JP2004176881A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブステムシール1等の金属製取付環3を備えたリップシールにおいて、抜け防止と組付作業性の双方を向上させることが可能な密封装置を提供する。
【解決手段】バルブステムガイド2に取り付けられるバルブステムシール1の金属製取付環3に、スプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11を一体成形することにより、金属製取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能を付加することにした。
【選択図】 図1
【解決手段】バルブステムガイド2に取り付けられるバルブステムシール1の金属製取付環3に、スプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11を一体成形することにより、金属製取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能を付加することにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、金属製取付環を備えたリップシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属製取付環を備えたリップシールの一種として、バルブステムの外周をシールするバルブステムシールが知られており、このバルブステムシール51は例えば図11に示すように、内燃機関の給・排気弁52において、バルブステム53のストロークをガイドするバルブステムガイド54の外側端部に取り付けられて給・排気ポート55を大気から遮断するよう用いられる。尚、図11において、符号56はシリンダーヘッド、符号57はシリンダーヘッド56に設けられた弁座、符号58はバルブステム53の端部に設けられた弁体をそれぞれ示しており、バルブステム53は、揺動動作するロッカーアーム59に押圧されて開弁作動し、上下のスプリングリテーナー60,61間に縮設されたバルブスプリング62の弾性復元力によって閉弁作動する。
【0003】
また、バルブステムシール51には大別して、ゴム嵌合タイプのバルブステムシールと、金属嵌合タイプのバルブステムシールとがある。前者のゴム嵌合タイプのバルブステムシールは例えば図12に示すように、金属製取付環63にシールリップ64とともに一体成形されたゴム状弾性体製の静止シール部65の嵌合代をもってバルブステムガイド54の外周に取り付けられるものであって、更に静止シール部65の嵌合代の大小に応じて、嵌合代の比較的小さな低嵌合タイプと、嵌合代の比較的大きな高嵌合タイプとに分けられる。また、後者の金属嵌合タイプのバルブステムシールは例えば図13に示すように、金属製取付環63そのものの嵌合代をもってバルブステムガイド54の外周に取り付けられるものである。
【0004】
しかしながら、上記低嵌合タイプのバルブステムシールには、その嵌合代が比較的小さいために、シールリップ64に対する背圧の上昇によって当該シールがバルブステムガイド54から抜けてしまう虞があり、また、高嵌合タイプのバルブステムシールには、その嵌合代が大きいために、当該シールをバルブステム54に組み付けるときの組付作業性が余り良くない不都合がある。また、金属嵌合タイプのバルブステムシールには、金属製の取付環63が同じく金属製のバルブステムガイド54に直接嵌合される構成であるために、嵌合部のシール性に懸念があり、嵌合部からオイル等が漏れる虞がある。したがってシール性を考慮するとゴム嵌合タイプを選択することになるが、抜け防止を考慮するとどうしても組付作業性で難が生じる対策となってしまう。
【0005】
また、本願出願人は先に、特開2002−188416号公報(特許文献1参照)、特開2002−181199号公報(特許文献2参照)、特開2000−329234号公報(特許文献3参照)、特開平11−351402号公報(特許文献4参照)または特開平10−9400号公報(特許文献5参照)に掲載されたバルブステムシールを提案しているが、これらの先行技術は何れも本発明のように抜け防止と組付作業性の双方を向上させるものではなく、リップシールの金属製取付環に、スプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される被押さえ込み部を一体成形するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−188416号公報
【特許文献2】
特開2002−181199号公報
【特許文献3】
特開2000−329234号公報
【特許文献4】
特開平11−351402号公報
【特許文献5】
特開平10−9400号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、上記バルブステムシール等の金属製取付環を備えたリップシールにおいて、抜け防止と組付作業性の双方を向上させることが可能な密封装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、リップシールの金属製取付環に、スプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される被押さえ込み部を一体成形したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2による密封装置は、上記した請求項1の密封装置において、リップシールがバルブステムシールであり、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持するものであり、ハウジングがシリンダーヘッドであり、バルブステムガイドに取り付けられる前記バルブステムシールの金属製取付環に、前記スプリングリテーナーによって押さえ込まれて前記シリンダーヘッドに固定される被押さえ込み部を一体成形したことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、リップシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される構成であるために、スプリングリテーナーがスプリングを保持してそのばね力を受ける結果として、金属製取付環がスプリングのばね力によってハウジングに押し付けられ、金属製取付環ひいてはリップシールの抜け防止作用が発揮される。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされることから、金属製取付環や静止シール部には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がなく、よってシールの組付作業性を同時に向上させることが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載したように、本発明の構成はバルブステムシールに有効に利用され、この場合、リップシールはバルブステムシールであり、スプリングリテーナーはバルブスプリングを保持するものであり、ハウジングはシリンダーヘッドである。そしてこの場合には、バルブステムシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてシリンダーヘッドに固定される構成となるために、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持してそのばね力を受ける結果として、金属製取付環がバルブスプリングのばね力によってシリンダーヘッドに押し付けられ、金属製取付環ひいてはバルブステムシールの抜け防止作用が発揮される。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされることから、金属製取付環や静止シール部には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がなく、よってシールの組付作業性を同時に向上させることが可能となる。
【0012】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0013】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は以下の内容を備えている。
【0014】
従来シールをガイドに嵌合するためだけであった金属環をスプリングリテーナーによって押さえることにより、シールの抜けを防止する。その際、嵌合部は低嵌合タイプとするのが好ましく、これにより組付け性を悪化させることなく抜けの発生しないシールを提供することができる。また、嵌合部のリークを考慮しなくても良い場合には金属嵌合タイプを選択しても良い。また、金属環にスプリングリテーナー位置決めガイド機能を付加しても良い。また、リップシールは背圧リップ付シールであっても良く、この場合にはシールが背圧の影響を受け易いので、抜け防止効果が一層有効に発揮される。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0016】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0017】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0018】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0019】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド(ハウジング)8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部に、バルブスプリング(スプリング)9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0020】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0021】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0022】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0023】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0024】
第二実施例・・・
尚、第二実施例として図2に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されている。
【0025】
第三実施例・・・
図3は、本発明の第三実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0026】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0027】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0028】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0029】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部(内周拘束部)11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0030】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0031】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0032】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0033】
また、取付環3の被押さえ込み部11に、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部11aが設けられているために、この筒状部11aを備えた取付環3によれば、スプリングリテーナー10を正確に同心状に位置決め保持することができる。
【0034】
第四実施例・・・
尚、第四実施例として図4に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0035】
第五実施例・・・
図5は、本発明の第五実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0036】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0037】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0038】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0039】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、このフランジ部11bの先端に軸方向一端方向へ向けて一体成形された環状の先端立ち上がり部11dと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する環状の段差部(寸法調整部)11eとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、段差部11eは筒状部3aから筒状部11aへかけて拡径するように形成されている。
【0040】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0041】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0042】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0043】
第六実施例・・・
尚、第六実施例として図6に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0044】
第七実施例・・・
図7は、本発明の第七実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0045】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0046】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0047】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0048】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部(内周拘束部)11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、このフランジ部11bの先端に軸方向一端方向へ向けて一体成形されるとともにスプリングリテーナー10の外径寸法に合致する内径寸法を備えてその内周側にスプリングリテーナー10を嵌合する環状の先端立ち上がり部(外周拘束部)11dと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する環状の段差部(寸法調整部)11eとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、段差部11eは筒状部3aから筒状部11aへかけて拡径するように形成されている。
【0049】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0050】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0051】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0052】
また、取付環3の被押さえ込み部11に、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部11aと、スプリングリテーナー10の外径寸法に合致する内径寸法を備えてその内周側にスプリングリテーナー10を嵌合する環状の先端立ち上がり部11dとが設けられているために、この筒状部11aおよび先端立ち上がり部11dを備えた取付環3によれば、スプリングリテーナー10を正確に同心状に位置決め保持することができる。
【0053】
第八実施例・・・
尚、第八実施例として図8に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0054】
第九実施例・・・
図9は、本発明の第九実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0055】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0056】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0057】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0058】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0059】
また、上記フランジ部11bは径方向に比較的長く形成されていて、その内周部11fおよび外周部11g間に環状の段差部11hが形成されており、内周部11fよりも一段下がった位置に配置された外周部11gが、シリンダーヘッド8の上面に予め設けられた環状溝状の座12に嵌め込まれている。そしてこの外周部11gの上にスプリングリテーナー10が載せられていて、このスプリングリテーナー10によって外周部11gがシリンダーヘッド8(座12の底面)に押し付けられている。座12は、その深さ寸法を取付環3の外周部11gの厚さ寸法よりも大きく形成されており、よって外周部11gの上に載せられたスプリングリテーナー10はその一部または全部(図では一部)が座12内に収められている。内周部11fはシリンダーヘッド8の上面に接触しているが、必ずしも接触している必要はなく離れていても良い。
【0060】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0061】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0062】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0063】
また、取付環3における被押さえ込み部11のフランジ部11bが径方向に比較的長く形成されていて、その外周部11gがスプリングリテーナー10によって押さえ込まれる構成とされているために、当該構成によれば、スプリングリテーナー10によって保持されるバルブスプリング9と取付環3の筒状部3a,11aとの間に比較的大きな径方向スペースが形成されている。したがって、バルブスプリング9が取付環3と干渉するのを確実に防止することができる。
【0064】
第十実施例・・・
図10は、本発明の第十実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0065】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種である金属嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0066】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6とが一体成形されている。
【0067】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0068】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0069】
また、上記フランジ部11bは径方向に比較的長く形成されていて、その内周部11fおよび外周部11g間に環状の段差部11hが形成されており、内周部11fよりも一段下がった位置に配置された外周部11gが、シリンダーヘッド8の上面に予め設けられた環状溝状の座12に嵌め込まれている。そしてこの外周部11gの上にスプリングリテーナー10が一部配置されていて(スプリングリテーナー10は、その内周寄りの一部分が外周部11g上に配置され、外周寄りの残りの部分はシリンダーヘッド8上に直接配置されていて、リテーナー10に対する押さえ代が小さく設定されている)、このスプリングリテーナー10によって外周部11gがシリンダーヘッド8(座12の底面)に押し付けられている。座12は、その深さ寸法を取付環3の外周部11gの厚さ寸法と同じに形成されており、よって外周部11gの上面とシリンダーヘッド8の上面は面一状をなしている。シリンダーヘッド8の上面は、座12の内周側の部位8aが座12の外周側の部位8bよりも一段高く形成されていて、よって内周部11fはシリンダーヘッド8の上面に接触しているが、必ずしも接触している必要はなく離れていても良い。
【0070】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0071】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0072】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、取付環3の筒状部3aには抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、筒状部3aに設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、バルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0073】
また、取付環3における被押さえ込み部11のフランジ部11bが径方向に比較的長く形成されていて、その外周部11gがスプリングリテーナー10によって押さえ込まれる構成とされているために、当該構成によれば、スプリングリテーナー10によって保持されるバルブスプリング9と取付環3の筒状部3a,11aとの間に比較的大きな径方向スペースが形成されている。したがって、バルブスプリング9が取付環3と干渉するのを確実に防止することができる。
【0074】
尚、上記第一ないし第九実施例に係るバルブステムシールはそれぞれゴム嵌合タイプであるが、静止シール部を省略した金属嵌合タイプであっても良い。また反対に、第十実施例に係るバルブステムシールは金属嵌合タイプであるが、静止シール部を追加したゴム嵌合タイプであっても良い。また、全実施例とも背圧リップ付きシールであるが、背圧リップを省略したタイプであっても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0076】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、リップシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される構成とされているため、スプリングリテーナーがスプリングを保持してそのばね力を受ける結果、金属製取付環がスプリングのばね力によってハウジングに押し付けられ、金属製取付環ひいてはリップシールの抜け防止作用が発揮される。したがって、リップシールが取付箇所から抜けてしまうのを有効に防止することができる。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされるために、金属製取付環や静止シール部に抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、リップシールの組付作業性を向上させることができる。
【0077】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による密封装置においては、バルブステムシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてシリンダーヘッドに固定される構成とされているため、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持してそのばね力を受ける結果、金属製取付環がバルブスプリングのばね力によってシリンダーヘッドに押し付けられ、金属製取付環ひいてはバルブステムシールの抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシールがバルブステムガイドから抜けてしまうのを有効に防止することができる。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされるために、金属製取付環や静止シール部に抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、バルブステムシールの組付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図2】本発明の第二実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図3】本発明の第三実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図4】本発明の第四実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図5】本発明の第五実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図6】本発明の第六実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図7】本発明の第七実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図8】本発明の第八実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図9】本発明の第九実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図10】本発明の第十実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図11】バルブステムシールの一般的な使用例を示す説明図
【図12】従来例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図13】他の従来例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【符号の説明】
1 バルブステムシール
2 バルブステムガイド
3 金属製取付環
3a,11a 筒状部
3b,11b フランジ部
4 弾性体
5 シールリップ
6 背圧リップ
7 静止シール部
8 シリンダーヘッド
9 バルブスプリング
10 スプリングリテーナー
11 被押さえ込み部
11c 斜面部
11d 先端立ち上がり部
11e,11h 段差部
11f 内周部
11g 外周部
12 座
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、金属製取付環を備えたリップシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、金属製取付環を備えたリップシールの一種として、バルブステムの外周をシールするバルブステムシールが知られており、このバルブステムシール51は例えば図11に示すように、内燃機関の給・排気弁52において、バルブステム53のストロークをガイドするバルブステムガイド54の外側端部に取り付けられて給・排気ポート55を大気から遮断するよう用いられる。尚、図11において、符号56はシリンダーヘッド、符号57はシリンダーヘッド56に設けられた弁座、符号58はバルブステム53の端部に設けられた弁体をそれぞれ示しており、バルブステム53は、揺動動作するロッカーアーム59に押圧されて開弁作動し、上下のスプリングリテーナー60,61間に縮設されたバルブスプリング62の弾性復元力によって閉弁作動する。
【0003】
また、バルブステムシール51には大別して、ゴム嵌合タイプのバルブステムシールと、金属嵌合タイプのバルブステムシールとがある。前者のゴム嵌合タイプのバルブステムシールは例えば図12に示すように、金属製取付環63にシールリップ64とともに一体成形されたゴム状弾性体製の静止シール部65の嵌合代をもってバルブステムガイド54の外周に取り付けられるものであって、更に静止シール部65の嵌合代の大小に応じて、嵌合代の比較的小さな低嵌合タイプと、嵌合代の比較的大きな高嵌合タイプとに分けられる。また、後者の金属嵌合タイプのバルブステムシールは例えば図13に示すように、金属製取付環63そのものの嵌合代をもってバルブステムガイド54の外周に取り付けられるものである。
【0004】
しかしながら、上記低嵌合タイプのバルブステムシールには、その嵌合代が比較的小さいために、シールリップ64に対する背圧の上昇によって当該シールがバルブステムガイド54から抜けてしまう虞があり、また、高嵌合タイプのバルブステムシールには、その嵌合代が大きいために、当該シールをバルブステム54に組み付けるときの組付作業性が余り良くない不都合がある。また、金属嵌合タイプのバルブステムシールには、金属製の取付環63が同じく金属製のバルブステムガイド54に直接嵌合される構成であるために、嵌合部のシール性に懸念があり、嵌合部からオイル等が漏れる虞がある。したがってシール性を考慮するとゴム嵌合タイプを選択することになるが、抜け防止を考慮するとどうしても組付作業性で難が生じる対策となってしまう。
【0005】
また、本願出願人は先に、特開2002−188416号公報(特許文献1参照)、特開2002−181199号公報(特許文献2参照)、特開2000−329234号公報(特許文献3参照)、特開平11−351402号公報(特許文献4参照)または特開平10−9400号公報(特許文献5参照)に掲載されたバルブステムシールを提案しているが、これらの先行技術は何れも本発明のように抜け防止と組付作業性の双方を向上させるものではなく、リップシールの金属製取付環に、スプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される被押さえ込み部を一体成形するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−188416号公報
【特許文献2】
特開2002−181199号公報
【特許文献3】
特開2000−329234号公報
【特許文献4】
特開平11−351402号公報
【特許文献5】
特開平10−9400号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、上記バルブステムシール等の金属製取付環を備えたリップシールにおいて、抜け防止と組付作業性の双方を向上させることが可能な密封装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、リップシールの金属製取付環に、スプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される被押さえ込み部を一体成形したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2による密封装置は、上記した請求項1の密封装置において、リップシールがバルブステムシールであり、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持するものであり、ハウジングがシリンダーヘッドであり、バルブステムガイドに取り付けられる前記バルブステムシールの金属製取付環に、前記スプリングリテーナーによって押さえ込まれて前記シリンダーヘッドに固定される被押さえ込み部を一体成形したことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、リップシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される構成であるために、スプリングリテーナーがスプリングを保持してそのばね力を受ける結果として、金属製取付環がスプリングのばね力によってハウジングに押し付けられ、金属製取付環ひいてはリップシールの抜け防止作用が発揮される。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされることから、金属製取付環や静止シール部には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がなく、よってシールの組付作業性を同時に向上させることが可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載したように、本発明の構成はバルブステムシールに有効に利用され、この場合、リップシールはバルブステムシールであり、スプリングリテーナーはバルブスプリングを保持するものであり、ハウジングはシリンダーヘッドである。そしてこの場合には、バルブステムシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてシリンダーヘッドに固定される構成となるために、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持してそのばね力を受ける結果として、金属製取付環がバルブスプリングのばね力によってシリンダーヘッドに押し付けられ、金属製取付環ひいてはバルブステムシールの抜け防止作用が発揮される。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされることから、金属製取付環や静止シール部には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がなく、よってシールの組付作業性を同時に向上させることが可能となる。
【0012】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0013】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は以下の内容を備えている。
【0014】
従来シールをガイドに嵌合するためだけであった金属環をスプリングリテーナーによって押さえることにより、シールの抜けを防止する。その際、嵌合部は低嵌合タイプとするのが好ましく、これにより組付け性を悪化させることなく抜けの発生しないシールを提供することができる。また、嵌合部のリークを考慮しなくても良い場合には金属嵌合タイプを選択しても良い。また、金属環にスプリングリテーナー位置決めガイド機能を付加しても良い。また、リップシールは背圧リップ付シールであっても良く、この場合にはシールが背圧の影響を受け易いので、抜け防止効果が一層有効に発揮される。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0016】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0017】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0018】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0019】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド(ハウジング)8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部に、バルブスプリング(スプリング)9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0020】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0021】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0022】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0023】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0024】
第二実施例・・・
尚、第二実施例として図2に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されている。
【0025】
第三実施例・・・
図3は、本発明の第三実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0026】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0027】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0028】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0029】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部(内周拘束部)11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0030】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0031】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0032】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0033】
また、取付環3の被押さえ込み部11に、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部11aが設けられているために、この筒状部11aを備えた取付環3によれば、スプリングリテーナー10を正確に同心状に位置決め保持することができる。
【0034】
第四実施例・・・
尚、第四実施例として図4に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0035】
第五実施例・・・
図5は、本発明の第五実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0036】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0037】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0038】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0039】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、このフランジ部11bの先端に軸方向一端方向へ向けて一体成形された環状の先端立ち上がり部11dと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する環状の段差部(寸法調整部)11eとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、段差部11eは筒状部3aから筒状部11aへかけて拡径するように形成されている。
【0040】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0041】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0042】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0043】
第六実施例・・・
尚、第六実施例として図6に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0044】
第七実施例・・・
図7は、本発明の第七実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0045】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0046】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0047】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0048】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部(内周拘束部)11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、このフランジ部11bの先端に軸方向一端方向へ向けて一体成形されるとともにスプリングリテーナー10の外径寸法に合致する内径寸法を備えてその内周側にスプリングリテーナー10を嵌合する環状の先端立ち上がり部(外周拘束部)11dと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する環状の段差部(寸法調整部)11eとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、段差部11eは筒状部3aから筒状部11aへかけて拡径するように形成されている。
【0049】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0050】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0051】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0052】
また、取付環3の被押さえ込み部11に、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法に合致する外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を嵌合する筒状部11aと、スプリングリテーナー10の外径寸法に合致する内径寸法を備えてその内周側にスプリングリテーナー10を嵌合する環状の先端立ち上がり部11dとが設けられているために、この筒状部11aおよび先端立ち上がり部11dを備えた取付環3によれば、スプリングリテーナー10を正確に同心状に位置決め保持することができる。
【0053】
第八実施例・・・
尚、第八実施例として図8に示すように、シリンダーヘッド8の上面にリテーナー位置決め用の座12が予め設けられている場合には、この座12に被押さえ込み部11のフランジ部11bを嵌め込むようにしても良い。座12はシリンダーヘッド8の上面に環状溝として形成されたものである。
【0054】
第九実施例・・・
図9は、本発明の第九実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0055】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種であるゴム嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0056】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6と、取付環3およびバルブステムガイド2間をシールするパッキン状の静止シール部7とが一体成形されている。
【0057】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0058】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにこのスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0059】
また、上記フランジ部11bは径方向に比較的長く形成されていて、その内周部11fおよび外周部11g間に環状の段差部11hが形成されており、内周部11fよりも一段下がった位置に配置された外周部11gが、シリンダーヘッド8の上面に予め設けられた環状溝状の座12に嵌め込まれている。そしてこの外周部11gの上にスプリングリテーナー10が載せられていて、このスプリングリテーナー10によって外周部11gがシリンダーヘッド8(座12の底面)に押し付けられている。座12は、その深さ寸法を取付環3の外周部11gの厚さ寸法よりも大きく形成されており、よって外周部11gの上に載せられたスプリングリテーナー10はその一部または全部(図では一部)が座12内に収められている。内周部11fはシリンダーヘッド8の上面に接触しているが、必ずしも接触している必要はなく離れていても良い。
【0060】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0061】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0062】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、弾性体4の静止シール部7には抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、静止シール部7に設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、当該バルブステムシール1は上記した所謂低嵌合タイプのバルブステムシールの範疇に属し、よってバルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0063】
また、取付環3における被押さえ込み部11のフランジ部11bが径方向に比較的長く形成されていて、その外周部11gがスプリングリテーナー10によって押さえ込まれる構成とされているために、当該構成によれば、スプリングリテーナー10によって保持されるバルブスプリング9と取付環3の筒状部3a,11aとの間に比較的大きな径方向スペースが形成されている。したがって、バルブスプリング9が取付環3と干渉するのを確実に防止することができる。
【0064】
第十実施例・・・
図10は、本発明の第十実施例に係る密封装置の半裁断面を示している。
【0065】
当該実施例に係る密封装置は、リップシールの一種である金属嵌合タイプのバルブステムシール1であって、以下のように構成されている。
【0066】
すなわち先ず、バルブステムガイド2の外周側に嵌着される筒状部3aの軸方向一端(図上上端)にフランジ部3bを径方向内方へ向けて一体成形した金属製の取付環3が設けられており、この取付環3にゴム状弾性材製の弾性体4が加硫接着されており、この弾性体4によって、バルブステム(図示せず)の周面に摺動自在に密接して大気や外部ダスト等をシールする外向きのシールリップ(主リップ)5と、同じくバルブステムの周面に摺動自在に密接して機内のオイル等をシールする内向きの背圧リップ(副リップ)6とが一体成形されている。
【0067】
また、上記取付環3における筒状部3aの軸方向他端部(図上下端部)がシリンダーヘッド8に達するまで軸方向に長く形成されており、この軸方向他端部にバルブスプリング9を保持するスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される被押さえ込み部11が一体成形されて、取付環3にバルブステムシール1の抜け止め機能が付加されている。
【0068】
この被押さえ込み部11は、環状のスプリングリテーナー10の内径寸法よりも小さな外径寸法を備えてその外周側にスプリングリテーナー10を配置する筒状部11aと、この筒状部11aの先端に径方向外方へ向けて一体成形されてスプリングリテーナー10を保持するとともにスプリングリテーナー10によってシリンダーヘッド8に押し付けられる環状のフランジ部11bと、筒状部3a,11a同士の間に配置されて両者3a,11aの径寸法差を調整する漏斗状の斜面部(寸法調整部)11cとを一体に有しており、一般的には筒状部3aよりも筒状部11aの方が大径であることから、斜面部11cは筒状部3aから筒状部11aへかけて漸次拡径するように形成されている。
【0069】
また、上記フランジ部11bは径方向に比較的長く形成されていて、その内周部11fおよび外周部11g間に環状の段差部11hが形成されており、内周部11fよりも一段下がった位置に配置された外周部11gが、シリンダーヘッド8の上面に予め設けられた環状溝状の座12に嵌め込まれている。そしてこの外周部11gの上にスプリングリテーナー10が一部配置されていて(スプリングリテーナー10は、その内周寄りの一部分が外周部11g上に配置され、外周寄りの残りの部分はシリンダーヘッド8上に直接配置されていて、リテーナー10に対する押さえ代が小さく設定されている)、このスプリングリテーナー10によって外周部11gがシリンダーヘッド8(座12の底面)に押し付けられている。座12は、その深さ寸法を取付環3の外周部11gの厚さ寸法と同じに形成されており、よって外周部11gの上面とシリンダーヘッド8の上面は面一状をなしている。シリンダーヘッド8の上面は、座12の内周側の部位8aが座12の外周側の部位8bよりも一段高く形成されていて、よって内周部11fはシリンダーヘッド8の上面に接触しているが、必ずしも接触している必要はなく離れていても良い。
【0070】
スプリングリテーナー10は、通常の板金等よりなる取付環3よりも高硬度の材質によって成形されており、よってこの高硬度のスプリングリテーナー10によってバルブスプリング9を保持することから、取付環3のフランジ部11bには硬化処理を施す必要がない。
【0071】
上記構成のバルブステムシール1においては、上記したように取付環3に一体成形された被押さえ込み部11がスプリングリテーナー10によって押さえ込まれてシリンダーヘッド8に固定される構成とされているために、スプリングリテーナー10がバルブスプリング9を保持してそのばね力を受ける結果として、取付環3がバルブスプリング9のばね力によってシリンダーヘッド8に押し付けられ、取付環3ひいてはバルブステムシール1の抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシール1が背圧リップ6に作用する背圧等の影響によってバルブステムガイド2から抜けてしまうのを有効に防止することができる。
【0072】
また、このように抜け防止効果が取付環3に一体成形された被押さえ込み部11によってなされるために、取付環3の筒状部3aには抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、筒状部3aに設定される嵌合代の大きさが小さくて済むために、バルブステムシール1のバルブステムガイド2に対する組付作業性を向上させることができる。
【0073】
また、取付環3における被押さえ込み部11のフランジ部11bが径方向に比較的長く形成されていて、その外周部11gがスプリングリテーナー10によって押さえ込まれる構成とされているために、当該構成によれば、スプリングリテーナー10によって保持されるバルブスプリング9と取付環3の筒状部3a,11aとの間に比較的大きな径方向スペースが形成されている。したがって、バルブスプリング9が取付環3と干渉するのを確実に防止することができる。
【0074】
尚、上記第一ないし第九実施例に係るバルブステムシールはそれぞれゴム嵌合タイプであるが、静止シール部を省略した金属嵌合タイプであっても良い。また反対に、第十実施例に係るバルブステムシールは金属嵌合タイプであるが、静止シール部を追加したゴム嵌合タイプであっても良い。また、全実施例とも背圧リップ付きシールであるが、背圧リップを省略したタイプであっても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0076】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、リップシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される構成とされているため、スプリングリテーナーがスプリングを保持してそのばね力を受ける結果、金属製取付環がスプリングのばね力によってハウジングに押し付けられ、金属製取付環ひいてはリップシールの抜け防止作用が発揮される。したがって、リップシールが取付箇所から抜けてしまうのを有効に防止することができる。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされるために、金属製取付環や静止シール部に抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、リップシールの組付作業性を向上させることができる。
【0077】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による密封装置においては、バルブステムシールの金属製取付環に一体成形された被押さえ込み部がスプリングリテーナーによって押さえ込まれてシリンダーヘッドに固定される構成とされているため、スプリングリテーナーがバルブスプリングを保持してそのばね力を受ける結果、金属製取付環がバルブスプリングのばね力によってシリンダーヘッドに押し付けられ、金属製取付環ひいてはバルブステムシールの抜け防止作用が発揮される。したがって、バルブステムシールがバルブステムガイドから抜けてしまうのを有効に防止することができる。またこのように抜け防止作用が被押さえ込み部によってなされるために、金属製取付環や静止シール部に抜け止めのための大きな嵌合代を設定する必要がない。したがって、バルブステムシールの組付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図2】本発明の第二実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図3】本発明の第三実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図4】本発明の第四実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図5】本発明の第五実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図6】本発明の第六実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図7】本発明の第七実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図8】本発明の第八実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図9】本発明の第九実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図10】本発明の第十実施例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図11】バルブステムシールの一般的な使用例を示す説明図
【図12】従来例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【図13】他の従来例に係る密封装置であるバルブステムシールの半裁断面図
【符号の説明】
1 バルブステムシール
2 バルブステムガイド
3 金属製取付環
3a,11a 筒状部
3b,11b フランジ部
4 弾性体
5 シールリップ
6 背圧リップ
7 静止シール部
8 シリンダーヘッド
9 バルブスプリング
10 スプリングリテーナー
11 被押さえ込み部
11c 斜面部
11d 先端立ち上がり部
11e,11h 段差部
11f 内周部
11g 外周部
12 座
Claims (2)
- リップシールの金属製取付環に、スプリングリテーナーによって押さえ込まれてハウジングに固定される被押さえ込み部を一体成形したことを特徴とする密封装置。
- 請求項1の密封装置において、
リップシールがバルブステムシール(1)であり、スプリングリテーナー(10)がバルブスプリング(9)を保持するものであり、ハウジングがシリンダーヘッド(8)であり、バルブステムガイド(2)に取り付けられる前記バルブステムシール(1)の金属製取付環(3)に、前記スプリングリテーナー(10)によって押さえ込まれて前記シリンダーヘッド(8)に固定される被押さえ込み部(11)を一体成形したことを特徴とする密封装置。
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