JP5048708B2 - 浄化槽 - Google Patents

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本発明は、筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板と第2鏡板を浄化槽本体に設けると共に、その浄化槽本体の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が処理順に嫌気性処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽に、仕切壁を介して別々に区画形成され、それらの槽の上方に複数の点検口を設けてある浄化槽に関する。
従来、嫌気性処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽は、前記水処理空間内で第1鏡板の内側から第2鏡板の内側にかけて、処理順に前記筒状の胴体の長手方向に並べて配置するのが一般的であった(例えば、特許文献1または、特許文献2参照)。
特開2002−346591号公報 特開平7−124578号公報
上述した従来の浄化槽では、水処理能力を上げるべく大容量で胴体が大径の処理を行わせようとした場合、全体が長く大型になる傾向にあるという問題点がある。
また、前記複数の点検口は、各槽夫々を点検及びメンテナンスが行えるように配設しなければならず、しかも各槽の上部に一定の大きさの点検用マンホールが必要なため、各槽の大きさが不必要に大容量となってしまう。
そこで例えば、生物膜濾過槽と処理水槽との一対を浄化槽本体の径方向に並べた1組と、消毒槽と放流ポンプ槽との一対も浄化槽本体の径方向に並べた1組とを、浄化槽本体の長手方向に並べるという配置を行って、全長がより短くなる小型化も考えられる。
しかし、消毒槽と放流ポンプ槽との1組を径方向に並べて1つの点検口を配置するようにしても、これらの槽が、第2鏡板の内側に配置することになると、第2鏡板が外側に突出した湾曲面を有するために、点検口を、平面視で第2鏡板よりもより内側に配置して、しかも、放流ポンプ槽内のポンプをメンテナンスのために出し入れできる大きさの点検口でなければならず、そのために、消毒槽や放流ポンプ槽が不必要な大きさの容量になってしまい、小型化には限界があった。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、より小型でしかも各槽の点検やメンテナンスが十分に行える浄化槽を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板と第2鏡板を浄化槽本体に設けると共に、その浄化槽本体の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が処理順に嫌気性処理槽又は好気性処理槽からなる前処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽に、仕切壁を介して別々に区画形成され、それらの槽の上方に複数の点検口を設けてある浄化槽であって、
前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前処理槽を配置し、
他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置し、
前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを配設してあり、
前記浄化槽本体の径方向に前記生物膜濾過槽と前記処理水槽とを並べ、前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを、前記浄化槽本体の長手方向に並べて前記処理水槽の径方向の横に配設し、
前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とが集中して位置する前記浄化槽本体の径方向中央部の上方に、一つの点検口を設けてあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、浄化槽全体の水処理能力を上げるためには、前処理槽と好気性処理槽とを大きな容量のものにしなければならず、この性質を活かして前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前記前処理槽を配置し、他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置することにより、夫々適切な処理空間を確保でき、しかも前記前処理槽に対する点検口や、前記好気性処理槽に対する点検口を、夫々第1、第2鏡板よりも内側に配置してもそれらの点検作業やメンテナンスに支障は生じない。
また、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽を、前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に配置することにより、それらの槽の大きさや配置をより自由により適切な容量に設計でき、しかも、それらの各槽に対する点検口も、湾曲面のある鏡板の影響を受けることなく配置できる。
従って、浄化槽全体の一層の小型化を図ることが可能となる。
さらに、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と、前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを、適切な容量を確保できながら、しかも、それらの槽が浄化槽本体の径方向中央部に集中して位置するので、上部に点検口を1つ設けるだけでよく、消毒槽の薬剤補充や放流ポンプ槽内の放流ポンプの出し入れ作業などを、支障なく点検口を介して行うことができる。
従って、より小型化を可能としながら点検及びメンテナンスを支障なく行うことが可能となる。
本発明の第2の特徴構成は、筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板と第2鏡板を浄化槽本体に設けると共に、その浄化槽本体の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が処理順に嫌気性処理槽又は好気性処理槽からなる前処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽に、仕切壁を介して別々に区画形成され、それらの槽の上方に複数の点検口を設けてある浄化槽であって、
前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前記前処理槽を配置し、
他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置し、
前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを配設してあり、
平面視で、前記浄化槽本体の径方向に前記生物膜濾過槽と前記処理水槽との第1組を並べると共に、前記消毒槽と前記放流ポンプ槽との第2組も前記浄化槽本体の径方向に並べ、それらの第1組と第2組を前記浄化槽本体の長手方向に並べて配設し、
前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とが集中して位置する前記浄化槽本体の径方向中央部の上方に、一つの点検口を設けてあるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、浄化槽全体の水処理能力を上げるためには、前処理槽と好気性処理槽とを大きな容量のものにしなければならず、この性質を活かして前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前記前処理槽を配置し、他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置することにより、夫々適切な処理空間を確保でき、しかも前記前処理槽に対する点検口や、前記好気性処理槽に対する点検口を、夫々第1、第2鏡板よりも内側に配置してもそれらの点検作業やメンテナンスに支障は生じない。
また、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽を、前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に配置することにより、それらの槽の大きさや配置をより自由により適切な容量に設計でき、しかも、それらの各槽に対する点検口も、湾曲面のある鏡板の影響を受けることなく配置できる。
従って、浄化槽全体の一層の小型化を図ることが可能となる。
本発明の第3の特徴構成は、前記浄化槽本体の径方向に並べた前記生物膜濾過槽と前記処理水槽の底部に、長方形の底部開口部を形成し、前記生物膜濾過槽で処理された処理水は、前記底部開口部から前記処理水槽に移流するように構成してあるところにある。
本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の縦断側面概略図である。 要部横断平面図である。 図2におけるIII-III 断面図である。 図2におけるIV-IV 断面図である。 別実施形態の要部横断平面図である
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽は、図1〜図4に示したように、筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板B1と第2鏡板B2を浄化槽本体1に設け、その浄化槽本体1の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が上流側から嫌気性処理槽N、好気性処理槽として担体流動槽E1、生物膜濾過槽として担体濾過槽E2、処理水槽T1、消毒槽Q、放流ポンプ槽Sを備え、前記嫌気処理槽Nとして固液分離槽N1及び嫌気濾床槽N2を設けて、仕切壁を介して別々に区画形成される。尚、仕切壁の内、生物膜濾過槽と処理水槽T1と消毒槽Qと放流ポンプ槽Sとに対して、固液分離槽N1と嫌気濾床槽N2と担体流動槽E1とを、浄化槽本体の長手方向に仕切る隔壁として第1隔壁W1,第2隔壁W2,第3隔壁W3を設け、また、それらの槽の上方に複数の点検口H1〜H6を設けてある。
被処理水の原水は、原水流入部Iから固液分離槽N1に流入するとともに、嫌気濾床槽N2、担体流動槽E1、担体濾過槽E2、処理水槽T1の順に下流へ移送されつつ分解処理され、消毒槽Q、放流ポンプ槽Sを経た後放流口Zから槽外に放流される。
前記固液分離槽N1は、被処理水流入口Iからの流入した被処理水を受けて一時貯留し、夾雑物を沈澱分離させるための水処理空間を設けて形成してある。流入した被処理水の原水中の浮遊物や固形物は沈澱分離されて固液分離槽N1の上部にスカムとして、あるいは底部に汚泥として貯留される。
また、前記固液分離槽N1と前記嫌気濾床槽N2は、比較的大きな貯留容量を備えており、LWL〜HWLの範囲で流量を調節可能な流量調整部Rを有する。これにより、朝夕の特定時間等に集中する流入処理水量のピーク量を吸収する構成としてあるため、下流の担体流動槽E1、担体濾過槽E2の処理性能の安定化に貢献するものである。
前記固液分離槽N1の代わりに、嫌気濾床を設けた嫌気濾床槽としてもよい。この時、嫌気濾床内部に嫌気性微生物を育成可能にしてある。この嫌気濾床槽に流入する被処理水の原水は、嫌気濾床槽にて貯留されるとともに、嫌気分解され、主に、粗大な有機物の細分化が行われる。また容易に分解されない汚泥等の固形分は嫌気濾床槽下部に沈殿物として、あるいは、嫌気濾床槽上部にスカムとして貯留される。
前記嫌気濾床槽N2は、嫌気濾床Fを備えるとともに、その嫌気濾床Fに嫌気性微生物を定着保持して育成させられる構成としてある。嫌気濾床槽N2に流入した被処理水は、さらに嫌気処理を受け、固形物のほとんどない状態にまで分解された後、流量調整用エアリフトポンプA1を経て担体流動槽E1に移流する。
嫌気処理槽として、上述した固液分離槽N1や嫌気濾床槽の代わりに流量調整槽を設けて槽全体で被処理水量のピーク量を吸収する構成とすることも可能である。
前記担体流動槽E1は、微生物を担持させた状態で、被処理水とともに流動可能に形成してある担体C1を収容保持するとともに、気泡供給により担体を流動させるためにエア供給管に連接した散気管D1を内装して散気部を設けてあり、散気部からの気泡供給により担体C1を担体流動槽E1内で流動させられる構成としてある。このような構成により、担体流動槽E1内に流入した被処理水は、好気性微生物による好気分解で浄化される。
前記担体C1は、表面凹凸の形状であれば、担体C1表面上に生物膜を担持するのに好ましい形状となる。
前記担体濾過槽E2は、水よりも比重の大きな担体C2を所定高さまで高密度に充填して構成してある。これにより、担体濾過槽E2に移流する汚泥を含んだ被処理水は、担体C2の堆積した堆積濾過層を通過して濾過され、固形分をほとんど含まない状態となって、隣接する処理水槽T1に移流される。
前記担体濾過槽E2の下部には、担体C2の逆洗装置として、担体C2に付着した目詰まりの原因となる汚泥を剥離させるために散気する逆洗管D2を設けてある。散気管D1、および逆洗管D2については、気泡供給量を調節できるものであることが好ましい。
前記逆洗管D2による担体C2の逆洗は、例えば、タイマーを逆洗管D2に接続して、周期的に逆洗管D2を作動させて担体C2を逆洗してもよい。また、逆洗の頻度は、季節により、あるいは、流入負荷により、適宜決定することが可能である。
また、前記担体C2は、表面平滑の形状のものを用いると、逆洗時に目詰まりの原因となる汚泥を剥離させ易く、さらに、濾過面積を自在に設計できる。
さらに、前記担体濾過槽E2には、固液分離槽N1に被処理水及び汚泥を移送する移流機構としてエアリフトポンプA2と、担体流動槽E1に被処理水及び汚泥を移送する移流機構としてエアリフトポンプA3とを設けてある。
前記エアリフトポンプA2は、通常処理時に担体濾過槽E2下部の硝酸を含む被処理水及び汚泥を一定量づつ固液分離槽N1に循環可能に構成してあり、固液分離槽N1に移送された被処理水は、固液分離槽N1から嫌気濾床槽N2に移流し脱窒されるため、窒素成分を除去することができ、さらに、移送された汚泥を余剰汚泥として、固液分離槽N1と嫌気濾床槽N2に沈殿させて貯留することができる。
一方、前記エアリフトポンプA3は、担体流動槽E1から流出して担体濾過槽E2に流入した被処理水及び汚泥を担体流動槽E1に移送可能に構成してある。汚泥の移送により担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができるため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上し、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。また、担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することにより有機成分等の分解効率が増し、担体濾過槽E2での酸素供給量も増加して担体濾過槽E2での浄化効率を向上させることができる。
エアリフトポンプA2及びエアリフトポンプA3の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構を設けることが可能である。制御機構は、例えば、逆洗時あるいは逆洗直後にエアリフトポンプA2及びエアリフトポンプA3にエア供給装置からのエア供給を制御する構成であれば使用できる。
前記処理水槽T1は、剥離汚泥の分離と流出防止を可能に構成してあり、担体濾過槽E2を通過した清浄な上澄み部のみを消毒槽Qに移流可能にしてある。消毒槽Qに流入した被処理水は、固形消毒剤と接触して消毒された後、放流ポンプP2を内装してある放流ポンプ槽Sに流入する。放流ポンプ槽Sで、消毒済の被処理水を一時貯留した後、放流口Zより槽外へ放流される。
上述した浄化槽において、担体C2に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を担体流動槽E1に所定時間移送し、所定時間経過後、担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を固液分離槽N1に移送する方法、又はその逆の方法、つまり、担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を固液分離槽N1に所定時間移送し、所定時間経過後、担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を担体流動槽E1に移送する方法で運転することにより、担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止し、担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。
つまり、担体濾過槽E2の担体C2の逆洗時又は逆洗後には、担体C2より剥離した汚泥が担体濾過槽E2内を浮遊しており、次第に底部に沈降する。逆洗時又は逆洗後にエアリフトポンプA3へのエア供給を開始することにより、底部に沈降した汚泥を被処理水と共に担体流動槽E1に移送できるため、担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができる。
汚泥の担体流動槽E1へ移送する所定時間を適宜設定し、この設定した所定時間経過後、エアリフトポンプA3へのエア供給を停止してエアリフトポンプA2へのエア供給を開始することにより底部に沈降した汚泥をエアリフトポンプA2で被処理水と共に固液分離槽N1に移送する循環運転を行うことにより、担体流動槽E1内の汚泥量を調節することができ、この時移送された汚泥は、余剰汚泥として固液分離槽N1に沈殿させて貯留することができる。
前記担体流動槽E1に移送された汚泥の一部は、担体流動槽内で増殖して担体濾過槽E2に移流することにより、担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。そのため、堆積濾過層でSS(懸濁物質)を捕捉して生物濾過を行う環境を早期に整えることができ、担体濾過槽E2における濾過能力を平均的に向上させることができるのである。
前記エアリフトポンプA2及びエアリフトポンプA3のエア供給の開始と停止は、制御機構で制御を行うことができる。
さらに、前記担体C2に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、所定割合で担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を担体流動槽E1及び固液分離槽N1に移送する方法で運転することによっても担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止し、担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。
上述した方法で運転することにより、生物処理が安定し、高負荷処理水であっても効率よく処理できる。さらに、所定時間や、エアリフトポンプA2とエアリフトポンプA3の汚泥の移送割合を適宜設定することにより、担体流動槽E1内の汚泥量をコントロールすることができるため、幅広い運転方法を採用することができる。
前記移送割合は、被処理水の流入負荷に応じて決定することが可能である。
この時、流入負荷が高い場合は、エアリフトポンプA2で汚泥を固液分離槽N1に移送する割合を、エアリフトポンプA3で汚泥を担体流動槽E1へ移送する割合より増やし、流入負荷が低い場合は、エアリフトポンプA3で汚泥を担体流動槽E1へ移送する割合を、エアリフトポンプA2で汚泥を固液分離槽N1に移送する割合より増やすようにするのである。
前記浄化槽は、例えば50人〜150人用で、2.55〜30m3 /日の水量に対応する大型の物で、嫌気性処理槽Nの固液分離槽N1を第1鏡板B1の内側に配置してあるのに対し、図2〜図4に示すように、好気性処理槽の担体流動槽E1を第2鏡板B2の内側に配置してあり、固液分離槽N1と担体流動槽E1との間に、担体濾過槽E2と処理水槽T1と消毒槽Qと放流ポンプ槽Sとを配設してある。
そして、浄化槽本体1の径方向に担体濾過槽E2と処理水槽T1とを並べ、消毒槽Qと放流ポンプ槽Sとを、浄化槽本体1の長手方向に並べて処理水槽T1の径方向の横に配設することにより、特に51〜60人槽などの比較的小さい水量の範囲でコンパクト化の効果が大きく、施工時の掘削土量が減少できる。
嫌気濾床槽N2から担体流動槽E1へは、流量調整用エアリフトポンプA1を介して処理水が搬送され、そのエアリフトポンプA1の処理水吐出部とは遠ざかる位置からオーバーフローにより次の担体濾過槽E2に処理水が流れるようになっている。担体流動槽E1の散気管D1は、パイプ状で槽底部の中央部に浄化槽本体1の長手方向に沿って配設されており、槽内の処理水は散気管D1の散気によって槽中央部では上昇流となり、表面近くでは胴側面側に向かって流れる循環流となる。
エアリフトポンプA1の処理水吐出口と担体濾過槽E2へのオーバーフロー口は、散気管D1を挟んだ両側にそれぞれ配置されている。このために、嫌気濾床槽N2から担体流動槽E1へ流入してきた処理水は、胴側部に沿って底部に流れ担体流動槽E1内を循環するので、散気管D1を挟んで対向する側に設けられた担体濾過槽E2へのオーバーフロー口への短絡流とはならず、十分に好気処理された後に濾過処理される。
前記担体濾過槽E2に流入した処理水は、担体C2の充填部を上から下に通過して下から次の処理水槽T1に流入する。
担体濾過槽E2と処理水槽T1との底部開口部は、図3〜図4に示すように、担体濾過槽E2と処理水槽T1との仕切壁と、処理水槽T1消毒槽Q及び放流ポンプ槽Sとの仕切壁とを処理水槽T1の内側へ折り曲げたホッパー形状に形成してあり、処理水槽T1の沈殿物を速やかに担体濾過槽E2に返送して、処理水槽T1でのスカム発生を少なくなるようにしている。
また、担体濾過槽E2と処理水槽T1とを浄化槽本体1の径方向に並べて配設しているので、底部開口部を長方形に形成でき、担体濾過槽E2の処理水は偏流することなく処理水槽T1へ流入するので、担体濾過槽E2の処理性能を安定させることができる。
処理水槽T1から消毒槽Qへは、上部からのオーバーフローにより図2〜図3に示すように、消毒筒2を通って流下し、さらに、隣接する放流ポンプ槽Sにオーバーフローにより流れ込む(図2、図4)。
また、放流ポンプ槽Sからは、処理水が放流ポンプP2によって揚水され、担体流動槽E1の上方を越えて放流口Zから槽外方に放流される。
前記点検口Hは、図1〜図4に示すように、各槽が全て点検やメンテナンスが行えるように、平面視で上流側から順に、原水の流入部に円形の第1点検口H1を、固液分離槽N1と嫌気濾床槽N2の仕切壁の上方に円形の第2点検口H2を、嫌気濾床槽N2の中央部に円形の第3点検口H3を、嫌気濾床槽N2の後端側でエアリフトポンプA1の上方に長方形の第4点検口H4を、担体濾過槽E2と処理水槽T1と消毒槽Qと放流ポンプ槽Sとにかけてそれらが全て点検及びメンテナンスが行える様に、長方形の大きな第5点検口H5を、担体流動槽E1の散気管D1の上方に円形の第6点検口H6を夫々設けてある。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記第1鏡板の内側には、嫌気性処理槽Nに代えて前記担体流動槽E1とは別の好気性処理槽を設けてあってもよい。つまり、第1鏡板の内側に第1好気性処理槽を設け、第2鏡板の内側に第2好気性処理槽を設ける場合もよく、これらの場合、第1鏡板の内側に配置する槽を、前処理槽総称する。
〈2〉 前記好気性処理槽では、担体C1を流動させる担体流動層E1に形成する以外に、流動担体を設けずに、曝気装置を設けるだけの槽であっても良い。
〈3〉 前記生物膜濾過槽は、担体C2を設けた担体濾過槽E2以外に、微生物を担持させる固定の濾床を設けた濾過槽であってもよい。つまり、生物接触酸化処理と物理的ろ過とが行える槽であれば良い。
〈4〉 前期固液分離槽N1と担体流動槽E1との間に、担体濾過槽E2と処理水槽T1と消毒槽Qと放流ポンプ槽Sとを配設するのに、それらの槽を浄化槽本体1の長手方向あるいは径方向に並べても良い。また、図5に示すように、平面視で、浄化槽本体1の径方向に担体濾過槽E2と処理水槽T1との第1組を並べると共に、消毒槽Qと放流ポンプ槽Sの第2組も浄化槽本体1の径方向に並べ、それらの第1組と第2組を浄化槽本体1の長手方向に並べてあってもよい。この場合、点検口Hを設けるのに支障は無く、それらの槽をより大きな容量にする場合に有利であり、嫌気濾床槽N2から担体流動槽E1へのエアリフトポンプA1と、放流ポンプ槽Sから放流口Zまでの放流ポンプP2以外に、担体流動槽E1から担体濾過槽E2へ処理水を移流させるスリット付きの出口管A4が必要になる場合がある。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本発明は、大型の浄化槽に特に有利に使用できる。
1 浄化槽本体
B1 第1鏡板
B2 第2鏡板
N 嫌気性処理槽
T1 処理水槽
Q 消毒槽
S 放流ポンプ槽
H 点検口
W1 隔壁(第1隔壁)
W2 隔壁(第2隔壁)
W3 隔壁(第3隔壁)

Claims (3)

  1. 筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板と第2鏡板を浄化槽本体に設けると共に、その浄化槽本体の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が処理順に嫌気性処理槽又は好気性処理槽からなる前処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽に、仕切壁を介して別々に区画形成され、それらの槽の上方に複数の点検口を設けてある浄化槽であって、
    前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前記前処理槽を配置し、
    他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置し、
    前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを配設してあり、
    前記浄化槽本体の径方向に前記生物膜濾過槽と前記処理水槽とを並べ、前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを、前記浄化槽本体の長手方向に並べて前記処理水槽の径方向の横に配設し、
    前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とが集中して位置する前記浄化槽本体の径方向中央部の上方に、一つの点検口を設けてある浄化槽。
  2. 筒状の胴体の両端部に外側に突出した湾曲面を有する第1鏡板と第2鏡板を浄化槽本体に設けると共に、その浄化槽本体の内部に水処理空間を有し、その水処理空間が処理順に嫌気性処理槽又は好気性処理槽からなる前処理槽、好気性処理槽、生物膜濾過槽、処理水槽、消毒槽、放流ポンプ槽に、仕切壁を介して別々に区画形成され、それらの槽の上方に複数の点検口を設けてある浄化槽であって、
    前記水処理空間内で一端の前記第1鏡板の内側に前記前処理槽を配置し、
    他端の前記第2鏡板の内側に前記好気性処理槽を配置し、
    前記前処理槽と前記好気性処理槽との間に、前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とを配設してあり、
    平面視で、前記浄化槽本体の径方向に前記生物膜濾過槽と前記処理水槽との第1組を並べると共に、前記消毒槽と前記放流ポンプ槽との第2組も前記浄化槽本体の径方向に並べ、それらの第1組と第2組を前記浄化槽本体の長手方向に並べて配設し、
    前記生物膜濾過槽と前記処理水槽と前記消毒槽と前記放流ポンプ槽とが集中して位置する前記浄化槽本体の径方向中央部の上方に、一つの点検口を設けてある浄化槽。
  3. 前記浄化槽本体の径方向に並べた前記生物膜濾過槽と前記処理水槽の底部に、長方形の底部開口部を形成し、
    前記生物膜濾過槽で処理された処理水は、前記底部開口部から前記処理水槽に移流するように構成してある請求項1又は2に記載の浄化槽。
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