JP2004186224A - ボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、その製造法並びに該マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いたボンド磁石 - Google Patents

ボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、その製造法並びに該マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いたボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐湿性に優れ、殊に、高湿下でも水分量が変化せず、寸法精度に優れたボンド磁石を得ることができるボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末に関するものである。
【解決手段】マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の水分量(Wa)が100〜5000ppmであり、前記水分量(Wa)に対する当該フェライト粒子粉末の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)の変化率(Wb−Wa)/Waが1.0〜150%であるボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末は、マグネトプランバイト型フェライトを形成する各原料粉末を混合した後、該原料混合粉末を仮焼して粉砕した後、アニール加熱してボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を得る製造法において、前記粉砕時にアルコールとアミン化合物とを添加して得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐湿性に優れ、殊に、高湿下でも水分量が変化せず、寸法精度に優れたボンド磁石を得ることができるボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、ボンド磁石は、焼結磁石に比べ、軽量で、寸法精度が良く、複雑な形状も容易に量産化できる等の利点があるため、玩具用、事務用具用、音響機器用等の各種用途に広く使用されている。
【0003】
ボンド磁石に用いられる磁性粉末として、Nd−Fe−B系に代表される希土類磁石粉末やフェライト粒子粉末が知られている。希土類磁石粉末は高い磁気特性を有する反面、価格も高価であって、使用できる用途が制限されている。一方、フェライト粒子粉末は希土類磁石粉末に比べて磁気特性の面では劣っているが、安価であり化学的に安定であるため幅広い用途に用いられている。
【0004】
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチックス材料と磁性粉末とを混練した後、磁場中で成形するか、或いは機械的手段により成形することにより製造されている。
【0005】
近年、各分野における用具や機器の小型化・軽量化に伴って、使用されるボンド磁石の高性能化とともに寸法精度に優れることが要求されている。
【0006】
即ち、小型化された機器内のボンド磁石は極めて精度の高い寸法精度が要求されており、種々の使用環境下においても、当該ボンド磁石の寸法精度を一定に維持することが強く要求されている。殊に、高湿下においては空気中の水分を吸湿してボンド磁石の形状・寸法が変化する可能性が大きく、高湿下においても形状・寸法の変化が可及的に少ないボンド磁石が要求されている。
【0007】
そこで、ボンド磁石に用いるマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末においても、高湿下で吸湿することが少ないこと、即ち、水分量の変化が少ないことが要求されている。
【0008】
従来、環境安定性を向上させたボンド磁石として、飽和吸水率が低いポリアミド樹脂を用いたボンド磁石(特許文献1)、微結晶性ポリアミド樹脂を用いたボンド磁石(特許文献2)、含水率が1000ppm以下であって二酸化炭素発生量が400ppm以下である酸化物磁性体を用いたボンド磁石(特許文献3及び4)が知られている。
【0009】
また、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の製造工程中の粉砕処理において、分散助剤としてアルコールを添加する技術が知られている(特許文献5)。
【0010】
【特許文献1】
特開昭57−40903号公報
【特許文献2】
特開平1−137605号公報
【特許文献3】
特開平8−207043号公報
【特許文献4】
特開平8−208234号公報
【特許文献5】
特開昭54−150360号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記要求を満たすボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末は現在、最も要求されているところであるが、前記要求を十分に満たすものは未だ得られていない。
【0012】
即ち、前出特許文献1及び2に記載の各技術では、フェライト粒子粉末の水分量については考慮されておらず、高湿下における寸法精度が可及的に優れたボンド磁石とは言い難いものである。
【0013】
また、前出特許文献3及び4には、樹脂との混練に先立って混練温度より高い温度でフェライト粒子粉末を加熱する技術が開示されているが、高湿下における吸湿性が低いとは言い難いものである。
【0014】
また、前出特許文献5には、粉砕助剤としてアルコールを添加する技術が開示されているが、フェライト粒子粉末の水分量については考慮されておらず、また、後出比較例に示すとおり、アルコール単体を用いた場合には、フェライト粒子の吸湿性を十分に低減できるとは言い難いものである。
【0015】
そこで、本発明は、高湿下においても吸湿が少なく寸法精度に優れたボンド磁石が得られるボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0017】
即ち、本発明は、マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の水分量(Wa)が0.01〜0.50%であり、前記水分量(Wa)に対する当該フェライト粒子粉末の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)の変化率(Wb−Wa)/Waが1〜150%であることを特徴とするボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末である。
【0018】
また、本発明は、マグネトプランバイト型フェライトを形成する各原料粉末を混合した後、該原料混合粉末を1000〜1250℃の温度範囲で仮焼し、粉砕した後、アニール加熱してボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を得る製造法において、前記粉砕時にフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量%のアルコールとフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量%のアミン化合物とを添加することを特徴とする前記ボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の製造法である。
【0019】
また、本発明は、前記マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いたボンド磁石である。
【0020】
先ず、本発明に係るボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末(以下、「フェライト粒子粉末」という。)について説明する。
【0021】
本発明に係るフェライト粒子粉末の組成は、特に限定されるものではなく、Sr系フェライト粒子粉末、Ba系フェライト粒子粉末のいずれでもよい。また、La、Nd、Pr、Co、Zn、Ca等の異種元素を含有してもよい。
【0022】
本発明に係るフェライト粒子粉末の水分量(Wa)は、100〜5000ppmである。水分量(Wa)が100ppm未満のフェライト粒子粉末を工業的に得ることは困難である。5000ppmを越える場合には、吸湿性が高いため本発明の目的とするフェライト粒子を得ることができない。好ましくは200〜2000ppmである。
【0023】
本発明に係るフェライト粒子粉末は、前記水分量(Wa)に対する45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)の変化率(Wb−Wa)/Waが1.0〜150%である。変化率が1.0%未満の場合のフェライト粒子粉末を工業的に得ることは困難である。変化率が150%を越える場合には、吸湿性が高いため本発明の目的とするフェライト粒子を得ることができない。好ましくは2.0〜100%である。
【0024】
なお、45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)は105〜12500ppmが好ましい。
【0025】
本発明に係るフェライト粒子粉末の平均粒径は1.0〜3.0μmが好ましい。平均粒径が1.0〜3.0μmの範囲以外の場合には、ボンド磁石にする際に高充填ができなくなる為、高い磁気特性を有するボンド磁石を得ることが困難となる。より好ましくは1.0〜2.5μm、更により好ましくは1.0〜2.0μmである。
【0026】
本発明に係るフェライト粒子粉末の平均厚みは0.2〜1.0μmが好ましい。平均厚みが前記範囲以外の場合には、ボンド磁石にする際に高充填ができなくなる為、高い磁気特性を有するボンド磁石を得ること困難となる。好ましくは0.3〜1.0μm、より好ましくは0.4〜0.7μmである。
【0027】
本発明に係るフェライト粒子粉末の板状比(平均粒径/厚み)は1.0〜10が好ましい。
【0028】
本発明に係るフェライト粒子粉末の圧縮密度CDは、3000kg/m(3.00g/cm)以上が好ましい。圧縮密度が3000kg/m(3.00g/cm)未満の場合には、充填性が低下する為、高い磁気特性を有するボンド磁石が得られない。より好ましくは3100kg/m(3.10g/cm)以上である。
【0029】
本発明に係るフェライト粒子粉末の飽和磁化値σsは65.0〜73.0Am/kg(65.0〜73.0emu/g)が好ましく、保磁力Hcは、135〜279kA/m(1700〜3500Oe)が好ましい。
【0030】
本発明に係るフェライト粒子粉末の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の磁気特性は、前記磁気特性とほぼ同等である。
【0031】
次に、本発明に係るフェライト粒子粉末の製造法について述べる。
【0032】
本発明に係るフェライト粒子粉末は、所定の配合割合で原料粉末を配合・混合して、得られた原料混合粉末を大気中、1000〜1250℃の温度範囲で仮焼した後、粉砕、水洗処理し、次いで、大気中、700〜950℃の温度範囲でアニール加熱処理する製造法において、粉砕時にアルコールとアミン化合物とを添加する。
【0033】
原料粉末としては、マグネトプランバイト型フェライトを形成する各種金属の酸化物粉末、水酸化物粉末、炭酸塩粉末、硝酸塩粉末、硫酸塩粉末、塩化物粉末等の中から適宜選択すればよい。なお、焼成時における反応性の向上を考慮すれば、粒子径は2.0μm以下が好ましい。
【0034】
また、本発明においては、原料混合粉末に融剤を添加して焼成することが好ましい。融剤としては、各種融剤を用いることができ、例えば、SrCl・2HO、CaCl・2HO、MgCl、KCl、NaCl、BaCl・2HO及びNaである。添加量は、原料混合粉末100重量部に対してそれぞれ1〜10重量部が好ましい。より好ましくは1〜8.0重量部である。
【0035】
また、本発明においてはBiを原料混合粉末又は焼成後の粉砕粉末に添加・混合してもよい。
【0036】
本発明におけるアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の第一級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の第二級アルコールの一種又は二種以上を使用することができる。好ましくはエタノール、エチレングリコールである。
【0037】
アルコールの添加量はフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量部である。0.01重量部未満の場合には、吸湿性が高くなり本発明の目的とするフェライト粒子を得ることが困難となる。0.20重量部を越える場合には、効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。好ましくは0.05〜0.18重量部である。
【0038】
本発明におけるアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のメチルアミンの一種又は二種以上を使用することができる。好ましくはトリエタノールアミン、トリメチルアミンである。
【0039】
アミン化合物の添加量はフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量部である。0.01重量部未満の場合には、吸湿性が高くなり本発明の目的とするフェライト粒子を得ることが困難となる。0.20重量部を越える場合には、効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。好ましくは0.05〜0.18重量部である。
【0040】
前記アルコールと前記アミン化合物との割合は、アルコールに対してアミン化合物50〜250重量%が好ましい。50重量%未満の場合には、吸湿性が高くなり本発明の目的とするフェライト粒子を得ることが困難となる。250重量%を越える場合には、効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。より好ましくは60〜220重量%である。
【0041】
次に、本発明に係るフェライト粒子粉末を用いたボンド磁石について述べる。
【0042】
本発明に係るボンド磁石は、ボンド磁石中における前記フェライト粒子粉末の割合が70〜95wt%となるように、結合樹脂と混合したものである。
【0043】
結合樹脂としては従来のボンド磁石に使用されているものであれば特に制限はなく、ゴム、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂等から用途に応じて選択・使用できる。また、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の公知の離型剤を添加することができる。
【0044】
本発明に係るボンド磁石の水分量(Wa’)は、100〜5000ppmが好ましい。水分量(Wa’)が100ppm未満のボンド磁石を工業的に得ることは困難である。5000ppmを越える場合には、吸湿性が高いため本発明の目的とするボンド磁石を得ることができない。より好ましくは200〜2000ppmである。
【0045】
本発明に係るボンド磁石は、前記水分量(Wa’)に対する45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb’)の変化率(Wb’−Wa’)/Wa’が5.0〜150%が好ましい。変化率が5.0%未満の場合のボンド磁石を工業的に得ることは困難である。150%を越える場合には、吸湿性が高くなり本発明の目的とするボンド磁石を得ることができない。好ましくは7.0〜100%である。
【0046】
本発明に係るボンド磁石の残留磁束密度Brは230mT(2300G)以上が好ましく、より好ましくは235mT(2350G)以上である。保磁力iHcは119〜279kA/m(1500〜3500Oe)が好ましく、より好ましくは127〜259kA/m(1600〜3250Oe)である。最大エネルギー積BHmaxは10.3kJ/m(1.30MGOe)以上が好ましく、より好ましくは10.7kJ/m(1.35MGOe)以上である。
【0047】
本発明に係るボンド磁石の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の磁気特性は、前記磁気特性とほぼ同等である。
【0048】
本発明に係るボンド磁石は、後述する評価法によって体積の変化率を測定した場合、1.00%以下が好ましく、より好ましくは0.8%以下である。
【0049】
次に、本発明に係るフェライト粒子粉末を用いたボンド磁石の製造法について述べる。
【0050】
本発明に係るボンド磁石は、周知のボンド磁石の製造法によって得ることができ、例えば、本発明に係るフェライト粒子粉末と前記結合樹脂とを混合した後、磁場中で成型することによって得られる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
【0052】
フェライト粒子粉末の粒子形状は、「電界放射形走査電子顕微鏡S−800」((株)日立製作所製)により観察した。
【0053】
フェライト粒子粉末の平均粒径は、「粉体比表面積測定装置SS−100」(島津製作所(株)製)を用いて測定した。
【0054】
板状比は、ボンド磁石を配向面に対して垂直に切断した面を撮影した電子顕微鏡写真(×6,000)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について、板面径及び厚さをそれぞれ測定し、(板面径/厚さ)によって求めた。
【0055】
フェライト粒子粉末の水分量は、「微量水分測定装置AQ−7」(平沼産業(株)製)を用いて測定した。
【0056】
フェライト粒子粉末の圧縮密度には、粒子粉末を1t/cmの圧力で圧縮したときの密度を採用した。
【0057】
フェライト粒子粉末の飽和磁化値σsと保磁力Hcは、「試料振動型磁束計SSM−5−15」(東英工業(株)製)を用いて最大磁場1430kA/m(18kOe)の条件で測定した。飽和磁化値σsには、得られた各磁場における測定値を1/Hプロットにより磁場無限大に外挿した値を採用した。
【0058】
ボンド磁石の水分量は、前記「微量水分測定装置AQ−7」(平沼産業(株)製)を用いて測定した。
【0059】
ボンド磁石の磁気特性(残留磁束密度Br、飽和磁束密度Bs、保磁力iHc、最大エネルギー積BHmax)は、「直流磁化特性自動記録装置3257」(横川北辰電気(株)製)を用いて測定した。
【0060】
ボンド磁石の体積変化率は、あらかじめ直径1インチのシリンダー中で成型して体積(Va)を測定し、45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後に再度、体積(Vb)を測定して、変化率(Vb−Va)/Vaを求めた。
【0061】
<フェライト粒子粉末の製造>
粉末状のα−Fe、SrCO、La及びCoOを、組成が(Sr0.80La0.20)O・5.92[(Fe0.983Co0.017](n=5.92、x=0.20、y=0.017、z=0)となるように秤量して、湿式アトライターで30分混合した後、濾過、乾燥した。得られた原料混合粉末にBaCl・2HO及びNaの混合水溶液を添加してよく混合した後、造粒した。この時、BaCl・2HO及びNaの添加量は、上記原料混合粉末100重量部に対してそれぞれ3重量部、1重量部とした。得られた造粒物を大気中1200℃で2時間焼成した。得られた焼成物を粗粉砕した後に、湿式アトライターで30分粉砕し、水洗、濾過、乾燥した。その後、エタノール0.06重量部、トリエタノールアミン0.06重量部を添加して、更に振動ミルで30分粉砕した。次いで、得られた粉砕物を大気中950℃で1.5時間熱処理した。
【0062】
得られたフェライト粒子粉末の水分量(Wa)は560ppmであり、45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)は770ppm、変化率(Wb−Wa)/Waが37.50%であった。飽和磁化値σsは73.1Am/kg(73.1emu/g)であり、保磁力Hcは230kA/m(2890Oe)であり、また、得られたフェライト粒子粉末の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の磁気特性はいずれも前記特性と同等であり、それぞれ飽和磁化値σsは73.0Am/kg(73.0emu/g)であり、保磁力Hcは230kA/m(2890Oe)であった。粒子形状は、きれいな六角板状であった。平均粒径は1.30μmであり、圧縮密度は3300kg/m(3.30g/cm)であった。
【0063】
<ボンド磁石の製造>
このフェライト粒子粉末とエチレンビニル共重合体樹脂を、フェライト粒子粉末含有量が92wt%になるように80℃で混合した後、該混合物を2軸のロールでシート状に成型した。得られたシート状混合物を円柱状に打ち抜いた後、積層して磁場中で成型することによって、円柱状のボンド磁石を得た。
【0064】
このボンド磁石の水分量(Wa’)は320ppmであり、45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb’)は370ppm、変化率(Wb’−Wa’)/Wa’が15.63%であった。残留磁束密度Brは300mT(3000G)であり、飽和磁束密度Bsは315mT(3150G)であり、保磁力iHcは220kA/m(2760Oe)であり、最大エネルギー積BHmaxは17.5kJ/m(2.21MGOe)であった。相対湿度90%の条件下で24時間放置後の磁気特性はいずれも前記特性と同等であり、それぞれ残留磁束密度Brは300mT(3000G)であり、飽和磁束密度Bsは315mT(3150G)であり、保磁力iHcは220kA/m(2760Oe)であり、最大エネルギー積BHmaxは17.5kJ/m(2.21MGOe)であった。ボンド磁石の体積の変化率は0.26%であった。
【0065】
【作用】
本発明に係るフェライト粒子粉末が、高湿下おいても優れた耐湿性を有し水分量の変化が少ない理由は未だ明らかではないが、本発明者は次のように推定している。
【0066】
即ち、本発明に係るフェライト粒子粉末は、仮焼後の粉砕時にアルコールとアミン化合物とを添加しており、次工程のアニール処理によってアルコール及びアミン化合物が揮発すると同時に、容易に遊離し吸湿の原因となる吸着水も除去できるので、吸湿性の低い水分のみ残存させることができたことによるものと推定している。
【0067】
本発明においては、前記フェライト粒子粉末を用いてボンド磁石を形成するため、得られるボンド磁石も耐湿性に優れており、高湿下においても吸湿に伴う形状変化が抑制されたものである。
【0068】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。
【0069】
実施例1〜9、比較例1〜6:
組成、融剤の種類及び添加量、焼成温度、アルコールの種類及び量、アミン化合物の種類及び量、熱処理温度を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてフェライト粒子粉末を作成した。更に、このフェライト粒子粉末とエチレンビニル共重合体樹脂からなるボンド磁石を前記発明の実施の形態と同様にして作成した。製造条件を表1に、諸特性を表2及び表3に示す。
【0070】
【表1】
Figure 2004186224
【0071】
【表2】
Figure 2004186224
【0072】
【表3】
Figure 2004186224
【0073】
【発明の効果】
本発明に係るフェライト粒子粉末は高湿下においても水分量が可及的に変化しないので、耐湿性に優れたボンド磁石用として好適である。
【0074】
また、本発明に係るフェライト粒子粉末を用いたボンド磁石は、高湿下においても水分量が変化せず、吸湿に伴う形状・寸法の変化が可及的に抑制されているのでボンド磁石として好適である。

Claims (3)

  1. マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の水分量(Wa)が100〜5000ppmであり、前記水分量(Wa)に対する当該フェライト粒子粉末の45℃、相対湿度90%の条件下で24時間放置後の水分量(Wb)の変化率(Wb−Wa)/Waが1.0〜150%であることを特徴とするボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末。
  2. マグネトプランバイト型フェライトを形成する各原料粉末を混合した後、該原料混合粉末を1000〜1250℃の温度範囲で仮焼し、粉砕した後、アニール加熱してボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を得る製造法において、前記粉砕時にフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量%のアルコールとフェライト粒子粉末に対して0.01〜0.20重量%のアミン化合物とを添加することを特徴とする請求項1記載のボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の製造法。
  3. 請求項1記載のボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いたボンド磁石。
JP2002348577A 2002-11-29 2002-11-29 ボンド磁石用マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、その製造法並びに該マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用いたボンド磁石 Expired - Lifetime JP4379568B2 (ja)

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