JP2015086330A - 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、難燃剤とを含有し、前記難燃剤が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板に関する。
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。各種電子機器において用いられるプリント配線板の基材を構成するための基板材料には、信号の伝送速度を高め、信号伝送時の損失を低減させるために、誘電率及び誘電正接が低いことが求められる。
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、誘電率や誘電正接等の誘電特性に優れ、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れていることが知られている。このため、ポリフェニレンエーテルは、例えば、高周波用成形材料として用いられることが検討されている。より具体的には、高周波数帯を利用する電子機器に備えられるプリント配線板の基材を構成するための基板材料等に好ましく用いられる。
一方、基板材料等の成形材料として利用する際には、誘電特性に優れるだけではなく、難燃性に優れていることも求められている。この点、基板材料等の成形材料として用いられる樹脂組成物には、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤やテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等の、ハロゲンを含有する化合物が配合されることが多かった。
しかしながら、このようなハロゲンを含有する化合物を含有する樹脂組成物は、その降下物にハロゲンを含有することになり、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を生成するおそれがあり、人体や自然環境に対して悪影響を及ぼす懸念が指摘されている。このような背景のもと、基板材料等の成形材料には、ハロゲンを含まないこと、いわゆるハロゲンフリー化が求められている。
このようなハロゲンフリー化された樹脂組成物としては、例えば、特許文献1に記載の樹脂組成物が挙げられる。
特許文献1には、所定の末端構造を有するポリフェニレンエーテル樹脂、架橋型硬化剤、ホスフィン酸塩系難燃剤、及び硬化触媒が配合されたポリフェニレンエーテル樹脂組成物が記載されている。
特開2010−53178号公報
特許文献1に記載の樹脂組成物は、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤ではなく、リン系難燃剤を用いることで、ハロゲンフリー化を実現している。そして、特許文献1には、これらに記載の樹脂組成物は、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れ、かつ、優れた誘電特性を有する旨が開示されている。
また、プリント配線板の基材を構成するための基板材料は、半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術の進展に対応するため、各種特性の要求がさらに高まっている。具体的には、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性をさらに高めること等が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
樹脂組成物の硬化物として、その難燃性を高めるためには、樹脂組成物における難燃剤の含有量を増やすことが考えられる。しかしながら、本発明者等の検討によれば、難燃剤の含有量を単に増やしただけでは、誘電特性や硬化物の耐熱性が低下する場合があった。そこで、本発明者等は、種々検討した結果、難燃剤の組成が、硬化物の難燃性に影響されることを見出した。そして、この影響をさらに検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、難燃剤とを含有する。そして、前記難燃剤が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤は、重量平均分子量が100〜5000であり、1分子中に平均1〜20個の前記炭素−炭素不飽和二重結合を有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤が、トリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、及び分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物は、重量平均分子量が500〜5000であり、1分子中に平均1〜5個の前記置換基を有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の末端における前記置換基が、ビニルベンジル基、アクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する置換基であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との含有比が、質量比で90:10〜30:70であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とする。
本発明によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板が提供される。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、難燃剤とを含有する。
まず、本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性されたポリフェニレンエーテルであれば、特に限定されない。
炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基としては、特に限定されない。前記置換基としては、例えば、下記式(1)で表される置換基等が挙げられる。
Figure 2015086330
式(1)中、nは、0〜10を示す。また、Zは、アリーレン基を示す。また、R〜Rは、それぞれ独立している。すなわち、R〜Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R〜Rは、水素原子またはアルキル基を示す。
なお、式(1)において、nが0である場合は、Zがポリフェニレンエーテルの末端に直接結合しているものを示す。
このアリーレン基は、特に限定されない。具体的には、フェニレン基等の単環芳香族基や、芳香族が単環ではなく、ナフタレン環等の多環芳香族である多環芳香族基等が挙げられる。また、このアリーレン基には、芳香族環に結合する水素原子がアルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換された誘導体も含む。また、前記アルキル基は、特に限定されず、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
また、前記置換基としては、より具体的には、p−エテニルベンジル基やm−エテニルベンジル基等のビニルベンジル基(エテニルベンジル基)、ビニルフェニル基、アクリレート基、及びメタクリレート基等が挙げられる。
上記式(1)に示す置換基の好ましい具体例としては、ビニルベンジル基を含む官能基が挙げられる。具体的には、下記式(2)又は式(3)から選択される少なくとも1つの置換基等が挙げられる。
Figure 2015086330
Figure 2015086330
本実施形態で用いる変性ポリフェニレンエーテルにおいて末端変性される、炭素−炭素不飽和二重結合を有する他の置換基としては、(メタ)アクリレート基が挙げられ、例えば、下記式(4)で示される。
Figure 2015086330
式(4)中、Rは、水素原子またはアルキル基を示す。前記アルキル基は、特に限定されず、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
また、本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有しており、例えば、下記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有していることが好ましい。
Figure 2015086330
また、式(5)において、mは、1〜50を示す。また、R〜Rは、それぞれ独立している。すなわち、R〜Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R〜Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。この中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
〜Rにおいて、挙げられた各官能基としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる。
アルキル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
また、アルケニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、及び3−ブテニル基等が挙げられる。
また、アルキニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基がより好ましい。具体的には、例えば、エチニル基、及びプロパ−2−イン−1−イル基(プロパルギル基)等が挙げられる。
また、アルキルカルボニル基は、アルキル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
また、アルケニルカルボニル基は、アルケニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びクロトノイル基等が挙げられる。
また、アルキニルカルボニル基は、アルキニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、プロピオロイル基等が挙げられる。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されない。具体的には、500〜5000であることが好ましく、800〜4000であることがより好ましく、1000〜3000であることがさらに好ましい。なお、ここで、重量平均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値等が挙げられる。また、変性ポリフェニレンエーテル化合物が、式(2)で表される繰り返し単位を分子中に有している場合、mは、変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内になるような数値であることが好ましい。具体的には、mは、1〜50であることが好ましい。
変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内であると、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性により優れるだけではなく、成形性にも優れたものとなる。このことは、以下のことによると考えられる。通常のポリフェニレンエーテルでは、その重量平均分子量がこのような範囲内であると、比較的低分子量のものであるので、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。この点、本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテル化合物は、末端に不飽和二重結合を以上有するので、硬化物の耐熱性が充分に高いものが得られると考えられる。また、変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内であると、比較的低分子量のものであるので、成形性にも優れると考えられる。よって、このような変性ポリフェニレンエーテル化合物は、硬化物の耐熱性により優れるだけではなく、成形性にも優れたものが得られると考えられる。
また、本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物における、変性ポリフェニレンエーテル1分子当たりの、分子末端に有する、前記置換基の平均個数(末端官能基数)は、特に限定されない。具体的には、1〜5個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましく、1.5〜3個であることがさらに好ましい。この末端官能基数が少なすぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端官能基数が多すぎると、反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、樹脂組成物の流動性が低下してしまう等の不具合が発生するおそれがある。すなわち、このような変性ポリフェニレンエーテルを用いると、流動性不足等により、例えば、多層成形時にボイドが発生する等の成形不良が発生し、信頼性の高いプリント配線板が得られにくいという成形性の問題が生じるおそれがあった。
なお、変性ポリフェニレンエーテル化合物の末端官能基数は、変性ポリフェニレンエーテル化合物1モル中に存在する全ての変性ポリフェニレンエーテル化合物の1分子あたりの、前記置換基の平均値を表した数値等が挙げられる。この末端官能基数は、例えば、得られた変性ポリフェニレンエーテル化合物に残存する水酸基数を測定して、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分を算出することによって、測定することができる。この変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分が、末端官能基数である。そして、変性ポリフェニレンエーテル化合物に残存する水酸基数の測定方法は、変性ポリフェニレンエーテル化合物の溶液に、水酸基と会合する4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を添加し、その混合溶液のUV吸光度を測定することによって、求めることができる。
また、本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の固有粘度は、特に限定されない。具体的には、0.03〜0.12dl/gであればよいが、0.04〜0.11dl/gであることが好ましく、0.06〜0.095dl/gであることがより好ましい。この固有粘度が低すぎると、分子量が低い傾向があり、低誘電率や低誘電正接等の低誘電性が得られにくい傾向がある。また、固有粘度が高すぎると、粘度が高く、充分な流動性が得られず、硬化物の成形性が低下する傾向がある。よって、変性ポリフェニレンエーテル化合物の固有粘度が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び成形性を実現できる。
なお、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。この粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
また、本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の合成方法は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物を合成できれば、特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンエーテルに、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物を反応させる方法等が挙げられる。
炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物とは、例えば、式(6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015086330
式(6)中、n、Z、R〜Rは、式(1)でのn、Z、R〜Rと同じものを示す。具体的には、nは、0〜10を示す。また、Zは、アリーレン基を示す。また、R〜Rは、それぞれ独立している。すなわち、R〜Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R〜Rは、水素原子またはアルキル基を示す。また、Xは、ハロゲン原子を示し、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。この中でも、塩素原子が好ましい。
また、式(6)で表される化合物は、上記例示したものを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物としては、例えば、p−クロロメチルスチレンやm−クロロメチルスチレン等が挙げられる。
原料であるポリフェニレンエーテルは、最終的に、所定の変性ポリフェニレンエーテルを合成することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリフェニレンエーテルやポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、2官能フェノールとは、フェノール性水酸基を分子中に2個有するフェノール化合物であり、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。また、3官能フェノールとは、フェノール性水酸基を分子中に3個有するフェノール化合物である。このようなポリフェニレンエーテルは、より具体的には、例えば、式(7)に示す構造を有するポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
Figure 2015086330
式(7)中、s,tは、例えば、sとtとの合計値が、1〜30となるものであることが好ましい。また、sが、0〜20であることが好ましく、tが、0〜20であることが好ましい。すなわち、sは、0〜20を示し、tは、0〜20を示し、sとtとの合計は、1〜30を示すことが好ましい。また、Yは、炭素数1〜3のアルキレン基又は直接結合を示し、また、このアルキレン基としては、例えば、ジメチルメチレン基等が挙げられる。
また、変性ポリフェニレンエーテル化合物の合成方法は、上述した方法が挙げられる。具体的には、上記のようなポリフェニレンエーテルと、式(6)で表される化合物とを溶媒に溶解させ、攪拌する。そうすることによって、ポリフェニレンエーテルと、式(6)で表される化合物とが反応し、本実施形態で用いられる変性ポリフェニレンエーテルが得られる。
また、この反応の際、アルカリ金属水酸化物の存在下で行うことが好ましい。そうすることによって、この反応が好適に進行すると考えられる。このことは、アルカリ金属水酸化物が、脱ハロゲン化水素剤、具体的には、脱塩酸剤として機能するためと考えられる。すなわち、アルカリ金属水酸化物が、ポリフェニレンエーテルのフェノール基と式(6)で表される化合物とから、ハロゲン化水素を脱離させ、そうすることによって、ポリフェニレンエーテルのフェノール基の水素原子の代わりに、式(1)で表される置換基が、フェノール基の酸素原子に結合すると考えられる。
また、アルカリ金属水酸化物は、脱ハロゲン化剤として働きうるものであれば、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、アルカリ金属水酸化物は、通常、水溶液の状態で用いられ、具体的には、水酸化ナトリウム水溶液として用いられる。
また、反応時間や反応温度等の反応条件は、式(6)で表される化合物等によっても異なり、上記のような反応が好適に進行する条件であれば、特に限定されない。具体的には、反応温度は、室温〜100℃であることが好ましく、30〜100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.5〜20時間であることが好ましく、0.5〜10時間であることがより好ましい。
また、反応時に用いる溶媒は、ポリフェニレンエーテルと、式(6)で表される化合物とを溶解させることができ、ポリフェニレンエーテルと、式(6)で表される化合物との反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、トルエン等が挙げられる。
また、上記の反応は、アルカリ金属水酸化物だけではなく、相間移動触媒も存在した状態で反応させることが好ましい。すなわち、上記の反応は、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させることが好ましい。そうすることによって、上記反応がより好適に進行すると考えられる。このことは、以下のことによると考えられる。相間移動触媒は、アルカリ金属水酸化物を取り込む機能を有し、水のような極性溶剤の相と、有機溶剤のような非極性溶剤の相との両方の相に可溶で、これらの相間を移動することができる触媒であることによると考えられる。具体的には、アルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウム水溶液を用い、溶媒として、水に相溶しない、トルエン等の有機溶剤を用いた場合、水酸化ナトリウム水溶液を、反応に供されている溶媒に滴下しても、溶媒と水酸化ナトリウム水溶液とが分離し、水酸化ナトリウムが、溶媒に移行しにくいと考えられる。そうなると、アルカリ金属水酸化物として添加した水酸化ナトリウム水溶液が、反応促進に寄与しにくくなると考えられる。これに対して、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させると、アルカリ金属水酸化物が相間移動触媒に取り込まれた状態で、溶媒に移行し、水酸化ナトリウム水溶液が、反応促進に寄与しやすくなると考えられる。このため、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させると、上記反応がより好適に進行すると考えられる。
また、相間移動触媒は、特に限定されないが、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物には、変性ポリフェニレンエーテルとして、上記のようにして得られた変性ポリフェニレンエーテルを含むことが好ましい。
また、本実施形態で用いられる架橋型硬化剤は、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有するものであれば、特に限定されない。すなわち、架橋型硬化剤は、変性ポリフェニレンエーテル化合物と反応させることによって、架橋を形成させて、硬化させることができるものであればよい。架橋型硬化剤は、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。
また、本実施形態において用いられる架橋型硬化剤は、重量平均分子量が100〜5000であることが好ましく、100〜4000であることがより好ましく、100〜3000であることがさらに好ましい。架橋型硬化剤の重量平均分子量が低すぎると、架橋型硬化剤が樹脂組成物の配合成分系から揮発しやすくなるおそれがある。また、架橋型硬化剤の重量平均分子量が高すぎると、樹脂組成物のワニスの粘度や、加熱成形時の溶融粘度が高くなりすぎるおそれがある。よって、架橋型硬化剤の重量平均分子量がこのような範囲内であると、硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、変性ポリフェニレンエーテル化合物との反応により、架橋を好適に形成することができるためと考えられる。なお、ここで、重量平均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値等が挙げられる。
また、本実施形態において用いられる架橋型硬化剤は、架橋型硬化剤1分子当たりの、炭素−炭素不飽和二重結合の平均個数(末端二重結合数)は、架橋型硬化剤の重量平均分子量によって異なるが、例えば、1〜20個であることが好ましく、2〜18個であることがより好ましい。この末端二重結合数が少なすぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端二重結合数が多すぎると、反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、樹脂組成物の流動性が低下してしまう等の不具合が発生するおそれがある。
また、架橋型硬化剤の末端二重結合数としては、架橋型硬化剤の重量平均分子量をより考慮すると、架橋型硬化剤の重量平均分子量が500未満(例えば、100以上500未満)の場合、1〜4個であることが好ましい。また、架橋型硬化剤の末端二重結合数としては、架橋型硬化剤の重量平均分子量が500以上(例えば、500以上5000以下)の場合、3〜20個であることが好ましい。それぞれの場合で、末端二重結合数が、上記範囲の下限値より少ないと、架橋型硬化剤の反応性が低下して、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性やTgを充分に向上させることができなくなるおそれがある。一方、末端二重結合数が、上記範囲の上限値より多いと、樹脂組成物がゲル化しやすくなるおそれがある。
なお、ここでの末端二重結合数は、使用する架橋型硬化剤の製品の規格値からわかる。ここでの末端二重結合数としては、具体的には、例えば、架橋型硬化剤1モル中に存在する全ての架橋型硬化剤の1分子あたりの二重結合数の平均値を表した数値等が挙げられる。
また、本実施形態において用いられる架橋型硬化剤は、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、ポリブタジエン等のように分子中にビニル基を2個以上有するビニル化合物(多官能ビニル化合物)、及び分子中にビニルベンジル基を有するスチレン、ジビニルベンゼン等のビニルベンジル化合物等が挙げられる。この中でも、炭素−炭素二重結合を分子中に2個以上有するものが好ましい。具体的には、トリアルケニルイソシアヌレート化合物、多官能アクリレート化合物、多官能メタクリレート化合物、多官能ビニル化合物、及びジビニルベンゼン化合物等が挙げられる。これらを用いると、硬化反応により架橋がより好適に形成されると考えられ、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物の耐熱性をより高めることができる。また、架橋型硬化剤は、例示した架橋型硬化剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋型硬化剤としては、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に2個以上有する化合物と、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に1個有する化合物とを併用してもよい。炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に1個有する化合物としては、具体的には、分子中にビニル基を1個有する化合物(モノビニル化合物)等が挙げられる。
また、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との合計100質量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、50〜90質量部であることがより好ましい。また、前記架橋型硬化剤の含有量が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との合計100質量部に対して、10〜70質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。すなわち、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との含有比が、質量比で90:10〜30:70であることが好ましく、90:10〜50:50であることが好ましい。前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の各含有量が、上記比を満たすような含有量であれば、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との硬化反応が好適に進行するためと考えられる。
また、本実施形態で用いられる難燃剤は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
前記相溶性リン化合物は、難燃剤として作用し、かつ、前記混合物に相溶するリン化合物であれば、特に限定されない。また、相溶とは、この場合、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物中で、例えば分子レベルで微分散する状態になることをいう。前記相溶性リン化合物としては、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物等が挙げられる。また、ホスファゼン化合物としては、例えば、環状又は鎖状のホスファゼン化合物が挙げられる。なお、環状ホスファゼン化合物は、シクロホスファゼンとも呼ばれ、リンと窒素とを構成元素とする二重結合を分子内に有する化合物であって、環状構造を有するものである。また、リン酸エステル化合物としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジ2,6−キシレニルホスフェート)、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(DOPO)、芳香族縮合リン酸エステル化合物等の縮合リン酸エステル化合物、及び環状リン酸エステル化合物等が挙げられる。また、亜リン酸エステル化合物としては、例えば、トリメチルホスファイト、及びトリエチルホスファイト等が挙げられる。また、ホスフィン化合物としては、例えば、トリス−(4−メトキシフェニル)ホスフィン、及びトリフェニルホスフィン等が挙げられる。また、前記相溶性リン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記非相溶性リン化合物は、難燃剤として作用し、かつ、前記混合物に相溶しない非相溶のリン化合物であれば、特に限定されない。また、非相溶とは、この場合、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物中で相溶せず、対象物(リン化合物)が混合物中に島状に分散する状態になることをいう。前記非相溶性リン化合物としては、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物等が挙げられる。また、ホスフィン酸塩化合物としては、例えば、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル等が挙げられる。また、ポリリン酸塩化合物としては、例えば、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム等が挙げられる。また、ホスホニウム塩化合物としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、及びテトラフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。また、前記非相溶性リン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃剤として、上述したように、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とを併用することによって、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とのいずれか一方のみを用いた場合より、得られた硬化物の難燃性を高めることができる。そして、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物との併用は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との硬化反応の阻害を充分に抑制しつつ、得られた硬化物の難燃性を高めることができると考えられる。さらに、前記硬化反応の阻害を充分に抑制するので、硬化物の耐熱性の低下も充分に抑制できると考えられる。これらのことから、前記樹脂組成物は、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れたものになると考えられる。また、難燃剤として、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とのいずれかを用いた場合、前記併用の場合と同程度の難燃性を確保しようとすると、前記相溶性リン化合物又は前記非相溶性リン化合物を多量に含有させる必要がある。すなわち、本実施形態における、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との合計含有量より、前記相溶性リン化合物又は前記非相溶性リン化合物を多量に含有させる必要がある。このように、難燃剤として、前記併用をするのではなく、単に含有量を増やすだけでは、誘電特性や硬化物の耐熱性等が低下することが考えられる。このことから、難燃剤として、前記併用を採用すると、後述するような含有量で、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を抑制しつつ、難燃性を高めることができる。以上のことから、上記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものになると考えられる。
また、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比は、質量比で20:80〜80:20であることが好ましく、20:80〜50:50であることが好ましい。このような含有比であれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する上記効果をより発揮することができるためと考えられる。
また、前記樹脂組成物は、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましく、1.8〜5質量部であることがより好ましく、1.8〜4.8質量部であることがさらに好ましい。また、前記難燃剤の含有量としては、前記樹脂組成物における、リン原子の含有量が上記範囲内になるような含有量であることが好ましい。このような含有量であれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、難燃剤を含有することによる、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を充分に抑制しつつ、難燃性を充分に高めることができることによると考えられる。なお、有機成分(前記難燃剤を除く)とは、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤等の有機成分を含むものであり、その他の有機成分を追加的に添加する場合には、この追加的に添加した有機成分も含むものとする。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、難燃剤として、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とからなるものであってもよいし、この2種以外の難燃剤も含有してもよい。また、難燃剤として、前記相溶性リン化合物及び前記非相溶性リン化合物以外の難燃剤を含有してもよいが、ハロゲンフリーの観点から、ハロゲン系難燃剤は含有しないことが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記熱硬化型硬化剤と前記難燃剤とからなるものであってもよいが、これらを含んでいれば、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分として、例えば、充填材、添加剤、及び反応開始剤等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、充填材を含有してもよい。充填材としては、樹脂組成物の硬化物の、耐熱性や難燃性を高めるために添加するもの等が挙げられ、特に限定されない。また、充填材を含有させることによって、耐熱性や難燃性等をさらに高めることができる。充填材としては、具体的には、球状シリカ等のシリカ、アルミナ、酸化チタン、及びマイカ等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、タルク、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、充填材としては、この中でも、シリカ、マイカ、及びタルクが好ましく、球状シリカがより好ましい。また、充填材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理したものを用いてもよい。
また、充填材を含有する場合、その含有量は、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、30〜150質量部であることが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤及びアクリル酸エステル系消泡剤等の消泡剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤、湿潤分散剤等の分散剤等が挙げられる。
また、本実施形態に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、上述したように、反応開始剤を含有してもよい。ポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテルと熱硬化型硬化剤とからなるものであっても、硬化反応は進行し得る。また、変性ポリフェニレンエーテルのみであっても、硬化反応は進行し得る。しかしながら、プロセス条件によっては硬化が進行するまで高温にすることが困難な場合があるので、反応開始剤を添加してもよい。反応開始剤は、変性ポリフェニレンエーテルと熱硬化型硬化剤との硬化反応を促進することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン,過酸化ベンゾイル、3,3’,5,5’−テトラメチル−1,4−ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシル、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等の酸化剤が挙げられる。また、必要に応じて、カルボン酸金属塩等を併用することができる。そうすることによって、硬化反応を一層促進させるができる。これらの中でも、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンが好ましく用いられる。α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンは、反応開始温度が比較的に高いため、プリプレグ乾燥時等の硬化する必要がない時点での硬化反応の促進を抑制することができ、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の保存性の低下を抑制することができる。さらに、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンは、揮発性が低いため、プリプレグ乾燥時や保存時に揮発せず、安定性が良好である。また、反応開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いてもよい。すなわち、樹脂組成物は、通常、ワニス状に調製されたものとしてもよい。このようなワニス状の樹脂組成物は、例えば、以下のようにして調製される。
まず、変性ポリフェニレンエーテル化合物、架橋型硬化剤、及び相溶型の難燃剤等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられる、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材、及び非相溶型の難燃剤等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、変性ポリフェニレンエーテル化合物、架橋型硬化剤、及び難燃剤等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物を、繊維質基材に含浸させることによって、プリプレグとしてもよい。すなわち、本発明の実施形態に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られたものである。このようなプリプレグを製造する方法としては、例えば、前記樹脂組成物、例えば、ワニス状に調製された樹脂組成物を繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.02〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
樹脂組成物の繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂組成物を用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び含浸量に調整することも可能である。
樹脂組成物が含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜180℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。すなわち、本発明の実施形態に係る金属張積層板は、上述のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたものである。また、加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができる。例えば、温度を170〜210℃、圧力を1.5〜4.0MPa、時間を60〜150分間とすることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものである。このため、この樹脂組成物を用いて得られたプリプレグは、誘電特性、耐熱性及び難燃性に優れた金属張積層板を製造することができるプリプレグである。また、このプリプレグを用いた金属張積層板は、誘電特性、耐熱性及び難燃性に優れたプリント配線板を製造することができる。
そして、作製された金属張積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、金属張積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。すなわち、本発明の実施形態に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られたものである。このように得られるプリント配線板は、誘電特性、耐熱性及び難燃性が優れたものである。
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、難燃剤とを含有する。そして、前記難燃剤が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、得られた硬化物の難燃性を、より高めることができることを、本発明者等が見出したことでなされたものである。すなわち、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれかを用いた場合より、得られた硬化物の難燃性を高めることができることによる。そして、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物との併用は、変性ポリフェニレンエーテル化合物と架橋型硬化剤との硬化反応の阻害を充分に抑制しつつ、得られた硬化物の難燃性を高めることができると考えられる。そして、前記硬化反応の阻害を充分に抑制するので、硬化物の耐熱性の低下も充分に抑制できると考えられる。これらのことから、上記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものになると考えられる。
以上のことから、上記のような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する上記効果をより発揮することができるためと考えられる。
また、前記樹脂組成物において、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤を含有することによる、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を充分に抑制しつつ、難燃性を充分に高めることができることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤は、重量平均分子量が100〜5000であり、1分子中に平均1〜20個の前記炭素−炭素不飽和二重結合を有することが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤が、トリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、及び分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物は、重量平均分子量が500〜5000であり、1分子中に平均1〜5個の前記置換基を有することが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の末端における前記置換基が、ビニルベンジル基、アクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する置換基であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との含有比が、質量比で90:10〜30:70であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れた金属張積層板を製造することができるプリプレグが得られる。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板を製造することができる金属張積層板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板が得られる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜17、及び比較例1〜4]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
(ポリフェニレンエーテル化合物:PPE成分)
変性PPE−1:ポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリル基で変性した変性ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA9000、重量平均分子量Mw1700、末端官能基数2個)
変性PPE−2:
ポリフェニレンエーテルとクロロメチルスチレンとを反応させて得られた変性ポリフェニレンエーテルである。
具体的には、以下のように反応させて得られた変性ポリフェニレンエーテルである。
まず、温度調節器、攪拌装置、冷却設備、及び滴下ロートを備えた1リットルの3つ口フラスコに、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA90、末端水酸基数2個、重量平均分子量Mw1700)200g、p−クロロメチルスチレンとm−クロロメチルスチレンとの質量比が50:50の混合物(東京化成工業株式会社製のクロロメチルスチレン:CMS)30g、相間移動触媒として、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド1.227g、及びトルエン400gを仕込み、攪拌した。そして、ポリフェニレンエーテル、クロロメチルスチレン、及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドが、トルエンに溶解するまで攪拌した。その際、徐々に加熱し、最終的に液温が75℃になるまで加熱した。そして、その溶液に、アルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20g/水20g)を20分間かけて、滴下した。その後、さらに、75℃で4時間攪拌した。次に、10質量%の塩酸でフラスコの内容物を中和した後、多量のメタノールを投入した。そうすることによって、フラスコ内の液体に沈殿物を生じさせた。すなわち、フラスコ内の反応液に含まれる生成物を再沈させた。そして、この沈殿物をろ過によって取り出し、メタノールと水との質量比が80:20の混合液で3回洗浄した後、減圧下、80℃で3時間乾燥させた。
得られた固体を、1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した。NMRを測定した結果、5〜7ppmにビニルベンジル基(エテニルベンジル基)に由来するピークが確認された。これにより、得られた固体が、分子末端に、前記置換基としてビニルベンジル基を分子中に有する変性ポリフェニレンエーテルであることが確認できた。具体的には、エテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。
また、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能基数を、以下のようにして測定した。
まず、変性ポリフェニレンエーテルを正確に秤量した。その際の重量を、X(mg)とする。そして、この秤量した変性ポリフェニレンエーテルを、25mLの塩化メチレンに溶解させ、その溶液に、10質量%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)のエタノール溶液(TEAH:エタノール(体積比)=15:85)を100μL添加した後、UV分光光度計(株式会社島津製作所製のUV−1600)を用いて、318nmの吸光度(Abs)を測定した。そして、その測定結果から、下記式を用いて、変性ポリフェニレンエーテルの末端水酸基数を算出した。
残存OH量(μmol/g)=[(25×Abs)/(ε×OPL×X)]×10
ここで、εは、吸光係数を示し、4700L/mol・cmである。また、OPLは、セル光路長であり、1cmである。
そして、その算出された変性ポリフェニレンエーテルの残存OH量(末端水酸基数)は、ほぼゼロであることから、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基が、ほぼ変性されていることがわかった。このことから、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数からの減少分は、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数であることがわかった。すなわち、変性前のポリフェニレンエーテルの末端水酸基数が、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能基数であることがわかった。つまり、末端官能基数が、2個であった。
また、変性ポリフェニレンエーテルの、25℃の塩化メチレン中で固有粘度(IV)を測定した。具体的には、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度(IV)を、変性ポリフェニレンエーテルの、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計(Schott社製のAVS500 Visco System)で測定した。その結果、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度(IV)は、0.086dl/gであった。
また、変性ポリフェニレンエーテルの分子量分布を、GPCを用いて、測定した。そして、その得られた分子量分布から、重量平均分子量(Mw)を算出した。その結果、Mwは、1900であった。
変性PPE−3:
ポリフェニレンエーテルとして、後述するポリフェニレンエーテルを用い、後述の条件にしたこと以外、変性PPE−2の合成と同様の方法で合成した。
用いたポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA120、固有粘度(IV)0.125dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw2400)であった。
次に、ポリフェニレンエーテルと、クロロメチルスチレンとの反応は、前記ポリフェニレンエーテル(SA120)を200g、CMSを15g、相間移動触媒(テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド)を0.92g用い、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20g/水20g)の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム10g/水10g)を用いたこと以外、変性PPE−2の合成と同様の方法で合成した。
そして、得られた固体を、1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した。NMRを測定した結果、5〜7ppmにエテニルベンジル基に由来するピークが確認された。これにより、得られた固体が、前記置換基としてビニルベンジル基を分子中に有する変性ポリフェニレンエーテルであることが確認できた。具体的には、エテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。
また、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能数を、上記と同様の方法で測定した。その結果、末端官能数が、1個であった。
また、変性ポリフェニレンエーテルの、25℃の塩化メチレン中で固有粘度(IV)を、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度(IV)は、0.125dl/gであった。
また、変性ポリフェニレンエーテルのMwを、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、Mwは、2800であった。
変性PPE−4:
ポリフェニレンエーテルとして、後述するポリフェニレンエーテルを用い、後述の条件にしたこと以外、変性PPE−2の合成と同様の方法で合成した。
用いたポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のnoryl640−111、固有粘度(IV)0.45dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw47000)を分配再配列したものである。具体的には、以下のように分配再配列した。
前記ポリフェニレンエーテル(noryl640−111)200g、フェノール種としてビスフェノールA 65g、開始剤として過酸化ベンゾイル(日油株式会社製のナイパーBW)65gをそれぞれ配合し、これに溶剤であるトルエン400gを加えて90℃で1時間混合した。そうすることによって、分配再配列されたポリフェニレンエーテル(末端水酸基数5個、重量平均分子量Mw2000)が得られた。
次に、ポリフェニレンエーテルと、クロロメチルスチレンとの反応は、上記の分配再配列されたポリフェニレンエーテルを200g、CMSを65g、相間移動触媒(テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド)を1.92g用い、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20g/水20g)の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム40g/水40g)を用いたこと以外、変性PPE−2の合成と同様の方法で合成した。
そして、上記のようにして得られた固体を、1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した。NMRを測定した結果、5〜7ppmにエテニルベンジル基に由来するピークが確認された。これにより、得られた固体が、前記置換基としてビニルベンジル基を分子中に有する変性ポリフェニレンエーテルであることが確認できた。具体的には、エテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。
また、変性ポリフェニレンエーテルの末端官能数を、上記と同様の方法で測定した。その結果、末端官能数が、5個であった。
また、変性ポリフェニレンエーテルの、25℃の塩化メチレン中で固有粘度(IV)を、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、変性ポリフェニレンエーテルの固有粘度(IV)は、0.068dl/gであった。
また、変性ポリフェニレンエーテルのMnを、上記の方法と同様の方法で測定した。その結果、Mwは、2000であった。
無変性PPE−1:末端に水酸基を有するポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA120、固有粘度(IV)0.125dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw2600)
無変性PPE−2:末端に水酸基を有するポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のnoryl640−111、固有粘度(IV)0.45dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw47000)
(架橋型硬化剤)
TAIC:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製のTAIC、重量平均分子量Mw249、末端二重結合数3個)
スチレン:スチレンモノマー(分子量104、末端二重結合数1個)
DCP:ジシクロペンタジエン型メタクリレート(新中村化学工業株式会社製のDCPメタクリレート、重量平均分子量Mw332、末端二重結合数2個)
DVB:ジビニルベンゼン(新日鐵住金株式会社製のDVB810、分子量130、末端二重結合数2個)
ポリブタジエンオリゴマー:ポリブタジエンオリゴマー(日本曹達株式会社製のB1000、重量平均分子量Mw1100、末端二重結合数15個)
(相溶性リン化合物)
リン酸エステル化合物:芳香族縮合リン酸エステル化合物(大八化学工業株式会社製のPX−200:リン濃度9質量%)
ホスファゼン化合物:環状ホスファゼン化合物(大塚化学株式会社製のSPB−100:リン濃度13質量%)
(非相溶性リン化合物)
ホスフィン酸塩化合物:トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(クラリアントジャパン株式会社製のエクソリットOP−935:リン濃度23質量%)
ポリリン酸塩化合物:ポリリン酸メラミン(BASF社製のMelapur200:リン濃度13質量%)
(反応開始剤)
開始剤:1,3−ビス(ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日油株式会社製のパーブチルP)
[調製方法]
まず、各成分を表1〜3に記載の配合割合で、固形分濃度が60質量%となるように、トルエンに添加し、混合させた。その混合物を、60分間攪拌することによって、ワニス状の樹脂組成物(ワニス)が得られた。
次に、得られたワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯7628タイプ、Eガラス)に含浸させた後、100〜170℃で約3〜6分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、変性ポリフェニレンエーテル化合物等のポリフェニレンエーテル化合物、及び架橋型硬化剤等の、硬化反応により樹脂を構成する成分の含有量(レジンコンテント)が約40質量%となるように調整した。
そして、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、所定の厚みの評価基板を得た。具体的には、例えば、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層することによって、厚み約0.8mmの評価基板を得た。
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
[誘電特性(誘電率及び誘電正接)]
1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を、IPC−TM650−2.5.5.9に準拠の方法で測定した。具体的には、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のRFインピーダンスアナライザ HP4291B)を用い、1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
[難燃性]
評価基板から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94” に準じて、燃焼試験を10回行った。具体的には、5個のテストピールをそれぞれ2回ずつ燃焼試験を行った。その燃焼試験の際の燃焼持続時間の合計時間により、燃焼性を評価した。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ株式会社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて、プリプレグのTgを測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして動的粘弾性測定(DMA)を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanδが極大を示す温度をTgとした。
[吸湿半田耐熱性]
吸湿半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
上記各評価における結果は、表1〜3に示す。
Figure 2015086330
Figure 2015086330
Figure 2015086330
表1〜3からわかるように、変性ポリフェニレンエーテル化合物及び架橋性硬化剤を含み、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する樹脂組成物を用いた場合(実施例1〜17)は、難燃剤として、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれか一方のみを含有する樹脂組成物を用いた場合(比較例1,2)より、難燃性に優れた積層板を製造することができた。また、ポリフェニレンエーテル化合物として、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物を用いた場合(実施例1〜17)は、変性していないポリフェニレンエーテル化合物を用いた場合(比較例3,4)より、耐熱性及び難燃性に優れた積層板を製造することができた。また、難燃剤として、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれか一方のみを含有した場合において、難燃性を高めるために、難燃剤の含有量を増やすと、誘電特性や硬化物の耐熱性等が低下する。これらのことから、変性ポリフェニレンエーテル化合物及び架橋型硬化剤を含む樹脂組成物において、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、誘電特性に優れ、かつ、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた組成物が得られることがわかる。

Claims (12)

  1. 炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、
    炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、
    難燃剤とを含有し、
    前記難燃剤が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記架橋型硬化剤は、重量平均分子量が100〜5000であり、1分子中に平均1〜20個の前記炭素−炭素不飽和二重結合を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記架橋型硬化剤が、トリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、及び分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記変性ポリフェニレンエーテル化合物は、重量平均分子量が500〜5000であり、1分子中に平均1〜5個の前記置換基を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の末端における前記置換基が、ビニルベンジル基、アクリレート基、及びメタクリレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する置換基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記架橋型硬化剤との含有比が、質量比で90:10〜30:70である請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  11. 請求項10に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層板。
  12. 請求項11に記載の金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とするプリント配線板。
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