JP2004169893A - 自動変速機の油劣化検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易かつ精度よく検出することができる自動変速機の油劣化検出装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ステップ101では、ステップ102にて油温センサで検出した油温Tをサンプリングしてからδt秒経過したかを判断し、δt秒経過すれば、ステップ103にて前回の劣化度合Dt(old)を算出してからΔt秒経過したかを判断する。これにより、油温TをΔt秒間にδt秒の間隔でn=(Δt/δt)回サンプリングする。ステップ104ではこれらを積算し、ステップ105にて積算値ΣTを平均化する。ステップ106では、この平均値Tm=ΣT/(Δt/δt)に重み係数wで重みを与えて前回の劣化度合Dt(old)に積算し、最新の劣化度合Dt=Dt(old)+Tm×wを算出する。この最新の劣化度合DtからATFの劣化状態を検出する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、ステップ101では、ステップ102にて油温センサで検出した油温Tをサンプリングしてからδt秒経過したかを判断し、δt秒経過すれば、ステップ103にて前回の劣化度合Dt(old)を算出してからΔt秒経過したかを判断する。これにより、油温TをΔt秒間にδt秒の間隔でn=(Δt/δt)回サンプリングする。ステップ104ではこれらを積算し、ステップ105にて積算値ΣTを平均化する。ステップ106では、この平均値Tm=ΣT/(Δt/δt)に重み係数wで重みを与えて前回の劣化度合Dt(old)に積算し、最新の劣化度合Dt=Dt(old)+Tm×wを算出する。この最新の劣化度合DtからATFの劣化状態を検出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機内の油の劣化を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機内に充填された油、所謂、ATF(Automatic Transmission Fluid)は、自動変速機内の潤滑・冷却に限らず、各摩擦要素を作動させるための作動油として、またトルクコンバータを備える場合は、その入出力間の動力伝達媒体として用いられており、ATFの劣化は重要な問題である。
【0003】
このため、従来のATFの劣化検出装置は、スロットル開度および油温に応じた自動変速機の変速時間を計測し、この変速時間と、ATFが初期状態における自動変速機の変速時間とを比較して、変速時間が所定時間以上遅れた場合には、ATFが劣化状態にあると判断している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−205406号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変速時間からATFの劣化を検出する場合には、例えば、クラッチのフェーシングが劣化して摩擦係数μが変化することなども考慮する必要があり、実際には、変速時間の変化からATFの劣化状態だけを精度よく検出することは非常に困難である。
【0006】
しかも、変速時間からATFの劣化状態を検出する装置にあっては、前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、全変速比にわたって変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御を行う有段の自動変速機には適用することができない。
【0007】
また自動変速機が変速比を無段階に変更できる無段変速機である場合、無段変速機では常に変速が行なわれるため、変速時間そのものを設定することが非常に困難である。特に、変速速度を制御する無段変速機にあっては、変速時間も間接的に制御されることになるため、変速時間からATFの劣化を判断することは不可能である。これに対し、無段変速機は、前後進を切り換えるための前進クラッチおよび後進ブレーキなどの摩擦要素を有することから、これら摩擦要素の締結時間を変速時間の代わりに用いることも考えられるが、これらの摩擦要素は、通常、車両の停止状態で締結するため、回転締結精度が低く、この締結時間からATFの劣化を判断することはできない。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、かかる事実認識に基づいてなされたものであって、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易かつ精度よく検出することができる自動変速機の油劣化検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、自動変速機内の油の温度を検出する油温検出手段と、この手段によって検出された油温が所定温度以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断する油劣化判断手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を所定時間毎に検出して平均化し、この平均値を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記重み係数は、油温またはその平均値が高くなるほど大きな値となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記自動変速機は、変速比を無段階に変更することができる無段変速機であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記自動変速機は、予め定められた複数の変速段を有する有段変速機であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段で油の劣化を検出したとき、油の劣化を警告する警告手段を備えることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、油温検出手段で検出した油温が所定温度以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温を積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を所定時間毎に検出して平均化し、この平均値を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温を積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができ、しかも、好適な精度の履歴を簡単に得ることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上記重み係数を油温またはその平均値が高くなるほど大きな値となるように設定したことから、油温に応じた好適な重み付けを行うことにより、油の劣化状態をさらに正確に検出することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、自動変速機が変速比を無段階に変更できる無段変速機である。無段変速機では油が劣化したまま変速が行なわれると、ベルト式無段変速機にあってはベルトの滑りを、また、トロイダル型無段変速機にあってはパワーローラの滑りを発生する可能性があるが、自動変速機内の油の劣化状態だけを精度よく検出することができるため、こうした滑りを未然に防止することにより、変速機の動力伝達効率や耐久性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記自動変速機が予め定められた複数の変速段を有する有段変速機であることにより、前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御が規制されることがなくなり、例えば全変速段にわたって変速時間学習を行うことが可能となる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、油の劣化を検出したとき、油の劣化を警告するから、運転者が自動変速機内の油が劣化状態のまま走行してしまう状況を回避することができるより安全な自動変速機を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた車両のパワートレーンを例示するシステム図である。
【0025】
図1において、符号1はエンジン、符号2はトルクコンバータ、符号3は自動変速機をそれぞれ示す。
自動変速機3は、入力プーリ3aと出力プーリ3bとの間に掛け渡したベルト3cによって動力伝達が行われるベルト式無段変速機であり、変速比iを無段階に変更することにより、トルクコンバータ2を経て入力されたエンジン1からの回転を無段階に変速する。自動変速機3で変速された出力回転は、ドライブシャフト4からディファレンシャルギア5を経て左右に配した車輪6に伝達される。なお、自動変速機3は、ベルト式無段変速機に限ることなく、変速比iを無段階に変更できるものであれば、例えば、入出力ディスク間に配置したパワーローラによって動力伝達が行われるトロイダル型無段変速機であってもよい。
【0026】
また自動変速機3は、その内部に充填された油(以下、ATFという)の温度を検出する油温センサ7を備え、この油温センサ7からの信号を制御装置10に入力してATFの劣化状態を検出する。なお本実施形態では、制御装置10を別体としたが、トルクコンバータ2や自動変速機3を制御するコントロールユニットと一体であってもよい。
【0027】
制御装置10では、図2のフローチャートに基づく演算処理を実行し、高油温状態の履歴としての劣化度合データを作成する。
【0028】
図2は、劣化度合データを算出するためのフローチャートであり、油温センサ7で検出した高油温Thを、時間間隔Δtの所定時間毎に所定の時間間隔δtでn=(Δt/δt)回サンプリングして平均化したのち、この平均値Tmを重み付けした値dtを積算し、この積算値Dtを劣化度合データとして算出するものである。
【0029】
具体的には、油温センサ7で油温Tを時間間隔δt(=10)秒でn(=6)回サンプリングしたものを、時間間隔Δt(=60秒)の所定時間毎に平均化したのち、この平均値Tmを重み付けした値dtを積算し、この積算値Dtを劣化度合データとして算出する。なお、このとき、積算に必要となるのは、油温Tが所定温度To(例えば100℃)以上の高油温データであるため、所定温度To未満に対応する重み付けした値dtはゼロとして設定している。
【0030】
まずステップ101では、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したかどうかを判断する。ステップ101にてδt=10秒経過していないと判断すると、そのまま本フローチャートによる演算処理を終了し、再度、ステップ101にて、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したかどうかを判断する。ステップ101にて、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したと判断すると、ステップ102に移行し、このステップ102にて、劣化度合データDtの前回値Dt(old)を算出してからΔt=60秒経過しているかどうかを判断する。
【0031】
ステップ102にて、前回の劣化度合データDt(old)を算出してからΔt=60秒経過していないと判断すると、ステップ103にて、油温センサ7で検出した油温Tを新たにサンプリングし、本フローチャートによる演算処理を再度実行する。つまり、ステップ101,102の演算処理は、油温TをΔt=60秒毎にδt=10秒間隔でn(=Δt/δt)=6の計6回サンプリングするまで繰り返される。
【0032】
ステップ102にて、劣化度合データの前回値Dt(old)を算出してからΔt=60秒経過したと判断されると、油温TをΔt=60秒の間にδt=10秒間隔で計6回サンプリングしたとして、ステップ104に移行する。ステップ104では、サンプリングした6つの油温Tを積算して積算値ΣTを求める。そしてステップ105では、積算値ΣTからΔt=60秒間にδt=10秒間隔でサンプリングした6つの油温Tの平均値Tm(=積算値/Δt/δt)=ΣT/(60秒/10秒)を求める。
【0033】
ステップ106では、まず平均値Tmを重み係数wで重み付けする(Tm×w)。重み係数wは、使用するATFの特性にあわせて、例えば図3(a)〜(d)のいずれかに示すマップ図を用いて算出される。図3(a)は、重み係数wを一定の値woに設定したものであり、図3(b)〜(d)はそれぞれ、温度Tが高くなるほど大きな値となるように連続的にまたは所定の温度間隔毎にステップ状に設定したものである。また所定温度To未満のときは劣化に影響しないため、この領域の重み係数wは“0”とし、その領域のデータは積算されないようにしている。平均値Tmを重み付けしたのちは、その値dt(=Tm×w)を前回の劣化度合データDt(old)に積算する。この積算値(Dt(old)+dt)が新たな劣化度合データDt、すなわち、高油温状態の履歴となる。ステップ106にて新たな劣化度合データDtを算出したのちは、次回の計算に備えてステップ107にて、ステップ104で積算したサンプリング値の積算値ΣTをクリアにする。
【0034】
これにより、劣化度合データDtは、油温センサ7で検出した油温Tを60秒毎に10秒間隔で計6回サンプリングして平均化し、この平均値Tmを重み係数wで重み付けした値dtを、前回の劣化度合データDt(old)に積算して算出される。なお、本フローチャートにおいて演算処理開始時の前回の劣化度合データDt(old)は、前走行回の値を制御装置10の不揮発性メモリに記憶しておき、その値を用いる。また、車両搭載前の初期状態では、予め与えられた定数でも、Dt(old)=0でもよい。
【0035】
ATFの劣化状態は、図4に示すフローチャートによる演算処理によって判定される。この劣化状態判定ルーチンは、図2のメインフローチャートにて算出された最新の劣化度合データDtに基づいて実行され、まずステップ201にて、劣化度合データDtが予め設定された所定の値Dt(0)よりも大きいかどうかを判定する。
【0036】
ステップ201にて、劣化度合データDtが所定値Dt(0)よりも大きければ、ATFが劣化していると判定してステップ202に移行し、このステップ202にて、ATFの劣化を警告する警告手段8を動作させる。警告手段8には、例えば車内に警告灯を設けて「ATFの交換サイン」を点灯させるものがあるが、車両に外付けされるものとして、整備作業者が使用する診断テスタに表示メニューを設けて「ATFの交換サイン」を表示させる指令を送信してもよい。
【0037】
警告手段8を点灯させたのちは、ステップ203にて、劣化度合データDtをクリアして図2のメインフローチャートによる演算処理を再開する。なお、ステップ203は、任意のプログラムであって、ATFの交換ののち、整備作業者などの手によって直接クリアしてもよい。またステップ201にて、劣化度合データDtが所定値Dt(0)以下であれば、ATFが劣化していないと判定して、警告手段8を動作させることなく、本フローチャートによる判定を終了する。
【0038】
従って本実施形態によれば、油温センサ7で検出した油温が所定温度To以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。
【0039】
また本実施形態にあっては、油温状態の履歴として、油温センサ7で検出した油温Tを温度に応じた所定時間Δt毎に検出して平均化し、この平均値Tmを重み係数wで重み付けして積算した劣化度合データDtが所定値Dt(0)以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温Tを積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができ、しかも、好適な精度の履歴を簡単に得ることができる。なお、油温Tをサンプリングする時間間隔δtやATFの劣化を判定する時間間隔Δtは、本実施形態にて説明した数値に限るものではなく、様々な数値に変更することができる。
【0040】
加えて本実施形態にあっては、重み係数wを、図3(b)〜(d)に示す如く、油温Tまたはその平均値Tmが高くなるほど大きな値となるように設定したことから、精度の高い重み付けを実現することができ、これによって、さらに正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0041】
さらに本実施形態にあっては、自動変速機3が変速比iを無段階に変更できる無段変速機である。無段変速機では油が劣化したまま変速が行なわれると、ベルト式無段変速機にあってはベルトの滑りを、また、トロイダル型無段変速機にあってはパワーローラの滑りを発生する可能性があるが、自動変速機3内の油の劣化状態だけを精度よく検出することができるため、こうした滑りを未然に防止することにより、変速機3の動力伝達効率や耐久性の向上を図ることができる。
【0042】
さらに加えて本実施形態にあっては、油の劣化を検出したとき、警告手段8によって油の劣化を警告するから、運転者が自動変速機3内の油が劣化状態のまま走行してしまう状況を回避することができるより安全な自動変速機を提供することができる。
【0043】
また本発明は、他の実施形態として、時間間隔Δtの所定時間毎にサンプリングした油温Tを平均化することによりATFの劣化を検出するのではなく、油温状態の履歴として、油温センサ7で検出した油温Tまたはその中からサンプリングした油温Tを重み係数wで直接重み付けして積算した積算値Dt=Dt(old)+w×Tを劣化度合データDtとするか、油温センサ7で検出した油温のうち、所定温度Toと同等もしくは異なる温度以上の油温Tまたはその中からサンプリングした油温Tのみを重み係数wで直接重み付けして積算した積算値Dt=Dt(old)+w×Tを劣化度合データDtとして、この劣化度合データDtが所定値Dt(0)以上となったときにATFが劣化したと判断してもよい。この場合も、所定温度To以上の高油温を単純に積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0044】
さらに本発明において、自動変速機3は無段変速機に限らず、図5に示す如く、変速制御用のクラッチ(ブレーキ)9aと遊星歯車機構9bを備える有段式の自動変速機9であってもよい。
【0045】
上記実施形態によれば、油温センサ7で検出した油温が所定温度To以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。加えて上記実施形態によれば、自動変速機3が前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御が規制されることがなくなり、例えば、全変速段にわたって変速時間学習を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた車両のパワートレーンを例示するシステム図である。
【図2】本発明にかかる油温状態の履歴としての劣化度合データを算出するためのメインフローチャートである。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ、重み係数を算出するためのマップ図である。
【図4】ATFの劣化状態を演算処理によって判定するためのフローチャートである。
【図5】本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた他のパワートレーンを例示するシステム図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 ベルト式無段変速機(自動変速機)
3a 入力側プーリ
3b 出力側プーリ
3c ベルト
4 ドライブシャフト
5 ファイナルドライブギア装置
6 車輪
7 油温センサ
8 警告手段
9 自動変速機(有段式自動変速機)
9a 変速制御用クラッチ(ブレーキ)
9b 遊星歯車機構
10 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機内の油の劣化を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機内に充填された油、所謂、ATF(Automatic Transmission Fluid)は、自動変速機内の潤滑・冷却に限らず、各摩擦要素を作動させるための作動油として、またトルクコンバータを備える場合は、その入出力間の動力伝達媒体として用いられており、ATFの劣化は重要な問題である。
【0003】
このため、従来のATFの劣化検出装置は、スロットル開度および油温に応じた自動変速機の変速時間を計測し、この変速時間と、ATFが初期状態における自動変速機の変速時間とを比較して、変速時間が所定時間以上遅れた場合には、ATFが劣化状態にあると判断している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−205406号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変速時間からATFの劣化を検出する場合には、例えば、クラッチのフェーシングが劣化して摩擦係数μが変化することなども考慮する必要があり、実際には、変速時間の変化からATFの劣化状態だけを精度よく検出することは非常に困難である。
【0006】
しかも、変速時間からATFの劣化状態を検出する装置にあっては、前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、全変速比にわたって変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御を行う有段の自動変速機には適用することができない。
【0007】
また自動変速機が変速比を無段階に変更できる無段変速機である場合、無段変速機では常に変速が行なわれるため、変速時間そのものを設定することが非常に困難である。特に、変速速度を制御する無段変速機にあっては、変速時間も間接的に制御されることになるため、変速時間からATFの劣化を判断することは不可能である。これに対し、無段変速機は、前後進を切り換えるための前進クラッチおよび後進ブレーキなどの摩擦要素を有することから、これら摩擦要素の締結時間を変速時間の代わりに用いることも考えられるが、これらの摩擦要素は、通常、車両の停止状態で締結するため、回転締結精度が低く、この締結時間からATFの劣化を判断することはできない。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、かかる事実認識に基づいてなされたものであって、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易かつ精度よく検出することができる自動変速機の油劣化検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、自動変速機内の油の温度を検出する油温検出手段と、この手段によって検出された油温が所定温度以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断する油劣化判断手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を所定時間毎に検出して平均化し、この平均値を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記重み係数は、油温またはその平均値が高くなるほど大きな値となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記自動変速機は、変速比を無段階に変更することができる無段変速機であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記自動変速機は、予め定められた複数の変速段を有する有段変速機であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の油劣化検出装置において、前記油劣化判断手段で油の劣化を検出したとき、油の劣化を警告する警告手段を備えることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、油温検出手段で検出した油温が所定温度以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温を積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を所定時間毎に検出して平均化し、この平均値を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温を積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができ、しかも、好適な精度の履歴を簡単に得ることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、上記重み係数を油温またはその平均値が高くなるほど大きな値となるように設定したことから、油温に応じた好適な重み付けを行うことにより、油の劣化状態をさらに正確に検出することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、自動変速機が変速比を無段階に変更できる無段変速機である。無段変速機では油が劣化したまま変速が行なわれると、ベルト式無段変速機にあってはベルトの滑りを、また、トロイダル型無段変速機にあってはパワーローラの滑りを発生する可能性があるが、自動変速機内の油の劣化状態だけを精度よく検出することができるため、こうした滑りを未然に防止することにより、変速機の動力伝達効率や耐久性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記自動変速機が予め定められた複数の変速段を有する有段変速機であることにより、前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御が規制されることがなくなり、例えば全変速段にわたって変速時間学習を行うことが可能となる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、油の劣化を検出したとき、油の劣化を警告するから、運転者が自動変速機内の油が劣化状態のまま走行してしまう状況を回避することができるより安全な自動変速機を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた車両のパワートレーンを例示するシステム図である。
【0025】
図1において、符号1はエンジン、符号2はトルクコンバータ、符号3は自動変速機をそれぞれ示す。
自動変速機3は、入力プーリ3aと出力プーリ3bとの間に掛け渡したベルト3cによって動力伝達が行われるベルト式無段変速機であり、変速比iを無段階に変更することにより、トルクコンバータ2を経て入力されたエンジン1からの回転を無段階に変速する。自動変速機3で変速された出力回転は、ドライブシャフト4からディファレンシャルギア5を経て左右に配した車輪6に伝達される。なお、自動変速機3は、ベルト式無段変速機に限ることなく、変速比iを無段階に変更できるものであれば、例えば、入出力ディスク間に配置したパワーローラによって動力伝達が行われるトロイダル型無段変速機であってもよい。
【0026】
また自動変速機3は、その内部に充填された油(以下、ATFという)の温度を検出する油温センサ7を備え、この油温センサ7からの信号を制御装置10に入力してATFの劣化状態を検出する。なお本実施形態では、制御装置10を別体としたが、トルクコンバータ2や自動変速機3を制御するコントロールユニットと一体であってもよい。
【0027】
制御装置10では、図2のフローチャートに基づく演算処理を実行し、高油温状態の履歴としての劣化度合データを作成する。
【0028】
図2は、劣化度合データを算出するためのフローチャートであり、油温センサ7で検出した高油温Thを、時間間隔Δtの所定時間毎に所定の時間間隔δtでn=(Δt/δt)回サンプリングして平均化したのち、この平均値Tmを重み付けした値dtを積算し、この積算値Dtを劣化度合データとして算出するものである。
【0029】
具体的には、油温センサ7で油温Tを時間間隔δt(=10)秒でn(=6)回サンプリングしたものを、時間間隔Δt(=60秒)の所定時間毎に平均化したのち、この平均値Tmを重み付けした値dtを積算し、この積算値Dtを劣化度合データとして算出する。なお、このとき、積算に必要となるのは、油温Tが所定温度To(例えば100℃)以上の高油温データであるため、所定温度To未満に対応する重み付けした値dtはゼロとして設定している。
【0030】
まずステップ101では、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したかどうかを判断する。ステップ101にてδt=10秒経過していないと判断すると、そのまま本フローチャートによる演算処理を終了し、再度、ステップ101にて、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したかどうかを判断する。ステップ101にて、前回油温Tをサンプリングしてからδt=10秒経過したと判断すると、ステップ102に移行し、このステップ102にて、劣化度合データDtの前回値Dt(old)を算出してからΔt=60秒経過しているかどうかを判断する。
【0031】
ステップ102にて、前回の劣化度合データDt(old)を算出してからΔt=60秒経過していないと判断すると、ステップ103にて、油温センサ7で検出した油温Tを新たにサンプリングし、本フローチャートによる演算処理を再度実行する。つまり、ステップ101,102の演算処理は、油温TをΔt=60秒毎にδt=10秒間隔でn(=Δt/δt)=6の計6回サンプリングするまで繰り返される。
【0032】
ステップ102にて、劣化度合データの前回値Dt(old)を算出してからΔt=60秒経過したと判断されると、油温TをΔt=60秒の間にδt=10秒間隔で計6回サンプリングしたとして、ステップ104に移行する。ステップ104では、サンプリングした6つの油温Tを積算して積算値ΣTを求める。そしてステップ105では、積算値ΣTからΔt=60秒間にδt=10秒間隔でサンプリングした6つの油温Tの平均値Tm(=積算値/Δt/δt)=ΣT/(60秒/10秒)を求める。
【0033】
ステップ106では、まず平均値Tmを重み係数wで重み付けする(Tm×w)。重み係数wは、使用するATFの特性にあわせて、例えば図3(a)〜(d)のいずれかに示すマップ図を用いて算出される。図3(a)は、重み係数wを一定の値woに設定したものであり、図3(b)〜(d)はそれぞれ、温度Tが高くなるほど大きな値となるように連続的にまたは所定の温度間隔毎にステップ状に設定したものである。また所定温度To未満のときは劣化に影響しないため、この領域の重み係数wは“0”とし、その領域のデータは積算されないようにしている。平均値Tmを重み付けしたのちは、その値dt(=Tm×w)を前回の劣化度合データDt(old)に積算する。この積算値(Dt(old)+dt)が新たな劣化度合データDt、すなわち、高油温状態の履歴となる。ステップ106にて新たな劣化度合データDtを算出したのちは、次回の計算に備えてステップ107にて、ステップ104で積算したサンプリング値の積算値ΣTをクリアにする。
【0034】
これにより、劣化度合データDtは、油温センサ7で検出した油温Tを60秒毎に10秒間隔で計6回サンプリングして平均化し、この平均値Tmを重み係数wで重み付けした値dtを、前回の劣化度合データDt(old)に積算して算出される。なお、本フローチャートにおいて演算処理開始時の前回の劣化度合データDt(old)は、前走行回の値を制御装置10の不揮発性メモリに記憶しておき、その値を用いる。また、車両搭載前の初期状態では、予め与えられた定数でも、Dt(old)=0でもよい。
【0035】
ATFの劣化状態は、図4に示すフローチャートによる演算処理によって判定される。この劣化状態判定ルーチンは、図2のメインフローチャートにて算出された最新の劣化度合データDtに基づいて実行され、まずステップ201にて、劣化度合データDtが予め設定された所定の値Dt(0)よりも大きいかどうかを判定する。
【0036】
ステップ201にて、劣化度合データDtが所定値Dt(0)よりも大きければ、ATFが劣化していると判定してステップ202に移行し、このステップ202にて、ATFの劣化を警告する警告手段8を動作させる。警告手段8には、例えば車内に警告灯を設けて「ATFの交換サイン」を点灯させるものがあるが、車両に外付けされるものとして、整備作業者が使用する診断テスタに表示メニューを設けて「ATFの交換サイン」を表示させる指令を送信してもよい。
【0037】
警告手段8を点灯させたのちは、ステップ203にて、劣化度合データDtをクリアして図2のメインフローチャートによる演算処理を再開する。なお、ステップ203は、任意のプログラムであって、ATFの交換ののち、整備作業者などの手によって直接クリアしてもよい。またステップ201にて、劣化度合データDtが所定値Dt(0)以下であれば、ATFが劣化していないと判定して、警告手段8を動作させることなく、本フローチャートによる判定を終了する。
【0038】
従って本実施形態によれば、油温センサ7で検出した油温が所定温度To以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。
【0039】
また本実施形態にあっては、油温状態の履歴として、油温センサ7で検出した油温Tを温度に応じた所定時間Δt毎に検出して平均化し、この平均値Tmを重み係数wで重み付けして積算した劣化度合データDtが所定値Dt(0)以上となったときに油が劣化したと判断するから、単に高い油温Tを積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができ、しかも、好適な精度の履歴を簡単に得ることができる。なお、油温Tをサンプリングする時間間隔δtやATFの劣化を判定する時間間隔Δtは、本実施形態にて説明した数値に限るものではなく、様々な数値に変更することができる。
【0040】
加えて本実施形態にあっては、重み係数wを、図3(b)〜(d)に示す如く、油温Tまたはその平均値Tmが高くなるほど大きな値となるように設定したことから、精度の高い重み付けを実現することができ、これによって、さらに正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0041】
さらに本実施形態にあっては、自動変速機3が変速比iを無段階に変更できる無段変速機である。無段変速機では油が劣化したまま変速が行なわれると、ベルト式無段変速機にあってはベルトの滑りを、また、トロイダル型無段変速機にあってはパワーローラの滑りを発生する可能性があるが、自動変速機3内の油の劣化状態だけを精度よく検出することができるため、こうした滑りを未然に防止することにより、変速機3の動力伝達効率や耐久性の向上を図ることができる。
【0042】
さらに加えて本実施形態にあっては、油の劣化を検出したとき、警告手段8によって油の劣化を警告するから、運転者が自動変速機3内の油が劣化状態のまま走行してしまう状況を回避することができるより安全な自動変速機を提供することができる。
【0043】
また本発明は、他の実施形態として、時間間隔Δtの所定時間毎にサンプリングした油温Tを平均化することによりATFの劣化を検出するのではなく、油温状態の履歴として、油温センサ7で検出した油温Tまたはその中からサンプリングした油温Tを重み係数wで直接重み付けして積算した積算値Dt=Dt(old)+w×Tを劣化度合データDtとするか、油温センサ7で検出した油温のうち、所定温度Toと同等もしくは異なる温度以上の油温Tまたはその中からサンプリングした油温Tのみを重み係数wで直接重み付けして積算した積算値Dt=Dt(old)+w×Tを劣化度合データDtとして、この劣化度合データDtが所定値Dt(0)以上となったときにATFが劣化したと判断してもよい。この場合も、所定温度To以上の高油温を単純に積算する場合に比べてより正確な油の劣化状態を検出することができる。
【0044】
さらに本発明において、自動変速機3は無段変速機に限らず、図5に示す如く、変速制御用のクラッチ(ブレーキ)9aと遊星歯車機構9bを備える有段式の自動変速機9であってもよい。
【0045】
上記実施形態によれば、油温センサ7で検出した油温が所定温度To以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断することから、クラッチやブレーキなどの摩擦要素の劣化(摩擦係数μの変化)などを考慮する必要がなくなるため、あらゆるタイプの自動変速機に対して油の劣化状態だけを容易にかつ精度よく検出することができる。加えて上記実施形態によれば、自動変速機3が前回の変速時間に基づいて今回の油圧を補正して、変速時間を一定にするような制御、所謂、変速時間学習制御が規制されることがなくなり、例えば、全変速段にわたって変速時間学習を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた車両のパワートレーンを例示するシステム図である。
【図2】本発明にかかる油温状態の履歴としての劣化度合データを算出するためのメインフローチャートである。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ、重み係数を算出するためのマップ図である。
【図4】ATFの劣化状態を演算処理によって判定するためのフローチャートである。
【図5】本発明による自動変速機の油劣化検出装置を備えた他のパワートレーンを例示するシステム図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 ベルト式無段変速機(自動変速機)
3a 入力側プーリ
3b 出力側プーリ
3c ベルト
4 ドライブシャフト
5 ファイナルドライブギア装置
6 車輪
7 油温センサ
8 警告手段
9 自動変速機(有段式自動変速機)
9a 変速制御用クラッチ(ブレーキ)
9b 遊星歯車機構
10 制御装置
Claims (7)
- 自動変速機内の油の温度を検出する油温検出手段と、この手段によって検出された油温が所定温度以上の高油温となったときの油温状態の履歴に基づいて油の劣化状態を判断する油劣化判断手段とを備えることを特徴とする自動変速機の油劣化検出装置。
- 前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とする請求項1に記載の油劣化検出装置。
- 前記油劣化判断手段は、前記油温状態の履歴として、前記油温検出手段で検出した油温を所定時間毎に検出して平均化し、この平均値を重み係数で重み付けして積算し、この積算値が所定値以上となったときに油が劣化したと判断するものであることを特徴とする請求項1に記載の油劣化検出装置。
- 前記重み係数は、油温またはその平均値が高くなるほど大きな値となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の油劣化検出装置。
- 前記自動変速機は、変速比を無段階に変更することができる無段変速機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置。
- 前記自動変速機は、予め定められた複数の変速段を有する有段変速機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の油劣化検出装置。
- 前記油劣化判断手段で油の劣化を検出したとき、油の劣化を警告する警告手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の油劣化検出装置。
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