JP2023143358A - 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023143358A
JP2023143358A JP2022050684A JP2022050684A JP2023143358A JP 2023143358 A JP2023143358 A JP 2023143358A JP 2022050684 A JP2022050684 A JP 2022050684A JP 2022050684 A JP2022050684 A JP 2022050684A JP 2023143358 A JP2023143358 A JP 2023143358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
carbon atoms
independently
alkyl group
integer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022050684A
Other languages
English (en)
Inventor
久尚 山本
Hisanao Yamamoto
大嗣 福岡
Hirotsugu Fukuoka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2022050684A priority Critical patent/JP2023143358A/ja
Publication of JP2023143358A publication Critical patent/JP2023143358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

【課題】従来のエラストマー類は、耐熱性を要する用途での使用に制限があった。【解決手段】下記式(1):TIFF2023143358000059.tif32170{式中、Y、Z、n1、n2、n3、R1、R2、R3、R4、及びQは、明細書に定義されるとおりである}で表される数平均分子量1,000~100,000の架橋型耐熱プレポリマーが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂などの架橋型耐熱プレポリマーは、耐熱性、絶縁性、接着性等に優れ、複合構造材料、電気電子用途等において工業的に広く使用されている。
また、樹脂硬化物、プリプレグ、銅張積層板、積層板、プリント回路基板等の分野では、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、及びそのシリコーン変性樹脂を含む樹脂組成物も報告されている(特許文献1)。なお、特許文献2には、変性樹脂の変性率の測定及び算出方法が記述されている。
中国特許第106916293号明細書 特表2004-502849号公報
ACS Appl. Mater. Interfaces 2012, 4, 564-572
架橋型耐熱プレポリマーは、多くの文献に示されるとおり、脆弱であるという性質(以下、「脆性」という)を有する課題があることが知られている。
脆性の原因は、架橋型プレポリマーの硬化段階でのゲルボール(又は局所架橋構造、ノジュール若しくはドメインと呼ばれることもある)の形成にあることが報告されている(非特許文献1)。これは、硬化物の高分子ネットワークにおいて複数のゲルボールにより不均一構造が形成され、複数のゲルボール間の構造欠陥部位をクラックが伝播するためであると考えられる。
従来、液晶エポキシ樹脂の分野では、多くの文献に示されるとおり、均一性の高いネットワーク構造を樹脂硬化物に形成させることにより強靭性を向上させる試みが成されていた。しかしながら、このような液晶エポキシ樹脂は、特定硬化条件を必要としているため、汎用性に課題が残っている。
他方、架橋型の高分子、プレポリマーであるエラストマー、例えば天然ゴム、ブチルゴム、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)等は、分子鎖の絡み合いが生じる分子量以上に到達するまで高分子量化した後に架橋させており、得られる架橋体にはゲルボールは形成されず、靭性が高い。しかしながら、現行のエラストマー類は、主鎖の運動性が高いためにガラス転移温度(Tg)は低いので耐熱性を要求される用途での使用には制限がある。
さらに、特許文献1に記載のシリコーン変性PPE樹脂を含む樹脂組成物は、成形・硬化段階でゲル化するため、技術的に中間体の取り出し又は単離は困難であることが推定される。実際に、特許文献1に記載の樹脂組成物については、中間体生成樹脂の分子量も硬化物の靭性も不詳である。
したがって、本発明は、耐熱性架橋材料の脆性の問題を解決し、かつ実用化に耐え得る架橋型耐熱プレポリマー、及びそれを含む硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、主鎖の運動性が低いPPE(ポリフェニレンエーテル)を、例えば分子鎖の絡み合いが生じるレベルまで、高分子量化した後に末端部位を架橋させることにより靭性の高い架橋構造体又は硬化物を形成させることに成功し、その過程で本発明を見出し、完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
<1>
下記式(1):
Figure 2023143358000002
{式(1)中、Yは、炭素(C)原子またはケイ素(Si)原子を表し、Zは、下記式(2):
Figure 2023143358000003
[式(2)中、Xは、2価の任意の連結基又は直接結合であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基及び下記式(3):
Figure 2023143358000004
(式(3)中、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基であり、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、aは、各々独立に、0又は1であり、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基のいずれかを表す)
で表される部分構造のいずれかであり、そしてkは、各々独立に、1~4の整数である]
で表される2価の部分構造であり、nは、各々独立に、0~200の整数であり、少なくとも1つのnは、1以上の整数であり、nは、1~200の整数であり、nは、1~200の整数であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基、炭素数1~8の分岐状アルキル基、又はフェニル基を表し、かつQは、下記式(4)、式(5)または式(6):
Figure 2023143358000005
[式(4)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、λは、それぞれ独立に、0~4の整数であり、かつxは、0~8の整数である]
Figure 2023143358000006
[式(5)中、R10は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R11は、それぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、かつyは、0以上の整数である]
-CH-CH- 式(6)
で表される部分構造である}
で表される、数平均分子量が1,000~100,000の架橋型耐熱プレポリマー。
<2>
前記式(2)中のXが、下記式(7)~(9):
Figure 2023143358000007
の構造のいずれか、または直接結合である、項目1に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
<3>
前記式(2)で表される2価の部分構造が、下記式(10)、式(11)、式(12):
Figure 2023143358000008
Figure 2023143358000009
Figure 2023143358000010
のいずれかである、項目1又は2に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
<4>
前記式(1)中のQが、下記式(13)
Figure 2023143358000011
で表される構造である、項目1~3のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
<5>
前記式(1)中のYが、炭素(C)原子である、項目1~4のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
<6>
前記架橋型耐熱プレポリマーの数平均分子量が、5,000~20,000である、項目1~5のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
<7>
(A)項目1~6のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー;及び
(B)触媒;
を含有する硬化性樹脂組成物。
<8>
前記(B)成分が、ヒドロシリル化触媒である、項目7に記載の硬化性樹脂組成物。
<9>
前記(B)成分が、パーオキシド系触媒である、項目7又は8に記載の硬化性樹脂組成物。
<10>
(C)溶媒をさらに含む、項目7~9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、耐熱性架橋材料の実用化に際して脆性の問題を解決し得る架橋型耐熱プレポリマー、及びそれを含む硬化性樹脂組成物を提供することができ、ひいては、実用化に際して十分に高いガラス転移温度(Tg)と高い靭性と接着性を発現する硬化物を提供することができる。
図1は、実施例1で得られた線状高分子量体のNMRチャート、チャート部分拡大図および構造式を示す。 図2は、実施例1で得られた硬化物のDMAにおける温度-貯蔵弾性率・損失正接の関係を示す二軸グラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、この実施形態のみに限定されるものではなく、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
<架橋型耐熱プレポリマー>
本開示の一態様では、架橋型耐熱プレポリマーが提供される。
本実施形態に係る架橋型耐熱プレポリマーは、下記式(1):
Figure 2023143358000012
{式(1)中、Yは、炭素(C)原子またはケイ素(Si)原子を表し、Zは、下記式(2):
Figure 2023143358000013
[式(2)中、Xは、2価の任意の連結基又は直接結合であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基及び下記式(3):
Figure 2023143358000014
(式(3)中、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基であり、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、aは、各々独立に、0又は1であり、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基のいずれかを表す)
で表される部分構造のいずれかであり、そしてkは、各々独立に、1~4の整数である]
で表される2価の部分構造であり、nは、各々独立に、0~200の整数であり、少なくとも1つのnは、1以上の整数であり、nは、1~200の整数であり、nは、1~200の整数であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基、炭素数1~8の分岐状アルキル基、又はフェニル基を表し、かつQは、下記式(4)、式(5)または式(6):
Figure 2023143358000015
[式(4)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、λは、それぞれ独立に、0~4の整数であり、かつxは、0~8の整数である]
Figure 2023143358000016
[式(5)中、R10は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R11は、それぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、かつyは、0以上の整数である]
-CH-CH- 式(6)
で表される部分構造である}
で表され、その数平均分子量(Mn)が1,000~100,000である。
上記式(1)で表されるMn1,000~100,000の架橋型耐熱プレポリマーは、低いポリフェニレンエーテル(PPE)主鎖が、例えば分子鎖の絡み合いが生じるレベルまで、高分子量化されており、その末端部位に架橋性基を有するため、実用化に耐えられる靭性を有する耐熱性架橋材料を提供することができ、ひいてはゲル化せず、又はゲルボール形成を抑制して、実用化に際して十分に高いガラス転移温度(Tg)と高い靭性と接着性を発現する硬化物を提供することができる。
<式(1)中のY>
式(1)中のYは、C原子又はSi原子である。
<式(1)中のR
式(1)中の複数のRは、各々独立に、水素(H)、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基である。炭素数1~8の直鎖状アルキル基の場合、炭素数は、例えば、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかでよい。Rとしては、架橋型耐熱プレポリマーのリニア構造、嵩高さ、架橋性等の観点から、メチル基が好ましい。
<式(1)中のZ>
式(1)中のZは、式(2)で表される2価の部分構造であり、そしてPPE骨格の中心フェノール部位を構成することができる。
<式(2)中のX構造>
式(2)中、Xは、2価の任意の連結基又は直接結合であり、そして架橋型耐熱プレポリマーと他の架橋成分との反応性、ゲル化又はゲルボール形成の抑制、耐熱性、及びプレポリマー分子鎖のリニア伸長の観点から、下記式(7)~式(9):
Figure 2023143358000017
で表される構造のいずれか、または直接結合であることが好ましい。
<式(2)中のR
式(2)中の複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基、及び上記式(3)で表される部分構造のいずれかである。直鎖状アルキル基の場合には、炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであることが好ましい。
式(3)中、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基であり、非置換の場合には、炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであることが好ましく、置換の場合には、プレポリマーの架橋反応を阻害しない限り、任意の置換基、又は水素原子以外の原子でよい。
式(3)中、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、非置換の場合には、炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであることが好ましく、置換の場合には、プレポリマーの架橋反応を阻害しない限り、任意の置換基、又は水素原子以外の原子でよい。
式(3)中、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基のいずれかを表す。Rが非置換の炭素数1~8のアルキル基である場合、炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであることが好ましい。置換された炭素数1~8のアルキル基または置換フェニル基の場合、プレポリマーの架橋反応を阻害しない限り、任意の置換基、又は水素原子以外の原子でよい。
式(3)中、aは、各々独立に、0又は1である。全てのaが0である場合、式(3)で表される部分構造は、例えば炭素数4~30のtert-アルキル基でよい。
式(2)中のRの具体例としては、メチル基及び/又はtert-ブチル基が好ましい。
<式(2)中のk>
式(2)中、kは、各々独立に、1~4の整数であり、そして架橋型耐熱プレポリマーのリニア構造、嵩高さ、架橋性等の観点から、2又は3であることが好ましい。kが2~4の場合、1つの芳香環に対する複数のRは、同種又は異種でよい。kが2であり、かつ1つの芳香環に対する2つのRが炭素数1~8の直鎖状アルキル基である場合、2つのRの配置は、メタ位であることが好ましい。kが2であり、かつ1つの芳香環に対する2つのRが、炭素数1~8の直鎖状アルキル基が1つと、式(3)で表される部分構造が1つとの組み合わせである場合、両者の配置は、パラ位であることが好ましい。
<式(2)で表される部分構造>
式(2)で表される部分構造は、2価フェノールのフェノール水酸基から水素を除いた構造でよい。
上記式(2)で表される部分構造のための2価フェノール化合物の例を以下に列挙する。
特に好ましい2価フェノール化合物は、4,4’-[(4-ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)、1,1-ビス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラメチルビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラメチル(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオールである。
式(2)で表される2価の部分構造は、プレポリマーの架橋反応性、ゲル化又はゲルボール形成の抑制、及びプレポリマーの分子鎖のリニア伸長の観点から、下記式(10)、式(11)、式(12):
Figure 2023143358000018
Figure 2023143358000019
Figure 2023143358000020
のいずれかであることが好ましい。
<式(1)中のユニット数nを有するフェノール由来ユニット>
上記式(1)中、ユニット数nを有する複数のユニットは、置換基を有してよいフェノール由来のユニットであり、数nは、各々独立に、0~200の整数であり、そして少なくとも1つのnは、1以上の整数である。数n≧2の場合には、置換基を有してよいフェノール由来ユニットは、繰り返しユニットになる。
式(1)中、複数のRは、各々独立に、水素(H)原子、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基である。直鎖状アルキルの場合、Rの炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであることが好ましい。Rは、架橋型耐熱プレポリマーの基本性能の観点から、メチル基であることが好ましく、2つともメチル基であることがより好ましい。
1つのユニットにおいて、2つのRは、同時に水素原子ではないことが好ましく、又は2つのRは、一方が上記式(3)で表される部分構造、もう一方がH原子、メチル基若しくはエチル基のいずれかであるという組み合わせではないことが好ましい。
式(1)中、複数のRは、各々独立に、H原子、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基である。直鎖状アルキル基の場合、Rの炭素数は、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1又は2のいずれかであるアルキル基が好ましい。中でも、Rとしては、H原子、又はメチル基が特に好ましい。
置換基を有してよいフェノール繰り返しユニット中、複数のフェノール系骨格(すなわち2≦n≦200)は、同種または異種でよい。同種の場合、繰り返しユニットは、限定されるものではないが、例えば、下記構造式:
Figure 2023143358000021
{式中、R及びRは、式(1)で定義されたとおりであり、そしてpは、2~200の整数である}
のいずれかで表されることができる。異種の場合、複数のユニットは、限定されるものではないが、交互、ランダム、ブロックなどで配列されることができる。ブロックの場合、ユニットは、限定されるものではないが、例えば、下記構造:
Figure 2023143358000022
{式中、R及びRは、式(1)で定義されたとおりであり、そしてp及びqは、各々独立に、1以上の整数であり、かつ2≦p+q≦200を満たす}
で表されることができる。
ユニット数nを有するフェノール由来ユニットの具体例としては、例えば、下記式:
Figure 2023143358000023
{式中、nは、上記式(1)で定義されたとおりである}
で表されるユニットのいずれかが好ましい。
<式(1)中のQ構造>
式(1)中のQは、上記式(4)、式(5)または式(6)で表される部分構造である。Mn1,000~100,000の架橋型耐熱プレポリマーは、部分構造Qを有するため、靭性の高い架橋構造体又は硬化物の形成を可能にし、ひいてはゲル化又はゲルボール形成を抑制、実用化に際して十分に高いTgと高い靭性と接着性を発現させることができる。
<式(4)中のR
式(4)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖でよい。Rの炭素数は、好ましくは、1~5、1~4、1~3、2、又は1である。
<式(4)中のλ>
式(4)中のλは、それぞれ独立に、0~4の整数であり、架橋型耐熱プレポリマーの嵩高さ、架橋性等の観点から、0~2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
<式(4)中のx>
式(4)中のxは、0~8の整数であり、例えば、原料PPEの変性に使用される反応物、鎖伸長剤、ヒドロシリル化合物等の種類に応じて決定されることができる。xは、架橋型耐熱プレポリマーのリニア構造、ゲル化又はゲルボール形成の抑制、耐熱性、架橋性等の観点から、0~2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
<式(5)中のR10
式(5)中のR10は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である。アルキル基の場合、直鎖又は分岐鎖でよく、架橋型耐熱プレポリマーの嵩高さ、架橋性等の観点から、炭素数は、1~8、1~6、1~4、又は1~3であることが好ましい。置換されたフェニル基の場合、ゲル化又はゲルボール形成を抑制できる限り、任意の置換基、又はH原子以外の原子をR10に導入してよい。
<式(5)中のR11
式(5)中のR11は、それぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基である。アルキル基の場合、直鎖又は分岐鎖でよく、架橋型耐熱プレポリマーの嵩高さ、架橋性等の観点から、炭素数は、1~8、1~6、1~4、又は1~3であることが好ましい。置換されたフェニル基の場合、ゲル化又はゲルボール形成を抑制できる限り、任意の置換基、又はH原子以外の原子をR10に導入してよい。
なお、式(5)中のR10及びR11は、同種又は異種でよく、同種の場合には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基等のアルキル基が好ましく、そして異種の場合には、アルキル基と置換又は無置換のフェニル基との組み合わせが好ましい。
<式(5)中のy>
式(5)中のyは、0以上の整数であり、上限値は、特に限定されるものではないが、原料PPEの変性に使用される反応物、鎖伸長剤、ヒドロシリル化合物等の種類および架橋型耐熱プレポリマーのMnに応じて決定されることができ、例えば、100以下、75以下、50以下、42以下、26以下、16以下又は12以下でよい。
<部分構造Qの具体例>
部分構造Qの具体例としては、下記式(13):
Figure 2023143358000024
が好ましい。
<式(1)中のn
式(1)中のnは、1~200の整数であり、例えば、架橋型耐熱プレポリマーのMnが1,000~100,000の範囲内になるように、反応原料の種類、反応時間、触媒の種類等を調整することにより決定されることができる。
<式(1)中のn
式(1)中のnは、1~200の整数であり、例えば、架橋型耐熱プレポリマーのMnが1,000~100,000の範囲内になるように、反応原料の種類、反応時間、触媒の種類等を調整することにより決定されることができる。
<架橋型耐熱プレポリマーの構造詳細>
本実施形態に係る上記式(1)は架橋型耐熱プレポリマーを構成する部分構造を表すものであって、架橋型耐熱プレポリマーは、下記式(14)、式(15)、式(16)を含む混合物である。
Figure 2023143358000025
{式中、Y、Z、n、n、R、R、R、R、及びQは、上記式(1)で定義されるとおりである}
Figure 2023143358000026
{式中、Y、Z、n、n、R、R、R、R、及びQは、上記式(1)で定義されるとおりである}
Figure 2023143358000027
{式中、Y、Z、n、n、R、R、R、R、及びQは、上記式(1)で定義されるとおりである}
<架橋型耐熱プレポリマーの数平均分子量>
架橋型耐熱プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、1,000~10,000である。数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定でき、その測定方法は実施例において詳述される。架橋型耐熱プレポリマーの数平均分子量(Mn)が上記範囲内であることにより、基板材料への適用工程においてワニスを作製する溶媒に溶解させた際の流動性がより向上し、基板材料適用時の加工性を確保することができる。このような観点から、架橋型耐熱プレポリマーのMnは、1,200~9,800、又は1,400~9,500の範囲内であることが好ましい。
<架橋型耐熱プレポリマーの製造方法>
上記で説明された架橋型耐熱プレポリマーは、例えば、(a1)成分としての原料PPEと、(b1)成分としてのヒドロシリル化合物との反応により得られる。
<(a1)原料PPE>
(a1)原料PPEとしては、例えば、下記式(17):
Figure 2023143358000028
{式中、Y、Z、n、n及びR~Rは、上記式(1)で定義されるとおりである}
で表される二官能PPEを使用することができる。
式(17)で表される(a1)原料PPEは、二官能性、すなわち2価であることにより、後述される(b1)成分と逐次重合反応することができて、ゲル化を伴うことがなく、又はゲルボール形成を抑制して、線状に分子が伸長し、例えば分子の絡み合いが生じるレベルまで、分子量が大きくなることができる。
式(17)中、両末端基としては、誘導体原料、(b1)成分との反応性、及び(a1)成分の分子鎖のリニア伸長の観点から、
Figure 2023143358000029
が好ましい。
<(a1)成分の残存OH>
上記式(17)で表される構造を有する原料PPE中に含まれるOH末端数は、変性ポリフェニレンエーテル含有組成物について低誘電特性、適度な金属剥離性、低溶液粘度、硬化時の十分なTg等の全てを有するという観点から、0~3,000μmol/gであることが好ましい。
<(a1)成分の数平均分子量>
(a1)成分である二官能PPEの数平均分子量は、500~10,000であることが好ましい。数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定でき、その測定方法は実施例において詳述される。(a1)成分の数平均分子量(Mn)が上記範囲内であることにより、基板材料への適用工程においてワニスを作製する溶媒に溶解させた際の流動性がより向上し、基板材料適用時の加工性を確保することができる。このような観点から、(a1)成分のMnは、1,000~5,000であることがより好ましい。なお、Mn500~10,000の3価以上の原料PPEでは、硬化反応初期に分岐構造が形成され、脆弱な構造体が形成される傾向にある。
<(b1)ヒドロシリル化合物>
(b1)成分としてのヒドロシリル化合物は、例えば、2個の-SiH基を含有する数平均分子量100以上20,000以下のヒドロシリル化合物でよい。
(b1)成分は、2個の-SiH基を含有するとき、2価である。2価のヒドロシリル化合物は、(a1)成分と逐次重合反応することができて、反応生成物を線状にし、その硬化物の実用化に耐えられる水準で高いTgと高い靭性と接着性とを発現することもできる。なお、3価以上のヒドロシリル化合物では2価PPE原料との硬化反応初期に分岐構造が形成され、脆弱な構造体が形成される。
(b1)成分のヒドロシリル化合物の数平均分子量は、100以上20,000以下の範囲内であることにより、(A)成分との反応生成物をゲル化させることなく、又はゲルボール形成を抑制して、線状に伸長させることができ、ひいてはワニス溶媒に溶解させた際の流動性を向上し、基板材料適用時の加工性を確保することができる。このような観点から、(b1)成分の数平均分子量は、130~10,000であることが好ましく、より好ましくは150~5,000、さらに好ましくは200~1,000、特に好ましくは250~500、殊に好ましくは280~350である。
(b1)成分は、(a1)成分との反応性、反応時のハンドリング、ワニス流動性、硬化物の靭性などの観点から、70℃~150℃の沸点を有してよく、また2価である限り、分子中にジアルキルシロキサンの繰り返し単位(繰り返し数:2~41)を有してよい。
(b1)成分は、上記式(1)中の部分構造QをPPE骨格に対して導入することができ、例えば、以下に示される変性剤:
Figure 2023143358000030
Figure 2023143358000031
Figure 2023143358000032
{式中、yは、0~41の整数である}
Figure 2023143358000033
{式中、yは、1~11の整数である}
Figure 2023143358000034
Figure 2023143358000035
Figure 2023143358000036
の少なくとも1つでよい。
<ビニル化合物とヒドロシラン化合物との反応および反応比率>
(a1)成分の両末端基は、(b1)成分との反応に関与することができ、より詳細には、(b1)成分の2個の-SiH基の一方又は両方と反応することができる。それらの反応は、ゲル化又はゲルボール形成の抑制、及び(a1)成分の分子鎖のリニア伸長の観点から、付加反応であることが好ましい。
(a1)成分の末端基当量数(fa)と(b1)成分の-SiH基の当量数(fb)の比(fa/fb)が0.5~1.5であることが好ましく、0.95~1.05が特に好ましい。
(a1)成分と(b1)成分との反応は、溶媒中で、触媒の存在下で30分間~5時間に亘ってリニア付加重合により行われることが好ましい。(a1)成分と(b1)成分の反応生成物は、線状高分子量体になる傾向にある。反応系において、比(fa/fb)は、上述のとおり、0.5~1.5であることが好ましく、0.95~1.05であることがより好ましい。触媒は、(C)成分として後述されるものでよく、中でも、白金(Pt)含有触媒等のヒドロシリル化触媒を含むことが好ましい。反応時間は、1時間~4時間の範囲内にあることがより好ましい。
<硬化性樹脂組成物>
本開示の一態様では、以下の成分:
(A)上記で説明された架橋型耐熱プレポリマー;
所望により(B)触媒;及び
所望により(C)溶媒;
を含む硬化性樹脂組成物も提供される。
<(B)触媒>
所望により、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、(B)成分として、触媒を含んでよい。(B)触媒としては、例えば、ヒドロシリル化触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒は、(A)成分である架橋型耐熱プレポリマーの付加、架橋又は硬化反応に触媒作用を及ぼすことができ、金属含有触媒、例えば、白金(Pt)等の貴金属含有触媒、又は鉄(Fe)もしくはモリブデン(Mo)等の卑金属含有触媒でよく、貴金属又は卑金属有機錯体でよい。中でも、Pt含有触媒が好ましく、例えば、下記構造式:
Figure 2023143358000037
で表される触媒、ゲレスト(Gelest)社の製品カタログに記載のPt含有触媒、白金(0)-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体(通称 カールステッド触媒)、[1,3,-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン][1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン]白金(0)錯体、[1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジニリデン][1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン]白金(0)錯体、[1,3-ビス(シクロヘキシル)イミダゾール-2-イリデン][1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン]白金(0)錯体、白金(II)アセチルアセトナート等を使用してよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分である架橋型耐熱プレポリマーの質量を基準に0.001~10phr(per hundred resin)であることが好ましい。(B)成分の配合量が0.001phr以上であることで、(B)成分の効果が充分に発揮され、硬化反応の進行を促進することで硬化物のTgをより高くできる傾向にある。また、10phr以下であることで、硬化物への開始剤およびその分解物の残留を少なくすることができ、硬化物の誘電正接が高くなることを防止できる傾向にある。そのような観点から、(B)成分のより好ましい配合量は0.1~5phrであり、さらに好ましくは0.5~2phrである。
<架橋促進剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は本願発明の目的を損なわない範囲において架橋促進剤を配合することができる。そのような架橋促進剤としてはラジカル開始剤が挙げられる。ラジカル開始剤としてはパーオキシド系触媒、アゾ化合物等が挙げられる。
架橋促進剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、トリアリルシアヌレート(TAC)等のトリアルケニルシアヌレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、ポリブタジエン等の分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、分子中にビニルベンジル基を有するジビニルベンゼン等のビニルベンジル化合物、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン等の分子中にマレイミド基を2個以上有する多官能マレイミド化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。架橋剤は、これらの中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、及びポリブタジエンから成る群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
パーオキシド系触媒としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ(2-t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。なお、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン等のラジカル発生剤も樹脂組成物のための反応開始剤として使用することができる。中でも、得られる耐熱性、及び機械特性に優れ、更に低い誘電率、及び誘電正接を有する硬化物を提供することができるという観点から、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジ(2-t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
<(C)溶媒>
本実施形態の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて有機または無機の溶媒を添加することができる。有機溶媒を添加することにより組成物の粘度を低下させることができ、そのような硬化性樹脂組成物は、ガラス繊維に含浸させて積層板を作製する場合等に於いて、ガラス繊維への含浸性を高めることができることがある。
そのような有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、酢酸エチル等が挙げられ、沸点が低く樹脂組成物から蒸発除去し易い観点より、トルエン及びメチルエチルケトンが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の硬化性樹脂組成物には、その目的を損なわない範囲において難燃剤、反応性希釈剤、エラストマー、フィラー等の添加物を配合することができる。
<硬化方法>
本実施形態の硬化性樹脂組成物の硬化については、硬化性樹脂組成物を直接硬化する方法でもよいし、(C)溶媒中で少なくとも(a1)成分と(b1)成分とを逐次反応させて(A)架橋型耐熱プレポリマーを生成させた後に(C)溶媒を除去した後に硬化する方法のいずれでも良い。
具体的には、(C)溶媒を含む硬化性組成物(いわゆるワニス組成物)を基材に含浸させた後、熱風乾燥機等で溶剤分を乾燥除去することにより得られたプリプレグを硬化することができる。硬化性組成物の硬化は、温度範囲140℃~300℃の、及び1分間~30分のホールド時間の条件下で行われることが好ましい。
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマット等の各種ガラスクロス;アスベスト布、金属繊維布、及びその他の合成若しくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;綿布、麻布、フェルト等の天然繊維布;カーボン繊維布、クラフト紙、コットン紙、紙-ガラス混繊糸から得られる布等の天然セルロース系基材;ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルム等が挙げられる。これらの基材は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本開示の別の態様では、以下の工程:
・(a1)成分と(b1)成分とを反応させて(A)架橋型耐熱プレポリマーを生成させる反応工程;
・所望により、上記反応工程により生成する線状高分子量体の架橋反応工程;
を含む硬化方法が提供される。
本実施形態に係る硬化方法は、上記で説明された硬化の具体例を参照して行われることができる。(a1)成分と(b1)成分とを反応させて(A)架橋型耐熱プレポリマーを生成させる反応工程は、次の第一反応条件下で行われることが好ましく、また架橋反応工程は、次の第二反応条件下で行われることが好ましい。
(第一反応条件)
第一反応条件は、架橋型耐熱プレポリマーの製造において、(a1)成分と(b1)成分との反応として上述されたとおりである。
(第二反応条件)
第一反応条件下で生成した線状高分子量体の架橋反応工程では、反応系から(C)溶媒を除去してもよい。架橋反応工程は、温度範囲100℃~300℃、1分間~1時間、及び/又は熱プレスの条件下で行われることが好ましい。
第二反応条件下での線状高分子量体の架橋反応工程は、追加触媒なしで行われることが好ましく、第一反応条件下で使用した(B)触媒を反応系に残したままで行われることがより好ましく、Pt含有触媒等のヒドロシリル化触媒を反応系に残したままで行われることが更に好ましい。本実施形態に係る硬化性樹脂組成物を用いる硬化方法では、驚くべきことに、架橋促進剤等を追加触媒として第二反応系に加えることなく、架橋反応の進行が見出された。理論に拘束されることを望まないが、第一反応条件下で使用した(B)触媒が架橋反応工程でさえも微量に残留しており、それにより架橋反応が進行したことが想定される。
上記で説明された硬化方法により得られる架橋材料又は硬化物の耐熱性については、例えば折り曲げ加工試験において、Tgを超える温度環境でさえも折れないことが好ましい。
本実施形態に係る硬化方法によれば、耐熱性架橋材料の実用化に際して脆性の問題を解決することができ、ひいては実用化に際して十分に高いTgと高い靭性と接着性を発現する硬化物も提供し得る。
以下、製造例及び実施例に基づいて本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態は、以下の製造例及び実施例に限定されるものではない。
先ず、各物性及び評価の測定方法及び評価基準について以下に述べる。
(1)数平均分子量(Mn)
測定装置として、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21を用い、標準ポリスチレンとエチルベンゼンにより検量線を作成し、この検量線を利用して、得られた変性ポリフェニレンエーテル組成物の数平均分子量(Mn)の測定を行った。
標準ポリスチレンとしては、分子量が、3,650,000、2,170,000、1,090,000、681,000、204,000、52,000、30,200、13,800、3,360、1,300、及び550のものを用いた。
カラムは、昭和電工(株)製K-805Lを2本直列につないだものを使用した。溶剤は、クロロホルムを使用し、溶剤の流量は1.0mL/分、カラムの温度は40℃として測定した。測定用試料としては、変性ポリフェニレンエーテル組成物の1g/Lクロロホルム溶液を作製して用いた。検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254nm、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmとした。
上記測定データに基づきGPCにより得られた分子量分布を示す曲線に基づくピーク面積の割合から数平均分子量(Mn)(g/mol)を算出した。
(2)PPEのガラス転移温度(Tg)
ポリフェニレンエーテル(PPE)のガラス転移温度は、示差走査熱量計DSC(PerkinElmer製-Pyrisl)を用いて測定した。窒素雰囲気中、毎分10℃の昇温速度で室温から200℃までPPEの加熱後、50℃まで毎分20℃で降温し、その後、毎分10℃の昇温速度でガラス転移温度を測定した。
(3)変性率
変性率は、特表2004-502849号公報(特許文献2)に記載の方法に従い、二硫化炭素中IR測定による反応前後の水酸基の量変化から算出した。
(4)硬化物の調製
以下の条件で、プレス法により、厚さ0.1~0.3mmのフィルム状試験片を作製した。
溶媒を含有する組成物については熱風乾燥機を使用して120℃10分乾燥させて、固形の樹脂組成物を得た。
固形の樹脂組成物をメノウ乳鉢で粉砕した。
100μm厚のテフロン(登録商標)シートを60×60mmの形状に切り抜き、銅箔のシャイン面上に6mm×6mmのサイズに切り抜いてキャビティーを施したテフロン(登録商標)シートを置き、キャビティー部に理論値の約1.5倍量(比重1として6×6×0.01×1.5=0.54g)の上記固形樹脂組成物を添加し、銅箔のシャイン面を被せ、160℃でプレス面圧40(kgf/cm)を印加、常時真空条件で、下記の温度条件でプレス硬化した。
室温~50℃、 4℃/分、 50℃ Hold時間:1分
50℃~160℃ 4℃/分、160℃ Hold時間:3分
160℃~300℃ 4℃/分、300℃ Hold時間:30分
(5)硬化物のTgおよび架橋密度の測定
日立ハイテクサイエンス社(DMS6100)を使用して、次の条件下で動的機械分析(DMA)により硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。
DMA装置の全温度領域で適格な測定が可能なサイズに試験片を切り出し、動的粘弾性試験を実施した。
試験片:短冊、測定モード:引張モード
試験開始温度:室温
昇温速度:4℃/分
試験最高温度:300℃
最高温度保持時間:5分
測定周波数:1Hz
解析:tanδピークをTgとした。
さらに、tanδピークから更に30℃高い温度における貯蔵弾性率を読み取り、架橋密度の計算に利用した。
(6)線膨張係数の測定
線膨張係数は、日立ハイテクサイエンス社TMA7100を使用して、誘電正接測定用試験片より切削したサンプルを用いて、下記の条件で測定して求めた。
測定モード:引張り
サイズ:幅2mm、長さ10mm、厚さ0.2mm
試験開始温度:-50℃
昇温速度:10℃/分
試験最高温度:250℃
最高温度保持時間:5分
(7)折り曲げ加工試験
フィルム状硬化試験片(約50mm×5mm、厚さ0.3mmt)を二本のピンセットで両端を把持し、所定の温度環境下で折り曲げ、両端が接触した段階で試験片の中央から両端に向けて5mm離れた箇所を1本のピンセットで抑え、そのままピンセットを綴じて180℃折り曲げた。
環境温度は室温を標準条件とし、アセトン/ドライアイス冷媒中で-78℃試験、メタノール/液体窒素冷媒中で-90℃試験、および液体窒素中で-174℃を実施した。処理後、試験片を取り出して、開放状態にして室温に放置し、目視で折り曲げ部分を観察して、クラック有無、白色ラインの有無などを評価した。
(8)銅箔剥離強度試験
樹脂組成物をトルエンに固形分濃度34%になるように溶解し、直径30μmのガラスビーズを微量添加後、120℃10分乾燥させて得られた固形樹脂組成物をメノウ乳鉢で粉砕した。
80mm長さの銅箔を用いて粗化面を内側にし、テフロン(登録商標)シートを使用しなかった以外は上記「(4)硬化物の調製」と同条件で硬化させ、試験片を得た。
得られた試験片をエッチングにより上限の銅箔を巾10mm、長さ80mmの形状に成形し、下記の条件で二枚の銅箔を引き剥がした時の応力より銅箔接着強度を測定した。
インストロン社製万能材料試験機(59R5582型)
試験温度:23℃、試験速度:50mm/分、引き剥がし幅:10mm
以下、各製造例、製造比較例の未変性ポリフェニレンエーテル組成物の製造方法、及び各実施例及び比較例の変性ポリフェニレンエーテル組成物の製造方法を説明する。
(製造例1)AO-40-PPE-1合成法
反応器底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼及びバッフル、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた1.5リットルのジャケット付き反応器に、予め調製整した0.1026gの酸化第一銅及び0.7712gの47質量%臭化水素の混合物と、0.2471gのN,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン、3.6407gのジメチル-n-ブチルアミン、1.1962gのジ-n-ブチルアミン、894.04gのトルエン、71.80gの2,6-ジメチルフェノール、18.21gの4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール(ADEKA製:AO-40)を入れた。次いで、これらの成分を激しく攪拌しながら、反応器へ1.05L/分の速度で空気をスパージャーより導入し始めると同時に、重合温度が40℃に保たれるようにジャケットに熱媒を通して調節した。空気を導入し始めてから160分後、空気の通気を停止した。この重合混合物に、1.1021gのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩四水和物(同仁化学研究所製試薬)を100gの水溶液として添加し、70℃に温めた。70℃にて2時間保温し、触媒抽出と副生したジフェノキノン除去処理を行った後、混合液をシャープレス社製遠心分離機に移し、未変性ポリフェニレンエーテル溶液(有機相)と、触媒金属を移した水性相とに分離した。得られた未変性ポリフェニレンエーテル溶液をジャケット付き濃縮槽に移し、未変性ポリフェニレンエーテル溶液中の固形分が55質量%になるまでトルエンを留去させて濃縮した。次いで、230℃に設定したオイルバスとロータリーエバポレーターを用いて更に濃縮物からトルエンを留去し、固形分を乾固させて未変性ポリフェニレンエーテルを得た。H-NMR測定結果から、得られたポリマーは、下記式:
Figure 2023143358000038
{式中、l及びmは、各々下記数平均分子量を満たすように任意に選択される数である。}
で表されるような構造を有する両末端OHの2官能PPE(以下、AO-40-PPE-1という)であると確認できた。GPC測定の結果、得られたAO-40-PPE-1のポリスチレン換算での分子量はMn=1700であった。また、AO-40-PPE-1の20%メチルエチルケトン溶媒中での溶液粘度は30cPoiseであった。
(製造例2)AO-40-PPE-2合成法
71.80gの2,6-ジメチルフェノールの代わりに、59.86gの2,6-ジメチルフェノールと11.97gの2,3,6-トリメチルフェノールを使用し、AO-40の使用量を18.16gとした以外は製造例1と同様に合成を実施した。このH-NMR測定結果から、得られたポリマーは、下記式:
Figure 2023143358000039
{式中、l、l’、m、及びm’は、各々下記数平均分子量を満たすように任意に選択される数である。}
で表されるような構造を有する両末端OHの2官能PPE(以下、AO-40-PPE-2という)であると確認できた。GPC測定の結果、得られたAO-40-PPE-2のポリスチレン換算での分子量はMn=1600であった。また、AO-40-PPE-2の20%メチルエチルケトン溶媒中での溶液粘度は29cPoiseであった。
変性反応例1:製品名SA90の変性
300mlの3つ口フラスコに撹拌子を入れ、主管に三方コックを付けたジムロート冷却器を設置し、一方の側管に温度計を差したゴム栓を取り付けた。もう一方の側管から製品名NORYL(商標)SA90樹脂(カタログ値:Tg135℃,分子量1700,トルエン可溶性)20.0gを投入し、ゴム栓を取り付けた。フラスコ内部を窒素置換した後、マグネチックスターラーで内部の攪拌をしながらシリンジを用いて和光純薬製超脱水トルエン60.0gで溶解させた。次いでトリエチルアミン5.72gを系内に加えた。内温を50℃まで昇温し、その後ジメチルビニルクロロシラン3.38gをシリンジに採取し、ゴム栓から系内に滴下した。滴下終了後から3時間にわたって50℃で攪拌を継続した後に和光純薬製超脱水メタノール0.86gを系内に加えて反応を停止した。
次いで、当該反応液から減圧下でトルエンとともにトリエチルアミンを留去した。その後、和光純薬製超脱水トルエンを反応液に加え、固形分濃度を20質量%に調節した。その後、ポリマー溶液をメタノール(有機相の5倍質量)に攪拌しながら滴下した。次いで沈殿物をろ過し、ろ物を110℃で1時間真空乾燥し、両末端ビニルシラン変性2官能PPE(以下、VS-SA-01Nという)を得た。得られたVS-SA-01Nは、下記構造式:
Figure 2023143358000040
{式中、l及びmは、下記表1に示される数平均分子量Mnを満たすように任意に選択される数である}
で表され、そして下記表1に示される物性を有する。
Figure 2023143358000041
変性反応例2:AO40-PPE-1の変性
SA90樹脂の代わりにAO40-PPE-1を用いた以外は変性反応例1と同様の方法で合成し、両末端ビニルシラン変性2官能PPE(以下、AO40-PPE-VS-1という)を得た。得られたAO40-PPE-VS-1は、下記構造式:
Figure 2023143358000042
{式中、l及びmは、下記表2に示される数平均分子量Mnを満たすように任意に選択される数である}
で表され、そして下記表2に示される物性を有する。
Figure 2023143358000043
変性反応例3:AO40-PPE-2の変性
SA90樹脂の代わりにAO40-PPE-2を用いた以外は変性反応例1と同様の方法で合成し、両末端ビニルシラン変性2官能PPE(以下、AO40-PPE-VS-2という)を得た。得られたAO40-PPE-VS-2は、下記構造式:
Figure 2023143358000044
{式中、l、l’、m、及びm’は、下記表3に示される数平均分子量Mnを満たすように任意に選択される数である}
で表され、そして下記表3に示される物性を有する。
Figure 2023143358000045
(実施例1)
・線状高分子量体の調製
下記反応スキームIに従って、200質量部のトルエン中において、100質量部のVS-SA-01Nと17質量部のビス[(p-ジメチルシリル)フェニル]エーテルとを、Pt含有触媒をPt換算値220ppmの存在下、SiH/ビニル=1/1(当量比)で3時間に亘って還流させ、リニア付加反応させて、トルエンを留去して反応生成物(以下、線状高分子量体T3-0719という)110質量部(収率94%)を得た。線状高分子量体T3-0719について上記のとおりに物性を測定したところ、Mn=8,090、Mw=29,290かつトルエン可溶性(室温における溶解度99質量%)であることが分かり、そしてNMR分析において-SiH基とビニル基の存在を確認して構造同定し、ビニル基残存率から求めた反応率は75%であった。図1に、線状高分子量体T3-0719のNMRチャート、チャート部分拡大図および構造式を示す。
反応スキームI中、Pt含有触媒(Pt)は、下記式:
Figure 2023143358000047
で表される製品名Umicore HS425である。また、l、m、及びnは、上記で示された数平均分子量Mnを満たすように任意に選択される数である。
・線状高分子量体の成形
得られた線状高分子量体T3-0719について、追加触媒なしの条件(すなわち、上記反応スキームに従って得られた反応生成物からPt含有触媒を除去しない状態)で上記物性・評価方法(4)に示すとおりに成形して硬化物を得た。得られた硬化物を上記物性・評価方法(5)~(8)に示すとおりに分析・評価に供した。分析・評価結果を表3に示す。図2には、硬化物のDMAにおける温度-貯蔵弾性率・損失正接の関係を示す二軸グラフを示す。DMA二軸グラフ(図2)からは、220℃での貯蔵弾性率1.35MPaが読み取れるので、架橋間分子量が10,200であると考えられる。また、成形後の硬化物のDSC測定(図示せず)を行ったところ、Tg(148℃)由来の変曲点のみが観察された。これらの分析・評価結果から、架橋反応の詳細は明らかではないが、架橋反応が確かに進行しており、かつ架橋間分子量は、T3-0719の両末端が架橋した場合の数値に近いことが分かる。
(実施例2)
表4に示すとおり、VS-SA-01NをAO40-PPE-VS-1に変更し、ビス[(p-ジメチルシリル)フェニル]エーテルの配合量を13質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法に従って111質量部の線状高分子量体を得て(収率98%)、線状高分子量体はMn=8,100、Mw=30,100かつトルエン可溶性(室温における溶解度98質量%)であることが分かり、そしてNMR分析において-SiH基とビニル基の存在を確認して構造同定し、ビニル基残存率から求めた反応率は82%であった。さらに(4)硬化物の調製のとおりにその硬化物を作製し物性測定・評価を行なった結果を表4に示す。
(実施例3)
表4に示すとおり、VS-SA-01NをAO40-PPE-VS-2に変更し、ビス[(p-ジメチルシリル)フェニル]エーテルの配合量を13質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法に従って112質量部の線状高分子量体を得て(収率99%)、線状高分子量体はMn=8,500、Mw=32,100かつトルエン可溶性(室温における溶解度99質量%)であることが分かり、そしてNMR分析において-SiH基とビニル基の存在を確認して構造同定し、ビニル基残存率から求めた反応率は80%であった。さらに(4)硬化物の調製のとおりにその硬化物を作製し物性測定・評価を行なった結果を表4に示す。
(比較例1)
表4に示すとおり、VS-SA-01Nをそのまま硬化成形して、物性測定・評価を行なった。物性測定・評価の結果も表4に示す。
(比較例2)
表4に示すとおり、二価ヒドロシリル化合物を多官能ヒドロシリル化合物(製品名Gelest HPM-502)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で実施した。反応中に系内より固形の沈殿物が生成したのでろ過乾燥して生成物を単離したところ生成物のトルエンへの室温での溶解度は10質量%未満であった。溶媒へ可溶分の数平均分子量(Mn)は4800であった。固体NMRにてビニル基の残存量より反応率を求めたところ反応率30%であった。(4)硬化物の調製に従い硬化物を作製し物性測定・評価を行なった結果を表4に示す。
Figure 2023143358000048
本発明の硬化性樹脂組成物は、特定の耐熱性(Tg)、折り曲げ加工性、剥離強度、接着性の全てを満足させ、複合構造材料、電気電子材料等として有用な硬化性樹脂組成物を提供することが出来る。

Claims (10)

  1. 下記式(1):
    Figure 2023143358000049
    {式(1)中、Yは、炭素(C)原子またはケイ素(Si)原子を表し、Zは、下記式(2):
    Figure 2023143358000050
    [式(2)中、Xは、2価の任意の連結基又は直接結合であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基及び下記式(3):
    Figure 2023143358000051
    (式(3)中、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基であり、複数のRは、各々独立に、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、aは、各々独立に、0又は1であり、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基のいずれかを表す)
    で表される部分構造のいずれかであり、そしてkは、各々独立に、1~4の整数である]
    で表される2価の部分構造であり、nは、各々独立に、0~200の整数であり、少なくとも1つのnは、1以上の整数であり、nは、1~200の整数であり、nは、1~200の整数であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、水素、又は炭素数1~8の直鎖状アルキル基であり、複数のRは、各々独立に、炭素数1~8の直鎖状アルキル基、炭素数1~8の分岐状アルキル基、又はフェニル基を表し、かつQは、下記式(4)、式(5)または式(6):
    Figure 2023143358000052
    [式(4)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、λは、それぞれ独立に、0~4の整数であり、かつxは、0~8の整数である]
    Figure 2023143358000053
    [式(5)中、R10は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、R11は、それぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、かつyは、0以上の整数である]
    -CH-CH- 式(6)
    で表される部分構造である}
    で表される、数平均分子量が1,000~100,000の架橋型耐熱プレポリマー。
  2. 前記式(2)中のXが、下記式(7)~(9):
    Figure 2023143358000054
    の構造のいずれか、または直接結合である、請求項1に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
  3. 前記式(2)で表される2価の部分構造が、下記式(10)、式(11)、式(12):
    Figure 2023143358000055
    Figure 2023143358000056
    Figure 2023143358000057
    のいずれかである、請求項1又は2に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
  4. 前記式(1)中のQが、下記式(13)
    Figure 2023143358000058
    で表される構造である、請求項1~3のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
  5. 前記式(1)中のYが、炭素(C)原子である、請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
  6. 前記架橋型耐熱プレポリマーの数平均分子量が、5,000~20,000である、請求項1~5のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー。
  7. (A)請求項1~6のいずれか1項に記載の架橋型耐熱プレポリマー;及び
    (B)触媒;
    を含有する硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(B)成分が、ヒドロシリル化触媒である、請求項7に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 前記(B)成分が、パーオキシド系触媒である、請求項7又は8に記載の硬化性樹脂組成物。
  10. (C)溶媒をさらに含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
JP2022050684A 2022-03-25 2022-03-25 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物 Pending JP2023143358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022050684A JP2023143358A (ja) 2022-03-25 2022-03-25 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022050684A JP2023143358A (ja) 2022-03-25 2022-03-25 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023143358A true JP2023143358A (ja) 2023-10-06

Family

ID=88220091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022050684A Pending JP2023143358A (ja) 2022-03-25 2022-03-25 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023143358A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7051333B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、硬化性複合材料、樹脂付き金属箔、及び回路基板材料用ワニス
KR930005399B1 (ko) 경화 폴리페닐렌 에테르 수지조성물 및 이를 사용한 적층체
WO2016009611A1 (ja) 金属張積層板とその製造方法、樹脂付き金属箔、及びプリント配線板
Chen et al. Identification of the reaction mechanism between phenyl methacrylate and epoxy and its application in preparing low-dielectric epoxy thermosets with flexibility
JP2015086330A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
CN109970519A (zh) 含双环戊二烯之官能化聚(2,6-二甲基苯醚)寡聚物、其制造方法及其用途
JPWO2018074278A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板
JP2009515026A (ja) 架橋ポリ(アリーレンエーテル)組成物、方法および物品
WO2019130735A1 (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、並びに、それを用いたプリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板及び配線基板
JP4074186B2 (ja) 架橋基含有籠状シルセスキオキサン化合物
CN111592751B (zh) 含聚苯醚的树脂组合物
JP2012520931A (ja) リン酸耐性ポリマレイミドプレポリマー組成物
WO2019065942A1 (ja) プリプレグ、並びに、それを用いた金属張積層板及び配線基板
JP2023143358A (ja) 架橋型耐熱プレポリマー及び硬化性樹脂組成物
TW202030235A (zh) 無規共聚物化合物、末端改質高分子化合物及含有此等化合物的樹脂組成物
TWI625346B (zh) Development of dicyclopentadiene-derived polyethers with low dielectric and flame retardancy application
CN112080126B (zh) 含聚苯醚的树脂组合物
CN113603883B (zh) 一种改性聚苯醚及制备方法和在高频电路板中的应用
JP6972237B2 (ja) 変性ビスマレイミド樹脂及びその調製方法、プリプレグ、銅箔基板及びプリント基板
Tkachenko et al. Synthesis and properties of novel fluorinated poly (arylene ether) s
JP2023143390A (ja) 硬化性樹脂組成物
WO2021166649A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
KR20230051161A (ko) 수지, 수지의 제조 방법, 경화성 수지 조성물 및 경화물
JP2023143431A (ja) 硬化性樹脂組成物および硬化方法
CN111574817A (zh) 含聚苯醚的树脂组合物