JP2010271515A - スロット型光ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的特性や光伝送特性を損なうことなく、細径・軽量化が可能なスロット型光ケーブルを提供する。
【解決手段】スロットロッド12の溝14内に複数の光ファイバテープ心線15を収納し、外被17で覆った光ケーブルで、スロットロッドおよび外被の断面を長径と短径からなる楕円状とし、スロットロッド12の長径側に複数の光ファイバテープ心線15を収納する溝14が設けられる。複数の光ファイバテープ心線15は、スロットロッド12の溝14内に所定のピッチで撚られた状態としてもよい。また、スロットロッド12の溝12は、長手方向に所定のピッチで一方向に捻られているか、もしくは、所定のピッチで捻り方向が反転するように捻られた状態としてもよい。なお、外被12には、切裂き用のノッチ18を形成しておくようにしてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】スロットロッド12の溝14内に複数の光ファイバテープ心線15を収納し、外被17で覆った光ケーブルで、スロットロッドおよび外被の断面を長径と短径からなる楕円状とし、スロットロッド12の長径側に複数の光ファイバテープ心線15を収納する溝14が設けられる。複数の光ファイバテープ心線15は、スロットロッド12の溝14内に所定のピッチで撚られた状態としてもよい。また、スロットロッド12の溝12は、長手方向に所定のピッチで一方向に捻られているか、もしくは、所定のピッチで捻り方向が反転するように捻られた状態としてもよい。なお、外被12には、切裂き用のノッチ18を形成しておくようにしてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバテープ心線をスロットロッドの溝に収納したスロット型光ケーブルに関する。
インターネット等の普及により、情報通信の高速化、情報量の増大で大容量通信の光ネットワークの構築が進展し、通信事業者と各家庭を直接光ファイバで結んで高速通信サービスを提供するFTTH(Fiber To The Home)サービスの加入者が増加している。このFTTHでは、架空または地下埋設の幹線光ケーブルからドロップ光ケーブル等を用いて加入者宅等に引き落されている。加入者宅への光ファイバの引き落しは、例えば、市街の電柱等に布設された幹線光ケーブルを、通常、クロージャと称されている接続函等で分岐し、分岐された光ファイバ心線にドロップ光ケーブルを融着接続又は光コネクタを用いて接続している。
幹線光ケーブルとしては、数十〜数百心の光ファイバを集合させたスロット型光ケーブルが多用されている。このスロット型光ケーブルは、例えば、図4に示すように、中心に抗張力体3を有し、外周に光ファイバを収納する螺旋状またはSZ状に形成された複数の溝4を備えた断面円形の樹脂製のスロットロッド2を用いて形成される。前記の溝4には、複数の光ファイバテープ心線5を積層収納し、スロットロッド2の外周に上巻テープ6(押え巻とも言う)を巻付けて光ファイバテープ心線5を覆っている。そして、上巻テープ6の外側を、押出成形等で形成された外被7で被覆した形状のものが一般的である(例えば、特許文献1,2参照)。
光ファイバの布設量の増大で、架空布設ではケーブル支柱の支持強度、地下布設では埋設管路内のスペース等の問題から、光ケーブルの細径・軽量化への要求が強く、例え、1mmの径でも縮小することが望まれている。図4に示すような、断面円形のスロットロッドを用いたスロット型光ケーブル1は、曲げに対する方向性の制約がなく、側圧に強いと言う利点がある。しかしながら、中心の抗張力体3の周囲に放射状に溝4を設ける必要があり、また、光ファイバテープ心線5を収納する溝4の間隔が適切に確保されていていないと、伝送損失の悪化を招く。
従来のスロット形状を踏襲してスロットロッド2の細径・軽量化を図るには、スロットロッドの外径を小さくすることが考えられる。しかし、光ファイバテープ心線5の収納数を確保し、押圧による伝送損失の増加を生じさせないためには、溝4の深さは変えられないので、中央の抗張力体3と溝4との厚さを縮小することとなる。ただ、この厚さは、既に限界値まで縮小されているのが実情であり、さらに縮小することは機械的強度に問題が生じる。
また、外被7の厚さを薄くする方法も考えられるが、光ケーブルの布設作業時における外被が受ける磨耗や外力の影響、クロージャ取付け時に把持部材を用いて支持させるなどの関係から、所定値以上を確保する必要がある。このため、現状以上に外被の厚さを薄くすることも、困難な状況である。
このため、特に、50心程度ないしそれ以下のスロット型光ケーブルで、光ファイバテープ心線を収納するための必要な空間を確保しながらケーブルの細径・軽量化を図ることが困難とされていた。
このため、特に、50心程度ないしそれ以下のスロット型光ケーブルで、光ファイバテープ心線を収納するための必要な空間を確保しながらケーブルの細径・軽量化を図ることが困難とされていた。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、大幅な細径・軽量化は無理としてもわずかでも、機械的特性や光伝送特性を損なうことなく、細径・軽量化が可能なスロット型光ケーブルの提供を目的とする。
本発明によるスロット型光ケーブルは、スロットロッドの溝内に複数の光ファイバテープ心線を収納し、外被で覆った光ケーブルで、スロットロッドおよび外被の断面を長径と短径からなる楕円状とし、スロットロッドの長径側に複数の光ファイバテープ心線を収納する溝が設けられる。
複数の光ファイバテープ心線は、スロットロッドの溝内に所定のピッチで撚られた状態としてもよい。また、スロットロッドの溝は、長手方向に所定のピッチで一方向に捻られているか、もしくは、所定のピッチで捻り方向が反転するように捻られた状態としてもよい。なお、外被には、切裂き用の溝を形成しておくようにしてもよい。
複数の光ファイバテープ心線は、スロットロッドの溝内に所定のピッチで撚られた状態としてもよい。また、スロットロッドの溝は、長手方向に所定のピッチで一方向に捻られているか、もしくは、所定のピッチで捻り方向が反転するように捻られた状態としてもよい。なお、外被には、切裂き用の溝を形成しておくようにしてもよい。
本発明によれば、スロットロッドの溝の深さ、光ファイバの機械的強度および伝送特性を確保して、光ケーブルの細径・軽量化を実現することができる。
図1により本発明の実施の形態を説明する。図中、11a〜11cはスロット型光ケーブル(光ケーブル)、12はスロットロッド、13は抗張力体、14は溝、15は光ファイバテープ心線(テープ心線)、16は上巻テープ、17は外被、18は外被ノッチ、19はスロットノッチを示す。
本発明によるスロット型光ケーブル(以下、光ケーブルという)は、図1(A)に示すように、スロットロッド12(スペーサともいう)からなり、長径と短径からなる楕円状の断面を有する形状で形成される。スロットロッド12は、中心に抗張力体13(テンションメンバとも言う)が埋設され、長径側で対向するように、光ファイバが収納される2つの溝14を設けた形状とされる。抗張力体13は、鋼線、鋼撚り線、繊維強化プラスチック(FRP)等が用いられ、その太さ、材質等は光ファイバの心数や使用形態により適宜選定される。スロットロッド12自体は、例えば、高密度ポリエチレン等の樹脂材で押出成形により形成される。
スロットロッド12の溝14内には、従来と同様に、複数本の光ファイバ心線を一列に並べて共通被覆で一体化した光ファイバテープ心線15(以下、テープ心線という)を、積層状態で複数収納される。溝14内に収納されたテープ心線15は、上巻テープ16により保持され、その外側を押出し成形による外被17で被覆保護する。上巻テープ16は、スロットロッド12の外周に重ね巻きまたは開き巻きで巻き付けられ、テープ心線15が溝14から飛び出るのを防ぎ、外被17を押出成形する際の熱からテープ心線15を保護する。また、上巻テープ16に、吸水性のテープを用いることにより、光ケーブル内での水走りを阻止し防水機能を持たせることができる。
上巻テープ16の外周は、外被17で被覆され保護される。外被17は、一般的にはポリエチレン、または難燃ポリエチレンで形成され、押出機を用いた押出成形またはテープを巻き付けて形成される。外被17の厚さは、光ケーブルの布設時に外被が受ける磨耗や外力の影響、クロージャの取付け時に把持部材を用いて支持させるなどの関係から、所定値以上で均一な厚さで形成される。したがって、外被17の外形は、スロットロッド12の外形と同様な長径と短径からなる楕円状となる。
上述した光ケーブル11aは、長径側に溝14を設けて従来の円形状の光ケーブルと同様にテープ心線15の収納を確保することができ、短径側でその断面積を減じて従来の円形状の光ケーブルと比べて、細径化され軽量化されたものとなる。
しかし、ケーブル断面が楕円状であるため、曲げ方向が短径側に決まってしまい、溝内に複数のテープ心線を積層して収納すると、テープ心線内の所定の光ファイバのみに曲げ歪が加わり断線の可能性がある。
しかし、ケーブル断面が楕円状であるため、曲げ方向が短径側に決まってしまい、溝内に複数のテープ心線を積層して収納すると、テープ心線内の所定の光ファイバのみに曲げ歪が加わり断線の可能性がある。
図1(B)は、上記の曲げ歪を解消する一例の光ケーブル11bを示す図である。複数のテープ心線15を積層して束ねた状態で、所定のピッチで撚り、この撚られた状態で溝14内に収納されるようにする。これにより、光ケーブル11bを一定の方向に曲げても、テープ心線内の複数の光ファイバに均一に曲げ歪が加わって分散され、特定の光ファイバに過剰の曲げ歪が加わるのを回避することができる。
図1(C)は、外被の剥ぎ取りを容易にする一例の光ケーブル11cを示す図である。後述するように、光ケーブルの途中部分からテープ心線15あるいは光ファイバ心線の一部を取り出して引き落とす場合、外被17および上巻テープ16の中間部分を部分的に除去する必要がある。このため、外被17を引裂き易いように、予め外被17の短径側の表面に外被ノッチ18を形成しておくことが好ましい。また、スロットロッド12にも、上巻テープ16をカットし易いように、外被ノッチ18と対応する位置でカッター刃が当てられるスロットノッチ19を形成しておいてもよい。
図2は他の実施形態を示す図で、図2(A)は螺旋状に一方向に捻りを加えた光ケーブル11dを示し、図2(B)は捻り方向を反転させるSZ状の捻りを加えた光ケーブル11eを示す図である。
図2(A)に示す光ケーブル11dは、図1(A)に示す光ケーブル11aを、長手方向に所定のピッチで一方向に捻りを加えた形状のものである。スロットロッド12の断面は、図1の例と同様に楕円状で、長径側に螺旋状に形成された2つの溝14を有し、この溝14内に複数のテープ心線15が積層されて収納される。この外側に上巻テープ16が巻きつけられ、次いで、その外側に外被17が設けられる。これにより、従来の円形状のスロットロッドに螺旋状の溝を形成する形態と同様な形態とすることができる。また、ケーブルの曲げに対する方向性を無くし、所定の光ファイバに曲げ歪が集中して破断するのを回避することができる。
図2(B)に示す光ケーブル11eは、図1(A)に示す光ケーブル11aを長手方向に所定のピッチで交互に捻り(SZ状)を加えた形状のものである。スロットロッド12の断面は、図1の例と同様に楕円状で、長径側にSZ状に形成された2つの溝14を有し、この溝14内に複数のテープ心線15が積層されて収納される。この外側に上巻テープ16が巻き付けられ、次いで、その外側に外被17が設けられる。これにより、従来の円形状のスロットロッドにSZ状の溝を形成する形態と同様な形態とすることができる。また、ケーブルの曲げに対する方向性を無くし、所定の光ファイバに曲げ歪が集中して破断するのを回避することができる。
上述した光ケーブル11a〜11eから光ファイバを分岐する場合、ケーブルの所定領域の外被17および上巻テープ16が部分的に剥ぎ取り、内部のテープ心線15をケーブル外に引き出す作業が行なわれる。
図3(A)〜図3(D)は、上述した光ケーブルの外被等の剥ぎ取り形態の手順を説明する図である。光ケーブル11は、図1(C)で例示した光ケーブル11cと同様な形状で、外被17の短径側に切裂き用の外被ノッチ18を形成し、スロットロッド12にも同位置でスロットノッチ19を形成してある。なお、上記したノッチは、他の光ケーブル11a,11b,11d,11eに対しても形成することにより、同様な手順で剥ぎ取りを行なうことができる。
まず、光ファイバの分岐を行なう箇所のケーブル長手方向の所定範囲(例えば、50cm程度)に、図3(A)に示すように、両側の外被ノッチ18にカッター刃20で切り込みを入れる。次いで、図3(B)に示すように、外被17の左右いずれかの側の外周面に切り込みを入れて、外被片17aを剥ぎ取り、ケーブル片側の上巻テープ16を部分的に露出させる。
次に、図3(C)に示すように、露出された上巻テープ16の露出際で、カッター刃20で切り込みを入れる。上巻テープ16の露出際には、スロットノッチ19が形成されているので、カッター刃2の逃げとなって、上巻テープ16に対する切り取りを容易に行なうことができる。この後、図3(D)に示すように、切り取られた上巻テープ片16aを除去し、解放された溝14からテープ心線15をケーブル外に引き出す。
本発明は、上述したように、スロットロッド12の断面外形が楕円状であるため、その外観からテープ心線15の収納位置が判別しやすい。したがって、テープ心線15を取り出すために外被17を除去する際には、テープ心線15が収納されていない短径側に限定してカッター刃等を入れることができ、テープ心線15を傷つけるのを回避することができる。また、上述したように短径側の外被表面およびスロットロッド表面に、予め切り込み用のノッチを入れておくことにより、容易に外被17および上巻テープ16を除去することができる。
また、従来の断面円形のスロットロッドを用いたスロット型光ケーブルでは、外被および上巻テープを所定領域の全周で除去する必要があったため、取り出す必要のないテープ心線も取り出しており、このため、使用中のテープ心線に対して損失を増加させる恐れもあった。しかし、本発明のスロット型光ケーブルによれば、図3で説明したように、ケーブルの片側半部の外被および上巻テープを除去することが可能となり、使用中のテープ心線に対して、損失を増加させる恐れを低減させることが可能となる。
11,11a〜11e…スロット型光ケーブル(光ケーブル)、12…スロットロッド、13…抗張力体、14…溝、15…光ファイバテープ心線(テープ心線)、16,16a…上巻テープ、17,17a…外被、18…外被ノッチ、19…スロットノッチ、20…カッター刃。
Claims (4)
- スロットロッドの溝内に複数の光ファイバテープ心線を収納し、外被で覆ったスロット型光ケーブルであって、
前記スロットロッドおよび前記外被の断面を長径と短径からなる楕円状とし、前記スロットロッドの長径側に前記複数の光ファイバテープ心線を収納する前記溝が設けられていることを特徴とするスロット型光ケーブル。 - 前記複数の光ファイバテープ心線が、前記スロットロッドの溝内で所定のピッチで撚られていることを特徴とする請求項1に記載のスロット型光ケーブル。
- 前記スロットロッドの溝が、長手方向に所定のピッチで一方向に捻られているか、もしくは、所定のピッチで捻り方向が反転するように捻られていることを特徴とする請求項1に記載のスロット型光ケーブル。
- 前記外被に切裂き用の溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスロット型光ケーブル。
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CN109683266A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-04-26 | 深圳市特发信息股份有限公司 | 梯形槽骨架式光缆 |
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