JP2004196958A - 架橋基含有籠状シルセスキオキサン化合物 - Google Patents
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- IBAZGKICHYDASM-UHFFFAOYSA-N COc1nc(OCC=C)nc(OCC=C)n1 Chemical compound COc1nc(OCC=C)nc(OCC=C)n1 IBAZGKICHYDASM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【解決手段】分子内にジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類、及び当該籠状シルセスキオキサン類にラジカル開始剤、及び必要に応じて樹脂等を含有させた、籠状シルセスキオキサン類含有樹脂組成物。この組成物は、電子材料、その他幅広い分野で絶縁材料、耐熱材料、構造材料等に用いることができる。
【選択図】 選択図なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体、及びその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信用、民生用、産業用等の電子機器の分野において、実装回路を形成する基材の小型化及び高密度化の傾向は著しいものがあり、これらの用途に用いられる材料には、高耐熱性、低熱膨張係数(寸法安定性)、低誘電率等が要求される。
代表的な耐熱性熱硬化性樹脂としては、各種のポリマー材料とトリアリル(イソ)シアヌレートの組成物が挙げられる。
【0003】
トリアリル(イソ)シアヌレートは一般式(C―1)で表される多官能性化合物であり、その骨格となる六員環の優れた耐熱性を活かして架橋剤として使用され、各種ポリマーの耐熱性の向上に寄与する。
C3N3O3 (CH2CH=CH2)3 一般式(C−1)
しかしながら、トリアリル(イソ)シアヌレートを用いた架橋剤は、電子材料としては誘電率や寸法安定性が不充分であり、改善が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、樹脂系材料の優れた機械特性及び化学的な性質を損なうことなく、誘電率を低減し、さらには/あるいは寸法安定性を改良することにより以上の問題点を解決する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を使用することにより、誘電率あるいは/および寸法安定性に優れた樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有することを特徴とする籠状シルセスキオキサン類。
(2)該ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基が、少なくとも下記一般式(1−a)又は/および一般式(1−b)で表される構造を含む基であることを特徴とする(1)記載の籠状シルセスキオキサン類。
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
(一般式(1−a)におけるR1aおよび一般式(1−b)におけるR1bは、いずれも炭素数1〜6の二価の炭化水素基あるいはその置換体である。)
(3)該一般式(1−a)におけるR1a又は/および一般式(1−b)におけるR1bが―(CH2)3―、又は―CH=CHCH2―、であることを特徴とする(2)記載の籠状シルセスキオキサン類。
【0009】
(4)該籠状シルセスキオキサン類が下記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンか、又は、下記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の籠状シルセスキオキサン類:
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
(一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1から6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1から20の置換又は非置換の炭化水素基,及びケイ素原子数1から10のケイ素原子含有基から選ばれ、複数のRは同一でも異なっていても良い;一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い、又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成しても良い;nは6から14の整数、lは2から12の整数、kは2又は3である。一般式(A)において、複数のRの少なくとも1個は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。一般式(B)において、複数のR,複数のXおよびXが互いに連結して形成される連結構造から選ばれる少なくとも1個の基は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。)
【0010】
(5)該一般式(B)における連結構造が、下記一般式(2)で表される連結構造である(4)に記載の籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体:
【化6】
【0011】
(Y及びZはXと同じ基の群の中から選ばれ、YとZは同じでも異なっていても良い。)
(6)ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を1個含有する事を特徴とする(1)〜(5)に記載の籠状シルセスキオキサン類。
【0012】
(7)ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を2〜8個含有する事を特徴とする(1)〜(5)に記載の籠状シルセスキオキサン類。
(8)分子内に少なくとも1個のSi−H結合を含有する籠状シルセスキオキサン類と、トリアリル(イソ)シアヌレートとのヒドロシリル化反応により合成することを特徴とする(1)〜(7)に記載の籠状シルセスキオキサン類の製造方法。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載の籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤を含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類含有硬化性組成物。(10)(9)に記載の組成物に加えて更に樹脂を含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類含有硬化性樹脂組成物。
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ジアリル(イソ)シアヌレート基を置換基として少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類(本発明においては、籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体をあわせて籠状シルセスキオキサン類、という)に関する。当該籠状シルセスキオキサン類には、ラジカル開始剤との組成物を形成してもよいし、さらに、ラジカル開始剤および各種樹脂等の他の物質との組成物を形成してもよい。
【0014】
ジアリル(イソ)シアヌレート基を置換基として少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤を含む組成物は、ラジカル架橋した時の架橋体の熱膨張率が低く、及び/または、誘電率が低い電子材料に適した硬化成形体となる。したがって、本発明の組成物から得られる成形体は、電気産業の分野において絶縁材料、耐熱材料等に好適である。
本発明の組成物に、機械的物性等の特性や溶融時の流動性や架橋密度の向上を目的として、後で述べる樹脂等をさらに加えることができる。
【0015】
以下に、本発明に用いられる(1)〜(3)に記載のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類について説明する。
先ず最初に籠状シルセスキオキサン及びその部分開裂構造体の骨格構造について説明する。
シリカは(SiO2)の一般式で表されるのに対し、シルセスキオキサンは(R'SiO3/2)の一般式で表される化合物である。シルセスキオキサンは、通常はR'SiX3(R’は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラアルキル基等、Xはハロゲン、アルコキシ基等)型化合物の加水分解―重縮合により合成されるポリシロキサンである。シルセスキオキサンの分子配列の形状は、代表的には無定形構造、ラダー状構造、籠状(完全縮合ケージ状)構造若しくはその部分開裂構造体(籠状構造からケイ素原子が一原子欠けた構造や籠状構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構造)等が知られている。
【0016】
本発明に使用される籠状シルセスキオキサン類の具体的構造の例としては、例えば、下記の一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンが挙げられる。又、本発明に使用される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の具体的構造の例としては、例えば、下記の一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体が挙げられる。しかしながら、本発明に使用される籠状シルセスキオキサンあるいはその部分開裂構造体の構造は、これらの構造に限定されるものではない。
【0017】
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1から6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1から20の置換又は非置換の炭化水素基,及びケイ素原子数1から10のケイ素原子含有基から選ばれ、複数のRは同一でも異なっていても良い;一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い、又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成しても良い;nは6から14の整数、lは2から12の整数、kは2又は3である。一般式(A)において、複数のRの少なくとも1個は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。一般式(B)において、複数のR,複数のXおよびXが互いに連結して形成される連結構造から選ばれる少なくとも1個の基は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。
【0018】
本発明で用いられる一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンの例としては[RSiO3/2]6の化学式で表されるタイプ(下記一般式(3))、[RSiO3/2]8の化学式で表されるタイプ(下記一般式(4))、[RSiO3/2]10の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(5))、[RSiO3/2]12の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(6))、[RSiO3/2]14の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(7))が挙げられる。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
本発明の一般式(A)[RSiO3/2]n で表される籠状シルセスキオキサンにおけるnの値としては、6から14の整数であり、好ましくは8,10あるいは12であり、より好ましくは、8、10または8,10の混合物あるいは8,10,12の混合物であり、特に好ましくは8又は10である。
また、本発明では、籠状シルセスキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分開裂した構造か、又は、籠状シルセスキオキサンの一部が脱離した構造、あるいはそれらから誘導される、一般式(B)[RSiO3/2]l(RXSiO)k(lは2から12の整数であり、kは2又は3である。)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を用いることもできる。
【0025】
一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い。又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成しても良い。ここで、lは2から12の整数、好ましくは4から10の整数、特に好ましくは4、6又は8である。kは2又は3である。
【0026】
(RXSiO)k中の2個又は3個のXは、同一分子中の他のXと互いに連結して各種の連結構造を形成しても良い。その、連結構造の具体例を以下に説明する。
一般式(B)の同一分子中の2個のXは一般式(2)で示される分子内連結構造を形成しても良い。さらに、それぞれ異なった分子中に存在する2個のXが互いに連結して、上記一般式(2)で表される連結構造により複核構造を形成しても良い。
【0027】
【化12】
Y及びZはXと同じ基の群の中から選ばれ、YとZは同じでも異なっていても良い。
【0028】
一般式(2)で示される連結構造の例としては、例えば、以下の2価基構造が挙げられる。
【化13】
【0029】
又、一般式(B)において、同一分子内の2個のXが連結して連結構造をとる場合、連結構造は、一般式(D−1)あるいは一般式(D−2)で表される連結構造であっても構わない。一般式(D−1)のQは一般式(A)及び一般式(B)におけるRの中の炭素数1から20の置換又は非置換の炭化水素基又は水素原子である。(例えばMat.Res.Soc.Symp.Prac,1999,576,111参照)
【0030】
【化14】
【0031】
さらに、一般式(B)の中の2個又は3個のXが連結して、ケイ素原子以外の他の金属原子を含む連結構造を形成してもよい。この場合の、他の金属原子を含む連結構造の例としては、例えば、[Si―O―金属原子]型の結合を含む連結構造や、あるいは、有機金属型連結構造等が挙げられる。他の金属原子を含む連結構造を有する一般式(B)の化合物の具体例としては、例えば、一般式(A)を構成する(RSiO3/2)nのSi中で、1個がSiの代わりに他の金属原子又は有機金属基に置換された構造が挙げられる。又、一般式(B)の2個のXがケイ素原子以外の他の金属原子を含む基に置き換わっていても構わない。これらの場合の、他の金属原子、あるいは、有機金属型連結構造中の金属原子の例としてはAl、Ti、Zr、V、Ta、Cr、Mo、W、Re、Ru、Pt、Sn、Sb、Ga、Tl等が挙げられる。またこれらの金属原子が入ることによって籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体が複核構造をとっていても構わない。(例えばFeherらのPolyhedron,1995,14,3239やOrganometallics,1995,14,3920参照)
一般式(B)で表される化合物における上記の各種の連結構造のうちでは、一般式(2)で表される連結構造が、合成が容易であり好ましい。
【0032】
本発明で使用される一般式(B)で表される化合物の例としては、例えば一般式(4)の一部が脱離した構造であるトリシラノール体あるいは、それからから合成される(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式で表されるタイプ(例えば、下記一般式(8))、一般式(8)あるいは(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式の化合物の中の3個のXのうち2個のXが一般式(2)で示される連結構造を形成するタイプ(例えば、下記一般式(9))、一般式(4)の一部が開裂したジシラノール体から誘導される(RSiO3/2)6(RXSiO)2の化学式で表されるタイプ(例えば、下記一般式(10)及び(11))、一般式(10)あるいは(RSiO3/2)6(RXSiO)2の化学式の化合物の中の2個のXが一般式(2)で示される連結構造を形成するタイプ(例えば、下記一般式(12))等が挙げられる。一般式(8)から(12)中の同一ケイ素原子に結合しているRとXあるいはYとZはお互いの位置を交換したものでもよい。さらに、それぞれ異なった分子中に存在する2個のXが互いに連結して、上記一般式(2)で代表される各種の連結構造により複核構造を形成しても良い。
【0033】
また、一般式(B)の中の2個又は3個のXが連結して、ケイ素原子以外の他の金属原子を含む連結構造を形成した化合物の具体例としては、例えば、一般式(8)で示される化合物の3個のXがTi原子を含む連結構造を形成する(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式で表される化合物(例えば、下記一般式(8−Ti))が挙げられる。
これらの各種の籠状シルセスキオキサンあるいはその部分開裂構造体は、それぞれ単独で用いてもいいし、複数の混合物として用いても良い。
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
本発明に使用される一般式(A)及び/又は一般式(B)で表される化合物におけるRの種類としては水素原子、炭素原子数1から6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1から20の置換又は非置換の炭化水素基、またはケイ素原子数1から10のケイ素原子含有基が挙げられる。
炭素原子数1から6のアルコキシル基の例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。一般式(A)又は一般式(B)の化合物の1分子中のアルコキシル基及びアリールオキシ基の数は合計で好ましくは3以下、より好ましくは1以下である。
【0041】
炭素数1から20までの炭化水素基の例としてはメチル、エチル、n―プロピル、i-プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec-ブチル)、ペンチル(n―ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t―オクチル等)、ノニル(n−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)等の非環式又は環式の脂肪族炭化水素基、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、スチレニル等の非環式及び環式アルケニル基、ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基、PhCH=CH−基のようなアラアルケニル基、フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基、4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基のような置換アリール基等が挙げられる。
【0042】
これらの炭化水素基の中でも、特に炭素数2から20の脂肪族炭化水素基、炭素数2から20のアルケニル基の数が、全R、X、Y、Zにしめる割合が大きい場合には特に良好な成形時の溶融流動性が得られる。またRが脂肪族炭化水素基及び/又はアルケニル基の場合には、成形時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがいいものとして、R中の炭素数は通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下である。
【0043】
又、本発明に使用されるRとしてはこれらの各種の炭化水素基の水素原子又は主査骨格の一部がエーテル結合、エステル基(結合)、水酸基、カルボニル基、カルボン酸無水物結合、チオール基、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、アミド基(結合)、ウレア基(結合)、イソシアネート基、シアノ基等の極性基(極性結合)あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選ばれる置換基で部分置換されたものでも良い。
【0044】
一般式(A)及び(B)におけるR中の置換又は非置換の炭化水素基中の置換基も含めた全炭素原子数としては、通常は20以下のものが使用されるが、成型時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがよいものとしては、好ましくは16以下、特に好ましくは12以下のものが使用される。
Rとして採用されるケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基としては、広範な構造のものが採用されるが、例えば下記一般式(13)の構造の基が挙げられる。当該ケイ素原子含有基中のケイ素原子数としては、通常1〜10の範囲であるが、好ましくは1〜6の範囲、より好ましくは1〜3の範囲である。ケイ素原子の数が大きくなりすぎると籠状シルセスキオキサン化合物は粘ちょうな液体となり、ハンドリングや精製が困難になるので好ましくない。
【0045】
【化21】
【0046】
一般式(13)中のnは、通常は1〜10の範囲の整数であるが、好ましくは1〜6の範囲の整数、より好ましくは1〜3の範囲の整数である。また、一般式(13)中の置換基R6及びR7は、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、塩素原子、又は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基以外の有機基である。
当該アルコキシ基の例としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0047】
当該炭素数1〜10のアルコキシ基以外の有機基の例としては、各種の置換又は非置換の炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、ビニル基、プロペニル基等の不飽和炭化水素結合含有基、フェニル基、ベンジル基やフェネチル基のような芳香族炭化水素基あるいはCF3CH2CH2−等の含フッ素アルキル基、アミノアルキル基等の極性基置換アルキル基等が挙げられる。
【0048】
一般式(13)中のR8は水素原子又は炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、より好ましくは炭素数1から8の有機基である。当該有機基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシル−エチル基、オクチル基、ドデシル基等の脂肪族炭化水素基;ビニル基、エチニル基、アリル基、2−シクロヘキセニル−エチル基等の不飽和炭化水素結合含有基;フェニル基、ベンジル基やフェネチル基のような芳香族炭化水素基;3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基等の含フッ素アルキル基やCF3CF2CF2OCH2CH2CH2−基のような含フッ素エーテル基のようなフッ素原子含有基;アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、アミノエチルアミノフェネチル基、アクリロキシプロピル基、シアノプロピル等の極性置換基による部分置換炭化水素基が挙げられる。なお、一般式(13)において、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結することはない。一般式(13)で表されるケイ素原子含有基の具体的例としては、例えばトリメチルシロキシ基(Me3Si―)、ジメチルフェニルシロキシ基(Me2PhSiO―)、ジフェニルメチルシロキシ基、フェネチルジメチルシロキシ基、ジメチル−n−ヘキシルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルオクチルシロキシ基、(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]k−(k=1から9)、2−フェニル−2,4,4,4−テトラメチルジシロキシ基(OSiPhMeOSiMe3)、4,4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルジシロキシ(OSiMe2OSiMePh2)、2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルジシロキシ(OSiPhMeOSiPhMe2)、ビニルジメチルシロキシ基、3−グリシジルプロピルジメチルシロキシ基、3−アミノプロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2CH2Me(HO)SiO−、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me(HO)SiO−等が挙げられる。
【0049】
【化22】
【0050】
一般式(14)において、Raは炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、炭素数としては、好ましくは2〜6の範囲であり、特に好ましくは2または3である。Raの具体例としては、例えば、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)m−(m=4〜10)等のアルキレン基があげられる。
一般式(14)におけるR6,R7,R8の定義は、それぞれ一般式(13)中のR6,R7,R8と同じである。また、R9,R10の定義は、R6,R7と同じである。n' は、0または1〜9の範囲の整数であるが、好ましくは0または1〜5の範囲の整数、特に好ましくは0、1または2である。
【0051】
本発明には一般式(A)及び/又は一般式(B)で代表される広範な構造の籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体が使用される。一般式(A)及び一般式(B)において一分子中の複数のR、X、Y及びZはそれぞれ同じでも異なっていても良い。
本発明に用いられるジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物として用いてもよい。また、本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類以外の籠状シルセスキオキサン類や、その他のケイ素系化合物と混合して用いてもよい。その場合、この混合物内には、本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類を10質量%以上含んでいることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、最も好ましくは80質量%以上含む。
【0052】
請求項1のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基とは、下記の一般式(15)で表されるジアリルシアヌレート基または一般式(16)で表されるジアリルシアヌレート基を含有する基を表す。
【化23】
【0053】
一般式(a)と一般式(b)は異性体構造の関係にあり、類似の特性を示す。請求項2記載の一般式(1−a)中のR1a及び一般式(1−b)中のR1bの炭素数1〜6の二価の炭化水素基の例としては以下の構造が挙げられる:
【化24】
【0054】
なお、上記炭素数1〜6の炭化水素基はその水素原子の一部がFやCl等のハロゲン原子、低級アルキル基、あるいは低級アルコキシル基等の置換基で置換されていてもよい。尚、置換基はこれに限定されることなく、多様なものが可能である。
請求項4記載の一般式(A)、一般式(B)および一般式(2)におけるR、X、Y、あるいはZがジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である場合の具体的構造の例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。また、請求項1〜3にも共通に使用される。
【0055】
【化25】
(Lは一般式(a)又は一般式(b)で表されるジアリル(イソ)シアヌレート基を表す。)
【0056】
以下に、本発明に使用するジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類の合成法について説明する。
籠状シルセスキオキサン類の骨格構造(すなわち、籠状シルセスキオキサン構造及びその部分開裂構造体構造)は、各種の方法で合成できる。例えば、各種の籠状シルセスキオキサン類は、BrownらのJ.Am.Chem.Soc.1965,87,4313や、FeherらのJ.Am.Chem.Soc.1989,111,1741あるいはOrganometallics 1991,10,2526等の方法で合成することができることが報告されている。例えば、オクタシクロヘキシルオクタシルセスキオキサン((4)式において、Rがシクロヘキシル基の構造)は、シクロヘキシルトリエトキシシランを水/メチルイソブチルケトン中で触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドを加えて反応させることにより製造することができる。
【0057】
また、籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の合成法としては、例えば、(8)〜(10)式で表されるトリシラノール体及びジシラノール体は、完全縮合型の籠状シルセスキオキサン類を製造する際に同時に生成することが報告されている。また、完全縮合型の籠状シルセスキオキサン類をトリフルオロメタンスルフォン酸やテトラエチルアンモニウムヒドロキサイドによって部分切断することでも合成できる(FeherらのChem.Commun.,1998,1279参照)ことが報告されている。
【0058】
ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類は、各種の籠状シルセスキオキサン類から誘導するができる。例えば、各種の籠状シルセスキオキサン類から、以下のようなメタセシス反応 [(a),(b)] やヒドロシリル化反応 [(c),(d)] を利用して合成することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
a){Si}―CH=CH2 + CH2=CH―Rx
→ {Si}―CH=CH―Rx (メタセシス反応)
({Si}は、籠状シルセスキオキサン骨格又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体骨格を形成しているケイ素原子、Rxは、ジアリル(イソ)シアネート骨格含有基)
b){Si}―OSi(CH3)2CH=CH2 + CH2=CH―Rx
→{Si}―OSi(CH3)2CH=CH―Rx (メタセシス反応)
(Rxは、a)の場合と同じ。)
【0059】
上記炭素―炭素二重結合含有籠状シルセスキオキサン類は、例えば、炭素―炭素二重結合を含む置換基R’よりなるR’SiX3(Xはハロゲン原子又はアルコキシ基)を原料として、上記の籠状シルセスキオキサン及びその部分開裂構造体と同様の合成法により合成することができる。その一例として、Zh.Obsch.Khim.(1979),49(7)、1522―5には、CH=CHSiCl3からのオクタビニルオクタシルセスキオキサン((4)式において、Rはビニル基の構造)及びデカビニルデカシルセスキオキサン((5)式において、Rはビニル基の構造)の合成法が示されている。
【0060】
メタセシス反応を利用した各種の炭素―炭素二重結合を含有する籠状シルセスキオキサンの合成法としては、例えば、米国特許第5942638号明細書に記載の方法が挙げられる。
c){Si}―OSi(CH3)2H + CH2=CH―Ry
→ {Si}―OSi(CH3)2CH2CH2―Ry―CH=CH2
(ヒドロシリル化反応)
(Ryは、ジアリル(イソ)シアネート骨格含有基)
d){Si}―H + CH2=CH―Ry
→{Si}―(CH2)―CH−Ry
(Ryは、ジアリル(イソ)シアネート骨格含有基)
d)の反応の具体例としては下記のような反応が挙げられる。
【0061】
【化26】
【0062】
本発明のジアリル(イソ)シアヌレート基を置換基として含有する籠状シルセスキオキサン類の構造解析は、X線構造解析(LarssonらのAlkiv Kemi 16,209(1960))、赤外吸収スペクトル、NMRスペクトル(例えば、VogtらのInorga.Chem.2,189(1963))、質量分析法等により行うことができる。
本発明のジアリル(イソ)シアヌレート基を置換基として含有する籠状シルセスキオキサン類を精製する方法としては、例えば、昇華精製、再結晶、イオン交換樹脂を用いた精製等が挙げられ、これらの方法により、各種不純物を取り除くことができる。
【0063】
次に、本発明に用いられるラジカル開始剤について説明する。
トリアリル(イソ)シアヌレートは、アリル型の炭素−炭素二重結合を3個もつ、ラジカル重合性のモノマーであり、有機過酸化物や、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤により容易に重合する。本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類は上記のトリアリル(イソ)シアヌレートと同様にラジカル重合開始剤により重合する。本発明に使用されるラジカル開始剤としては、1)加熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化t−ブチル、アルキルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等)、2)可視光、紫外線波長領域の光照射によりラジカルを発生するラジカル開始剤(例えば、アセトフェノン、置換アセトフェノン、ベンゾイン基含有化合物、置換ベンゾイン基含有化合物、ベンゾフェノン、置換ベンゾフェノン、チオキサンソン等)等が挙げられる。
【0064】
ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤を含有する本発明の組成物において、ラジカル開始剤の割合は、以下の通りである。
1)本発明の組成物がジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤のみからなる場合、ラジカル開始剤の割合はジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類の質量に対して、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.005〜15質量%、最も好ましくは、0.01〜10質量%である。
2)前二者に樹脂が含まれている場合、ラジカル開始剤の割合はジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類と樹脂の質量の総和に対して、0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.005〜15質量%、最も好ましくは、0.01〜10質量%である。
【0065】
上述のように0.001〜20質量%のラジカル開始剤を用いることによって、ラジカル発生効率が一層向上し、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類の架橋反応が十分に行われると共に、ラジカル発生速度の制御が容易なため、成形体の品質や安全性を一層向上させることができる。
上記の組成物を、加熱により架橋を行う場合、架橋温度は、架橋剤の有無やその種類によっても異なるが、通常は80〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれる。架橋時間は1分〜10時間、好ましくは1分〜5時間である。
【0066】
本発明の籠状シルセスキオキサン化合物に、籠状シルセスキオキサン類組成物から得られる硬化成形体の機械的物性等の特性を向上させるために樹脂を添加することが有効である。
本発明の籠状シルセスキオキサン類組成物に添加して用いられる樹脂は、その用途に応じて、各種の熱可塑性樹脂、溶媒可溶性樹脂、熱硬化性樹脂等の幅広い樹脂が挙げられる。
【0067】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレンやポリエチレンで代表されるポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、各種ビニルモノマー共重合体等の付加重合体、ナイロンー6やナイロンー6,6等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアセタールやポリプロピレングリコール等のポリエーテル樹脂、ポリフェニレンエーテル等の芳香族ポリエーテル樹脂、ポリスルホンやポリエーテルスルフォン等のポリスルフォン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、シリコーン系ポリマー等のケイ素原子含有ポリマー、フッ素系オレフィン重合体等のフッ素原子含有ポリマー等が挙げられる。
【0068】
溶媒可溶性樹脂の例としては、上記の熱可塑性樹脂の中で各種溶媒への溶解性が良好なポリマーの他に、熱溶融はしにくいが溶媒に可溶なポリアクリロニトリル等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等を挙げることができる。
【0069】
樹脂は、単独で使用しても、2種類以上を混合してもよく、共重合体として使用することも可能である。
電子材料分野の用途においては、上記の各種樹脂の中でも、耐熱性や電気特性等の性能に優れた熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく、さらに樹脂自身の難燃性や誘電特性を考慮するとポリフェニレンエーテル系樹脂が特に好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得られるポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)のスチレングラフト共重合体、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールの共重合体、2,6-ジメチルフェノールと2-メチル-6-フェニルフェノールの共重合体、2,6-ジメチルフェノールと多官能フェノール化合物の存在下で重合して得られる多官能ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば、特開昭63―301222号公報や特開平1―297428号公報に開示されているような、2,6-ジメチルフェノールを置換アニリンや脂肪族第2アミンの存在下で重合して得られる含窒素ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0070】
ポリフェニレンエーテル系樹脂には、ポリフェニレンエーテル系樹脂の変性物も含まれる。このような変性物としては、イ)不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂(特開昭64−69628号公報、特開平1−113425号公報、特開平1−113426号公報等)、ロ)ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物との反応生成物が挙げられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂として、上記イ)又はロ)の変性物、例えば、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル等を使用することにより、分子内に複数の炭素―炭素二重結合を含有する籠状シルセスキオキサン類との相溶性を改善することができる。
【0071】
本発明に使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂の分子量は、幅広い分子量のものが使用可能であるが、操作性が良好な分子量としては、例えば、30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/Cが0.1〜1.0の範囲にあるものが挙げられる。
樹脂とジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類との質量比は、1:99〜99.9:0.1であることが好ましく、より好ましくは10:90〜99:1、最も好ましくは20:80〜95:5である。ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類の割合を0.1〜99質量%とすることによって、樹脂とジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類との組成物の成形時の流動性や硬化した成形体の寸法安定性がより一層改善され、硬化した成形体の機械的強度等の物性の樹脂による補強効果がより一層向上する。
【0072】
本発明においては(17)式で表されるトリアリルイソシアヌレートや(18)式で示されるトリアリルシアヌレートのような三官能性モノマーを補助架橋剤として使用する事ができる。
【化27】
【0073】
本発明を実施する上においては、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルシアヌレートは両者を任意の割合で混合して使用することも可能である。本発明において、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルシアヌレートは、補助架橋剤としてその効果を発揮し、架橋・成形時の硬化物の架橋密度の向上をもたらす。また、本発明において、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルシアヌレートは、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類や樹脂の種類によっては、これらと相溶して均一な組成物を形成する相溶化剤としても機能する。
【0074】
架橋補助剤の含有率は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤のみからなる場合、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類に対して0.1〜200質量%が好ましく、より好ましくは1〜100質量%、最も好ましくは10〜80質量%である。
樹脂が含まれている場合には、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類と樹脂の質量の総和に対して、架橋補助剤は0.1〜200質量%が好ましく、より好ましくは1〜100質量%、最も好ましくは10〜80質量%である。上記の範囲の架橋補助剤を用いることにより、架橋反応が一層適正に進行し、得られる成形体の耐衝撃性が向上する。
【0075】
本発明の組成物に用いられる各成分を混合する方法としては、使用する全成分を溶媒中に均一に溶解又は分散させて混合する溶液混合法、あるいは押出し機等による混練法等が採用できる。溶液混合に用いられる溶媒は、各成分に対する溶解性や操作性を考慮して選択される。
本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類樹脂組成物の製造に使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられ、これらは、単独であるいは、二種以上を組み合わせて用いられる。
【0076】
本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン類樹脂組成物は、あらかじめその用途に応じて所望の形に成形してもよい。しかし、任意の成形方法を用いることができる。例えば、本発明の組成物を上述した溶媒に溶解させ、所望の形に成形するキャスト法、本発明の組成物を加熱下で、あるいは必要に応じて加圧下で所望の形に成形する加熱成形法等が用いられる。上述したキャスト法と加熱成形法は単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。
【0077】
また、補助架橋剤を含有する本発明の籠状シルセスキオキサン類含有組成物は、熱膨張率のさらなる低減がみられ、より寸法安定性に優れた硬化成形体を得るのに適しており、電気産業の分野において絶縁材料、耐熱材料等に用いるのに好適である。
特に、樹脂としてポリフェニレンエーテル樹脂を使用した組成物は、上記性能のほか、優れた耐薬品性、誘電特性、耐熱性、難燃性を示し、電気産業の分野において、誘電材料、絶縁材料、耐熱材料、構造材料等に用いることができる。ポリフェニレンエーテル系架橋性樹脂組成物、この組成物からなる架橋性フィルム及び架橋フィルムは、片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板や、特に、めっき工程やスパッタ工程を用いて配線回路を形成させる多層ビルドアップ配線板等に適している。
【0078】
なお、本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類中のアリル基は容易に各種酸化剤によりエポキシ化されて下記一般式(E)で示されるグリシジル基に変換する事ができる。
【化28】
【0079】
当該エポキシ化反応に有効な酸化剤の例としては、例えば、メタクロル過安息香酸、過酸化水素あるいはt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。従って、本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類中の一部の、又は全てのアリル基がグリシジル基に変換したエポキシ基含有籠状シルセスキオキサン類も本発明に含まれる。
【0080】
当該エポキシ基含有籠状シルセスキオキサン類は、各種添加剤と組み合わせて流動性に優れた組成物を形成し、通常のエポキシ化合物と同様の方法で反応・硬化させることができ、又、その硬化物は寸法安定性や誘電率等の電気特性に優れている。従って当該エポキシ基含有籠状シルセスキオキサン類は特に電子材料分野で有用な新規材料である。
【0081】
【発明の実施の形態】
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
籠状シルセスキオキサン類含有樹脂組成物の成形、及び架橋体の物性評価方法は、以下の通りである。
(1) 熱膨張特性
架橋成形体を縦7mm×横7mm×厚み3mmの短片に切り出し、厚み方向の熱膨張率を昇温速度20℃/分の速さで、熱機械分析装置により測定する(熱膨張率は40℃から180℃に試料の温度を上昇させたときの試料厚みの増加率を、温度の変化分である140℃(180℃―40℃)で割った数値である)。
【0082】
(2)架橋フィルムの物性評価
(2)―1 誘電率
LFインピーダンスアナライザーHP−4192(商標)(横河・ヒューレット・パッカード(株)社製)を用いて、1MHzのもとで籠状シルセスキオキサン類含有樹脂組成物からなる架橋フィルムの誘電率を測定する。
(2)―2 ハンダ耐熱性
実施例2により作成した銅箔の被覆された積層体を塩化第2鉄溶液((塩化第二鉄含有率:37〜39質量パーセント)鶴見曹達(株)社製)に10分間浸漬して銅箔を除去した後、積層体を25ミリメートル角に切り出し、260℃のハンダ浴中に120秒浮かべ、外観の変化を目視により観察する。
【0083】
実施例に用いた化合物は下記の通りである。
1)ポリフェニレンエーテル樹脂:ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルηsp/C=0.56、30℃、0.5グラム/デシリットル、クロロホルム溶液)100質量部、無水マレイン酸1.5質量部、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B(商標) )1.0質量部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの条件で二軸押出機により押出し、ポリマーAのメチル基又は末端水酸基に無水マレイン酸が付加した変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を得る。
【0084】
2)ラジカル開始剤
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)社製)
3)トリアリルイソシアヌレート
タイク (TAIC)(商標)(日本化成株式会社製)
4)ゴム(ブタジエン含有ポリスチレン)
HIPS(商標)8117(旭化成(株)社製)
5)難燃剤
ポリリン酸メラミン 粒径<1μm(DSM社製)
【0085】
【実施例1】
窒素下で、無水トルエン(600 ミリリットル, 0.05 M)に溶解したTAIC( 600 グラム, 2.4 モル, 80 等量)溶液にhydrogen hexachloroplatinate(4価) hydrate catalyst (2 ミリリットル, Aldrich社製)を加え5分攪拌、そして下記一般式(19)で表される籠状シルセスキオキサン(30 グラム, 29.5 ミリモル) を加える。GPCで反応を追跡しながら6時間攪拌、溶媒除去後ヘキサン中に沈殿。再沈殿(攪拌、濾過)を3回繰り返し、減圧状態で溶媒を除去すると、下記一般式(20)で表されるジアリルイソシアヌレート基含有籠状シルセスキオキサン化合物が得られる(やや黄色がっかった粘張な液体、57.27グラム、収率65.5パーセント)。
【0086】
【化29】
【0087】
1H NMR:0.128 ppm(OSiMe2CH2)、0.603ppm(OSiMe2CH2)、1.646ppm(OSiMe2CH2CH2)、 3.816ppm(CH2CH2N)、4.463ppm(NCH2CH)、5.235ppm(NCH2CHCH2)、5.850ppm(NCH2CHCH2).
29Si NMR:(TMS reference)
―12.66ppm(OSiMe2)、−108.79ppm(Me2[C3N3O3(CH2CH=CH)2 (CH2CH2CH2)]SiO-SiO3、Si from the POSS cage)
[ 原料 −1.293ppm(HMe2SiO)and −108.409ppm (Me2HSiO-SiO3) ]
【0088】
【実施例2】
ポリフェニレンエーテル樹脂、実施例1で得られた一般式(20)で表されるジアリルイソシアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスオキサン、ラジカル開始剤、補助架橋剤としてのトリアリルイソシアヌレート及び副資材としてゴムを表1に示す組成で80℃のトルエン溶液中に溶解させた。この溶液を用いて、キャスト成形により厚み45ミクロメートルのトリアリルイソシアヌレート骨格含有基を含有する籠状シルセスキオキサン含有樹脂組成物のフィルムを製造した。
【0089】
このフィルムを、真空プレス中で2枚重ねにして180℃、面圧30キログラム/センチメートル2、1時間にて成形・架橋させ、厚さ90ミクロメートルの架橋フィルムを得た。 同様にして、これらの電気特性及びハンダ耐熱性能を測定するために、架橋後の厚みが100ミクロメートルとなるように上記の架橋性樹脂フィルムを数枚重ね合わせ、その両面に厚さ12ミクロメートルの銅箔を置いてプレス成形機により成形・架橋させて架橋フィルムを製造した。
このようにして得られたフィルムの誘電率、熱膨張係数、ハンダ耐熱性を測定した。このフィルムは、表1から明らかなように、耐熱性を維持したまま、熱膨張係数と誘電率の低減に成功した。
【0090】
【実施例3】
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体である下記一般式(21)で表される籠状シルセスキオキサン(100グラム、126.4ミリモル)をTHF(500ミリリットル)に溶解し、NEt3(54.3ミリリットル、391.8ミリモル)を加え、氷浴中でHSiCl3をゆっくり滴下した。滴下終了後、3h室温で攪拌し、ろ過後ヘキサンで抽出し、EtOHから再結晶を行い、一般式(22)で表される籠状シルセスキオキサンを得た(収量68.9グラム、67パーセント)。
【0091】
【化30】
【0092】
さらに、得られた一般式(22)で表される籠状シルセスキオキサン(2グラム、2.44ミリモル)に実施例1と同様にしてトルエン(50ミリリットル)に溶解したトリアリルイソシアネート(6.08グラム、24.4ミリモル)とhydrogen hexachloroplatinate(4価) hydrate catalyst (Aldrich社製, 0.1ミリリットル) を加え、80℃で攪拌し、MeOHを使用して再結晶をしたところ、下記一般式(23)ジアリルイソシアヌレート基一個含有の籠状シルセスキオキサンが得られた(収率1.76グラム、68.6パーセント)。
【0093】
【化31】
【0094】
29Si NMR:(TMS reference)
−67.3ppm、−67.7ppm(iBu―SiO3)、−68.0ppm( [C3N3O3(CH2CH=CH)2 (CH2CH2CH2)]-SiO3)
【0095】
【実施例4,5】
実施例2と同様にして樹脂組成物を作り、誘電率を評価した結果を表1に示す(実施例4)。
また、組成比を変え、シリカとTAIC基含有籠状シルセスキオキサンを20部つづ入れたものの検討を行った(実施例5)。表1からわかるように、ハンダ耐熱性を維持したまま、熱膨張係数と誘電率の低減効果を示した。
【0096】
【比較例1】
籠状シルセスオキサンの代わりにシリカを加えた点を除いては実施例2と4と同一の組成で、同様の方法で架橋フィルムを製造した。得られたフィルムの性能を評価した結果を表1に示す。このフィルムは、実施例2,4,5の場合と比べて熱膨張係数が低く、誘電率が高かった。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】
本発明のジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有する籠状シルセスキオキサン類を使用する事によって、優れた誘電特性、耐熱性を示す組成物が得らる。当該組成物は電気産業の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料、構造材料等に用いることができる。本発明の方法より得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、特に片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層ビルドアップ配線板等に適している。
Claims (10)
- ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を少なくとも一個含有することを特徴とする籠状シルセスキオキサン類。
- 該一般式(1−a)におけるR1a又は/および一般式(1−b)におけるR1bが―(CH2)3―、又は―CH=CHCH2―、であることを特徴とする請求項2記載の籠状シルセスキオキサン類。
- 該籠状シルセスキオキサン類が下記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンか、又は、下記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の籠状シルセスキオキサン類:
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
(一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1から6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1から20の置換又は非置換の炭化水素基,及びケイ素原子数1から10のケイ素原子含有基から選ばれ、複数のRは同一でも異なっていても良い;一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い、又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成しても良い;nは6から14の整数、lは2から12の整数、kは2又は3である。一般式(A)において、複数のRの少なくとも1個は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。一般式(B)において、複数のR,複数のXおよびXが互いに連結して形成される連結構造から選ばれる少なくとも1個の基は、ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基である。) - ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を1個含有する事を特徴とする請求項1〜5に記載の籠状シルセスキオキサン類。
- ジアリル(イソ)シアヌレート骨格含有基を2〜8個含有する事を特徴とする請求項1〜5に記載の籠状シルセスキオキサン類。
- 分子内に少なくとも1個のSi−H結合を含有する籠状シルセスキオキサン類と、トリアリル(イソ)シアヌレートとのヒドロシリル化反応により合成することを特徴とする請求項1〜7に記載の籠状シルセスキオキサン類の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の籠状シルセスキオキサン類とラジカル開始剤を含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類含有硬化性組成物。
- 請求項9に記載の組成物に加えて更に樹脂を含有する事を特徴とする籠状シルセスキオキサン類含有硬化性樹脂組成物。
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