JP4177613B2 - 汚水処理槽、汚水処理槽用の放流ポンプ槽および汚水の処理方法 - Google Patents

汚水処理槽、汚水処理槽用の放流ポンプ槽および汚水の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚水処理槽の構築技術に関し、詳しくは汚水処理槽にて処理された被処理水を放流するための放流ポンプ槽の合理的な構成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
汚水処理槽築技術の一例として、特公平5−75477号では、汚水処理槽本体部において適宜処理された被処理水を外部に放流する放流ポンプ槽が配置された汚水処理槽の構成技術が開示されている。この従来の汚水処理槽では、放流ポンプ槽内の被処理水をポンプを介して引き抜いて放流する構成とされ、当該ポンプは放流ポンプ槽内の被処理水中に水没する形で設置されている。
【0003】
上記放流ポンプ槽内の被処理水をポンプによって引抜いて放流する場合、特にポンプによる被処理水引抜き箇所の周辺領域に被処理水の澱む領域が形成される場合があり得る。被処理水の澱み領域では、当該被処理水が包含するSS等の固形成分(汚泥)が効率的に槽外に排出されにくく、汚泥の沈降堆積を招来し臭気等の原因となる可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、放流ポンプ槽における被処理水ないし汚泥の滞留を解消するのに有用な技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。請求項1に記載の発明では、ハウジング内に複数の処理槽が設けられた汚水処理槽が構成される。この汚水処理槽は、各処理槽を通じた被処理水を外部へ放流するための放流ポンプ槽を有する。各処理槽とは、例えば夾雑物除去槽、好気処理槽等がこれに該当する。放流ポンプ槽は、典型的には、汚水処理槽の設営に際し、当該汚水処理槽と被処理水の放流先との水位勾配が不十分な場合、あるいは逆勾配となる場合に、被処理水を放流先へと排水するために用いられ、複数の処理槽とともにハウジング内に形成されてもよいし、あるいは複数の処理槽を有するハウジングに付加的に取付けられてもよい。
【0006】
本発明における放流ポンプ槽は、当該放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放流する被処理水放流手段と、該被処理水放流手段による被処理水引抜き箇所近傍ないしその下部に向かって攪拌流を供給する攪拌流供給手段とを有する。被処理水放流手段は、放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて汚水処理槽外部へと放流することが可能な各種の形態、例えばエアリフトポンプ、水中ポンプ等を広く包含するものとする。
【0007】
ところで被処理水放流手段が放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放流する場合、とくに被処理水放流手段へと向かう被処理水の流れの周囲、すなわち被処理水放流手段による被処理水引抜き箇所の周辺領域等に被処理水の滞留領域(ないし澱み領域)が形成される可能性がある。被処理水の滞留は、当該被処理水が包含するSS等の固形成分(汚泥)の沈降堆積を招来する場合があるが、かかる固形成分の堆積は放流ポンプ槽における臭気等の原因となり易い。このため本発明では、攪拌流供給手段を用いて被処理水放流手段による被処理水引抜き箇所近傍ないしその下部に形成される被処理水の澱み領域に向かって、ブロワから供給されるエア流ないしポンプから供給される水流を攪拌流として供給することにより、かかる被処理水の滞留ないし固形成分の堆積を攪拌浮遊させて解消することで、被処理水放流手段を介して引抜き易くし、放流ポンプ槽内における汚泥の堆積を効果的に抑制することを可能ならしめている。
【0008】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の汚水処理槽における被処理水放流手段は、被処理水引抜き部を前記放流ポンプ槽内の所定高さ位置に有する。また攪拌流供給手段は、前記被処理水引抜き部の下部に攪拌流を供給する。被処理水引き抜き部を放流ポンプ槽内の所定高さ位置に設定することで、当該高さ位置を放流ポンプ槽内の被処理水の最少時の水位下限とすることができ、放流ポンプ槽内に被処理水を残留させることで当該放流ポンプ槽の耐圧性を確保することができる。とりわけ、放流ポンプ槽を汚水処理槽のハウジング内に形成する場合、すなわちハウジング内において、仕切壁を介して他の処理槽と並列して放流ポンプ槽を配置する場合に、当該仕切壁の耐圧性を確保するのに有効である。
【0009】
一方、被処理水引抜き部を前記放流ポンプ槽内の所定高さ位置に設定し、放流ポンプ槽内に被処理水を積極的に滞留させる構成により、被処理水引抜き部の下部には被処理水とともに汚泥が堆積する可能性が生じるが、本発明では、被処理水引抜き部よりも下方の領域に攪拌流を供給することにより、かかる汚泥を攪拌浮遊させ被処理水引抜き部から外部へ効果的に引抜くことが可能となる。
【0010】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明では、上記被処理水放流手段につき、被処理水放流経路に設定されたエアリフトポンプ、または前記放流ポンプ槽内の被処理水引き抜き箇所ないしその近傍に設けられた水中ポンプを有するよう構成する。エアリフトポンプないし水中ポンプを用いることにより放流ポンプ槽内の被処理水の合理的な引抜きが可能とされる。
【0011】
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、上記汚水処理槽における攪拌流供給手段につき、放流ポンプ槽内の被処理水に対し散気用エアを供給するための散気手段を兼用するよう構成する。攪拌流供給手段が散気手段を兼務し、放流ポンプ槽内の被処理水に対して散気用エアを供給する構成により、放流ポンプ槽内の被処理水ないし滞留汚泥に対し好気性処理を遂行することが可能となり、放流ポンプ槽内の水質向上を図ることができる。なお本発明における「散気用エア」は、例えば放流ポンプ槽の下部から供給され、放流ポンプ槽内に上向流を形成する構成、あるいは被処理水引抜き部を放流ポンプ槽内の所定高さ位置に設ける場合には、当該被処理水引抜き部よりも下方にエアを供給する態様など、様々な形態を採用し得る。
【0012】
(請求項5に記載の発明)
請求項5に記載の発明によれば、上記請求項4に記載の汚水処理槽において、被処理水放流手段が駆動される際に攪拌流供給手段の駆動が停止されるよう構成される。上述のように請求項4に記載の汚水処理槽では、攪拌流供給手段が散気手段を兼務し、放流ポンプ槽内の被処理水に散気用エアを供給する構成とされている関係上、攪拌流供給手段から供給された散気用エアを被処理水放流手段が吸引し、放流能力に悪影響を及ぼすことを未然に防止することが可能となる。
【0013】
(請求項6に記載の発明)
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から3の各汚水処理槽における攪拌流供給手段につき、被処理水放流手段によって引抜かれる被処理水を被処理水放流経路から分岐し、被処理水放流手段の近傍ないしその下部に向かって攪拌流として供給するよう構成する。被処理水放流手段が実質的に攪拌手段を兼務することができるので、放流ポンプ槽の部品点数を削減し、構造がシンプルで低コストな汚水処理槽を構成することが可能となる。
【0014】
(請求項7に記載の発明)
請求項7に記載の発明では、上記請求項1に記載の汚水処理槽で処理された被処理水を放流するための放流ポンプ槽と実質的に同等の作用を奏する汚水処理槽用の放流ポンプ槽が提供される。
【0015】
(請求項8)
請求項8に記載の発明によれば、放流ポンプ槽を有する汚水処理槽を用いた汚水の処理方法が構成される。この放流ポンプ槽は、汚水処理槽のハウジング内に設けられた複数の処理槽を通じて処理された被処理水を外部へ放流する。本発明では、放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放出する際に、この放流ポンプ槽における被処理水の引抜き箇所の近傍ないしその下部に形成される被処理水の澱み領域に向かって、ブロワから供給されるエア流ないしポンプから供給される水流を攪拌流として供給するよう構成される。被処理水放流手段による被処理水の引抜き箇所近傍ないしその下部に向かって攪拌流を供給することにより、放流ポンプ槽内における被処理水の滞留ないし固形成分の堆積を攪拌および浮遊させて解除し、これによって被処理水放流手段を介して引抜き易くし、放流ポンプ槽内における汚泥の堆積を効果的に抑制することを可能ならしめている。
【0016】
なお「各処理槽」、「放流ポンプ槽」等、発明の構成要素に関する用語の解釈については、上記請求項1に記載の発明と実質同等とする。また本発明に対しては、上記した請求項2から請求項6までに記載の各発明が有する構成要素と実質的に同等の構成要素を付加し、一層合理的に汚水を処理を遂行可能な方法を提供することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態である浄化槽101および当該浄化槽101を用いた汚水の処理方法につき、図面を参照しつつ説明する。なお浄化槽101は、本発明における汚水処理槽に対応する。図1に模式的に示すように、本実施の形態に係る浄化槽101は、浄化槽ハウジング110内にて処理流路111を通じて連接された各処理槽を有する。具体的には被処理水が浄化槽ハウジング110内に流入する流入部113側から、夾雑物除去槽121、嫌気処理槽123、生物濾過槽125、処理水槽127、消毒槽129および放流ポンプ槽131の順で配列され、各処理槽にて適宜処理を受けた被処理水は放流ポンプ槽131から外部へ放流される。
【0018】
流入部113を通じて浄化槽ハウジング110内に流入した被処理水については、まず夾雑物除去槽121において、被処理水中の比較的大きめの固形物あるいは油脂等の夾雑物が固液分離されて当該被処理水から除去処理される。
【0019】
夾雑物除去槽121で処理された被処理水は、次に嫌気処理槽123へ移送される。嫌気処理槽123内の濾床には、特に図示しないものの、有機汚濁物を嫌気処理(還元処理)する嫌気性微生物が付着した濾材が設けられており、被処理水中の有機汚濁物が当該嫌気処理槽123内の嫌気性微生物によって適宜嫌気処理されることになる。
【0020】
嫌気処理槽123において嫌気処理された被処理水は、次に生物濾過槽125に移送される。生物濾過槽125内には、特に図示しないものの、粒状担体が流動可能に充填された生物処理領域および濾過処理領域が形成されている。粒状担体は、例えば中空円筒状に形成されるとともに、有機汚濁物を好気処理(酸化処理)する好気性微生物を多数付着させている。そして通常運転時においては、生物処理領域に散気エアを供給して好気処理を行うとともに、当該好気処理で生じたSS等の固形生成物を濾過処理領域で濾過処理する。また所定時間毎に濾過処理領域に強い逆洗エアを供給し、当該濾過処理領域内の粒状担体を洗浄して濾過時の目詰まりを防止する。
【0021】
嫌気処理槽123における嫌気処理、および生物濾過槽125における好気処理ならびに濾過処理を経た被処理水は、処理水槽127および消毒槽129を経由して放流ポンプ槽131へ送られることとなる。処理水槽127では被処理水に包含された固形成分の沈降分離がなされ、消毒槽129では被処理水に対する消毒処理が行われる。なお本実施の形態では、便宜上特に図示しないものの、処理水槽127内の被処理水の一部がエアリフトポンプを利用して夾雑物除去槽121に還流され、再度上流側より処理を受ける構成とされている。
【0022】
放流ポンプ槽131は、浄化槽101を実際に設営する際に当該浄化槽101と被処理水の放流先との水位勾配が不十分な場合、あるいは逆勾配となる場合に、被処理水を放流先へと排水するために用いられる。本実施の形態における放流ポンプ槽131は、浄化槽ハウジング110内に形成されている。放流ポンプ槽131の詳細な内部構造が図2に示される。なお図2では、便宜上、浄化槽101の一部を破断し、放流ポンプ槽131を主体とする浄化槽ハウジング110の一部のみの断面構造を示す。図2に示すように放流ポンプ槽131は、浄化槽ハウジング110内において、隣接する消毒槽129に対し隔壁137を介して区画され、消毒槽129内の被処理水が隔壁137上縁側の被処理水移流部130を通じて放流ポンプ槽131に送られる。放流ポンプ槽131内の被処理水131aの水位線が符号WLで示される。また浄化槽ハウジング110のうち放流ポンプ槽131の上方領域にはマンホール開口部132が形成されている。
【0023】
放流ポンプ槽131内の所定の高さ位置(隔壁137の所定高さ位置)には、放流ポンプ133が設置用ブラケット139を介して固設されている。放流ポンプ133は放流ポンプ槽131内の被処理水131a中に水没された、いわゆる水中ポンプとして規定される。放流ポンプ133の吸入部は図示しないものの被処理水131aに臨み、一方、放流ポンプ133の吐出部は放流管135に接続されている。これによって放流ポンプ133は、放流ポンプ槽131内の被処理水131aを吸引して引抜くとともに、放流管135を通じて浄化槽101の外部へ放流する。
【0024】
ところで放流ポンプ133による被処理水131aの引抜きに際し、放流ポンプ133の周辺領域、とりわけ放流ポンプ133の下部側では、放流ポンプ133に吸引される被処理水131aの流れの周りに澱み領域145が形成されることになる。この澱み領域145は、放流ポンプ133による吸引・引抜きが効果的に遂行し難い領域であり、被処理水131aに含まれるSS等の固形成分が沈降して汚泥の堆積が生じやすい領域、換言すれば死水域となり易い領域として規定される。なお図2では、被処理水131aが澱む典型例として、放流ポンプ133の下部側を澱み領域145として示している。
【0025】
かかる被処理水131aの澱みに対する対抗手段として、本実施の形態では、当該澱み領域145の下方、すなわち放流ポンプ槽131の底部領域に散気装置141が配置されている。散気装置141はブロワ143に接続され、当該ブロワ143からエアの供給を受ける。ブロワ143から散気装置141に供給されたエアは、放流ポンプ槽131の底部領域から上方の澱み領域145に向かって散気用エア142として吐出されるとともに、上向流142aとなって放流ポンプ槽131内全体に供給される。
【0026】
上記のように構成される本実施の形態に係る浄化槽101の作用、ならびに当該浄化槽101を用いた汚水処理方法について以下説明する。図1に示すように、流入部113から浄化槽ハウジング110に流入した被処理水は、各処理槽において適宜処理を受けた後、放流ポンプ槽131から浄化槽101外部へ放流される。なお放流ポンプ槽131へと至る各処理槽における被処理水の処理の概要については上記した通りである。
【0027】
図2に示すように、消毒槽129から被処理水移流部130を通じて放流ポンプ槽131に移送された被処理水131aは、当該放流ポンプ槽131の所定高さ位置に設けられた放流ポンプ133に吸引されて引抜かれ、放流管135を通じて浄化槽ハウジング110外部に放流される。一方、このように浄化槽101の通常運転時において放流ポンプ槽131から被処理水を引抜いて放流する際、上述のように、被処理水131aのうち放流ポンプ133へ向かう流れの周辺、とくに放流ポンプ133の下部側に当該被処理水131aの澱み領域145が形成される場合がある。このため本実施の形態では、特に図示しないものの、適時において放流ポンプ133の駆動を中断するとともに、ブロワ143の駆動によって散気装置141から散気用エア142を供給する。このように放流ポンプ133を駆動停止して散気装置141を作動させる駆動形態は、放流ポンプ槽131における「攪拌モード」として規定される。
【0028】
放流ポンプ槽131が攪拌モードに切り換えられることにより、澱み領域145を含め、放流ポンプ槽131内の被処理水131a全体に渡って上向流142aが形成され、被処理水131aに対する攪拌作用が奏される。従って放流ポンプ槽131内における被処理水131aの滞留ないし澱みが解消され、とりわけ被処理水131aに含まれるSS等の固形成分が沈降して堆積汚泥を形成するのを効果的に抑制することが可能である。また当該上向流142による被処理水131aへの攪拌作用を介して放流ポンプ133内の清掃が行えるため、当該放流ポンプ133の目詰まりを防止する効果も奏される。
【0029】
しかも放流ポンプ槽131内の被処理水131aに散気用エアが供給されることにより、当該被処理水131aに対する好気性処理(酸化処理)が遂行されることになるため、放流ポンプ槽131内における汚泥等の滞留物に起因する臭気を抑制することも可能となる。また上記した生物濾過槽125(図1参照)のみならず、放流ポンプ槽131においても被処理水に対する好気性処理が行われるため、浄化槽101全体における汚水処理能力の向上を図ることができる。また放流ポンプ槽131につき、被処理水放流機能のみならず好気処理機能を付与してマルチファンクション化することにより、浄化槽101における各処理槽の役割分担を合理化し、浄化槽101のコンパクト化に資することできる
【0030】
また本実施の形態では、散気装置141による散気用エア142の供給時に放流ポンプ133の駆動を停止するため、放流ポンプ133がエアを吸入してポンプ性能が低下する事態を回避することができる。
【0031】
さらに本実施の形態では、放流ポンプ133が放流ポンプ槽131内の所定高さに設置されている関係で、放流ポンプ槽131内における放流ポンプ133よりも低位の領域に被処理水131aが残留することにより放流ポンプ槽131の耐圧性を確保し、隔壁137の損傷を防止する効果も得られる。その一方、かかる放流ポンプ133の下方に生じる澱み領域145(死水域)に対しては、上述のように散気装置141から散気用エア142が供給されるため、当該散気用エア142による攪拌処理および好気性処理を介して、汚泥の堆積ないし臭気の発生が効果的に抑制されている。
【0032】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態が図3に示される。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して放流ポンプ槽における被処理水の攪拌形態の変更に関するため、便宜上、第1の実施形態と実質的に同等の要素については、同等の符号を用い、かつ詳細な説明を省略する。図3では、第2の実施形態に係る浄化槽201のうち放流ポンプ槽231を主体とする一部分のみを便宜上示す。図3に示すように、第2の実施形態では、上記散気装置141(図2参照)に代えて、攪拌流形成用ポンプ241が放流ポンプ槽231の底部に設置されている。
【0033】
攪拌流形成用ポンプ241は、被処理水231a中に水没状に設置された、いわゆる水中ポンプとして構成される。さらに攪拌流形成用ポンプ241は攪拌流形成用管243に接続されて、攪拌流245を澱み領域145に供給する。この攪拌流245によって澱み領域145における被処理水231aの滞留を解消し、汚泥堆積を抑制することが可能である。第2の実施形態では、被処理水231aの攪拌に専用のポンプ231を用いるため、攪拌流245の圧力を比較的強力に、かつ自在に可変に設定することが可能となる。
【0034】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態が図4に示される。第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態と比較して放流ポンプ槽における被処理水の攪拌形態の変更に関するため、便宜上、第1の実施形態と実質的に同等の要素については、同等の符号を用い、かつ詳細な説明は便宜上省略する。図4では、第3の実施形態に係る浄化槽301のうち放流ポンプ槽331を主体とする一部分のみを示す。図4に示すように、第3の実施形態では、上記散気装置141(図2参照)ないし攪拌流形成用ポンプ241(図3参照)といったように放流ポンプ133とは別個の装置を配置するのではなく、放流ポンプ133からの放流管135途上に分岐バルブ341を配置することにより、当該放流管135を放流路333と攪拌流供給路343とに分岐する。
【0035】
そして分岐バルブ341を適宜操作することにより、放流ポンプ133から放流管135へ圧送される被処理水131aにつき、放流路333から浄化槽301外部に放流する放流モードと、当該被処理水131aを攪拌流供給路343から澱み領域145へと供給し、放流ポンプ槽331内の被処理水331aの滞留を解消する攪拌モードとの間で切換え可能に構成する。本実施の形態では、放流ポンプ槽331内の被処理水331aの攪拌に放流ポンプ133を兼務させることによって部品点数を削減し、シンプルな構造の浄化槽を構成することが可能である。
【0036】
なお第3実施形態における分岐バルブ341は、放流ポンプ133によって圧送される被処理水331aにつき、放流モードと攪拌モードのいずれか一方に排他択一的に切替えるよう構成しているが、両モードを同時に駆動することが可能な形態も好適に採用可能である。
【0037】
上記した第1から第3の実施形態までのいずれにおいても、放流ポンプ槽101(ないし201,301)は、浄化槽ハウジング110内に他の処理槽とともに形成されていたが、これを浄化槽ハウジング110とは別に形成した上で、浄化槽ハウジング110に後付けする形態としてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、放流ポンプ槽における被処理水ないし汚泥の滞留を解消するのに有用な技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る汚水処理槽の全体構成を模式的に示す。
【図2】 本実施の形態に係る放流ポンプ槽の内部構造を模式的に示す。
【図3】 第2の実施形態に係る放流ポンプ槽の内部構造を模式的に示す。
【図4】 第3の実施形態に係る放流ポンプ槽の内部構造を模式的に示す。
【符号の説明】
101 浄化槽
110 浄化槽ハウジング
111 処理流路
113 流入部
121 夾雑物除去槽
123 嫌気処理槽
125 生物濾過槽
127 処理水槽
129 消毒槽
130 被処理水移流部
131 放流ポンプ槽
132 マンホール開口部
133 放流ポンプ
135 放流管
137 隔壁
139 設置用ブラケット
141 散気装置
142 散気用エア
142a 上向流
143 ブロワ
145 澱み領域
241 攪拌流形成用ポンプ
243 攪拌流供給管
245 攪拌流
333 放流路
341 分岐バルブ
343 攪拌流供給路
345 攪拌流

Claims (8)

  1. ハウジング内に設けられた複数の処理槽を通じて処理された被処理水を外部へ放流するための放流ポンプ槽を有する汚水処理槽であって、
    前記放流ポンプ槽は、当該放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放出する被処理水放流手段と、該被処理水放流手段による被処理水引抜き箇所近傍ないしその下部に形成される被処理水の澱み領域に向かって、ブロワから供給されるエア流ないしポンプから供給される水流を攪拌流として供給する攪拌流供給手段とを有することを特徴とする汚水処理槽。
  2. 請求項1に記載の汚水処理槽であって、
    前記被処理水放流手段は、被処理水の引抜き部を前記放流ポンプ槽内の所定高さ位置に有するとともに、
    前記攪拌流供給手段は、前記被処理水引抜き部の下部に攪拌流を供給することを特徴とする汚水処理槽。
  3. 請求項1または2に記載の汚水処理槽であって、
    前記被処理水放流手段は、被処理水放流経路に設定されたエアリフトポンプ、または前記放流ポンプ槽内の被処理水引き抜き箇所ないしその近傍に設けられた水中ポンプを有することを特徴とする汚水処理槽。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の汚水処理槽であって、
    前記攪拌流供給手段は、前記放流ポンプ槽内の被処理水に対し散気用エアを供給するための散気手段を兼用することを特徴とする汚水処理槽。
  5. 請求項4に記載の汚水処理槽であって、
    前記被処理水放流手段が駆動される際、前記散気手段を兼用する攪拌流供給手段の駆動が停止されるよう構成されることを特徴とする汚水処理槽。
  6. 請求項1から3までのいずれかに記載の汚水処理槽であって、
    前記攪拌流供給手段は、前記被処理水放流手段によって引抜かれる被処理水を被処理水放流経路から分岐し、前記被処理水放流手段の近傍ないしその下部に向かって攪拌流として供給することを特徴とする汚水処理槽。
  7. 汚水処理槽のハウジング内に設けられた複数の処理槽を通じて処理された被処理水を放流するための汚水処理槽用の放流ポンプ槽であって、
    当該放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放出する被処理水放流手段と、該被処理水放流手段による被処理水引抜き箇所近傍ないしその下部に形成される被処理水の澱み領域に向かって、ブロワから供給されるエア流ないしポンプから供給される水流を攪拌流として供給する攪拌流供給手段とを有することを特徴とする汚水処理槽用の放流ポンプ槽。
  8. ハウジング内に設けられた複数の処理槽を通じて処理された被処理水を外部へ放流するための放流ポンプ槽を有する汚水処理槽を用いた汚水の処理方法であって、
    前記放流ポンプ槽内の被処理水を引抜いて放出する際に、当該放流ポンプ槽における被処理水の引抜き箇所の近傍ないしその下部に形成される被処理水の澱み領域に向かって、ブロワから供給されるエア流ないしポンプから供給される水流を攪拌流として供給するステップを有することを特徴とする汚水の処理方法。
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