JP2004246286A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間良好にコントラストを維持できる投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】反射型ライトバルブ19と、光源11からの光を偏光分離して前記反射型ライトバルブ19に射出し、前記反射型ライトバルブ19で変調された光を検光する偏光ビームスプリッタ17と、前記反射型ライトバルブ19と前記偏光ビームスプリッタ17の間に配置される1/4波長位相板18とを有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板18は、厚さの異なる2枚の水晶板からなること。
【選択図】 図1
【解決手段】反射型ライトバルブ19と、光源11からの光を偏光分離して前記反射型ライトバルブ19に射出し、前記反射型ライトバルブ19で変調された光を検光する偏光ビームスプリッタ17と、前記反射型ライトバルブ19と前記偏光ビームスプリッタ17の間に配置される1/4波長位相板18とを有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板18は、厚さの異なる2枚の水晶板からなること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投射型表示装置において、1/4波長位相板をその進相軸または遅相軸が、偏光子および検光子として使用する偏光ビームスプリッタの入射光軸と反射光軸とを含む平面に直交するように、偏光ビームスプリッタと液晶パネルとの間に配置し、投射像のコントラストを向上させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記の投射型表示装置では、偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブとの間の光路中に配置する、1/4波長位相板は一枚のプラスチック材から形成されたものが一般に使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−250026(特公平7−38050)号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の投射型表示装置では、1/4波長位相板はプラスチック材にて形成されているため、耐熱性が悪く、熱的な耐久性に問題がある。特に高輝度の投射像を投射するために光量を増加させると、熱によって1/4波長位相板としての性能が劣化し投射型表示装置の投射像のコントラストが劣化するという問題が有る。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて行われたものであり、長期間良好なコントラストを維持できる投射型表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、反射型ライトバルブと、光源からの光を偏光分離して前記反射型ライトバルブに射出し、前記反射型ライトバルブで変調された光を検光する偏光ビームスプリッタと、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間に配置される1/4波長位相板と、を有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタとの間の少なくとも1色の光路中に配置される1/4波長位相板と、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0009】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板のうち一枚は右水晶であり、他は左水晶であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転可能であり、さらに、前記2枚の水晶板のうち一方のみが独立して回転可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶板のみを光軸の回りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶版のみを光軸の周りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置を決定する操作を複数回行って決定する回転位置に配置されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の投射型表示装置では、前記反射型ライトバルブを保持するライトバルブ保持部材と、前記2枚の水晶板を保持する水晶板保持部材と、前記偏光ビームスプリッタを保持する偏光ビームスプリッタ保持部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記2枚の水晶板と前記偏光ビームスプリッタとは、前記反射型ライトバルブ保持部材と前記水晶板保持部材と前記偏光ビームスプリッタ保持部材とを介して接続され一体化されていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図であり、図2は第1実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。また、図3は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図であり、図4は第2実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。図5は、第2実施形態の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの一体化を説明する分解斜視図である。
【0016】
(第1実施形態)
図1において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Z軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0017】
図1において、ランプ11aと放物面鏡形状を有する凹面鏡11bとから構成される光源11からY軸方向に射出される光源光束は、偏光照明装置12を経て、紙面に垂直なZ軸方向に振動方向を有する直線偏光に変換される。
【0018】
ここで、偏光照明装置12は、以下に示すような図示されていない構成である。複数のレンズを平面状に配置した第1レンズ板と第2レンズ板から構成されるインテグレータ、複数の偏光ビームスプリッタをアレイ状に配置し、その所定の射出面に配置した1/2波長板から構成される偏光変換装置ならびに重畳照明を達成するコンデンサレンズから構成されている。
【0019】
偏光照明装置12を射出した偏光光はB光を反射する特性を有するダイクロイックミラー13Bと、R光とG光とを反射する特性を有するダイクロイックミラー13RGとを互いに直交して配置(X型)したクロスダイクロイックミラー13に入射し、互いに反対方向であるX軸方向と−X軸方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0020】
色分解されたB光は反射折り曲げミラー14で進行方向を変えてY軸方向に進行し、B光用の偏光ビームスプリッタ17Bに入射する。
【0021】
色分解されたR光とG光の混合光は、反射折り曲げミラー15で進行方向を変えてY軸方向に進行し光軸上に配置されたG光反射特性を有するダイクロイックミラー16に入射し、ダイクロイックミラー16を透過して進行するR光と、ダイクロイックミラー16で反射して進行方向を変えてX軸方向に進行するG光とに色分解され、R光、G光の偏光ビームスプリッタ17R、17Gにそれぞれ入射する。このようにして、色分解光学系が構成されている。
【0022】
偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射したB光、G光、R光は、偏光方向が偏光ビームスプリッタ17B、17G、17R中の偏光分離部(XY平面に垂直で、入射光軸に対して略45度の角度を有する)17B−P、17G−P、17R−Pに対して実質的に反射する方向に偏光されているため、偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでそれぞれ反射されて、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rをそれぞれ射出し、2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板18B(18B−Aと18B−B)、18G(18G−Aと18G−B)、18R(18R−Aと18R−B)にそれぞれ入射し、射出して、反射型ライトバルブ19B、19G、19Rにそれぞれ入射する。
【0023】
反射型ライトバルブ19B、19G、19Rでは、B光、G光、R光それぞれの色信号にてそれぞれの入射光を変調し、反射射出する。射出されたB光、G光、R光は、再度1/4波長位相板18B、18G、18Rにそれぞれ入射し、射出して、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射される。偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでは、入射されたB光、G光、R光から変調光をそれぞれ透過して射出検光し、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズム20にそれぞれ異なる入射面から入射する。
【0024】
入射されたR光、B光は内部にX型に配置されたR光反射ダイクロイック膜20R、B光反射ダイクロイック膜20Bによってそれぞれ反射され、G光はR光反射ダイクロイック膜20Rと、B光反射ダイクロイック膜20Bとを透過して、B光、G光、R光の色合成がなされ、色合成光が射出面からX軸方向に射出され投射レンズ21に入射され、図示しないスクリーン上にフルカラーの投射像を投射する。このようにして、投射型表示装置が構成されている。
【0025】
次に、本第1実施形態における、1/4波長位相板18B、18G、18Rの構成について図2を用いて説明する。
【0026】
図2は、本第1実施形態にかかる投射型表示装置のG光における、偏光ビームスプリッタ17Gと、1/4波長位相板18Gと、反射型ライトバルブ19Gとの配置を説明する斜視図である。R光、B光もG光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光とB光については説明を省略する。
【0027】
図2において、1/4波長位相板18Gは、厚みt1を有し結晶光学軸をZ軸方向と平行な方向に配置した水晶板18G−Aと、厚みがt1より薄い厚みt2を有し結晶光学軸を水晶板18G−Aの結晶光学軸とは垂直なX軸方向と平行な方向に配置した18G−Bとを貼り合わせて形成されている。
【0028】
厚みの差t1−t2の値は、その厚み(t1−t2)を有する1枚の水晶板で1/4波長位相板を形成していると見なせるので、所定の厚みになるように2枚の水晶板18G−Aと18G−Bとを形成して貼り付けることが重要である。
【0029】
なお、上記説明では、水晶板の厚みは水晶板18G−Aの方が厚いとしたが、水晶板18G−Bの方を厚くしても、厚みの差をt2−t1とすれば、上記と同様の効果を奏する1/4波長位相板18Gを形成することができる。
【0030】
1/4波長位相版18Gは、2枚の水晶板18G−Aと18G−Bの結晶光学軸が直交するように貼り付けられている。また、2枚の水晶板18G−A、18G−Bの結晶光学軸が、偏光ビームスプリッタ17Gへの入射光の光軸と偏光分離部17G−Pにより反射されてライトバルブ19Gへ進行する反射光の光軸とを含む平面(XY平面)に対して垂直または水平となるように配置されている。
【0031】
こうすることにより、1/4波長位相板18Gによって、偏光ビームスプリッタ17Gから射出され、1/4波長位相板18Gを経てライトバルブ19Gに入射して、変調反射されて、再度1/4波長位相板18Gを経て偏光ビームスプリッタ17Gに再度入射する光の偏光の振動方向を偏光ビームスプリッタ17Gの偏光分離部17G−Pによる検光に最適な方向に変換することができ、コントラストの良好な投射像を投射することができるようになる。
【0032】
また、1/4波長位相板18Gは2枚の水晶板(18G−A、18G−B)を使用しているので、耐熱性が向上し1/4波長位相板の長寿命化を実現できる。さらに、1/4波長位相板の厚みが厚くなるので、1枚の水晶板を使用した1/4波長位相板と比較して平面性を維持しやすく、また取り扱いやすいという効果を奏する。
【0033】
また、水晶板では、光軸に対して45度の傾きの振動方向を有する直線偏光を入射させた場合、偏光の回転方向が右方向(以後、右水晶と称する)と左方向(以後、左水晶と称する)の2種類があることが知られている。上述のように2枚の水晶板を貼り付けた構造を有する1/4波長位相板において、右水晶同士または左水晶同士を貼り付けた1/4波長位相板よりも、右水晶と左水晶を貼り付けた1/4波長位相板の方が、1/4波長位相板としての基本性能が優れている。すなわち、1/4波長位相板で直線偏光を円偏光に変換する際に、前者は楕円偏光になりやすいのに対し、後者は円偏光を達成できるという性質がある。
【0034】
したがって、本第1実施形態で用いている、2枚の水晶板を貼り付けた構成の1/4波長位相板は、一方を右水晶、他方を左水晶とすることで、コントラストの良好な投射像を得ることができるという効果を奏する。
【0035】
なお、本実施形態では、コントラストの改善のためにR光、G光、B光の各色光の光路中に2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、B光の3色の光のうち2色の光に本実施形態の1/4波長位相板を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光に配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0036】
(第2の実施形態)
図3、図4、図5を用いて本発明の第2の実施形態にかかる投射型表示装置を説明する。図3において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Z軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0037】
図3において、ランプ11aと放物面鏡形状を有する凹面鏡11bとから構成される光源11からY軸方向に射出される光源光束は、偏光照明装置12を経て、紙面に垂直なZ軸方向に振動方向を有する直線偏光に変換される。
【0038】
ここで、偏光照明装置12は、以下に示すような図示されていない構成である。複数のレンズを平面状に配置した第1レンズ板と第2レンズ板から構成されるインテグレータ、複数の偏光ビームスプリッタをアレイ状に配置し、その所定の射出面に配置した1/2波長板から構成される偏光変換装置ならびに重畳照明を達成するコンデンサレンズから構成されている。
【0039】
偏光照明装置12を射出した偏光光はB光を反射する特性を有するダイクロイックミラー13Bと、R光とG光とを反射する特性を有するダイクロイックミラー13RGとを互いに直交して配置(X型)したクロスダイクロイックミラー13に入射し、互いに反対方向であるX軸方向と−X軸方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0040】
色分解されたB光は反射折り曲げミラー14で進行方向を変えてY軸方向に進行し、B光用の偏光ビームスプリッタ17Bに入射する。
【0041】
色分解されたR光とG光の混合光は、反射折り曲げミラー15で進行方向を変えてY軸方向に進行し光軸上に配置されたG光反射特性を有するダイクロイックミラー16に入射し、ダイクロイックミラー16を透過して進行するR光と、ダイクロイックミラー16で反射して進行方向を変えてX軸方向に進行するG光とに色分解され、R光、G光の偏光ビームスプリッタ17R、17Gにそれぞれ入射する。このようにして、色分解光学系が構成されている。
【0042】
偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射したB光、G光、R光は、偏光方向が偏光ビームスプリッタ17B、17G、17R中の偏光分離部(XY平面に垂直で、入射光軸に対して略45度の角度を有する)17B−P、17G−P、17R−Pに対して実質的に反射する方向に偏光されているため、偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでそれぞれ反射されて、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rをそれぞれ射出し、2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板118B(118B−Aと118B−B)、118G(118G−Aと118G−B)、118R(118R−Aと118R−B)にそれぞれ入射し、透過して、反射型ライトバルブ19B、19G、19Rにそれぞれ入射される。
【0043】
反射型ライトバルブ19B、19G、19Rでは、B光、G光、R光それぞれの色信号にてそれぞれの入射光を変調し、反射射出する。射出されたB光、G光、R光は、再度1/4波長位相板118B、118G、118Rにそれぞれ入射し、射出して、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射される。偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでは、入射されたB光、G光、R光から変調光をそれぞれ透過して射出し、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズム20にそれぞれ異なる入射面から入射する。
【0044】
入射されたR光、B光は内部にX型に配置されたR光反射ダイクロイック膜20R、B光反射ダイクロイック膜20Bによってそれぞれ反射され、G光はR光反射ダイクロイック膜20Rと、B光反射ダイクロイック膜20Bとを透過して、B光、G光、R光の色合成がなされ、色合成光が射出面からX軸方向に射出され投射レンズ21に入射され、図示しないスクリーン上にフルカラーの投射像を投射する。このようにして、投射型表示装置が構成されている。
【0045】
次に、本第2実施形態における、1/4波長位相板118B、118G、118Rの構成について図4を用いて説明する。
【0046】
図4は、本第2実施形態にかかる投射型表示装置のG光における、偏光ビームスプリッタ17Gと、1/4波長位相板118Gと、反射型ライトバルブ19Gの配置を説明する斜視図である。R光、B光も本G光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光とB光については説明を省略する。
【0047】
図4において、1/4波長位相板118Gは、厚みt1を有し結晶光学軸をZ軸方向と略平行な方向に配置した水晶板118G−Aと、厚みがt1より薄い厚みt2を有し結晶光学軸を水晶板118G−Aの結晶光学軸とは垂直となるX軸方向と略平行な方向に配置した118G−Bとを所定の間隔をあけて配置されている。
【0048】
また、水晶板118G−A,118G−Bは、それぞれ結晶光学軸方向が後述するコントラストの調整手順に基づいて、偏光ビームスプリッタ17Gへの入射光軸とライトバルブ19Gへの反射光軸とで形成される平面(XY平面)に対して垂直又は平行に近い位置に調整されて、コントラストが最適な位置になるように固定されている。
【0049】
なお、本実施形態では、コントラストの改善のためにR光、G光、B光の各色光の光路中に2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、B光の3色の光のうち2色の光に本実施形態の1/4波長位相板を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光に配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0050】
また、前記第1実施形態と同様に、本第2実施形態においても、一方を右水晶、他方を左水晶を使用しても良い。
【0051】
次に、本第2実施形態にかかる反射型投射装置の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの組み立て、調整について説明する。図5は、第2実施形態のG光用の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの配置を説明する斜視図である。R光、B光もG光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光、B光については説明を省略する。
【0052】
図5において、偏光ビームスプリッタ17G、水晶板118G−A、118G−B、反射型ライトバルブ19Gは一体化して配置する必要があるので、それぞれを取付る取付部材について説明する。
【0053】
本第2実施形態では、各取付部材は、偏光ビームスプリッタ17G側から、偏光ビームスプリッタ17Gを取付固定する偏光ビームスプリッタ固定部材201(以後、第1取付部材と記す)と、水晶板118G−Aを取付固定する第1水晶板取付部材202(以後、第2取付部材と記す)と、水晶板118G−Bを取付固定する第2水晶板取付部材203(以後、第3取付部材と記す)と、反射型ライトバルブ取付部材204(以後、第4取付部材と記す)とから構成されている。以下、各取付部材について詳説する。
【0054】
第1取付部材201は、金属板部材を所定の形状(開口部を有する樽型状)に加工したもので、中央部には光を通過させるための開口部213が形成されている。第1取付部材201の外縁部分の上下部にはそれぞれ、後述する第4部材204と半田付けにて接続固定するのに用いられる半田付け取付部211U、211Lが延設して形成されている。第1取付部材201の開口部213の外縁部分の上下部には、偏光ビームスプリッタ17G側の面に略垂直で偏光ビームスプリッタ17側に延設され、偏光ビームスプリッタ17Gの上下面にそれぞれ接して固定する偏光ビームスプリッタ取付部214U、214Lが形成されている。開口部213の外周部の左右部には第2取付部材と第3取付部材とを第1取付部材に対してネジを用いて仮止めし、これら第2取付部材と第3取付部材とを光軸の回りに回転して位置決めするための、ネジを挿通する円弧状穴部215、216、217、218部が形成されている。開口部213の外周部の上下部には、第2取付部材を取付るための穴部212U、212L部が形成されている。
【0055】
第2取付部材202は、金属板部材を所定の形状(開口部を有する略四角形状)に加工したものであり、第2取付部材の中央部には光を通過させる開口部223が形成されている。第2取付部材の外縁部分の上下部には第1取付部材201の穴部212U、212Lに挿入して第2取付部材202を光軸に対して回転する際に支持するための取付部229U、229Lが斜め上下方向に延在してそれぞれ形成されている。開口部223の外周部の左右部には、第1取付部材201に形成された円弧状穴部215、218に挿通されたネジと螺合し、第2取付部材202と第1取付部材201とをネジを用いて一体化させると共に、第2取付部材202の光軸に対する相対的な回転角を確保するための雌ネジ225、228が形成されている。また、第1取付部材201と第3取付部材203とを取付るためのネジを挿通させるための円弧状穴226、227とが形成されている。
【0056】
第3取付部材203は、金属板部材を所定形状(開口部を有する四角形状)に加工したものであり、中央部に光を通過させる開口部233が形成されている。第3取付部材の外縁部分の左右の略中央部付近に第3取付部材203を光軸の回りに回転させる際に使用する突起部203L、203Rが延在して形成されている。開口部233の外周部の左右部には、第1取付部材201と第3取付部材203とをネジで取付するための雌ネジ236、237が形成されている。また、第1取付部材201と第2取付部材202とを一体化して取付るネジの先端部が第3取付部材203の外周部に当接しないようにするために円弧状穴235、238部が形成されている。
【0057】
第4取付部材204は、金属板部材を加工して断面が略コ字状に形成され、コ字状部材の縦方向部分の中央部に光を通過させるための開口部243が形成されている。反射型ライトバルブ19Gはコ字状部材の偏光ビームスプリッタ17Gとは反対側の面で開口部243の外周部に接着固定される。コ字状部材の上下部分には偏光ビームスプリッタ17G側に斜め上下方向に、第1取付部材の半田付け部211U、211Lと半田付けするための半田付け部241U、241L部が延在して形成されている。
【0058】
これらの部材を一体的に組み立てることによって、偏光ビームスプリッタ17G、1/4波長位相板18G、反射型ライトバルブ19Gが一体化される。
【0059】
次に各部材の取付および一体化について説明する。
【0060】
第1取付部材201の偏光ビームスプリッタ取付部214U、214L部で偏光ビームスプリッタ17Gの光の入射および射出面と互いに直交する上下面をそれぞれ挟み込み接着して固定する。その際に、偏光ビームスプリッタ17Gの入射および射出面と開口部213とが所定の間隔を有し、且つ、略平行(XZ面と平行な面)となるように偏光ビームスプリッタ17Gが配置される。
【0061】
次に、第2取付部材202の開口部223、第3取付部材203の開口部233を覆うように水晶板118G−A、118G−Bをそれぞれの開口部223、233の外周部に接着取付固定する。その際、水晶板118G−Aの結晶光学軸はZ軸の方向に略平行となるようにし、水晶板118G−Bの結晶光学軸はX方向と略平行となるように取付る。
【0062】
次に、第1取付部材202の上下部に形成した取付部229U、229Lを第1取付部材201の穴部212U、212Lにそれぞれ挿入し、円弧状穴部215、218を挿通して雌ネジ225、228に雄ネジを螺合させる。その際、水晶板118G−Aの結晶光学軸がZ軸と略平行となるように仮止めする。
【0063】
次に、一体化された第1取付部材201と第2取付部材202とに対して、第3取付部材203を円弧形状穴部226、227に雄ネジを挿通して雌ネジ236、237にそれぞれ螺合する。その際、水晶板118G−Bの結晶光学軸の方向は水晶板118G−Aの結晶光学軸と略直交し、X軸に略平行となるように仮止めする。
【0064】
次に、第4取付部材204の半田付け取付部241U、241L部を第1取付部材201の半田付け取付部211U、211L部に半田付けして一体化する。この際、半田付けする位置は、他色のライトバルブ19R、19Bを同様に取付て一体化した時、投射レンズ21(図3参照)による合成光の投射像中の各画素の位置が一致した状態、即ちレジストレーションが達成されている状態に調整し固定する。
【0065】
次に、ライトバルブ19G、19R、19Gにそれぞれの色光を入射させて、各色光毎にライトバルブのON状態とOFF状態を達成して各色光の投射像のコントラストを計測し、水晶板118G−Aと118G−Bの結晶光学軸の角度位置を決定する工程に付いて説明する。
【0066】
前述の一体化工程で第2取付部材202、第3取付部材203はネジで仮止めされているが、本工程では、まず、雌ネジ225、228に仮止めしてある雄ネジを緩め、ライトバルブの明状態の投射像と、最もコントラストが大となるライトバルブの暗状態になるように円弧状穴215、218に沿って光軸の回りに第2取付部材202を回転させ、第2取付部材202と第3取付部材203とを同時に光軸の回りに回転させて調節し、最もコントラストの良好な位置で、ネジを仮止めする。
【0067】
次に、第3取付部材203の雌ネジ236、237に仮止めしてある雄ネジを緩め第3取付部材203を回転可能とし、第3取付部材203を第3取付部材203の突起部203R、203Lを用いて円弧状穴226、227に沿って光軸の回りに回転させてコントラストを調節し、最も良好なコントラストが得られる位置で雄ネジを締付け固定する。
【0068】
次に、この状態で再度前記第1取付部材201と第2取付部材とを仮止めしているネジを緩め、再度第2取付部材202と第3取付部材203とを光軸の回りに一体に回転させてコントラストの良好な位置を確認する。その際、コントラストの良好な位置が、前述の第3取付部材203を独立で回転させて決定した位置と同じ位置であれば、この位置を最良のコントラストを得る位置と決めてすべての雄ネジを締付け固定する。
【0069】
この際、上述の位置が異なっている場合には、再度、コントラストの一番良好な位置で仮止めして、この位置で再度第3取付部材203のみを光軸の回りに回転させて最良のコントラストの位置で雄ネジを締付け固定する。そして、上記の確認を再度行う。
【0070】
このように、第2取付部材202と第3取付部材203とを一体化して光軸の回りに同時に回転させてコントラストの良好な位置で仮止めし、次に、一方の水晶板のみを独立で回転させてコントラストの良好な位置を決定する工程を繰り返して行い、最終的に最もコントラストの良好な位置を決定し固定する。
【0071】
本第2実施形態では、独立に回転させるのは厚みの薄い水晶板118G−Bであるが、独立に回転させるのが厚みの厚い水晶板118G−Aとなるように構成しても同様の工程で調節することが可能である。
【0072】
また、他色のR光、B光についても同様の調整を行うことで、全ての色光について最適なコントラストが得られる投射型表示装置が実現できる。
【0073】
また、本第2実施形態では、2枚の水晶板を用いた1/4波長位相板でそれぞれの水晶板の最適な結晶光学軸の配置を達成することができ、第1実施形態の1/4波長位相板と比較して、より優れた投射型表示装置を提供することが可能となる。
【0074】
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
【0075】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、長期間良好にコントラストを維持できる投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図である。
【図2】第1実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図である。
【図4】第2実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの一体化を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
11 光源
12 偏光照明光学系
13 クロスダイクロイックミラー
14、15 反射折り曲げミラー
16 ダイクロイックミラー
17R、17G、17B 偏光ビームスプリッタ
18R、18G、18B 1/4波長位相板
19R、19G、19B 反射型ライトバルブ
20 クロスダイクロイックプリズム
21 投射レンズ
118R、118G、118B 1/4波長位相板
201 第1取付部材
202 第2取付部材
203 第3取付部材
204 第4取付部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投射型表示装置において、1/4波長位相板をその進相軸または遅相軸が、偏光子および検光子として使用する偏光ビームスプリッタの入射光軸と反射光軸とを含む平面に直交するように、偏光ビームスプリッタと液晶パネルとの間に配置し、投射像のコントラストを向上させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記の投射型表示装置では、偏光ビームスプリッタと反射型ライトバルブとの間の光路中に配置する、1/4波長位相板は一枚のプラスチック材から形成されたものが一般に使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−250026(特公平7−38050)号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の投射型表示装置では、1/4波長位相板はプラスチック材にて形成されているため、耐熱性が悪く、熱的な耐久性に問題がある。特に高輝度の投射像を投射するために光量を増加させると、熱によって1/4波長位相板としての性能が劣化し投射型表示装置の投射像のコントラストが劣化するという問題が有る。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて行われたものであり、長期間良好なコントラストを維持できる投射型表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、反射型ライトバルブと、光源からの光を偏光分離して前記反射型ライトバルブに射出し、前記反射型ライトバルブで変調された光を検光する偏光ビームスプリッタと、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間に配置される1/4波長位相板と、を有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタとの間の少なくとも1色の光路中に配置される1/4波長位相板と、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有する投射型表示装置において、前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0009】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板のうち一枚は右水晶であり、他は左水晶であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転可能であり、さらに、前記2枚の水晶板のうち一方のみが独立して回転可能であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶板のみを光軸の回りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の投射型表示装置では、前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶版のみを光軸の周りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置を決定する操作を複数回行って決定する回転位置に配置されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の投射型表示装置では、前記反射型ライトバルブを保持するライトバルブ保持部材と、前記2枚の水晶板を保持する水晶板保持部材と、前記偏光ビームスプリッタを保持する偏光ビームスプリッタ保持部材とを有し、前記反射型ライトバルブと前記2枚の水晶板と前記偏光ビームスプリッタとは、前記反射型ライトバルブ保持部材と前記水晶板保持部材と前記偏光ビームスプリッタ保持部材とを介して接続され一体化されていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図であり、図2は第1実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。また、図3は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図であり、図4は第2実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。図5は、第2実施形態の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの一体化を説明する分解斜視図である。
【0016】
(第1実施形態)
図1において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Z軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0017】
図1において、ランプ11aと放物面鏡形状を有する凹面鏡11bとから構成される光源11からY軸方向に射出される光源光束は、偏光照明装置12を経て、紙面に垂直なZ軸方向に振動方向を有する直線偏光に変換される。
【0018】
ここで、偏光照明装置12は、以下に示すような図示されていない構成である。複数のレンズを平面状に配置した第1レンズ板と第2レンズ板から構成されるインテグレータ、複数の偏光ビームスプリッタをアレイ状に配置し、その所定の射出面に配置した1/2波長板から構成される偏光変換装置ならびに重畳照明を達成するコンデンサレンズから構成されている。
【0019】
偏光照明装置12を射出した偏光光はB光を反射する特性を有するダイクロイックミラー13Bと、R光とG光とを反射する特性を有するダイクロイックミラー13RGとを互いに直交して配置(X型)したクロスダイクロイックミラー13に入射し、互いに反対方向であるX軸方向と−X軸方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0020】
色分解されたB光は反射折り曲げミラー14で進行方向を変えてY軸方向に進行し、B光用の偏光ビームスプリッタ17Bに入射する。
【0021】
色分解されたR光とG光の混合光は、反射折り曲げミラー15で進行方向を変えてY軸方向に進行し光軸上に配置されたG光反射特性を有するダイクロイックミラー16に入射し、ダイクロイックミラー16を透過して進行するR光と、ダイクロイックミラー16で反射して進行方向を変えてX軸方向に進行するG光とに色分解され、R光、G光の偏光ビームスプリッタ17R、17Gにそれぞれ入射する。このようにして、色分解光学系が構成されている。
【0022】
偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射したB光、G光、R光は、偏光方向が偏光ビームスプリッタ17B、17G、17R中の偏光分離部(XY平面に垂直で、入射光軸に対して略45度の角度を有する)17B−P、17G−P、17R−Pに対して実質的に反射する方向に偏光されているため、偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでそれぞれ反射されて、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rをそれぞれ射出し、2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板18B(18B−Aと18B−B)、18G(18G−Aと18G−B)、18R(18R−Aと18R−B)にそれぞれ入射し、射出して、反射型ライトバルブ19B、19G、19Rにそれぞれ入射する。
【0023】
反射型ライトバルブ19B、19G、19Rでは、B光、G光、R光それぞれの色信号にてそれぞれの入射光を変調し、反射射出する。射出されたB光、G光、R光は、再度1/4波長位相板18B、18G、18Rにそれぞれ入射し、射出して、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射される。偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでは、入射されたB光、G光、R光から変調光をそれぞれ透過して射出検光し、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズム20にそれぞれ異なる入射面から入射する。
【0024】
入射されたR光、B光は内部にX型に配置されたR光反射ダイクロイック膜20R、B光反射ダイクロイック膜20Bによってそれぞれ反射され、G光はR光反射ダイクロイック膜20Rと、B光反射ダイクロイック膜20Bとを透過して、B光、G光、R光の色合成がなされ、色合成光が射出面からX軸方向に射出され投射レンズ21に入射され、図示しないスクリーン上にフルカラーの投射像を投射する。このようにして、投射型表示装置が構成されている。
【0025】
次に、本第1実施形態における、1/4波長位相板18B、18G、18Rの構成について図2を用いて説明する。
【0026】
図2は、本第1実施形態にかかる投射型表示装置のG光における、偏光ビームスプリッタ17Gと、1/4波長位相板18Gと、反射型ライトバルブ19Gとの配置を説明する斜視図である。R光、B光もG光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光とB光については説明を省略する。
【0027】
図2において、1/4波長位相板18Gは、厚みt1を有し結晶光学軸をZ軸方向と平行な方向に配置した水晶板18G−Aと、厚みがt1より薄い厚みt2を有し結晶光学軸を水晶板18G−Aの結晶光学軸とは垂直なX軸方向と平行な方向に配置した18G−Bとを貼り合わせて形成されている。
【0028】
厚みの差t1−t2の値は、その厚み(t1−t2)を有する1枚の水晶板で1/4波長位相板を形成していると見なせるので、所定の厚みになるように2枚の水晶板18G−Aと18G−Bとを形成して貼り付けることが重要である。
【0029】
なお、上記説明では、水晶板の厚みは水晶板18G−Aの方が厚いとしたが、水晶板18G−Bの方を厚くしても、厚みの差をt2−t1とすれば、上記と同様の効果を奏する1/4波長位相板18Gを形成することができる。
【0030】
1/4波長位相版18Gは、2枚の水晶板18G−Aと18G−Bの結晶光学軸が直交するように貼り付けられている。また、2枚の水晶板18G−A、18G−Bの結晶光学軸が、偏光ビームスプリッタ17Gへの入射光の光軸と偏光分離部17G−Pにより反射されてライトバルブ19Gへ進行する反射光の光軸とを含む平面(XY平面)に対して垂直または水平となるように配置されている。
【0031】
こうすることにより、1/4波長位相板18Gによって、偏光ビームスプリッタ17Gから射出され、1/4波長位相板18Gを経てライトバルブ19Gに入射して、変調反射されて、再度1/4波長位相板18Gを経て偏光ビームスプリッタ17Gに再度入射する光の偏光の振動方向を偏光ビームスプリッタ17Gの偏光分離部17G−Pによる検光に最適な方向に変換することができ、コントラストの良好な投射像を投射することができるようになる。
【0032】
また、1/4波長位相板18Gは2枚の水晶板(18G−A、18G−B)を使用しているので、耐熱性が向上し1/4波長位相板の長寿命化を実現できる。さらに、1/4波長位相板の厚みが厚くなるので、1枚の水晶板を使用した1/4波長位相板と比較して平面性を維持しやすく、また取り扱いやすいという効果を奏する。
【0033】
また、水晶板では、光軸に対して45度の傾きの振動方向を有する直線偏光を入射させた場合、偏光の回転方向が右方向(以後、右水晶と称する)と左方向(以後、左水晶と称する)の2種類があることが知られている。上述のように2枚の水晶板を貼り付けた構造を有する1/4波長位相板において、右水晶同士または左水晶同士を貼り付けた1/4波長位相板よりも、右水晶と左水晶を貼り付けた1/4波長位相板の方が、1/4波長位相板としての基本性能が優れている。すなわち、1/4波長位相板で直線偏光を円偏光に変換する際に、前者は楕円偏光になりやすいのに対し、後者は円偏光を達成できるという性質がある。
【0034】
したがって、本第1実施形態で用いている、2枚の水晶板を貼り付けた構成の1/4波長位相板は、一方を右水晶、他方を左水晶とすることで、コントラストの良好な投射像を得ることができるという効果を奏する。
【0035】
なお、本実施形態では、コントラストの改善のためにR光、G光、B光の各色光の光路中に2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、B光の3色の光のうち2色の光に本実施形態の1/4波長位相板を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光に配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0036】
(第2の実施形態)
図3、図4、図5を用いて本発明の第2の実施形態にかかる投射型表示装置を説明する。図3において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Z軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0037】
図3において、ランプ11aと放物面鏡形状を有する凹面鏡11bとから構成される光源11からY軸方向に射出される光源光束は、偏光照明装置12を経て、紙面に垂直なZ軸方向に振動方向を有する直線偏光に変換される。
【0038】
ここで、偏光照明装置12は、以下に示すような図示されていない構成である。複数のレンズを平面状に配置した第1レンズ板と第2レンズ板から構成されるインテグレータ、複数の偏光ビームスプリッタをアレイ状に配置し、その所定の射出面に配置した1/2波長板から構成される偏光変換装置ならびに重畳照明を達成するコンデンサレンズから構成されている。
【0039】
偏光照明装置12を射出した偏光光はB光を反射する特性を有するダイクロイックミラー13Bと、R光とG光とを反射する特性を有するダイクロイックミラー13RGとを互いに直交して配置(X型)したクロスダイクロイックミラー13に入射し、互いに反対方向であるX軸方向と−X軸方向に進行するB光と、R光とG光の混合光とに色分解される。
【0040】
色分解されたB光は反射折り曲げミラー14で進行方向を変えてY軸方向に進行し、B光用の偏光ビームスプリッタ17Bに入射する。
【0041】
色分解されたR光とG光の混合光は、反射折り曲げミラー15で進行方向を変えてY軸方向に進行し光軸上に配置されたG光反射特性を有するダイクロイックミラー16に入射し、ダイクロイックミラー16を透過して進行するR光と、ダイクロイックミラー16で反射して進行方向を変えてX軸方向に進行するG光とに色分解され、R光、G光の偏光ビームスプリッタ17R、17Gにそれぞれ入射する。このようにして、色分解光学系が構成されている。
【0042】
偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射したB光、G光、R光は、偏光方向が偏光ビームスプリッタ17B、17G、17R中の偏光分離部(XY平面に垂直で、入射光軸に対して略45度の角度を有する)17B−P、17G−P、17R−Pに対して実質的に反射する方向に偏光されているため、偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでそれぞれ反射されて、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rをそれぞれ射出し、2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板118B(118B−Aと118B−B)、118G(118G−Aと118G−B)、118R(118R−Aと118R−B)にそれぞれ入射し、透過して、反射型ライトバルブ19B、19G、19Rにそれぞれ入射される。
【0043】
反射型ライトバルブ19B、19G、19Rでは、B光、G光、R光それぞれの色信号にてそれぞれの入射光を変調し、反射射出する。射出されたB光、G光、R光は、再度1/4波長位相板118B、118G、118Rにそれぞれ入射し、射出して、偏光ビームスプリッタ17B、17G、17Rにそれぞれ入射される。偏光分離部17B−P、17G−P、17R−Pでは、入射されたB光、G光、R光から変調光をそれぞれ透過して射出し、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズム20にそれぞれ異なる入射面から入射する。
【0044】
入射されたR光、B光は内部にX型に配置されたR光反射ダイクロイック膜20R、B光反射ダイクロイック膜20Bによってそれぞれ反射され、G光はR光反射ダイクロイック膜20Rと、B光反射ダイクロイック膜20Bとを透過して、B光、G光、R光の色合成がなされ、色合成光が射出面からX軸方向に射出され投射レンズ21に入射され、図示しないスクリーン上にフルカラーの投射像を投射する。このようにして、投射型表示装置が構成されている。
【0045】
次に、本第2実施形態における、1/4波長位相板118B、118G、118Rの構成について図4を用いて説明する。
【0046】
図4は、本第2実施形態にかかる投射型表示装置のG光における、偏光ビームスプリッタ17Gと、1/4波長位相板118Gと、反射型ライトバルブ19Gの配置を説明する斜視図である。R光、B光も本G光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光とB光については説明を省略する。
【0047】
図4において、1/4波長位相板118Gは、厚みt1を有し結晶光学軸をZ軸方向と略平行な方向に配置した水晶板118G−Aと、厚みがt1より薄い厚みt2を有し結晶光学軸を水晶板118G−Aの結晶光学軸とは垂直となるX軸方向と略平行な方向に配置した118G−Bとを所定の間隔をあけて配置されている。
【0048】
また、水晶板118G−A,118G−Bは、それぞれ結晶光学軸方向が後述するコントラストの調整手順に基づいて、偏光ビームスプリッタ17Gへの入射光軸とライトバルブ19Gへの反射光軸とで形成される平面(XY平面)に対して垂直又は平行に近い位置に調整されて、コントラストが最適な位置になるように固定されている。
【0049】
なお、本実施形態では、コントラストの改善のためにR光、G光、B光の各色光の光路中に2枚の水晶板で形成された1/4波長位相板をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、B光の3色の光のうち2色の光に本実施形態の1/4波長位相板を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光に配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0050】
また、前記第1実施形態と同様に、本第2実施形態においても、一方を右水晶、他方を左水晶を使用しても良い。
【0051】
次に、本第2実施形態にかかる反射型投射装置の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの組み立て、調整について説明する。図5は、第2実施形態のG光用の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの配置を説明する斜視図である。R光、B光もG光と同様の構成であり、ここではG光のみについて説明し、R光、B光については説明を省略する。
【0052】
図5において、偏光ビームスプリッタ17G、水晶板118G−A、118G−B、反射型ライトバルブ19Gは一体化して配置する必要があるので、それぞれを取付る取付部材について説明する。
【0053】
本第2実施形態では、各取付部材は、偏光ビームスプリッタ17G側から、偏光ビームスプリッタ17Gを取付固定する偏光ビームスプリッタ固定部材201(以後、第1取付部材と記す)と、水晶板118G−Aを取付固定する第1水晶板取付部材202(以後、第2取付部材と記す)と、水晶板118G−Bを取付固定する第2水晶板取付部材203(以後、第3取付部材と記す)と、反射型ライトバルブ取付部材204(以後、第4取付部材と記す)とから構成されている。以下、各取付部材について詳説する。
【0054】
第1取付部材201は、金属板部材を所定の形状(開口部を有する樽型状)に加工したもので、中央部には光を通過させるための開口部213が形成されている。第1取付部材201の外縁部分の上下部にはそれぞれ、後述する第4部材204と半田付けにて接続固定するのに用いられる半田付け取付部211U、211Lが延設して形成されている。第1取付部材201の開口部213の外縁部分の上下部には、偏光ビームスプリッタ17G側の面に略垂直で偏光ビームスプリッタ17側に延設され、偏光ビームスプリッタ17Gの上下面にそれぞれ接して固定する偏光ビームスプリッタ取付部214U、214Lが形成されている。開口部213の外周部の左右部には第2取付部材と第3取付部材とを第1取付部材に対してネジを用いて仮止めし、これら第2取付部材と第3取付部材とを光軸の回りに回転して位置決めするための、ネジを挿通する円弧状穴部215、216、217、218部が形成されている。開口部213の外周部の上下部には、第2取付部材を取付るための穴部212U、212L部が形成されている。
【0055】
第2取付部材202は、金属板部材を所定の形状(開口部を有する略四角形状)に加工したものであり、第2取付部材の中央部には光を通過させる開口部223が形成されている。第2取付部材の外縁部分の上下部には第1取付部材201の穴部212U、212Lに挿入して第2取付部材202を光軸に対して回転する際に支持するための取付部229U、229Lが斜め上下方向に延在してそれぞれ形成されている。開口部223の外周部の左右部には、第1取付部材201に形成された円弧状穴部215、218に挿通されたネジと螺合し、第2取付部材202と第1取付部材201とをネジを用いて一体化させると共に、第2取付部材202の光軸に対する相対的な回転角を確保するための雌ネジ225、228が形成されている。また、第1取付部材201と第3取付部材203とを取付るためのネジを挿通させるための円弧状穴226、227とが形成されている。
【0056】
第3取付部材203は、金属板部材を所定形状(開口部を有する四角形状)に加工したものであり、中央部に光を通過させる開口部233が形成されている。第3取付部材の外縁部分の左右の略中央部付近に第3取付部材203を光軸の回りに回転させる際に使用する突起部203L、203Rが延在して形成されている。開口部233の外周部の左右部には、第1取付部材201と第3取付部材203とをネジで取付するための雌ネジ236、237が形成されている。また、第1取付部材201と第2取付部材202とを一体化して取付るネジの先端部が第3取付部材203の外周部に当接しないようにするために円弧状穴235、238部が形成されている。
【0057】
第4取付部材204は、金属板部材を加工して断面が略コ字状に形成され、コ字状部材の縦方向部分の中央部に光を通過させるための開口部243が形成されている。反射型ライトバルブ19Gはコ字状部材の偏光ビームスプリッタ17Gとは反対側の面で開口部243の外周部に接着固定される。コ字状部材の上下部分には偏光ビームスプリッタ17G側に斜め上下方向に、第1取付部材の半田付け部211U、211Lと半田付けするための半田付け部241U、241L部が延在して形成されている。
【0058】
これらの部材を一体的に組み立てることによって、偏光ビームスプリッタ17G、1/4波長位相板18G、反射型ライトバルブ19Gが一体化される。
【0059】
次に各部材の取付および一体化について説明する。
【0060】
第1取付部材201の偏光ビームスプリッタ取付部214U、214L部で偏光ビームスプリッタ17Gの光の入射および射出面と互いに直交する上下面をそれぞれ挟み込み接着して固定する。その際に、偏光ビームスプリッタ17Gの入射および射出面と開口部213とが所定の間隔を有し、且つ、略平行(XZ面と平行な面)となるように偏光ビームスプリッタ17Gが配置される。
【0061】
次に、第2取付部材202の開口部223、第3取付部材203の開口部233を覆うように水晶板118G−A、118G−Bをそれぞれの開口部223、233の外周部に接着取付固定する。その際、水晶板118G−Aの結晶光学軸はZ軸の方向に略平行となるようにし、水晶板118G−Bの結晶光学軸はX方向と略平行となるように取付る。
【0062】
次に、第1取付部材202の上下部に形成した取付部229U、229Lを第1取付部材201の穴部212U、212Lにそれぞれ挿入し、円弧状穴部215、218を挿通して雌ネジ225、228に雄ネジを螺合させる。その際、水晶板118G−Aの結晶光学軸がZ軸と略平行となるように仮止めする。
【0063】
次に、一体化された第1取付部材201と第2取付部材202とに対して、第3取付部材203を円弧形状穴部226、227に雄ネジを挿通して雌ネジ236、237にそれぞれ螺合する。その際、水晶板118G−Bの結晶光学軸の方向は水晶板118G−Aの結晶光学軸と略直交し、X軸に略平行となるように仮止めする。
【0064】
次に、第4取付部材204の半田付け取付部241U、241L部を第1取付部材201の半田付け取付部211U、211L部に半田付けして一体化する。この際、半田付けする位置は、他色のライトバルブ19R、19Bを同様に取付て一体化した時、投射レンズ21(図3参照)による合成光の投射像中の各画素の位置が一致した状態、即ちレジストレーションが達成されている状態に調整し固定する。
【0065】
次に、ライトバルブ19G、19R、19Gにそれぞれの色光を入射させて、各色光毎にライトバルブのON状態とOFF状態を達成して各色光の投射像のコントラストを計測し、水晶板118G−Aと118G−Bの結晶光学軸の角度位置を決定する工程に付いて説明する。
【0066】
前述の一体化工程で第2取付部材202、第3取付部材203はネジで仮止めされているが、本工程では、まず、雌ネジ225、228に仮止めしてある雄ネジを緩め、ライトバルブの明状態の投射像と、最もコントラストが大となるライトバルブの暗状態になるように円弧状穴215、218に沿って光軸の回りに第2取付部材202を回転させ、第2取付部材202と第3取付部材203とを同時に光軸の回りに回転させて調節し、最もコントラストの良好な位置で、ネジを仮止めする。
【0067】
次に、第3取付部材203の雌ネジ236、237に仮止めしてある雄ネジを緩め第3取付部材203を回転可能とし、第3取付部材203を第3取付部材203の突起部203R、203Lを用いて円弧状穴226、227に沿って光軸の回りに回転させてコントラストを調節し、最も良好なコントラストが得られる位置で雄ネジを締付け固定する。
【0068】
次に、この状態で再度前記第1取付部材201と第2取付部材とを仮止めしているネジを緩め、再度第2取付部材202と第3取付部材203とを光軸の回りに一体に回転させてコントラストの良好な位置を確認する。その際、コントラストの良好な位置が、前述の第3取付部材203を独立で回転させて決定した位置と同じ位置であれば、この位置を最良のコントラストを得る位置と決めてすべての雄ネジを締付け固定する。
【0069】
この際、上述の位置が異なっている場合には、再度、コントラストの一番良好な位置で仮止めして、この位置で再度第3取付部材203のみを光軸の回りに回転させて最良のコントラストの位置で雄ネジを締付け固定する。そして、上記の確認を再度行う。
【0070】
このように、第2取付部材202と第3取付部材203とを一体化して光軸の回りに同時に回転させてコントラストの良好な位置で仮止めし、次に、一方の水晶板のみを独立で回転させてコントラストの良好な位置を決定する工程を繰り返して行い、最終的に最もコントラストの良好な位置を決定し固定する。
【0071】
本第2実施形態では、独立に回転させるのは厚みの薄い水晶板118G−Bであるが、独立に回転させるのが厚みの厚い水晶板118G−Aとなるように構成しても同様の工程で調節することが可能である。
【0072】
また、他色のR光、B光についても同様の調整を行うことで、全ての色光について最適なコントラストが得られる投射型表示装置が実現できる。
【0073】
また、本第2実施形態では、2枚の水晶板を用いた1/4波長位相板でそれぞれの水晶板の最適な結晶光学軸の配置を達成することができ、第1実施形態の1/4波長位相板と比較して、より優れた投射型表示装置を提供することが可能となる。
【0074】
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
【0075】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、長期間良好にコントラストを維持できる投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図である。
【図2】第1実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成平面図である。
【図4】第2実施形態における偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の偏光ビームスプリッタ、1/4波長位相板、反射型ライトバルブの一体化を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
11 光源
12 偏光照明光学系
13 クロスダイクロイックミラー
14、15 反射折り曲げミラー
16 ダイクロイックミラー
17R、17G、17B 偏光ビームスプリッタ
18R、18G、18B 1/4波長位相板
19R、19G、19B 反射型ライトバルブ
20 クロスダイクロイックプリズム
21 投射レンズ
118R、118G、118B 1/4波長位相板
201 第1取付部材
202 第2取付部材
203 第3取付部材
204 第4取付部材
Claims (7)
- 反射型ライトバルブと、
光源からの光を偏光分離して前記反射型ライトバルブに射出し、前記反射型ライトバルブで変調された光を検光する偏光ビームスプリッタと、
前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタの間に配置される1/4波長位相板と、
を有する投射型表示装置において、
前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源と、
前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、
前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、
前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、
前記反射型ライトバルブと前記偏光ビームスプリッタとの間の少なくとも1色の光路中に配置される1/4波長位相板と、
前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、
前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有する投射型表示装置において、
前記1/4波長位相板は、厚さの異なる2枚の水晶板からなることを特徴とする投射型表示装置。 - 前記2枚の水晶板のうち一枚は右水晶であり、他は左水晶であることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転可能であり、さらに、前記2枚の水晶板のうち一方のみが独立して光軸の回りに回転可能であることを特徴とする請求項1または2または3に記載の投射型表示装置。
- 前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶板のみを光軸の回りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の投射型表示装置。
- 前記2枚の水晶板は、前記2枚の水晶板を一体化して光軸の回りに回転させ、続いて、前記2枚の水晶板の一方の水晶版のみを光軸の周りに回転させて投射像のコントラストが良好な回転位置を決定する操作を複数回行って決定する回転位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。
- 前記反射型ライトバルブを保持するライトバルブ保持部材と、
前記2枚の水晶板を保持する水晶板保持部材と、
前記偏光ビームスプリッタを保持する偏光ビームスプリッタ保持部材とを有し、
前記反射型ライトバルブと前記2枚の水晶板と前記偏光ビームスプリッタとは、前記反射型ライトバルブ保持部材と前記水晶板保持部材と前記偏光ビームスプリッタ保持部材とを介して接続され一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の投射型表示装置。
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JP2003038585A JP2004246286A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 投射型表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006220836A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Sharp Corp | 光学装置 |
JP2007114520A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Kyocera Kinseki Corp | 紫外光用光学部品 |
CN100388055C (zh) * | 2004-09-06 | 2008-05-14 | 索尼株式会社 | 光学仪器和投影仪器 |
JP2010015011A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Seiko Epson Corp | 光学装置、およびプロジェクタ |
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-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038585A patent/JP2004246286A/ja not_active Withdrawn
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