JP2007218282A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブガイドの潤滑油室側に装着されている第一バルブステムシールがポート側の高圧に加圧された吸気によってもバルブガイドから脱落することがなく、またバルブステムシールのシールリップが変形しない密封装置を提供する。
【解決手段】バルブガイド14の潤滑油室12側端部に装着されている第一バルブステムシール30と、ポート11側端部に装着されている第二バルブステムシール40とを備えた密封装置1において、第二バルブステムシール40は、補強環41とバルブステム20に摺接するシールリップ43の先端部がポート11側に向かって縮径しているシール部44とを備え、バルブガイド14の外周側に装着させた。
【選択図】 図1
【解決手段】バルブガイド14の潤滑油室12側端部に装着されている第一バルブステムシール30と、ポート11側端部に装着されている第二バルブステムシール40とを備えた密封装置1において、第二バルブステムシール40は、補強環41とバルブステム20に摺接するシールリップ43の先端部がポート11側に向かって縮径しているシール部44とを備え、バルブガイド14の外周側に装着させた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、自動車及び一般産業機械のエンジンの給排気機構におけるバルムステムに使用される密封装置に関するものである。
従来、自動車の給排気機構に取付けられるバルブステムに使用される密封装置としては、例えば図2に示すような密封装置120が知られている。
図2において、100はポート101を有するシリンダヘッドであり、軸方向にポート101側と反対側の位置に潤滑油室102が設けられており、内周側にはその潤滑油室102からポート101へ貫通する貫通穴103が形成されている。貫通穴103にはバルブガイド104が取付けられていて、そのバルブガイド104の内周側に軸方向に往復動するバルブステム105が挿通され、バルブガイド104の内周面とバルブステム105の外周面との間に環状空間106が形成される。
バルブガイド104の潤滑油室102側には、金属製の補強環107とゴム状弾性体のシール部108とからなる密封装置120としてのバルブステムシール109が装着されている。シール部108には、潤滑油室102側に向かって延びバルブステム105の外周面に密接に摺動するシールリップ108aが設けられていて、そのシールリップ108aの外周側には、シールリップ108aの径方向への追随性を補強するガータスプリング110が装着されている。なお、シールリップ108aは、バルブステム105に対して所定の締め代を有し、潤滑油室102内の潤滑油が環状空間106に漏れ込む量を制御している。
しかしながら、近年のエンジンの高出力化に伴いポート101は高圧になっているため、高圧に加圧された吸気がポート101側から環状空間106に侵入する。これによりバルブステムシール109に大きな背圧が掛かり、バルブステムシール109のシールリップ108aが変形し、若しくはバルブステムシール109がバルブガイド104から脱落する虞があった。
また、背圧の変動によりバルブステムシール109が制御している潤滑油室102の潤滑油の環状空間106へ漏れ込む量が不安定になり、バルブガイド104とバルブステム105との焼きつき、早期摩耗等が発生する虞があった。更に、燃料の燃焼などにより発生するスス等の固形分が環状空間106に侵入し、潤滑油の供給を妨げ、バルブガイド104とバルブステム105との焼きつき、早期摩耗等が発生する虞があった。
なお、下記特許文献1には、バルブガイドの潤滑油室側とポート側との両方にバルブステムシールを設けると共に、バルブガイドの内周面とバルブステムの外周面との間に形成される環状空間に潤滑油室の潤滑油以外の第二潤滑油を保持することが記載されている。また、下記特許文献2及び3には、バルブガイドのオイルポート側にバルブステムシールを設けることが記載されている。しかし、上記文献に記載されている発明若しくは考案は、本発明と目的、構成等を異にしている。
本発明は上記の従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バルブガイドの潤滑油室側に装着されているバルブステムシールがポート側の高圧に加圧された吸気によってもバルブガイドから脱落することがなく、またバルブステムシールのシールリップが変形しないようにすることである。
また、他の目的は、ポート側の圧力が変動した場合であっても、バルブガイドの潤滑油室側に装着されているバルブステムシールが制御している潤滑油室の潤滑油の環状空間への漏れ出し量にバラツキが生じないようにし、バルブガイドとバルブステムとの焼きつき、早期摩耗等が発生しないようにすることである。
また、他の目的は、ポート側が高圧になることにより、ポート側から燃料の燃焼等によって発生するスス等の固形分が環状空間に侵入しないようにし、バルブガイドとバルブステムとの焼きつき、早期摩耗等が発生しないようにすることである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る密封装置は、ポートを有するハウジングに取付けられているバルブガイドと、該バルブガイドの内周を往復動するバルブステムとの間に形成される環状空間をシールするために装着されるものであって、前記ポートと軸方向反対側に設けられている潤滑油室に収容されている潤滑油が前記環状空間に漏れ込む量を制御している前記バルブガイドの潤滑油室側端部に装着されている第一バルブステムシールと、前記バルブガイドのポート側端部に装着されている第二バルブステムシールとを備えた密封装置において、前記第二バルブステムシールは、補強環と前記バルブステムに摺接するシールリップの先端部がポート側に向かって縮径しているシール部とを備え、前記バルブガイドの外周側に装着されていることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1に係る密封装置は、ポート内が高圧となった場合でもバルブガイドのポート側端部に装着されている第二バルブステムシールでシールするので、第一バルブステムシールに背圧が掛からなくなり脱落を防止することができる。また、第一バルブステムシールのシールリップの変形を防止し安定したシール性能を保持することができる。
更に、第一バルブステムシールのシール性能を保持することができることより、潤滑油室の潤滑油の環状空間への漏れ込む量のバラツキを小さくし安定化することができ、バルブガイドとバルブステムとの焼きつき、早期摩耗等を防止することができる。また、ポート側からスス等の異物がバルブガイドの内周面とバルブステムとの環状空間に侵入するのを第二バルブステムシールにより防ぐことができ、バルブガイドとバルブステムとの焼きつき、早期摩耗等を防止することができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して説明する。
図1は、自動車の給排気機構に取付けられるバルブステムに使用される密封装置1の一部断面を示している。
図1において、10はポート11を有するハウジングとしてのシリンダヘッドであり、軸方向にポート11側と反対側の位置に潤滑油室12が設けられており、内周側にはその潤滑油室12からポート11へ貫通する貫通穴13が形成されている。貫通穴13にはバルブガイド14が取付けられていて、そのバルブガイド14の内周側に軸方向に往復動するバルブステム20が挿通され、バルブガイド14の内周面とバルブステム20の外周面との間に環状空間21が形成されている。
この環状空間21をシールするために、密封装置1として、バルブガイド14の潤滑油室12側に第一バルブステムシール30が、ポート11側に第二バルブステムシール40が装着されている。
第一バルブステムシール30は、軸方向に延びる第一円筒部31aと、その第一円筒部31aの潤滑油室12側端部から内径方向に延びる第一フランジ部31bからなる金属製の第一補強環31と、その第一補強環31に接着している第一固定密封部32と、その第一固定密封部32と一体で成形されている第一シールリップ33とからなるゴム状弾性体の第一シール部34とを有する。第一シールリップ33は潤滑油室12側に向かって延びバルブステム20の外周面に締め代をもって密接するように摺動する。また、第一シールリップ33の外周側には第一シールリップ33の径方向への緊迫力を付与するガータスプリング35が装着されている。これにより、第一バルブステムシール30の第一シールリップ33は、潤滑油室12の潤滑油が環状空間21に漏れ込む量を制御している。
第二バルブステムシール40は、軸方向に延びる第二円筒部41aと、その第二円筒部41aのポート11側端部から内径方向に延びる第二フランジ部41bからなる金属製の第二補強環41と、その第二補強環41に接着している第二固定密封部42と、その第二固定密封部42と一体で成形されている第二シールリップ43とからなるゴム状弾性体の第二シール部44とを有する。第二固定密封部42の内周面には内径側に突出する環状の凸部45が形成されていて、バルブガイド14のポート11側の外周面に形成されている環状の凹部15に嵌合するようになっている。また第二シールリップ43は、ポート11側に向かって漸次縮径して延び、バルムステム20の外周面に締め代をもって密接するように摺動する。
したがって、上記構成においては、ポート11側の高圧に加圧された吸気が、ポート11側に向かって漸次縮径して延びている第二バルブステムシール40の第二シールリップ43をバルブステム20の外周面に押し付けるように作用するので、環状空間21に侵入しようとするポート11側の高圧の吸気を第二バルブステムシール40がシールすることが可能となる。したがって、バルブガイド14の潤滑油室12側の外周端部に装着されている第一バルブステムシール30に背圧が掛かるのを防止することが可能となり、第一バルブステムシール30がバルブガイド14から脱落するのを防止することが可能になると共に、第一バルブステムシール30の第一シールリップ33の変形を防止し、安定したシール性能を保持することが可能となる。
更に、第一バルブステムシール30の第一シールリップ33が変形しないのでシール性能が安定し、潤滑油室12の潤滑油の環状空間21への漏れ込む量のバラツキを小さくすることが可能となり、環状空間21を形成するバルブガイド14とバルブステム20との焼きつき、早期摩耗等を防止することが可能となる。
また、ポート11側からスス等の異物が環状空間21に侵入するのを第二バルブステムシール40でシールすることができるので、バルブガイド14とバルブステム20との焼きつき、早期摩耗等を防止することが可能となる。
また、ポート11側からスス等の異物が環状空間21に侵入するのを第二バルブステムシール40でシールすることができるので、バルブガイド14とバルブステム20との焼きつき、早期摩耗等を防止することが可能となる。
1 密封装置
10 シリンダヘッド(ハウジング)
11 ポート
12 潤滑油室
13 貫通穴
14 バルブガイド
15 凹部
20 バルブステム
21 環状空間
30,40 バルブステムシール
31,41 補強環
32,42 固定密封部
33,43 シールリップ
34,44 シール部
35 ガータスプリング
45 凸部
10 シリンダヘッド(ハウジング)
11 ポート
12 潤滑油室
13 貫通穴
14 バルブガイド
15 凹部
20 バルブステム
21 環状空間
30,40 バルブステムシール
31,41 補強環
32,42 固定密封部
33,43 シールリップ
34,44 シール部
35 ガータスプリング
45 凸部
Claims (1)
- ポートを有するハウジングに取付けられているバルブガイドと、該バルブガイドの内周を往復動するバルブステムとの間に形成される環状空間をシールするために装着されるものであって、
前記ポートと軸方向反対側に設けられている潤滑油室に収容されている潤滑油が前記環状空間に漏れ込む量を制御している前記バルブガイドの潤滑油室側端部に装着されている第一バルブステムシールと、前記バルブガイドのポート側端部に装着されている第二バルブステムシールとを備えた密封装置において、
前記第二バルブステムシールは、補強環と前記バルブステムに摺接するシールリップの先端部がポート側に向かって縮径しているシール部とを備え、前記バルブガイドの外周側に装着されていることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (2)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006036717A JP2007218282A (ja) | 2006-02-14 | 2006-02-14 | 密封装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
JP2006036717A Pending JP2007218282A (ja) | 2006-02-14 | 2006-02-14 | 密封装置 |
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2006
- 2006-02-14 JP JP2006036717A patent/JP2007218282A/ja active Pending
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2007
- 2007-01-31 EP EP07002043A patent/EP1818514A1/en not_active Ceased
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090115 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101215 |