JP2004181362A - 浄化槽および汚水の処理方法 - Google Patents

浄化槽および汚水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】槽下部に滞留した沈降汚泥が嫌気処理槽に流入して処理負荷を増大する等の不具合を極力抑制することが可能な浄化槽構築技術を提供する。
【解決手段】夾雑物除去槽121と、当該夾雑物除去槽121よりも下流側に配置された嫌気処理槽123とを有する浄化槽101であって、夾雑物除去槽121および嫌気処理槽123の少なくとも一方の下部領域に滞留した沈降汚泥A,Bが、夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123へと移送される被処理水103とともに嫌気処理槽123へ送られるのを規制する手段を有する浄化槽101。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも夾雑物除去槽および嫌気処理槽を有する浄化槽の構築技術に関し、詳しくは夾雑物除去槽ないし嫌気処理槽における沈降汚泥による浄化槽の処理能力への悪影響を極力防止するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
浄化槽の一例として、例えば特開2001−286878号公報では、一次処理槽、二次処理槽および三次処理槽を有する厨芥排水用の排水処理システム(ディスポーザ排水システムとも称呼される)の構成が開示されている。この従来の技術では、流入した被処理水に対して適宜嫌気処理を行なう濾床部が、上記一次処理槽に連接する形で形成されている。
【0003】
この従来の排水処理システムにおいては、一次処理槽に流入した被処理水が濾床部の下方へ回り込みつつ当該濾床部に下方から進入する形態を採用する。一方、一次処理槽あるは濾床部の底部領域には被処理水から分離した沈降汚泥が滞留し易く、一次処理槽から濾床部へと下方から進入する被処理水に当該沈降汚泥が巻き上げられ、嫌気処理槽あるいは他の下流側の処理槽に流入して、浄化槽の処理負荷を無駄に増大する可能性がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−286878号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、槽下部に滞留した沈降汚泥が嫌気処理槽に流入して処理負荷を増大するのを極力抑制することが可能な浄化槽構築技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、夾雑物除去槽と、当該夾雑物除去槽よりも下流側に配置された嫌気処理槽とを少なくとも有する浄化槽が構成される。夾雑物除去槽は、ハウジングに流入した被処理水中の夾雑物を固液分離処理によって除去する処理槽として規定されるものであり、夾雑物の除去機能のみを奏する処理槽、およびそれ以外の機能(例えば生物処理機能)を併有する処理槽のいずれもが好適に採用可能である。また本発明に係る浄化槽としては、被処理水の汚濁物質濃度の高低を問わず各種の浄化槽が包含され得る。
【0007】
この夾雑物除去槽あるいは嫌気処理槽では、被処理水含有成分が当該被処理水から分離して槽下部領域に沈降して滞留する場合が生じ得る。かかる沈降汚泥は、嫌気処理槽、あるいはそれよりも下流の処理槽側に移送された場合、当該処理槽における処理負荷を無用に増大し、浄化槽の汚水処理能力を低下する可能性がある。
【0008】
かかる特質に鑑み、本発明に係る浄化槽では、夾雑物除去槽および嫌気処理槽の少なくとも一方の下部領域に滞留した沈降汚泥が、被処理水の移送に伴って嫌気処理槽へ送られるのを規制する手段を設定する。当該規制手段を介し、被処理水の移送に伴って沈降汚泥が嫌気処理槽に送られるのを規制することで、各処理槽における無用な処理負荷の増大を極力回避し、浄化槽の汚水処理能力を最大限に確保することが可能となる。
【0009】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の浄化槽における被処理水は、夾雑物除去槽から嫌気処理槽の下方側に移送されるとともに、当該嫌気処理槽内を上向流として流通することで嫌気処理されるよう構成される。被処理水が嫌気処理槽内を上向流となって流通することにより、嫌気処理槽へ流入しようとする被処理水から固形成分の分離および沈降が促されるので、固形成分の除去効率が向上されるとともに、嫌気処理槽における処理負荷の軽減を図ることが可能となり、浄化槽の構造を一層合理的なものとすることができる。
【0010】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の浄化槽における規制手段は、夾雑物除去槽から嫌気処理槽へと移送される被処理水の流れが沈降汚泥に向かうのを規制する規制部材によって構成される。例えば、被処理水の流通経路にゲートを配置することで、ゲート以外での被処理水の流通を規制することにより、被処理水が沈降汚泥側へ流れるのを抑制する構成、あるいはバッフルプレートを適宜配置することで被処理水が沈降汚泥側へ流動しないように誘導する構成等、種々の構成が採用可能である。本発明によれば、被処理水の流れを直接的にコントロールすることにより、当該被処理水が沈降汚泥を巻き込んで嫌気処理槽側へ送るのを効果的に抑制することが可能となる。
【0011】
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の浄化槽における規制部材は、夾雑物除去槽と嫌気処理槽の境界領域に配置された立設壁と、当該立設壁に形成された被処理水流通ゲートとによって構成される。上記請求項3に記載の浄化槽において、被処理水の流通を立設壁で規制しつつ、立設壁に形成した流通ゲートを介して被処理水の流通許容領域を規定することで、被処理水が沈降汚泥に向かわないよう確実に規制することが可能となる。なお立設壁は、流通ゲートにおいてのみ被処理水の流通を許容するべく、当該流通ゲートを除いて夾雑物除去槽と嫌気処理槽とを完全に隔絶するよう構成するのが好ましい。
【0012】
なお浄化槽における各処理槽の処理効率向上、および被処理水の確実な流動コントロールという見地に立てば、被処理水を嫌気処理槽の下部側から当該嫌気処理槽に上向状に流入するように設定するとともに、流通ゲートにつき、被処理水を沈降汚泥から十分に離間させた位置で流通させるべく、立設壁の上部側に形成することが好ましい。
【0013】
(請求項5に記載の発明)
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の浄化槽における立設壁につき、当該立設壁の下部には沈降汚泥の流通を許容する沈降汚泥流通ゲートが配置されるよう構成される。この沈降汚泥流通ゲートの配置により、立設壁の両側領域に滞留した沈降汚泥を一方側の領域に集めることが可能となるので、沈降汚泥を浄化槽から定期的に除去して清掃するような場合の利便性が向上することとなる。なお沈降汚泥の巻上げを確実に防止する見地に立てば、沈降汚泥の表層部については、立設壁による流動規制が確実に行われるように、当該沈降汚泥流通ゲートが延在しないように構成するのが好ましい。換言すれば、当該沈降汚泥流通ゲートは沈降汚泥の下部領域に相当する箇所にのみ配設する構成が好ましい。
【0014】
(請求項6に記載の発明)
請求項6に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の浄化槽における規制手段は、夾雑物除去槽の下方領域、嫌気処理槽の下方領域または両者の境界部の下方領域の全部または一部に配置された沈降汚泥区画壁を有するよう構成される。本発明によれば、被処理水の流動方向を規制することによって沈降汚泥が巻き上げられて嫌気処理槽に送られるのを防止するのではなく、沈降汚泥を適宜区分化して流動しにくくすることにより、仮に沈降汚泥の表層領域が被処理水によって攪乱されたとしても当該沈降汚泥が巻き上がり難く構成し、嫌気処理槽へ被処理水とともに送られないようにするものである。従って沈降汚泥の区画数、各区画部の大きさ、各区画部の配設箇所等については適宜設定可能である。もちろん本発明は、上記請求項3から5に記載した発明、すなわち被処理水の流動規制によって沈降汚泥が巻き上げられて嫌気処理槽に送られるのを防止する構成を有する発明とは別個に、あるいは併設状に構成することが可能である。
【0015】
(請求項7に記載の発明)
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の浄化槽における沈降汚泥区画壁につき、一の区画領域中の沈降汚泥が、当該区画壁の下方から他の区画領域へと流通するのを許容するよう構成される。区画領域間での沈降汚泥の流通を許容することで、沈降汚泥を一の区画領域に集めることが可能となるので、浄化槽の清掃の際の利便性が向上する。沈降汚泥が流通するのを許容するには、区画壁にゲートを形成する構成、あるいは区画壁の下方領域を開口状に形成する構成、さらには区画壁の下縁部が槽底部から所定距離だけ上方に位置するように区画壁を配置する構成等、種々の構成が採用可能である。
【0016】
(請求項8に記載の発明)
請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載の浄化槽と実質的に同等の構成を有する浄化槽を利用した合理的な汚水の処理方法が提供されることとなる。もちろん請求項2から6までに記載された各浄化槽の構成要素と実質的に同等の構成要素を付加し、一層合理的な汚水の処理方法を提供することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である浄化槽101および当該浄化槽101を用いた汚水の処理方法につき、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態に係る浄化槽101の全体的な構成が図1に模式的に示される。本実施の形態に係る浄化槽101は、浄化槽ハウジング110内にて処理流路111を通じて相互に連接された各処理槽ないし処理要素を有する。具体的には被処理水が浄化槽ハウジング110内に流入する流入部113側から順に、流入バッフル部120、夾雑物除去槽121、嫌気処理槽123、好気処理槽125、処理水槽127、消毒装置129の順で配列され、さらに上記浄化槽ハウジング110とは別個に形成されるとともに、特に図示しない接続金具を介して当該浄化槽ハウジング110に放流ポンプ槽131が止着される。放流ポンプ槽131内には放流用ポンプ135が配設されている。そして各処理槽にて適宜処理を受けた被処理水は、当該放流ポンプ槽131から放流用ポンプ135を介して浄化槽101外部へ放流される。
【0018】
本実施の形態における浄化槽101は、例えば、トイレや台所排水のように比較的汚濁物質濃度の高い汚水、雨水や風呂排水のように比較的汚濁物質濃度の低い汚水等、各種の汚濁物質濃度を有する被処理水(汚水)に対応することができる。
【0019】
流入部113を通じて浄化槽ハウジング110内に流入した被処理水については、流入バッフル部120において適宜減速されつつ夾雑物除去槽121に送られ、当該夾雑物除去槽121において、被処理水中の固形物等の夾雑物が固液分離されて当該被処理水から除去処理される。
【0020】
夾雑物除去槽121で処理された被処理水は、次に嫌気処理槽123へ移送される。嫌気処理槽123内には、有機汚濁物を嫌気処理(還元処理)する嫌気性微生物が付着した嫌気濾材161が設けられており(図2参照)、被処理水中の有機汚濁物が当該嫌気処理槽123内の嫌気性微生物によって適宜嫌気処理されることになる。
【0021】
嫌気処理槽123において嫌気処理された被処理水は、次に好気処理槽125に移送される。特に図示しないものの、本実施の形態に係る好気処理槽125は、流動性の担体が多数充填されて生物処理を遂行するいわゆる担体流動槽として構成されている。具体的には、当該好気処理槽125内には、所定の空間領域内を多数の粒状担体が流動可能に充填された生物処理領域が形成されている。粒状担体は、例えば中空円筒状に形成されるとともに、有機汚濁物を好気処理(酸化処理)する好気性微生物を多数付着させている。そして通常運転時においては、生物処理領域に散気エアを供給して好気処理を遂行する。
【0022】
嫌気処理槽123における嫌気処理、および好気処理槽125における好気処理を経た被処理水は、移送流路111を通じて処理水槽127に送られる。本実施の形態における処理水槽127は被処理水における固液分離槽としての機能を併有する要素であり、当該処理水槽127において固形成分の沈降が促され、これによって被処理水の沈静化が行われる。次に処理水槽127内の被処理水は消毒装置129に送られる。消毒装置129において消毒処理を受けた被処理水は放流ポンプ槽131に送られ、放流用ポンプ135を介して浄化槽101外部に放流されることとなる。
【0023】
なお好気処理槽125から処理水槽127へと向かう被処理水の一部は、エアリフトポンプ141および還流流路143を経由して上流側処理槽(本実施の形態では流入バッフル部120)に還流され、夾雑物除去槽121以降の各処理槽による汚水処理を再度受けることとなる。
【0024】
上記浄化槽101のうち、流入部113、流入バッフル部120、夾雑物除去槽121および嫌気処理槽123の詳細な構成が図2に示される。浄化槽ハウジング110内には、バッフル壁151、区画壁153および区画壁155を介し、流入バッフル部120、夾雑物除去槽121、嫌気処理槽123および好気処理槽125がそれぞれ区画形成される。
【0025】
流入バッフル部120は浄化槽ハウジング110に設けられた流入部113と連通する。夾雑物除去槽121は、流入バッフル部120に連接するように当該流入バッフル部の下流側に形成される。
【0026】
嫌気処理槽123は、区画壁153を介して夾雑物除去槽121と区画されつつ当該夾雑物除去槽121の下流側に形成さるとともに、その内部には嫌気濾材161が適宜配置される。区画壁153の下部側には、被処理水の流通を許容する被処理水移流ゲート163と、後述する沈降汚泥の流通を許容する沈降汚泥流通ゲート165が形成されている。このうち被処理水移流ゲート163は嫌気処理槽121の嫌気濾材161の直近下部領域に配置され、沈降汚泥流通ゲート165は浄化槽ハウジング110の底部領域に配置される。そして区画壁153は、上記被処理水移流ゲート163および沈降汚泥流通ゲート165以外では被処理水ないし沈降汚泥の流通を規制するべく、夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123とを隔離する。
【0027】
また嫌気処理槽123と好気処理槽125とは区画壁155によって隔離状に区画されるとともに、区画壁155の上方には被処理水の移流ゲート171が配置されて、嫌気処理槽123と好気処理槽125とを連通とする。本実施の形態における嫌気処理槽123では、槽底部から嫌気濾材161の下縁部までの高さが、嫌気濾材161の上縁部から移流ゲート171までの高さ(水位線までの高さ)よりも長寸となるように設定している(もちろん異なる寸法関係を適宜採用してもよい)。また本実施の形態では、区画壁155上方の移流ゲート171は、特に図示しないもののバッフル状に形成されており、上流処理槽である嫌気処理槽123側からスカム等の汚泥が好気処理槽125側へ流入し、処理負荷を無闇に増大するのを極力防止するよう構成されている。
【0028】
なお本実施の形態においては、上記流入バッフル部120、夾雑物除去槽121、嫌気処理槽123、好気処理槽125内の被処理水103の水位WLは等水位となるように構成されている。
【0029】
次に、上記のように構成される本実施の形態に係る浄化槽101に関し、その作用および使用方法について図3を参照しつつ詳細に説明する。なお図3において、浄化槽ハウジング110内の各処理槽における被処理水の流れは白抜きの矢印で示される。流入部113から浄化槽ハウジング110内に流入した被処理水103は、バッフル壁151によって減速されつつ、流入バッフル部120を通じて、夾雑物除去槽121に送られる。
【0030】
被処理水103は、夾雑物除去槽121内に所定時間滞留することで固液分離処理を受ける。被処理水から分離された固形成分は沈降汚泥として夾雑物処理槽121の底部に堆積される。夾雑物除去槽121底部の沈降汚泥は、図3では符号「A」で示される。
【0031】
夾雑物除去槽121内において適宜固液分離処理を経た被処理水103は、被処理水移流ゲート163を通じて嫌気処理槽123の下方領域、すなわち嫌気濾材161の下部領域へと移流することが許容される。上記のように被処理水移流ゲート163は区画壁153のうちの嫌気濾材161の直近下部に設置されるため、夾雑物除去槽121内の被処理水103は、当該被処理水移流ゲート163と概ね等位に位置する嫌気処理槽123下部領域へと略水平状に移動するように誘導されることになる。換言すれば、夾雑物除去槽121内の被処理水103は、被処理水移流ゲート163により嫌気処理槽123へと移流される際に、沈降汚泥A(特にその表層部)へと向かうのを規制されることになる。従って、被処理水103は夾雑物除去槽121の底部領域に滞留した沈降汚泥Aを巻き上げて当該被処理水103とともに嫌気処理槽123側へと送ることが効果的に抑制される。
【0032】
被処理水移流ゲート163を通じて夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123の下方領域(嫌気濾材161の下部領域)に移流された被処理水103は、上向流として当該嫌気処理槽123内を流通し、嫌気濾材161によって適宜嫌気処理を受けた後、嫌気処理槽123の上方領域から被処理水移流ゲート171を通じて好気処理槽125へ送られることとなる。
【0033】
嫌気処理槽123内を流通する被処理水103からは、更に含有固形成分が沈降して嫌気処理槽123の底部領域に滞留する。かかる嫌気処理槽123内の沈降汚泥は図3では符号Bで示される。本実施の形態では、上記のように夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123へと被処理水103が概ね水平状に移流されるとともに、嫌気処理槽123の下方領域から上向状に嫌気濾材161に流通する構成とされるため、夾雑物除去槽121における沈降汚泥Aと同様に、嫌気処理槽123内の被処理水103が沈降汚泥Bを巻き上げて当該被処理水103とともに嫌気濾材161へ送るのを効果的に抑制することが可能となる。換言すれば、夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123へと送られる被処理水103は、被処理水移流ゲート163により概ね水平状に移流されて沈降汚泥B(特にその表層部)へと向かうのを規制されるように誘導される。
【0034】
嫌気処理槽123内を上向状に流通しつつ嫌気処理を受けた後、被処理水移流ゲート171を通じて好気処理槽125に送られた被処理水103は、好気処理槽125内にて適宜好気性処理(ないし濾過処理)を受けた後、図1に示す処理水槽127における沈静化・固液分離処理を受け、さらに消毒装置129において消毒処理を受けた後、放流ポンプ槽131を介して浄化槽101外部に放流される。なお上述のように、図1に示す好気処理槽125から処理水槽127へと向かう被処理水の一部は、エアリフトポンプ141および還流流路143を経由して流入バッフル部120に還流され、夾雑物除去槽121以降の各処理槽による汚水処理を再度受けることとなる。
【0035】
さて、図3に示すように本実施の形態における浄化槽101では、特に夾雑物除去槽121および嫌気処理槽123を区画する区画壁153の底部領域に形成された沈降汚泥流通ゲート165を介して両処理槽121,123間での沈降汚泥A,Bの流通が許容される構成とされている。従って、例えば嫌気処理槽123側の沈降汚泥Bを、沈降汚泥流通ゲート165を通じて夾雑物除去槽121側の沈降汚泥Aに合流させることが可能となり、沈降汚泥A,Bを浄化槽101から定期的に除去して清掃するような場合の利便性が向上することとなる。
【0036】
もちろん夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123間のみならず、嫌気処理槽123と好気処理槽125の各底部領域を連通するゲート、更には好気処理槽125と処理水槽127の各底部領域を連通するゲートを設け、各処理槽における沈降汚泥を一つの処理槽底部領域(例えば夾雑物除去槽121の底部領域)に集め、汚泥除去作業の際の便宜を図るといった構成を採用してもよい。
【0037】
さらに沈降汚泥流通ゲート165を設けない代わりに、嫌気処理槽123の上部と底部領域とをパイプ状の清掃孔で連通し、当該清掃孔を介して嫌気処理槽123の底部領域に滞留した沈降汚泥を嫌気処理槽123の上部側へと引抜く構成を採用することも可能である。この場合沈降汚泥は、嫌気処理槽123の上部から、さらに浄化槽ハウジング110上方のマンホール開口部を通じて浄化槽101外部へと引き抜き除去されることとなる。
【0038】
本実施の形態に係る浄化槽101によれば、区画壁153および被処理水移流ゲート163を介して夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123への被処理水103の移流方向を適宜コントロールし、当該被処理水103が沈降汚泥A,Bに向かうのを規制する構成を採用することで、当該沈降汚泥A,Bが移流の際の被処理水103に巻き上げられて嫌気処理槽123に送られるのを極力抑制することが可能となり、嫌気処理槽123における無用な処理負荷の増大を回避し、浄化槽101の汚水処理能力を最大限に確保することが可能となった。
【0039】
また被処理水103が嫌気処理槽123内を上向流となって流通することにより、嫌気処理槽123へ流入しようとする被処理水103から固形成分の分離および沈降が促されるので、固形成分の除去効率が向上されるとともに、嫌気処理槽123における処理負荷の軽減を図ることが可能である。
【0040】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図4および図5を参照して説明する。第2の実施形態は、上記した第1の実施形態における沈降汚泥A,Bの巻き上げ防止対策の変更例に関する。従って第1の実施形態と実質的に同等の要素については、同等の符号を用いるとともに便宜上詳細な説明を省略する。さて図4に示すように、第2の実施形態に係る浄化槽201では、浄化槽ハウジング110内において、夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123を区画する区画壁153は、双方の処理槽121,123の下方領域まで延在せず、従って夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123は、各下方領域で相互に連通され、被処理水の流通が許容されるよう構成される。
【0041】
一方、夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123の境界領域底部には沈降汚泥流動規制壁253が設けられている。この沈降汚泥流動規制壁253は、浄化槽ハウジング110の底部から上方に向かって立設状に配置されるとともに、その下部領域には沈降汚泥流通ゲート265が設けられている。沈降汚泥流動規制壁253は、夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123間での被処理水の流通を阻害しないように適宜立設高さが設定されている。
【0042】
上記のように構成される第2の実施形態に係る浄化槽201では、図5に示すように、流入部113から浄化槽ハウジング110内に流入した被処理水103は、バッフル壁151によって減速されつつ、流入バッフル部120を通じて、夾雑物除去槽121に送られる。なお図5において、浄化槽ハウジング110内の各処理槽における被処理水103の流れは白抜きの矢印で示される。
【0043】
夾雑物除去槽121内に所定時間滞留することで、当該夾雑物除去槽121内の被処理水103は適宜に固液分離処理を受ける。被処理水103から分離された固形成分は沈降汚泥Aとして夾雑物処理槽121の底部に堆積される。
【0044】
夾雑物除去槽121内の被処理水103は、固液分離処理を介して沈降汚泥Aが除去されると共に、区画壁153下方の移流部を通じて嫌気処理槽123の下部領域へと送られるとともに、嫌気処理槽123内を上向状に流通され、嫌気濾材161によって適宜嫌気処理(還元)処理を受けた後、移流ゲート171を通じて好気処理槽125へと移流される。嫌気処理槽123内の被処理水103から生じた固形成分は、嫌気処理槽123の底部に沈降汚泥Bとして堆積される。
【0045】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、夾雑物除去槽121から嫌気処理槽123へと移流される被処理水103の移流方向がコントロールされないため、被処理水103が沈降汚泥A,Bの表層部に至る場合が生じ得る。しかしながら上記沈降汚泥流動規制壁253が沈降汚泥を適宜区分化して流動しにくくすることにより、仮に沈降汚泥A,Bの表層領域が被処理水103によって攪乱されたとしても、当該沈降汚泥A,Bが被処理水103中に巻き上がり難くし、嫌気処理槽123へ被処理水103とともに送られないようにすることが可能となる。なお本実施の形態では、沈降汚泥流動規制壁253を夾雑物除去槽121と嫌気処理槽123との境界領域下部に配置する構成を例示的に示したが、当該沈降汚泥規制壁253は、沈降汚泥を区分化することで被処理水によって攪乱されにくくするための要素であるため、その配置場所および配置数については種々の選択が可能である。
【0046】
さらに第2の実施形態では、当該沈降汚泥流動規制壁253の下部に沈降汚泥流通ゲート265が形成されることで、沈降汚泥の区画領域間(図5における符号A,B)で沈降汚泥の流通が許容されるため、沈降汚泥を一の区画領域に集めることが可能となるので、浄化槽101を清掃する際の利便性が向上することとなる。
【0047】
第2の実施形態では、上記のように沈降汚泥A,Bを攪乱することなく嫌気処理槽123に送られて嫌気処理を受けた被処理水103は、さらに生物処理槽125にて好気処理(酸化処理)ないし濾過処理を受ける。その後の処理については、上記第1の実施形態と同等であるため、便宜上説明及び図示を省略することとする。
【0048】
なお上記第1および第2の実施形態では、好気処理槽125として、多数の担体を充填し、当該担体を被処理水に対して相対的に流動させることで生物処理を遂行する例を用いて説明したが、これを他の形態、例えば固定床タイプのものに適宜置換してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、槽下部に滞留した沈降汚泥が嫌気処理槽に流入して処理負荷を増大するのを極力抑制することが可能な浄化槽構築技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る浄化槽の全体構成を模式的に示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る浄化槽のうち、夾雑物除去槽および嫌気処理槽の詳細な構造を示す部分図である。
【図3】上記夾雑物除去槽および嫌気処理槽における汚水処理時の構成を主体として示す部分図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る浄化槽につき、夾雑物除去槽および嫌気処理槽の詳細な構造を示す部分図である。
【図5】上記第2の実施形態に係る浄化槽における汚水処理時の構成を主体として示す部分図である。
【符号の説明】
101 浄化槽
103 被処理水
110 浄化槽ハウジング
111 処理流路
113 流入部
120 流入バッフル部
121 夾雑物除去槽
123 嫌気処理槽
125 好気処理槽
127 処理水槽
129 消毒装置
131 放流ポンプ槽
135 放流用ポンプ
141 エアリフトポンプ
143 還流流路
151 バッフル壁
153 夾雑物除去槽と嫌気処理槽との区画壁
155 嫌気処理槽と好気処理槽との区画壁
161 嫌気濾材
163 夾雑物除去槽から嫌気処理槽への被処理水移流ゲート
165 沈降汚泥流通ゲート
171 嫌気処理槽から好気処理への被処理水移流ゲート
253 沈降汚泥流動規制壁
265 沈降汚泥流通ゲート
A,B 沈降汚泥

Claims (8)

  1. 夾雑物除去槽と、当該夾雑物除去槽よりも下流側に配置された嫌気処理槽とを少なくとも有する浄化槽であって、
    前記夾雑物除去槽および嫌気処理槽の少なくとも一方の下部領域に滞留した沈降汚泥が、上記夾雑物除去槽から嫌気処理槽へと移送される被処理水とともに前記嫌気処理槽へ送られるのを規制する手段を有することを特徴とする浄化槽。
  2. 請求項1に記載の浄化槽であって、
    前記被処理水は、前記夾雑物除去槽から嫌気処理槽の下方側に移送されるとともに、当該嫌気処理槽内を上向流として流通することで嫌気処理されることを特徴とする浄化槽。
  3. 請求項1または2に記載の浄化槽であって、
    前記規制手段は、前記夾雑物除去槽から嫌気処理槽へと移送される被処理水の流れが前記沈降汚泥に向かうのを規制する規制部材によって構成されることを特徴とする浄化槽。
  4. 請求項3に記載の浄化槽であって
    前記規制部材は、前記夾雑物除去槽と前記嫌気処理槽の境界領域に配置された立設壁と、当該立設壁に形成された被処理水流通ゲートとによって構成されることを特徴とする浄化槽。
  5. 請求項4に記載の浄化槽であって、
    前記立設壁の下部には沈降汚泥の流通を許容する沈降汚泥流通ゲートが配置されていることを特徴とする浄化槽。
  6. 請求項1または2に記載の浄化槽であって、
    前記規制手段は、前記夾雑物除去槽の下方領域、前記嫌気処理槽の下方領域または両者の境界部の下方領域の全部または一部に配置された沈降汚泥区画壁を有することを特徴とする浄化槽。
  7. 請求項6に記載の浄化槽であって、
    前記沈降汚泥区画壁は、一の区画領域中の沈降汚泥が、当該区画壁の下方から他の区画領域へと流通するのを許容する構成とされていることを特徴とする浄化槽。
  8. 夾雑物除去槽と、当該夾雑物除去槽よりも下流側に配置された嫌気処理槽とを少なくとも有する浄化槽を用いて汚水を処理する方法であって、
    前記夾雑物除去槽および嫌気処理槽の少なくとも一方の下部領域に滞留した沈降汚泥につき、上記夾雑物除去槽から嫌気処理槽へと移送される被処理水とともに前記嫌気処理槽へ送られるのを規制するステップを有することを特徴とする汚水処理方法。
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