JP2000205406A - 自動変速機のatf劣化検出装置 - Google Patents

自動変速機のatf劣化検出装置

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JP2000205406A
JP2000205406A JP1278099A JP1278099A JP2000205406A JP 2000205406 A JP2000205406 A JP 2000205406A JP 1278099 A JP1278099 A JP 1278099A JP 1278099 A JP1278099 A JP 1278099A JP 2000205406 A JP2000205406 A JP 2000205406A
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atf
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deterioration
shift
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Takeshi Hirai
毅 平井
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易にATFの劣化を検出することができる自
動変速機のATF劣化検出装置を提供する。 【解決手段】エンジン1には自動変速機2が連結され、
マイコン7は自動変速機2の変速時間を計測するととも
に、自動変速機2の変速時間がATF初期状態での変速
時間に比べ所定範囲以上変化したか否か判定し、自動変
速機の変速時間がATF初期状態のものより所定範囲以
上変化するとATFが劣化したと判定する。ATFが劣
化したと判定すると、ATF交換指示ランプ25を点灯
するとともに、ライン油圧を高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車に搭載さ
れる自動変速機におけるATF(Automatic Transmissi
on Fluid)の劣化検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ATFはエンジンオイルと同じく、トラ
ンスミッション内の潤滑・冷却、およびトルクコンバー
タ内においては流体として使用されている。劣化を見る
方法として従来の技術はオイルゲージより先端に付着し
たATFの色を見て劣化を判断したり、ある一定期間、
一定距離をもって劣化していると判断し、交換してき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記技術では、
まずATFを目で確認することについては基準が曖昧で
本当に劣化しているかどうか一般の人には分からず、エ
ンジンオイルは確認するがATFまで確認する人は希で
ある。多くの場合は期間(車検時)や距離(4万キロぐ
らい)で交換する。これらは誰にでも分かりやすく、実
施しやすいが、車個々によってATF劣化状況が変わる
ことを考えると不都合な点が出てくる。例えば、頻繁に
変速を繰り返す場合はATFも劣化しやすく、その結
果、燃費の悪化や変速ショックの発生を招き、さらに悪
化するとトランスミッションを壊してしまう可能性があ
る。逆に、あまり車に乗らない場合や定常走行が多く変
速回数が少ない場合はATFの劣化も少なく、時期、距
離だけを目安で交換してしまうと、無駄な出費をするこ
とになり、環境面でも良くない。
【0004】そこで、この発明の目的は、容易にATF
の劣化を検出することができる自動変速機のATF劣化
検出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の自動変
速機のATF劣化検出装置によれば、変速時間計測手段
により自動変速機の変速時間が計測され、劣化検出手段
により、変速時間計測手段による自動変速機の変速時間
がATF初期状態での変速時間に比べ所定範囲以上変化
したか否か判定され、自動変速機の変速時間がATF初
期状態のものより所定範囲以上変化するとATFが劣化
したと判定される。
【0006】つまり、ATFは変速の繰り返しや使用期
間が過ぎると劣化して、ATFの粘性が高くなり変速時
間が長くなる。これを利用してATFの劣化が検出され
る。このようにして、容易にATFの劣化を検出するこ
とができる。
【0007】ここで、請求項2に記載の発明よれば、基
準となる新品の自動変速機における自動変速機の変速時
間に対する新品の自動変速機における変速時間計測手段
による自動変速機の変速時間の比が、自動変速機の個体
差として求められ、劣化検出に反映される。よって、自
動変速機の個体差を考慮して、精度の高いATF劣化検
出を行うことができる。
【0008】請求項3に記載の発明によれば、劣化検出
手段によりATFが劣化したと判定されると、警告手段
により警告がされる。よって、ATFの交換を促すとい
う点で好ましいものとなる。
【0009】請求項4に記載の発明によれば、劣化検出
手段によりATFが劣化したと判定されると、ライン油
圧変更手段によりライン油圧が高くされる。その結果、
変速速度が上昇し、フェイルセーフという点で好ましい
ものとなる。
【0010】ここで、請求項5に記載の発明によれば、
劣化検出手段によるATFの劣化検出後において、変速
時間計測手段による自動変速機の変速時間が所定の時間
よりも短いと、ATF交換が行われたとして、劣化検出
後の処理がリセットされ、実用上好ましいものとなる。
【0011】また、請求項6に記載の発明によれば、劣
化検出手段によるATFの劣化検出後において、変速時
間計測手段による自動変速機の変速時間がATF初期状
態での変速時間よりも短いと、ATF交換が行われたと
して、劣化検出後の処理がリセットされ、実用上好まし
いものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
の形態を図面に従って説明する。図1には、自動車に用
いられるエレクトリック・コントロール・トランスミッ
ション(ECT)の全体構成を示す。エンジン1の出力
軸に対し自動変速機2が連結されている。エンジン1に
は電子制御式燃料噴射装置が備えられている。自動変速
機2は、トルクコンバータを用いた流体式であり、4速
の遊星歯車式補助変速機と組み合わされている。この補
助変速機は遊星歯車列と、歯車列各要素の連結と固定を
行う摩擦要素と、摩擦要素の動作を運転状態に応じて制
御する変速制御機構から構成されている。変速制御機構
は、変速ソレノイドバルブ3,4およびマイクロコンピ
ュータ(以下、マイコンという)7を含むものであり、
マイコン7によるソレノイドバルブ3,4の駆動により
変速動作が行われる。また、本例の自動変速機2にはラ
イン油圧調整用リニアソレノイドバルブ5が設けられ、
同リニアソレノイドバルブ5をデューティ制御すること
によりライン油圧が調整できるようになっている。
【0013】マイコン7はCPU8とROM9とRAM
10とEPROM11を備えている。CPU8はROM
9に記憶されている制御プログラムに基づいて各種の演
算を行うとともにRAM10にデータを一時的に記憶保
持する。EPROM11にはATF劣化検出のための係
数βx (図2)等が記憶されている。EPROM11の
データは、車載バッテリが外されてもイグニッションス
イッチがオフ操作されてもその内容が保持される。マッ
プデータはROM9にある。
【0014】CPU8には入力回路12を介してトラン
スミッションインプット回転センサ13、クラッチ回転
数センサ6、車速センサ14、シフトレバースイッチ1
5が接続されている。そして、CPU8は、これらセン
サ及びスイッチからの信号を入力してインプット回転数
Ninput 、クラッチ回転数NCo 、車速SPD、シフト
レバー操作位置を検知する。また、CPU8には入力回
路16を介してイグニッションスイッチ17、ブレーキ
ランプスイッチ18、エアコンスイッチ19、アクセル
開度センサ20、ATF油温センサ21が接続されてい
る。そして、CPU8は、これらセンサ及びスイッチか
らの信号を入力して、イグニッションスイッチとブレー
キとエアコンスイッチの操作状態およびアクセル開度A
CCP、ATF油温THOを検知する。
【0015】また、CPU8には出力回路22を介して
変速ソレノイドバルブ3,4およびライン油圧調整用リ
ニアソレノイドバルブ5が接続され、CPU8は変速ソ
レノイドバルブ3,4を制御して変速を行わせるととも
にライン油圧調整用リニアソレノイドバルブ5をデュー
ティ制御してライン油圧を調整するようになっている。
さらに、CPU8には出力回路23を介してエアコンユ
ニット24およびATF交換指示ランプ(インジケー
タ)25が接続されている。CPU8はエアコンユニッ
ト24にカット信号を出力して空調動作を禁止するとと
もに、ATF交換指示ランプ25を制御する。ATF交
換指示ランプ25は車室内のインパネに設置されてい
る。
【0016】本実施形態における自動変速機2の変速時
間Tは次のようにして求められ、ATF劣化検出が行わ
れる。自動変速機2の変速時間Tは、1速から2速への
変速において、ATFの油温が一定範囲内(90〜10
0℃)で、かつ、アクセル開度が一定範囲内(30%未
満)の時に計測される。このとき、アクセル開度および
ATF油温に応じた自動変速機の変速時間Tとして計測
される。そして、計測した自動変速機の変速時間Tが、
ATF初期状態での変速時間に比べ所定範囲以上経過す
ると、ATFが劣化したと判定される。ここで、図3に
示すように、基準となる新品の自動変速機における変速
時間、即ち、ATF初期状態での変速時間a(単位;m
sec)がマップ化されている。図3のマップはROM
9にある。図3において、ATF初期状態での変速時間
(変速時間の初期値)aは、アクセル開度ACCP及び
ATF油温THOに応じたものとして用意されている。
詳しくは、アクセル開度ACCPが6分割され、ATF
油温THOが5分割され、この2つの要素にて区画され
た各領域にa値がそれぞれ用意されている。
【0017】さらに、図2に示すごとく、自動変速機の
個体差をなくすべく補正係数βがマップ化されている。
つまり、このβ値は、基準となる新品の自動変速機にお
ける変速時間(図3に示すマップ)に対する新品の自動
変速機における変速時間の比であり、自動変速機の個体
差を表すものである。図2のマップはEPROM11に
記憶されている。詳しくは、アクセル開度ACCPに応
じて(6分割された各領域に)β値がそれぞれ用意され
ている。
【0018】また、図4に示すごとく、ATF劣化検出
のために使用される変速時間の比較値(比較変速時間)
bがマップ化されている。図4のマップはROM9にあ
る。詳しくは、図3のマップと同様に、アクセル開度A
CCPが6分割され、ATF油温THOが5分割され、
この2つの要素にて区画された各領域にb値がそれぞれ
用意されている。
【0019】そして、図2,4を用いてATF劣化が検
出される。例えば、アクセル開度ACCPが13%で油
温が95℃であったならば、図2の係数がβ3 となり、
図4の比較変速時間がb33となり、実際に計測した変速
時間と、b33とβ3 との積(=b33・β3 )の比較によ
り劣化検出が行われる。つまり、図5に示すように、1
速から2速に変速する場合、ATFが初期状態(新品)
ならばクラッチ回転数NCo が特性線(I)のようにな
り、変速時間がT1となる。これに対し、ATFが劣化
すると、クラッチ回転数NCo が特性線(II) のように
なり、変速時間がT2と長くなる。このように、計測し
た変速時間が劣化の度合いを表す指標となり、所定値以
上遅れるとATFが劣化したと判定できる。
【0020】また、劣化判定後、ATF交換が行われた
かを判断する手段として、前述した例(ACCP=13
%、THO=95℃)において、図3のATF初期状態
での変速時間(初期値)がa33となり、実際に計測した
変速時間と、a33とβ3 との積(=a33・β3 )の比較
によりATFの交換が行われたか否か判定される。つま
り、図5の特性線(II) のようにATF劣化が検出され
るとライン油圧の上昇処理が行われて変速が速くされる
が、この状態でATFの交換が行われると、クラッチ回
転数NCo が特性線(III)のようになり、変速時間がT
3と短くなる。よって、ライン油圧上昇後のATF初期
状態においては変速時間T3が特性線(I)のATF初期
状態での変速時間T1よりも短くなる。このように、計
測した変速時間がATFの交換を表す指標となり、所定
値以上短くなるとATFが交換されたと判定できる。
【0021】次に、このように構成した自動変速機のA
TF劣化検出装置の作用を詳しく説明する。図6にはC
PU8が実行する変速制御を示す。この処理ルーチンは
一定周期で起動する。また、図7には、CPU8が実行
するライン圧制御を示す。この処理ルーチンは一定周期
で起動する。さらに、図8,9,10には、CPU8が
実行するATF劣化検出制御を示す。この処理ルーチン
は変速制御後に起動する。
【0022】また、図11には、作用説明のためのタイ
ムチャートを示す。図11において、上から、1速から
2速への変速制御開始タイミング(変速指令)、クラッ
チ回転数NCo の推移、計測中フラグの状態、タイマカ
ウンタのカウント値の変化、アクセル開度ACCPの推
移、ATF油温THOの推移、エアコン・カット信号の
出力状態、ATF交換指示ランプの作動状態、ライン圧
補正の有無を示す。
【0023】図6において、CPU8は、ステップ10
0でアクセル開度と車速によるシフトパターンマップを
用いてセンサ13,14によるアクセル開度ACCPと
車速SPDから変速か否か判定する。そして、変速であ
るならば、CPU8はステップ101で1速から2速へ
の変速か否か判断し、1速から2速への変速であると
(図11のt1のタイミング)、ステップ102で変速
実行フラグをオン(1)にする。その後、CPU8は、
ステップ103で一定時間が経過した後に変速ソレノイ
ドバルブ3,4に信号を出力して変速動作を行わせる。
【0024】図7において、CPU8は、ステップ20
0で目標ライン圧Pを算出する。具体的には、その時の
スロットル開度ACCPと車速SPDから目標ライン圧
Pを算出する。そして、CPU8は、ステップ201で
ATFの劣化によるライン圧の上昇指令があるか否か判
断し、ライン圧の上昇指令があったならばステップ20
2で、目標ライン圧Pに係数γを乗算してこの乗算値
(=P・γ)を新たな目標ライン圧Pとして更新する。
ただし、係数γは「1」よりも大きな値である。そし
て、ステップ201あるいは202の処理の後、CPU
8はステップ203でライン油圧調整用リニアソレノイ
ドバルブ5をデューティ制御する。つまり、前述の目標
ライン圧Pとするためのデューティ信号をライン油圧調
整用リニアソレノイドバルブ5に出力する。
【0025】図8において、CPU8は変速制御毎にス
テップ300でATF油温THOが90〜99℃の範囲
内であるか否か判定し、ATF油温THOが90〜99
℃であると、ステップ301で計測中フラグがオフ
(0)であることを確認した上でステップ302で1速
から2速への変速、即ち、変速実行フラグが「1」であ
ると、ステップ303に移行する。CPU8はステップ
303で時間計測カウンタをスタートさせるとともに、
計測中フラグをオン(1)し、エアコン・カット信号を
オン(出力)する。これが、図11のt11のタイミン
グでの処理である。このようにエアコンの動作を停止す
ることによりエアコン動作による車両の状態の変化が無
くなる。
【0026】そして、CPU8はステップ304でキャ
ンセル条件が成立せず変速時間の計測が続行できること
を確認する。具体的には、レンジが変化なく、アクセル
開度ACCPが30%未満で、ブレーキランプスイッチ
がオフで、時間計測カウンタがオーバフローする際の所
定値以下であると、ステップ305に移行する。なお、
時間計測カウンタが所定値以下であることのチェックは
リミッタ機能であり、タイマカウンタの故障対策として
設けられている。
【0027】CPU8はステップ305において変速時
間の計測中には図11に示すごとく平均アクセル開度A
CCPavと平均ATF油温THOavを算出する。一方、
CPU8はステップ304でキャンセル条件が成立した
り、ステップ300でATF油温THOが90〜99℃
の範囲から外れると、ステップ307で計測中フラグを
オフするとともにエアコン・カット信号をオフにする。
これにより、ATF劣化検出処理は途中終了となる。
【0028】また、CPU8はステップ304でキャン
セル条件が成立しなければ、ステップ305の処理を行
った後、ステップ306でクラッチ回転数NCo が2速
に対応する値NCo2(具体的には、ギヤ比×インプット
回転数Ninput )よりも小さくなったか否か判定し、ク
ラッチ回転数NCo が2速対応値NCo2よりも小さくな
ると(図11のt2のタイミング)、図9のステップ3
08に移行する。そして、CPU8はステップ308で
時間計測カウンタによるカウント値nを変速時間Tとし
て記憶するとともに(タイマカウンタはリセット)、計
測中フラグをオフ(0)にし、エアコン・カット信号の
出力を停止する。
【0029】さらに、CPU8はステップ309で新車
からの計測回数Mβx が所定値Mβxo以内か判定し、計
測回数Mβx が所定値Mβxo以内であるとステップ31
0に移行する。ここで、計測回数Mβx および所定値M
βxoは、x =1,2,…,6であり、図2の各アクセル
開度領域(つまり、β1〜β6)に対応するものであ
る。さらに、図2の各アクセル開度領域毎に異なるMβ
xo値が設定されており、使用頻度によってMβxoの値を
設定できる。Mβxoの値は「10」以上で、平均で「2
0」とする。また、各アクセル開度領域での計測回数M
β1 , …, Mβ6をカウントするためのカウンタがそれ
ぞれ用意されている。
【0030】CPU8はステップ310でMβx 値を
「1」インクリメントし、ステップ311で新車からの
計測回数Mβx が所定値Mβxoならば、ステップ312
で最新の10回の計測時間(計測した変速時間)Tの平
均値Tavを算出する。そして、CPU8はステップ31
3で図3におけるその時の平均アクセル開度ACCPav
と平均ATF油温THOavに該当する初期値aを読み出
し、平均計測値(平均変速時間)Tavを、初期値(基準
となるATF初期状態での変速時間)aで割り、係数β
x (=Tav/a)を算出する。CPU8はステップ31
4で係数βx を図2のマップの該当領域に書き込む。つ
まり、その時の平均アクセル開度ACCPavに対応する
領域に、算出した係数βx (=Tco・av/a)を書き込
む。
【0031】以後、係数βx が算出されるまで、Mβx
回数分のデータが記憶される。所定値Mβxo以上で全て
の係数βx が算出されると、図2のマップデータの作成
が終了する。
【0032】一方、CPU8は図9のステップ309で
計測回数Mβx が所定値Mβxoを越えると、図10のス
テップ315に移行する。CPU8はステップ315で
最新の5回の計測時間(計測した変速時間)の平均値T
avを算出する。つまり、今回の平均変速時間T1 と前回
の平均変速時間T2 と前々回の平均変速時間T3 とその
前の平均変速時間T4 とその前の平均変速時間T5 を加
算し、「5」で割る。そして、CPU8はステップ31
6において、図3のマップを用いて平均油温THOavと
平均アクセル開度ACCPavから該当する初期値aを算
出するとともに図4のマップを用いて平均油温THOav
と平均アクセル開度ACCPavから該当する比較値bを
算出し、さらに、図2のマップを用いて平均アクセル開
度ACCPavに応じたβx 値を算出する。
【0033】引き続き、CPU8は図10のステップ3
17においてa値とβx 値の乗算値(βx ・a)と、平
均変速時間Tavを比較するとともに、ステップ318に
おいてb値とβx 値の乗算値(βx ・b)と、平均変速
時間Tavを比較する。ステップ318の処理、即ち、T
av>βx ・bか否かの判定は、変速時間TavがATF初
期状態での変速時間に比べ所定範囲以上変化したか否か
の判定を行っていることになる。
【0034】そして、CPU8はTav>βx ・bなら
ば、ATF劣化であるとしてステップ319に移行す
る。つまり、図5のクラッチ回転数NCo が特性線(I
I) のようになりATF劣化であると判定する。
【0035】CPU8は図10のステップ319でイグ
ニッションスイッチのオフを挟んだ処理でATF劣化を
2回検出したか判定し、ATF劣化を2回検出すると、
ステップ320でATF交換指示ランプ25を点灯する
とともにライン油圧を高くする旨の指令を出す。このラ
イン油圧の上昇指令の送出を受けて図7のステップ20
1,202,203の処理によりライン油圧が高くされ
る。つまり、図11のt2のタイミングでのライン油圧
補正が行われるとともにATF交換指示ランプ25の点
灯が行われる。
【0036】ここで、本例での図10のステップ319
の処理、即ち、イグニッションスイッチのオフを挟んだ
処理でATF劣化を2回検出したら、ランプ点灯および
ライン油圧補正を実施するようにしたので、誤判定によ
るランプ点灯およびライン油圧補正を確実に回避するこ
とができる。
【0037】このようにしてATF劣化を検出すると、
ATF交換指示ランプ25が点灯して運転者に警告され
るとともに、ライン油圧が上昇して変速速度が上昇され
る。このように、ライン油圧の上昇にてフェイルセーフ
機能が働き、ATF交換まで信頼性が維持でき、発進時
のショックを回避できるとともに燃費の悪化を回避でき
る。よって、ライン油圧の調整にてカバーできる範囲な
らば、ATF劣化してもAT制御の信頼性(ドラビリ)
を維持することができる。
【0038】また、ATF交換指示ランプ25の点灯に
てATFが交換される。このとき、ライン油圧が補正
(上昇)されており、ATFの交換にて変速時間が更に
速くなる。つまり、図5のクラッチ回転数NCo が特性
線(III)のようになる。
【0039】その後、CPU8は図10のステップ31
7においてTav<βx ・aならば、ステップ321に移
行する。CPU8はステップ321において、ATF交
換指示ランプ25を消灯するとともにライン油圧を元に
戻す旨の指令を出す。このライン油圧の上昇指令の解除
を受けて図7のステップ202の処理、即ち、補正係数
γによる補正を行わず、ライン油圧が元に戻される。
【0040】なお、ATF交換に伴いライン油圧を元に
戻した後においては、図2での係数βは既に求められて
いるので、再度の算出は行わない。このように本実施形
態は、下記の特徴を有する。 (イ)変速時間計測手段および劣化検出手段としてのマ
イコン7(CPU8)は、図8のステップ300〜図1
0のステップ315の処理の実行により、自動変速機2
の変速時間Tavを計測して、ステップ318の処理にて
Tav>βx ・bか否か判定することにより変速時間Tav
がATF初期状態での変速時間に比べ所定範囲以上変化
したか否か判定し、変速時間がATF初期状態のものよ
り所定範囲以上変化するとATFが劣化したと判定す
る。つまり、ATFは変速の繰り返しや使用期間が過ぎ
ると劣化して、ATFの粘性が高くなり変速時間が長く
なるので、これを利用してATFの劣化が検出される。
このようにして、容易にATFの劣化を検出することが
できる。そして、このATF劣化検出により、発進時の
ショックや燃費の悪化を回避することが可能となる。 (ロ)マイコン7は、図9のステップ309〜314の
処理を行い、基準となる新品の自動変速機における変速
時間aに対する新品の自動変速機における変速時間Tav
の比βx を、自動変速機の個体差として求めておき、図
2のマップを用いて図10のステップ318の処理にて
劣化検出に反映する。よって、自動変速機の個体差を考
慮して、精度の高いATF劣化検出を行うことができ
る。 (ハ)マイコン7は、ATFが劣化したと判定すると、
図10のステップ321の処理にて、警告手段としての
ATF交換指示ランプ25を点灯して警告を行うように
したので、ATFの交換を促すという点で好ましい。こ
こで、ランプ25に代わり、ブザーや音声出力機器を警
告手段として用いてATF劣化を警告してATF交換を
促すようにしてもよい。 (ニ)同じく、ライン油圧変更手段としてのマイコン7
は、ATFが劣化したと判定すると、図10のステップ
321の処理にてライン油圧を高くするので、変速速度
が上昇し、フェイルセーフという点で好ましいものとな
る。 (ホ)このとき、マイコン7は、図10のステップ31
7,321の処理により、ATFの劣化検出後におい
て、変速時間Tavが所定の時間、即ち、ATF初期状態
での変速時間βx ・aよりも短いか否か判定して短い
と、ATF交換が行われたとして、ATF交換指示ラン
プ25の消灯およびライン油圧の上昇補正の解除を行い
劣化検出後の処理をリセットする。よって、システム全
体として、好ましいものとなる。
【0041】これまで説明してきたものの他にも、下記
のように実施してもよい。図9のステップ313,31
4においてβx 値を算出してマップに書き込む際に、そ
のβx 値の良否判定を行い、予め定めた値よりも大きく
なってしまう場合には、予め定めた値を書き込むように
してもよい。つまり、新車時にはATF初期状態にある
が、マイコン7を含めた車載用電子制御ユニット(EC
U)を交換した場合にはATFが新しいとは限らない。
そのため、ステップ308での測定時間Tが長くなり誤
ったβx 値をマップに書き込んでしまうおそれがある。
このことを考慮して、係数βx にガードをかけ、正しく
ATFの劣化検出が行われるようにする。
【0042】また、前述した実施形態においては1速→
2変への変速時にATF劣化検出を行うようにしたが、
次の変速点が近い場合には、多重変速になってしまい上
手く計測できない可能性がある。その場合は、1速→2
変への変速に限らず、2速→3速への変速、3速→4速
への変速などを計測すればよい。
【0043】また、上述した例では、図3,4のマップ
を用いてアクセル開度ACCP及びATF油温によりa
値およびb値を求めようにしたが、ATF劣化検出を行
うための条件としてATF油温の範囲を狭くし、アクセ
ル開度のみからa値およびb値を求めようにてしてもよ
い。
【0044】また、前述した例では、ATFの劣化検出
後において自動変速機の変速時間がATF初期状態での
変速時間よりも短いと、ATF交換が行われたとして劣
化検出後の処理をリセットするようにしたが、これ以外
にも、ATFの劣化検出時にライン油圧を高くした後に
おいて、ATF初期状態での変速時間よりも長いが、そ
れまでの変速時間よりも短くなった時にATF交換が行
われたとして劣化検出後の処理をリセットするようにし
てもよい。要は、ATFの劣化検出後において、自動変
速機の変速時間が所定の時間よりも短いと、ATF交換
が行われたとして、劣化検出後の処理をリセットするよ
うにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態における自動変速機のATF劣化検
出装置を示す図。
【図2】 新車時の係数保管用マップを示す図。
【図3】 ATF初期状態での変速時間マップを示す
図。
【図4】 ATF劣化検出のための比較値マップを示す
図。
【図5】 変速の際の回転数の変化を示す図。
【図6】 作用を説明するためのフローチャート。
【図7】 作用を説明するためのフローチャート。
【図8】 作用を説明するためのフローチャート。
【図9】 作用を説明するためのフローチャート。
【図10】 作用を説明するためのフローチャート。
【図11】 作用を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…自動変速機、7…マイコン、8…C
PU、25…ATF交換指示ランプ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速時間を計測する変速時
    間計測手段と、 前記変速時間計測手段による自動変速機の変速時間がA
    TF初期状態での変速時間に比べ所定範囲以上変化した
    か否か判定し、自動変速機の変速時間がATF初期状態
    のものより所定範囲以上変化するとATFが劣化したと
    判定する劣化検出手段と、を備えたことを特徴とする自
    動変速機のATF劣化検出装置。
  2. 【請求項2】 基準となる新品の自動変速機における自
    動変速機の変速時間に対する新品の自動変速機における
    変速時間計測手段による自動変速機の変速時間の比を、
    自動変速機の個体差として求めておき、劣化検出に反映
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動
    変速機のATF劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 劣化検出手段によりATFが劣化したと
    判定すると、警告を行う警告手段を備えたことを特徴と
    する請求項1に記載の自動変速機のATF劣化検出装
    置。
  4. 【請求項4】 劣化検出手段によりATFが劣化したと
    判定すると、ライン油圧を高くするライン油圧変更手段
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機
    のATF劣化検出装置。
  5. 【請求項5】 劣化検出手段によるATFの劣化検出後
    において、変速時間計測手段による自動変速機の変速時
    間が所定の時間よりも短いと、ATF交換が行われたと
    して、劣化検出後の処理をリセットする手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の自動変速機のATF劣
    化検出装置。
  6. 【請求項6】 劣化検出手段によるATFの劣化検出後
    において、変速時間計測手段による自動変速機の変速時
    間がATF初期状態での変速時間よりも短いと、ATF
    交換が行われたとして、劣化検出後の処理をリセットす
    る手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の自動
    変速機のATF劣化検出装置。
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