JP2004205979A - 光ドロップケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる光ドロップケーブルを提供することにある。
【解決手段】少なくとも1心の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を収納部17に収納する。ケーブルシース15には、収納部17の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を設け、ノッチ部21,23先端を除く外面に低摩擦樹脂17bを被覆する。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも1心の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を収納部17に収納する。ケーブルシース15には、収納部17の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を設け、ノッチ部21,23先端を除く外面に低摩擦樹脂17bを被覆する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバネットワークの支線系に接続されているクロージャから例えば集合住宅の構内に引き落とすためのドロップケーブルに関し、特に、敷設時あるいは多条敷設による他のケーブルから受ける摩擦によって破損されるのを防止することができる光ドロップケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報通信社会の推進に向けて、FTTH(Fiber to the Home)が提唱されている。このFTTHは、個々の家庭まで光ファイバを引き込んで、電話、コンピュータ通信、CATV(ケーブル・テレビや光ネットワークの配線方法)などの通信サービスを統合して提供するネットワークであり、電話局の末端にリモート端末を設置しておき、そのリモート端末から幹線系の光ケーブルを敷設し、幹線上に設けられたクロージャから各家庭や集合住宅に光ドロップケーブルを敷設するものである。
【0003】
従来の光ドロップケーブルは、1心または2心ケーブルであり、支線系に接続されているクロージャから例えば集合住宅に設けられた光成端箱にこの光ドロップケーブルを引き込み、さらに、光成端箱を経由して光ドロップケーブルを例えば集合住宅の各家庭に設けられたローゼットまで配線するものである。
【0004】
このような従来の光ドロップケーブルは、例えば特許文献1に開示されたものがある。この光ドロップケーブル101は、図7に示すように光ファイバ心線103の両側に抗張力体105を配置し、これらを一括して熱可塑性樹脂により被覆107を施し、抗張力体105と被覆107との間に、抗張力体105と被覆107との接着性を高めることができる接着剤層109を介在させている。
【0005】
また、従来の光ドロップケーブルでは、難燃特性を保持するため、ケーブルシースの材料に難燃ポリオレフィンを使用するのが一般的である。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−171673
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケーブルシースに使用した難燃ポリオレフィンは、比較的柔らかい材料のため、敷設する際にケーブルが長手方向に擦られると、容易に摩滅して削り落とされる。上記難燃ポリオレフィンが削り落とされると、抗張力体及び光ファイバが剥き出しになり、ケーブルとして使用不可能になる場合がある。
【0008】
また、ケーブル敷設後においても、ハンガー掛けなどによって多条敷設する場合などには、既に敷設済みのドロップケーブルに隣接して他のドロップケーブル引き通す場合がある。この場合、上記と同様にドロップケーブルが敷設中のケーブルで擦られるため、上記難燃ポリオレフィンが削り落とされ、光ファイバが剥き出しになり、断線などの問題を招く可能性がある。
【0009】
これを解決するため、特許文献1に開示された光ドロップケーブルのように耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂を用いた場合には、硬い材料であることから心線の口出しが困難になるとともに、難燃特性が損なわれるという問題が新たに発生することになる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性に優れた光ドロップケーブルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、少なくとも1心の素線又はテープ心線からなる光ファイバと、前記光ファイバを収納する収納部の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部を設け、難燃ポリオレフィンから長尺形状に成形されたケーブルシースと、前記ケーブルシースの収納部の近傍に設けられ伸長方向の張力を吸収する抗張力体とを備え、前記ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に低摩擦樹脂を被覆したことを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記低摩擦樹脂は、ナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂であることを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ケーブルシースの短面に接続して前記光ファイバを支持する支持線とを備えたことを要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ドロップケーブル11の構成を示す断面図である。
【0016】
図1に示す光ドロップケーブル11は、光ファイバ13−1,13−2、ケーブルシース15、収納部19、ノッチ部21,23、抗張力体25,27から構成されている。
【0017】
ケーブルシース15の断面中央には、断面略楕円形の収納部19が設けられ、この収納部19には2心の光ファイバ13−1,13−2が収納されている。これら2心の光ファイバ13−1,13−2は、1心の素線又は2心のテープ心線からなる。
【0018】
また、ケーブルシース15は、断面寸法が横3.2mm,縦2.0mmの長尺形状で、内層17aが低密度の難燃ポリエチレン、外層17bが熱可塑性樹脂からそれぞれ成形され、収納部19内における光ファイバ13−1,13−2をそれぞれ収納して被覆する。そして、ケーブルシース15は、その長尺面(以下、長面という。)15aに収納部19に対して直交するように、収納部19の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成している。
【0019】
すなわち、ケーブルシース15は、ノッチ部21,23先端を除く外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が被覆されて外層17bを形成している。
【0020】
また、ケーブルシース15は、収納部19の縦断面近傍であって、収納部19と並列に伸長方向の張力を吸収する亜鉛めっきなどの防食処理が施された外径0.4mmの鋼線からなる2本の抗張力体25,27をそれぞれ被覆している。なお、これらの抗張力体25,27は、上記のような0.4mmの鋼線の代わりに、ガラスFRPやケブラーなどのアラミド繊維を用いることも可能である。
【0021】
次に、図1を参照して、光ドロップケーブル11の作用効果について説明する。
【0022】
まず、図1に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。
【0023】
次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を、ノッチ部21,23先端を除く外周面に外層17bを形成したケーブルシース15に設けられた収納部19に収納配置する。
【0024】
このケーブルシース15には、収納部19に対して直交する長面15aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース15の収納部19の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。
【0025】
そして、本実施の形態では、収納部19内に光ファイバ13−1,13−2を収納配置して被覆し、また長面15aに収納部19に対して直交するように、収納部19の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース15を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1,13−2を容易に取り出すことができる。
【0026】
すなわち、ケーブルシース15は、長面15aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース15を引き裂いて2分割することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル11を2分割しても、光ファイバ13−1,13−2が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。
【0028】
さらに、本実施の形態では、内層17aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース15のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0029】
このことから、本実施の形態によれば、ケーブルシース15の内層17aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層17aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層17bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0030】
すなわち、ノッチ部21,23先端の内層17aが難燃ポリエチレンであるため、心線口出し作業性が良好であるとともに、難燃特性を有し、ノッチ部21,23先端を除く内層17aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層17bを形成したので、耐摩耗性を向上させることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る光ドロップケーブル31の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の部分には、図1と同一の符号を用いて説明する。他の実施の形態も同様である。
【0032】
図2に示す光ドロップケーブル31は、図1に示す光ドロップケーブル11に対して、ケーブルシース33を形成する際にネック35を介して支持線としてのメッセンジャーワイヤ37を付け加えている。このメッセンジャーワイヤ37には、1.2mmの鋼線を使用している。
【0033】
すなわち、本実施の形態の光ドロップケーブル31は、ケーブルシース33の短尺面(以下、短面という。)33bにネック35を介して光ファイバ13−1,13−2を支持するテンションメンバ37が接続されるように、ケーブルシース33の短面33aにネック35を介してメッセンジャーワイヤ37が一体成形されている。
【0034】
また、本実施の形態のケーブルシース33は、図1に示すケーブルシース15と同様にケーブルシース33の内層34aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成している。但し、ケーブルシース33のネック35側の外側面には、外層34bを形成しないようにしている。
【0035】
次に、図2を参照して、光ドロップケーブル31の作用効果について説明する。
【0036】
まず、図2に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。
【0037】
次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を、ノッチ部21,23先端を除く外周面に熱可塑性樹脂が被覆されて外層34bを形成したケーブルシース33に設けられた収納部19に収納配置する。
【0038】
このケーブルシース33には、収納部19に対して直交する長面33aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース33の収納部19の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。また、ケーブルシース33の内層34aを形成する際にネック35を介してメッセンジャーワイヤ37を並列に送り出してシースする。
【0039】
そして、本実施の形態では、収納部17内に光ファイバ13−1,13−2を収納配置して被覆し、また長面33aに収納部17に対して直交するように、収納部17の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成し、さらにメッセンジャーワイヤ37を被覆しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース33を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1,13−2を容易に取り出すことができる。
【0040】
すなわち、ケーブルシース33は、長面33aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース33を引き裂いて2分割することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル31を2分割しても、光ファイバ13−1,13−2が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。そして、ケーブルシース33の短面33bに接続して光ファイバ13−1,13−2を支持するメッセンジャーワイヤ37を備えたので、ケーブル自体の引張強度を高めることができ、敷設する際の取扱い性及び信頼性を向上させることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、内層34aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース33のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0043】
このことから、本実施の形態によれば、ケーブルシース33の内層34aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0044】
すなわち、ノッチ部21,23先端の内層34aが難燃ポリエチレンであるため、心線口出し作業性が良好であるとともに、難燃特性を有し、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成したので、耐摩耗性を向上させることができる。
【0045】
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る光ドロップケーブル41の構成を示す断面図である。
【0046】
図3に示す光ドロップケーブル41は、図1に示す光ドロップケーブル11に対して、ケーブルシース43の断面中央に断面円形の収納部45が設けられ、この収納部45には8心の光ファイバ13−1〜13−8が収納されている。これら8心の光ファイバ13−1〜13−8は、1心の素線又は2心のテープ心線からなる。
【0047】
また、ケーブルシース43は、図1に示すケーブルシース15と同様にケーブルシース43の内層44aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層44aの外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を被覆して外層44bを形成している。
【0048】
次に、図3を参照して、光ドロップケーブル41の作用効果について説明する。
【0049】
まず、図3に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1〜13−8を準備しておく。
【0050】
次いで、これらの光ファイバ13−1〜13−8をケーブルシース43に設けられた収納部45に収納配置する。
【0051】
このケーブルシース43には、収納部45に対して直交する長面43aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース43の収納部45の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。
【0052】
そして、本実施の形態では、収納部45内に光ファイバ13−1〜13−8を収納配置して被覆し、また長面43aに収納部45に対して直交するように、収納部45の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース43を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができる。
【0053】
すなわち、ケーブルシース43は、長面43aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース43を引き裂いて2分割することができる。
【0054】
このように本実施の形態では、収納部45内に8心の光ファイバ13−1〜13−8を収納配置して被覆し、また長面43aに収納部45に対して直交するように、収納部45の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、支線系に設けられたクロージャ(図示しない)から集合住宅に設けられた光成端箱(図示しない)まで光ドロップケーブル41を引き込むことができる。
【0055】
また、集合住宅内では、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース43を引き裂いて2分割することができ、光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができる。
【0056】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル41を2分割しても、光ファイバ13−1〜13−8が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態では、ケーブルシース43の収納部45において8心の光ファイバ13−1〜13−8を収納配置したことにより、1本のケーブルで複数のユーザに配線することができる。
【0058】
そして、本実施の形態では、内層44aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース43のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0059】
このことから、本実施の形態によれば、光ファイバの心数分のユーザに対して1本のケーブルを敷設すればよいことになり、配線工事コストを削減することができる。また、ケーブルシース43の内層44aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層44aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層44bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0060】
(実験例1)
図1及び図2に示す実施の形態において、各ケーブルシース15,33の外層17b,34bの材料としてナイロンを選択した2心テープ型の光ドロップケーブルを試作した。
【0061】
この結果、ケーブルの初期光伝送損失は、全ての心線で0.25dB/km(波長1.55μm)以下であり、良好な結果を示した。その他の特性結果を図4に示す。図4に示すように、損失温度特性、機械特性及び燃焼試験において良好な結果を得た。
【0062】
(実験例2)
また、ケーブルの摩耗性を評価するため、図5に示すように第1及び第3の実施の形態の光ドロップケーブル11,41上にポリエチレンシースの100心丸形ケーブル47に0.5kgの重り49を載置して100心丸形ケーブル47に荷重をかけ、1m振幅で擦り合わせる摩耗性試験を行った。
【0063】
この結果、外層17b,44bの材料としてナイロンを選択したケーブルシース15,43には、摩滅が見られず、問題がないことが確認された。また、心線口出し作業性においても、ノッチ部21,23先端部分が難燃ポリエチレンであるため、通常の光ドロップケーブルと同等に取り扱えることが確認された。
【0064】
これに対し、難燃ポリエチレンのみからなるケーブルシースを試作し、図5に示す摩耗性試験を行った結果、100心丸形ケーブル47が数往復した時点で摩滅し始め、約50往復で抗張力体が剥き出しになり、100往復で光ファイバが剥き出しになることが確認された。
【0065】
(実施例)
図6は、第3の実施の形態に示す光ドロップケーブルを敷設した様子を示す概略図である。
【0066】
図6に示すように、光ネットワークの支線系光ケーブル51上に設けられているクロージャ53に接続されている光ドロップケーブルは、他端が光成端箱55を経由して集合住宅57の各住宅に設けられたそれぞれのローゼット59に接続されている。
【0067】
光成端箱55から集合住宅57の1F(1階)までは、ケーブルシースを裂かずにそのまま敷設されている。
【0068】
次いで、1Fにおいて、ケーブルシースの中央部分に設けられたノッチ部21,23から裂いて2分割する。
【0069】
この時、前記第3の実施の形態に示す光ドロップケーブル41に対しては、さらに、ニッパなどの工具を用いてケーブルシースに切り込みを入れて裂けば、一体化した光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができ、そして光ファイバ13−1〜13−8の撚りを解くことにより、光ファイバ13−1〜13−8を必要な長さだけ1F〜4Fに2本づつ敷設することができる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に低摩擦樹脂を被覆することにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0071】
請求項2記載の本発明によれば、低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0072】
請求項3記載の本発明によれば、ケーブルシースの短面に接続して光ファイバを支持する支持線を備えたので、ケーブル自体の引張強度を高めることができ、敷設する際の取扱い性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図4】第1及び第2の実施の形態に係る光ドロップケーブルケーブルの特性結果を示す説明図である。
【図5】第1及び第3の実施の形態に係る光ドロップケーブルケーブルの摩耗性を評価する摩耗性試験の様子を示す概略図である。
【図6】第3の実施の形態に示す光ドロップケーブルを敷設した様子を示す概略図である。
【図7】従来の光ドロップケーブルの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11,31,41 光ドロップケーブル
13−1〜13−8 光ファイバ
15,33,43 ケーブルシース
15a,33a,43a 長面
17a,34a,44a 内層
17b,34b,44b 外層(低摩擦樹脂、熱可塑性樹脂)
19,45 収納部
21,23 ノッチ部
25,27 抗張力体
33b 短面
35 ネック
37 メッセンジャーワイヤ(支持線)
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバネットワークの支線系に接続されているクロージャから例えば集合住宅の構内に引き落とすためのドロップケーブルに関し、特に、敷設時あるいは多条敷設による他のケーブルから受ける摩擦によって破損されるのを防止することができる光ドロップケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報通信社会の推進に向けて、FTTH(Fiber to the Home)が提唱されている。このFTTHは、個々の家庭まで光ファイバを引き込んで、電話、コンピュータ通信、CATV(ケーブル・テレビや光ネットワークの配線方法)などの通信サービスを統合して提供するネットワークであり、電話局の末端にリモート端末を設置しておき、そのリモート端末から幹線系の光ケーブルを敷設し、幹線上に設けられたクロージャから各家庭や集合住宅に光ドロップケーブルを敷設するものである。
【0003】
従来の光ドロップケーブルは、1心または2心ケーブルであり、支線系に接続されているクロージャから例えば集合住宅に設けられた光成端箱にこの光ドロップケーブルを引き込み、さらに、光成端箱を経由して光ドロップケーブルを例えば集合住宅の各家庭に設けられたローゼットまで配線するものである。
【0004】
このような従来の光ドロップケーブルは、例えば特許文献1に開示されたものがある。この光ドロップケーブル101は、図7に示すように光ファイバ心線103の両側に抗張力体105を配置し、これらを一括して熱可塑性樹脂により被覆107を施し、抗張力体105と被覆107との間に、抗張力体105と被覆107との接着性を高めることができる接着剤層109を介在させている。
【0005】
また、従来の光ドロップケーブルでは、難燃特性を保持するため、ケーブルシースの材料に難燃ポリオレフィンを使用するのが一般的である。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−171673
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケーブルシースに使用した難燃ポリオレフィンは、比較的柔らかい材料のため、敷設する際にケーブルが長手方向に擦られると、容易に摩滅して削り落とされる。上記難燃ポリオレフィンが削り落とされると、抗張力体及び光ファイバが剥き出しになり、ケーブルとして使用不可能になる場合がある。
【0008】
また、ケーブル敷設後においても、ハンガー掛けなどによって多条敷設する場合などには、既に敷設済みのドロップケーブルに隣接して他のドロップケーブル引き通す場合がある。この場合、上記と同様にドロップケーブルが敷設中のケーブルで擦られるため、上記難燃ポリオレフィンが削り落とされ、光ファイバが剥き出しになり、断線などの問題を招く可能性がある。
【0009】
これを解決するため、特許文献1に開示された光ドロップケーブルのように耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂を用いた場合には、硬い材料であることから心線の口出しが困難になるとともに、難燃特性が損なわれるという問題が新たに発生することになる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性に優れた光ドロップケーブルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、少なくとも1心の素線又はテープ心線からなる光ファイバと、前記光ファイバを収納する収納部の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部を設け、難燃ポリオレフィンから長尺形状に成形されたケーブルシースと、前記ケーブルシースの収納部の近傍に設けられ伸長方向の張力を吸収する抗張力体とを備え、前記ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に低摩擦樹脂を被覆したことを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記低摩擦樹脂は、ナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂であることを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記ケーブルシースの短面に接続して前記光ファイバを支持する支持線とを備えたことを要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ドロップケーブル11の構成を示す断面図である。
【0016】
図1に示す光ドロップケーブル11は、光ファイバ13−1,13−2、ケーブルシース15、収納部19、ノッチ部21,23、抗張力体25,27から構成されている。
【0017】
ケーブルシース15の断面中央には、断面略楕円形の収納部19が設けられ、この収納部19には2心の光ファイバ13−1,13−2が収納されている。これら2心の光ファイバ13−1,13−2は、1心の素線又は2心のテープ心線からなる。
【0018】
また、ケーブルシース15は、断面寸法が横3.2mm,縦2.0mmの長尺形状で、内層17aが低密度の難燃ポリエチレン、外層17bが熱可塑性樹脂からそれぞれ成形され、収納部19内における光ファイバ13−1,13−2をそれぞれ収納して被覆する。そして、ケーブルシース15は、その長尺面(以下、長面という。)15aに収納部19に対して直交するように、収納部19の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成している。
【0019】
すなわち、ケーブルシース15は、ノッチ部21,23先端を除く外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が被覆されて外層17bを形成している。
【0020】
また、ケーブルシース15は、収納部19の縦断面近傍であって、収納部19と並列に伸長方向の張力を吸収する亜鉛めっきなどの防食処理が施された外径0.4mmの鋼線からなる2本の抗張力体25,27をそれぞれ被覆している。なお、これらの抗張力体25,27は、上記のような0.4mmの鋼線の代わりに、ガラスFRPやケブラーなどのアラミド繊維を用いることも可能である。
【0021】
次に、図1を参照して、光ドロップケーブル11の作用効果について説明する。
【0022】
まず、図1に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。
【0023】
次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を、ノッチ部21,23先端を除く外周面に外層17bを形成したケーブルシース15に設けられた収納部19に収納配置する。
【0024】
このケーブルシース15には、収納部19に対して直交する長面15aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース15の収納部19の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。
【0025】
そして、本実施の形態では、収納部19内に光ファイバ13−1,13−2を収納配置して被覆し、また長面15aに収納部19に対して直交するように、収納部19の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース15を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1,13−2を容易に取り出すことができる。
【0026】
すなわち、ケーブルシース15は、長面15aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース15を引き裂いて2分割することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル11を2分割しても、光ファイバ13−1,13−2が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。
【0028】
さらに、本実施の形態では、内層17aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース15のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0029】
このことから、本実施の形態によれば、ケーブルシース15の内層17aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層17aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層17bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0030】
すなわち、ノッチ部21,23先端の内層17aが難燃ポリエチレンであるため、心線口出し作業性が良好であるとともに、難燃特性を有し、ノッチ部21,23先端を除く内層17aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層17bを形成したので、耐摩耗性を向上させることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る光ドロップケーブル31の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の部分には、図1と同一の符号を用いて説明する。他の実施の形態も同様である。
【0032】
図2に示す光ドロップケーブル31は、図1に示す光ドロップケーブル11に対して、ケーブルシース33を形成する際にネック35を介して支持線としてのメッセンジャーワイヤ37を付け加えている。このメッセンジャーワイヤ37には、1.2mmの鋼線を使用している。
【0033】
すなわち、本実施の形態の光ドロップケーブル31は、ケーブルシース33の短尺面(以下、短面という。)33bにネック35を介して光ファイバ13−1,13−2を支持するテンションメンバ37が接続されるように、ケーブルシース33の短面33aにネック35を介してメッセンジャーワイヤ37が一体成形されている。
【0034】
また、本実施の形態のケーブルシース33は、図1に示すケーブルシース15と同様にケーブルシース33の内層34aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成している。但し、ケーブルシース33のネック35側の外側面には、外層34bを形成しないようにしている。
【0035】
次に、図2を参照して、光ドロップケーブル31の作用効果について説明する。
【0036】
まず、図2に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1,13−2を準備しておく。
【0037】
次いで、これらの光ファイバ13−1,13−2を、ノッチ部21,23先端を除く外周面に熱可塑性樹脂が被覆されて外層34bを形成したケーブルシース33に設けられた収納部19に収納配置する。
【0038】
このケーブルシース33には、収納部19に対して直交する長面33aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース33の収納部19の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。また、ケーブルシース33の内層34aを形成する際にネック35を介してメッセンジャーワイヤ37を並列に送り出してシースする。
【0039】
そして、本実施の形態では、収納部17内に光ファイバ13−1,13−2を収納配置して被覆し、また長面33aに収納部17に対して直交するように、収納部17の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成し、さらにメッセンジャーワイヤ37を被覆しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース33を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1,13−2を容易に取り出すことができる。
【0040】
すなわち、ケーブルシース33は、長面33aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース33を引き裂いて2分割することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル31を2分割しても、光ファイバ13−1,13−2が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。そして、ケーブルシース33の短面33bに接続して光ファイバ13−1,13−2を支持するメッセンジャーワイヤ37を備えたので、ケーブル自体の引張強度を高めることができ、敷設する際の取扱い性及び信頼性を向上させることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、内層34aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース33のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0043】
このことから、本実施の形態によれば、ケーブルシース33の内層34aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0044】
すなわち、ノッチ部21,23先端の内層34aが難燃ポリエチレンであるため、心線口出し作業性が良好であるとともに、難燃特性を有し、ノッチ部21,23先端を除く内層34aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層34bを形成したので、耐摩耗性を向上させることができる。
【0045】
(第3の実施の形態)
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る光ドロップケーブル41の構成を示す断面図である。
【0046】
図3に示す光ドロップケーブル41は、図1に示す光ドロップケーブル11に対して、ケーブルシース43の断面中央に断面円形の収納部45が設けられ、この収納部45には8心の光ファイバ13−1〜13−8が収納されている。これら8心の光ファイバ13−1〜13−8は、1心の素線又は2心のテープ心線からなる。
【0047】
また、ケーブルシース43は、図1に示すケーブルシース15と同様にケーブルシース43の内層44aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層44aの外周面に低摩擦樹脂であるナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を被覆して外層44bを形成している。
【0048】
次に、図3を参照して、光ドロップケーブル41の作用効果について説明する。
【0049】
まず、図3に示すように、複数の素線又はテープ心線からなる光ファイバ13−1〜13−8を準備しておく。
【0050】
次いで、これらの光ファイバ13−1〜13−8をケーブルシース43に設けられた収納部45に収納配置する。
【0051】
このケーブルシース43には、収納部45に対して直交する長面43aに、分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23が切欠き形成され、ケーブルシース43の収納部45の断面近傍にケーブルの伸長方向の張力を吸収する抗張力体25,27が設けられる。
【0052】
そして、本実施の形態では、収納部45内に光ファイバ13−1〜13−8を収納配置して被覆し、また長面43aに収納部45に対して直交するように、収納部45の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース43を引き裂いて2分割することにより、光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができる。
【0053】
すなわち、ケーブルシース43は、長面43aにおいてノッチ部21,23の切欠き方向に対して互いに逆方向にせん断力を加えることで、ケーブルシース43を引き裂いて2分割することができる。
【0054】
このように本実施の形態では、収納部45内に8心の光ファイバ13−1〜13−8を収納配置して被覆し、また長面43aに収納部45に対して直交するように、収納部45の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部21,23を切欠き形成しているので、支線系に設けられたクロージャ(図示しない)から集合住宅に設けられた光成端箱(図示しない)まで光ドロップケーブル41を引き込むことができる。
【0055】
また、集合住宅内では、ノッチ部21,23を中心に↑↓方向に逆の力を加えてケーブルシース43を引き裂いて2分割することができ、光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができる。
【0056】
また、本実施の形態では、光ドロップケーブル41を2分割しても、光ファイバ13−1〜13−8が抗張力体25,27を有しているので、ケーブルの伸長方向の張力を吸収することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態では、ケーブルシース43の収納部45において8心の光ファイバ13−1〜13−8を収納配置したことにより、1本のケーブルで複数のユーザに配線することができる。
【0058】
そして、本実施の形態では、内層44aに用いる低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシース43のノッチ部21,23先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0059】
このことから、本実施の形態によれば、光ファイバの心数分のユーザに対して1本のケーブルを敷設すればよいことになり、配線工事コストを削減することができる。また、ケーブルシース43の内層44aが低密度の難燃ポリエチレンから成形され、ノッチ部21,23先端を除く内層44aの外周面に熱可塑性樹脂を被覆して外層44bを形成したことにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0060】
(実験例1)
図1及び図2に示す実施の形態において、各ケーブルシース15,33の外層17b,34bの材料としてナイロンを選択した2心テープ型の光ドロップケーブルを試作した。
【0061】
この結果、ケーブルの初期光伝送損失は、全ての心線で0.25dB/km(波長1.55μm)以下であり、良好な結果を示した。その他の特性結果を図4に示す。図4に示すように、損失温度特性、機械特性及び燃焼試験において良好な結果を得た。
【0062】
(実験例2)
また、ケーブルの摩耗性を評価するため、図5に示すように第1及び第3の実施の形態の光ドロップケーブル11,41上にポリエチレンシースの100心丸形ケーブル47に0.5kgの重り49を載置して100心丸形ケーブル47に荷重をかけ、1m振幅で擦り合わせる摩耗性試験を行った。
【0063】
この結果、外層17b,44bの材料としてナイロンを選択したケーブルシース15,43には、摩滅が見られず、問題がないことが確認された。また、心線口出し作業性においても、ノッチ部21,23先端部分が難燃ポリエチレンであるため、通常の光ドロップケーブルと同等に取り扱えることが確認された。
【0064】
これに対し、難燃ポリエチレンのみからなるケーブルシースを試作し、図5に示す摩耗性試験を行った結果、100心丸形ケーブル47が数往復した時点で摩滅し始め、約50往復で抗張力体が剥き出しになり、100往復で光ファイバが剥き出しになることが確認された。
【0065】
(実施例)
図6は、第3の実施の形態に示す光ドロップケーブルを敷設した様子を示す概略図である。
【0066】
図6に示すように、光ネットワークの支線系光ケーブル51上に設けられているクロージャ53に接続されている光ドロップケーブルは、他端が光成端箱55を経由して集合住宅57の各住宅に設けられたそれぞれのローゼット59に接続されている。
【0067】
光成端箱55から集合住宅57の1F(1階)までは、ケーブルシースを裂かずにそのまま敷設されている。
【0068】
次いで、1Fにおいて、ケーブルシースの中央部分に設けられたノッチ部21,23から裂いて2分割する。
【0069】
この時、前記第3の実施の形態に示す光ドロップケーブル41に対しては、さらに、ニッパなどの工具を用いてケーブルシースに切り込みを入れて裂けば、一体化した光ファイバ13−1〜13−8を容易に取り出すことができ、そして光ファイバ13−1〜13−8の撚りを解くことにより、光ファイバ13−1〜13−8を必要な長さだけ1F〜4Fに2本づつ敷設することができる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に低摩擦樹脂を被覆することにより、良好な口出し性及び難燃特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。
【0071】
請求項2記載の本発明によれば、低摩擦樹脂をナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂としたことにより、ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に容易に被覆することができる。
【0072】
請求項3記載の本発明によれば、ケーブルシースの短面に接続して光ファイバを支持する支持線を備えたので、ケーブル自体の引張強度を高めることができ、敷設する際の取扱い性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る光ドロップケーブルの構成を示す断面図である。
【図4】第1及び第2の実施の形態に係る光ドロップケーブルケーブルの特性結果を示す説明図である。
【図5】第1及び第3の実施の形態に係る光ドロップケーブルケーブルの摩耗性を評価する摩耗性試験の様子を示す概略図である。
【図6】第3の実施の形態に示す光ドロップケーブルを敷設した様子を示す概略図である。
【図7】従来の光ドロップケーブルの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11,31,41 光ドロップケーブル
13−1〜13−8 光ファイバ
15,33,43 ケーブルシース
15a,33a,43a 長面
17a,34a,44a 内層
17b,34b,44b 外層(低摩擦樹脂、熱可塑性樹脂)
19,45 収納部
21,23 ノッチ部
25,27 抗張力体
33b 短面
35 ネック
37 メッセンジャーワイヤ(支持線)
Claims (3)
- 少なくとも1心の素線又はテープ心線からなる光ファイバと、
前記光ファイバを収納する収納部の中央部を2分割するための分割位置を示す略V字形状のノッチ部を設け、難燃ポリオレフィンから長尺形状に成形されたケーブルシースと、
前記ケーブルシースの収納部の近傍に設けられ伸長方向の張力を吸収する抗張力体とを備え、
前記ケーブルシースのノッチ部先端を除く外面に低摩擦樹脂を被覆したことを特徴とする光ドロップケーブル。 - 前記低摩擦樹脂は、ナイロン、ウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルから選択された熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光ドロップケーブル。
- 前記ケーブルシースの短面に接続して前記光ファイバを支持する支持線とを備えたことを特徴とする請求項1記載の光ドロップケーブル。
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