JP2008216787A - 光ケーブル - Google Patents

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博 永井
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英明 田島
Takayasu Yamauchi
孝泰 山内
Hiroshi Miyano
寛 宮野
Shinsuke Niiyama
慎介 仁井山
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Abstract

【課題】通常の自己支持型光ケーブルと同等の作業で布設ができ、また、余長処理のためのカール加工された巻回部分の取扱いや、布設時の処理が容易な光ケーブルとその布設方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ心線を外被で被覆した本体部12,12’と、該本体部に分離容易な首部で連結一体化された吊線部13とを備えた光ケーブル11,11’であって、一方のケーブル端側で本体部12,12’と吊線部13が分離され、分離された本体部分12,12’は、光ファイバの許容曲げ径以上の径で巻回保持された複数の巻回ターンからなる巻回部分17を有し、吊線部13上に巻回保持されている。前記の分離された本体部12,12’の円筒状の巻回部分13は、カール加工で形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、幹線光ケーブルからクロージャを介して、加入者宅等に引き落とすのに用いるような光ケーブルとその布設方法に関する。
近年の映像配信、IP電話、データ通信等のブロードバンドサービスの拡大により、光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス(FTTH:Fiber To The Home)の加入者が増加している。このFTTHでは、架空の幹線光ケーブルからクロージャを介して加入者宅等に引き落とす、ドロップ光ケーブルと言われている光ケーブルが多く用いられている。加入者宅への光ファイバの引き落としは、例えば、図8に示すように市街の電柱等に布設された幹線光ケーブルを、通常、クロージャと称されている接続函で分岐し、分岐された光ファイバをドロップ光ケーブルに接続して行われている
この光ファイバの引き落としに用いられるドロップ光ケーブルは、一般に、ケーブル内の光ファイバが1本〜数本の少ない心数で形成される。図9は、一般的なドロップ光ケーブルの一例を示す図で、図9(A)は、断面矩形状のケーブル本体部2と円形の吊線部3を首部4で連結一体化した構造のものである。図9(B)は、断面円形状のケーブル本体部2’を同様に、円形の吊線部3を首部4で連結一体化した構造のものである。
図9(A)のケーブル本体部2は、光ファイバ心線5の両側にテンションメンバ6を配し、これらを断面矩形状の本体部外被7(例えば、長辺側3mm、短辺側2mm程度)で被覆して形成される。光ファイバ心線5は標準外径125μmのガラスファイバを外径250μm程度の保護被覆で被覆したものである。テンションメンバ6は、鋼線あるいは高強度繊維をマトリックス樹脂で固めたノンメタリック線材が用いられている。また、ケーブル本体部2の側面には、V字状のノッチ8が設けられ、このノッチ部分で本体部外被7を引裂いて内部の光ファイバ心線5を取り出し、分岐接続や端末形成が容易に行なえるようにされている。
図9(B)のケーブル本体部2’は、光ファイバ心線5の周囲にアラミド繊維等の高強度繊維6’を配して、これらを断面円形状の本体部外被7’(例えば、外径2mm程度)で被覆して形成される。高強度繊維6’は、光ファイバ心線の緩衝とテンションメンバとしての機能を有している。
吊線部3は、例えば、1.2mmφ程度の鋼線からなる支持線9の外周を吊線外被10で被覆して形成される。本体部外被7、7’と吊線外被10には、ポリエチレン等の同じ樹脂材が用いられ、両者は細幅の首部4を介して連結する形態で、押出し成型により一括して形成される。
これらの光ケーブル布設の需要増に対して、ドロップ光ケーブルの布設作業の迅速化が望まれている。架空の幹線光ケーブルからの引き落とし作業は、電柱上やバケット車上というような作業環境の悪い状況で行うことが多く、ケーブルを所定の長さに切断し、ケーブル内から光ファイバ心線を取り出し、光ファイバ同士の融着接続と補強処理などの作業は簡単ではなく、時間もかかる。このため、所定の長さに切断された光ケーブルの両端に予め光コネクタを取付けておき、現場での作業軽減を図る方法がある。
この場合、光ケーブルの両端に予め光コネクタを取付けて接続作業の効率化をはかると共に、光ケーブルにカール部を設けて余長とし、布設長の誤差を吸収している(例えば、非特許文献1参照)。また、光ケーブル全長にカール加工を施し、既設の吊線に巻付け、長手方向に引張って布設することにより、布設作業の簡略化をはかる方法もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−292205号公報 戸毛邦弘、他2名「基板整備の有効利用を可能とする光ケーブル技術」,NTT技術ジャーナル,社団法人 電気通信協会,2006年12月,P.64−65
しかしながら、上記非特許文献1に開示の光ケーブルは、マンホールを含む地下管路に布設するに光ケーブルを対象とし、吊線部を必要としない光ケーブルであるため、架空光線路からの引き落としを行うことは難しい。
また、特許文献1に開示の光ケーブルも吊線部を有しない光ケーブルで、架空からの引き落としが可能な光ケーブルであるが、電柱間に既に布設されているケーブルや吊線等の線材にカール部を巻付けて布設される。
特許文献1の光ファイバは、既設の吊線部を利用する光ケーブルでの布設を対象としているためその使用場所が限られ、布設個所に既設の吊線等の線材が存在しない場合は、別途、吊線を張設する必要がある。また、この光ケーブルは、予め布設されている吊線に巻付けて支持させる必要があり、全長にわたってカール加工されていることが必要とされる。このため、吊線への巻付け作業を要することと、運搬中にカール加工部分が伸びたり曲がったりするなどの取扱い上での問題が残っていた。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、通常の自己支持型光ケーブルと同等の作業で布設ができ、また、余長処理のためのカール加工された巻回部分の取扱いや、布設時の処理が容易な光ケーブルとその布設方法を提供することを目的とする。
本発明による光ケーブルは、光ファイバ心線を外被で被覆した本体部と、該本体部に分離容易な首部で連結一体化された吊線部とを備えた光ケーブルであって、一方のケーブル端側で本体部と吊線部が分離され、分離された本体部分は、光ファイバの許容曲げ径以上の径で巻かれた複数の巻回ターンからなる巻回部分を有し、吊線部上に巻回保持されている。前記の分離された本体部の円筒状の巻回部分は、カール加工で形成することができる。
また、前記カール加工された円筒状の巻回部分の自由端側に、カール加工されない直線部分を有するようにしてもよい。また、カール加工された巻回部分は、中間位置の少なくとも1個所で巻回方向が反転されているか、あるいは、巻回部分は、長手方向に引き延ばした際に巻回に捻りが生じないように予め逆方向に捻回されてカール加工されている。さらには、光ケーブルの少なくとも一方のケーブル端に、光コネクタが取付けられていることが望ましい。
本発明による光ケーブルの布設方法は、上記のように構成された光ケーブルを用い、吊線部上に巻回されている巻回部分を、吊線部の長手方向に引き延ばして布設するものである。また、前記巻回部分のケーブル内側の一部の巻回ターン分は、本体部を吊線部外周に密着させて巻付けるように引き延ばし、残りの巻回ターン分を巻回部分のケーブル成端側に集約させて束ねる。さらに、この巻回ターン分を円筒状に束ねて、両端の円筒開口を塞ぐようにする。
本発明によれば、通常の自己支持型ケーブルと同様な形態で、光ケーブルの引き落とし布設作業を短時間で行うことができる。また、余長のための円筒状の巻回部分で布設長の誤差を吸収することが可能であり、かつその官界部分の取扱いを容易にし、コンパクトに束ねられた見栄えのよい布設形態とすることができると共に、鳥獣等からの被害を最小限に抑えることが可能となる。
図により本発明の実施の形態を説明する。図1(A)は、本発明による光ケーブルを用いたケーブル引き落とし形態を説明する図、図1(B)及び図1(C)は本発明で使用する吊線部を備える光ケーブルの構成例を示す図である。図中、11、11’は光ケーブル、12、12’は本体部、13は吊線部、14は首部、15は連結一体化部分、16は分離された部分、17は巻回部分、18は光コネクタを示す。
本発明で用いられる光ケーブル11は、図1(B)に示すように、例えば、図9(A)で説明したのと同様な矩形状のケーブル断面を有する光ケーブルである。光ケーブル11の詳細説明は省略するが、ケーブルの本体部12は、1本以上の光ファイバ心線の両側にテンションメンバを配し、これらを断面矩形状の本体部外被(例えば、長辺側3mm、短辺側2mm程度)で被覆して形成される。光ファイバ心線は標準外径125μmのガラスファイバを外径250μm程度の保護被覆で被覆したものである。テンションメンバは、高強度繊維をマトリックス樹脂で固めたノンメタリックの線材で形成されている。また、ケーブルの本体部12の側面には、引裂き用のV字状のノッチが設けられていてもよいが、ノッチを有しない形状のものであってもよい。
また、本発明で用いられる他の光ケーブル11’としては、図1(C)に示すように、図9(B)で説明したのと同様な円形のケーブル断面を有する光ケーブルである。この光ケーブル11’の詳細説明は省略するが、ケーブルの本体部12’は、光ファイバ心線の周囲にアラミド繊維等の高強度繊維を配して、これらを断面円形状の本体部外被(例えば、外径2mm程度)で被覆して形成される。高強度繊維は、光ファイバ心線の緩衝とテンションメンバとしての機能を有している。
上記の光ケーブル11,11’の吊線部13は、例えば、1.2mmφ程度の鋼線等の外周を吊線外被で被覆して形成される。上述の本体部12、12’の外被と吊線部13の外被は、ポリエチレン等の同じ樹脂材で押出し成型により一括して形成され、本体部12、12’と吊線部13とは、細幅の首部14を介して連結一体化されている。したがって、本体部12、12’と吊線部13とは連結一体化されているが、必要に応じて首部14を手で切断して容易に分離できる構成のものである。
本発明による光ケーブルは、図1(A)に示すように、例えば、電柱Pに架設された幹線光ケーブルCから家屋H等に光ファイバを引き落とすドロップ光ケーブルとして用いられる。幹線光ケーブルCからの光ファイバの分岐は、クロージャKにより行われ、分岐された光ファイバに光ケーブル11、11’が光学的に接続される。光ケーブル11、11’は、後述するように、本体部12、12’と吊線部13が連結一体化された部分15と、本体部12、12’と吊線部13が分離された部分16とからなる。分離された部分16の本体部12、12’には、分離された吊線部13上に巻回される形で、余長のための円筒状の巻回部分17が形成されている。
吊線部13は、既設の幹線光ケーブルCやその他の構造物を利用して固定具Rを取付け、光ケーブルの布設径路に沿って張設される。また、既設の幹線光ケーブルCにスパイラルハンガーSが布設されている場合は、これを利用して光ケーブル11,11’を布設するようにしてもよい。また、光ケーブル11,11’は予め所定の長さにカットされ、少なくとも一方の端部には光コネクタ18を取付けて布設することで、布設作業の短縮化をはかることが望ましい。なお、光コネクタ18は、作業現場で取付ることもできるが、予め取付けた状態で準備するようにしてもよい。
図2は本発明による光ケーブルの一例を説明する図である。本発明による光ケーブル11,11’は、図1でも説明したように、本体部12、12’と吊線部13が連結一体化された部分15と、本体部12、12’と吊線部13が分離された部分16とからなる。分離された部分16の本体部12,12’は、円筒状に巻回されて分離された吊線部13上で巻回状態が保持される。巻回状態の保持は、布設前の梱包保管や運搬時は、結束部材等を用いて円筒状の巻回部分17がばらけないようにする程度でよい。また、本体部12、12’と吊線部13が連結一体化された部分15の両端は、外力等により分離状態が進行しないように結束紐等を用いて固定しておくとよい。
円筒状の巻回部分17は、光ケーブルの許容曲げ径以上の径Dで巻かれる。このときの曲げ径Dは、巻回部分17を伸ばした状態で実用上問題となるような伝送損失以下に抑えられていることが望ましい。例えば、波長1.55μmにおける曲げ径30mmでの曲げ損失が、0.5dB/10ターン以下である光ファイバ心線が用いられていることが好ましい。さらには、波長1.55μmにおける曲げ径15mmでの曲げ損失が0.5dB/10ターン以下となるような、許容曲げ径が小径の光ファイバ心線が用いられていることが好ましい。
なお、上記の条件を満たす光ケーブルの光ファイバとして、例えば、波長1.3μmにおけるPetermann−Iの定義によるモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)が9.0μm以下である光ファイバが用いられていることが好ましい。さらには、波長1.55μmにおけるモードフィールド径を8.0μmとすることにより、側圧によるマイクロベンドや曲げ損失を抑えて、許容曲げ径を小さくすることが可能となる。
上記の点から光ケーブル11,11’の曲げ径Dを、例えば、30mm程度とする。この場合、円筒上の巻回部分17の長さLは、例えば、1m位(300ターン程度)とすることで、20m程度の余長をとることができる。
ここで、光ケーブル11,11’による布設距離を、例えば、45〜50m程度とすると、本体部12、12’と吊線部13が連結一体化された部分15を40m程度とし、本体部12、12’と吊線部13が分離された部分16を10m程度として、この部分を円筒状に巻回して余長分とする。なお、本体部12,12’の両端には、光コネクタ18を取付けておくことが好ましい。
すなわち、本発明では、光ケーブルの大部分は本体部と吊線部とが連結一体化されたケーブル構造とし、布設長の誤差の吸収に必要な長さ分だけを余長部として巻回部分で形成している。これによって、大部分は通常のドロップ光ケーブルのように容易に布設することができる。そして、巻回部分は、必要最小限に留めて、取扱いを容易にしている。
図3は、円筒状の巻回部分17をカール加工で形成する一例を示す図である。巻回部分17は、結束紐等を用いて巻回状態を保持することは可能であるが、単に巻回するだけでは巻回ターンが交差したりすることがあり、円筒状に整列保持させることが難しい。したがって、図3(A)に示すように、吊線部13が分離された巻癖のない本体部12、12’を円柱状の巻付治具19を用いて所定の径で整列巻する。
次いで、図3(B)に示すように、加熱装置20で加熱処理して外被部分含めて本体部12、12’の全体をカール加工し、巻回部分17の巻回ターンが円筒状に整列するように整え、その巻回状態を保持する。このカール加工された円筒状の巻回部分17は、吊線部13の長手方向に沿ってコイルばねのように伸縮させることができる。加熱手段20aとしては、ヒータ加熱や赤外線加熱などの種々の方法を用いることができる。
なお、図1(B)に示すような光ケーブル11で、本体部12のテンションメンバに鋼線が用いられている場合は樹脂をカール加工する程度の加熱では、テンションメンバが、カール加工されず、形状保持が難しい。このため、光ケーブル11は、例えば、高強度繊維をマトリックス樹脂で固めたFRPを用いたノンメタリックのテンションメンバで形成されていることが望ましい。
巻回部分17は、上記のカール加工により巻回形状が保持された後、ばらけないように円筒状に整列保持させた状態に結束しておき、巻回部分17内に分離されている部分の吊線部13を挿通し、図2で示したように吊線部13上に巻回保持された状態とされる。巻回部分17は、集約されているため吊線部13の挿通を容易に行うことができる。なお、吊線部13は、作業現場の状況に合わせて、巻回部分17内に挿通しない形態で梱包保管するようにしてもよい。
この状態とされた光ケーブル11,11’は、連結一体化された部分15を所定の径で巻取り結束し、また、巻回部分17から伸びている分離された吊線部13を別に巻取って結束する。この状態で梱包保管することで、運搬中に巻回部分17が伸びたり、曲がる等の取扱い上の問題を解消することができる。
図4は、図2の本体部と吊線部が分離された部分16の他の実施形態を示す図である。この実施形態は、円筒状の巻回部分17の自由端側に巻回されてない直線部分21を設けるようにするものである。例えば、図1(A)で、光コネクタ18等による成端個所が家屋Hの宅内にあり、宅内の配線管等を通して布設するような場合がある。このような場合には、巻回部分17を両端固定で直線状に引き延ばすと捻りや曲がりが残って配線しにくいことがある。したがって、前記のように、巻回部分17の先端側に、宅内への引込み長さ相当分が直線部分21で形成されていると、宅内の布設作業が容易となる。
図5は、図2の本体部と吊線部が分離された部分16のその他の実施形態を示す図である。巻回部分17は、通常、巻回方向が一方向の螺旋状で巻かれていて、巻回ターンの外側の面は巻回全長に亘って外側に位置し、内側の面は巻回全長に亘って内側に位置する。このため、巻回部分を長手方向に引き延ばすと、本体部12,12’に捩れが生じ、内部の光ファイバ心線の伝送損失を増加させる恐れがある。そこで、巻回部分17の途中に巻回方向を反転させた反転部22を少なくとも1箇所設けることにより、この捩れを軽減することができ、伝送損失の増加を低減することができる。なお、反転部22を複数設ける場合は、奇数個所に設けるようにする。
また、巻回部分17に反転部22を設ける代わりに、本体部12,12’を巻回してカール加工するに際して、巻回部分17を引き延ばしたときに、本体部12,12’に捻回が生じないように、予め捻回を加えながら巻回し、この後にカール加工するようにしてもよい。なお、本体部内の光ファイバ心線は、本体部外被と一体になっているので、巻回部分を引き延ばして布設した際には、捻回による伝送損失の増加を低減することができる。
次に、図6,図7及び図1により、本発明による光ケーブルの布設方法について説明する。本発明による光ケーブル11、11’は、上述したように所定の長さの本体部12、12’と吊線部13が連結一体化された部分15に連続して、所定の長さの本体部12、12’と吊線部13が分離された部分16を有している。図1(A)に示すように、連結一体化された部分15は、吊線部13を既設の太いケーブルや構造物とを用いて、引き落とし布設径路に沿って自己支持型の光ケーブルとして布設される。光ケーブルの本体部12、12’の一方の端部は、吊線部13から分離され光コネクタ18等を用いてクロージャK内の端子部に接続される。
図6に示すように、連結一体化された部分15の本体部12、12’の他方の端部は、吊線部13が分離された部分16の本体部12、12’が連続していて、円筒状の巻回部分17が残りの吊線部13上に沿って引き延ばされる。巻回部分17の終端は、図1(A)に示すように、光コネクタ18等を用いて家屋Hの成端箱あるいは宅内に引き込まれて成端される。巻回部分17は、布設長に応じて伸張量が自由に調整でき、ケーブル布設の余長とすることができる。
しかし、図6のように布設された光ケーブル11、11’は、長手方向に引き延ばされ巻回部分17は、吊線部13上に吊支持されているだけであると、障害物や重機等が巻回ループを引っ掛けて垂れ下がりを生じることがある。また、カラス等の鳥類が引き延ばされた巻回ループを巣作り用の材料と見立てて引っ張ったり遊んだりすることがある。さらには、巻回部分に虫が巣を造ったり、氷雪が付着して溜まり過荷重となるなどの問題がある。
図7は、上記のような問題を解消する光ケーブルの布設方法の一例を示す図である。図7(A)に示すように、円筒状の巻回部分17を本体部12、12’から分離された吊線部13上に均一のピッチで引き延ばすのではなく、巻回部分17の本体部12、12’を吊線部13の外周に巻付けるようにたぐり寄せて引き延ばす。そして、余った巻回部分17をケーブルの成端側に円筒状なるように集約し、保持具23で結束する。この結果、巻回ループが引っ張られて垂れ下がりを生じたり、鳥類がこれで遊ぶのを防止することができる。
また、図7(B)に示すように、巻回部分17をケーブルの成端側に集約すると共に、円筒状になるように集約された巻回部分17の両端の開口面を、蓋部材24で塞ぎ、固定部材25等で固定するのが好ましい。これにより、円筒状の巻回部分17内に、鳥類が入り込んだり、内部に虫が入り込んで巣を造るのを完全に防止することができる。
本発明の実施形態の概略を説明する図である。 本発明による光ケーブルの一例を説明する図である。 本発明における円筒状の巻回部分のカール加工を説明する図である。 本発明における本体部と吊線部が分離された部分の他の実施形態を示す図である。 本発明における本体部と吊線部が分離された部分のその他の実施形態を示す図である。 本発明による光ケーブルの布設方法の一例を説明する図である。 本発明による光ケーブルの布設方法の他の例を説明する図である。 従来の光ケーブルの引き落とし方法を説明する図である。 従来のドロップ光ケーブルの構成例を説明する図である。
符号の説明
11、11’…光ケーブル、12、12’…本体部、13…吊線部、14…首部、15…連結一体化部分、16…分離部分、17…巻回部分、18…光コネクタ、19…巻付冶具、20…加熱装置、20a…加熱手段、21…直線部分、22…反転部、23…保持具、24…蓋部材、25…固定部材。

Claims (9)

  1. 光ファイバ心線を外被で被覆した本体部と、該本体部に分離容易な首部で連結一体化された吊線部とを備えた光ケーブルであって、
    一方のケーブル端側で前記本体部と前記吊線部が分離され、分離された前記本体部は、光ファイバの許容曲げ径以上の径で巻かれた複数の巻回ターンからなる巻回部分を有し、前記吊線部上に巻回保持されていることを特徴する光ケーブル。
  2. 前記円筒状の巻回部分は、カール加工で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル。
  3. 前記カール加工された巻回部分の自由端側に、カール加工されない直線部分を有することを特徴とする請求項2に記載の光ケーブル。
  4. 前記カール加工された巻回部分は、中間位置の少なくとも1個所で巻回方向が反転されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光ケーブル。
  5. 前記巻回部分は、長手方向に引き延ばした際に巻回に捻りが生じないように予め逆方向に捻回されてカール加工されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光ケーブル。
  6. 少なくとも一方のケーブル端に光コネクタが取付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ケーブル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ケーブルを用い、前記吊線部上に巻回保持されている前記巻回部分を、前記吊線部の長手方向に引き延ばして布設することを特徴とする光ケーブルの布設方法。
  8. 前記巻回部分のケーブル内側の一部の巻回ターン分は、前記本体部を前記吊線部外周に密着させて巻付けるように引き延ばし、残りの巻回ターン分を前記巻回部分のケーブル成端側に集約させて束ねることを特徴する請求項7に記載の光ケーブルの布設方法。
  9. 前記残りの巻回ターンを円筒状に束ね、両端の円筒開口を塞ぐことを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルの布設方法。
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