JP2004143232A - 発熱成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造プロセスの自由度が高く、また製造工程中での製造対象物のハンドリング性が良好な発熱成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】被酸化性金属粉末、繊維材料、水及び保水剤を含み且つ水の含有量が40〜75重量%である塗工液を支持体上に塗工して含水成形体を形成し、該含水成形体を所定の含水率まで脱水した後、脱水された該含水成形体を所定の含水率まで加熱乾燥させて中間成形体を得、然る後、該中間成形体に電解質水溶液を所定量付与して発熱成形体となす発熱成形体の製造方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中の酸素と被酸化性金属粉末との酸化反応に伴う発熱を利用した発熱成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
インキ状ないしクリーム状の発熱組成物が包材内に封入されている発熱体が知られている。この発熱組成物は、発熱物質、吸水性ポリマー、増粘剤、炭素成分、金属の塩化物及び水を必須成分とし、更に保水剤、pH調整剤及び界面活性剤等を含有している。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の発熱体の製造においては、発熱組成物中に、発熱に必要な成分である発熱物質、金属の塩化物及び水がすべて含まれているので、製造過程における発熱物質の酸化ロスを抑制するためには、該発熱組成物の調製から発熱体の外装袋への封入を連続して一気に行う必要がある。従って、製造プロセスに自由度が少なく、例えば製造した発熱組成物を一旦保管しておき、必要なときにこれを用いて発熱体を製造するといった製造方法を採用しにくい。また、発熱組成物を出来るだけ空気と遮断するための手当が必要であり、ハンドリング性が良好とは言えない。更に、得られた発熱体における発熱組成物はインキ状ないしクリーム状の性状なので、例えば使用中に該発熱組成物の偏りが生じ易く、均一な発熱が起こらない場合がある。その上、該発熱組成物は流動体であることから、所望の形状に成形することが容易でない。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−155827号公報
【0005】
従って、本発明は、製造プロセスの自由度が高く、また製造工程中での製造対象物のハンドリング性が良好な発熱成形体の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、所望の形状に成形でき、また使用中に発熱物質の偏り及びこれに起因する不均一な発熱が生じない発熱成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被酸化性金属粉末、繊維材料、水及び保水剤を含み且つ水の含有量が40〜75重量%である塗工液を支持体上に塗工して含水成形体を形成し、該含水成形体を所定の含水率まで脱水した後、脱水された該含水成形体を所定の含水率まで加熱乾燥させて中間成形体を得、然る後、該中間成形体に電解質水溶液を所定量付与して発熱成形体となす発熱成形体の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の製造方法の一実施形態は、(1)塗工液の調製工程、(2)塗工液の塗工工程、(3)塗工によって形成された含水成形体の脱水工程、(4)脱水された含水成形体の加熱乾燥させて中間成形体を得る工程、(5)中間成形体の加工工程、(6)加工された中間成形体への電解質水溶液の付与工程、及び(7)酸素遮断等の後工程に大別される。以下、それぞれの工程について説明する。
【0008】
(1)塗工液の調製工程
塗工液は、被酸化性金属粉末、繊維材料、水及び保水剤を含んでおり、水を媒体とする液である。塗工液における水の含有量は40〜75重量%である。つまり、塗工液は、湿式抄紙法に用いられるスラリーと異なり、流動性の低い液である。水の含有量が75重量%超の塗工液は、固形分の沈降が起こり易く、またその流動性が高くなるので、後述する支持体上に均一塗工することが容易でない。一方、水の含有量が40重量%未満の塗工液は、流動性が低くなり過ぎて、塗工の際の負荷が大きくなり、また均一塗工することが容易でない。
【0009】
塗工液は、前述した各成分を水に添加混合することで調製される。添加の順序に特に制限は無い。尚、塗工液の調製過程において被酸化性金属粉末の酸化反応が多少進行するが、塗工液中には酸化反応を持続させるための電解質が含まれていないので、酸化反応は直ちに停止し、それ以上の酸化反応は起こらない。
【0010】
塗工液に含まれる被酸化性金属粉末としては、従来この種の発熱体に通常用いられているものを特に制限無く用いることができる。例えば、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マンガン粉、マグネシウム粉、カルシウム粉等が挙げられ、これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。被酸化性金属粉末は、繊維材料への定着性や酸化反応のコントロールの点から、その粒径(以下、粒径というときには、粉末の形態における最大長さをいう。)が0.1〜300μmであることが好ましく、特に、粒径0.1〜150μmものを50重量%以上含有することが好ましい。塗工液中における被酸化性金属粉末の含有量は15〜50重量%、特に25〜35重量%であることが、得られる発熱成形体における酸化反応のコントロールの点から好ましい。
【0011】
繊維材料は、得られる発熱成形体において被酸化性金属粉末を保持するためのマトリックスとなるものである。繊維材料としては、木材パルプやコットン等の天然物、各種合成繊維、合成パルプなどを用いることができる。合成物を用いる場合には、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体などを用いることができる。合成繊維を用いる場合には、その太さが0.1〜100dtex、特に0.5〜50dtexであることが、発熱成形体の強度の確保や塗工液の塗工性の点から好ましい。同様の理由により、繊維材料はその長さ加重平均繊維長が0.1〜3.0mmであることが好ましい。塗工液中における繊維材料の含有量は1〜10重量%、特に2〜4重量%であることが、得られる発熱成形体の強度を確保する点から好ましい。
【0012】
保水剤は、得られる発熱成形体において水分保持剤として作用し、被酸化性金属粉末の酸化反応に寄与するものである。また保水剤は、酸素保持及び被酸化性金属粉末への酸素供給剤としても作用する。保水剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック及び黒鉛などの炭素材料、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ等が挙げられる。これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。保水剤は、被酸化性金属粉末との有効な接触状態を形成し易くなる点から、その粒径が0.1〜500μmであることが好ましく、特に、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有することが好ましい。塗工液中における保水剤の含有量は0.5〜5重量%、特に1〜2.5重量%であることが、被酸化性金属粉末が酸化反応に十分に寄与し得る点から好ましい。
【0013】
塗工液は、前述の成分に加えて更に増粘剤を含んでいることが好ましい。これによって、塗工液の流動性をコントロールし易くなり、均一な塗工が容易になる。また繊維材料によって形成されるマトリックスの形成が良好になり、得られる発熱成形体の機械的強度が高まると共に種々の形状の発熱成形体の製造が容易になる。更に、発熱成形体からの被酸化性金属粉末の脱落も防止される。
【0014】
増粘剤としては、含水状態においてそれ自身で保形性を有するものが好ましく用いられる。また、増粘剤としては、被酸化性粉末表面との親和性があまり高くないものを用いることが好ましい。この理由は、被酸化性粉末表面との親和性が高過ぎると、該表面が増粘剤で被覆されてしまい、被酸化性粉末の酸化反応が妨げられてしまうからである。これらの要求を満たす好ましい増粘剤の例としては、ベントナイト等の粘土鉱物、澱粉系吸水剤、シリカ、炭酸カルシウム、セルロース変性物(メチルセルロース等)などが挙げられ、特にベントナイト等の粘土鉱物を用いることが好ましい。
【0015】
塗工液中における増粘剤の含有量は、増粘剤の増粘効果にもよるが、0.1〜5重量%、特に0.5〜2.5重量%であることが、塗布時における塗工液の流動性が良好となる点から好ましい。
【0016】
塗工液には、更にpH調整剤、分散性を高める界面活性剤や消泡剤などを含有させてもよい。
【0017】
(2)塗工液の塗工工程
調製された塗工液は、支持体上に塗工され、これによって含水成形体が形成される。塗工方法としては公知の塗工方法を特に制限無く用いることができる。例えばロール塗布、ダイコーティング、スクリーン印刷、スプレー塗布、ロールグラビア、ナイフコーティング、カーテンコーターなどを用いることができる。特に、塗工液の流動安定性および塗布の簡易性の点から、ダイコーティングを用いることが好ましい。塗工液の塗工量は、目的とする発熱成形体の具体的用途等に応じて決定すれば良い。
【0018】
先に述べた通り、塗工液中には電解質が含まれていないので、塗工工程における被酸化性金属粉末の酸化は進行しない。従って、塗工工程において、被酸化性金属粉末を空気と遮断するための特別の手当は必要ない。
【0019】
塗工に際しては、支持体を所定方向に走行させておき、走行する該支持体上に塗工液を塗布することが生産性の点で好ましい。典型的には、巻回された長尺状の支持体を繰り出し、繰り出された該支持体をワイヤメッシュと共に搬送し、該支持体上に塗工液を塗布することが好ましい。支持体をワイヤメッシュと共に搬送するときには、サクションボックスを用い、ワイヤメッシュを介して支持体を吸引し、支持体をワイヤメッシュ上に固定する。塗工幅は支持体幅と同一又はそれよりも狭くする。塗工厚みは、目的とする発熱成形体の具体的用途などに応じて適宜調整することができる。また塗工液をパターン塗布することで、所望の形状の発熱成形体を得ることができる。
【0020】
支持体としては、通気性のもの及び非通気性のものの双方を用いることができ、目的とする発熱成形体の具体的用途などに応じて適宜適切なものを選定すればよい。支持体は、可撓性を有するシート材料の形態や、剛直な板状の形態であり得る。例えば、空気遮断用の外装袋として支持体を用いる場合には、非通気性のシート材料を用いることが好ましい。また、発熱成形体からの被酸化性粉末等の脱落を防止するための内装袋として支持体を用いる場合には、通気性のシート材料を用いることが好ましい。従って、通気性の支持体を用いる場合には、被酸化性粉末等の脱落を防止し得る程度に小さい目開きのものを用いることが好ましい。
【0021】
非通気性の支持体の例としては、各種合成樹脂のフィルムが挙げられる。このフィルムは酸素透過性の低いものであることが好ましい。通気性の支持体の例としては各種不織布、織布、編布、開孔フィルム、水不透過性で且つ水蒸気透過性のフィルムなどが挙げられ、特に不織布を用いることが、取り扱い性、経済性等の点から好ましい。
【0022】
(3)塗工によって形成された含水成形体の脱水工程
含水成形体は所定の脱水方法によって所定の含水率まで脱水される。脱水方法としては、例えば、支持体が通気性のシート材料からなり、該支持体がワイヤメッシュと共に搬送されている場合には、サクションボックスを用い、ワイヤメッシュ及び支持体を介して含水成形体を吸引し脱水すればよい。尚、この場合には塗工液の塗工による含水成形体の形成と、含水成形体の脱水とがほぼ同時に起こる。支持体が非通気性のものからなる場合には、含水成形体をプレス脱水すればよい。何れの場合においても脱水後の含水成形体の含水率を60%以下とすることが好ましい。
【0023】
脱水工程においても被酸化性金属粉末の酸化は進行しないので、先に述べた塗工工程と同様に、被酸化性金属粉末を空気と遮断するための特別の手当は必要ない。
【0024】
(4)脱水された含水成形体の加熱乾燥工程
脱水された含水成形体は、加熱乾燥装置によって所定の含水率まで加熱乾燥される。これによって中間成形体が形成される。加熱乾燥装置としては、熱風乾燥機、赤外線乾燥機、ヤンキードライヤなどを用いることができる。生産性の点からは、ヤンキードライヤを用いることが好ましい。
【0025】
含水成形体の加熱乾燥の程度は、含水率5重量%以下とすることができる。この含水率の値は絶乾とほぼ同様のレベルであり、この程度までに乾燥されて得られた中間成形体は保形性が高く、ハンドリング性が良好となる。従って、後述する加工工程を容易に行うことができるという利点がある。別法として、含水成形体を含水率10〜15重量%程度に加熱乾燥させて中間成形体を得ることもできる。この範囲の含水率の中間成形体は、絶乾の中間成形体に比べて保形性が若干低いが、乾燥時間を短縮できるという利点がある。何れの場合においても、得られた中間成形体には、被酸化性金属粉末の酸化反応を持続させるための電解質が含まれていないので、該中間成形体を空気中に放置しておいても被酸化性金属粉末の酸化は進行しない。従って、得られた中間成形体を一旦保管しておき、別途、後述する(5)以降の工程に付すことが容易である。つまり、製造プロセスに自由度が増すという利点がある。従来の発熱体の製造方法では、最終製品の外装袋への封入までを連続して一気に行う必要があり、製造プロセスの自由度が低かった。
【0026】
(5)中間成形体の加工工程
中間成形体には所定の加工が施される。例えば、得られた中間成形体が長尺状である場合には、これを所定の大きさで毎葉に裁断する。また所定形状に打ち抜いてもよい。これらの工程においては、支持体と中間成形体とを分離させてもよく、或いは中間成形体が支持体に付着した状態で加工を行ってもよい。中間成形体には電解質、即ち塩分が含まれていないので、裁断や打ち抜きに用いられる刃が腐食しづらいという利点がある。但し、中間成形体が絶乾に近い状態ではなく、10〜15重量%程度の水分を含んでいる場合には、刃の腐食が若干起こり易い傾向にある。
【0027】
(6)加工された中間成形体への電解質水溶液の付与工程
中間成形体には電解質水溶液が付与されて、中間成形体に所定量の電解質及び水が加えられ、目的とする発熱成形体が得られる。電解質は被酸化性金属粉末の酸化反応を持続させる目的で用いられる。水は、被酸化性金属粉末の酸化反応における反応物の一つである。
【0028】
電解質水溶液は、目的とする発熱成形体の含水率が20〜40重量%となるような量及び濃度で付与されることが、十分な発熱量が長時間持続する点から好ましい。同様の理由により、電解質水溶液は、発熱成形体における被酸化性金属粉末100重量部に対して電解質が2.4〜4.8重量部となるような量及び濃度で付与されることが好ましい。これらの目的を達成するために好ましい電解質水溶液の濃度及び付与量は、中間成形体の含水率に応じて適宜調整する。
【0029】
発熱成形体の発熱量や発熱持続時間は、発熱成形体の含水率や電解質の量に大きく影響する。従って、中間成形体に電解質水溶液を付与する工程はシビアにコントロールすることが好ましい。この観点から考えると、含水率10〜15重量%の中間成形体に電解質水溶液を付与するよりも、絶乾に近い状態の中間成形体に電解質水溶液を付与する方が、発熱成形体の含水率や電解質の量をシビアにコントロールできる。この理由は、絶乾に近い状態の中間成形体の組成は、塗工液の配合組成から容易に計算できるので、電解質水溶液の濃度及び付与量をほぼ正確に決定できるのに対して、含水率10〜15重量%の中間成形体の組成は含水率によって変動することから、中間成形体の含水率を監視しながら、その変動に応じて電解質水溶液の濃度及び付与量を決定しなければならないからである。
【0030】
電解質としては、従来この種の発熱体に用いられているものを特に制限無く用いることができる。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又は重金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、第1塩化鉄、第2塩化鉄等の各種塩化物が好ましく用いられる。
【0031】
電解質水溶液の付与方法としては、噴霧、ブラシによる塗布、ダイコーティング等が用いられ、付与量を正確に制御できる点から噴霧を用いることが好ましい。
【0032】
このようにして得られた発熱成形体においては、発熱成形体の重量に対する被酸化性金属粉末の割合が40〜90重量%であることが、発熱特性の点から好ましい。同様の理由から、発熱成形体の重量に対する電解質の割合は1.0〜4.0重量%、水の割合は5〜20重量%、保水剤の割合は5〜20重量%、増粘剤の割合は0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0033】
得られた発熱成形体がシート状である場合には、後加工が容易である点から、厚さが0.1〜20mm、特に0.2〜10mmであることが好ましい。また坪量は30〜5000g/m、特に50〜1000g/mであることが好ましい。
【0034】
得られた発熱成形体は良好な保形性を示し、使用中に被酸化性金属粉末に偏りが生じず、均一な発熱特性を示す。また、塗工液の塗工方法に応じて種々の形状の成形体となる。更に、繊維材料からマトリックスが形成されているので、或る程度の可撓性を示し、外力に対して変形可能であり、多少の曲げに対してであれば破損することはない。その上、被酸化性金属粉末の脱落も少なくなる。
【0035】
(7)後工程
得られた発熱成形体は、外装袋に封入され酸素遮断される。この場合、支持体が非通気性である場合には、この工程に至るまでの間、発熱成形体と支持体とを分離させないでおき、この工程において支持体を外装袋の一部又は全部として利用することができる。
【0036】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではない。例えば、前記の(5)中間成形体の加工工程を行わずに、得られた中間成形体に直ちに電解液水溶液を付与してもよい。また、中間成形体が得られた後、該中間成形体を一旦保管しておき、その後に該中間成形体に電解質水溶液を付与してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲は斯かる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り、以下の例中、「%」は「重量%」を示す。
【0038】
〔実施例1〕
以下の表1に示す配合組成の塗工液を調整した。
【0039】
【表1】
Figure 2004143232
【0040】
走行する長尺状のポリプロピレン製不織布(坪量13g/m)上に、エクストルージョンダイコータを用いて塗工液を連続塗工し含水成形体を形成した。塗工量は2000g/mであった。不織布はワイヤメッシュ上に配置されワイヤメッシュと共に搬送された。ワイヤメッシュにおける裏面にはサクションボックスが配置されており、不織布は、ワイヤメッシュを介して吸引されてワイヤメッシュ上に固定されていた。含水成形体の形成と同時に、サクションボックスによる吸引で含水成形体は脱水されて、その含水率が60%以下となった。含水成形体は支持体に支持された状態でヤンキードライヤに送られ加熱乾燥されて含水率2.5%の絶乾状態となった。これによって長尺状の中間成形体が得られた。中間成形体は、ロール状に巻回された。次いで、巻回された中間成形体を繰り出し、裁断装置によって毎葉に裁断した。裁断された中間成形体に、10%塩化ナトリウム水溶液を噴霧した。噴霧量は、中間成形体の重量に対して30%であった。このようにして、発熱成形体を得た。得られた発熱成形体における含水率は22.7%、鉄粉の割合は62.7%、合成パルプの割合は4.9%、保水剤の割合は3.7%、増粘剤の割合は3.7%であった。最後に、発熱成形体をポリプロピレン製の外装袋に封入して酸素を遮断した。
【0041】
得られた発熱成形体の発熱特性を測定したところ、安定した発熱特性を示すとともに、発熱温度も十分な温度に達することが確認された。
【0042】
〔比較例1〕
以下の表2に示す配合組成の塗工液を調整した。
【0043】
【表2】
Figure 2004143232
【0044】
走行する長尺状のポリプロピレン製不織布(坪量13g/m)上に、エクストルージョンダイコータを用いて塗工液を連続塗工し含水成形体を形成した。塗工量は2000g/mであった。不織布はワイヤメッシュ上に配置されワイヤメッシュと共に搬送された。ワイヤメッシュにおける裏面にはサクションボックスが配置されており、不織布は、ワイヤメッシュを介して吸引されてワイヤメッシュ上に固定されていた。含水成形体の形成と同時に、サクションボックスによる吸引で含水成形体は脱水されて、その含水率が60%以下となった。含水成形体は支持体に支持された状態でヤンキードライヤに送られ加熱乾燥されて含水率22.7%の発熱成形体が得られた。この発熱成形体を毎葉に裁断した。この間、塗工液の調製並びに含水成形体の脱水、加熱乾燥及び裁断工程において、鉄粉の酸化による発熱が観察された。得られた発熱成形体における含水率は10%、鉄粉の割合は62.7%、合成パルプの割合は4.9%、保水剤の割合は3.7%、増粘剤の割合は3.7%であった。最後に、発熱成形体をポリプロピレン製の外装袋に封入して酸素を遮断した。
【0045】
得られた発熱成形体の発熱特性を測定したところ、発熱せず温度の立上がりも確認できなかった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の発熱成形体の製造方法によれば、製造プロセスの自由度が高く、また製造工程中での製造対象物のハンドリング性が良好となる。
また本発明の発熱成形体の製造方法によれば、所望の形状に成形でき、また使用中に発熱物質の偏り及びこれに起因する不均一な発熱が生じない発熱成形体を容易に製造できる。

Claims (5)

  1. 被酸化性金属粉末、繊維材料、水及び保水剤を含み且つ水の含有量が40〜75重量%である塗工液を支持体上に塗工して含水成形体を形成し、該含水成形体を所定の含水率まで脱水した後、脱水された該含水成形体を所定の含水率まで加熱乾燥させて中間成形体を得、然る後、該中間成形体に電解質水溶液を所定量付与して発熱成形体となす発熱成形体の製造方法。
  2. 前記塗工液に更に増粘剤が含まれている請求項1記載の発熱成形体の製造方法。
  3. 脱水された前記含水成形体を含水率5重量%以下まで加熱乾燥させて前記中間成形体を得、然る後、該中間成形体に電解質水溶液を所定量付与して前記発熱成形体の含水率を20〜40重量%にする請求項1又は2記載の発熱成形体の製造方法。
  4. 前記繊維材料の長さ加重平均繊維長が0.1〜3.0mmである請求項1〜3の何れかに記載の発熱成形体の製造方法。
  5. 前記塗工液における前記被酸化性金属粉末の含有量が15〜50重量%、前記保水剤の含有量が0.5〜5重量%、前記繊維材料の含有量が1〜10重量%である請求項1〜4の何れかに記載の発熱成形体の製造方法。
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