JP2004201640A - 品質保持剤 - Google Patents

品質保持剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004201640A
JP2004201640A JP2002377775A JP2002377775A JP2004201640A JP 2004201640 A JP2004201640 A JP 2004201640A JP 2002377775 A JP2002377775 A JP 2002377775A JP 2002377775 A JP2002377775 A JP 2002377775A JP 2004201640 A JP2004201640 A JP 2004201640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
oxygen
quality
titanium dioxide
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002377775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4332346B2 (ja
Inventor
Mitsuo Kase
光雄 加瀬
Ichiro Moriya
市郎 森屋
Toshiro Yotsumoto
敏郎 四元
Hiroshi Taoda
博史 垰田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Marusyo Industry Co Ltd
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Marusyo Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Marusyo Industry Co Ltd filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2002377775A priority Critical patent/JP4332346B2/ja
Publication of JP2004201640A publication Critical patent/JP2004201640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4332346B2 publication Critical patent/JP4332346B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】安全性が高く、金属探知機等への影響がなく、酸素吸収能が優れ、酸素吸収速度が大きく、かつ光触媒作用による抗菌性、鮮度保持性も併せ持つ、食品類、その他広い分野の物品の保存用に好適な品質保持剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、塩基性化合物で処理した、低次酸化チタンまたは硫酸根若しくはニッケル種を含む低次酸化チタン複合体を含有することを特徴とする品質保持剤である。
低次酸化チタンは、二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持し、一般式TiO2−x(ここで、xは0.1から0.5の実数を示す)で表されるもの、アナターゼの結晶構造のものが好ましい。更には、硫酸根またはこれに更にニッケル種を含有する低次酸化チタン複合体が好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な品質保持剤に関する。さらに詳しくは、加工食品・農水産品などの食品類、金属製品、精密機械などの工業製品、医薬品、美術工芸品、文化財などの広い分野の物品の保存用に好適な品質保持剤を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品類の品質保持については、好気性菌、カビなどの繁殖による腐敗や、乾性油の酸化劣化を防止する目的で、鉄系を中心とした種々の脱酸素剤が提案されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。しかし、この鉄系の脱酸素剤を封入した食品包装品は、針や金属片などの金属異物の混入防止のために用いる金属探知機に感応し誤動作を生じる欠点が以前から指摘されている(例えば、特許文献4参照)。また、この鉄系の脱酸素剤を封入した食品包装品は電子レンジに使用することができないなどさらに改善されるべき実用上の重大な課題を残している。
【0003】
このような脱酸素剤の金属探知機への誤動作を改善する方法として、有機化合物であって酸素吸収能を有するアスコルビン酸を主剤とする脱酸素剤や、フェノール誘導体を主剤とする脱酸素剤などが提案されている(例えば、特許文献5、6および7参照)。しかし、これらの脱酸素剤は何れも有機物質であるため、使用の条件によっては溶融、溶解を生じることが危惧され、また、有機化合物であるため反応などに伴う発熱による燃焼の危険性も指摘されている(例えば、特許文献8参照)。
【0004】
野菜や果実等からはその保存中にエチレンガスが発生し、この発生したエチレンガスが野菜や果実自身の腐敗を促進する作用を有するため、このようなエチレンガスを除去するためのエチレンガス吸着剤が鮮度保持剤として提案されているが、その性能は未だ不十分である。
また、食品類などの腐敗の原因となる嫌気性菌等に対しては、脱酸素剤などを使用してもその効果が認められず、銀などを含んだ抗菌剤や殺菌剤が使用されているが、安全性の点で問題があり、その用途が限定されるという問題がある。
【0005】
一方、酸素欠損を有する二酸化チタンを用いて、食品、衣料品、医薬品、革製品、木製品、精密機械などの種々の物品や商品を、カビ、菌、虫、および酸化などによる品質の劣化から防止する品質保持剤として使用することが提案されている(例えば、特許文献9参照)。そして、この酸素欠損を有する二酸化チタンは、二酸化チタンを無酸素雰囲気下で加熱することにより製造することができるとしており、酸素吸収能力を大きくするには加熱温度が高いほどよく800℃程度までの加熱が好ましいとしている。しかし、加熱温度が800℃のような高温になると二酸化チタンの結晶転移が急激に起こり、アナターゼ型結晶からルチル型結晶になることが報告されているところから(例えば、非特許文献1および2参照)、800℃付近までの加熱によって二酸化チタンの結晶構造の転移や変化と共に、酸素欠損個所に歪みを生じることが予想されるため、酸素吸収量が低下して、安定して良好な酸素吸収剤を得ることが難しい。
【0006】
また、二酸化チタンについては、それが光触媒作用を有するため前記したエチレンガスの分解に効果があることが期待されるとともに、抗菌作用による食品類などの品質保持剤としての利用が期待されるが、これらの性質を十分に生かした品質保持剤は見出されていない。
以上述べたように、これまで種々の品質保持剤が提案されているが、脱酸素、鮮度保持、抗菌というさまざまな要請をすべて十分に満足する、広い分野に有効な品質保持剤は未だ提案されていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭56−2845号公報(第1〜18頁)
【特許文献2】
特開昭56−130222号公報(第97〜100頁)
【特許文献3】
特開昭58−128145号公報(第243〜246頁)
【特許文献4】
特開平10−314581号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開昭59−29033号公報(第195〜196頁)
【特許文献6】
特許第2658640号公報(第1〜8頁)
【特許文献7】
特開2000−50849号公報(第1〜6頁)
【特許文献8】
特開平10−314581号公報(第2頁)
【特許文献9】
特許3288265号公報(第1〜10頁)
【非特許文献1】
田部浩三、清山哲郎、笛木和夫編、「金属酸化物と複合酸化物」講談社サイエンティフィク(1978年)、103頁
【非特許文献2】
西本精一、大谷文章、坂本章、鍵谷勉、日本化学会誌、1984、246-252(1984)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安全性が高く、金属探知機等への影響がなく、酸素吸収能が優れ、かつ光触媒作用による抗菌性、鮮度保持性も併せ持つ、食品類、金属製品、精密機械などの工業製品、医薬品、美術工芸品、文化財などの広い分野の物品の保存用に好適な品質保持剤を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上の状況に鑑み、また上記の課題を解決するために鋭意研究を行い、特定の低次酸化チタンを塩基性化合物で処理することによって得られた物質が、その酸素吸収速度が著しく増大することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)塩基性化合物で処理した低次酸化チタンを含有することを特徴とする、品質保持剤。
(2)低次酸化チタンが、二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持し、一般式TiO2−x(ここで、xは0.1から0.5の実数を示す)で表される構造を有するものである、前記(1)記載の品質保持剤。
(3)低次酸化チタンが、アナターゼの結晶構造を保持するものである、前記(1)または(2)記載の品質保持剤。
(4)低次酸化チタンが、硫酸根を含有する低次酸化チタン複合体である、前記(1)乃至(3)記載の品質保持剤。
(5)低次酸化チタンが、更にニッケル種を含有する低次酸化チタン複合体である、前記(4)記載の品質保持剤。
(6)塩基性物質が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、アンモニア、炭酸アンモニウム、および炭酸水素アンモニウムからなる群から選ばれる化合物である、前記(1)乃至(5)記載の品質保持剤。
(7)前記(1)乃至(6)記載の品質保持剤を、無酸素雰囲気下で気密性の包装容器に封入した形態である、品質保持剤製品。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明に使用する低次酸化チタンは、TiOで表される二酸化チタンの酸素原子が一部脱離したTiO2−xで表され、ここでxは0.1から0.5の実数を示すものを言う。このような低次酸化チタンは、二酸化チタンを還元処理することによって得られるが、二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持した状態のものが好ましい。
【0012】
また、本発明に使用する硫酸根を含有する低次酸化チタン複合体は、二酸化チタンに含浸、吸着、共沈殿又は物理的混合によって硫酸根を含有させ、還元処理を施すことによって酸素原子が一部脱離した結晶構造の低次酸化チタンと硫酸根の複合体であり、又は、原料の二酸化チタンとして硫酸根を含むものを使用し、これを還元処理することによって得られる酸素原子が一部脱離した低次酸化チタンと硫酸根の複合体である。或いは、これに含浸、吸着、共沈殿又は物理的混合によって更にニッケル種を含有させ、還元処理した低次酸化チタン複合体が更に好ましい。また、この場合、これらの低次酸化チタン複合体は原料の二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持したものが好ましい。
【0013】
本発明において用いる二酸化チタン(TiO2)は、アナターゼ型、ルチル型若しくはブルッカイト型の結晶系のもの、又はアモルファスのもののいずれも使用し得るが、アナターゼ型の二酸化チタンが光触媒作用が優れているから好適である。その形状は、特に制限はなく、例えば粒状、球状、顆粒状、粉末状であってもよいが、表面積が大きいほうが、還元反応がしやすく、還元反応で製造された低次酸化チタンの酸素吸収能が大きく、また光触媒作用も優れるため好ましい。それらの粒径は、1nm(10 9m)から1μm(10−6m)程度のものまでを使用でき、より好ましくは3nm(3×10 9m)から0.1μm(10−5m)のものが使用できるが、一般には粒径の小さいものが好ましい。また、望ましくは、直径1mm程度の大きさの粒状に造粒した二酸化チタンを使用してもよい。比表面積は5m2/gから400m2/g程度、好ましくは50m2/gから390m2/gのものを使用することができるが、比較的に大きな値を有するものが還元処理には効果的である。以上の二酸化チタンは製品として市販されているものを原料としてそのまま使用することも可能であり、あるいは硫酸チタン、四塩化チタン、硝酸チタンなど無機酸のチタン塩あるいはチタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドあるいはチタンテトラ(2−エチルヘキサノエート)などのチタン化合物を加水分解あるいは苛性ソーダで中和、沈殿などの方法により調製することもできる。
【0014】
市販のアナターゼ型二酸化チタンの代表的な製品としては、堺化学工業株式会社製のSSP25、CSPM、テイカ株式会社製のAMT−100、石原産業株式会社製のST01あるいはMC−50などが知られている。更にこれらの二酸化チタンを使用して、以下に詳しく記載する本発明のニッケル種や硫酸根を含む二酸化チタンを使用することができる。
【0015】
本発明に使用するニッケル種とは、ニッケル原子を必須成分とする化合物、又はニッケル原子を必須成分とする金属若しくは合金を言う。また、ここでニッケル原子はいわゆる電離したイオン状態のものも含む。
ニッケル原子を必須成分とする化合物としては、例えば、無機酸のニッケル塩、有機酸のニッケル塩、ニッケルアルコキシド、および配位子を配位したニッケル錯塩からなる群から選ばれるニッケル原子を必須成分として含む化合物である。このような化合物としては、例えば、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケルなどの無機酸のニッケル塩;酢酸ニッケル、プロピオン酸ニッケル、蓚酸ニッケルなどの有機酸のニッケル塩;その無水和物、結晶水を持つ水和物が挙げられ、あるいはそれらにアンモニア、エチレンジアミンなどの配位したニッケル錯塩、アセチルアセトンなどを配位したニッケル化合物、ニッケルイソプロポキシドなどのニッケルアルコキシドを用いることができる。
【0016】
また、ニッケル原子を必須成分とする金属または合金としては、例えば、ニッケル金属そのものまたはニッケルと他の元素から構成される合金、ニッケル金属と他の金属との混合物である。このような合金又は金属混合物としては、例えば、ニッケルとコバルト、鉄、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどから選ばれる金属との合金又は混合物が挙げられる。
【0017】
本発明の品質保持剤は、通常は低次酸化チタンに硫酸根を含有し、更にはニッケル種を含有した低次酸化チタン複合体を、塩基性化合物で処理したものであるが、特に望むなら低次酸化チタンを塩基性化合物で処理したものでも良い。該低次酸化チタン複合体および低次酸化チタンは、塩基性化合物で処理することによって、低次酸化チタンの酸素吸収速度が著しく増加する。その作用機構は明らかではないが、低次酸化チタン粒子内部への酸素の拡散速度を速め、その結果、酸素吸収速度を速めているものと考えられる。
【0018】
本発明に使用する塩基性化合物としては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ、それにアンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
【0019】
以上のような本発明の品質保持剤は、鉄系の成分を一切使用しないため、従来の鉄系の酸素吸収剤にみられる金属探知機等へ感応するという悪影響がなく、また、アスコルビン酸系の酸素吸収剤のような有機化合物にみられる融解、溶解、燃焼などのトラブルが発生する心配も存在せず、安全性の高い品質保持剤として広い用途に適用し得るものである。即ち、本発明の品質保持剤は、良好な酸素吸収能を有しており品質保持剤としての性能に優れると同時に、二酸化チタンを使用しているため、毒性が少なく、広い温度範囲にわたり固体状であり融解や溶解による食品等への汚染の心配がないこと、不燃性であること等の点において、従来の品質保持剤に比べて優れた性質と極めて広範な安全性を有するものである。
【0020】
また、本発明に使用する二酸化チタンは、二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持したまま還元を行うことが好ましい。そして、アナターゼ型の結晶構造の二酸化チタンを使用する場合には光触媒作用を有しており、この光触媒作用による抗菌性、鮮度保持性をも併せて品質保持剤の作用として付与させることができる。従って、酸素吸収、抗菌、鮮度保持を目的として幅広い用途に品質保持剤として使用でき、かつ安全性の優れた品質保持剤として提供することができる。
【0021】
本発明に使用する低次酸化チタンは、オリジナルの二酸化チタン(TiO2)の結晶構造を保持したものであることが好ましい。
低次酸化チタンを製造する方法としては、二酸化チタンを水素ガス等の還元剤を用いて還元する方法等が考えられる。オリジナルの二酸化チタン(TiO2)の結晶構造を保持した状態で還元を行なうためには、できるだけ低い温度で還元反応を行うことが望ましく、450℃以下で行うことがより好ましい。還元反応に使用する二酸化チタンには、硫酸根を含むものが好ましく、更にこれにニッケル種を含むものを使用することが好ましい。硫酸根及びニッケル種を含む二酸化チタンを使用することによって、350℃以下の比較的低い温度、好ましくは150から300℃、より好ましくは180から280℃、最も好ましくは180から260℃という低い温度で、オリジナルの二酸化チタンの結晶構造を保持したまま容易に還元することができ、酸素吸収能の優れた低次酸化チタンまたはその複合体が得られる。硫酸根とニッケル種との作用は明らかではないが、還元反応の触媒的な働きをしているものと考えられる。
【0022】
硫酸根を含有する二酸化チタンを得る方法としては、例えば、チタン鉱石を硫酸で溶解し、加熱してメタチタン酸または水酸化チタンにして濾過、洗浄後焼成して製造する工程において、洗浄の程度を調節して硫酸根を残留させる方法、二酸化チタンの製造過程で硫酸根が含有されない場合には、製造された二酸化チタンを硫酸水溶液に含浸し、乾燥後焼成することにより硫酸根を含有する二酸化チタンを得る方法等が挙げられる。
二酸化チタン中の硫酸根の含有量は、チタン原子に対して通常0.01から10質量%(以下、単に「%」と記載する)程度であるが、特に望むなら20%あるいはそれ以上の量を用いてもよい。硫酸根の含有量が少なすぎる場合は、還元後の二酸化チタンの酸素吸収量が不十分であり、また硫酸根の含有量が多すぎても、酸素吸収量はそれほど向上しない。
【0023】
ニッケル種を含む二酸化チタンを得る方法としては、二酸化チタンに前記したニッケル化合物を溶液の形で含浸または吸着する方法、無機酸のチタン塩等のチタン化合物の水溶液と前記ニッケル化合物の水溶液を共沈殿する方法、さらに特に望むなら二酸化チタンと前記ニッケル化合物又はニッケル原子含有金属粉をごく微細な状態にして単に混合する方法などがある。また、本発明に使用するニッケル種を含む二酸化チタンとしては、上記のように含浸、吸着、共沈殿、あるいは混合により得られるもののほかに、これらのニッケル種を含む二酸化チタンを、更にその後、洗浄、加熱乾燥、焼成、粉砕等の諸工程で熱分解などにより化学構造変化を生じたものも含む。
【0024】
二酸化チタン中のニッケル種の含有割合は、二酸化チタンを還元するために必要な量であって特別な制限を求めないが、還元の際に触媒としての作用を発揮する量であればよく、少量でよい。一般的に、二酸化チタンに対して、ニッケル原子として0.01から15%、好ましくは0.03から10%の範囲で用いるのがよい。
ニッケル種の含有割合が0.01%よりも少ないと二酸化チタンの還元があまり進まず、その結果酸素吸収量が不十分となり、またニッケル種の含有割合が15%より多くても酸素吸収量の向上がみられないのみならず、酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型になりにくく、光触媒作用の十分なものが得られ難い。
【0025】
本発明に使用する低次酸化チタンまたはその複合体は、硫酸根及び更にはニッケル種を含む二酸化チタンを還元剤、通常は水素ガスを用いて還元することにより容易に製造することができる。還元温度は450℃以下の温度で実施することが二酸化チタンの結晶構造をそのままに保つ上から望ましく、好ましくは150から300℃範囲、さらに好ましくは180から280℃、最も好ましくは180から260℃である。
【0026】
還元剤としては水素ガスが最も好ましく、水素ガスによって支障なく還元を行い得るが、従来から還元剤として知られる化合物、例えば、エチルアルコールなどのアルコール類、プロピレンなどの炭化水素化合物を使用してもよい。また、特に望むなら、紫外線などの照射による反応を促進する方法も妨げるものではない。
還元処理に際しては、特に望むならばアルミナあるいはシリカなどを併用してもよく、また、ニッケル以外の原子、例えば、コバルト、鉄、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの原子を必須成分とする化合物および/または金属をニッケル種とともに使用してもよい。
【0027】
還元反応は、酸素ガスを遮断し、その混入のない装置で行なうことが求められる。本発明に使用する二酸化チタンの還元では、還元に用いる装置について特別の制限は設けない。通常はステンレス製反応管式で耐圧性を備えたものを用い、不活性ガスをキャリアーガスに用い、加圧、加熱下に還元剤、例えば水素ガスを導入して還元反応を行う。キャリアーガスとしてはアルゴンガスなどの希ガス、窒素ガスが用いられる。反応器内の圧力は通常0.01MPaから0.7MPa程度、好ましくは0.05MPaから0.5MPaの範囲で行う。還元反応は、反応器内を上記の圧力に保ち、還元温度は、上述の如く450℃以下、好ましくは150℃から300℃の範囲で数時間かけて行う。二酸化チタンは、水素ガスなどの還元剤により還元処理を行われると二酸化チタンの酸素の一部が水素との反応により脱離して水を生成する。還元反応を終了して得られる反応物は暗灰色から黒色を呈し、冷却後、反応器と共にグローブボックスに移し酸素を遮断した窒素ガス気流中で密封容器中に取出される。
【0028】
このようにして得られた低次酸化チタンまたはその複合体を、無酸素雰囲気下で塩基性化合物によって処理することにより本発明の品質保持剤が得られる。
低次酸化チタンを塩基性化合物で処理する方法としては、塩基性化合物を直接低次酸化チタンと混合する方法、塩基性化合物を水に溶解させ、その水溶液をスプレー等で低次酸化チタンの表面に噴霧する方法、塩基性化合物水溶液をシリカ粉などに坦持させてから低次酸化チタンに分散・混合させる方法、塩基性化合物または塩基性化合物水溶液を加温したりして、気体状にし、低次酸化チタンと接触させる方法などがあげられる。低次酸化チタンと塩基性化合物との混合は、窒素ガス雰囲気等の酸素ガスのない雰囲気下で行なうのが好ましい。
【0029】
低次酸化チタンを処理する塩基性化合物の添加量は、低次酸化チタンに含まれる硫酸根等の官能基の量に対応する量以上、20倍量以下であることが好ましい。塩基性化合物の添加量が少なすぎる場合は酸素吸収速度向上効果が少なく、また、塩基性化合物添加量が多すぎても、酸素吸収速度はそれほど向上しない。例えば、硫酸根が0.3モル含まれる場合、一価の塩基性化合物(アンモニア等)なら0.6モルから12モルの範囲の量を添加し、二価の塩基性化合物(炭酸ナトリウム等)なら0.3モルから6モルの範囲の量を添加するようにする。
【0030】
このようにして得られた塩基性化合物で処理した低次酸化チタンまたはその複合体を、好ましくは窒素などで置換した無酸素雰囲気下で、気密性の包装容器や包装袋の中に入れて、本発明の品質保持剤製品とする。包装容器は気密性の合成樹脂製や金属製のもので、使用時に気密状態を開放する構造のものであればよい。包装袋は酸素透過性のない合成樹脂製や金属箔、その他の材料でできたもので、使用時にその封を開いて使用する構造のものであればよい。
また、本発明の品質保持剤製品には、補助的な成分として、シリカ、モンモリロナイトなどの天然産の鉱物、活性白土などの加工された鉱物、合成シリカ、ゼオライトなどの合成鉱物、活性炭などの吸着剤を必要に応じて使用してもよい。また、従来から使用されている酸素吸収促進剤の成分なども必要に応じて、本発明の特徴を損なわない範囲で併用することを妨げるものではない。
【0031】
二酸化チタンを還元して得られる低次酸化チタンのみの場合は、通常100から700時間をかけてゆっくりと酸素を吸収する。しかし、本発明の塩基性化合物で処理した低次酸化チタンを使用した品質保持剤の場合には、酸素吸収の速度が大きく増加し、20から40時間程度で酸素の吸収を完了する。
また、本発明の品質保持剤は、いったん使用して酸素を吸収したものを、製造時と同じ条件で水素ガス等によって還元することにより、再び同じ程度の酸素吸収能力を回復することができ、品質保持剤として繰り返して使用することができる。
【0032】
また、アナターゼ型の二酸化チタンを出発原料に用いた場合には、光触媒作用をも兼ね備えているので、エチレン分解性、抗菌活性などの付加的な機能を有する従来のものに見られない、より一層広い用途の品質保持剤を提供することができる。
【0033】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「%」は、特別に記載しない限り質量基準である。
【0034】
実施例1:
1.1 酢酸ニッケルの含浸による二酸化チタン複合体( 1-2 )の調製
堺化学工業株式会社より提供された硫酸根(SO4)10.0%を含むアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタン(1-1、比表面積 268.0 m2/g)の20.0g(250mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで酢酸ニッケル(Ni(CH3COO)・4H2O)3.1g(12.5mmol)と水20.0gの均一溶液を加えて、よく混合した後、一夜放置する。マッフル炉で250℃、2.5時間乾燥し、冷却後、粉砕し、硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(1-2)[TiO2・(Ni(CH3COO)2)0.05 、MW:88.7、硫酸根は分子量の計算に含めない]の20.4g(88.3%)を得た。この硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(1-2)は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。なお、X線回折装置(XRD)はマックサイエンス社製、全自動回折装置、MXP3A を用いた。
【0035】
1.2 二酸化チタン複合体( 1-2 )の水素還元
ステンレス製1/8インチ管に圧力ゲージの付いたイナートガスライン、同じく水素ガスラインを、温度計を付したステンレス製の内径35mm、高さ130mmの円筒形のステンレス製反応器に接続し、反応器の排出ガス用ステンレス製1/8インチ管ラインに組成分析用のガスクロマトグラム、トラップ、バックプレッシャーバルブを付した反応装置を用意した。この反応装置を用い、上記の硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン(1-2)の5.0g(56.4mmol)を反応器内に仕込んだ。キャリアガスとしてアルゴンガスを付加圧力0.4MPa、流速100ml/minで導入し、加熱を開始した。180℃の温度で水素ガスの付加圧力0.4MPa、バックプレッシャーバルブのゲージ圧を0.3MPaに設定し、すなわち反応装置内の圧力を0.3MPaに保って、還元ガスとして水素ガスを流速で22ml/minで導入して還元反応を開始し、反応状況をガスクロマトグラムにより調べた。180℃で水素ガスの導入を開始すると水素ガスが二酸化チタンの酸素原子を還元したことによると推定される水の生成が認められた。180℃の温度で60分を経過すると水の生成量の低下がみられたため、200℃に昇温して水の生成量の低下するまで継続し、以後、反応温度を220℃、240℃、260℃と段階的に高めて合計480分間(8時間)水素ガスを導入して還元反応を行った。この間に生成した水の量を積算すると硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(1-2)[TiO2・(Ni(CH3COO)2)0.05、分子量:88.7]の1グラム(11.3mmol)当たり水47.8ml(2.13mmol 、0℃の換算値)であった。反応器を冷却した後バルブを閉じ加圧状態で、グローブボックス内に反応物を移し窒素ガスで完全に置換してグローブボックス内の酸素濃度が30ppm以下に到達した後、窒素ガス流通下に酸素濃度を50ppm以下に保ちながら反応物(1-3)を反応器から気密な二つのプラスチック包装容器(ガスバリヤー袋)に分けて取り出した。これを計量し、黒色の反応物(1-3)の4.4gを得た。
【0036】
この二つのプラスチック袋に納められた反応物(1-3)のうちの一つの、反応物(1-3)2.0gを含むプラスチック包装容器(ガスバリヤー袋)に空気500mlを導入し、その後の酸素濃度を測定した。この結果から、反応物(1-3)は約30日で酸素の吸収を終了し、酸素の吸収量は23.8ml/g(1.06mmol/g、0℃の換算値)であることが判明した。この酸素吸収量から算出したxの値は0.188(=1.06×2/11.3)であり、TiO2−xで表した場合にTiO1.81である低次酸化チタンが得られた。この反応物(1-3) は、X線回折装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。これらの結果から、反応物(1-3) は、オリジナルの二酸化チタンの結晶構造を保持し、かつ(TiO 1.81)で表わされる低次酸化チタンに硫酸根及びニッケル種を含む低次酸化チタン複合体であることが確かめられた。グローブボックスから取り出した際は黒色であった反応物(1-3)は、酸素を吸収した後、淡い灰色に変化した(1-4)。この酸素を吸収した淡い灰色の反応物(1-4)は、XRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確認された。酸素濃度の分析にはPBI‐Dansensor A/S社製、酸素濃度計Check Mate O2/CO2を使用した。以下の実施例においても同じ装置を用いて測定した。
【0037】
1.3 低次酸化チタン複合体( 1-3 )のアンモニア処理
この二つのプラスチック袋に納められた反応物(1-3)のうちの一つの上記の反応物2.4gを、気密なプラスチック包装容器(ガスバリヤー袋)に取出す際に、少量の脱脂綿を同時に袋内の反応物に触れない状態で収め、ヒートシールにより密封し600mlの空気を封入した。次いで、12.5%濃度のアンモニア水1gを袋内の脱脂綿に注射器で注入した。なお、封入の際には、ゴムテープを袋に貼り付け注入の際における外気の混入を防いだ。脱脂綿の部分を外部から15分間暖めてアンモニアガスを気化させ、5時間放置し、反応物(1-3)をアンモニアで処理し、本発明の品質保持剤に相当するアンモニア処理した反応物(1-5)を得た。このアンモニア処理した反応物(1-5)の酸素吸収量を測定したところ、15時間後における累計の酸素吸収量は21.1ml/g(25℃)、24時間後における累積の酸素吸収量は25.8ml/g(25℃)に達し、この値は48時間経過した後も同じであった。アンモニア処理した反応物(1-5)も、同様に酸素を吸収した後、その外観が淡い灰色に変化した(1-6)。
以上のように、アンモニア処理を行なわない反応物(1-3)に空気を封入しそのまま放置した場合には酸素を吸収するのに30日余りを要するが、アンモニア処理を行なった反応物(1-5)の場合には、酸素吸収が加速され、24時間程度で同程度の酸素吸収量に達することができ、品質保持剤として使用した場合に優れた作用を発揮することがわかった。
【0038】
1.4酸素を吸収した反応物( 1-6 )の光触媒作用によるエチレンガスの分解
上記の1-3で得られた酸素を吸収したアンモニア処理反応物 (1-6)の0.1gを内径8.5cm(57cm)のガラス製シャーレに採り、3gの純水を加えて均一に混合し、乾燥して箔膜状にし、後述する蛍光灯(BL東芝ライテック社製FL20S・BLB-A 20W/本を6本使用)を3時間照射して反応物(1-6)の表面を清浄な状態にした。このシャーレをテドラーバッグ(Tedlar bags、材質 フッ素樹脂、サイズ170mm×250mm、井内盛栄堂製)に収め、熱シールする。袋内の空気をアルゴン/酸素=80/20の混合ガスで置換し、ついでエチレンガス1000ppmを注射器で注入した。封入の際には、ゴムテープを袋に貼り付け注入の際における外気の混入を防いだ。この試料などを収めたテドラーバッグを光照射箱に収め、40ワット蛍光灯(ブラックライト(BL)、0.1mW/cm(光の波長436nm)、1mW/cm2(光の波長365nm))で照射したところ、5時間経過後で当初のエチレンガス濃度が1000ppmから500ppm以下に半減した。従って、酸素吸収後の反応物(1-6)は優れた光触媒作用を有していた。
【0039】
実施例1のまとめ
実施例1では、硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタンを還元した。その結果、180℃〜260℃の温和な加熱条件で、容易に二酸化チタンに含まれる酸素原子が還元され酸素原子が一部脱離した低次酸化チタン複合体を得た。この低次酸化チタン複合体の結晶構造はアナターゼ型を保持していた。この低次酸化チタン複合体の収量4.4gのうち2.4gを使用しアンモニア水溶液で処理して得た本発明の品質保持剤について、その酸素吸収能を測定した。その結果、酸素吸収量は25.8ml(25℃)つまり23.6ml/g(0℃の換算値)と優れ、24時間で酸素吸収が終了するような、酸素吸収速度も優れた低次酸化チタンが得られた。また、エチレンガス分解能も優れ、光触媒作用を有していることが確認された。
一方、アンモニア水溶液で処理しない低次酸化チタン複合体を使用した場合には、酸素吸収量は23.8ml/g(0℃の換算値)と同程度の酸素吸収量を有するものの、酸素吸収に要する合計時間が約720時間(30日)と非常に遅い結果であった。即ち、アンモニア水溶液の処理によって、酸素吸収速度が30倍に促進され、このような塩基性化合物で処理した低次酸化チタンが酸素吸収速度が大きく、品質保持剤として優れていることがわかった。
【0040】
実施例2
2.1 酸素を吸収した反応物 (1-6) より低次酸化チタンの再生とその酸素吸収
1.1で調製したアナターゼ型の硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(1-2)の5.0gを用い、前記1.1および1.2に記載したと同様の方法で還元した反応物(1-3)に酸素を吸収させた淡い灰色の反応物(1-4)の3.0gを出発原料として、これを1.2で用いた還元反応装置に仕込んだ。キャリアガスとしてアルゴンガス100ml/min、還元ガスとして水素ガス14ml/minの条件で再還元を行い、反応物(1-3)に相当する黒色の反応物(1-3b)の2.4gを得た。この反応物(1-3b)、すなわち再生された低次酸化チタン複合体の酸素吸収速度を測定したところ約30日で酸素の吸収を終了し、酸素の吸収量は24.3ml/g(1.08mmol/g、0℃換算値)であった。この結果より算出したxの値は0.191(=1.08×2/11.3)であり、これはTiO2− Xで表した場合にTiO1.81である低次酸化チタン複合体であり、酸素吸収前の反応物(1-3)が再生されたことが確認された。
【0041】
2.2 低次酸化チタン複合体 (1-3b) の炭酸ナトリウム処理
2.1にて得た反応物、すなわち低次酸化チタン複合体(1-3b)の1.4gをガスバリヤー袋に入れ、併せて炭酸ナトリウム(Na2CO3)0.7gを水2gに溶解し、更に合成シリカ(日本シリカ工業株式会社製のニップシールNS-K)の1gを加えて混合し、低次酸化チタン複合体(1-3b)の炭酸ナトリウム処理を行なった。得られた炭酸ナトリウム処理した低次酸化チタン複合体(1-5b)の5.1gを同じバリヤー袋に入れ、ヒートシールにより密封し、350mlの空気を封入した。1時間放置した後における酸素吸収量は12ml/g(25℃)、24時間後における累計の酸素吸収量は20.8ml/g(25℃)に達し、この値は48時間後も同じであった。
【0042】
この酸素吸収量20.8ml/g(25℃)は0℃換算すると、20.8×273/298=19.1ml/gとなり、0.85mmol/gである。この酸素吸収量から算出したxの値は0.150(=0.85×2/11.3)であり、TiO2-Xで表した場合にTiO1.85である低次酸化チタン複合体が得られた。この酸素を吸収した炭酸ナトリウム処理した反応物(1-6b)は、X線解析装置(XRD)の測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。また、グローブボックスから取り出した際は黒色であった反応物(1-3b)は酸素を吸収した後、淡い灰色に変化した(1-4b)。これらの結果から、炭酸ナトリウムで処理した反応物(1-5b)は、オリジナルの二酸化チタンの結晶構造を保持した低次酸化チタン複合体(TiO1.85)であり、酸素吸収速度が大きく品質保持剤として有用であることが確かめられた。
以上のように、塩基性物質で処理を行なわない低次酸化チタンに空気を封入しそのまま放置した場合には酸素を吸収するのに30日余りを要するが、本発明の品質保持剤である炭酸ナトリウム処理を行なった反応物(1-5b)の場合には、酸素吸収が加速され、24時間程度で同程度の酸素吸収量に達することができた。
【0043】
実施例3:
3.1 酢酸ニッケルの含浸による二酸化チタン複合体 (2-2) の調製
堺化学工業株式会社より提供された硫酸根を含むアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタン CSPM(2-1)[比表面積:120m2/g、蛍光X線による硫黄の分析値(S=2.68%)であり、硫酸根への換算値8.0%]の20.0g(250mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで酢酸ニッケル[Ni(CH3COO)2・4H2O]3.1g(12.5mmol)と水19.2gの均一溶液を加えて、よく混合した後、一夜放置した。マッフル炉で250℃で2.0時間乾燥し、冷却後、粉砕し、硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(2-2) [TiO2・Ni(CH3COO)2)0.05、MW:88.7、硫酸根は分子量の計算に含めない]の20.8g(89.7%)を得た。この硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(2-2)は、XRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられた。
【0044】
3.2二酸化チタン複合体 (2-2) の水素還元
実施例1と同じ反応装置を用い、上記の硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(2-2)の5.0g(56.4mmol)を反応器内に仕込んだ。イナートガスとして窒素ガスを付加圧力0.2MPa、流速100ml/minで導入し、240℃の温度に加熱し、水素ガスの付加圧力0.4MPa、バックプレッシャーバルブのゲージ圧を0.1MPaに設定し、すなわち反応装置内を0.1MPaに保って、水素ガスの流速を22ml/minで導入して還元反応を開始し、反応状況をガスクロマトグラムにより調べた。235℃から240℃の反応温度で水素ガスの導入を開始すると、水素が二酸化チタンの酸素原子を還元したことによると推定される水の生成が認められた。合計320分間水素ガスを導入して反応を終了した。この間に生成した水の量を積算すると硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン[TiO2・Ni(CH3COO)2)0.05、MW:88.7]の1グラム(11.3mmol)当たり水49.5ml(2.21mmol、0℃の換算値)であった。反応器を冷却した後バルブを閉じ加圧状態で、グローブボックス内に反応物を移し窒素ガスで完全に置換してグローブボックス内の酸素濃度が30ppm以下に到達した後、窒素ガス流通下に酸素濃度を50ppm以下に保ちながら反応物(2-3)を反応器から機密な二つの包装容器(ガスバリヤー袋)に分けて取出した。これを計量し、黒色の反応物(2-3)の4.3gを得た。
【0045】
この二つのプラスチック袋に収められた反応物(2-3)のうちの一つの、反応物(2-3)の2.4gを含んだガスバリヤー袋に空気600mlを導入したところ、30日余りで酸素の吸収を終了した。この測定した結果から、反応物(2-3)は22.6ml/g(1.01mmol/g、0℃の換算値)の酸素を吸収していることが判明した。酸素ガス吸収量から算出したxの値は0.18(=1.01×2/11.3)であり、TiO2−xで表した場合にTiO1.82である酸化チタンを得た。この反応物(2-3)はXRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確かめられ、オリジナルの二酸化チタンの結晶構造を保持した低次酸化チタン複合体(TiO1.82)であることが確かめられた。
また、グローブボックスから取出した際は黒色であった反応物(2-3)は酸素を吸収した後、淡い灰色に変化した(2-4)。この酸素を吸収した淡い灰色の反応物(2-4)は、XRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確認され、もとの結晶構造の酸化チタン(TiO)が再生していることがわかった。
【0046】
3.3 低次酸化チタン (2-3) のアンモニア処理
この二つのプラスチック袋に収められた反応物(2-3)のうちのもう一つの反応物の1.9gを、気密なプラスチック包装容器(ガスバリヤー袋)に取出す際に、少量の脱脂綿を同時に袋内に反応物に触れない状態で収め、ヒートシールにより密封し、475mlの空気を封入した。12.5%濃度のアンモニア水0.8gを袋内の脱脂綿に注射器で注入した。封入の際には、ゴムテープを袋に貼り付け注入の際におこる外気の混入を防いだ。脱脂綿の部分を外部から15分間、暖めてアンモニアガスを気化させ、24時間放置し、反応物(2-3)をアンモニアで処理し、本発明の品質保持剤に相当するアンモニア処理した反応物(2-5)を得た。このアンモニア処理した反応物(2-5)の酸素吸収量を測定したところ、30時間後における酸素吸収量は21.8ml/g(25℃)であり、48時間後における累計の酸素吸収量は22.7ml/g(25℃)であった。
また、グローブボックスから取出した際は黒色だったアンモニア処理した反応物(2-5)は酸素を吸収した後、淡い灰色に変化した(2-6)。この酸素を吸収した淡い灰色の反応物(2-6)は、XRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することが確認された。
【0047】
以上のように、反応物(2-3)に空気を封入しそのまま放置した場合には酸素を吸収するのに30日余りを要するが、塩基性物質であるアンモニア水で処理した反応物(2-5)の場合には、酸素吸収が加速され、1日から2日程度で同程度の酸素吸収量に達することができ、品質保持剤として使用した場合に優れた作用を発揮することがわかった。
この反応物(2-5)の酸素吸収量22.7ml/g(25℃)は、0℃に換算すると20.8ml/gであり、0.93mmol/gに相当する。そして、酸化チタンをTiO2−xで表した時の酸素吸収量から算出したxの値は0.16(=0.93×2/11)であり、TiO2−xで表した場合にTiO1.84である酸化チタンを得た。この反応物(2-5)はXRDの測定結果からアナターゼ型の結晶構造を有することがたしかめられ、オリジナルの二酸化チタンの結晶構造を保持した低次酸化チタン複合体(TiO 1.84)であることが確かめられた。
【0048】
3.4 酸素を吸収した反応物 (2-6) の光触媒作用によるエチレンガスの分解
酸素を吸収したアンモニア処理反応物(2-6)の0.1gを用いて、実施例1に記載したと同じ方法でエチレンガスの分解を試験した結果、5時間で当初の1000ppmから500ppm以下の濃度に半減した。
【0049】
3.5 酸素を吸収した反応物 (2-6) より低次酸化チタンの再生とその酸素吸収
3.1で調製したアナターゼ型の硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体(2-2)の5.0gを用い、2.1および2.2に記載したと同じ還元装置と方法で還元した反応物(2-3)に酸素を吸収させた淡い灰色の反応物(2-4)の3.0gを出発原料として、これを2.2で用いた還元反応装置に仕込んだ。キャリアガスとして窒素ガス100ml/min、還元ガスとして水素ガス14ml/minの条件で再還元を行い、反応物(2-3)に相当する黒色の反応物(2-3b)2.4gを得た。この反応物(2-3b)、すなわち再生された低次酸化チタン複合体の酸素吸収速度を測定したところ約30日で酸素の吸収を終了し、酸素の吸収量はアンモニア処理なしの場合で23.1ml/g(1.03mmol/g、0℃換算値)であった。この結果より算出したxの値は0.182(=1.03×2/11.3)であり、これはTiO2-Xで表した場合にTiO1.82である低次酸化チタン複合体であり、酸素吸収前の反応物(2-3)が再生されたことが確認された。
【0050】
実施例3のまとめ
実施例3も、硫酸根とニッケル種を含む二酸化チタン複合体を還元した。その結果、235℃〜240℃の温和な加熱条件で、容易に二酸化チタンに含まれる酸素原子が還元され酸素原子が一部脱離した低次酸化チタン複合体を得た。この低次酸化チタン複合体の結晶構造はアナターゼ型を保持していた。この低次酸化チタン複合体の収量4.3gのうち1.9gを使用しアンモニア水溶液で処理して得た本発明の品質保持剤について、その酸素吸収能を測定した。その結果、酸素吸収量は22.7ml(25℃)つまり20.8ml/g(0℃の換算値)と優れ、24時間〜48時間で酸素吸収が終了するような、酸素吸収速度も優れた低次酸化チタン複合体が得られた。また、エチレンガス分解能も優れ、光触媒作用を有していることが確認された。
一方、アンモニア水溶液で処理しない低次酸化チタン複合体を使用した場合には、酸素吸収量は22.6ml/g(0℃の換算値)とアンモニア水溶液処理した場合と同程度の酸素吸収量を有するものの、酸素吸収に要する合計時間が約720時間(30日)と非常に遅い結果であった。即ち、炭酸ナトリウム水溶液の処理によって、酸素吸収速度が15〜30倍増加し、このような塩基性化合物で処理した低次酸化チタンは酸素吸収速度が大きく、品質保持剤として優れていることがわかった。
【0051】
実施例4:保存試験
4.1品質保持剤製品の作製
グローブボックス内で、無酸素の窒素雰囲気下で、実施例1の1.2と同様に調製した低次酸化チタン複合体の6.0gに、水6.0gに炭酸ナトリウム(Na2CO3)2.0gを溶解した炭酸ナトリウム水溶液、および合成シリカ(日本シリカ工業株式会社製ニップシールNS-K)の3.0gを加えて均一に混合して、低次酸化チタンの炭酸ナトリウム処理を行い、本発明の品質保持剤を調製した。この品質保持剤をポリエチレンテレフタレートとポリエチレンをラミネートし、小孔を開けた通気性の袋(約6cm×約6cm)に入れて品質保持剤入り小袋を製作し、これを更に気密性の透明な袋に入れて、すばやく熱シールして品質保持剤製品を製造した。
【0052】
4.2洋菓子(ワッフル)を用いた品質保持試験
ガスバリヤー性の透明な袋に、4.1で作成した品質保持剤製品から取り出した小袋と86gのワッフルをすばやく入れ、入り口を熱シールし、内部の空気を注射器で抜き出し、あらたに、空気500mlを注射器で注入した。注射器で排出、注入の際には、ゴムテープを袋に貼り付け外気の混入を防いだ。袋内の酸素濃度を測定したところ、24時間後に3.7%、48時間後に3.1%、72時間後には0%になっていた。このサンプルを室温(15〜25℃)、暗所に15日放置したが、ワッフルの外観の変化はなく、品質の変化も生じなかった。二酸化炭素濃度は、初期から15日間の放置の間を通して、常に1%以下であった。
【0053】
比較例1
ガスバリヤー製の袋に、87gのワッフルのみを入れ、入り口を熱シールし、内部の空気を注射器で抜き出し、あらたに、空気500mlを注射器で注入した。注射器で排出、注入の際には、ゴムテープを袋に貼り付け外気の混入を防いだ。このサンプルを室温(15〜25℃)で、暗所で放置し、酸素濃度を測定したところ、24〜48時間後で20%、72時間後で9.4%であり、4日目には表面にカビが発生し幾つもの黒青色を呈するカビのコロニーが認められた。また、カビは発生後徐々に拡大した。酸素濃度は低下して、96時間後に0%になった。
この時の二酸化炭素の濃度は41%となり、二酸化炭素が非常に多く発生しており、カビの増殖作用で酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が急増したと思われる。このことから、72時間後には、目視では確認できなかったが、すでにカビが増殖を開始して酸素濃度が低下していたと思われる。
【0054】
実施例4と比較例1の比較
実施例4では、本発明の塩基性化合物で処理した低次酸化チタンを用いた品質保持剤の効果により、サンプル作成後48〜72時間の間に、ガスバリヤー袋内の酸素濃度が0%になり、ワッフルも15日以上保存しても異常が認められなかった。これに較べて、比較例1では、3日後にワッフルにカビが増殖を始め、4日目に肉眼で認められ、その後も急速に増殖を続けた。
【0055】
【発明の効果】
このような本発明の品質保持剤は、大きな酸素吸収能と酸素吸収速度を有するとともに、従来から使用されている鉄系の酸素吸収剤と異なり、鉄系の成分を使用しないため金属探知機での誤動作や電子レンジ等での使用に問題を生じない。また、本発明の品質保持剤は、その成分が無機化合物であるため、従来の有機化合物を使用した酸素吸収剤に見られる融解、溶解、燃焼などのトラブルの心配も存在しないため安全性が高く、広い用途に適用し得る品質保持剤を提供するものである。

Claims (7)

  1. 塩基性化合物で処理した低次酸化チタンを含有することを特徴とする、品質保持剤。
  2. 低次酸化チタンが、二酸化チタンのオリジナルの結晶構造を保持し、一般式TiO2−x(ここで、xは0.1から0.5の実数を示す)で表される構造を有するものである、請求項1記載の品質保持剤。
  3. 低次酸化チタンが、アナターゼの結晶構造を保持するものである、請求項1または2記載の品質保持剤。
  4. 低次酸化チタンが、硫酸根を含有する低次酸化チタン複合体である、請求項1乃至3記載の品質保持剤。
  5. 低次酸化チタンが、更にニッケル種を含有する低次酸化チタン複合体である、請求項4記載の品質保持剤。
  6. 塩基性物質が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、アンモニア、炭酸アンモニウム、および炭酸水素アンモニウムからなる群から選ばれる化合物である、請求項1乃至5記載の品質保持剤。
  7. 請求項1乃至6記載の品質保持剤を、無酸素雰囲気下で気密性の包装容器に封入した形態である、品質保持剤製品。
JP2002377775A 2002-12-26 2002-12-26 品質保持剤 Expired - Lifetime JP4332346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002377775A JP4332346B2 (ja) 2002-12-26 2002-12-26 品質保持剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002377775A JP4332346B2 (ja) 2002-12-26 2002-12-26 品質保持剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004201640A true JP2004201640A (ja) 2004-07-22
JP4332346B2 JP4332346B2 (ja) 2009-09-16

Family

ID=32814849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002377775A Expired - Lifetime JP4332346B2 (ja) 2002-12-26 2002-12-26 品質保持剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4332346B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005025739A1 (ja) * 2003-09-10 2005-03-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 脱酸素剤及びその製造方法
JP2005089213A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Tayca Corp 酸化チタンの製造方法
JP2005103537A (ja) * 2003-09-10 2005-04-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 脱酸素剤及びその製造方法
WO2006033176A1 (ja) * 2004-09-24 2006-03-30 Kiichirou Sumi 色変性した酸化チタン粉末及びその製造方法
JP2006111649A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収能を有する印刷インキ組成物及びそれを用いた酸素吸収性積層体
JP2006131699A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収能を有する接着剤組成物およびそれを用いた積層体
JP2006131242A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収性の包装装着用部材、およびそれを装着した包装体
JP2006240704A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Chuo Kagaku Co Ltd 酸素吸収性容器
JP2008279407A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanac Corp 可視光応答型二酸化チタン光触媒粉体およびその製造方法と装置
WO2013073590A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収多層体、および酸素吸収中空容器
WO2014021430A1 (ja) * 2012-08-02 2014-02-06 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収剤の製造方法
US9315383B2 (en) 2011-01-31 2016-04-19 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Oxygen absorbing agent and method for storing the same
JP2016524897A (ja) * 2013-08-07 2016-08-22 ネクスト エスアールエルNecst S.R.L. 食品を保存する方法
JP2017043514A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 国立研究開発法人物質・材料研究機構 微粒子の製造方法、焼結体の破砕方法及び微粒子

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005025739A1 (ja) * 2003-09-10 2005-03-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 脱酸素剤及びその製造方法
JP2005103537A (ja) * 2003-09-10 2005-04-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 脱酸素剤及びその製造方法
JP2005089213A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Tayca Corp 酸化チタンの製造方法
JP4484195B2 (ja) * 2003-09-16 2010-06-16 テイカ株式会社 酸化チタンの製造方法
WO2006033176A1 (ja) * 2004-09-24 2006-03-30 Kiichirou Sumi 色変性した酸化チタン粉末及びその製造方法
JP2006111649A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収能を有する印刷インキ組成物及びそれを用いた酸素吸収性積層体
JP2006131699A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収能を有する接着剤組成物およびそれを用いた積層体
JP2006131242A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Toppan Printing Co Ltd 酸素吸収性の包装装着用部材、およびそれを装着した包装体
JP2006240704A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Chuo Kagaku Co Ltd 酸素吸収性容器
JP4600987B2 (ja) * 2005-03-04 2010-12-22 中央化学株式会社 酸素吸収性容器
JP2008279407A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanac Corp 可視光応答型二酸化チタン光触媒粉体およびその製造方法と装置
US9315383B2 (en) 2011-01-31 2016-04-19 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Oxygen absorbing agent and method for storing the same
JP5288079B1 (ja) * 2011-11-15 2013-09-11 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収多層体、および酸素吸収中空容器
CN103384703A (zh) * 2011-11-15 2013-11-06 三菱瓦斯化学株式会社 吸氧性树脂组合物、吸氧多层体及吸氧中空容器
KR101373356B1 (ko) 2011-11-15 2014-03-25 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 산소 흡수성 수지 조성물, 산소 흡수 다층체 및 산소 흡수 중공 용기
US9199778B2 (en) 2011-11-15 2015-12-01 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Oxygen absorbing resin composition, oxygen absorbing multilayered body, and oxygen absorbing hollow container
WO2013073590A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収多層体、および酸素吸収中空容器
WO2014021430A1 (ja) * 2012-08-02 2014-02-06 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収剤の製造方法
JP5626488B2 (ja) * 2012-08-02 2014-11-19 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収剤の製造方法
CN104254392A (zh) * 2012-08-02 2014-12-31 三菱瓦斯化学株式会社 吸氧剂的制造方法
EP2881172A4 (en) * 2012-08-02 2016-03-30 Mitsubishi Gas Chemical Co METHOD FOR PRODUCING AN OXYGEN ABSORBER
US9567146B2 (en) 2012-08-02 2017-02-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing oxygen absorbing agent
JP2016524897A (ja) * 2013-08-07 2016-08-22 ネクスト エスアールエルNecst S.R.L. 食品を保存する方法
US10426182B2 (en) 2013-08-07 2019-10-01 Necst S.R.L. Method for preserving food
JP2017043514A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 国立研究開発法人物質・材料研究機構 微粒子の製造方法、焼結体の破砕方法及び微粒子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4332346B2 (ja) 2009-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4332346B2 (ja) 品質保持剤
Hou et al. The preparation of three-dimensional flower-like TiO 2/TiOF 2 photocatalyst and its efficient degradation of tetracycline hydrochloride
Zhao et al. Construction of diatomite/ZnFe layered double hydroxides hybrid composites for enhanced photocatalytic degradation of organic pollutants
Zaleska et al. Thioacetamide and thiourea impact on visible light activity of TiO2
JP4261154B2 (ja) 新規な低次酸化チタンおよびその製造方法
CN105688660A (zh) 以二氧化钛光触媒为基材的空气净化材料及其制备方法
Hoai et al. Removal of ethylene by synthesized Ag/TiO2 photocatalyst under visible light irradiation
CA2787437C (en) Composite adsorbent for catalyst residues removal from polyolefin solution polymerization mixture
ul Haq et al. Enhanced charge transfer and photocatalytic performance of cube-shaped Ag3PO4@ Zeolite-A nanocomposite
CN113662004A (zh) 一种以沸石为载体的缓释型二氧化氯消毒卡片
JP3288265B2 (ja) 酸素吸収剤及びその使用方法
JP4352113B2 (ja) 品質保持剤
JP4072592B2 (ja) 新規な酸素吸収剤とその製造方法
US20070037722A1 (en) Oxygen scavenger and method for production thereof
JP4288499B2 (ja) 脱酸素剤及びその製造方法
JP2961231B1 (ja) 脱酸素剤の製造方法
JP2013139029A (ja) 可視光吸収能を有する多孔質吸着材とその低温作製法
CN108479840B (zh) 一种具有可见光响应的光催化剂及其制备方法
CN101195477A (zh) 用于气体受控持续释放的能量活化组合物
KR20090074422A (ko) 원예산물의 선도 유지용 나노 흡착제 및 그의 제조방법
KR102266078B1 (ko) 이원자 산화물 기반 광촉매가 적용된 항균성 식품 포장재
JPS62286521A (ja) 排ガスの浄化方法
KR100419140B1 (ko) 농산물의 선도유지제
JP2005052693A (ja) 酸素吸収剤およびその製造方法
JPS6359352A (ja) 酸化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051128

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061124

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20061124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061124

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20070529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080917

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4332346

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term