JP4090218B2 - 汚水処理装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給してする散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の汚水処理装置は、最も典型的なものとして、家庭用の浄化槽に適用されている。つまり、流入汚水である被処理水を沈殿分離槽や嫌気濾床槽で受けて嫌気処理を行った後、担体流動槽や接触ばっ気槽等の好気処理槽に流入させ、その好気処理槽内で十分生物処理させることができる構成の浄化槽は、種々の汚水を浄化するのに適したものとして利用されているのである。
【0003】
このような浄化槽として、図6に示すように上流側から嫌気処理槽N、好気処理槽E、処理水槽T1、消毒槽Q等を備え、前記嫌気処理槽Nは、嫌気濾床槽第一室N3及び嫌気濾床槽第二室N4を並設し、前記好気処理槽Eは、担体流動槽E1及び濾過槽E2を上下に配設した浄化槽が提案されている。
【0004】
この浄化槽では、担体流動槽E1の底部に散気管D1を備え、上部に洗浄用エアリフトポンプP1を備える。また、前記エアリフトポンプP1に、挿入垂設した吸い上げ管Hの上端を連結し、前記吸い上げ管Hに、先端を前記嫌気濾床槽第一室N1の上側に向けて配管した移送管Wを接続している。
【0005】
被処理水の原水は、原水流入部Iから嫌気濾床槽第一室N3に流入するとともに、嫌気濾床槽第二室N4、担体流動槽E1、濾過槽E2、処理水槽T1の順に下流へ移送されつつ分解処理され、処理水槽T1の上方に設けた消毒槽Qを経た後、放流口Zから槽外に放流される。
【0006】
前記嫌気濾床槽第一室N3は、流入する被処理水の原水を貯留可能に構成してあり、その内部に嫌気性微生物を育成可能にしてある。嫌気濾床槽第一室N3に流入する被処理水の原水は、嫌気濾床槽第一室N3にて貯留されるとともに、嫌気分解され、主に、粗大な有機物の細分化が行われる。
【0007】
前記嫌気濾床槽第二室N4は、嫌気濾床Fを備えるとともに、その嫌気濾床に嫌気性微生物を定着保持させて育成する構成としてある。嫌気濾床槽第二室N4に流入した被処理水は、さらに嫌気処理を受け、固形物のほとんどない状態にまで分解される。
【0008】
前記担体流動槽E1は、微生物を担持させた状態で、被処理水とともに流動可能に形成してある担体を収容保持するとともに、気泡供給により前記担体を流動させるためにエア供給管に連接した散気管D1を内装して散気部を設けてあり、前記散気部からの気泡供給により前記担体を前記担体流動槽E1内で流動させられる構成としてある。このような構成により、担体流動槽E1内に流入した被処理水は、好気性微生物による好気分解で浄化される。このような処理を受けた被処理水は、槽内を下向きに移流して前記濾過槽E2に流入する。
【0009】
前記濾過槽E2に移流する汚泥を含んだ被処理水は、担体の堆積した堆積濾過層を通過して濾過され、固形分をほとんど含まない状態となって、隣接する処理水槽T1に移流される。
【0010】
前記処理水槽T1は、前記担体濾過槽E2を通過した清浄な上澄み部のみを外部に放流可能にし、前記処理水槽T1の上部に設けられた消毒槽Qに流入した被処理水は固形消毒剤と接触して消毒された後槽外へ放流される。
【0011】
また、前記堆積濾過層を形成した担体に付着して目詰まりの原因となる汚泥を剥離させるための前記担体洗浄時は、前記濾過槽E2下部の逆洗管から出るエアにより濾過担体が流動して洗浄され、前記エアリフトポンプP1を作動して前記吸い上げ管H下端の吸水口から汚水を吸引し、逆洗後の逆洗排水を前記移送管Wを通して前記嫌気濾床槽第一室N3へ移送していた。
【0012】
また、従来例として、特開平5−104086号公報、特開平5−269482号公報、特開平5−309382号公報などがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の浄化槽によれば、前記担体流動槽内の汚泥は、前記散気管からの気泡供給により前記担体と共に前記担体流動槽内を流動しているため、下流の前記濾過槽に容易に移流し、その場合、前記担体流動槽内での汚泥滞留時間が短いためにBODの分解処理効率が低下する虞があった。さらに、汚泥は前記濾過槽に移流すると、前記担体流動槽内の生物総量が減少する原因となり、特に高負荷処理水を好気処理する際にはこの傾向が強まり、硝化能力を含む被処理水の分解処理能力が低下する虞が高くなるという問題点があった。
ここで、汚泥とは、生物処理に寄与する微生物群が担持された浮遊した有機物、無機物の総称をいう。
【0014】
さらに、前記濾過槽内の前記濾過担体に付着して目詰まりの原因となる汚泥を剥離させるための逆洗を行った際に、剥離された汚泥を含んだ逆洗排水を前記嫌気濾床槽第一室へ移送すると、余剰汚泥として前記嫌気濾床槽第一室で沈殿貯留され、被処理水中の溶解成分を生物分解処理する前記濾過槽内の生物総量が一時的に減少するため、逆洗後の前記濾過槽内での処理効率が低下したり、前記濾過槽内の浮遊物質(SS)が相対的に少ないために生物濾過によるSS除去効率も低下し易くなるという問題点があった。
【0015】
従って、本発明の目的は、担体流動槽内の生物総量の低下を防止し、さらに、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することにより、常に安定的に被処理水を効率よく分解できる汚水処理装置及び汚水処理装置の運転方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、請求項1に記載の如く、
被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0017】
〔作用効果1〕
つまり、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けることにより、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記担体流動槽内に移送することができる。これにより、汚泥が前記担体流動槽の下流槽に移流した場合であっても、前記第一移流機構での汚泥の移送により前記担体流動槽内の生物総量の低下を防止することができる。
このように、生物総量の低下を防止することにより、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができるため、被処理水の分解処理能力を向上させることができる。
また、一部の汚泥は前記担体流動槽内で増殖して前記濾過槽に移流する。そのため、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。減少した生物総量が回復することにより、SSを分解除去する効率が向上するため、良好な条件で濾過処理を行うことができる。
さらに、濾過槽内の酸素供給量も増加するため、濾過槽での浄化効率を向上できる。
【0018】
〔構成2〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、請求項2に記載の如く、
被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
スリット状部を設けてあるオーバーフロー部により前記担体流動槽からの被処理水をオーバーフローで流入させて、前記担体流動槽内の汚泥の前記濾過槽への移流を抑制する分離部を設け、前記分離部の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
〔作用効果2〕
つまり、スリット状部を設けてあるオーバーフロー部により担体流動槽からの被処理水をオーバーフローで流入させて、担体流動槽内の汚泥の濾過槽への移流を抑制する分離部を設けてあれば、担体流動槽内の汚泥の移流をある程度抑制することにより、担体流動槽内における汚泥の滞留時間が長くなり、そのため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。
また、担体流動槽内における汚泥の滞留時間が長くなることによりSSの分解効率が増し、そのため、担体濾過槽でのSS負荷が低減して担体濾過槽での濾過効率を向上させることができる。
さらに、分離部の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてあれば、分離部の底部に沈降した被処理水及び汚泥を担体流動槽に移送できる。
〔構成3〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、請求項3に記載の如く、
被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
前記担体流動槽の底部に、前記担体の移流を阻止し、前記担体流動槽からの被処理水及び汚泥の移流を許容する連通部を設け、前記連通部を通過した汚泥を貯留可能にする分離部を通して、被処理水が前記濾過槽に移流するように設けてあると共に、前記分離部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0019】
〔作用効果3〕
つまり、前記担体流動槽の底部に、前記担体の移流を阻止し、前記担体流動槽からの被処理水及び汚泥の移流を許容する連通部を設け、前記連通部を通過した汚泥を貯留可能にする分離部を通して、被処理水が前記濾過槽に移流するように設けてあれば、前記連通部を通過した汚泥は、前記分離部の底部において沈降し、貯留される。この貯留された汚泥は、前記連通部を通して前記担体流動槽に移流自在となり、前記分離部の底部に堆積した汚泥を前記担体流動槽内に移送することができる。汚泥の移送により前記担体流動槽内の生物総量の低下を防止することができるため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。
【0020】
〔構成4〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、請求項4に記載の如く、上記構成1〜3において、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構を設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0021】
〔作用効果4〕
つまり、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構を設けてあれば、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽内に移送することができる。これにより、移送された被処理水を、前記嫌気処理槽において脱窒できるため、窒素成分を除去することができ、さらに、移送された汚泥を余剰汚泥として、前記嫌気処理槽内に沈殿させて貯留することができる。
【0022】
〔構成5〕
この目的を達成するための本発明による汚水処理装置の運転方法の特徴構成は、請求項5に記載の如く、
被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽と、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構と、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構と、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置と、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構とを設けて、
前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽に所定時間移送し、所定時間経過後、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送する方法で運転する点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0023】
〔作用効果5〕
つまり、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けることにより、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記担体流動槽内に移送することができる。これにより、汚泥が前記担体流動槽の下流槽に移流した場合であっても、前記第一移流機構での汚 泥の移送により前記担体流動槽内の生物総量の低下を防止することができる。
このように、生物総量の低下を防止することにより、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができるため、被処理水の分解処理能力を向上させることができる。
また、一部の汚泥は前記担体流動槽内で増殖して前記濾過槽に移流する。そのため、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。減少した生物総量が回復することにより、SSを分解除去する効率が向上するため、良好な条件で濾過処理を行うことができる。
さらに、濾過槽内の酸素供給量も増加するため、濾過槽での浄化効率を向上できる。
そして、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置を設けてあれば、前記逆洗装置から前記濾過担体に逆洗水あるいは気泡を放出することにより、互いの前記濾過担体同士が衝突しあう状況を作り、その衝突作用により前記担体に付着した目詰まりの原因となる汚泥を剥離させて、前記濾過担体を再生し、再度濾過機能を復活させることができる。そのため、前記濾過槽での被処理水の濾過処理を良好な条件で行うことができる。
更に、担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構を設けてあれば、担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を嫌気処理槽内に移送することができる。これにより、移送された被処理水を、嫌気処理槽において脱窒できるため、窒素成分を除去することができ、さらに、移送された汚泥を余剰汚泥として、嫌気処理槽内に沈殿させて貯留することができる。
【0024】
また、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構を設けることにより、逆洗時あるいは逆洗後に、前記第一移流機構のみ作動させる、あるいは前記第二移流機構のみ作動させる、あるいは、前記第一移流機構と前記第二移流機構の両方作動させるという制御を行うことができる。このように逆洗時あるいは逆洗後に前記第一移流機構と前記第二移流機構の作動を制御することにより、前記濾過担体から剥離した汚泥を、効率よく前記担体流動槽、あるいは前記嫌気処理槽に移送することができる。
【0025】
そして、このような構成を有する汚水処理装置において、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽に所定時間移送することにより、前記濾過槽での逆洗により剥離された汚泥及び被処理水を前記第一移流機構で前記担体流動槽に移送するため、前記担体流動槽内の汚泥量を高めることができ、所定時間経過後、前記第二移流機構に切換えて、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送する循環運転とすることができる。
【0026】
この時、前記所定時間を適宜設定することにより、前記担体流動槽や前記濾過槽内の汚泥量をコントロールすることができる。例えば、前記担体流動槽内の汚泥量が少ない場合は、前記第一移流機構で汚泥を前記担体流動槽へ移送する時間を長めに設定し、前記担体流動槽内の汚泥量が適切な量に達した場合は、被処理水及び汚泥の移送を前記第二移流機構に切換えて前記嫌気処理槽に移送し、汚泥を前記嫌気処理槽内で余剰汚泥として沈殿させて貯留することができる。前記所定時間は、例えば、被処理水の流入負荷に応じて決定することが可能である。
【0027】
また、前記濾過担体逆洗後は、前記濾過槽内の生物総量が一時的に減少しているが、逆洗により生じた剥離汚泥を、前記嫌気処理槽に移送して沈殿貯留させるだけでなく、前記担体流動槽に移送して滞留させ、一部の汚泥は前記担体流動槽内で増殖して前記濾過槽に移流する。そのため、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。減少した生物総量が回復することにより、SSを分解除去する効率が向上するため、良好な条件で濾過処理を行うことができる。
【0028】
このような方法で運転することにより、生物処理が安定し、高負荷処理水であっても効率よく処理できる。さらに、前記所定時間を適宜設定することにより、前記担体流動槽や前記濾過槽内の汚泥量をコントロールすることができるため、幅広い運転方法を採用することができる。
【0029】
〔構成6〕
この目的を達成するための本発明による汚水処理装置の運転方法の特徴構成は、請求項6に記載の如く、
被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽と、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構と、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構と、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置と、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構とを設けて、
前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗を行わない通常処理時に、前記第二移流機構により前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を一定量ずつ前記嫌気処理槽に移送し、前記逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を、前記第一移流機構で移送する量と前記第二移流機構で移送する量との移送割合を所定の移送割合に設定して、前記担体流動槽と前記嫌気処理槽とに移送する点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0030】
〔作用効果6〕
つまり、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けることにより、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記担体流動槽内に移送することができる。これにより、汚泥が前記担体流動槽の下流槽に移流した場合であっても、前記第一移流機構での汚泥の移送により前記担体流動槽内の生物総量の低下を防止することができる。
このように、生物総量の低下を防止することにより、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができるため、被処理水の分解処理能力を向上させることができる。
また、一部の汚泥は前記担体流動槽内で増殖して前記濾過槽に移流する。そのため、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。減少した生物総量が回復することにより、SSを分解除去する効率が向上するため、良好な条件で濾過処理を行うことができる。
さらに、濾過槽内の酸素供給量も増加するため、濾過槽での浄化効率を向上できる。
前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置と、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構、及び、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構を設けた作用効果は、上記作用効果5で述べた通りである。
【0031】
そして、このような構成を有する汚水処理装置において、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗を行わない通常処理時に、前記第二移流機構により前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を一定量ずつ前記嫌気処理槽に移送し、前記逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を、前記第一移流機構で移送する量と前記第二移流機構で移送する量との移送割合を所定の移送割合に設定して、前記担体流動槽及び前記嫌気処理槽とに移送することにより、前記濾過槽での逆洗により剥離された汚泥及び被処理水を前記第一移流機構で前記担体流動槽に移送するため、前記担体流動槽内の汚泥量を高めることができる。同時に、前記濾過槽での逆洗により剥離された汚泥及び被処理水を前記第二移流機構で前記嫌気処理槽に移送する循環運転を行うことができる。
【0032】
この時、前記第一移流機構と前記第二移流機構の移送割合を適宜設定することにより、前記担体流動槽や前記濾過槽内の汚泥量をコントロールすることができる。例えば、前記担体流動槽内の汚泥量が少ない場合は、前記第一移流機構で汚泥を前記担体流動槽へ移送する割合を、前記第二移流機構で汚泥を前記嫌気処理槽に移送する割合より多く設定することが考えられる。この時、前記担体流動槽に移送された汚泥の一部は、前記担体流動槽内で増殖して前記濾過槽に移流する。そのため、濾過槽内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。
【0033】
また、前記移送割合は、例えば、被処理水の流入負荷に応じて決定することが可能である。この時、流入負荷が高い場合は、前記第二移流機構で汚泥を前記嫌気処理槽に移送する割合を、前記第一移流機構で汚泥を前記担体流動槽へ移送する割合より増やし、流入負荷が低い場合は、前記第一移流機構で汚泥を前記担体流動槽へ移送する割合を、前記第二移流機構で汚泥を前記嫌気処理槽に移送する割合より増やすようにすることが可能である。
【0034】
このような方法で運転することにより、生物処理が安定し、高負荷処理水であっても効率よく処理できる。さらに、前記移送割合を適宜設定することにより、前記担体流動槽や前記濾過槽内の汚泥量をコントロールすることができるため、幅広い運転方法を採用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽は、図1に示したように、上流側から嫌気処理槽N、担体流動槽E1、担体濾過槽E2、処理水槽T1、消毒槽Q、放流ポンプ槽Sを備え、前記嫌気処理槽Nとして固液分離槽N1及び嫌気濾床槽N2を設けた構成からなる。
【0036】
被処理水の原水は、原水流入部Iから固液分離槽N1に流入するとともに、嫌気濾床槽N2、担体流動槽E1、担体濾過槽E2、処理水槽T1の順に下流へ移送されつつ分解処理され、消毒槽Q、放流ポンプ槽Sを経た後放流口Zから槽外に放流される。
【0037】
前記固液分離槽N1は、被処理水流入口Iからの流入した被処理水を受けて一時貯留し、夾雑物を沈澱分離させるための水処理空間を設けて形成してある。流入した被処理水の原水中の浮遊物や固形物は沈澱分離されて前記固液分離槽N1の上部にスカムとして、あるいは底部に汚泥として貯留される。
また、前記固液分離槽N1と前記嫌気濾床槽N2は、比較的大きな貯留容量を備えており、LWL〜HWLの範囲で流量を調節可能な流量調整部Rを有する。これにより、朝夕の特定時間等に集中する流入処理水量のピーク量を吸収する構成としてあるため、下流の前記担体流動槽E1、前記担体濾過槽E2の処理性能の安定化に貢献するものである。
【0038】
前記固液分離槽N1の代わりに、嫌気濾床を設けた嫌気濾床槽としてもよい。この時、前記嫌気濾床内部に嫌気性微生物を育成可能にしてある。この嫌気濾床槽に流入する被処理水の原水は、前記嫌気濾床槽にて貯留されるとともに、嫌気分解され、主に、粗大な有機物の細分化が行われる。また容易に分解されない汚泥等の固形分は前記嫌気濾床槽下部に沈殿として、あるいは、前記嫌気濾床槽上部にスカムとして貯留される。
【0039】
前記嫌気濾床槽N2は、嫌気濾床Fを備えるとともに、その嫌気濾床Fに嫌気性微生物を定着保持して育成させられる構成としてある。前記嫌気濾床槽N2に流入した被処理水は、さらに嫌気処理を受け、固形物のほとんどない状態にまで分解された後、流量調整用エアリフトポンプA1を経て前記担体流動槽E1に移流する。
【0040】
嫌気処理槽として、上述した前記固液分離槽N1や嫌気濾床槽の代わりに流量調整槽を設けて槽全体で被処理水量のピーク量を吸収する構成とすることも可能である。この時、別に汚泥濃縮貯留槽を設けて、被処理水中の固形分を沈殿貯留させるようにすればよい。
【0041】
前記担体流動槽E1は、微生物を担持させた状態で、被処理水とともに流動可能に形成してある担体C1を収容保持するとともに、気泡供給により前記担体を流動させるためにエア供給管に連接した散気管D1を内装して散気部を設けてあり、前記散気部からの気泡供給により前記担体C1を前記担体流動槽E1内で流動させられる構成としてある。このような構成により、担体流動槽E1内に流入した被処理水は、好気性微生物による好気分解で浄化される。
前記担体C1は、表面凹凸の形状であれば、前記担体C1表面上に生物膜を担持するのに好ましい形状となる。
【0042】
前記担体濾過槽E2は、水よりも比重の大きな担体C2を所定高さまで高密度に充填して構成してある。これにより、前記担体濾過槽E2に移流する汚泥を含んだ被処理水は、前記担体C2の堆積した堆積濾過層を通過して濾過され、固形分をほとんど含まない状態となって、隣接する処理水槽T1に移流される。
前記担体濾過槽E2の下部には、前記担体C2の逆洗装置として、前記担体C2に付着した目詰まりの原因となる汚泥を剥離させるために散気する逆洗管D2を設けてある。前記散気管D1、および逆洗管D2については、気泡供給量を調節できるものであることが好ましい。
【0043】
前記逆洗管D2による前記担体C2の逆洗は、例えば、タイマーを前記逆洗管D2に接続して、周期的に前記逆洗管D2を作動させて前記担体C2を逆洗してもよい。また、逆洗の頻度は、季節により、あるいは、流入負荷により、適宜決定することが可能である。
【0044】
また、前記担体C2は、表面平滑の形状のものを用いると、逆洗時に目詰まりの原因となる汚泥を剥離させ易く、さらに、濾過面積を自在に設計できる。
【0045】
さらに、前記担体濾過槽E2には、前記固液分離槽N1に被処理水及び汚泥を移送する移流機構としてエアリフトポンプA2と、前記担体流動槽E1に被処理水及び汚泥を移送する移流機構としてエアリフトポンプA3とを設けてある。
前記エアリフトポンプA2は、通常処理時に前記担体濾過槽E2下部の被処理水及び汚泥を一定量づつ前記固液分離槽N1に循環可能に構成してあり、前記固液分離槽N1に移送された被処理水は、前記固液分離槽N1において脱窒されるため、窒素成分を除去することができ、さらに、移送された汚泥を余剰汚泥として、前記嫌気処理槽内に沈殿させて貯留することができる。
一方、前記エアリフトポンプA3は、前記担体流動槽E1から流出して前記担体濾過槽E2に流入した被処理水及び汚泥を前記担体流動槽E1に移送可能に構成してある。汚泥の移送により前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができるため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上し、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。また、前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することにより有機成分等の分解効率が増し、前記担体濾過槽E2での酸素供給量も増加して前記担体濾過槽E2での浄化効率を向上させることができる。
【0046】
前記エアリフトポンプA2及び前記エアリフトポンプA3の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構を設けることが可能である。前記制御機構は、例えば、逆洗時あるいは逆洗直後に前記エアリフトポンプA2及びエアリフトポンプA3にエア供給装置からのエア供給を制御する構成であれば使用できる。
【0047】
前記処理水槽T1は、剥離汚泥の分離と流出防止を可能に構成してあり、前記担体濾過槽E2を通過した清浄な上澄み部のみを消毒槽Qに移流可能にしてある。前記消毒槽Qに流入した被処理水は、固形消毒剤と接触して消毒された後、放流ポンプP2を内装してある放流ポンプ槽Sに流入する。前記放流ポンプ槽Sで、消毒済の被処理水を一時貯留した後、放流口Zより槽外へ放流される。
【0048】
上述した浄化槽において、
前記担体C2に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽E1に所定時間移送し、所定時間経過後、前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を前記固液分離槽N1に移送する方法、又はその逆の方法、つまり、前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を前記固液分離槽N1に所定時間移送し、所定時間経過後、前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽E1に移送する方法で運転することにより、前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止し、前記担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。
【0049】
つまり、前記担体濾過槽E2の前記担体C2の逆洗時又は逆洗後には、前記担体C2より剥離した汚泥が前記担体濾過槽E2内を浮遊しており、次第に底部に沈降する。逆洗時又は逆洗後に前記エアリフトポンプA3へのエア供給を開始することにより、底部に沈降した汚泥を被処理水と共に前記担体流動槽E1に移送できるため、前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができる。
【0050】
汚泥の前記担体流動槽E1へ移送する所定時間を適宜設定し、この設定した所定時間経過後、前記エアリフトポンプA3へのエア供給を停止して前記エアリフトポンプA2へのエア供給を開始することにより底部に沈降した汚泥を前記エアリフトポンプA2で被処理水と共に前記固液分離槽N1に移送する循環運転を行うことにより、前記担体流動槽E2内の汚泥量を調節することができ、この時移送された汚泥は、余剰汚泥として前記固液分離槽N1に沈殿させて貯留することができる。
【0051】
前記担体流動槽E2に移送された汚泥の一部は、前記担体流動槽内で増殖して前記担体濾過槽E2に移流することにより、前記担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。そのため、前記堆積濾過層でSSを捕捉して生物濾過を行う環境を早期に整えることができ、前記担体濾過槽E2における濾過能力を平均的に向上させることができるのである。
前記エアリフトポンプA2及び前記エアリフトポンプA3のエア供給の開始と停止は、前記制御機構で制御を行うことができる。
【0052】
さらに、
前記担体C2に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、所定割合で前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽E1及び前記固液分離槽N1に移送する方法で運転することによっても前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止し、前記担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。
【0053】
つまり、前記担体濾過槽E2の前記担体C2の逆洗時又は逆洗後には、前記担体C2より剥離した汚泥が前記担体濾過槽E2内を浮遊しており、次第に底部に沈降する。逆洗時又は逆洗後に前記エアリフトポンプA3のエア供給を開始することにより、底部に沈降した汚泥を被処理水と共に前記担体流動槽E1に移送できるため、前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができる。この時、前記エアリフトポンプA2へもエア供給が行われており前記エアリフトポンプA2によって移送された汚泥は、余剰汚泥として前記固液分離槽N1に沈殿させて貯留することができる。
【0054】
前記担体流動槽E2に移送された汚泥の一部は、前記担体流動槽内で増殖して前記担体濾過槽E2に移流することにより、前記担体濾過槽E2内において濾過担体逆洗後に減少した生物総量を早期に回復することができる。そのため、前記堆積濾過層でSSを捕捉して生物濾過を行う環境を早期に整えることができ、前記担体濾過槽E2における濾過能力を平均的に向上させることができるのである。
前記エアリフトポンプA2及び前記エアリフトポンプA3のエア供給の開始と停止は、前記制御機構で制御を行うことができる。
【0055】
上述した方法で運転することにより、生物処理が安定し、高負荷処理水であっても効率よく処理できる。さらに、前記所定時間や、前記エアリフトポンプA2と前記エアリフトポンプA3の汚泥の移送割合を適宜設定することにより、前記担体流動槽E1内の汚泥量をコントロールすることができるため、幅広い運転方法を採用することができる。
【0056】
前記移送割合は、被処理水の流入負荷に応じて決定することが可能である。
この時、流入負荷が高い場合は、前記エアリフトポンプA2で汚泥を前記固液分離槽N1に移送する割合を、前記エアリフトポンプA3で汚泥を前記担体流動槽E1へ移送する割合より増やし、流入負荷が低い場合は、前記エアリフトポンプA3で汚泥を前記担体流動槽E1へ移送する割合を、前記エアリフトポンプA2で汚泥を前記固液分離槽N1に移送する割合より増やすようにするのである。
【0057】
〔別実施形態1〕
以下に別実施形態を説明する。
前記担体流動槽E1と前記担体濾過槽E2との間に、前記担体C1の前記担体濾過槽E2への移流を阻止し、前記担体流動槽E1内の汚泥を前記担体濾過槽E2への移流を抑制する分離部Bを設けることが可能である。
前記分離部Bは、図2に示したように、スリット状部2を設けてあるオーバーフロー部1により前記担体流動槽E1からの被処理水をオーバーフローで流入させる構成となっている。前記スリット状部2は、前記担体流動槽E1内の前記担体C1の移流を阻止し、前記担体流動槽E1内の汚泥の移流をある程度抑制するように構成されてあればよい。
このように前記分離部Bを設けて前記担体流動槽E1内の汚泥の移流をある程度抑制することにより、前記担体流動槽E1内における汚泥の滞留時間が長くなり、そのため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。
【0058】
また、前記担体流動槽E1内における汚泥の滞留時間が長くなることによりSSの分解効率が増し、そのため、前記担体濾過槽E2でのSS負荷が低減して前記担体濾過槽E2での濾過効率を向上させることができる。
【0059】
前記分離部Bにおいて、前記分離部Bの底部に貯留された汚泥と被処理水とを嫌気処理槽である前記固液分離槽N1と前記担体流動槽E1にそれぞれ移送する移送機構として、エアリフトポンプA4、エアリフトポンプA5を設けることも可能である。これらエアリフトポンプは、例えば、数時間に一度の割合で、所定時間、前記エアリフトポンプA5にエア供給して底部に沈降した汚泥を被処理水と共に前記担体流動槽E1に移送し、所定時間経過後、前記エアリフトポンプA5へのエア供給を停止して前記エアリフトポンプA4へのエア供給を開始することにより、底部に沈降した汚泥を前記エアリフトポンプA4で被処理水と共に前記固液分離槽N1に移送する方法で運転することが可能である。
【0060】
また、常時所定割合で前記エアリフトポンプA4と前記エアリフトポンプA5により、底部に沈降した汚泥をそれぞれ前記固液分離槽N1と前記担体流動槽E1に移送する方法で運転することも可能である。
【0061】
この時、図7に示したように、前記固液分離槽N1の代わりに、流量調整槽Xを設け、前記嫌気濾床槽N2の代わりに汚泥濃縮貯留槽Yを設けることも可能である。
前記流量調整槽Xには、流量調整ポンプP3を設けてあり、間欠ばっ気で脱膣処理を促進させつつ流入変動を緩和し、さらに、前記汚泥濃縮貯留槽Yでは、夾雑物や余剰汚泥を貯留する。
このような構成では、前記担体濾過槽E2の被処理水及び汚泥をエアリフトポンプA2により前記汚泥濃縮貯留槽Yへ移送し、エアリフトポンプA3により前記担体流動槽E1へ移送可能であり、さらに、前記分離部Bの被処理水及び汚泥をエアリフトポンプA4により前記流量調整槽Xへ移送し、エアリフトポンプA5により前記担体流動槽E1へ移送可能である。尚、前記流量調整槽Xの上流部は、紙類等の夾雑物をばっ気により細分化して除去するばっ気型スクリーン部10としている。
【0062】
〔別実施形態2〕
前記分離部Bは、図3に示したように、前記分離部Bの底部に前記担体流動槽E2と連通した連通部3を設けた構成とすることも可能である。
前記連通部3は、格子、ネット、スリット等を設けて前記担体流動槽E1内の前記担体C1の前記分離部Bへの移流を阻止し、被処理水及び汚泥の移流を許容するような構成であれば、適用可能である。前記連通部3を通過した汚泥は、前記分離部Bの底部において沈降し、貯留される。この貯留された汚泥は、前記連通部3を通して前記担体流動槽E1に移流自在となり、前記分離部Bの底部に堆積した汚泥を前記担体流動槽E1内に移送することができる。汚泥の移送により前記担体流動槽E1内の生物総量の低下を防止することができるため、微生物と被処理水の接触機会が増大して被処理水中のBODの処理効率が向上するため、高負荷処理水であっても効率よく分解できる。さらに、被処理水中のアンモニア成分の硝化反応も促進することができる。
さらに、上述した別実施形態1のように、前記分離部Bにおいて、前記分離部Bの底部に貯留された汚泥と被処理水とを嫌気処理槽である前記固液分離槽N1と前記担体流動槽E2にそれぞれ移送する移送機構として、エアリフトポンプA4、エアリフトポンプA5を設けることも可能である。これらエアリフトポンプは、上述した別実施形態1のように運転することができる。
このように構成することで、前記連通部3と前記エアリフトポンプA5により、前記分離部Bに堆積した汚泥を効率よく前記担体流動槽E2に移送することができる。
【0063】
〔別実施形態3〕
前記分離部Bは、図4に示したように、前記担体濾過槽E2の底部に設けることも可能である。この時、前記担体流動槽E1と前記担体濾過槽E2とを仕切る隔壁の下部に連通部3を設けて前記担体流動槽E1内の前記担体C1の前記分離部Bへの移流を阻止し、被処理水及び汚泥の移流を許容する構成とする。前記連通部3を通過した汚泥は、前記分離部Bの底部において沈降し、貯留される。この貯留された汚泥は、前記連通部3を通して前記担体流動槽E1に移流自在となり、前記分離部Bの底部に堆積した汚泥を前記担体流動槽E1内に移送することができる。
【0064】
〔別実施形態4〕
上述した実施形態において記載した各エアリフトポンプにおいて、図5に示したように、エアリフト管5の管内を管軸心方向に分割し、この分割された複数の分割部9のそれぞれにエア供給可能なエア供給装置と接続可能なエア供給管6を設けた一体型エアリフトポンプ4とすることも可能である。前記一体型エアリフトポンプ4は、前記エアリフト管5の上部に、被処理水及び汚泥を移送自在な横管7と、下部にエア供給可能なエア供給装置と接続可能なエア供給管6を設けてある。前記エアリフト管5の管内は、仕切板8等を設けて分割してあるが、このような構成に限らず、管内に筒状の管を収容して分割することも可能である。
この一つの一体型エアリフトポンプ4を用いることにより、槽内の被処理水及び汚泥の複数系統への移送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の側面概略図
【図2】 本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の分離部の概略図
【図3】 本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の分離部における別実施形態の概略図
【図4】 本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の分離部における別実施形態の概略図
【図5】 一体型エアリフトポンプの概略図
【図6】 従来の浄化槽の側面概略図
【図7】 本発明の汚水処理装置を構成する浄化槽の別実施形態の側面概略図
【符号の説明】
2 スリット状部
3 連通部
N1 固液分離槽
N2 嫌気濾床槽
E1 担体流動槽
E2 担体濾過槽
T1 処理水槽
Q 消毒槽

Claims (6)

  1. 被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
    前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある汚水処理装置。
  2. 被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
    スリット状部を設けてあるオーバーフロー部により前記担体流動槽からの被処理水をオーバーフローで流入させて、前記担体流動槽内の汚泥の前記濾過槽への移流を抑制する分離部を設け、
    前記分離部の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある汚水処理装置。
  3. 被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽とを設けてある汚水処理装置において、
    前記担体流動槽の底部に、前記担体の移流を阻止し、前記担体流動槽からの被処理水及び汚泥の移流を許容する連通部を設け、前記連通部を通過した汚泥を貯留可能にする分離部を通して、被処理水が前記濾過槽に移流するように設けてあると共に、
    前記分離部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構を設けてある汚水処理装置。
  4. 前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構を設けてある請求項1〜3の何れか一項に記載の汚泥処理装置。
  5. 被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽と、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構と、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構と、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置と、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構とを設けて、
    前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記担体流動槽に所定時間移送し、所定時間経過後、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送する汚水処理装置の運転方法。
  6. 被処理水を嫌気処理する嫌気処理槽と、嫌気処理された被処理水と共に流動可能な微生物を担持した担体を収容し、前記担体に気泡供給する散気部を備えて好気処理する担体流動槽と、前記担体流動槽の下流側に、複数の濾過担体を内部に沈降堆積させた状態で堆積濾過層を形成してある濾過槽と、前記担体流動槽から槽外に流出して、下流側の槽の底部に沈降した被処理水及び汚泥を、前記担体流動槽に移送可能な第一移流機構と、前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を前記嫌気処理槽に移送可能な第二移流機構と、前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗装置と、前記第一移流機構及び前記第二移流機構の被処理水及び汚泥の移送を、逆洗のタイミングに応じて制御する制御機構とを設けて、
    前記濾過担体に付着した汚泥を剥離させる逆洗を行わない通常処理時に、前記第二移流機構により前記担体流動槽から流出した被処理水及び汚泥を一定量ずつ前記嫌気処理槽に移送し、
    前記逆洗時又は逆洗後に、前記濾過槽の被処理水及び汚泥を、前記第一移流機構で移送する量と前記第二移流機構で移送する量との移送割合を所定の移送割合に設定して、前記担体流動槽と前記嫌気処理槽とに移送する汚水処理装置の運転方法。
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