JP2013208333A - 温熱具 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造性に優れ、かつ、発熱特性が良好である温熱具を提供すること。
【解決手段】温熱具は、被酸化性金属、炭素成分、水溶性高分子、及び水を含有する発熱層121Aと基材層121Cとが積層されてなるものである。そして、前記炭素成分は、吸水率が炭素成分の自重の160%以上、400%以下であり、且つ、平均粒子径が10μm〜400μmであり、当該基材層中の水の含有量と、当該温熱具中の被酸化性金属の含有量との質量比(水/金属)が0.05〜0.38である。
【選択図】図1
Description
たとえば、特許文献1には、発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とするインキ状ないしクリーム状の発熱組成物が開示されている。特許文献1には、この発熱組成物をシート状包材内に積層、封入されてなり、この包材の少なくとも一部が通気性を有するものであり、発熱組成物の水分の一部を前記シート状包材に吸収させてなることを特徴とする発熱体も開示されている。
これに加え、近年、発熱体の発熱性能を高めることも求められている。
被酸化性金属、炭素成分、分子量100万以上の水溶性高分子、及び水を含有する発熱層と、基材層とが積層されてなる温熱具であって、
前記炭素成分は、吸水率が前記炭素成分の自重の160%以上、400%以下であり、且つ、平均粒子径が10〜400μmであり、
当該基材層中の水の含有量と、当該温熱具中の被酸化性金属の含有量との質量比(水/被酸化性金属)が0.05〜0.38である温熱具が提供される。
図1から図4を参照して、本実施形態の温熱具100について説明する。
温熱具100は、図1に示す発熱体120を有する。発熱体120は、発熱部121と、発熱部121を内包する第1袋体122とを備える。発熱部121は、発熱層121Aと、基材層121Cとを備える。
被酸化性金属、炭素成分、分子量100万以上水溶性高分子、及び水を含有する発熱層121Aと、基材層121Cとが積層されてなるものである。そして、
前記炭素成分は、吸水率が前記炭素成分の自重の160%以上、400%以下であり、且つ、平均粒子径が10〜400μmであり、
当該基材層121C中の水の含有量と、当該温熱具中の被酸化性金属の含有量との質量比(水/被酸化性金属)が0.05〜0.38である。
吸水率を炭素成分の自重の160%以上とすることで、発熱に必要な水分を発熱層に十分に供給しやすくなり、発熱温度を向上させることができる。
一方で、吸水率を炭素成分の自重の400%以下、好ましくは300%以下とすることで、炭素成分等を良好に分散させるために必要な水量を抑えることができつつ、発熱組成物が適度な粘度となるため良好な塗工性を示し、且つ、最高温度を適度にしつつ昇温時間を短くすることが可能である。
なかでも、最高温度を適度にしつつ昇温時間を短くする点で炭素成分の含有量に対する発熱層121A中の水の含有量の質量比(水/炭素成分)は、1.5〜3であることが好ましい。
他の水溶性高分子にはアルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、アラビアガム、カラギーナン、寒天、などの多糖類系水溶性高分子;デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系水溶性高分子;酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系水溶性高分子、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子;ステアリン酸塩などの金属石鹸系水溶性高分子等から選ばれた1種又は2種以上の混合物を併用することができる。
ただし、発熱性能の観点からは、分子量100万以上の水溶性高分子以外の他の水溶性高分子は被酸化性金属100質量部に対しては、0.5質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以下であることがさらに好ましく、中でも分子量100万以上の水溶性高分子以外の他の水溶性高分子を含まないことが好ましい。
発熱層の水分率(R)は次式で表される。
R(質量%)=(P−Q)/P×100。
発熱組成物の比率より算出される固形分(水を除く組成比の合計値を全組成比の合計値で除した値)をXとし、塗工量をYとすると、発熱層中の水分量Zは次式で表される。
Z(g)=(R×X×Y/100)/(1−R/100)
反応促進剤としては、被酸化性金属の酸化反応を持続させる目的で用いられる。また、反応促進剤を用いることにより、酸化反応に伴い被酸化性金属に形成される酸化被膜を破壊して、酸化反応を促進することができる。反応促進剤には、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の硫酸塩、及び塩化物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、第1塩化鉄、第2塩化鉄等の各種塩化物、及び硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
このようにすることで、発熱層121Aでの発熱と、温熱具100全体の水分の温めに使用される熱と、単位時間あたりの蒸気発生量とのバランスとを最適なものとすることができ、発熱層121Aで発熱が行なわれることで、発熱層121A中の水分と、基材層121C中の水分とが蒸気となり、温熱具100の外部に放出される。
なお、温熱具100中の水の分配状態(発熱層の水分量/基材層中の水分量)が、好ましくは40〜120、更に好ましくは50〜100であることがより、最高温度を適度に高い温熱具100とすることができ、好ましい。
なかでも基材層121Cとしては、前述した繊維で構成される繊維材料と、吸水性のポリマーとを含むものが好ましい。
図5中では、成分(a)繊維材料、及び、成分(b)吸水性ポリマーを含むものを基材層121Cとした例が示されている。基材層121Cに成分(b)を含む場合、基材層121Cの形態は、(i)成分(a)及び成分(b)が均一に混合した状態の1枚のシートとしたもの、(ii)成分(a)を含む同一の又は異なるシート間に、成分(b)が配置されたもの、(iii)成分(b)を散布してシート状としたものを例示することができる。中でも、発熱層121Aの含水量のコントロールを容易に行うことができるため、好ましいものは、(ii)の形態のものである。なお、(ii)の形態の基材層121Cは、具体的には、例えば、成分(a)を含むシート上に成分(b)吸水性ポリマーを均一に散布し、その上から200g/m2の量の水を噴霧した後、更にその上に成分(a)を含む同一の又は異なるシートを積層し、100±0.5℃、5kg/cm2の圧力にてプレス乾燥して含水率が5質量%以下になるまで乾燥して製造することが可能である。
第1袋体122は、第1袋体第1シート122Aと第1袋体第2シート122Bとを含んで構成されており、これらの第1袋体第1シート122A、第1袋体第2シート122Bの周縁部を好ましくは密閉接合することで第1袋体122が構成されている。第1袋体第1シート122A、第1袋体第2シート122Bの周縁部以外の領域は非接合領域であり、非接合領域内に発熱部121が配置される。
このような通気度を有する第1袋体第1シート122Aとしては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等の微粉末を含有させてフィルム成型したものを延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及び、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第1袋体第1シート122Aの風合いを高めてもよい。第1袋体第1シート122Aは、その一部又は全部が通気性を有する通気性シートであるとよいが、第2シート122Bよりも通気性の高いシート(即ち通気度の低いシート)であることが好ましい。
温熱具100は、被酸化性金属の酸化反応によって発熱して十分な温熱効果を付与するものであり、JIS規格S4100に準拠した測定において、発熱温度40〜70℃の性能を有することができる。温熱具100は、本実施形態では、水蒸気の発生を伴う蒸気発熱具である。温熱具100は、本実施形態では、いわゆるアイマスクタイプのものであり、ヒトの目及びその周囲に当接させて、所定温度に加熱された水蒸気(以下、「蒸気温熱」とも言う。)を目及びその周囲に付与するために用いられるものである。
本体部101は、長手方向Xとこれに直交する幅方向Yを有する横長の形状をしている。本体部101は略長円形をしている。耳掛け部102は一対で用いられ、各耳掛け部102は本体部101の長手方向(X方向)の各端部にそれぞれ取り付けられている。温熱具100は、各耳掛け部102を着用者の耳に掛けて、本体部101を着用者の両目を覆うように装着される。この着用状態下、温熱具100から発生した蒸気温熱が着用者の目に施され、目の疲れや充血、眼精疲労が緩和され、またリラックス感が得られる。更に入眠感も誘発される。
なお、蒸気を放出するとともに発熱層121Aに酸素を供給するという観点から第2袋体第1シート110Aの通気度は、6,000秒/100ml以下であり、1,000秒/100ml以下であることがより好ましい。発熱部121から蒸発した水蒸気は、第1袋体の第1シート122A、及び第2袋体第1シート110Aを通過して、肌に到達する。
たとえば、前記実施形態では、温熱具として、着用者の目に当接させて使用するアイマスク型のものを例示したが、これに限られるものではない。
たとえば、温熱具は、着用者の肩、膝、肘等に当接させて使用するものであってもよい。この場合には、耳掛け部102にかえて粘着剤等の固定手段を設けることが好ましい。
(実施例)
〔発熱組成物の調製〕
まずはじめに、表1で示す実施例1〜8及び表2で示す比較例1〜4の組成にてスラリー状の発熱組成物を調整した。
なお、被酸化性金属、炭素成分、水、反応促進剤、及び水溶性高分子の種類、製品名及び製造元は以下のとおりである。
被酸化性金属:鉄粉(鉄粉RKH、平均粒径45μm、DOWA IP クリエイション(株)製)
炭素成分:
・DO−2(日本エンバイロケミカルズ(株)製)
・CB(フタムラ化学(株)製)
・KR(フタムラ化学(株)製)
・活性炭素破砕状I(和光純薬工業(株)製)平均粒径60μm
・活性炭素破砕状II(和光純薬工業(株)製)平均粒径175μm
・粒状白鷺WH−2c(日本エンバイロケミカルズ(株)製)
・カルボラフィン(日本エンバイロケミカルズ(株)製)
水:水道水
反応促進剤:塩化ナトリウム(局方塩化ナトリウム、大塚化学(株)製)
水溶性高分子:
・キサンタンガム(エコーガムBT、DSP五協フード&ケミカル(株)製)平均分子量200万
・グアーガム:(太陽化学製)平均分子量20〜30万
・ヒドロキシメチルプロピルセルロース:(信越化学製)平均分子量1〜20万
なお、水溶性高分子の平均分子量は重量平均分子量であり、ゲルパーメーションクロマトグラフィーにより計測されたものである。
得られた実施例1〜8及び比較例1〜4の発熱組成物をそれぞれ25cm2(5cm×5cm)の基材層121C上に上記発熱組成物を、温熱具1個あたり塗布量2.0g(鉄粉量として25cm2あたり1.09〜1.33g)にて塗布し、発熱部121を得た。塗布方法はダイコーティング法を用いた。
なお、基材層121Cとして、木材パルプ製の紙(20g/m2、伊野紙(株)製)と吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、球状、平均粒子径300μm、30g/m250g/m2、アクアリックCA、(株)日本触媒製)と木材パルプ製の紙(30g/m2、伊野紙(株)製)を積層して一体化したポリマーシートを使用した。
〔温熱具の製造〕
得られた発熱部全体を第1袋体で被覆し発熱体を作成した。具体的には、通気性を有する6.5cm×6.5cmの第1袋体[肌側に第1袋体第1シート(通気度2,500秒/ml、坪量50g/m2、TSF−EU、(株)興人社製)、肌と反対側に第1袋体第2シート(非通気性、坪量40g/m2、ポリエチレン100%)]に実施例1〜8、比較例1〜4の発熱部をそれぞれ入れて、周縁部を密閉シールした。このとき、基材層側が、第1袋体第1シート側に位置するように、発熱部を第1袋体中に配置した。
得られた発熱体を、第2袋体7.5cm×7.5cm[肌側に第2袋体第1シート(エアスルー不織布、ポロプロピレン100%、繊維径1dtex、通気度1秒/100ml、坪量30g/m2)、肌と反対側に第2袋体第2シート(ニードルパンチ不織布PP製、繊維径2.2dtex、通気度1秒/100ml、坪量80g/m2)]の中に入れて、周縁部を密閉シールしたものを温熱具とした(図1参照)。温熱具は、後述する評価を実施するまで、酸素遮断袋に入れた。
実施例1〜8及び比較例1〜4の温熱具について、以下のように評価した。評価結果は、表1及び表2に示した。
以下、1.安定性、2.塗工性、3.粘度、4.発熱層の水分率、5.発熱層の水分量、6.基材層の水分量、7.炭素成分の吸水率、8.炭素成分の平均粒子径、9.被酸化性金属の平均粒子径、10.発熱特性、および11.10分間の蒸気量について測定方法を記述する。
1.安定性
安定性は、発熱組成物を200mlビーカー内でTOKI SANGYO製(VISCOMETER B型粘度計)で、#4のローターを用い、回転数200rpmで20分攪拌、30分静置後に目視確認し、分離、沈降しているかどうかで判断した。分離、沈降したものを不良とし、分離、沈降していないものを良好とした。実施例1〜8については、安定性に優れたものであった。
2.塗工性
塗工性は、ダイコーティングでむらなくぬれているかどうかで判定した。表1に示すように、実施例1〜8については、塗工性はいずれも良好であった。
3.粘度
粘度は、以下のようにして計測した。
TOKI SANGYO製(VISCOMETER BH型粘度計)で、#4あるいは#3のローターを用い、回転数6rpmとし、100mlトールビーカーを用いて測定温度20℃で1分後の測定値を粘度とした。表1に示すように、実施例1〜8については、発熱組成物の粘度は、14,200mPa・s〜25,000mPa・sであった。
4.発熱層の水分率R(%)
発熱層121A中の水分率は次のように求められる。基材層121Cに塗布された発熱層121A全体を、薬さじで1〜2gかきとって回収し、質量を計測する(質量P)。その後、窒素気流下でKett水分計(FD−240)を用いて120℃15分間乾燥して再度質量を計測する(質量Q)。発熱層の水分率Rは次式で表される。
R(%)=(P−Q)/P×100。
5.発熱層の水分量C(g)
発熱組成物の比率より算出される固形分(水を除く組成比の合計値を全組成比の合計値で除した値)をXとし、塗工量をY(g)とすると、発熱層中の水分量Zは次式で表される。
Z(g)=(R×X×Y/100)/(1−R/100)
6.基材層の水分量D(g)
基材層121Cに含まれる水分量Dは、塗工量をY(g)とすると、発熱組成物の配合比率より次式で表される。
D(g)=Y×(1−X)−Z
7.炭素成分の吸水率(%)
炭素成分の吸水率は、以下のようにして計測した。
まず、濾紙を敷いた5.0mLのベローズピペットの先端を水中に2分間浸し、濾紙に完全に吸水させる。炭素成分を濾紙上に測り取り(質量a)、再びスポイトの先端を水中に浸す。毛管現象により炭素成分の吸水量が飽和に達した時点の質量(質量b)を測定する。炭素成分の最大吸水率は{(質量b−質量a)/(質量a)}×100と表される。なお、炭素成分の吸水量が飽和に達した時点とは、質量bが変動しなくなったときの状態をいう。
8.炭素成分の平均粒子径
炭素成分の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した。炭素成分を水中で分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(SHIMADZU製、SALD−300)により、炭素成分の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定した。
9.鉄粉の平均粒子径
鉄粉の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した。鉄粉成分を水中で分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(SHIMADZU製、SALD−300)により、鉄粉成分の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定した。
10.発熱特性の評価(昇温時間、最高温度)
JIS S4100に準拠した測定機を用いて、温熱具100の肌面側を外側にし、肌側の面と反対側の面に温度センサーを設置して固定した。固定には、メッシュ材(ポリエステル製、厚み8ミリのダブルラッセル生地)を使用した。開封後、10秒間隔で温度を測定して40分間測定を行い、その最高温度を比較した。具体的には、温度の立ち上がり(35℃からスタートし、発熱温度が45℃に到達した時間(分))、酸素遮断袋から開封後の最高温度(℃)について評価した。
11.15分間の蒸気量
水蒸気の発生の持続時間は、図7に示す装置30を用いて次のように測定した。図7に示す装置30は、アルミニウム製の測定室(容積2.1L)31と、測定室31の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路32と、測定室31の上部から空気を流出させる流出路33とを備えている。流入路32には、入口温湿度計34と入口流量計35とが取り付けられている。一方、流出路33には、出口温湿度計36と出口流量計37とが取り付けられている。測定室31内には温度計(サーミスタ)38が取り付けられている。温度計38としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用した。測定環境温度30℃(30±1℃)において温熱具を包装材から取り出し、その水蒸気放出面を上にして測定室31に載置する。金属球(4.5g)をつけた温度計38をその上に載せる。この状態で測定室31の下部から除湿空気を流す。入口温湿度計34と出口温湿度計36で計測される温度及び湿度から測定室31に空気が流入する前後の絶対湿度の差を求める。さらに入口流量計35と出口流量計37で計測される流量から温熱具が放出した水蒸気量を算出する。この装置の詳細は、本出願人の先の出願に係る特開2004−73688号公報に記載されている。
さらに、炭素成分の吸水率が300%以下である炭素成分を使用した実施例1〜7では、発熱組成物の粘度が低く、塗工性が非常に良好であり、最高温度も適度にすることができた。以上の点を鑑みると、実施例1〜8のなかでも、分子量100万以上の水溶性高分子を使用し、吸水率が300%以下であり、平均粒径が100μm以下、特に30μm以下の炭素成分を使用した場合、発熱特性と発熱組成物の粘度とのバランスが非常に良好なものとなるうえ、発熱組成物の安定性も良好となることがわかる。
これに対し、比較例1〜3では、発熱組成物が分離し、塗工性がわるかった。比較例4では、吸水率の低い炭素成分を使用したため、発熱組成物が分離し、塗工性がわるかった。
31 測定室
32 流入路
33 流出路
34 入口温湿度計
35 入口流量計
36 出口温湿度計
37 出口流量計
38 温度計
100 温熱具
101 本体部
102 耳掛け部
104 孔
110 第2袋体
110A 第2袋体第1シート
110B 第2袋体第2シート
113A ノッチ部
113B ノッチ部
120 発熱体
121 発熱部
121A 発熱層
121C 基材層
122 第1袋体
122A 第1袋体第1シート
122B 第1袋体第2シート
301 塗工槽
302 発熱組成物
303 攪拌器
304 ポンプ
305 ダイヘッド
Claims (5)
- 被酸化性金属、炭素成分、分子量100万以上の水溶性高分子、及び水を含有する発熱層と、基材層とが積層されてなる温熱具であって、
前記炭素成分は、吸水率が前記炭素成分の自重の160%以上、400%以下であり、且つ、平均粒子径が10〜400μmであり、
当該基材層中の水の含有量と、当該温熱具中の被酸化性金属の含有量との質量比(水/金属)が0.05〜0.38である温熱具。 - 炭素成分の含有量に対する発熱層中の水の含有量の質量比(水/炭素成分)が、0.8〜4である請求項1記載の温熱具。
- 温熱具中の水の含有量が被酸化性金属100質量部に対し、35〜55質量部であり、前記発熱層中の水分率が22%質量以下である請求項1又は2記載の温熱具。
- 温熱具中の水の含有量と、当該温熱具中の分子量100万以上の水溶性高分子の含有量との質量比(水/高分子)が60〜500である請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱具。
- 前記水溶性高分子は、キサンタンガムである請求項1〜4の何れか1項に記載の温熱具。
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