JP4391006B2 - 流体移送装置を備えた排水処理装置、排水処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水処理技術に係り、特に、エアリフトポンプを用いて処理水を移送する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば一般家庭から排出される汚水を浄化する排水処理槽が知られている。この種の排水処理槽には、例えば好気性微生物を着床させた一定量の粒状担体が充填され、またエアー(酸素)を供給する散気装置が設けられている。この散気装置によって槽内へエアーを供給することで、そのエアーの上向流によって処理水および粒状担体を槽内で流動させるとともに、好気性微生物に酸素が付与されるように構成されている。
このような排水処理槽において、散気装置からエアーを供給することで、好気性微生物によって有機汚濁物質等を分解(酸化)させる一方、好気性処理の際に発生するSS(suspended solid)等の被濾過物を粒状担体によって濾過するという技術が知られている。このような処理は、一般に生物処理と呼ばれる。また、被濾過物を濾過した粒状担体に散気装置から生物処理時よりも多くのエアーを供給することで、粒状担体に捕捉された被濾過物をエアー流によって物理的に剥離させ、被濾過物を含む逆洗水を排水処理槽から抜き出すという技術が知られている。このような処理は、一般に逆洗と呼ばれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の排水処理槽では、生物処理時に処理水の一部を上流側処理槽へ循環させることで、処理効率を向上させるようになっている。また、逆洗時に逆洗水を汚泥貯留機能を有する処理槽へ移送することで、被濾過物を濾過する粒状担体の閉塞を防止するようになっている。このような循環水および逆洗水の移送は、移送用ポンプ、例えばエアリフトポンプを用いて行われている。一般に、循環水移送用のエアリフトポンプと逆洗水移送用のエアリフトポンプが個別に設けられ、各々が異なる流量に設定されている。すなわち、逆洗をより短時間で行うために循環水の移送量よりも逆洗水の移送量の方が多くなるように設定されている。従ってこのような場合には、移送用のエアリフトポンプと逆洗水移送用のエアリフトポンプが必要となり、処理水の移送設備にかかるコストが高くなるという問題がある。
【0004】
そこで本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排水処理装置における簡便かつ安価な排水処理技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の排水処理装置は請求項1及び2に記載の通りに構成されている。また、本発明の排水処理方法は請求項3に記載の通りである。
【0006】
請求項1に記載の排水処理装置において、流体移送装置に、吸入管内へエアーを供給するエアー供給手段が設けられている。このエアー供給手段は、吸入管内においてエアー流を形成させるものであり、このエアー流によって吸入管から流体が吸入され移送管側へ移送されることとなる。また、エアー供給手段には複数のエアー供給管が設けられ、これらエアー供給管の各々が1つの吸入管に接続されている。そして、各エアー供給管から吸入管へ異なる量のエアーが切り換えて供給される。また、吸入管から吸入され、移送管を介して移送される流体の移送量は、エアー供給量に応じて変更されることとなる。これにより、1つの吸入管に複数のエアー供給管を接続した簡単な構成によって、流体の移送量を変更することができる。
従って、請求項1に記載した流体移送装置を備える排水処理装置によれば、処理水を移送する機構を簡便かつ安価に構成することができる。
【0007】
また、請求項1に記載の排水処理装置において、処理槽には微生物を着床させた粒状担体が充填されている。この粒状担体の微生物としては、有機汚濁物質を生物処理する好気性微生物や嫌気性微生物等がある。また、吸入管および第1散気部へエアーを供給する第1のエアー供給管が設けられている。この第1のエアー供給管から吸入管へ供給されたエアーは処理水の移送に用いられ、第1散気部へ供給されたエアーは例えば処理槽における生物処理に用いられる。生物処理では、微生物によって処理水中の有機汚濁物質等を分解させ、被濾過物を粒状担体によって濾過する一方、処理水を上流側処理槽へ移送する処理が行われる。また、吸入管および第2散気部へエアーを供給する第2のエアー供給管が設けられている。この第2のエアー供給管から吸入管へ供給されたエアーは処理水の移送に用いられ、第2散気部へ供給されたエアーは例えば処理槽における逆洗に用いられる。逆洗では、粒状担体に捕捉された被濾過物をエアー流によって物理的に剥離させる一方、被濾過物を含む逆洗水を汚泥貯留機能を有する処理槽へ移送する処理が行われる。これにより、流体移送用のエアーを、生物処理や逆洗といった他の用途に用いることができるため合理的である。
また、エアーの供給は切り換え式になっており、第1のエアー供給管から供給される場合と第2のエアー供給管から供給される場合とがある。また、第1のエアー供給管から供給されるエアー量と、第2のエアー供給管から供給されるエアー量とが異なるように設定されている。これにより、用途に応じてエアー供給量を変更する場合に有効である。すなわち、逆洗の際に吸入管および第2散気部へ供給するエアー量を増やすことで、粒状担体から被濾過物を剥離させ易く、しかも逆洗水を短時間で移送させることができる好適な条件に設定することができる。
従って、請求項1に記載した排水処理装置によれば、エアー供給管から供給されるエアーを、処理水の移送用と他の処理用として用いる場合に有効である。
【0008】
ここで、請求項1に記載のように、吸入管と第1のエアー供給管との接続部の設置高さを、第1散気部の設置高さと同一とし、吸入管と第2のエアー供給管との接続部の設置高さを、第2散気部の設置高さと同一とする。すなわち、第1および第2のエアー供給管の各々において、エアー供給先の設置高さが同様になっている。通常、例えば1つのエアー供給管を分岐させて複数箇所へエアーを供給する場合には、エアー供給先の設置高さを全て同様にしないとエアーの供給バランスがとりにくい。
従って、請求項1に記載した排水処理装置によれば、エアー供給管から複数箇所へエアーを供給する場合にエアーの供給バランスがとり易い。
【0009】
また、請求項2に記載の排水処理装置において、第1の処理槽には生物処理領域と濾過処理領域が形成される。この生物処理領域では、粒状担体の微生物によって処理水中の有機汚濁物質等が分解されることとなる。また、濾過処理領域では、粒状担体によって被濾過物が濾過されることとなる。そして、第1散気部から生物処理領域へエアーを供給する場合と、第2散気部から生物処理領域および濾過処理領域へエアーを供給する場合とに切り換えることができるようになっている。生物処理領域へエアーが供給されると、この生物処理領域の微生物によって有機汚濁物質が分解され、濾過処理領域の粒状担体によって被濾過物が濾過される。また、生物処理領域と濾過処理領域の両方へエアーが供給され、粒状担体が流動化すると、粒状担体に捕捉された被濾過物が剥離される。これにより、第1処理槽において生物処理と逆洗とを切り換えて行うことができる。
従って、請求項2に記載した排水処理装置によれば、第1および第2のエアー供給管から供給されるエアーを、とりわけ生物処理領域および濾過処理領域を有する処理槽の生物処理や逆洗に用いる場合に有効である。
【0010】
また、請求項3に記載の排水処理方法において、所定の行程を順次実施することによって、簡便かつ安価に排水処理を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における一実施の形態の排水処理槽の構成等を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、一般家庭等から排出される排水の処理技術について説明するものである。ここで、図1は本発明における一実施の形態の排水処理槽の概略を示す概略図である。図2は担体流動生物濾過槽30の模式図である。図3はエアリフトポンプ70の構成を示す模式図である。
【0012】
図1に示すように、本発明における排水処理装置としての排水処理槽1には、例えば一般家庭から排出された家庭用排水を排水処理槽1へ受入れるための流入管2と、浄化処理された処理水を排水処理槽1から放流するための放流管3が設けられ、流入管2から受入れられた排水は、排水処理槽1で連続的に浄化処理されるように構成されている。
【0013】
排水処理槽1は、処理行程の順に対応して、上流(図1中の左側)から第1嫌気濾床槽10(本発明における第2の処理槽に対応している)、第2嫌気濾床槽20、担体流動生物濾過槽30(本発明における第1の処理槽に対応している)、処理水槽40、消毒槽50を備えている。また、第1嫌気濾床槽10と第2嫌気濾床槽20とは仕切壁4によって区画され、第2嫌気濾床槽20と担体流動生物濾過槽30とは仕切壁5によって区画されている。また、担体流動生物濾過槽30と処理水槽40とは仕切壁6によって区画され、処理水槽40と消毒槽50とは越流堰7によって区画されている。
【0014】
すなわち、流入管2から受入れられた排水は、まず第1嫌気濾床槽10で処理され、次いで第1嫌気濾床槽10から仕切壁4を越えて第2嫌気濾床槽20へ移流し、第2嫌気濾床槽20で処理される。また、第2嫌気濾床槽20で処理された処理水は、仕切壁5を越えて担体流動生物濾過槽30へ移流し、担体流動生物濾過槽30で処理される。また、担体流動生物濾過槽30で処理された処理水は処理水槽40へ移流する。処理水槽40内の処理水は、その一部はエアーリフト式の流体移送構造を有するエアリフトポンプ70(本発明における流体移送装置に対応している)を介して第1嫌気濾床槽10へ戻され、残りは越流堰7を越えて消毒槽50へ移流し、その後、放流管3から系外へ放流されるように構成されている。
【0015】
次に、排水処理槽1の各槽の構成を詳細に説明する。
まず、嫌気濾床槽10,20には各々濾床11,21が形成され、この濾床11,21には、有機汚濁物質を嫌気性分解する嫌気性微生物を着床させた所定量の濾材C1,C2が充填されている。そして、嫌気濾床槽10,20で処理された処理水は、各々濾床11,21を図1中の矢印方向へ降流するように構成されている。また、消毒槽50は消毒剤注入装置(図示省略)を備えており、放流する前の処理水を消毒するように構成されている。
【0016】
図2に示すように、担体流動生物濾過槽30の槽本体31には上部多孔部材38および下部多孔部材39が設けられ、それら多孔部材間の担体充填部32には、好気性微生物を着床させた所定量の粒状担体C3が槽内を流動できる程度に充填されている。この粒状担体C3は、例えば粒状の中空円筒形に形成されている。多孔部材38,39は処理水の移動は許容するが粒状担体C3の移動は防止するように構成されている。
【0017】
また、担体流動生物濾過槽30には、複数の開孔部から槽内へエアーを供給するための散気装置35および逆洗装置36が設けられている。逆洗装置36は槽内の底部に設けられ、後述する逆洗運転時に用いられる。一方、散気装置35は逆洗装置36よりも上方に設けられ、後述する通常運転時に用いられる。また、散気装置35よりも上層に通常運転時における好気処理領域33(生物処理領域)が形成され、散気装置35よりも下層に通常運転時における濾過処理領域34が形成される。そして、散気装置35からエアーが供給されると好気処理領域33の粒状担体C3は処理水とともに槽内を流動し、逆洗装置36からエアーが供給されると好気処理領域33および濾過処理領域34の粒状担体C3は処理水とともに槽内を流動するようになっている。この散気装置35が本発明における第1散気部に対応しており、逆洗装置36が本発明における第2散気部に対応している。
【0018】
図3に示すように、エアリフトポンプ70は、処理水槽40内の処理水を吸入する吸入管71、吸入管71から吸入した処理水を吐出する移送管72を備え、吸入管71において設置高さが異なる箇所に散気用エアー供給管75と逆洗用エアー供給管76が接続されている。この散気用エアー供給管75が本発明にける第1のエアー供給管に対応しており、逆洗用エアー供給管76が本発明にける第2のエアー供給管に対応している。また、切換弁(図示省略)が内蔵されたブロワ73が設けられ、このブロワ73から散気用エアー供給管75あるいは逆洗用エアー供給管76へエアーが切り換えて供給されるように構成されている。例えば、ブロワ73にタイマ(図示省略)が接続されており、このタイマを用いてエアーの供給が切り換えられるようになっている。
【0019】
また、散気用エアー供給管75は2本に分岐しており、分岐管75aはエアリフトポンプ70と接続され、また分岐管75bは散気装置35と接続されている。逆洗用エアー供給管76は2本に分岐しており、分岐管76aはエアリフトポンプ70と接続され、また分岐管76bは逆洗装置36と接続されている。すなわち、通常運転時には散気用エアー供給管75を介してエアリフトポンプ70および散気装置35へエアーが供給され、逆洗運転時には逆洗用エアー供給管76を介してエアリフトポンプ70および逆洗装置36へエアーが供給されることとなる。また、散気用エアー供給管75および逆洗用エアー供給管76において、各々の分岐箇所には、調整弁77が設けられている。そして、この調整弁77によって、分岐管75aや分岐管76aに供給されるエアー供給量が調整され、したがって処理水の揚水量が調整されることとなる。
【0020】
通常運転では、散気装置35から担体流動生物濾過槽30へ散気用エアーが供給される一方、処理水槽40内の処理水が循環水として第1嫌気濾床槽10へ移送される。また、逆洗運転では、逆洗装置36から担体流動生物濾過槽30へ逆洗用エアーが供給される一方、処理水槽40内の処理水が逆洗水として第1嫌気濾床槽10へ移送される。なお、逆洗用エアー供給管76からのエアー供給量は、散気用エアー供給管75からのエアー供給量よりも多くなるように設定されている。すなわち、通常運転時と逆洗運転時とで、ブロワ73の運転が変更されるようになっている。これにより循環水の移送量よりも逆洗水の移送量の方を多くすることができ、より短時間で担体流動生物濾過槽30の逆洗運転を行うことができる。
【0021】
また、分岐管75aと吸入管71との接続部の設置高さは、散気装置35の設置高さと同様となり、分岐管76aと吸入管71との接続部の設置高さは、逆洗装置36の設置高さと同様となるように構成されている。通常、例えば1つのエアー供給管を分岐させて複数箇所へエアーを供給する場合には、エアー供給先の設置高さを全て同様にしないとエアーの供給バランスがとりにくい。本実施の形態では、分岐管75aと吸入管71との接続部と散気装置35の設置高さ、および分岐管76aと吸入管71との接続部と逆洗装置36の設置高さをいずれも同様としているためエアーの供給バランスがとり易い。しかも、エアー供給管75,76を複数に分岐させて用いるため、エアー供給管の接続構成が簡単になる。
【0022】
次に、排水処理槽1における排水処理方法について図1、図4、図5等を参照しながら説明する。ここで、図4は担体流動生物濾過槽30の通常運転時の状態を示す模式図であり、図5は担体流動生物濾過槽30の逆洗運転時の状態を示す模式図である。
図1に示すように排水処理槽1で排水を処理する場合は、流入管2から第1嫌気濾床槽10へ排水を受入れ、各槽において順次処理していく。すなわち、排水中の有機汚濁物質は、嫌気濾床槽10,20の嫌気性微生物によって嫌気性分解され、次いで、担体流動生物濾過槽30の好気性微生物によって好気性分解される。なお、担体流動生物濾過槽30では通常運転と逆洗運転とが行われる。
【0023】
図4に示すように、担体流動生物濾過槽30の通常運転(本発明における第1の処理行程に対応している)では、散気用エアー供給管75から散気装置35を介して供給されたエアーによって、好気処理領域33の処理水および粒状担体C3が流動化する。これにより、処理水中の有機汚濁物質は、酸素が存在する好気性条件下において好気性微生物によって分解(酸化)される。また、この分解の際に発生するSS(suspended solid)等の被濾過物は、濾過処理領域34の粒状担体C3によって濾過される。
【0024】
一方、散気用エアー供給管75からエアリフトポンプ70へエアーを供給することによって、処理水槽40の処理水の一部は、吸入管71から吸入され、移送管72を介して循環水として第1嫌気濾床槽10へ移送される。それ以外の処理水は消毒槽50において消毒され、放流管3を介して系外へ放流される。
このように循環水を担体流動生物濾過槽30よりも上流側へ循環させることにより、処理効率を向上させることができる。また、嫌気処理を行う第1嫌気濾床槽10へ循環水を移送することで、処理水中の窒素化合物を窒素ガスに還元し、窒素ガスとして除去することができる。また、逆洗運転時に処理水槽40に残留したSS等の被濾過物を、第1嫌気濾床槽10において回収することができる。なお、第1嫌気濾床槽10の代わりに固液分離を行う夾雑物除去槽を設け、処理水槽40に残留したSS等の被濾過物を夾雑物除去槽において回収するように構成することもできる。
【0025】
次に、逆洗運転(本発明における第2の処理行程に対応している)を行う場合は、ブロワ73からのエアーの供給を散気用エアー供給管75から逆洗用エアー供給管76へ切り換える。これにより通常運転が終了し、逆洗運転が開始されることとなる。
図5に示すように、担体流動生物濾過槽30の逆洗運転では、散気装置35にかえて今度は逆洗装置36からエアーを供給することで、槽内全体の処理水および粒状担体C3を流動化させる。そして、通常運転時に粒状担体C3によって濾過され、また粒状担体C3から剥離したSS等の被濾過物は処理水槽40から抜き出され、逆洗水として移送管72を介して第1嫌気濾床槽10へ移送される。これにより槽内が洗浄されることとなる。
【0026】
一方、逆洗用エアー供給管76からエアリフトポンプ70へエアーを供給することによって、粒状担体C3から剥離した被濾過物等を含む処理水の一部は、吸入管71から吸入され、移送管72を介して逆洗水として第1嫌気濾床槽10へ移送される。これにより、SS等の被濾過物は処理水槽40から抜き出され、濾過処理領域34における粒状担体の閉塞が防止されることとなる。
なお、本実施の形態では、逆洗運転時に逆洗用エアー供給管76から供給されるエアー量が極力多くなるように設定しているため、粒状担体C3に付着した被濾過物を剥離させ易い。そのうえ、逆洗水の移送量を増やすことで逆洗時間を短縮することができる。
【0027】
以上のように構成した本実施の形態の排水処理槽1を用いた排水処理技術によれば、散気用エアー供給管75と逆洗用エアー供給管76とを有するエアリフトポンプ70を用いたため、処理水槽40から第1嫌気濾床槽10へ移送される循環水およぶ逆洗水の移送機構を簡便かつ安価に構成することができる。とりわけ、散気用エアー供給管75や逆洗用エアー供給管76から供給されるエアーを、エアリフトポンプ70の駆動用のみならず、担体流動生物濾過槽30における生物処理や逆洗に用いる場合に特に有効である。また、分岐管75aと吸入管71との接続部と散気装置35の設置高さ、および分岐管76aと吸入管71との接続部と逆洗装置36の設置高さをいずれも同様としたため、エアーの供給バランスをとり易くすることができる。
【0028】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0029】
上記実施の形態では、担体流動生物濾過槽30において、散気装置35の設置高さと逆洗装置36の設置高さとが異なる場合について記載したが、散気装置35および逆洗装置36の設置高さを同様にすることもできる。この場合、散気装置35および逆洗装置36は、いずれも濾過処理領域34の下部に配置される。また、散気用エアー供給管75と吸入管71との接続部の設置高さは、逆洗用エアー供給管76と吸入管71との接続部の設置高さと同様となる。この別の実施の形態のエアリフトポンプの構成を図6および図7を参照しながら説明する。ここで、図6は別の実施の形態のエアリフトポンプ78の模式図であり、図7は別の実施の形態のエアリフトポンプ79の模式図である。なお、これらの図において図3中の要素と同一の要素には同一の符号を付している。
【0030】
図6に示す実施の形態のエアリフトポンプ78では、散気用エアー供給管75の分岐管75aと吸入管71との接続部、逆洗用エアー供給管76の分岐管76aと吸入管71との接続部、散気装置35、逆洗装置36がいずれも同様の高さに設けられている。また、図7に示す実施の形態のエアリフトポンプ79では、散気用エアー供給管75の分岐管75aが吸入管71内に挿設されるように構成されている。そして、分岐管75aの先端部、分岐管76aと吸入管71との接続部、散気装置35、逆洗装置36がいずれも同様の高さに設けられている。このように、エアリフトポンプにおけるエアー供給管の構成は必要に応じて種々変更可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、排水処理装置における簡便かつ安価な排水処理技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における一実施の形態の排水処理槽の概略を示す概略図である。
【図2】 担体流動生物濾過槽30の模式図である。
【図3】 エアリフトポンプ70の模式図である。
【図4】 担体流動生物濾過槽30の通常運転時の状態を示す模式図である。
【図5】 担体流動生物濾過槽30の逆洗運転時の状態を示す模式図である。
【図6】 別の実施の形態のエアリフトポンプ78の模式図である。
【図7】 別の実施の形態のエアリフトポンプ79の模式図である。
【符号の説明】
1…排水処理槽(排水処理装置)
10…第1嫌気濾床槽
20…第2嫌気濾床槽
30…担体流動生物濾過槽
35…散気装置
36…逆洗装置
40…処理水槽
50…消毒槽
70,78,79…エアリフトポンプ
71…吸入管
72…移送管
75…散気用エアー供給管
75a,75b,76a,76b…分岐管
76…逆洗用エアー供給管
77…調整弁
C3…粒状担体
Claims (3)
- 吸入管および移送管と、該吸入管に接続されたエアー供給手段とを備え、前記エアー供給手段から吸入管内へエアーを供給することで、エアー流によって前記吸入管から流体を吸入し、該流体を前記移送管を介して移送する流体移送装置を備える排水処理装置であって、
前記排水処理装置は、微生物を着床させた粒状担体が充填された処理槽と、該処理槽内に設けられた第1および第2散気部とを有し、
前記エアー供給手段は、前記吸入管へ異なる量のエアーを切り換えて供給する複数のエアー供給管を備え、前記吸入管へのエアー供給量を可変とすることで、そのエアー供給量に対応して流体の移送量が変更されるように構成されているとともに、前記吸入管および前記第1散気部へ所定量のエアーを供給する第1のエアー供給管と、前記吸入管および前記第2散気部へ前記第1のエアー供給管とは異なる量のエアーを供給する第2のエアー供給管とによって構成されており、
前記吸入管と前記第1のエアー供給管との接続部の設置高さが、前記第1散気部の設置高さと同一であり、前記吸入管と前記第2のエアー供給管との接続部の設置高さが、前記第2散気部の設置高さと同一であることを特徴とする排水処理装置。 - 請求項1に記載した排水処理装置であって、
前記第1の処理槽は、前記微生物によって処理水を生物処理する生物処理領域と、処理水中の被濾過物を濾過する濾過処理領域とに区画され、
前記第1散気部から前記生物処理領域へエアーが供給され、前記第2散気部から前記生物処理領域および濾過処理領域へエアーが供給されるように構成されていることを特徴とする排水処理装置。 - 微生物を着床させた粒状担体が充填され、生物処理領域と濾過処理領域とに区画される第1の処理槽と、移送管を介して第2の処理槽へ処理水を移送するエアリフトポンプと、前記エアリフトポンプと前記生物処理領域内の第一散気部とにエアーを供給する第1のエアー供給管と、前記エアリフトポンプと濾過処理領域内の第二散気部とにエアーを供給する第2のエアー供給管とを設け、
前記エアリフトポンプと前記第1のエアー供給管との接続部の設置高さを、前記第1散気部の設置高さと同一とし、前記エアリフトポンプと前記第2のエアー供給管との接続部の設置高さを、前記第2散気部の設置高さと同一とし、
第1の処理行程において、前記第1のエアー供給管から前記エアリフトポンプおよび前記生物処理領域へ所定量のエアーを供給し、処理水を前記移送管を介して前記第2の処理槽へ移送する一方、前記粒状担体によって処理水の生物処理および濾過処理を行い、
第2の処理行程において、前記第2のエアー供給管から前記エアリフトポンプ及び前記濾過処理領域へ第1の処理行程時よりも多くのエアーを供給し、前記粒状担体を流動させることで該粒状担体から被濾過物を剥離させ、該被濾過物を含む処理水を前記移送管を介して第2の処理槽へ移送することを特徴とする排水処理方法。
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JP2000385929A JP4391006B2 (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 流体移送装置を備えた排水処理装置、排水処理方法 |
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JP2000385929A JP4391006B2 (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 流体移送装置を備えた排水処理装置、排水処理方法 |
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