JP2021147621A - デバイス用硬化性接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波領域での低誘電特性に優れる硬化物を与える接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シートを提供する。【解決手段】下記(A)成分、(B)成分、及び(D)成分を含有する接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シート。(A)成分:ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂(B)成分:末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物(D)成分:カチオン重合開始剤【選択図】 なし

Description

本発明は、高周波領域での低誘電特性に優れる硬化物を与える接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シートに関する。本明細書において、高周波領域とは、300MHz〜300GHzの領域を指すものとする。
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴い、配線部材としてフレキシブルプリント配線板(FPC)を用いることが多くなってきている。
FPCは、例えば、ポリイミド等の絶縁樹脂フィルムに銅箔を貼合したもの(銅張積層板)の銅箔に対してエッチング処理を施して、電気回路を形成することにより得ることができる。
また、通常、絶縁樹脂基材と接着剤層とを有するカバーレイフィルムを、電気回路が形成された銅箔に貼合し、電気回路を保護することが行われている。
ところで、近年、スマートフォン等の通信機器に関しては、より大容量のデータを扱うために、電気信号の高周波化が進んでいる。
しかしながら、高周波領域の電気信号は熱に変わりやすいため、電気信号を高周波化すると伝送損失が増大する傾向があった。
高周波領域の電気信号を、高速で、かつ、伝送損失を抑えて伝送するために、配線部材を構成する絶縁体(基材や接着剤等)の誘電特性を改善(低誘電率化及び低誘電正接化)することが行われてきた。
特許文献1には、基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の表面に接着剤層とを備える接着剤層付き積層体であって、前記接着剤層が特定の接着剤組成物からなるものである接着剤層付き積層体が記載されている。
特許文献1には、その接着剤層付き積層体は、電気特性(低誘電率、低誘電正接)等に優れることも記載されている。
特開2018−150541号公報
特許文献1に記載される接着剤組成物の硬化物は、低誘電特性を有している(本明細書において、「低誘電特性」とは「低誘電率及び低誘電正接」をいう。)。
しかしながら、今後予想される電気信号の更なる高周波化に対応するために、高周波領域での低誘電特性にさらに優れる硬化物を形成することが要望されていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高周波領域での低誘電特性に優れる硬化物を与える接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シートについて鋭意検討した。その結果、ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂と、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物を用いることで、高周波領域での低誘電特性に優れる硬化物を与える接着剤層を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記〔1〕〜〔12〕のデバイス用硬化性接着シートが提供される。
〔1〕下記(A)成分(B)成分、及び(D)成分を含有する接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シート。
(A)成分:ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂
(B)成分:末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物
(D)成分:カチオン重合開始剤
〔2〕前記(B)成分が、複素環骨格を有する化合物である、〔1〕に記載のデバイス用硬化性接着シート。
〔3〕前記複素環骨格が、イソシアヌレート骨格又はグリコールウリル骨格である、〔2〕に記載のデバイス用硬化性接着シート。
〔4〕前記(B)成分の分子量が、1,000以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
〔5〕前記(B)成分が有する、末端に二重結合を有する炭化水素基の数が2である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
〕前記接着剤層が、オレフィン系樹脂をバインダー樹脂として含有するものである、〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
〕前記接着剤層が、反応性官能基を有する樹脂をバインダー樹脂として含有するものである、〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
〕前記接着剤層が、環状エーテル基を有する化合物を含有する層、又は、環状エーテル基を有する化合物を含有しない層であって、環状エーテル基を有する化合物の含有量が接着剤層中5質量%未満である、〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
〕前記接着剤層が、25℃において液体の化合物を含有する層であって、25℃において液体の化合物の含有量が、接着剤層中5質量%以上である、〔1〕〜〔〕のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
10〕25℃において液体の化合物の少なくとも1種が、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物である、〔〕に記載のデバイス用硬化性接着シート。
11〕末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有し、かつ、25℃において液体の化合物の含有量が、25℃において液体の化合物の全量中90質量%以上である、〔10〕に記載のデバイス用硬化性接着シート。
本発明によれば、高周波領域での低誘電特性に優れる硬化物を与える接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シートが提供される。
本発明のデバイス用硬化性接着シートは、下記(A)成分及び(B)成分を含有する接着剤層を有するものである。
(A)成分:ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂
(B)成分:末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物
〔(A)成分:ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、(A)成分として、ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂(以下、「ポリフェニレンエーテル樹脂(A)」ということがある。)を含有する。
ポリフェニレンエーテル樹脂とは、主鎖にポリフェニレン骨格を有する樹脂をいう。
ポリフェニレン骨格とは、下記式
Figure 2021147621
で表される繰り返し単位、又は、上記式中の水素原子が置換されてなる繰り返し単位を有する骨格をいう。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)はポリフェニレンエーテル骨格を有することから、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)を含有する接着剤層の硬化物は低誘電特性に優れる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)中のポリフェニレンエーテル骨格としては、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2021147621
式(1)中、Xは、下記式(2)又は式(3)で表される2価の基であり、Yは、それぞれ独立して、下記式(4)で表される2価の基であり、a及びbは、0〜100の整数であり、aとbの少なくともいずれか一方が1以上である。*は結合手を表す(以下、同じ)。
Figure 2021147621
式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。
Figure 2021147621
式(3)中、R〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。Aは、炭素数20以下の、直鎖状、分岐状、又は環状の2価の炭化水素基を表す。
Figure 2021147621
式(4)中、R17〜R20は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)中のポリフェニレンエーテル骨格としては、下記式(5)で表されるものが挙げられる。
Figure 2021147621
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)はビニル基を有することから、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)を含有する接着剤層の硬化物は低誘電特性、架橋性及び耐熱性に優れる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)中のビニル基は、ビニルベンジル基、ビニルナフチル基等のように、炭化水素系置換基の一部を構成するものであってもよい。すなわち、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテル骨格に、ビニル基又はビニル基含有炭化水素基が結合してなるものである。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としては、低誘電特性に優れる硬化物が得られ易いことから、ポリフェニレンエーテル骨格の両末端にビニル基又はビニル基含有炭化水素基を有するものが好ましい。
そのようなポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、ポリフェニレンエーテル骨格を形成した後、両末端にビニル基又はビニル基含有炭化水素基を導入することにより得ることができる。
具体的には、2官能フェノール化合物と1官能フェノール化合物を反応させて、両末端にフェノール性水酸基を有する重合体を得た後、4−(クロロメチル)スチレンを用いて末端フェノール性水酸基をビニルベンジルエーテル化することで、ポリフェニレンエーテル骨格の両末端にビニルベンジル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂(A)を得ることができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としては、下記式(6)で表されるものが挙げられる。
Figure 2021147621
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製のOPE−2St(両末端にビニルベンジル基を有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂)等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は好ましくは、500〜5,000、より好ましくは500〜3,000である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の含有量は、接着剤層中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15〜50質量%である。ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の含有量は、後述するバインダー樹脂の含有量が多い場合には、接着剤層中、10〜40質量%としてもよい。
ポリフェニレンエーテル樹脂(A)の含有量が、接着剤層中、10質量%以上であることで、接着剤層の硬化性を向上させつつ、低誘電特性に優れる硬化物が得られ易くなる。
〔(B)成分:末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、(B)成分として、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物(以下、「多官能性化合物(B)」ということがある。)を含有する。
多官能性化合物(B)は末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有することから、多官能性化合物(B)を含有する接着剤層の硬化物は低誘電特性、架橋性及び接着強度に優れる。
末端に二重結合を有する炭化水素基の炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜5である。
末端に二重結合を有する炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、イソプロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、ビニルベンジル基、ビニルナフチル基等が挙げられる。これらの中でも、アリル基が好ましい。
多官能性化合物(B)に含まれる、末端に二重結合を有する炭化水素基の数は2以上である。末端に二重結合を有する炭化水素基の数が2以上であることで、硬化物中に架橋構造が形成され、接着強度や耐熱性により優れる硬化物を形成することができる。
また、硬化物中に形成される架橋構造が適度に疎らであることで、硬化後の接着剤層のクラックの発生が抑制される観点から、末端に二重結合を有する炭化水素基の数は、好ましくは2〜4、より好ましくは2である。末端に二重結合を有する炭化水素基の数が2であることで、多官能性化合物(B)の硬化性を発揮しつつ、多官能性化合物(B)の配合量が多い場合であっても、接着剤層の硬化収縮を抑えることができ、デバイス用硬化性接着シートを回路基板等の板状部材の接着に用いた場合に、板状部材の反りを低減することができる。末端に二重結合を有する炭化水素基の二重結合が重合した場合、重合前のモノマー間の距離(すなわちVan der Waals距離で示される二重結合間の距離)が、重合により、繰り返し単位間の距離(ポリマー中の共有結合の距離)に短くなるため、末端に二重結合を有する炭化水素基の数が多いほど、硬化性接着剤層の硬化収縮が大きくなる傾向がある。多官能性化合物(B)として、末端に二重結合を有する炭化水素基の数が2である化合物を選択することで、硬化収縮を効率的に抑制することが可能である。
多官能性化合物(B)は複素環骨格を有することが好ましい。多官能性化合物(B)が複素環骨格を有することで、接着強度及び低誘電特性により優れる硬化物が得られ易くなる。
複素環骨格としては、イソシアヌレート骨格やグリコールウリル骨格が挙げられる。
イソシアヌレート骨格を有する多官能性化合物(B)としては、下記式(7)又は(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021147621
Figure 2021147621
式(7)中、R21、R22は、それぞれ独立に、末端に二重結合を有する炭化水素基を表し、R23は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基、炭素数1〜15の、アルコキシ基置換アルキル基を表す。
式(8)中、R24〜R26は、それぞれ独立に、末端に二重結合を有する炭化水素基を表す。
21、R22、R24、R25、R26で表される末端に二重結合を有する炭化水素基は先に説明したとおりである。
23で表される飽和炭化水素基の炭素数は、1〜15であり、5〜15が好ましく、8〜15がより好ましい。R23で表される飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基等が挙げられる。
23で表されるアルコキシ基置換アルキル基の炭素数は、2〜15であり、2〜12が好ましく、3〜10がより好ましい。R23で表されるアルコキシ基置換アルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等が挙げられる。
グリコールウリル骨格を有する多官能性化合物(B)としては、下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021147621
式(9)中、R27〜R30は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の炭化水素基を表し、これらの少なくとも2つは、末端に二重結合を有する炭化水素基である。R31、R32は、水素原子又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
これらの中でも、適度な架橋密度の硬化物が得られ易いことから、多官能性化合物(B)としては、イソシアヌレート骨格を有する化合物が好ましく、式(7)で表される化合物がより好ましく、接着剤層の硬化物の低誘電特性をさらに向上させ、化合物の分子量を適切な範囲に調整する観点から、下記式で表される化合物がさらに好ましい。
Figure 2021147621
式中、Rは、炭素数5〜15の飽和炭化水素基を表し、炭素数8〜15の飽和炭化水素基が好ましい。
多官能性化合物(B)としては、市販品を用いることができる。
例えば、式(7)で表される化合物としては、L−DAIC(四国化成工業社製)が挙げられる。式(8)で表される化合物としては、TAIC(三菱ケミカル社製)が挙げられる。式(9)で表される化合物としてはTA−G(四国化成工業社製)が挙げられる。
多官能性化合物(B)の分子量は、1,000以下が好ましく、800以下がより好ましく、500以下がさらに好ましい。
分子量が1,000以下の多官能性化合物(B)は、25℃で液体という要件を満たす傾向がある。後述するように、多官能性化合物(B)が25℃で液体の化合物であることで、接着剤層の常温での貼付性が向上する。
「25℃で液体」とは、25℃において流動性を有することを意味する。例えば、25℃で液体の化合物とは、E型粘度計を用いて、25℃、1.0rpmにて測定した粘度が、2〜10000mPa・sの化合物である。
また、多官能性化合物(B)の分子量は、100以上が好ましく、200以上がより好ましく、275以上がさらに好ましい。
分子量が高い多官能性化合物(B)は、接着剤層を形成する際の乾燥工程や、接着剤層を硬化させる工程が、熱硬化工程であっても揮発し難いため、目的の物性を有する硬化物が得られ易くなる。
多官能性化合物(B)の沸点は、好ましくは175〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。また、多官能化合物(B)の5%重量減少温度は、好ましくは175〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。
多官能性化合物(B)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
多官能性化合物(B)の含有量は、接着剤層中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6〜50質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。多官能性化合物(B)の含有量は、後述するバインダー樹脂の含有量が多い場合には、接着剤層中、6〜30質量%としてもよい。
多官能性化合物(B)の含有量が、接着剤層中、5質量%以上であることで、接着強度及び低誘電特性に優れる硬化物が得られ易くなる。
また、後述するように、接着剤層の常温での貼付性の観点から、接着剤層が、25℃で液体の化合物を含有することが好ましいが、この25℃で液体の化合物は、多官能性化合物(B)であることが好ましい。すなわち、接着剤層の常温での貼付性を向上させるという点や、硬化反応を促進するという点では、環状エーテル基を有し、かつ、25℃で液体の化合物も有効であると考えられる。しかしながら、環状エーテル基を有する化合物を用いると、低誘電特性に優れる硬化物が得られにくくなるおそれがある。この点、多官能性化合物(B)は、環状エーテル基を有する化合物を用いた場合と異なり二重結合を有する炭化水素基が硬化反応に関与するため、接着剤層中の含有量が多くても硬化物の低誘電特性を維持できる傾向がある。したがって、多官能性化合物(B)が25℃で液体であれば、硬化物の低誘電特性を損なうことなく、接着剤層に25℃で液体の化合物を好適な量で含有させることができる。よって、25℃で液体である多官能性化合物(B)の含有量は、接着剤層中、5質量%以上であることが好ましく、6〜50質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。25℃で液体である多官能性化合物(B)の含有量は、後述するバインダー樹脂の含有量が多い場合には、接着剤層中、6〜30質量%としてもよい。
〔(C)成分:バインダー樹脂〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、(C)成分として、バインダー樹脂を含有してもよい。
後述するように、本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、25℃において液体の化合物を含有する場合がある。このような場合に、接着剤層がバインダー樹脂を含有することで、接着剤層としての形状が保持され易くなる。
バインダー樹脂は、接着剤層に造膜性と可とう性を与える重合体成分であれば特に限定されない。
バインダー樹脂としては、オレフィン系樹脂、アクリル重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系材料、ポリビニルエーテル、ポリイミド樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、低誘電特性に優れる硬化物が得られ易いことから、オレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂とは、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位を含む重合体をいう。オレフィン系樹脂は、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位のみからなる重合体であってもよいし、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位と、オレフィン系単量体と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位とからなる重合体であってもよいが、低誘電特性に優れる硬化物が得られ易いという観点から、オレフィン系単量体由来の繰り返し単位のみからなる重合体であることが好ましい。
オレフィン系単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、又は1−ヘキセンがより好ましく、エチレン又はプロピレンがさらに好ましい。これらのオレフィン系単量体は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オレフィン系単量体と共重合可能な単量体としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である(以下にて同じ。)。
これらのオレフィン系単量体と共重合可能な単量体は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オレフィン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
バインダー樹脂としては、反応性官能基を有する樹脂が好ましい。反応性官能基を有する樹脂をバインダー樹脂として用いることで、バインダー樹脂が関与する架橋構造を接着剤層の硬化物中に構築することができ、耐熱性に優れる硬化物を形成することができる。また、反応性官能基を有する樹脂をバインダー樹脂として用いることで、難接着性基材等に対しても、十分な接着力を有する硬化物を形成することができる。
反応性官能基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、アンモニウム基、ニトリル基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基、アセチル基、チオール基、エーテル基、チオエーテル基、スルホン基、ホスホン基、ニトロ基、ウレタン基、アルコキシシリル基、シラノール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
反応性官能基を有する樹脂としては、後述する変性ポリオレフィン樹脂や、上述したバインダー樹脂のうち、フェノキシ樹脂、セルロース系材料が挙げられ、また、上述したバインダー樹脂のうち、オレフィン系樹脂以外の樹脂の変性物等が挙げられる。
上記の低誘電特性に優れる硬化物が得られ易いという理由、及び、耐熱性に優れる硬化物が得られ易いという理由により、バインダー樹脂としては、変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂は、前駆体としてのオレフィン系樹脂に、変性剤(分子内に、官能基を有する化合物)を用いて変性処理を施して得られる、反応性官能基が導入されたオレフィン系樹脂である。
変性ポリオレフィン樹脂としては、接着強度により優れる硬化物が形成されることから、酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂とは、オレフィン系樹脂を酸又は酸無水物でグラフト変性したものをいう。例えば、オレフィン系樹脂に、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物(以下、「不飽和カルボン酸等」ということがある。)を反応させて、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を導入(グラフト変性)したものが挙げられる。
オレフィン系樹脂に反応させる不飽和カルボン酸等としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸、アコニット酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物;が挙げられる。
これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、接着強度により優れる硬化物が得られ易いことから、無水マレイン酸が好ましい。
オレフィン系樹脂に反応させる不飽和カルボン酸等の量は、オレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜3質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部である。このようにして得られた酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する接着剤組成物を硬化させることで、接着強度により優れる硬化物を形成することができる。
不飽和カルボン酸単位又は不飽和カルボン酸無水物単位をオレフィン系樹脂へ導入する方法は、特に限定されない。例えば、有機過酸化物類又はアゾニトリル類等のラジカル発生剤の存在下で、オレフィン系樹脂と不飽和カルボン酸等とを、オレフィン系樹脂の融点以上に加熱溶融して反応させる方法、あるいは、オレフィン系樹脂と不飽和カルボン酸等とを有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等により、オレフィン系樹脂に不飽和カルボン酸等をグラフト共重合する方法が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、アドマー(登録商標)(三井化学社製)、ユニストール(登録商標)(三井化学社製)、BondyRam(Polyram社製)、orevac(登録商標)(ARKEMA社製)、モディック(登録商標)(三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
バインダー樹脂の数平均分子量(Mn)は好ましくは10,000〜150,000、より好ましくは、30,000〜100,000である。
バインダー樹脂の数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
バインダー樹脂は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤層がバインダー樹脂を含有する場合、バインダー樹脂の含有量は、接着剤層中、好ましくは40〜80質量%、より好ましくは45〜80質量%である。
バインダー樹脂の含有量が、接着剤層中40〜80質量%であることで、形状保持性とタック性が両立した接着剤層が得られ易くなる。
〔(D)成分:カチオン重合開始剤〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、(D)成分として、カチオン重合開始剤を含有してもよい。
カチオン重合開始剤は、効率よく(A)成分及び(B)成分の重合反応を進行させ、また、他の硬化剤に比べて接着剤層の保存安定性を向上させることができるため好ましい。
カチオン重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤や、光カチオン重合開始剤が挙げられ、簡便な工程により重合が可能な熱カチオン重合開始剤が好ましい。
熱カチオン重合開始剤は、加熱によって重合を開始させるカチオン種を発生しうる化合物である。
熱カチオン重合開始剤としては、スルニホウム塩、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルシネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート等が挙げられる。
スルホニウム塩として、市販品を用いることもできる。市販品としては、アデカオプトンSP−150、アデカオプトンSP−170、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、アデカ社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−B2A、サンエイドSI−B3(以上、三新化学社製)、CYRACURE UVI−6974、CYRACURE UVI−6990(以上、ユニオン・カーバイド社製)、UVI−508、UVI−509(以上、ゼネラル・エレクトリック社製)、FC−508、FC−509(以上、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社製)、CD−1010、CD−1011(以上、サーストマー社製)、CIシリーズの製品(日本曹達社製)等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
ジアゾニウム塩としては、AMERICURE(アメリカン・キャン社製)、ULTRASET(アデカ社製)等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、ビス(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、ビス(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルシネート等が挙げられる。また、市販品として、UV−9310C(東芝シリコーン社製)、Photoinitiator2074(ローヌ・プーラン社製)、UVEシリーズの製品(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズの製品(ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社製)なども用いることができる。
カチオン重合開始剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤層がカチオン重合開始剤を含有する場合、カチオン重合開始剤の含有量は、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)、及び多官能性化合物(B)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜6質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部である。
接着剤層は、カチオン重合開始剤以外の反応性硬化剤を含有していてもよい。カチオン重合開始剤以外の反応性硬化剤としては、ベンジルメチルアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール等のアミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ピペラジン錯体などのルイス酸;ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等の過酸化物;等の熱反応性硬化剤が挙げられる。
〔(E)成分:シランカップリング剤〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、(E)成分として、シランカップリング剤を含有してもよい。
接着剤層がシランカップリング剤を含有することで、接着強度により優れる硬化物が得られ易くなる。
シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。なかでも、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物が好ましい。
シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;
p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等のスチリル基を有するシランカップリング剤;
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル・ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基を有するシランカップリング剤;
3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するシランカップリング剤;
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等のハロゲン原子を有するシランカップリング剤;
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;
ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するシランカップリング剤;
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシランカップリング剤;
アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等のアリル基を有するシランカップリング剤;
3−ヒドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基を有するシランカップリング剤;等が挙げられる。
シランカップリング剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤層がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、接着剤層中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。
〔環状エーテル化合物〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、環状エーテル基を有する化合物を含有してもよいし、含有しなくてもよい。
環状エーテル基としては、オキシラン基(エポキシ基)、オキセタン基(オキセタニル基)、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
なお、本明細書において、オキシラン基には、グリシジル基、グリシジルエーテル基、エポキシシクロヘキシル基等のオキシラン構造を有する基が含まれる。
環状エーテル基を有する化合物を含有する接着剤層の硬化物は、接着強度に優れる傾向がある。
しかしながら、環状エーテル基が開環することにより水酸基が生じるため、接着剤層が環状エーテル基を有する化合物を含有する場合、低誘電特性に優れる硬化物が得られにくくなるおそれがある。
また、本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、上記(B)成分を含有するため、環状エーテル基を有する化合物の作用効果を利用しなくても、その硬化物は十分な接着強度を有する。
したがって、本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、環状エーテル基を有する化合物をほとんど含有しないことが好ましい。
環状エーテル基を有する化合物の含有量は、接着剤層中、好ましくは5質量%未満であり、より好ましくは3質量%以下である。
〔その他の成分〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、軟化剤等の添加剤が挙げられる。
これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤層がこれらの添加剤を含有するとき、その含有量は、目的に合わせて適宜決定することができる。
〔接着剤層〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、25℃において液体の化合物を含有することが好ましい。
上記のように、本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層はポリフェニレンエーテル樹脂(A)を含有する。ポリフェニレンエーテル樹脂(A)は比較的剛直な分子構造を有するため、ポリフェニレンエーテル樹脂(A)を含有する接着剤層は常温(例えば25℃、以下同じ)での貼付性に劣るおそれがある。
この点、接着剤層に25℃で液体の化合物を含ませることで、接着剤層の常温での貼付性が向上する。
接着剤層が、25℃で液体の化合物を含有する場合、その含有量は、上記の観点から、接着剤層中、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは、6〜50質量%であり、さらに好ましくは、10〜30質量%である。25℃で液体の化合物の含有量は、後述するバインダー樹脂の含有量が多い場合には、接着剤層中、6〜30質量%としてもよい。
25℃において液体の化合物の少なくとも1種は、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物(すなわち、(B)成分の要件を充足する化合物)であることが好ましい。
25℃において液体の化合物として、(B)成分の要件を充足する化合物を用いることで、接着剤層の常温での貼付性と、その硬化物の低誘電特性を高いレベルで両立させることができる。
この観点から、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有し、かつ、25℃において液体の化合物の含有量は、25℃において液体の化合物の全量中90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層の形成方法は特に限定されない。例えば、キャスト法を用いて接着剤層を形成することができる。
接着剤層をキャスト法により形成する場合、公知の方法を用いて、原料である接着剤組成物を、基材又は剥離フィルムの剥離処理された剥離層面に塗工し、得られた塗膜を乾燥することで、接着剤層を形成することができる。
接着剤組成物は、前記(A)成分及び(B)成分と、その他の任意成分を含有するものである。
接着剤組成物は、さらに溶媒を含有してもよい。
溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤組成物が溶媒を含有するとき、溶媒の含有量は、塗工性等を考慮して適宜決定することができる。
接着剤組成物は、各成分を、常法に従って適宜混合・攪拌することにより調製することができる。
接着剤組成物を塗工する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
塗膜を乾燥する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が挙げられる。
塗膜を乾燥するときの条件としては、例えば、80〜150℃で30秒から5分間である。
接着剤層の厚さは特に限定されないが、通常1〜50μmであり、好ましくは1〜25μm、より好ましくは5〜25μmである。厚さが上記範囲内にある接着剤層は、回路基板の形成材料として好適に用いられる。
接着剤層の厚さは、公知の厚み計を用いて、JIS K 7130(1999)に準じて測定することができる。
本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層は、硬化性を有する。簡便な工程により重合が可能であるという観点や、本発明のデバイス用硬化性接着シートの用途として好適な、回路基板用途では、熱硬化法が多用されているという観点から、硬化性は熱硬化性であることが好ましい。この場合、接着剤層を加熱することにより、接着剤層が硬化する。
本発明のデバイス用硬化性接着シートが熱硬化性である場合、接着剤層を熱硬化させる際の条件は特に限定されない。
加熱温度は、ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂の反応を効率的に進行させる観点から、80〜200℃、好ましくは90〜190℃である。
加熱時間は、通常、30分から12時間、好ましくは1〜6時間である。
また、本発明のデバイス用硬化性接着シートが光硬化性である場合、接着剤層を光硬化させるための光線として、例えば、紫外線を接着剤層に照射することができる。
接着剤層の硬化物は、高周波領域での低誘電特性に優れる。
接着剤層の硬化物の、23℃、周波数1GHzにおける比誘電率(以下、この比誘電率を「比誘電率(α)」と記載することがある。)は、好ましくは2.50以下、より好ましくは2.40以下である。
比誘電率(α)の下限は特にないが、通常2.00以上である。
接着剤層の硬化物の、23℃、周波数1GHzにおける誘電正接(以下、この誘電正接を「誘電正接(β)」と記載することがある。)は、好ましくは0.0030以下であり、より好ましくは0.0020以下である。
誘電正接(β)の下限は特にないが、通常0.0001以上である。
比誘電率(α)及び誘電正接(β)の測定試料は、接着剤層を十分に硬化させたものであれば特に限定されない。
例えば、測定される接着剤層に推奨硬化条件が存在する場合は、その推奨条件で硬化された接着剤層硬化物が比誘電率(α)及び誘電正接(β)の測定試料として用いられる。接着剤層が熱硬化性であって、推奨硬化条件がない、または不明の場合は、たとえば160℃で1時間の硬化条件で得られた硬化物を比誘電率(α)及び誘電正接(β)の測定試料としてもよい。
比誘電率(α)及び誘電正接(β)は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
〔デバイス用硬化性接着シート〕
本発明のデバイス用硬化性接着シートは、前記接着剤層の他に、基材を有していてもよい。
基材としては、通常、樹脂フィルムを利用することができる。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体、ポリウレタン系ポリマー、液晶ポリマーフィルム等が挙げられる。
基材の厚さは、特に制限はないが、好ましくは10〜500μm、より好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは15〜200μmである。
本発明のデバイス用硬化性接着シートは、前記接着剤層の他に、剥離フィルムを有していてもよい。
剥離フィルムは、デバイス用硬化性接着シートを使用するまでの間は、接着剤層の保護フィルムとして機能する。また、デバイス用硬化性接着シートが基材を有しないものである場合、剥離フィルムは、デバイス用硬化性接着シートの製造工程においては支持体として機能する。
なお、本発明のデバイス用硬化性接着シートを使用する際は、通常、剥離フィルムは剥離除去される。
剥離フィルムとしては、従来公知のものを利用することができる。例えば、剥離フィルム用の基材上に、剥離剤により剥離処理された剥離層を有するものが挙げられる。
剥離フィルム用の基材としては、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離フィルムの厚さは、特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
本発明のデバイス用硬化性接着シートが剥離フィルムを有するものである場合、接着剤層の両側にそれぞれ1枚、合計2枚の剥離フィルムを有していてもよいし、接着剤層の片側にのみ剥離フィルムを有していてもよい。デバイス用硬化性接着シートが、接着剤層の表裏に2枚の剥離フィルムを有している場合、それぞれの剥離フィルムの剥離力を異なるものとしてもよい。
上記のように、本発明のデバイス用硬化性接着シートの接着剤層の硬化物は、高周波領域での低誘電特性に優れる。
したがって、本発明のデバイス用硬化性接着シートは、低誘電特性が求められるデバイス中の部材を形成する際に好適に用いられる。
例えば、本発明のデバイス用硬化性接着シートを用いることで、回路基板を構成する接着剤硬化物層を効率よく形成することができる。すなわち、本発明のデバイス用硬化性接着シートは、回路基板用硬化性接着シートとして用いることができる。回路基板としては、例えば、フレキシブルプリント配線板等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
〔実施例又は比較例で使用した化合物〕
・ポリフェニレンエーテル樹脂(A1):ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル〔三菱ガス化学社製、商品名:OPE−2St 1200、数平均分子量:1200〕
・ポリフェニレンエーテル樹脂(A2):ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル〔三菱ガス化学社製、商品名:OPE−2St 2200、数平均分子量:2200〕
・多官能性化合物(B1):イソシアヌレート骨格を有するジアリル化合物(四国化成工業社製、商品名:L−DAIC)
・環状エーテル基含有化合物(BX1):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱ケミカル社製、商品名:YX8000、エポキシ当量:205g/eq、25℃で液体〕
・バインダー樹脂(C1):酸変性α−オレフィン重合体〔三井化学社製、商品名:ユニストールH−200、数平均分子量:47,000〕
・カチオン重合開始剤(D1):スルホニウム塩系熱カチオン重合開始剤〔三新化学社製、商品名:サンエイドSI−B3〕
・シランカップリング剤(E1):8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン〔信越化学工業社製、商品名:KBM4803〕
〔実施例1〕
ポリフェニレンエーテル樹脂(A1)50質量部、多官能性化合物(B1)10質量部、バインダー樹脂(C1)100質量部、カチオン重合開始剤(D1)0.5質量部、シランカップリング剤(E1)0.2質量部をトルエンに溶解し、接着剤組成物を調製した。
この接着剤組成物を剥離フィルム(第1剥離フィルム、リンテック社製、商品名:SP−PET752150)の剥離処理面上に塗工し、得られた塗膜を100℃で2分間乾燥し、厚さが15μmの接着剤層を形成した。この接着剤層上に、もう1枚の剥離フィルム(第2剥離フィルム、リンテック社製、商品名:SP−PET381130)の剥離処理面を貼り合わせて硬化性接着シート(熱硬化性接着シート)を得た。
〔実施例2〜6、比較例1〜4〕
接着剤組成物を構成する各成分の種類及び量を第1表に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、接着剤組成物及び熱硬化性接着シートを得た。
実施例2〜6、比較例1〜4で得た熱硬化性接着シートについて、以下の試験を行った。結果を第1表に示す。
〔比誘電率、誘電正接〕
実施例又は比較例で得た熱硬化性接着シートの接着剤層を約1mmの厚さになるように複数枚積層し、剥離フィルム/約1mmの厚さの接着剤層/剥離フィルム、の構造の積層体を得た。この積層体を160℃で1時間加熱して、約1mmの厚さの接着剤層を硬化させた後、両側の剥離フィルムを剥離して、測定用試料を得た。
得られた測定用試料について、RFインピーダンス・マテリアルアナライザ(キーサイト社製、E4991A)を用いて、23℃、1GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。実施例又は比較例では、高周波領域の一例として1GHzを採用した。
Figure 2021147621
第1表から以下のことが分かる。
実施例1〜6で得られた硬化性接着シートの接着剤層の硬化物は、高周波領域での低誘電特性を有している。
一方、比較例1〜4で得られた硬化性接着シートの接着剤層は、本発明の(B)成分の代わりに環状エーテル基を有する化合物を含有するため、これらの接着剤層の硬化物は、高周波領域での低誘電特性に劣っている。

Claims (11)

  1. 下記(A)成分(B)成分、及び(D)成分を含有する接着剤層を有するデバイス用硬化性接着シート。
    (A)成分:ビニル基を有するポリフェニレンエーテル樹脂
    (B)成分:末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物
    (D)成分:カチオン重合開始剤
  2. 前記(B)成分が、複素環骨格を有する化合物である、請求項1に記載のデバイス用硬化性接着シート。
  3. 前記複素環骨格が、イソシアヌレート骨格又はグリコールウリル骨格である、請求項2に記載のデバイス用硬化性接着シート。
  4. 前記(B)成分の分子量が、1,000以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  5. 前記(B)成分が有する、末端に二重結合を有する炭化水素基の数が2である、請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  6. 前記接着剤層が、オレフィン系樹脂をバインダー樹脂として含有するものである、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  7. 前記接着剤層が、反応性官能基を有する樹脂をバインダー樹脂として含有するものである、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  8. 前記接着剤層が、環状エーテル基を有する化合物を含有する層、又は、環状エーテル基を有する化合物を含有しない層であって、環状エーテル基を有する化合物の含有量が接着剤層中5質量%未満である、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  9. 前記接着剤層が、25℃において液体の化合物を含有する層であって、25℃において液体の化合物の含有量が、接着剤層中5質量%以上である、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス用硬化性接着シート。
  10. 25℃において液体の化合物の少なくとも1種が、末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有する化合物である、請求項に記載のデバイス用硬化性接着シート。
  11. 末端に二重結合を有する炭化水素基を2以上有し、かつ、25℃において液体の化合物の含有量が、25℃において液体の化合物の全量中90質量%以上である、請求項10に記載のデバイス用硬化性接着シート。
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