化された第一取付部材134Gと、偏光ビームスプリッタ107Gと一体化された第二取付部材131Gとを、それぞれ開口部を有する応力によって変形可能な柔軟部材からなる第一防塵部材132Gと第二防塵部材133Gを、その開口部が直列となるように、第一防塵部材132Gの他方を偏光ビームスプリッタ107Gの入射面に直接当てて、第二防塵部材133Gの他方を反射型ライトバルブ108Gの前面ガラス基板に押し当てる構成で接続して第二取付部材131Gと第一取付部材134Gの半田付け部をそれぞれ半田付けして固定することにより、偏光ビームスプリッタ107Gと反射型ライトバルブ108Gの間の防塵一体化構造を形成する。図5には図4の構成の断面構造を示す。第一取付部材134Gと第二取付部材の131Gの半田付けによる一体化固定は、他色用の同部材の取付も同様であるが、投射像における各色光用のライトバルブの画素位置を一致させた、いわゆるレジストレーションを達成させて行うことは言うまでもない。
以上の説明により、ライトバルブ107G、107R、107Bと投射レンズ110の間の各色光の光路は全て防塵構造とすることが可能となり、光路中にゴミが入り込むことはなく、投射像にゴミを投射することがなくなる。
【0022】
次に、図6に他の防塵構造を示す。図6に示すように、円筒形状を有する防塵部材202を、投射レンズ110の入射面部とクロスダイクロイックプリズム109の合成光の射出面との間に配置して防塵構造を形成する。防塵部材202も応力に応じて変形可能な弾力性を有する柔軟な材料を使用する。投射レンズ110の入射面の外周の鏡筒部の側面に防塵部材202の一方の外周部を押し当て、他方の外周部をクロスダイクロイックプリズム109の射出面に押し当てて投射レンズ110の鏡筒のマウント部への取付を行い、防塵構造とする。防塵部材202の先端は投射レンズ110の入射面に当たる構成となっているが、その先端部を投射レンズ110の入射面部の鏡筒の外周を包み込む構成にしても構わない。
【0023】
さらに、図7に他の防塵構造を示す。防塵部材203と防塵部材204の複数個を使用する。両部材とも応力に応じて変形可能な弾力性を有する柔軟部材を用いることは同様である。防塵部材203の外形および開口の形状は円形であり、部材204の外形および開口の形状は四角である。両部材の断面形状は、両部材を押しつけた際に、その全周に渡って少なくとも両者の断面の一部が重なる形状になっている。
部材203を投射レンズ103の入射面の外周部に、部材204をクロスダイクロイックプリズム109の射出面にそれぞれ押しつけ、両部材を少なくとも両部材が全周に渡って少なくとも断面の一部が重なるように防塵部材を構成する。その取付け上記した防塵部材と同様に投射レンズの鏡筒部の外周に形成されたマウント部112の取付部に取り付けることによって防塵構造にする。この場合、防塵部材203、204の厚みを薄くすることができるので防塵部材を安価に量産製造することができる。
(第2実施形態)
本実施形態における投射型表示装置の基本構成図を図8に示す。本実施形態における投射型表示装置は、第1実施形態の投射型表示装置において、各色光用の偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間にそれぞれ1/4波長位相板121R、121G、121Bを配置している。他の構成は同じなので、同じ部材については同じ部番を記載した。
1/4波長位相板を配置する目的は、偏光ビームスプリッタを反射して射出し、反射型ライトバルブに入射する光線のうち光軸に対して斜めの光線の偏光の振動方向が進行方向に依存する場合に、反射型ライトバルブで反射されて射出し、偏光ビームスプリッタに入射して検光される検光光のコントラストを向上させるために1/4波長位相板を2回通過させ、偏光ビームスプリッタに入射する光線の偏光の振動方向を、検光のコントラストを向上させる方向に変換することである。
【0024】
本実施形態における投射型表示装置の防塵構造は、色合成光学系のクロスダイクロイックプリズム109と投射レンズ110の間の光路に関しては第1実施形態の3種類の防塵構造と同じであるが、1/4波長位相板121R、121G、121Bを偏光ビームスプリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間の光路に配置している点が異なる。
図9の斜視分解構成図と図10の防塵構造断面図を参照して、1/4波長位相板121R、121G、121Bを配置する偏光ビームスリッタ107R、107G、107Bと反射型ライトバルブ108R、108G、108Bの間の光路の防塵一体化構造を説明する。図9、図10においては第1実施形態と同様にG光に関する構造の記載となっているが、他色光のR光とB光に関しても同様の構造となっている。
【0025】
反射型ライトバルブ108Gと第一取付部材145Gの構成は第1実施形態の図4と同じであり、反射型ライトバルブ108Gのシリコン基板の背面に取り付けたホルダー部材108G−Aのフィン部を第一取付部材145Gの開口部に通し、開口部の外周部の穴で反射型ライトバルブ108Gのホルダー部材108G−Aの雌ねじにネジを螺着させて反射型ライトバルブ108Gと第一取付部材145Gを一体化する。
偏光ビームスプリッタ107Gに取付ける第二取付部材141Gは開口部を有する外周部の2つ隅に開口に対して垂直にピン部材141G−C、141−Dを有し、上下部に第一取付部材への半田付け部が設けられ、その付け根部分に開口部141−A、141−Bを有している。開口部の上下には開口に垂直に形成された偏光ビームスプリッタ取付部がある。偏光ビームスプリッタ107Gの上下面を偏光ビームスプリッタ取付部にて挟み込んで接着して偏光ビームスプリッタ107Gと第二取付部材141Gを取付ける。
【0026】
1/4波長位相板121Gを取り付ける1/4波長板取付部材143Gは中央に開口部を有する金属板部材からなり、その上下部にはそれぞれ斜め方向に第2取付部材141Gの上下部に形成された開口部141−A、141−Bにそれぞれ挿入されて接着して取付ける取付部が設けられている。さらに、開口部の周りの2つの隅には第二取付部141Gのピン141−C、141−Dを挿入して、光軸の周りに1/4波長板取付部材を回転させる円弧形状の穴が設けられている。1/4波長板121Gは図のように開口部を覆う構成で1/4波長位相板取付部材143Gに接着して取り付ける。
次に、第一防塵部材142Gを偏光ビームスプリッタ107Gの入射面と1/4波長板取付部材143Gの開口部を有する外周面とで挟み、偏光ビームスプリッタ107Gと一体化した第二取付部材141Gの上下の開口部141G−A、141G−Bに1/4波長位相板121Gを取り付けた1/4波長位相板取付部材143の上下の取付部をそれぞれ挿入してその取付部の弾性を利用して仮止めする。
【0027】
そして、第二防塵部材144Gの開口部の中に1/4波長位相板121Gを挿入して、1/4波長板取付部材143Gの外周部と、反射型ライトバルブ108Gの入射ガラス面に押しつけ、反射型ライトバルブ108Gと一体化した第一取付部材145Gの上下の半田付け部をそれぞれ第二取付部材141Gの半田付け部とを半田付けして一体化する。なお、その半田付けは、G光用のライトバルブ108Gと他の色光用の反射型ライトバルブ108R、108Bの画素を一致させて固定する。
【0028】
さらに、1/4波長板取付部材143Gの上下の取付部を用いて、1/4波長位相板143Gを光軸の周りに回転させて、投射像のコントラストが最適になる位置(反射型ライトバルブ107Gをオン状態としたときとオフ状態にしたときの投射像における光量の比が最大になる位置)で1/4波長板取付部材143Gの円弧形状の穴と第二取付部材141Gのピンの周囲を接着剤で固定する。
【0029】
図9の防塵構造の断面図を図10に示す。図10に示すように1/4波長位相板を取り付けた1/4波長位相板取付部材143Gは、防塵部材142G、144Gとともに防塵構成を形成する部材の役目を果たしている。図8に示す投射型表示装置の基本構成において、反射型ライトバルブから投射レンズまでの光路を防塵構造にすることにより、外部から光路中にゴミの入り込むことを防ぎ、投射像にそのゴミの像が投射されるのを防止することができる。
次に上記した構成において、第一防塵部材142G、第二防塵部材144Gの開口部の大きさがその内部を通過する光の断面に比して十分に大きくない場合について図11、図12を参照しながら説明する。上記したように、投射像のコントラストが最適になる1/4波長板121Gの位置を決定するのに、1/4波長板121Gを取り付けた1/4波長板取付部材143Gを光軸の周りに、防塵部材142G、144Gを押さえつけた状態で回転させる。この場合防塵部材142G、44Gは応力に対して変形可能な柔軟材料を使用するので、回転によって防塵部材142G、144Gが変形しすることによって開口の形1状が変形して膨らみ、開口を通過する光の光束の一部を遮ってしまう場合がある。これを防止するためには、図11に示すように、反射型ライトバルブ107Gのガラス基板の表面に、第二防塵部材144Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材151を設ける。防塵部材変形防止部材151の外周の大きさは、第二防塵部材144の開口の大きさとほぼ同じである。同様に偏光ビームスプリッタ107Gの入射面には、第一防塵部材141Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材152を、1/4波長位相板取付部材143Gの両面にそれぞれ設けられる第二防塵部材144G、第一防塵部材142Gの開口の内部に入る防塵部材変形防止部材153、154を設ける。
【0030】
コントラストを調節する際に光軸の周りに1/4波長板取付部材143Gを回転させるが、それに伴って第一、第二防塵部材142G,144Gは変形しようとするが、防塵部材変形防止部材151,152,153,154によって、第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。
【0031】
本実施形態の防塵構造では、第一防塵部材142Gは偏光ビームスプリッタ107Gと1/4波長位相板取付部材143Gに、第二防塵部材144Gは1/4波長位相板取付部材143Gとライトバルブ107Gのガラス基板表面にそれぞれ押さえつけているが、これ以外にも第一防塵部材142Gの一方を偏光ビームスプリッタ107Gの表面に、第二防塵部材144Gの一方をライトバルブのガラス表面にそれぞれ接着剤にて貼り付けても構わない。この場合には反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gには変形防止部材は必要なく、1/4波長位相板取付部材143Gに配置する変形防止部材のみで、第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。一方、逆に1/4波長位相板取付部材143Gに第一、第二防塵部材142G,144Gを接着剤で取り付け、それぞれを偏光ビームスプリッタ107G、反射型ライトバルブ108Gのガラス表面に押さえつけても構わない。この場合には、1/4波長位相板取付部材143Gに配置する変形防止部材は不用であり、反射型ライトバルブ108Gと偏光ビームスプリッタ107Gの変形防止部材のみで第一、第二防塵部材142G,144Gの開口の形状の変形を防ぎ、光の光束を遮ってしてしまうことはない。
【0032】
1/4波長位相板取付部材143Gに配置する防塵部材変形防止部材153は、厚い1/4波長位相板121Gを使用した場合には、波長位相板121Gの側面部を変形防止部材の代わりに使用することも可能である。この構成の1/4波長位相板121Gを使用した場合には、防塵部材変形防止部材153は必要ない。
(第3実施形態)
第3実施形態の投射型表示装置の基本構造を図13を参照しながら説明する。
【0033】
ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源301から射出された光は偏光変換装置302によって紙面に垂直な方向に振動方向を有する偏光した光に変換され、時系列色分解光学系311によってR光、G光、B光に時系列に色分解する。時系列色分解光学系311は円盤の外周部を三等分してR光透過、G光透過、B光透過フィルターを備えたもので、円盤を回転軸の周りに回転させることによって時系列色分解、すなわち時間によって異なる色の光を透過させることができる。
時系列色分解光学系311を経て射出した時系列に同じ光路で進行するR光、G光、B光は偏光ビームスプリッタ307に入射し、偏光分離部を反射して射出面近傍に配置した反射型ライトバルブ308に入射し、入射する色光毎にその色信号によって変調作用を受けて反射射出し、再度偏光ビームスプリッタ307に入射して、変調光である偏光分離部を透過して射出する光を検光光として取りだし、投射レンズ310に入射して不図示のスクリーン上に投射する。
【0034】
本実施形態の投射型表示装置の反射型ライトバルブ308、偏光ビームスプリッタ307、投射レンズ310の斜視構成図を図14に示す。図14に示すように、偏光ビームスプリッタ307は投射レンズ310を取り付けるマウント部材を有する基板部材312の上にガラス基板からなる補助部材311を介して接着して取付け固定される。投射レンズ310のマウント部への取付け、偏光ビームスプリッタ307への反射型ライトバルブ308の取付けは第1実施形態ならびに第2実施形態に示した取付方法と同様の方法を使用する。
偏光ビームスプリッタ307の検光光の射出面と投射レンズ310の間の光路の防塵構造は第1実施形態、第2実施形態の投射型表示装置のクロスダイクロイックプリズムと投射レンズの間の光路の防塵構造と同じである。さらに、反射型ライトバルブ308と偏光ビームスプリッタ307の間の防塵構造も第1実施形態、第2実施形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブ間の防塵構造と同じである。また図13では偏光ビームスプリッタ307と反射型ライトバルブ308の間に1/4波長位相板を配置していないが、必要な場合には、1/4波長位相板を配置し第2実施形態と同様な構成として防塵構造にする。
(第4実施形態)
本実施形態の投射型表示装置の基本構成を図15を参照しながら説明する。ランプと放物面鏡等の凹面鏡とからなる光源401から射出された光は偏光変換装置402によって紙面に平行で進行方向に垂直な方向に振動方向を有する偏光した光に変換されて、偏光ビームスプリッタ407に入射し、偏光分離部を透過して射出する光はプリズム403、404、405からなる複合プリズムによって構成される色分解合成光学系にプリズム403の403a面から入射する。入射した光は403b面に形成されたB光反射膜で反射されるB光と、B光反射膜を透過して403面から射出し、空隙を有して配置されるプリズム404の404a面に入射するR光とG光の混合光とに色分解される。B光は403a面で全反射され403c面から射出し、反射型ライトバルブ408Bに入射する。
【0035】
プリズム404に入射したR光とG光の混合光は、404b面に形成されたR光反射膜で反射されるR光と、R光反射膜を透過して404b面と405a面とを接着剤にて接着してプリズム404と一体化されたプリズム405に入射するG光とに色分解される。
R光は404a面で全反射され、404c面から射出して反射型ライトバルブ408Rに入射する。プリズム405に入射したG光は、405b面で全反射され、405c面から射出して反射型ライトバルブ408Gに入射する。反射型ライトバルブ408R、408G、408Bの構造は第1実施形態と同じである。反射型ライトバルブ408R、408G、408Bに入射した各色光はそれぞれ色信号によって変調され、反射射出され、入射光路を逆行し、複合プリズムで色合成されてプリズム403の403a面から合成光として射出される。射出した光は偏光ビームスプリッタ407に入射して、偏光分離部で反射される光を検光光として取りだし、投射レンズ410に入射し不図示のスクリーン上に投射される。
【0036】
本実施形態の投射型表示装置の防塵一体化構造を図16〜図18を参照しながら説明する。
複合プリズムを構成する各プリズム403、404、405の一体化する構造を説明する。図17は複合プリズムの断面構成図であり、各プリズムの厚さ(紙面に対して垂直方向の長さ)は同じで、プリズム403の403b面とプリズム404の404a面とは空隙を介して配置される。プリズム404の404a面の外周部のみに接着剤層を形成し、この面とプリズム403の403b面とを接着層で接着して空隙を構成する。R光反射膜を形成したプリズム404の404b面とプリズム405の405a面とは全面を接着剤で接着する。図18は複合プリズムと偏光ビームスプリッタ407の間の防塵一体化構造を示す斜視分解図である。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの403a面との間の防塵構造は、第一防塵部材421を偏光ビームスプリッタ407に押しあて、第二防塵部材422を複合プリズムの403a面に押しあて、さらに第一防塵部材421と第二防塵部材422とを押し当てることによって形成する。第一、第二防塵部材421、422とも応力によって変形可能な柔軟材料からできており、開口部を有している。第一、第二防塵部材421、422とも外形形状は同じで、403a面の外形とほぼ一致する。第2防塵部材422は中央部に開口を有し、外周の枠の幅はほぼ同じである。一方第一防塵部材421の開口部は中央部でなく、偏った位置にある。第一防塵部材421の開口部は、偏光ビームスプリッタ407の入射面の形状よりも一方の長さが長くなっているため、この長い部分は、偏光ビームスプリッタ407へ取付けると偏光ビームスプリッタ407に押し付けることができないため、第一防塵部材421を押さえ込む補助部材413を偏光ビームスプリッタ407の側面に形成してある。
【0037】
各プリズム403、404、405と反射型ライトバルブ408R、408G、408Bとの防塵構造は、第1実施形態で示した偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブの防塵構造とおなじである。
図16は偏光ビームスプリッタ407、複合プリズム、反射型ライトバルブ、投射レンズ410の一体化の構造を示す斜視構成図である。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムとを一体化部材で一体化する。一体化するために一体化部材411A、411Bを使用し、両一体化部材を偏光ビームスプリッタ407、複合プリズムが一体化状態を維持するように、偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの上下面にそれぞれ接着剤にて接合し、一体化部材の端部を投射レンズ410を取り付けたマウント部にネジで螺着して取付け固定する。
【0038】
この一体化した状態で偏光ビームスプリッタ407の検光光の射出面と投射レンズ410の入射面との間の防塵構造は、第1実施形態のクロスダイクロイックプリズムの射出面と投射レンズの入射面の防塵構造と同様の防塵構造とする。
これにより本実施形態の投射型表示装置の各色光用の反射型ライトバルブ408R、408G、408Bと投射レンズ410の入射面の間の光路を防塵構造とすることができ、投射像においてゴミの像を投射することを防ぐことができる。
他の防塵構造の例を図19を参照しながら説明する。偏光ビームスプリッタ407の入射面の外周部に図に示すように防塵部材423を形成する。この防塵部材はスクリーン印刷で塗料を印刷してもよいし、この形状にエッチングして形成した金属箔を接着剤にて貼り付けてもよい。さらに、この形状に形成した薄膜形状の柔軟材料を接着剤で接着してもよい。偏光ビームスプリッタ407への防塵部材の形成はその外周部の平面度を保ちながら行う。
【0039】
防塵部材の外周部前面をプリズム403の403a面の所定位置に押しつける。偏光ビームスプリッタ407と複合プリズムの取付けは図16に示す取付部材411A、411Bを用いて行う。この一体化の際には、防塵部材と423と403a面との間に空隙を形成しないように面精度良く押しつける。
ライトバルブ408R、408G、408Bと複合プリズムの間の防塵一体化は第1実施形態の同様である。本実施形態では、防塵部材423の開口を形成する外周部の幅は小さいので、この部分を403a面に押しあてても、403a面でのB光の全反射に対する影響は少なくなる。また、防塵部材423のB光に対する屈折率を空気の屈折率に近い材料を使用すれば、全反射は問題なく行うことが可能となる。本実施形態では、第3実施形態における防塵部材を403a面に押しつける補助部材413を偏光ビームスプリッタ407の側面に形成する必要はない。
【0040】
本実施形態の投射型表示装置においても、光路中にゴミの進入を阻止できるので、その像を投射することはない。
本実施形態において、図15の反射型ライトバルブと複合プリズム間に配置した波長位相板はないが、各色光において経由するダイクロイック膜、全反射膜において、偏光状態を調節し、投射像のコントラストが良好な状態を確保しているからである。ダイクロイック膜、全反射膜において良好な状態が確保ができない場合には、プリズムと反射型ライトバルブの間の光路中に波長位相板を配置し、波長位相板で最適な投射像のコントラストを得るようにするが、その際の波長位相板を含むプリズムと反射型ライトバルブの間の光路の防塵構造は第2実施形態の図9、図10に示す防塵一体化構造を形成すれば防塵効果を有する投射型表示装置を提供することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の様に本発明は、反射型ライトバルブから投射レンズに至る各色光の光路中にゴミが進入するのを防止することができる投射型表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図2】投射レンズと色合成光学系の間の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図3】投射レンズと色合成光学系の間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図4】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する斜視分解構成図。
【図5】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図6】投射レンズと色合成光学系の間の他の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図7】投射レンズと色合成光学系の間の他の防塵構造を形成する斜視構成図。
【図8】第2実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図9】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する斜視分解構成図。
【図10】反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図11】他の実施例のライトバルブ上に形成した防塵部材の変形防止部材を説明する斜視構成図。
【図12】他の実施例の反射型ライトバルブと偏光ビームスプリッタの間の防塵構造を説明する断面構成図。
【図13】第3施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図14】主要部材の配置の斜視構成図。
【図15】第4実施形態の投射型表示装置の基本構成図。
【図16】主要部材の一体化を示した斜視構成図。
【図17】色分解合成複合プリズムの一体化を示す断面構成図。
【図18】偏光ビームスプリッタと複合プリズムの間の防塵構造を説明する斜視分解図。
【図19】偏光ビームスプリッタと複合プリズムの間の他の例の防塵構造を説明する斜視分解図。
【図20】従来の反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置の構成を示す図
【符号の説明】
101、301、401 光源
102、302、402 偏光変換装置
103 クロスダイクロイックミラー
104、105 折り曲げミラー
106 ダイクロイックミラー
107R、107G、107B、307、407 偏光ビームスプリッタ
108R、108G、108B 反射型ライトバルブ
109 クロスダイクロイックプリズム
110、310、410 投射レンズ
121R、121G、121B 1/4波長位相板
132G、133G、142G、144G、201、202、203、204、421、422、423 防塵部材
131G、141G 第二取付部材
134G、145G 第一取付部材
143G 1/4波長位相板取付部材
151、152、153、154 防塵部材変形防止部材
311 時系列色分解光学系
403、404、405 プリズム部材
413 防塵部材押さえ付け部
Claims (12)
- 反射型ライトバルブから射出した光をプリズム部材を介して投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、記防塵部材により前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路と、前記プリズム部材と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。 - 前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置された前記防塵部材とを接続することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記プリズム部材に取付ける第二取付部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記プリズム部材の間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記プリズム部材と前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記プリズムの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
- 光源から射出した光を色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、前記色分解された各色光を偏光ビームスプリッタで偏光分離し、前記各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射させ、変調して反射射出した各色光を前記偏光ビームスプリッタで検光し、前記検光光を色合成光学系入射して色合成し、前記色合成された光を投射レンズに入射させる投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記色合成光学系と前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色合成光学系とを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置。
- 光源からの光を偏光ビームスプリッタを経て色分解合成複合プリズムでR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に色分解し、色分解された各色光毎に配置される反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記色分解合成複合プリズムで色合成し、前記色合成した光を前記偏光ビームスプリッタで検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路とに配置する前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記偏光ビームスプリッタと前記色分解合成複合プリズムを直接または透明光学部材を介して接合し、前記反射型ライトバルブと前記投射レンズの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置。
- 光源からの光を時系列色分解光学系でR(赤)光、G(緑)光、B(青)光に時系列に色分解し、色分解された各色光を偏光ビームスプリッタを経て反射型ライトバルブに入射、変調して反射射出し、前記偏光ビームスプリッタに入射、検光して投射レンズに入射し投射する投射型表示装置において、前記各色光用の反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間の光路とに配置される前記光を通過させる開口部を有する防塵部材を有し、前記反射型ライトバルブから前記投射レンズの入射面までの光路を防塵構造とすることを特徴とする投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記投射レンズの間に配置される前記防塵部材の少なくとも一方の前記防塵部材は、前記光を通過させる開口部を有する複数の部材からなることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、前記防塵部材は前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とし、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記防塵部材を接続することを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置する波長位相板と、前記波長位相板に取付ける波長位相板取付部材と、前記反射型ライトバルブに取付ける第一取付部材と、前記偏光ビームスプリッタに取付ける第二取付部材とを有し、 前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路に配置される前記防塵部材は、前記反射型ライトバルブと前記波長位相板の間の光路と、前記偏光ビームスプリッタと前記波長位相板取付部材の間の光路とに配置される補助防塵部材からなり、前記第一取付部材と前記第二取付部材と前記波長位相板取付部材と前記補助防塵部材を接続し、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間の光路を防塵構造とすることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
- 前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記プリズム部材の前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする請求項4に記載の投射型表示装置。
- 前記反射ライトバルブの前記光源からの光が入射する入射面、前記偏光ビームスプリッタの前記反射ライトバルブを射出した光が入射する入射面、前記波長位相板取付部材の開口の外周の表面の少なくとも1つの面に配置する前記防塵部材の変型を防止する防止部材を有することを特徴とする請求項10に記載の投射型表示装置。
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JP2007025153A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-02-01 | Sony Corp | 液晶パネルブロック及び液晶プロジェクタ装置 |
JP2007047477A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Sony Corp | プロジェクタユニットおよびプロジェクションテレビジョン装置 |
JP2007286516A (ja) * | 2006-04-19 | 2007-11-01 | Sharp Corp | 投射型画像表示装置 |
-
2003
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