JP2004142586A - スタビライザブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】スタビライザバーとスタビライザブッシュとの間でのすべりの発生を抑え、それに伴う異音の発生を確実に防止することができるスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】スタビライザブッシュ10は、長尺板状の第1板金具11と、長手方向両端にて第1板金具の長手方向両端側に重ね合され第1板金具との間に幅方向に延びた空間部Kを形成する第2板金具15と、第1及び第2板金具の空間部に面した内側面にそれぞれゴム加硫成形されて空間部に延びた第1及び第2ゴム部22,25からなるゴム弾性体部21とを設けている。ゴム弾性体部は、空間部の中心位置にて第1及び第2ゴム部を貫通した軸穴21aを有し、軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリット23,27,28を有し、その径方向長さが第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上である。
【選択図】 図1
【解決手段】スタビライザブッシュ10は、長尺板状の第1板金具11と、長手方向両端にて第1板金具の長手方向両端側に重ね合され第1板金具との間に幅方向に延びた空間部Kを形成する第2板金具15と、第1及び第2板金具の空間部に面した内側面にそれぞれゴム加硫成形されて空間部に延びた第1及び第2ゴム部22,25からなるゴム弾性体部21とを設けている。ゴム弾性体部は、空間部の中心位置にて第1及び第2ゴム部を貫通した軸穴21aを有し、軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリット23,27,28を有し、その径方向長さが第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定される筒状のゴム弾性体部と、ゴム弾性体部の外周側に装着されたブラケットとを有し、ブラケットにより下側から車体側部材に対して固定されて、スタビライザバーを車両上下方向に弾性支持するスタビライザブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスタビライザブッシュは、スタビライザバーに接着されることなく、筒状のゴム弾性体部にブラケットで締め付けて予圧縮を与えることによりスタビライザバーに緊密に固定されている(例えば特許文献1参照)。しかし、このスタビライザブッシュは、空間部を有しないゴム弾性体のみからなるために、ブラケットの締付けによる予圧縮が不十分であった。そのため、例えばスタビライザバーとスタビライザブッシュ間に水が侵入したときや、気温が−30℃程度のような非常な低温に下がったようなとき、スタビライザバーとスタビライザブッシュとの間ですべり(スティックスリップ)が起こり、そのために異音を発生するという問題があった。
【0003】
これに対して、他のスタビライザブッシュは、ゴム弾性体部の軸穴内周面全体に、摺動性の良好な例えばポリテトラフロロエチレン繊維等で編んだ円筒形の摺動層とその外周側に重ね合せたポリエステル繊維で編んだ補強層とからなる筒状のライナーを一体で設けている(例えば特許文献2参照)。このライナーを設けることにより、スタビライザブッシュの摩擦係数を低下させ、ライナーをスタビライザバーに対して円滑に滑らせることにより、スタビライザブッシュにおける異音の発生が抑えられていた。しかし、このようなライナーを用いた場合、ライナーの摺動性が良好な場合は良いが、ライナーの材質の経時変化等によってライナーの摺動性が低下することにより、上記異音が発生するおそれがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−91474号公報(第2頁、図4、図5)
【特許文献2】
特開平4−316728号公報(第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、スタビライザバーをゴム弾性体部の軸穴に嵌合することにより、ゴム弾性体部に大きな予圧縮を与えると共に捩り方向のばね定数を柔かくして、スタビライザバーの軸穴におけるすべりを抑え、それに伴う異音の発生を確実に防止することができるスタビライザブッシュを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、長尺板状の第1板金具と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部と、一対の取付板部に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部とを設けており、一対の取付板部にて第1板金具の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部により第1板金具との間に幅方向に延びた空間部を形成する第2板金具と、第1板金具及び第2板金具の空間部に面した内側面にそれぞれ直接ゴム加硫成形されて空間部に延びた第1ゴム部及び第2ゴム部からなり、空間部の略中心位置にて第1ゴム部と第2ゴム部に囲まれると共に幅方向に延びる軸穴を有し、軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを有するゴム弾性体部とを備え、ゴム弾性体部を介した第1板金具及び第2板金具による締め付けにより、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定された状態で、スリットが隙間を有していることにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明においては、第1板金具及び第2板金具の内側面に形成されたゴム弾性体部が、その軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを設けている。そのため、第1及び第2板金具により第1及び第2ゴム部を介して締め付けられて、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで吸収される。その結果、請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度を高めることができる。さらに、スリットは、軸穴にスタビライザバーが嵌合された状態で隙間を有しているため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、請求項1の発明によれば、スタビライザバーからの捩れ入力に対して、ゴム弾性体部が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが適切に防止される。
【0008】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のスタビライザブッシュにおいて、スリットが周方向に略等間隔に配置されると共に、第1ゴム部及び第2ゴム部の少なくとも一方には設けられており、さらにスリットの径方向長さが第1ゴム部及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上であることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項2の発明においては、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、ゴム弾性体部の径方向及び周方向のばね定数が均一にされ、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。また、スリットの径方向長さが第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上にされているため、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで一層確実に吸収される。また、スリットを長くしたことにより、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数がさらに柔かくされる。
【0010】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置にも、スリットを設けたことにある。このように第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、第1及び第2ゴム部でスタビライザバーを挟んで第1及び第2板金具で締め付けてスタビライザブッシュを固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、このスリットによってゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさが確保される。
【0011】
また、上記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体部に、スリットの間にて軸穴に沿って延びる貫通孔であるすぐり部を設けたことにある。このようにゴム弾性体部にすぐり部を設けたことにより、スリットと同様に、ゴム弾性体部の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができる。また、すぐり部により、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる。
【0012】
また、上記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具のいずれか一方の長手方向両端に係合孔を設けると共に、第1板金具及び第2板金具の他方の長手方向両端に係合孔に係止される係止片を設けたことにある。これにより、第1板金具側と第2板金具側とでスタビラーザーバーを挟持した状態で、いずれか一方の板金具の長手方向両端に設けた係合孔に、他方の板金具の長手方向両端に設けた係止片を係止させることにより、別個の取付部材等を用いることなく、第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われる。
【0013】
また、上記請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から5のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具の空間部を囲む部分の形状が略正三角形にされていることにある。このように、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーからの振動入力が三角形の3辺によって略対称にバランスよく受けとめられる。そのため、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。
【0014】
また、上記請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から6のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第2板金具が、長手方向中間で分離可能に固定された第1板部と第2板部とに分けられており、さらに第2ゴム部がそれぞれ第1板部と第2板部に加硫成形された第1小部分と第2小部分に分離されていることにある。このように第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、第1実施形態である自動車のサスペンション装置に設けたスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ10を軸直角断面図及び軸線位置での断面図により示したものである。スタビライザブッシュ10は、長尺板状で略平坦な第1板金具11と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部16と、一対の取付板部16に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部17とを設けており、一対の取付板部16にて第1板金具11の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部17により第1板金具11との間に幅方向に延びた空間部Kを形成する第2板金具15と、第1及び第2板金具11,15の内側面にそれぞれゴム加硫成形されて空間部Kに延びると共に空間部Kの中心位置に軸穴21aを有し、軸穴21aの周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を有するゴム弾性体部21とを備えている。
【0016】
第1板金具11は、図3に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の平板部12と、両平板部12の間にて平板部12から一表面側にわずかに突出した中間部13とを有している。中間部13は、長手方向両端にて平板部12に対して垂直に突出しており、突出面の平板部12側が長手方向内方に向けて平坦にかつわずかに延びた平坦部13aになっており、さらに両平坦部13aの間が平板部12側に円弧状にわずかに凹んだ凹部13bとになっている。平板部12の長手方向両端には、係止片14が取り付けられている。係止片14は、幅が平板部12及び中間部13の略1/3程度であり、長手方向にわずかに突出する水平片14aと、水平片14aの突出端にて中間部13の突出方向に垂直に折り曲げられてわずかに突出した垂直片14bとを有している。また、平板部12は、係止片14との境界近傍位置に、取付孔12aを設けている。
【0017】
凹部13bの第2板金具15と対向する内壁面には、後述する第2ゴム部25と共にゴム弾性体部21を構成する第1ゴム部22が、長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部22は、長手方向両側面が平板部12に対して略垂直に立ち上がっており、その上側で正面視で頂角が略45°の3つの略二等辺三角形状の山形部22a,22b,22cが頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面が略135°をなしている。各山形部22a,22b,22cの間は、それぞれ線状のスリット23になっており、凹部13bの内壁面近傍位置まで延びている。各山形部22a,22b,22cの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0018】
第2板金具15は、図4に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して曲げ形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の取付板部16と、両取付板部16の間にて略正三角形山形に形成された中間山部17とを有している。中間山部17は、三角形の辺より外側にわずかに円弧状に膨出しており、頂部も円弧状に丸められている。取付板部16の長手方向両端近傍位置には、一対の取付孔16aが第1板金具11の取付孔12aとの対応位置に設けられている。さらに、両取付板部16の長手方向外端と取付孔16aとの間には、それぞれ幅方向に延びた細長い係合孔18が設けられている。第1板金具11の係止片14が、係合孔18に挿入されさらに垂直片14bが長手方向端部側に折り曲げられることにより、係合孔18に係止されるようになっている。
【0019】
中間山部17の内壁面には、第2ゴム部25が、長手方向の下端近傍位置及び幅方向の両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部25は、長手方向両側が内壁面からわずかに突出した平坦部25aになっており、一対の平坦部25aの間に、正面視で頂角が略45°の5つの三角形の山形部26a,26b,26c,26d,26eが各頂部を合せて扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面による中心角が略225°になっている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの間は、それぞれ線状のスリット27になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0020】
このスタビライザブッシュ10については、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部22の山形部22a〜22cの頂部を合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部25の山形部26a〜26eの頂部を合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部22,25が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ10が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。ここで、第1ゴム部22の第1山形部22aと第2ゴム部25の平坦部25a及び第1山形部26aの外側面との間、第3山形部22cと第2ゴム部25の平坦部25a及び第5山形部26eの外側面との間にそれぞれ隙間が設けられ、さらに第2ゴム部25の平坦部25aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これら両隙間が繋がって第3のスリット28が構成される。
【0021】
このように、ゴム弾性体部21がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部21の軸穴21aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部21については、径方向に大きな圧縮力を受けて、さらに第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット23,27,28の隙間が確保されていることから、その捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。
【0022】
スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ10は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材(図示しない)に固定される。このようにスタビライザバーSと車体側部材間に組付けられたスタビライザブッシュ10により、サスペンション装置側からの振動の車体側への伝播を抑えることができる。
【0023】
上記第1実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部21が軸穴21aの周方向に沿った複数箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を設けており、このスリット23,27,28の長さが第1及び第2ゴム部22,25の径方向の肉厚の1/2以上にされている。そのため、スタビライザバーSが軸穴21aに嵌合されることにより、ゴム弾性体部21が径方向に大きく予圧縮されたとき、ゴム弾性体部21の弾性変形がスリット23,27,28で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体部21の予圧縮量を多くとることができ、ゴム弾性体部21のスタビライザバーSへの取付強度を高めることができる。
【0024】
さらに、スリット23,27,28は、軸穴21aにスタビライザバーSが嵌合された状態で隙間を確保しているため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、第1実施形態においては、スタビライザバーSからの捩れ入力に対しては、ゴム弾性体部21が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部21の軸穴21aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0025】
また、このスタビライザブッシュ10においては、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界にもスリット28が設けられたことにより、第1及び第2ゴム部22,25でスタビライザバーSを挟んで第1板金具11及び第2板金具15で締め付けてスタビライザブッシュ10を固定させるときに、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界部分に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリット28によって確保される。
【0026】
さらに、スタビライザブッシュ10においては、第1板金具11側と第2板金具15側とでスタビラーザーバーSを挟持し、両板金具11,15の平板部12,16がそれぞれ重ね合された状態で、第2板金具15の長手方向両端に設けた係合孔18に、第1板金具11の長手方向両端に設けた係止片14の垂直片14bを折り曲げて係止させることにより、スタビライザブッシュ10がスタビライザバーSに強固に取り付けられる。このように、第1板金具11と第2板金具15が、別個の取付部材を用いることなく、簡易に取り付けられるため、両板金具11、15を取り付けるためのコストが大幅に削減される。
【0027】
また、スタビライザブッシュ10においては、ゴム弾性体部21が突出した空間部Kに面した第1板金具11及び第2板金具15部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーSからの振動入力が三角形の3辺によりバランスよく受け止められる。そのため、ゴム弾性体部21の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。その結果、軸穴21aでのスタビライザバーSのすべりがより確実に抑えられ、すべりに伴う異音の発生が防止される。
【0028】
つぎに、第2実施形態について説明する。
図5,図6は、第2実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ30を正面図及び断面図により示したものである。本実施形態においては、ゴム弾性体部31の第1ゴム部32及び第2ゴム部35の構造について変更を加えたものであり、第1及び第2板金具11,15については上記第1実施形態と同様である。
【0029】
第1ゴム部32は、図7に示すように、第1板金具11の中間部13に設けた凹部13bの長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部32は、長手方向両側が平板部12に対して略垂直に立ちあがった平坦部32aになっており、平坦部32aに挟まれた中間が山状の山形部32bになっている。山形部32bは、両側面により略120°の頂角を形成している。山形部32bの頂部32cは、ゴム弾性体部31の軸穴31aに構成するためにわずかに円弧状に凹んでいる。さらに、第1ゴム部32の長手方向中間位置には、径方向に長い略菱形状のすぐり部33が幅方向に貫通して設けられている。
【0030】
第2ゴム部35は、図8に示すように、第2板金具15の中間山部17の内壁面にて長手方向の下端近傍位置及び幅方向両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部35は、長手方向両側部分(図示下端部分)が壁面からわずかに突出した略平坦な平坦部35a,35bであり、一対の平坦部35a,35bから第2板金具15の頂部の間に、正面視で頂角が略120°の2つの三角形の山形部36a,36bが各頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両山形部36a,36bの外側面による中心角が略240°になっている。両山形部36a,36bの間は、それぞれ幅の広い略菱形状のスリット37になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部36a,36bの頂部36c,36dは、わずかに凹んでおり、ゴム弾性体部31の軸穴31aを構成するように円弧形状に配列されている。また、両山形部36a,36bは、その周方向の中心位置には、それぞれ縦長菱形形状のすぐり部38を設けている。
【0031】
上記スタビライザブッシュ30についても、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部32の山形部32bの頂部32cを合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部35の山形部36a,36bの頂部36c,36dを合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部32,35が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ30が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。
【0032】
これにより、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35a及び第1山形部36aとの間に菱形の隙間が設けられると共に、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35b及び第2山形部36bとの間に菱形の隙間が設けられる。また、第2ゴム部35の両平坦部35aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これらの隙間が繋がって一対の第2のスリット39が構成される。
【0033】
このようにゴム弾性体部31がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部31の軸穴31aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部31は、径方向に大きな圧縮力を受けて、また第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット37,39の隙間が確保されており、さらにすぐり部33,38が設けられていることから、捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ30は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材に固定される。
【0034】
上記第2実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部31が軸穴31aの周方向に沿った3箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット37,39が設けられており、このスリット37,39の長さが第1及び第2ゴム部32,35の径方向の肉厚の1/2以上にされており、さらにスリット37,39の間にすぐり部33,38が設けられている。そのため、軸穴31aにスタビライザバーSが嵌合されたときに、ゴム弾性体部31が径方向に圧縮されることによる弾性変形がスリット37,39及びすぐり部33,38で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ30においても、第1実施形態に示したスタビライザブッシュ10と同様に、ゴム弾性体部31の軸穴31aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0035】
つぎに、第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ40を軸直角断面図により示したものである。本実施形態においては、第2板金具41について、第1板部42と第2板部46に分割すると共に、第2ゴム部25Aについても、互いに対称形状の第1小部分25Bと第2小部分25Cとに2分割したものである。第1板金具11及び第1ゴム部22については上記第1実施形態と同一である。
【0036】
第2板金具41は、図10に示すように、上記第1実施形態に示した第2板金具15と全体として同一形状であるが、長手方向中間位置で第1板部42と第2板部46に分割されている。第1板部42と第2板部46とは、連結部分を除いて同一形状になっている。第1板部42は、長手方向一端側の平板部43と、平板部に続く半山形形状の曲板部44と、曲板部44の長手方向他端にて平板部43に垂直にわずかに突出した連結板部45とを設けている。連結板部45には、他端側に幅方向に延びた細い長い係合孔45aが設けられている。第2板部46も、第1板部42と同様に、長手方向一端側の平板部47と、平板部に続く半山形形状の曲板部48と、曲板部48の長手方向他端にて平板部47に垂直にわずかに突出した連結板部49とを設けている。連結板部49の突出端側の幅方向中間位置には、係止片49aが連結板部49の延長方向にわずかに突出して設けられており、上記係合孔45aに係止されるようになっている。
【0037】
第2ゴム部25Aは、図10に示すように、上記第1実施形態における第2ゴム部25を長手方向中間にて第1板部42に加硫成形された第1小部分25Bと、第2板部46に加硫成形された第2小部分25Cとに分割したものであり、第1小部分25Bと第2小部分25Cは全く対称形状になっている。したがって、第1小部分25Bと第2小部分25Cのスリットを含む各部分の形状についても、第2ゴム部25と同様である。そして、第1小部分25Bを設けた第1板部42と、第2小部分25Cを設けた第2板部46とを、第1及び第2小部分25B,25Cを重ね合わせると共に連結板部45、49を重ね合わせて、係止片49aを係合孔45aに係止させることにより、第2板金具41及び第2ゴム部25Aとして一体化される。
【0038】
以上に説明したように、第3実施形態においては、第2板金具41及び第2ゴム部25Aが2つに分離されているが、これによっても、上記第1実施形態に示した一体の第2板金具15を用いた場合と同様の効果が得られる。さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われるため、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。なお、第3実施形態については、上記第2実施形態に示した第2板金具15及び第2ゴム部35に対しても、同様に適用することが可能である。
【0039】
なお、上記各実施形態においては、スリットが、周方向に略等間隔で配置されているが、周方向の間隔を不規則な配置とすることも可能である。また、スリットが第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置に設けられているが、スリットを第1及び第2ゴム部のみに設けて、境界位置には設けないようにすることも可能である。なお、上記各実施形態においては、第1板金具に係止片が、第2板金具に係合孔が設けられているが、この逆の配置であってもよい。また、第1板金具と第2板金具の取り付けについては、上記係止片及び係合孔を用いる代りに、別個の取付部材を用いて行ってもよい。また、スタビライザバーのゴム弾性体部の軸穴への嵌合については、上記各実施形態に代えて、予め第1及び第2板金具側を固定しておき、その軸穴にスタビライザバーを挿嵌させることも可能である。その他、上記実施形態に示したスタビライザブッシュについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部にスリットを設けたことにより、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度が高められると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くされており、スタビライザバーからの捩れ入力に対してゴム弾性体部が弾性変形により追従できる。その結果、請求項1の発明においては、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が確実に防止される。また、請求項2の発明によれば、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。さらに、スリットの径方向長さを、第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上とすることにより、ゴム弾性体部の径方向の圧縮変形を吸収する効果が高められる。
【0041】
また、第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、スタビライザバーをスタビライザブッシュの軸穴に嵌合固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリットによって確保される(請求項3の発明の効果)。さらに、スリットに加えてゴム弾性体部にすぐり部を設けることにより、スリットと同様に、ゴム弾性体の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる(請求項4の発明の効果)。また、第1板金具側と第2板金具側とを、それぞれの両端に設けた係合孔に係止片を係止させて固定できることにより、別個の取付部材を用いることなく第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われるため、その取付コストが低減される(請求項5の発明の効果)。
【0042】
また、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされ、その結果、スタビライザバーの軸孔におけるすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が防止される(請求項6の発明の効果)。また、第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる(請求項7の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図1のII−II線方向の断面図である。
【図3】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びIII−III線方向の断面図である。
【図4】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びIV−I線方向の断面図である。
【図5】第2実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す正面図である。
【図6】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図5のVI−VI線方向の断面図である。
【図7】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びVII−VII線方向の断面図である。
【図8】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びVIII−VIII線方向の断面図である。
【図9】第3実施形態であるスタビライザブッシュを示す軸直角断面図である。
【図10】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、底面図及びVIII−VIII線方向の側面図である。
【符号の説明】
10…スタビライザブッシュ、11…第1板金具、12…平板部、13…中間部、14…係止片、15…第2板金具、16…取付板部、17…中間山部、18…係合孔、21…ゴム弾性体部、22…第1ゴム部、22a〜22c…山形部、23…スリット、25…第2ゴム部、25A…第2ゴム部、25B…第1小部分、25C…第2小部分、25a…平坦部、26a〜26e…山形部、27…スリット、28…スリット、30…スタビライザブッシュ、31…ゴム弾性体部、32…第1ゴム部、32a…平坦部、32b…山形部、33…すぐり部、35…第2ゴム部、35a,35b…平坦部、36a,36b…山形部、37…スリット、38…すぐり部、39…スリット、40…スタビライザブッシュ、41…第2板金具、42…第1板部、45a…係合孔、46…第2板部、49a…係止片、S…スタビライザバー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定される筒状のゴム弾性体部と、ゴム弾性体部の外周側に装着されたブラケットとを有し、ブラケットにより下側から車体側部材に対して固定されて、スタビライザバーを車両上下方向に弾性支持するスタビライザブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスタビライザブッシュは、スタビライザバーに接着されることなく、筒状のゴム弾性体部にブラケットで締め付けて予圧縮を与えることによりスタビライザバーに緊密に固定されている(例えば特許文献1参照)。しかし、このスタビライザブッシュは、空間部を有しないゴム弾性体のみからなるために、ブラケットの締付けによる予圧縮が不十分であった。そのため、例えばスタビライザバーとスタビライザブッシュ間に水が侵入したときや、気温が−30℃程度のような非常な低温に下がったようなとき、スタビライザバーとスタビライザブッシュとの間ですべり(スティックスリップ)が起こり、そのために異音を発生するという問題があった。
【0003】
これに対して、他のスタビライザブッシュは、ゴム弾性体部の軸穴内周面全体に、摺動性の良好な例えばポリテトラフロロエチレン繊維等で編んだ円筒形の摺動層とその外周側に重ね合せたポリエステル繊維で編んだ補強層とからなる筒状のライナーを一体で設けている(例えば特許文献2参照)。このライナーを設けることにより、スタビライザブッシュの摩擦係数を低下させ、ライナーをスタビライザバーに対して円滑に滑らせることにより、スタビライザブッシュにおける異音の発生が抑えられていた。しかし、このようなライナーを用いた場合、ライナーの摺動性が良好な場合は良いが、ライナーの材質の経時変化等によってライナーの摺動性が低下することにより、上記異音が発生するおそれがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−91474号公報(第2頁、図4、図5)
【特許文献2】
特開平4−316728号公報(第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、スタビライザバーをゴム弾性体部の軸穴に嵌合することにより、ゴム弾性体部に大きな予圧縮を与えると共に捩り方向のばね定数を柔かくして、スタビライザバーの軸穴におけるすべりを抑え、それに伴う異音の発生を確実に防止することができるスタビライザブッシュを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、長尺板状の第1板金具と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部と、一対の取付板部に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部とを設けており、一対の取付板部にて第1板金具の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部により第1板金具との間に幅方向に延びた空間部を形成する第2板金具と、第1板金具及び第2板金具の空間部に面した内側面にそれぞれ直接ゴム加硫成形されて空間部に延びた第1ゴム部及び第2ゴム部からなり、空間部の略中心位置にて第1ゴム部と第2ゴム部に囲まれると共に幅方向に延びる軸穴を有し、軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを有するゴム弾性体部とを備え、ゴム弾性体部を介した第1板金具及び第2板金具による締め付けにより、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定された状態で、スリットが隙間を有していることにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明においては、第1板金具及び第2板金具の内側面に形成されたゴム弾性体部が、その軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを設けている。そのため、第1及び第2板金具により第1及び第2ゴム部を介して締め付けられて、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで吸収される。その結果、請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度を高めることができる。さらに、スリットは、軸穴にスタビライザバーが嵌合された状態で隙間を有しているため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、請求項1の発明によれば、スタビライザバーからの捩れ入力に対して、ゴム弾性体部が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが適切に防止される。
【0008】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のスタビライザブッシュにおいて、スリットが周方向に略等間隔に配置されると共に、第1ゴム部及び第2ゴム部の少なくとも一方には設けられており、さらにスリットの径方向長さが第1ゴム部及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上であることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項2の発明においては、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、ゴム弾性体部の径方向及び周方向のばね定数が均一にされ、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。また、スリットの径方向長さが第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上にされているため、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで一層確実に吸収される。また、スリットを長くしたことにより、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数がさらに柔かくされる。
【0010】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置にも、スリットを設けたことにある。このように第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、第1及び第2ゴム部でスタビライザバーを挟んで第1及び第2板金具で締め付けてスタビライザブッシュを固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、このスリットによってゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさが確保される。
【0011】
また、上記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体部に、スリットの間にて軸穴に沿って延びる貫通孔であるすぐり部を設けたことにある。このようにゴム弾性体部にすぐり部を設けたことにより、スリットと同様に、ゴム弾性体部の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができる。また、すぐり部により、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる。
【0012】
また、上記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具のいずれか一方の長手方向両端に係合孔を設けると共に、第1板金具及び第2板金具の他方の長手方向両端に係合孔に係止される係止片を設けたことにある。これにより、第1板金具側と第2板金具側とでスタビラーザーバーを挟持した状態で、いずれか一方の板金具の長手方向両端に設けた係合孔に、他方の板金具の長手方向両端に設けた係止片を係止させることにより、別個の取付部材等を用いることなく、第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われる。
【0013】
また、上記請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から5のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具の空間部を囲む部分の形状が略正三角形にされていることにある。このように、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーからの振動入力が三角形の3辺によって略対称にバランスよく受けとめられる。そのため、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。
【0014】
また、上記請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から6のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第2板金具が、長手方向中間で分離可能に固定された第1板部と第2板部とに分けられており、さらに第2ゴム部がそれぞれ第1板部と第2板部に加硫成形された第1小部分と第2小部分に分離されていることにある。このように第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、第1実施形態である自動車のサスペンション装置に設けたスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ10を軸直角断面図及び軸線位置での断面図により示したものである。スタビライザブッシュ10は、長尺板状で略平坦な第1板金具11と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部16と、一対の取付板部16に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部17とを設けており、一対の取付板部16にて第1板金具11の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部17により第1板金具11との間に幅方向に延びた空間部Kを形成する第2板金具15と、第1及び第2板金具11,15の内側面にそれぞれゴム加硫成形されて空間部Kに延びると共に空間部Kの中心位置に軸穴21aを有し、軸穴21aの周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を有するゴム弾性体部21とを備えている。
【0016】
第1板金具11は、図3に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の平板部12と、両平板部12の間にて平板部12から一表面側にわずかに突出した中間部13とを有している。中間部13は、長手方向両端にて平板部12に対して垂直に突出しており、突出面の平板部12側が長手方向内方に向けて平坦にかつわずかに延びた平坦部13aになっており、さらに両平坦部13aの間が平板部12側に円弧状にわずかに凹んだ凹部13bとになっている。平板部12の長手方向両端には、係止片14が取り付けられている。係止片14は、幅が平板部12及び中間部13の略1/3程度であり、長手方向にわずかに突出する水平片14aと、水平片14aの突出端にて中間部13の突出方向に垂直に折り曲げられてわずかに突出した垂直片14bとを有している。また、平板部12は、係止片14との境界近傍位置に、取付孔12aを設けている。
【0017】
凹部13bの第2板金具15と対向する内壁面には、後述する第2ゴム部25と共にゴム弾性体部21を構成する第1ゴム部22が、長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部22は、長手方向両側面が平板部12に対して略垂直に立ち上がっており、その上側で正面視で頂角が略45°の3つの略二等辺三角形状の山形部22a,22b,22cが頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面が略135°をなしている。各山形部22a,22b,22cの間は、それぞれ線状のスリット23になっており、凹部13bの内壁面近傍位置まで延びている。各山形部22a,22b,22cの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0018】
第2板金具15は、図4に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して曲げ形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の取付板部16と、両取付板部16の間にて略正三角形山形に形成された中間山部17とを有している。中間山部17は、三角形の辺より外側にわずかに円弧状に膨出しており、頂部も円弧状に丸められている。取付板部16の長手方向両端近傍位置には、一対の取付孔16aが第1板金具11の取付孔12aとの対応位置に設けられている。さらに、両取付板部16の長手方向外端と取付孔16aとの間には、それぞれ幅方向に延びた細長い係合孔18が設けられている。第1板金具11の係止片14が、係合孔18に挿入されさらに垂直片14bが長手方向端部側に折り曲げられることにより、係合孔18に係止されるようになっている。
【0019】
中間山部17の内壁面には、第2ゴム部25が、長手方向の下端近傍位置及び幅方向の両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部25は、長手方向両側が内壁面からわずかに突出した平坦部25aになっており、一対の平坦部25aの間に、正面視で頂角が略45°の5つの三角形の山形部26a,26b,26c,26d,26eが各頂部を合せて扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面による中心角が略225°になっている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの間は、それぞれ線状のスリット27になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0020】
このスタビライザブッシュ10については、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部22の山形部22a〜22cの頂部を合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部25の山形部26a〜26eの頂部を合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部22,25が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ10が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。ここで、第1ゴム部22の第1山形部22aと第2ゴム部25の平坦部25a及び第1山形部26aの外側面との間、第3山形部22cと第2ゴム部25の平坦部25a及び第5山形部26eの外側面との間にそれぞれ隙間が設けられ、さらに第2ゴム部25の平坦部25aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これら両隙間が繋がって第3のスリット28が構成される。
【0021】
このように、ゴム弾性体部21がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部21の軸穴21aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部21については、径方向に大きな圧縮力を受けて、さらに第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット23,27,28の隙間が確保されていることから、その捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。
【0022】
スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ10は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材(図示しない)に固定される。このようにスタビライザバーSと車体側部材間に組付けられたスタビライザブッシュ10により、サスペンション装置側からの振動の車体側への伝播を抑えることができる。
【0023】
上記第1実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部21が軸穴21aの周方向に沿った複数箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を設けており、このスリット23,27,28の長さが第1及び第2ゴム部22,25の径方向の肉厚の1/2以上にされている。そのため、スタビライザバーSが軸穴21aに嵌合されることにより、ゴム弾性体部21が径方向に大きく予圧縮されたとき、ゴム弾性体部21の弾性変形がスリット23,27,28で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体部21の予圧縮量を多くとることができ、ゴム弾性体部21のスタビライザバーSへの取付強度を高めることができる。
【0024】
さらに、スリット23,27,28は、軸穴21aにスタビライザバーSが嵌合された状態で隙間を確保しているため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、第1実施形態においては、スタビライザバーSからの捩れ入力に対しては、ゴム弾性体部21が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部21の軸穴21aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0025】
また、このスタビライザブッシュ10においては、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界にもスリット28が設けられたことにより、第1及び第2ゴム部22,25でスタビライザバーSを挟んで第1板金具11及び第2板金具15で締め付けてスタビライザブッシュ10を固定させるときに、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界部分に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリット28によって確保される。
【0026】
さらに、スタビライザブッシュ10においては、第1板金具11側と第2板金具15側とでスタビラーザーバーSを挟持し、両板金具11,15の平板部12,16がそれぞれ重ね合された状態で、第2板金具15の長手方向両端に設けた係合孔18に、第1板金具11の長手方向両端に設けた係止片14の垂直片14bを折り曲げて係止させることにより、スタビライザブッシュ10がスタビライザバーSに強固に取り付けられる。このように、第1板金具11と第2板金具15が、別個の取付部材を用いることなく、簡易に取り付けられるため、両板金具11、15を取り付けるためのコストが大幅に削減される。
【0027】
また、スタビライザブッシュ10においては、ゴム弾性体部21が突出した空間部Kに面した第1板金具11及び第2板金具15部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーSからの振動入力が三角形の3辺によりバランスよく受け止められる。そのため、ゴム弾性体部21の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。その結果、軸穴21aでのスタビライザバーSのすべりがより確実に抑えられ、すべりに伴う異音の発生が防止される。
【0028】
つぎに、第2実施形態について説明する。
図5,図6は、第2実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ30を正面図及び断面図により示したものである。本実施形態においては、ゴム弾性体部31の第1ゴム部32及び第2ゴム部35の構造について変更を加えたものであり、第1及び第2板金具11,15については上記第1実施形態と同様である。
【0029】
第1ゴム部32は、図7に示すように、第1板金具11の中間部13に設けた凹部13bの長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部32は、長手方向両側が平板部12に対して略垂直に立ちあがった平坦部32aになっており、平坦部32aに挟まれた中間が山状の山形部32bになっている。山形部32bは、両側面により略120°の頂角を形成している。山形部32bの頂部32cは、ゴム弾性体部31の軸穴31aに構成するためにわずかに円弧状に凹んでいる。さらに、第1ゴム部32の長手方向中間位置には、径方向に長い略菱形状のすぐり部33が幅方向に貫通して設けられている。
【0030】
第2ゴム部35は、図8に示すように、第2板金具15の中間山部17の内壁面にて長手方向の下端近傍位置及び幅方向両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部35は、長手方向両側部分(図示下端部分)が壁面からわずかに突出した略平坦な平坦部35a,35bであり、一対の平坦部35a,35bから第2板金具15の頂部の間に、正面視で頂角が略120°の2つの三角形の山形部36a,36bが各頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両山形部36a,36bの外側面による中心角が略240°になっている。両山形部36a,36bの間は、それぞれ幅の広い略菱形状のスリット37になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部36a,36bの頂部36c,36dは、わずかに凹んでおり、ゴム弾性体部31の軸穴31aを構成するように円弧形状に配列されている。また、両山形部36a,36bは、その周方向の中心位置には、それぞれ縦長菱形形状のすぐり部38を設けている。
【0031】
上記スタビライザブッシュ30についても、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部32の山形部32bの頂部32cを合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部35の山形部36a,36bの頂部36c,36dを合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部32,35が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ30が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。
【0032】
これにより、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35a及び第1山形部36aとの間に菱形の隙間が設けられると共に、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35b及び第2山形部36bとの間に菱形の隙間が設けられる。また、第2ゴム部35の両平坦部35aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これらの隙間が繋がって一対の第2のスリット39が構成される。
【0033】
このようにゴム弾性体部31がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部31の軸穴31aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部31は、径方向に大きな圧縮力を受けて、また第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット37,39の隙間が確保されており、さらにすぐり部33,38が設けられていることから、捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ30は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材に固定される。
【0034】
上記第2実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部31が軸穴31aの周方向に沿った3箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット37,39が設けられており、このスリット37,39の長さが第1及び第2ゴム部32,35の径方向の肉厚の1/2以上にされており、さらにスリット37,39の間にすぐり部33,38が設けられている。そのため、軸穴31aにスタビライザバーSが嵌合されたときに、ゴム弾性体部31が径方向に圧縮されることによる弾性変形がスリット37,39及びすぐり部33,38で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ30においても、第1実施形態に示したスタビライザブッシュ10と同様に、ゴム弾性体部31の軸穴31aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0035】
つぎに、第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ40を軸直角断面図により示したものである。本実施形態においては、第2板金具41について、第1板部42と第2板部46に分割すると共に、第2ゴム部25Aについても、互いに対称形状の第1小部分25Bと第2小部分25Cとに2分割したものである。第1板金具11及び第1ゴム部22については上記第1実施形態と同一である。
【0036】
第2板金具41は、図10に示すように、上記第1実施形態に示した第2板金具15と全体として同一形状であるが、長手方向中間位置で第1板部42と第2板部46に分割されている。第1板部42と第2板部46とは、連結部分を除いて同一形状になっている。第1板部42は、長手方向一端側の平板部43と、平板部に続く半山形形状の曲板部44と、曲板部44の長手方向他端にて平板部43に垂直にわずかに突出した連結板部45とを設けている。連結板部45には、他端側に幅方向に延びた細い長い係合孔45aが設けられている。第2板部46も、第1板部42と同様に、長手方向一端側の平板部47と、平板部に続く半山形形状の曲板部48と、曲板部48の長手方向他端にて平板部47に垂直にわずかに突出した連結板部49とを設けている。連結板部49の突出端側の幅方向中間位置には、係止片49aが連結板部49の延長方向にわずかに突出して設けられており、上記係合孔45aに係止されるようになっている。
【0037】
第2ゴム部25Aは、図10に示すように、上記第1実施形態における第2ゴム部25を長手方向中間にて第1板部42に加硫成形された第1小部分25Bと、第2板部46に加硫成形された第2小部分25Cとに分割したものであり、第1小部分25Bと第2小部分25Cは全く対称形状になっている。したがって、第1小部分25Bと第2小部分25Cのスリットを含む各部分の形状についても、第2ゴム部25と同様である。そして、第1小部分25Bを設けた第1板部42と、第2小部分25Cを設けた第2板部46とを、第1及び第2小部分25B,25Cを重ね合わせると共に連結板部45、49を重ね合わせて、係止片49aを係合孔45aに係止させることにより、第2板金具41及び第2ゴム部25Aとして一体化される。
【0038】
以上に説明したように、第3実施形態においては、第2板金具41及び第2ゴム部25Aが2つに分離されているが、これによっても、上記第1実施形態に示した一体の第2板金具15を用いた場合と同様の効果が得られる。さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われるため、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。なお、第3実施形態については、上記第2実施形態に示した第2板金具15及び第2ゴム部35に対しても、同様に適用することが可能である。
【0039】
なお、上記各実施形態においては、スリットが、周方向に略等間隔で配置されているが、周方向の間隔を不規則な配置とすることも可能である。また、スリットが第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置に設けられているが、スリットを第1及び第2ゴム部のみに設けて、境界位置には設けないようにすることも可能である。なお、上記各実施形態においては、第1板金具に係止片が、第2板金具に係合孔が設けられているが、この逆の配置であってもよい。また、第1板金具と第2板金具の取り付けについては、上記係止片及び係合孔を用いる代りに、別個の取付部材を用いて行ってもよい。また、スタビライザバーのゴム弾性体部の軸穴への嵌合については、上記各実施形態に代えて、予め第1及び第2板金具側を固定しておき、その軸穴にスタビライザバーを挿嵌させることも可能である。その他、上記実施形態に示したスタビライザブッシュについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部にスリットを設けたことにより、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度が高められると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くされており、スタビライザバーからの捩れ入力に対してゴム弾性体部が弾性変形により追従できる。その結果、請求項1の発明においては、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が確実に防止される。また、請求項2の発明によれば、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。さらに、スリットの径方向長さを、第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上とすることにより、ゴム弾性体部の径方向の圧縮変形を吸収する効果が高められる。
【0041】
また、第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、スタビライザバーをスタビライザブッシュの軸穴に嵌合固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリットによって確保される(請求項3の発明の効果)。さらに、スリットに加えてゴム弾性体部にすぐり部を設けることにより、スリットと同様に、ゴム弾性体の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる(請求項4の発明の効果)。また、第1板金具側と第2板金具側とを、それぞれの両端に設けた係合孔に係止片を係止させて固定できることにより、別個の取付部材を用いることなく第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われるため、その取付コストが低減される(請求項5の発明の効果)。
【0042】
また、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされ、その結果、スタビライザバーの軸孔におけるすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が防止される(請求項6の発明の効果)。また、第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる(請求項7の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図1のII−II線方向の断面図である。
【図3】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びIII−III線方向の断面図である。
【図4】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びIV−I線方向の断面図である。
【図5】第2実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す正面図である。
【図6】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図5のVI−VI線方向の断面図である。
【図7】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びVII−VII線方向の断面図である。
【図8】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びVIII−VIII線方向の断面図である。
【図9】第3実施形態であるスタビライザブッシュを示す軸直角断面図である。
【図10】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、底面図及びVIII−VIII線方向の側面図である。
【符号の説明】
10…スタビライザブッシュ、11…第1板金具、12…平板部、13…中間部、14…係止片、15…第2板金具、16…取付板部、17…中間山部、18…係合孔、21…ゴム弾性体部、22…第1ゴム部、22a〜22c…山形部、23…スリット、25…第2ゴム部、25A…第2ゴム部、25B…第1小部分、25C…第2小部分、25a…平坦部、26a〜26e…山形部、27…スリット、28…スリット、30…スタビライザブッシュ、31…ゴム弾性体部、32…第1ゴム部、32a…平坦部、32b…山形部、33…すぐり部、35…第2ゴム部、35a,35b…平坦部、36a,36b…山形部、37…スリット、38…すぐり部、39…スリット、40…スタビライザブッシュ、41…第2板金具、42…第1板部、45a…係合孔、46…第2板部、49a…係止片、S…スタビライザバー。
Claims (7)
- 長尺板状の第1板金具と、
長尺板状で長手方向両端側の取付板部と、該一対の取付板部に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部とを設けており、該一対の取付板部にて前記第1板金具の長手方向両端側に重ね合されて、該中間山部により該第1板金具との間に幅方向に延びた空間部を形成する第2板金具と、
前記第1板金具及び第2板金具の前記空間部に面した内側面にそれぞれ直接ゴム加硫成形されて該空間部に延びた第1ゴム部及び第2ゴム部からなり、該空間部の略中心位置にて該第1ゴム部と第2ゴム部に囲まれると共に幅方向に延びる軸穴を有し、該軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に該軸穴に沿って延びたスリットを有するゴム弾性体部とを備え、
前記ゴム弾性体部を介した前記第1板金具及び第2板金具による締め付けにより、スタビライザバーが前記軸穴に嵌合固定された状態で、前記スリットが隙間を有していることを特徴とするスタビライザブッシュ。 - 前記スリットが周方向に略等間隔に配置されると共に、前記第1ゴム部及び第2ゴム部の少なくとも一方には設けられており、さらに該スリットの径方向長さが前記第1ゴム部及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上であることを特徴とする前記請求項1に記載のスタビライザブッシュ。
- 前記第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置にも、前記スリットを設けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュ。
- 前記ゴム弾性体部に、前記スリットの間にて前記軸穴に沿って延びる貫通孔であるすぐり部を設けたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュ。
- 前記第1板金具及び第2板金具のいずれか一方の長手方向両端に係合孔を設けると共に、該第1板金具及び第2板金具の他方の長手方向両端に前記係合孔に係止される係止片を設けたことを特徴とする前記請求項1から4のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュ。
- 前記第1板金具及び第2板金具の前記空間部を囲む部分の形状が略正三角形にされていることを特徴とする前記請求項1から5のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュ。
- 前記第2板金具が、長手方向中間で分離可能に固定された第1板部と第2板部とに分けられており、さらに前記第2ゴム部がそれぞれ第1板部と第2板部に加硫成形された第1小部分と第2小部分に分離されていることを特徴とする前記請求項1から6のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュ。
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