JP2006213876A - プリント配線板用樹脂組成物、プリント配線板用絶縁材料およびプリント配線板用絶縁材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2官能性フェニレンエーテル樹脂(1)とアルコキシシラン部分縮合物(2)とを脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂を含有することを特徴とするプリント配線板用樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
例えば、プリント配線板用絶縁材料に課せられた具体的な高性能化の要求として、高耐熱性、低熱膨張性、低誘電率、低誘電正接がある。高耐熱性は、実装時に使用するはんだの鉛フリー化に伴い実装時のリフロー温度が高くなることや、部品の大型化により実装時の基板の変形などが実装時の接続不良を引き起こすことなどから必要となってきている。低熱膨張性は、部品の大型化に伴い使用時の熱履歴による導体パターンの劣化による断線を防ぐことなどから必要となってきている。低誘電率は高周波領域での信号速度の遅延をなくすことやインピーダンスコントロールの為に重要で、低誘電正接も信号の減衰を防ぐために重要である。
当該プリプレグとは、本発明の樹脂組成物を基材に含浸し、ついで乾燥、半硬化させて得られ、いわゆるB−ステージ状プリプレグと称されるものである。基材としては、ガラス等からなる無機質繊維、ポリアミドやポリイミドからなる有機質繊維、これらの繊維を加工した織布や不織布など、各種公知のものを適宜に選択して使用できる。プリプレグの作成条件は、特に限定されないが、通常、加熱温度60〜160℃程度、加熱時間2〜20分程度で乾燥、半硬化させるのが好ましい。加熱温度が60℃未満ではアルコキシシリル部位の硬化が進行せず、プリプレグ使用時の加熱加圧成形工程で揮発分が発生する傾向がある。一方、加熱温度が160℃を超えると、硬化が大部分進行してしまい、積層時の成形性や密着性が低下する傾向がある。加熱乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
当該積層板は、前記プリプレグを銅箔の間に積層した後、加熱加圧成形することで得られる。成形条件としては、通常、温度150〜300℃程度、圧力0.98〜9.8MPa程度、時間10〜150分程度の範囲が好ましく、必要に応じて減圧下での成形もできる。この条件下では耐熱性、低誘電特性がよく、機械強度のある積層板を容易に得ることができる。成形温度が150℃未満であると硬化が不十分となりやすく、また300℃を超えると樹脂の分解が始まり、耐熱性、機械強度が低下する傾向がある。
当該フィルムは、ポリエチレンテレフタレートなどの離型可能なキャリアフィルムの上に、本発明の樹脂組成物を塗布し、特に限定はされないが、通常、60〜160℃程度で加熱乾燥して得ることができる。
当該樹脂付銅箔は、銅箔に本発明の樹脂組成物を塗布し、特に限定はされないが、通常、60〜160℃程度で加熱乾燥して得ることができる。
当該プリント配線板は、本発明の銅張り積層板に回路を形成させることにより、また、回路形成された基板上に前記のプリプレグ、ビルドアップフィルム、樹脂付銅箔を用いて多層化し、回路形成させることによって得ることができる。
攪拌機、冷却管、分水器、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名「OPE−1000」、水酸基当量520g/eq)500gとポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「Mシリケート51」、1分子あたりのSiの平均個数4.0)447gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(日東化成(株)製、商品名「ネオスタンU−100」)0.22gを加え、90℃で15時間脱メタノール反応させることによってメタノール32gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−1)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
製造例1と同様の反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(前記商品名「OPE−1000」)71.8gとポリ(メチルトリメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MTMS−A」、1分子あたりのSiの平均個数3.2)45.3gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(前記商品名「ネオスタンU−100」)0.023gを加え、90℃で15時間脱メタノール反応させることによってメタノール6.0gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−2)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
製造例1と同様の反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名「OPE−1500」、水酸基当量840g/eq)100g、ポリ(テトラメトキシシラン)(前記商品名「Mシリケート51」)56.4gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(前記商品名「ネオスタンU−100」)0.028gを加え、90℃で5時間脱メタノール反応させることによってメタノール3.8gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−3)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
製造例1と同様の反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(前記商品名「OPE−1500」)100g、ポリ(メチルトリメトキシシラン)(前記商品名「MTMS−A」)39.8gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(前記商品名「ネオスタンU−100」)0.020gを加え、90℃で5時間脱メタノール反応させることによってメタノール3.8gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−4)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
製造例1と同様の反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学(株)製、商品名「OPE−2000」、水酸基当量1010g/eq)100g、ポリ(テトラメトキシシラン)(前記商品名「Mシリケート51」)46.9gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(前記商品名「ネオスタンU−100」)0.024gを加え、90℃で7時間脱メタノール反応させることによってメタノール3.7gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−5)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
製造例1と同様の反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(前記商品名「OPE−1500」)100g、ポリ(メチルトリメトキシシラン)(前記商品名「MTMS−A」)33.1gを仕込み、無溶剤下90℃で融解混合し、均一な溶液とした。ここに触媒としてジブチル錫ジラウレート(前記商品名「ネオスタンU−100」)0.017gを加え、90℃で7時間脱メタノール反応させることによってメタノール3.2gが留去され、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂(以下、樹脂(A−6)という)を得た。メタノールの当該留去量から計算して、成分(1)中の水酸基は、実質的にすべて消費されたと判断できる。
なお、成分(1)と成分(2)の上記仕込み割合は、[成分(2)のモル数]/[成分(1)中の水酸基のモル数]=1.0である。
2官能性フェニレンエーテル樹脂(前記商品名「OPE−1000」)52gおよびビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート828」、エポキシ当量190g/eq)19gにトルエン107gを加えて溶解させた。以下、該樹脂組成物を樹脂(a−1)という。
2官能性フェニレンエーテル樹脂(前記商品名「OPE−1500」)100g、ポリ(テトラメトキシシラン)(前記商品名「Mシリケート51」)56.4gおよびトルエン56.4gを仕込み、90℃で溶解させ、均一な溶液とした。以下、該樹脂組成物を樹脂(a−2)という。
製造例1〜6および比較製造例1〜2で得られた樹脂をそれぞれトルエンで希釈し、触媒としてオクチル酸錫(エーピーアイコーポレーション製、商品名「スノタクト」)を加えてワニスを作成し、Eガラスクロス((株)有沢製作所製、商品名「1031」)に含浸させ、140℃で3分乾燥させて、樹脂量44〜47重量%となるように調整し、プリプレグを得た。ただし、比較製造例1の樹脂a−1については、触媒としてイミダゾール(四国化成(株)製、商品名「2E4MZ」)を使用した。
ガラス転移温度:動的粘弾性測定(DMA)により、昇温5℃/分、振幅10μm、周波数10Hzの条件で測定し、tanδのピークトップの温度を求めた。
弾 性 率 :動的粘弾性測定(DMA)により、昇温5℃/分、振幅10μm、周波数10Hzの条件で測定し、50℃、260℃における弾性率を求めた。
熱膨張係数 :熱機械測定(TMA)により、押付け法で荷重5g、昇温速度10℃/分の条件で測定し、50℃〜100℃の範囲のZ方向(面外)の熱膨張率を算出した。
誘電率、誘電正接:空胴共振摂動法により2GHzの誘電率、誘電正接を測定した。
Claims (7)
- 2官能性フェニレンエーテル樹脂(1)とアルコキシシラン部分縮合物(2)とを脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂を含有することを特徴とするプリント配線板用樹脂組成物。
- 2官能性フェニレンエーテル樹脂(1)の水酸基当量が、200〜3000である請求項1記載のプリント配線板用樹脂組成物。
- アルコキシシラン部分縮合物(2)がテトラメトキシシランおよび/またはメチルトリメトキシシランの部分縮合物である請求項1または2に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
- 2官能性フェニレンエーテル樹脂(1)とアルコキシシラン部分縮合物(2)との使用比率が、[アルコキシシラン部分縮合物(2)のモル数]/[2官能性フェニレンエーテル樹脂(1)中の水酸基のモル数](モル比)に換算して0.3〜2.0の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とするプリント配線板用絶縁材料。
- プリント基板用プリプレグ、プリント基板用銅張り積層板、プリント配線基板からなる群から選択される少なくとも1つの用途に用いられる、請求項5に記載のプリント配線板用絶縁材料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物を60〜300℃で硬化させてなるプリント配線板用絶縁材料の製造方法。
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