JP2004182330A - 多室プラスチックパウチ、該多室プラスチックパウチの充填方法及び多室プラスチックパウチ充填物 - Google Patents

多室プラスチックパウチ、該多室プラスチックパウチの充填方法及び多室プラスチックパウチ充填物 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な装置や工程を必要とせずに、易剥離性の仕切り部に悪影響を及ぼさずに、多室パウチのそれぞれの貯蔵室に効率よく低コストで内容物を充填することができる多室プラスチックパウチ、ならびに該多室プラスチックパウチに内容物を充填する方法を提供する。
【解決手段】パウチの片面全面を構成する第1のフイルム、第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁部をヒートシールすることにより第1の貯蔵室を形成する第2のフイルム、及び第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁に設けた充填口をヒートシールすることにより第2の貯蔵室を形成する第3のフイルムからなる多室プラスチックパウチにおいて、第2のフイルムと第3のフイルムがパウチ表面から突出した状態で突き合わされて第1の貯蔵室の充填口を形成するとともに、第1の貯蔵室の充填口から第2の貯蔵室側に入り込んだ位置に第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体や液体を分離して収納し、使用時に外部より圧をかけて仕切り部を開封することにより、これらの内容物を混合して使用することができる多室プラスチックパウチ、該多室プラスチックパウチの充填方法及び該多室プラスチックパウチに内容物を充填した多室プラスチックパウチ充填物に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体や液体を分離して収納する複数の収納室が、連通可能な仕切手段(易剥離性の仕切り部)で仕切られた多室プラスチックパウチは公知であり、例えば、医療用輸液とその溶解液、注射用粉末とその溶解液等のように、各成分を予め混合した状態で保存すると反応を起し変質する内容物を、分離して収納するために用いられている。(例えば、特許文献1〜3参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平4−364850号公報
【特許文献2】
特開平4−364851号公報
【特許文献3】
特開平11−227841号公報
【0004】
これらの多室プラスチックパウチに内容物を充填する方法としては、(1)図7にみられるように、一端が閉鎖されたパウチの易剥離性の仕切り部を開放した状態でパウチ他端の充填口から第1の貯蔵室に内容物を充填後(図7A)、易剥離性の仕切り部をシールし(図7B)、同じ充填口から第2の貯蔵室に内容物を充填後、充填口をシールする(図7C、D参照)方法がある。
しかしながら、この方法では第1の貯蔵室に内容物を充填する際に、開放された易剥離性の仕切り部に内容物が付着し、該仕切り部のシール時に夾雑物をシールすることにより該仕切り部が不完全なものとなるおそれがある。
【0005】
また、他の充填方法としては、(2)図8にみられるように、易剥離性の仕切り部で仕切った多室プラスチックパウチの両端を開放し、一端から第1の貯蔵室に内容物を充填した後に充填口をシールし(図8A)、パウチを反転させてパウチの他端から第2の貯蔵室に内容物を充填後(図8B)、充填口をシールする(図8C)方法がある。
この方法では、上記(1)のように易剥離性のシール部に夾雑物をシールすることはなくなるものの、パウチを反転させるための大掛りな機構が必要となる。また第1の貯蔵室に液体を充填する場合、充填の際にシールした易剥離性の仕切部が剥離するのを防止するために該仕切り部をクランプ等で保持する等、充填時の衝撃を緩和することが必要となり、充填効率が低下し、コストアップを招くという欠点がある。
【0006】
さらに、他の充填方法としては、(3)図9にみられるように、多室プラスチックパウチの周縁部及び易剥離性の仕切り部をシールした後に、パウチの一側辺を全長にわたって開封して開封された側辺から第1の貯蔵室に内容物を充填後(図9A)、第2の貯蔵室に内容物を充填し(図9B)、第1及び第2の貯蔵室の充填口を同時にシールする(図9C)方法がある(上記特許文献1及び2参照)。
しかしながら、この方法では充填された内容物の高さを制御することが難しく、特別な仕様の充填装置が必要となり、また上記(2)と同様に第1の貯蔵室に液体を充填する場合、充填時に易剥離性の仕切り部を保護することが必要となるので、充填効率が低下し、コストアップを招くという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、大掛りな装置や工程を必要とせずに、易剥離性の仕切り部に悪影響を及ぼさずに、多室パウチのそれぞれの貯蔵室に効率よく低コストで内容物を充填することができる多室プラスチックパウチ、ならびに該多室プラスチックパウチに内容物を充填する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明では、上記課題を解決するために、つぎのような構成を採用する。
1.パウチの片面全面を構成する第1のフイルム、第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁部をヒートシールすることにより第1の貯蔵室を形成する第2のフイルム、及び第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁に設けた充填口をヒートシールすることにより第2の貯蔵室を形成する第3のフイルムからなる多室プラスチックパウチにおいて、第2のフイルムと第3のフイルムがパウチ表面から突出した状態で突き合わされて第1の貯蔵室の充填口を形成するとともに、第1の貯蔵室の充填口から第2の貯蔵室側に入り込んだ位置に第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部を設けたことを特徴とする多室プラスチックパウチ。
2.第1の貯蔵室の端縁部に注出部材を設けたことを特徴とする1に記載の多室プラスチックパウチ。
3.第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部が一方向からのみ開通する易剥離性シール部により構成されたものであることを特徴とする1又は2に記載の多室プラスチックパウチ。
4.多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムの少なくとも1つが透明性を有するものであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
5.多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムの少なくとも1つが、第1及び第2の貯蔵室に収容された内容物の混合時に透明化することのできるフイルムであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
6.第2の貯蔵室が、第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部と略垂直な方向にヒートシール部を設けることによって多室化されたものであることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
7.多室プラスチックパウチの第1の貯蔵室の充填口から第1の貯蔵室内に内容物を充填し、第1の充填口をヒートシールした後に、第2の貯蔵室の充填口から第2の貯蔵室内に内容物を充填後、第2の充填口をヒートシールすることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の多室プラスチックパウチの充填方法。
8.あらかじめ第2の貯蔵室の充填口をヒートシールした後に、多室プラスチックパウチの第1の貯蔵室の充填口から第1の貯蔵室内に内容物を充填し、第1の充填口をヒートシールするとともにパウチ全体を加熱殺菌した後に、第2の貯蔵室の充填口を開封して該充填口から第2の貯蔵室内に内容物を充填後、第2の充填口をヒートシールすることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の多室プラスチックパウチの充填方法。
9.7又は8に記載された充填方法により内容物を充填された多室プラスチックパウチ充填物。
10.第1及び第2の貯蔵室に充填された内容物がともに液体であることを特徴とする9に記載の多室プラスチックパウチ充填物。
11.第1又は第2の貯蔵室に充填された内容物の一方が液体であり、他方が粉体であることを特徴とする9に記載の多室プラスチックパウチ充填物。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、図に基づいて本発明の実施の形態について説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
図1〜図3は本発明の多室プラスチックパウチの1例を示す図であり、図1は内容物充填前のパウチの斜視図、図2は図1のXX線における断面図、そして図3はこのパウチに内容物を充填する手順を示す断面模式図である。
【0010】
この多室プラスチックパウチ101は、パウチの片面全面を構成する第1のフイルム1、パウチの他の片面を構成する第2のフイルム2及び第3のフイルム3からなる。第1のフイルム1と第2のフイルム2は、両側縁部4、4と端縁部5をヒートシールすることによって、第1の貯蔵室6を形成する。そして端縁部5には、注出部材として栓体7が取り付けられている。また、第1のフイルム1と第3のフイルム3は、両側縁部4、4をヒートシールすることによって第2の貯蔵室8を形成するが、第2の貯蔵室8の端縁部は開放されて充填口9を構成する。第2のフイルム2と第3のフイルム3は、パウチの中央部でパウチ表面から突出した状態で突き合わされ、両側縁部4、4をヒートシールすることことによって第1の貯蔵室6の充填口10を形成する。そして、この第1の貯蔵室6の充填口10から第2の貯蔵室8側に入り込んだ位置には、第1の貯蔵室6と第2の貯蔵室8を区画する易剥離性の仕切り部11を設ける。
【0011】
この多室プラスチックパウチ101に内容物を充填するには、図3のAにみられるように好ましくはパウチを中央部で折り曲げ、第1の貯蔵室6の充填口10から第1の貯蔵室6内に内容物を充填する。つぎに、充填口10をヒートシールして第1の貯蔵室6を密封した後に、好ましくは第2の貯蔵室8を折り返してパウチを直線状として(図3のB)、第2の貯蔵室8の充填口9から第2の充填室8内に内容物を充填し(図3のC)、その後充填口9をヒートシールすることによって第2の充填室8を密封する。
【0012】
第2の充填室8に充填する内容物が粉体である場合には、充填の際の衝撃により易剥離性の仕切り部11が剥離するおそれはないが、内容物が液体である場合には、該仕切り部11をクランプ等により保護して充填時の衝撃による剥離を防止することが好ましい(図3のC参照)。
また、易剥離性の仕切り部11として、一方向からのみ開通する易剥離性シール部を使用し、第1の貯蔵室6側から圧をかけた場合にのみ、該仕切り部11が開通するように構成した場合には、第2の貯蔵室8の充填時に該仕切り部11をクランプ等により保護する必要がなくなり、充填効率が改善されるので好ましい。
【0013】
このような、一方向からのみ開通する易剥離性のシール部は公知であり、例えば上記の特許文献3に開示されている。
図4は、このような一方向からのみ開通する易剥離性のシール部11の1例を示す図であり、この仕切り部11は第2の貯蔵室8を構成する第1のフイルム1及び第3のフイルム3と、これらとは別体の仕切り部材11をヒートシールすることによって形成する。
仕切り部材11の片面は第1のフイルム1と強固に接合するタイトシール部12を形成し、仕切り部材11の他面は第3のフイルム3と弱い接合力で接合する易剥離性シール部13を形成する。
【0014】
タイトシール部12の第2の貯蔵室8側の端部は易剥離性シール部13の第2の貯蔵室8側の端部よりも第1の貯蔵室6側にずらせて配置する。
このようにタイトシール部12の端部をずらせて配置することにより、第2の貯蔵室8に加わる外圧は内容物により伝達されて、矢印21で示したようにタイトシール部12の第2の貯蔵室8側端部に剥離力としてタイトシール部12を開封しようとするが、タイトシール部12は第1のフイルム1と強固に接合しているために開封はしない。
【0015】
一方、この剥離力21は仕切り部材11を介して、易剥離性シール部13の第2の貯蔵室8側端部には剪断力として作用するが、易剥離性シール部13は剪断力に対しては極めて強いために開封しない。
これに対して、易剥離性シール部13の第1の貯蔵室6側端部は、タイトシール部12の端部と同じか第2の貯蔵室8側にずらせて配置する。このような配置とすることにより、第1の貯蔵室6に加えられた外圧は内容物により伝達されて、矢印31で示したように易剥離性シール部13の第1の貯蔵室6側端部に剥離力として作用し、仕切り部11が容易に開封される。
【0016】
タイトシール部12の形成は、仕切り部材11の片面に第1のフイルム1と同種のヒートシール性樹脂層を用いることによって達成される。また、易剥離性シール部13の形成は、仕切り部材11の他面ないしその近傍に界面剥離性ないしは擬集破壊性の弱接合部を設けることにより達成される。
このような仕切り部11を形成するには、例えば図5にみられるように、仕切り部材11の一面に第1のフイルム1と同種で相溶性のあるヒートシール性樹脂層15を設け、他面には第3のフイルム3と異種で非相溶のヒートシール性樹脂層16を設けた2層構成とする。これにより、第1のフイルム1と仕切り部材11をヒートシールした際に、仕切り部材11の片面15は第1のフイルム1とタイトシール部12を形成し、他面16は第3のフイルムと界面剥離し易い易剥離性シール部13を形成する。
また、第1のフイルムを構成する樹脂に、それとは異種の樹脂をブレンドした樹脂でヒートシール性樹脂層16を設けると、第3のフイルムと凝集剥離し易い易剥離性シール部13を形成することができる。
【0017】
本発明の多室プラスチックパウチに内容物を充填する他の方法としては、第1の貯蔵室6の充填前に、第2の貯蔵室8の充填口9をあらかじめヒートシールした後に、好ましくはパウチを中央部で折り曲げた状態で第1の貯蔵室6に第1の貯蔵室6の充填口10から内容物を充填する。つぎに、充填口10をヒートシールしてパウチ全体を加熱殺菌した後に、好ましくは第2の貯蔵室8を折り返してパウチを直線状とし、第2の貯蔵室8の充填口9を開封して該充填口9から第2の貯蔵室8内に内容物を充填後、充填口9をヒートシールする方法が挙げられる。
この方法によれば、第1の貯蔵室6内には加熱殺菌を必要とする内容物を、そして第2の貯蔵室8内には加熱したくない内容物をクリーンな状態で好適に充填することができる。このような内容物としては、例えば経口栄養剤として第1の貯蔵室に糖分、電解質分を含有する液体を充填し、第2の貯蔵室に粉末アミノ酸を充填するもの等が挙げられる。
【0018】
上記の例では、2つの貯蔵室を有する多室プラスチックパウチについて説明したが、本発明の多室プラスチックパウチを3室以上の貯蔵室を有するものとして構成できることは言うまでもない。
図6はそのような多室プラスチックパウチの1例を示す平面図であり、このパウチ102では図1のパウチ101において、第2の貯蔵室8を略等分するように、易開封性の仕切り部11と略垂直な方向にヒートシール部22を設けることによって2室81、82に区画し、多室プラスチックパウチ102を3室の貯蔵室を有するものとした。このパウチ102の他の構成は、基本的に図1のパウチ101と同様である。
【0019】
なお、図1及び図6のパウチでは第1の貯蔵室6の端縁部5の中央部に注出部材として栓体7を設けたが、栓体7を設ける位置を端縁部5の角部としたり、栓体7を設けない構成とする等、適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
本発明の多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムとしては、同種又は異種の単層又は複層のプラスチックフイルムが使用される。このようなプラスチックフイルムとしては特に制限はなく、通常パウチに用いられるものはいずれも使用可能であるが、少なくとも内層としてヒートシール性のある樹脂層を有するプラスチックフイルムを使用する。
プラスチックフイルムを構成するのに適したプラスチック材料としては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;ポリアクリル系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラまたはメタキシリレンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;フッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0021】
ヒートシール性のあるプラスチック材料としては、例えば公知の低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂、ポリエステル乃至コポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等が使用される。
これらのプラスチック材料からなるフイルムは未延伸の、或いは一軸又は二軸延伸したフイルムとして用いられる。
【0022】
本発明の多室プラスチックパウチに使用するプラスチックフイルムは、これらのプラスチックフイルムを単層で、又は2種以上を積層して構成することができ、また、これらのプラスチックフイルムの1種又は2種以上と、アルミニウム等の金属箔、紙、セロファン等を貼合せて構成することも出来る。
特に、ガスバリヤー性を必要とする内容物の場合には、ポリ塩化ビニリデン樹脂、EVAケン化物、ナイロン又は環状オレフィンコポリマー等の樹脂層、アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物の蒸着膜を有する樹脂層、アルミニウム等の金属箔を含む積層フイルムを使用することが好ましい。これらの積層フイルムを製造する際には、各層間に必要に応じてエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂等からなるアンカー剤を介在させることもできる。
【0023】
パウチを構成するフイルムに剛性や断熱性等を付与するために、各種合成樹脂の発泡体からなるフイルムを使用することもでき、また各種合成樹脂に酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボン等の添加剤を充填したフイルムを使用することもできる。プラスチックフイルムを単層とするか、又はどのような層構成のものとするかは、パウチに充填する内容物の性状に応じて選択すればよい。
プラスチックフイルムの製造は、キャスト法、Tダイ法、カレンダー法又はインフレーション法等の通常の方法により行うことができる。また、積層フイルムの製造は、あらかじめ形成したフイルムのドライラミネーション、基体フイルムへのコーティング、溶融共押し出し等通常の方法により行うことができる。
【0024】
本発明の多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムとしては、少なくとも1つが透明性を有するフイルムを使用し、パウチに圧をかけて易開封性の仕切り部を開封して各貯蔵室に収納された内容物を混合する際に、混合状態を確認できるようにすることが好ましい。
また透明性を有するフイルムに代えて、透明性を有するフイルムとアルミニウム等の金属箔のようなガスバリヤー性を有する材料を剥離可能に積層した積層フイルムを使用し、パウチの保管時にはパウチにガスバリヤー性を付与し、内容物を混合する際に金属箔等を剥離して透明化し、混合状態を確認することができるようにすることも好ましい。
【0025】
本発明の多室プラスチックパウチは、保存時には分離して貯蔵し、使用時には混合して使用される複数の成分からなる内容物を収納するのに好適に用いられる。このような内容物としては、例えば、粉末或いは固形状の抗生剤、抗がん剤、ステロイド剤、ビタミン剤等の薬剤とその溶解液の組み合わせ;混合したときに化学反応を生じる複数の液体からなる薬剤の組合せ等が挙げられる。
そして、多室パウチに収納する内容物の種類としては、医薬品や医療用輸液等のほかに、二液型の接着剤、染毛剤、洗剤、漂白剤等が挙げられる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の多室プラスチックパウチでは、内容物の充填時に大掛かりな装置や工程を必要とせずに、複数の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部に内容物が付着したり、充填時の衝撃で易剥離性の仕切り部が剥離するのを防止して、それぞれの貯蔵室に効率良く低コストで内容物を充填することができる。
また、加熱殺菌を必要とする内容物と、加熱を回避したい内容物の組合わせを、効率良く低コストでパウチに充填することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多室プラスチックパウチの1例を示す斜視図である。
【図2】図1のパウチのXX線における断面図である。
【図3】図1のパウチに内容物を充填する手順を示す図である。
【図4】本発明の多室プラスチックパウチで使用する易剥離性の仕切り部の1例を示す図である。
【図5】図4の易剥離性の仕切り部を構成する部材を示す図である。
【図6】本発明の多室プラスチックパウチの他の例を示す図である。
【図7】従来の多室プラスチックパウチの充填方法を説明する図である。
【図8】従来の多室プラスチックパウチの充填方法を説明する図である。
【図9】従来の多室プラスチックパウチの充填方法を説明する図である。
【符号の説明】
101,102 多室プラスチックパウチ
1 第1のフイルム
2 第2のフイルム
3 第3のフイルム
4 側縁部
5 端縁部
6 第1の貯蔵室
7 栓体
8 第2の貯蔵室
9 第2の貯蔵室充填口
10 第1の貯蔵室充填口
11 易剥離性の仕切り部
12 タイトシール部
13 易剥離性シール部
15,16 ヒートシール性樹脂層
21,31 圧力
22 ヒートシール部
81,82 貯蔵室

Claims (11)

  1. パウチの片面全面を構成する第1のフイルム、第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁部をヒートシールすることにより第1の貯蔵室を形成する第2のフイルム、及び第1のフイルムと対向して配置され第1のフイルムとともに両側縁部と端縁に設けた充填口をヒートシールすることにより第2の貯蔵室を形成する第3のフイルムからなる多室プラスチックパウチにおいて、第2のフイルムと第3のフイルムがパウチ表面から突出した状態で突き合わされて第1の貯蔵室の充填口を形成するとともに、第1の貯蔵室の充填口から第2の貯蔵室側に入り込んだ位置に第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部を設けたことを特徴とする多室プラスチックパウチ。
  2. 第1の貯蔵室の端縁部に注出部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の多室プラスチックパウチ。
  3. 第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部が一方向からのみ開通する易剥離性シール部により構成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多室プラスチックパウチ。
  4. 多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムの少なくとも1つが透明性を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
  5. 多室プラスチックパウチを構成する第1〜第3のフイルムの少なくとも1つが、第1及び第2の貯蔵室に収容された内容物の混合時に透明化することのできるフイルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
  6. 第2の貯蔵室が、第1の貯蔵室と第2の貯蔵室を区画する易剥離性の仕切り部と略垂直な方向にヒートシール部を設けることによって多室化されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多室プラスチックパウチ。
  7. 多室プラスチックパウチの第1の貯蔵室の充填口から第1の貯蔵室内に内容物を充填し、第1の充填口をヒートシールした後に、第2の貯蔵室の充填口から第2の貯蔵室内に内容物を充填後、第2の充填口をヒートシールすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多室プラスチックパウチの充填方法。
  8. あらかじめ第2の貯蔵室の充填口をヒートシールした後に、多室プラスチックパウチの第1の貯蔵室の充填口から第1の貯蔵室内に内容物を充填し、第1の充填口をヒートシールするとともにパウチ全体を加熱殺菌した後に、第2の貯蔵室の充填口を開封して該充填口から第2の貯蔵室内に内容物を充填後、第2の充填口をヒートシールすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多室プラスチックパウチの充填方法。
  9. 請求項7又は8に記載された充填方法により内容物を充填された多室プラスチックパウチ充填物。
  10. 第1及び第2の貯蔵室に充填された内容物がともに液体であることを特徴とする請求項9に記載の多室プラスチックパウチ充填物。
  11. 第1又は第2の貯蔵室に充填された内容物の一方が液体であり、他方が粉体であることを特徴とする請求項9に記載の多室プラスチックパウチ充填物。
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