JP2004028124A - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな温度変化に晒された場合でも、目的とする周波数域の振動に対して有効な制振効果を安定して発揮し得る、コンパクトで新規な構造のダイナミックダンパを提供すること。
【解決手段】金属等からなる硬質のバネ部材12を用いて、かかるバネ部材12により梁状の弾性変形部22を構成せしめて、該弾性変形部22により、マス部14を防振対象部材16に対して弾性的に連結支持せしめると共に、該弾性変形部22に対してダンピング材28と拘束材30を積層状態で固着し、且つ拘束材30のばね定数を弾性変形部22のばね定数よりも小さく設定した。
【選択図】 図1
【解決手段】金属等からなる硬質のバネ部材12を用いて、かかるバネ部材12により梁状の弾性変形部22を構成せしめて、該弾性変形部22により、マス部14を防振対象部材16に対して弾性的に連結支持せしめると共に、該弾性変形部22に対してダンピング材28と拘束材30を積層状態で固着し、且つ拘束材30のばね定数を弾性変形部22のばね定数よりも小さく設定した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、制振対象部材に対してマス部材をバネ部材を介して弾性的に支持せしめることにより、主振動系たる制振対象部材に対する副振動系を構成して、制振対象部材の振動を抑えるダイナミックダンパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車におけるボデー等の如き振動部材(制振対象部材)において問題となる振動を低減する方法としては、▲1▼振動部材の表面にアスファルトシートやゴムシートを貼着して制振材を構成する方法や、▲2▼振動部材に対してバネ部材を介してマス部材を連結支持せしめてダイナミックダンパを構成する方法等が、知られている。
【0003】
ところが、上記▲1▼の制振材においては、アスファルトシートやゴムシートにおける制振効果の温度依存性が大きく、例えば自動車のボデー等のように内燃機関や日射等の影響で振動部材の温度が60℃以上に達すると制振効果が大幅に低下してしまうという問題があった。しかも、振動部材における1次等の低次の振動モードでは、アスファルトシートに生ぜしめられる剪断歪が小さくなることに起因して、十分な振動低減効果を得ることが難しいという問題があった。
【0004】
また、前記▲2▼のダイナミックダンパにおいては、バネ部材として一般に採用されているゴム弾性体の剛性が小さいことから、剛性を確保するためにゴム弾性体の容積を大きくしなければならず、結果的にダイナミックダンパの大型化を避け難いという問題があった。しかも、ダイナミックダンパは、それ自身のマス−バネ系からなる副振動系の固有振動数を、振動部材において制振すべき特定の振動周波数域に設定することにより特性のチューニングが施されるが、ゴム弾性体のばね定数の温度依存性が大きいことから、例えば自動車のボデー等のように季節や環境等の変化で60℃以上の温度差に晒される場合には、チューニング周波数が防振すべき振動周波数から外れてしまって、有効な制振効果を安定して得難いという問題があったのである。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、コンパクトで且つ制振効果の温度依存性が小さく、大きな温度変化領域に亘って有効な制振効果を安定して発揮し得ると共に、振動部材における低次モードの振動に対しても優れた制振効果を発揮し得る、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
【0006】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することが出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0007】
本発明の第一の態様は、制振対象部材に対して所定質量のマス部をバネ部材で弾性的に連結支持せしめたダイナミックダンパにおいて、硬質のバネ部材の端部に取付部を設けて、該取付部において該バネ部材を前記制振対象部材に対して固定的に取り付けることにより、該バネ部材で梁状の弾性変形部が構成されるようにすると共に、該弾性変形部によって前記マス部を該制振対象部材に対して弾性的に支持せしめる一方、該弾性変形部に対してダンピング材と拘束材を積層状態で固着し、且つ該拘束材のばね定数を該弾性変形部のばね定数よりも小さくしたことを、特徴とする。
【0008】
このような本態様のダイナミックダンパにおいては、副振動系のバネ成分と減衰成分を異なる部材で実質的に略分担させて構成することが可能となる。即ち、バネ成分は、硬質のバネ部材によって主に分担させて構成する一方、減衰成分は、ダンピング材と拘束材によって主に分担させて構成することが出来る。その結果、バネ部材の材料として、例えば金属や硬質樹脂(例えばガラス繊維補強されたポリアミド系樹脂等の繊維強化樹脂)等を採用することにより、ばね定数の温度依存性を十分に小さく抑えることが可能となる。しかも、バネ部材のばね定数を拘束材のばね定数よりも大きくしたことにより、バネ部材におけるばね定数が、副振動系のバネ成分として主体的に作用することとなり、それ故、バネ部材に対してダンピング材を介して固着された拘束材のばね定数が副振動系のバネ成分に及ぼす影響の、ダンピング材の温度変化に伴う特性変化に起因する変動も効果的に抑えられ得て、かかる副振動系におけるばね定数の安定化がより有効に実現され得る。そして、このように副振動系のばね定数の温度変化に伴う変動が抑えられて、ダイナミックダンパのチューニング周波数の安定化が図られることから、環境温度の変動幅が大きい振動部材に装着される場合でも、特定周波数域の振動に対して、有効な制振効果を安定して得ることが可能となるのである。
【0009】
また、本態様のダイナミックダンパにおいては、バネ部材の弾性変形部に固着されたダンピング材に対して更に拘束材が固着されていることから、ダンピング材を単に弾性変形部に固着した場合に比して、弾性変形部の変形に際してダンピング材における剪断変形が一層効率的に生ぜしめられるのであり、それによって、目的とする制振効果が、大きな損失係数(ロスファクタ)に基づいてより有効に発揮され得るのである。
【0010】
しかも、本態様のダイナミックダンパにおいては、バネ部材が硬質材で形成されていることから小さな容積のバネ部材で十分なばね剛性を得ることが出来ると共に、ダンピング材にも拘束材が固着されていることから小さな容積のダンピング材で有効な損失係数を得ることが出来るのであり、その結果、全体としてコンパクトなダイナミックダンパが実現され得る。
【0011】
なお、本態様において、取付部は、溶接やボルト,リベット,かしめ等、従来から公知の何らかの固定構造をもって、制振対象部材に固定され得るものであれば良い。また、ダンピング材と拘束材は、弾性変形部の少なくとも一部において積層状態で形成されていれば良く、弾性変形部の全体に亘って設ける必要はない。例えば、弾性変形部の表面の全周に亘ってダンピング材を被覆形成しても良いが、弾性変形部の一つの面だけにダンピング材を被覆したり、或いは弾性変形部の全面をダンピング材で覆い、その一部だけに拘束材を被着しても良い。更にまた、弾性変形部の具体的形状は限定されるものでなく、例えば薄肉のプレート形状の他、ロッド形状等としても良い。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記ダンピング材と前記拘束材を、前記バネ部材において前記取付部にまで至らない領域に固着せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、取付部に対してダンピング材や拘束材が固着されていないことから、取付部をボルト止めや溶接等により、制振対象部材に対して容易に、しかも大きな強度と耐久性をもって固着せしめることが可能となる。
【0013】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材の一方の端部に前記取付部を設けることにより前記弾性変形部を片端支持の梁構造をもって構成して、該弾性変形部の自由端に前記マス部を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、片持ち梁タイプのバネ部材が構成されて、その一次振動モードで特に大きな振幅で効率的に作用せしめられるダイナミックダンパが、コンパクトに実現され得ることとなる。
【0014】
また、本発明の第四の態様は、前記第三の態様に係るダイナミックダンパであって、前記弾性変形部の一方の端部において、前記取付部から立ち上がって該弾性変形部を前記制振対象部材から離隔位置せしめる立上部を設けると共に、該立上部によって該弾性変形部と該制振対象部材の対向面間に形成された空間に位置せしめられるように、前記マス部を該弾性変形部から突設したことを、特徴とする。このような本態様においては、制振対象部材と弾性変形部の間に隙間状の空間を巧く形成し、この空間を効率的に利用してマス部を配設することが可能となるのであり、特に平坦な装着面を有するパネル材等を制振対象部材とする場合等において、一層優れたスペース効率をもってダイナミックダンパを装着することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第五の態様は、前記第一又は第二の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材の両端部に前記取付部を一対設けると共に、前記弾性変形部の両方の端部にそれぞれ取付部から立ち上がる一対の立上部を設けて該弾性変形部を門形構造とし、該弾性変形部において両立上部間に跨がって延びる天板部の中間位置に前記マス部を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、一対の立上部が有利に弾性変形せしめられる方向と、天板部が有利に弾性変形せしめられる方向が略直交することとなり、それら両方向で、それぞれ副振動系として機能し得ることから、互いに異なる二つの方向で有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが実現可能となる。なお、本態様において、好ましくは、門形構造とされたバネ部材の天板部の内周面から中央空所に突出するようにしてマス部が設けられる。また、天板部だけでなく立上部に対してマス部を設けても良い。
【0016】
また、本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記一対の立上部および前記天板部に対して、前記ダンピング材と前記拘束材を積層状態で固着したことを、特徴とする。このような本態様においては、前述の如き互いに直交する二つの方向での弾性変形部の変形に際して、ダンピング材と拘束材による減衰作用が何れも有効に発揮され得て、両方向に及ぼされる振動に対して何れも良好な制振効果が発揮されるのである。
【0017】
更にまた、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材および前記拘束材を金属材で形成すると共に、前記ダンピング材をゴム弾性体で形成したことを、特徴とする。また、バネ部材のばね定数を拘束材のばね定数より大きくするために、一般に、拘束材はバネ部材よりも薄い板厚寸法で形成されることとなる。
【0018】
また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係るダイナミックダンパであって、前記制振対象部材がパネル状体であり、前記弾性変形部と前記マス部によって構成される振動系の固有振動数を、該パネル状体の一次モードの振動周波数にチューニングしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振材を用いても有効な振動低減が難しく、ダイナミックダンパの装着スペースも確保し難い、例えば自動車のルーフパネルやフロアパネル、ドアパネル等のパネル状体において、コンパクトな配設スペースをもって有利に適用され得て、一次等の低次の振動モードの振動に対して有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが提供され得るのである。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0020】
先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパ10の縦断面図と横断面図が示されている。このダイナミックダンパ10は、バネ部材12とマス部としてのマス金具14を含んで構成されており、バネ部材12によってマス金具14を振動部材(制振対象部材)16に対して連結支持せしめることによって、振動部材16に装着されるようになっている。そして、かかる装着状態下では、バネ部材12とマス金具14によって構成されるマス−バネ振動系が、主振動系たる振動部材16に対する副振動系として機能して、動的吸振器として制振効果を発揮し得るようになっている。
【0021】
より詳細には、バネ部材12は、略一定の肉厚寸法で広がる板形状を有しており、長手方向(図1中の左右方向)の中間部分には、クランク状断面で段差状に屈曲した立上部18が、長手方向一方の側(図1中の左側)に偏倚して形成されている。そして、この立上部18を挟んで一方の端部側が平板形状の取付部20とされている一方、他方の端部側が平板形状で延び出す弾性変形部22とされている。
【0022】
そして、取付部20が、振動部材16に対して、例えば溶接等によって固着されることにより、ダイナミックダンパ10が振動部材16に装着されるようになっている。また、立上部18は、ダイナミックダンパ10の装着状態下でマス金具14が振動部材16に干渉しない程度に、取付部20からの立ち上がり高さを小さく設定することが、ダイナミックダンパ10をコンパクトに構成するために望ましい。
【0023】
また一方、弾性変形部22は、立上部18の立ち上がり高さよりも十分に大きな長さで、立上部18から振動部材16に沿うようにして略水平に延び出して形成されている。そして、ダイナミックダンパ10の装着状態下では、振動部材16と弾性変形部22の対向面間に所定間隔の空間24が形成されるようになっている。また、弾性変形部22には、外側面(振動部材16と反対側の面)26に対して、略全面を覆うようにダンピング材としてのゴムシート28が密着状態で重ね合わされて、加硫接着等で固着されている。更にまた、ゴムシート28の表面には、略全面を覆うようにして、拘束材としての金属プレート30が密着状態で重ねあわされて、加硫接着等で固着されている。
【0024】
要するに、弾性変形部22は、その略全体において、ゴムシート28と金属プレート30が重ね合わされて、三層の積層構造をもって構成されているのである。そして、これらゴムシート28と金属プレート30によって、弾性変形部22の弾性変形に際して減衰作用が及ぼされるようになっている。
【0025】
さらに、弾性変形部22の内側面(振動部材16との対向面)32には、延び出し方向の先端の自由端部分に対して、マス金具14が重ね合わされて溶接等で固着されている。なお、マス金具14は、ダイナミックダンパ10の振動部材16への装着状態下で弾性変形部22が弾性変形せしめられた際に、振動部材16への干渉が回避され得るように、弾性変形部22からの突出高さが設定されている。
【0026】
すなわち、上述の如く構成されたダイナミックダンパ10においては、弾性変形部22が、長手方向一端側に設けられた取付部20において振動部材16に固定された片端支持の梁構造をもって構成されており、その自由端に対してマス金具14が取り付けられることによって、全体として、主振動系たる振動部材16における板厚方向(図1,2中の略上下方向)の振動に関して、1自由度の副振動系を構成するようになっている。
【0027】
なお、バネ部材12の形成材料としては、低減衰で高動ばねを発揮し得るように硬質の材料が採用され、具体的には鉄鋼等の金属材や繊維強化された合成樹脂材等が好適に採用される。また、ゴムシート28は、樹脂系のエラストマであっても良いが、大きな損失係数が得られるように、且つ温度変化に対する特性の安定性が十分であるゴム材料が採用され、具体的にはIIR(ブチルゴム)等が好適に採用される。更にまた、金属プレート30は、ゴムシート28の表面の変形に対して有効な拘束力を発揮し得るように、アルミニウム合金等の金属材や繊維強化された合成樹脂材等が好適に採用される。また、立上部18の立ち上がり高さを小さくして立上部18の剛性を大きく設定することにより、振動入力時における弾性変形が、弾性変形部22において有効に生ぜしめられるようにすることが望ましい。
【0028】
ここにおいて、ゴムシート28の両面に張り合わせられた弾性変形部22と金属プレート30は、動的ばね定数の値が、金属プレート30よりも弾性変形部22の方が十分に大きいように、材料や部材寸法等が設定されている。それにより、副振動系における動的ばね定数に関して、弾性変形部22が支配的とされており、金属プレート30は、バネ部材12の全面に亘って被着されていないことと相俟って、副振動系の動的ばね定数に対して大きな影響を及ぼさないようにされている。
【0029】
かかる目的を達成するために、具体的には、例えば、弾性変形部22を含むバネ部材12を、厚さ寸法:0.5mm〜4.0mm程度のステンレススチール製等とすると共に、ゴムシート28を、厚さ寸法:0.5mm〜4.0mm程度のIIR系のゴム製等とし、更に、金属プレート30を、厚さ寸法:0.1mm〜2.0mm程度のアルミニウム合金製等とすると共に、マス金具14を、厚さ寸法:2〜20mm程度の鋳鉄製等とする構成が、例えば自動車のルーフパネルやサブフレーム等を振動部材16とする場合において有利に採用され得る。
【0030】
このような構造とされたダイナミックダンパ10においては、その装着状態下、振動部材16に板厚方向の振動が生ぜしめられると、それが加振力として弾性変形部22に及ぼされて図中の上下方向に首振り状に剪断変形せしめられることにより一つの副振動系として作用する。それ故、かかる副振動系の固有振動数を、弾性変形部22を主体として構成されたバネ系の動的ばね定数と、マス金具14を主体として構成されたマス系の質量とを調節して、振動部材16において防振すべき振動の周波数に対応させてチューニングすることにより、かかる防振すべき振動に対して有効な制振効果が発揮されることとなる。
【0031】
そこにおいて、かかる副振動系は、バネ系が、特性の温度依存性の小さい金属材等で形成された弾性変形部22を主体として構成されていることから、数十度以上の大きな温度変化に晒された場合でも、固有振動数の大幅な変化が回避されて、防振を目的とする振動に対して、有効な制振効果が安定して発揮され得るのである。
【0032】
しかも、副振動系が加振された際には、弾性変形部22の弾性変形に伴って、硬質のバネ部材と金属プレート30で両面を拘束されたゴムシート28に有効な剪断変形が生ぜしめられることから、大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されて、チューニング周波数域を挟んだ上下の周波数域においても振動状態の悪化が回避されることとなり、全体として広い周波数域に亘って良好な振動低減が実現され得るのである。
【0033】
また、本実施形態のダイナミックダンパ10は、大きなばね剛性を持つ金属等で形成された弾性変形部22によってバネ系が構成されていることから、従来のゴム弾性体でバネ系を構成する場合に比して、全体をコンパクトに構成することが可能であり、特に振動部材16の表面に沿って延びる形態の梁状のバネ部材を採用したことによって、小さなスペースに極めて効率的に配設することが可能となるのである。
【0034】
次に、図3〜4には、本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパ40が、示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0035】
すなわち、本実施形態のダイナミックダンパ40において、副振動系を構成するバネ部材12は、略一定の肉厚寸法で広がる板形状を有しており、長手方向(図1中の左右方向)で相互に所定距離を隔てた位置に、クランク状断面で段差状に屈曲した一対の立上部42,42が形成されている。そして、これらの立上部42,42よりも端部側が、平板形状で広がる一対の取付部20,20とされている。また、かかる一対の立上部42,42の間に位置する中央部分は、両立上部42,42の先端部間に跨がって延びる平板形状の天板部44とされている。
【0036】
要するに、本実施形態のバネ部材12は、両端部に設けられた一対の取付部20,20から一対の立上部42,42が互いに略平行に立ち上がって形成されていると共に、それら両立上部42,42の突出先端部を相互に繋ぐようにして天板部44が一体形成されており、全体として、門形状を有している。そして、一対の取付部20,20において振動部材16に固着されることにより、一対の立上部42,42および天板部44が、振動部材16との間に空間を形成するようにして、弾性変形可能に位置せしめられるようになっており、弾性変形可能とされた一対の立上部42,42と天板部44が、全体として、両端の取付部20,20で固定的に取り付けられた両端固定の梁構造をもって、弾性変形部46を構成している。
【0037】
また、弾性変形部46の外側面26には、天板部44の全長を覆い、更に両側の立上部42,42に延び出して、それら立上部42,42の下端近くまでを覆うようにして、第一の実施形態と同様にゴムシート28と金属プレート30が、密着した積層状態で固着されている。
【0038】
更にまた、弾性変形部46の内側面32には、天板部44の長手方向略中央部分に位置して、第一の実施形態と同様なマス金具14が溶着等で固着されている。
【0039】
そして、本実施形態でも、第一の実施形態と同様に、弾性変形部46が低減衰高動ばねの金属等の材料で形成されていると共に、かかる弾性変形部46の弾性変形に対して、外側面26に被着されたゴムシート28と金属プレート30によって大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されるようになっており、振動部材16において防振すべき振動に対して、温度変化の悪影響を軽減乃至は回避しつつ、有効な制振効果を安定して及ぼし得るのである。
【0040】
特に、本実施形態のダイナミックダンパ40は振動部材16の厚さ方向(図3,4中の上下方向)の振動に対しては、弾性変形部46の天板部44の弾性変形が略剪断変形として有利に生ぜしめられると共に、それに直交する方向(図3,4中の左右方向)の振動に対しては、弾性変形部46の一対の立上部42,42の弾性変形が略剪断変形として有効に生ぜしめられることから、互いに直交するそれら二つの方向で、振動部材16に対する副振動系として有効に作用し得ることとなる。従って、それら各方向の固有振動数を適当にチューニングすることにより、振動部材16におけるそれぞれの方向の振動に対して、何れも有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0041】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって何等限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を施した態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0042】
例えば、第一の実施形態における弾性変形部22や、第二の実施形態における弾性変形部46(立上部42,42および天板部44)の長さ等の具体的寸法、更にマス金具14の大きさ(質量)等は、防振すべき振動周波数や振動レベル等に応じて適宜に変更されるものであって、限定されるものでない。そこにおいて、弾性変形部22,46の形状も、例えば振動部材16の取付面が湾曲形状等の異形状であれば、それに対応して湾曲形状等を採用し得る。
【0043】
また、第一の実施形態において、立上部18にもゴムシート28や金属プレート30を被着しても良く、また、第二の実施形態において、立上部42と天板部44の何れか一方だけにゴムシート28と金属プレート30を被着するようにしても良い。
【0044】
更にまた、ダイナミックダンパ10,40によって構成される副振動系の固有振動数は、振動部材16において制振すべき振動周波数に応じて決定されるものであり、必ずしも振動部材16の1次振動モード等の低次の振動モードにチューニングする必要はない。
【0045】
加えて、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパは、自動車用のパネル部材やサブフレームの他、振動が問題となる各種の装置等における各種の部材に対して装着され得る。
【0046】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、副振動系を構成するバネ系が、特性の温度依存性が小さい硬質のバネ材で主体的に構成されていることから、大きな温度変化に晒された場合でも、目的とする振動に対して有効な制振効果を安定して得ることが出来ると共に、バネ部材に積層されたダンピング材と拘束材によって大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されて、全体として広い周波数域に亘って良好な振動低減が実現され得るのである。
【0047】
しかも、かかるダイナミックダンパは、大きなばね剛性を持つ硬質のバネ部材が採用され得ることから、従来のゴム弾性体でバネ系を構成するダイナミックダンパに比して、全体をコンパクトに構成することが可能となり、加えて、梁状の弾性変形部を採用したことによって、例えば制振対象部材の表面に沿って延びる形態のバネ部材を採用することが可能で、小さなスペースに極めて効率的に配設することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ
12 バネ部材
14 マス金具
16 振動部材
18 立上部
20 取付部
22 弾性変形部
28 ゴムシート
30 金属プレート
【技術分野】
本発明は、制振対象部材に対してマス部材をバネ部材を介して弾性的に支持せしめることにより、主振動系たる制振対象部材に対する副振動系を構成して、制振対象部材の振動を抑えるダイナミックダンパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車におけるボデー等の如き振動部材(制振対象部材)において問題となる振動を低減する方法としては、▲1▼振動部材の表面にアスファルトシートやゴムシートを貼着して制振材を構成する方法や、▲2▼振動部材に対してバネ部材を介してマス部材を連結支持せしめてダイナミックダンパを構成する方法等が、知られている。
【0003】
ところが、上記▲1▼の制振材においては、アスファルトシートやゴムシートにおける制振効果の温度依存性が大きく、例えば自動車のボデー等のように内燃機関や日射等の影響で振動部材の温度が60℃以上に達すると制振効果が大幅に低下してしまうという問題があった。しかも、振動部材における1次等の低次の振動モードでは、アスファルトシートに生ぜしめられる剪断歪が小さくなることに起因して、十分な振動低減効果を得ることが難しいという問題があった。
【0004】
また、前記▲2▼のダイナミックダンパにおいては、バネ部材として一般に採用されているゴム弾性体の剛性が小さいことから、剛性を確保するためにゴム弾性体の容積を大きくしなければならず、結果的にダイナミックダンパの大型化を避け難いという問題があった。しかも、ダイナミックダンパは、それ自身のマス−バネ系からなる副振動系の固有振動数を、振動部材において制振すべき特定の振動周波数域に設定することにより特性のチューニングが施されるが、ゴム弾性体のばね定数の温度依存性が大きいことから、例えば自動車のボデー等のように季節や環境等の変化で60℃以上の温度差に晒される場合には、チューニング周波数が防振すべき振動周波数から外れてしまって、有効な制振効果を安定して得難いという問題があったのである。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、コンパクトで且つ制振効果の温度依存性が小さく、大きな温度変化領域に亘って有効な制振効果を安定して発揮し得ると共に、振動部材における低次モードの振動に対しても優れた制振効果を発揮し得る、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
【0006】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することが出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0007】
本発明の第一の態様は、制振対象部材に対して所定質量のマス部をバネ部材で弾性的に連結支持せしめたダイナミックダンパにおいて、硬質のバネ部材の端部に取付部を設けて、該取付部において該バネ部材を前記制振対象部材に対して固定的に取り付けることにより、該バネ部材で梁状の弾性変形部が構成されるようにすると共に、該弾性変形部によって前記マス部を該制振対象部材に対して弾性的に支持せしめる一方、該弾性変形部に対してダンピング材と拘束材を積層状態で固着し、且つ該拘束材のばね定数を該弾性変形部のばね定数よりも小さくしたことを、特徴とする。
【0008】
このような本態様のダイナミックダンパにおいては、副振動系のバネ成分と減衰成分を異なる部材で実質的に略分担させて構成することが可能となる。即ち、バネ成分は、硬質のバネ部材によって主に分担させて構成する一方、減衰成分は、ダンピング材と拘束材によって主に分担させて構成することが出来る。その結果、バネ部材の材料として、例えば金属や硬質樹脂(例えばガラス繊維補強されたポリアミド系樹脂等の繊維強化樹脂)等を採用することにより、ばね定数の温度依存性を十分に小さく抑えることが可能となる。しかも、バネ部材のばね定数を拘束材のばね定数よりも大きくしたことにより、バネ部材におけるばね定数が、副振動系のバネ成分として主体的に作用することとなり、それ故、バネ部材に対してダンピング材を介して固着された拘束材のばね定数が副振動系のバネ成分に及ぼす影響の、ダンピング材の温度変化に伴う特性変化に起因する変動も効果的に抑えられ得て、かかる副振動系におけるばね定数の安定化がより有効に実現され得る。そして、このように副振動系のばね定数の温度変化に伴う変動が抑えられて、ダイナミックダンパのチューニング周波数の安定化が図られることから、環境温度の変動幅が大きい振動部材に装着される場合でも、特定周波数域の振動に対して、有効な制振効果を安定して得ることが可能となるのである。
【0009】
また、本態様のダイナミックダンパにおいては、バネ部材の弾性変形部に固着されたダンピング材に対して更に拘束材が固着されていることから、ダンピング材を単に弾性変形部に固着した場合に比して、弾性変形部の変形に際してダンピング材における剪断変形が一層効率的に生ぜしめられるのであり、それによって、目的とする制振効果が、大きな損失係数(ロスファクタ)に基づいてより有効に発揮され得るのである。
【0010】
しかも、本態様のダイナミックダンパにおいては、バネ部材が硬質材で形成されていることから小さな容積のバネ部材で十分なばね剛性を得ることが出来ると共に、ダンピング材にも拘束材が固着されていることから小さな容積のダンピング材で有効な損失係数を得ることが出来るのであり、その結果、全体としてコンパクトなダイナミックダンパが実現され得る。
【0011】
なお、本態様において、取付部は、溶接やボルト,リベット,かしめ等、従来から公知の何らかの固定構造をもって、制振対象部材に固定され得るものであれば良い。また、ダンピング材と拘束材は、弾性変形部の少なくとも一部において積層状態で形成されていれば良く、弾性変形部の全体に亘って設ける必要はない。例えば、弾性変形部の表面の全周に亘ってダンピング材を被覆形成しても良いが、弾性変形部の一つの面だけにダンピング材を被覆したり、或いは弾性変形部の全面をダンピング材で覆い、その一部だけに拘束材を被着しても良い。更にまた、弾性変形部の具体的形状は限定されるものでなく、例えば薄肉のプレート形状の他、ロッド形状等としても良い。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記ダンピング材と前記拘束材を、前記バネ部材において前記取付部にまで至らない領域に固着せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、取付部に対してダンピング材や拘束材が固着されていないことから、取付部をボルト止めや溶接等により、制振対象部材に対して容易に、しかも大きな強度と耐久性をもって固着せしめることが可能となる。
【0013】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材の一方の端部に前記取付部を設けることにより前記弾性変形部を片端支持の梁構造をもって構成して、該弾性変形部の自由端に前記マス部を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、片持ち梁タイプのバネ部材が構成されて、その一次振動モードで特に大きな振幅で効率的に作用せしめられるダイナミックダンパが、コンパクトに実現され得ることとなる。
【0014】
また、本発明の第四の態様は、前記第三の態様に係るダイナミックダンパであって、前記弾性変形部の一方の端部において、前記取付部から立ち上がって該弾性変形部を前記制振対象部材から離隔位置せしめる立上部を設けると共に、該立上部によって該弾性変形部と該制振対象部材の対向面間に形成された空間に位置せしめられるように、前記マス部を該弾性変形部から突設したことを、特徴とする。このような本態様においては、制振対象部材と弾性変形部の間に隙間状の空間を巧く形成し、この空間を効率的に利用してマス部を配設することが可能となるのであり、特に平坦な装着面を有するパネル材等を制振対象部材とする場合等において、一層優れたスペース効率をもってダイナミックダンパを装着することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第五の態様は、前記第一又は第二の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材の両端部に前記取付部を一対設けると共に、前記弾性変形部の両方の端部にそれぞれ取付部から立ち上がる一対の立上部を設けて該弾性変形部を門形構造とし、該弾性変形部において両立上部間に跨がって延びる天板部の中間位置に前記マス部を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、一対の立上部が有利に弾性変形せしめられる方向と、天板部が有利に弾性変形せしめられる方向が略直交することとなり、それら両方向で、それぞれ副振動系として機能し得ることから、互いに異なる二つの方向で有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが実現可能となる。なお、本態様において、好ましくは、門形構造とされたバネ部材の天板部の内周面から中央空所に突出するようにしてマス部が設けられる。また、天板部だけでなく立上部に対してマス部を設けても良い。
【0016】
また、本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記一対の立上部および前記天板部に対して、前記ダンピング材と前記拘束材を積層状態で固着したことを、特徴とする。このような本態様においては、前述の如き互いに直交する二つの方向での弾性変形部の変形に際して、ダンピング材と拘束材による減衰作用が何れも有効に発揮され得て、両方向に及ぼされる振動に対して何れも良好な制振効果が発揮されるのである。
【0017】
更にまた、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に係るダイナミックダンパにおいて、前記バネ部材および前記拘束材を金属材で形成すると共に、前記ダンピング材をゴム弾性体で形成したことを、特徴とする。また、バネ部材のばね定数を拘束材のばね定数より大きくするために、一般に、拘束材はバネ部材よりも薄い板厚寸法で形成されることとなる。
【0018】
また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係るダイナミックダンパであって、前記制振対象部材がパネル状体であり、前記弾性変形部と前記マス部によって構成される振動系の固有振動数を、該パネル状体の一次モードの振動周波数にチューニングしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振材を用いても有効な振動低減が難しく、ダイナミックダンパの装着スペースも確保し難い、例えば自動車のルーフパネルやフロアパネル、ドアパネル等のパネル状体において、コンパクトな配設スペースをもって有利に適用され得て、一次等の低次の振動モードの振動に対して有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが提供され得るのである。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0020】
先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパ10の縦断面図と横断面図が示されている。このダイナミックダンパ10は、バネ部材12とマス部としてのマス金具14を含んで構成されており、バネ部材12によってマス金具14を振動部材(制振対象部材)16に対して連結支持せしめることによって、振動部材16に装着されるようになっている。そして、かかる装着状態下では、バネ部材12とマス金具14によって構成されるマス−バネ振動系が、主振動系たる振動部材16に対する副振動系として機能して、動的吸振器として制振効果を発揮し得るようになっている。
【0021】
より詳細には、バネ部材12は、略一定の肉厚寸法で広がる板形状を有しており、長手方向(図1中の左右方向)の中間部分には、クランク状断面で段差状に屈曲した立上部18が、長手方向一方の側(図1中の左側)に偏倚して形成されている。そして、この立上部18を挟んで一方の端部側が平板形状の取付部20とされている一方、他方の端部側が平板形状で延び出す弾性変形部22とされている。
【0022】
そして、取付部20が、振動部材16に対して、例えば溶接等によって固着されることにより、ダイナミックダンパ10が振動部材16に装着されるようになっている。また、立上部18は、ダイナミックダンパ10の装着状態下でマス金具14が振動部材16に干渉しない程度に、取付部20からの立ち上がり高さを小さく設定することが、ダイナミックダンパ10をコンパクトに構成するために望ましい。
【0023】
また一方、弾性変形部22は、立上部18の立ち上がり高さよりも十分に大きな長さで、立上部18から振動部材16に沿うようにして略水平に延び出して形成されている。そして、ダイナミックダンパ10の装着状態下では、振動部材16と弾性変形部22の対向面間に所定間隔の空間24が形成されるようになっている。また、弾性変形部22には、外側面(振動部材16と反対側の面)26に対して、略全面を覆うようにダンピング材としてのゴムシート28が密着状態で重ね合わされて、加硫接着等で固着されている。更にまた、ゴムシート28の表面には、略全面を覆うようにして、拘束材としての金属プレート30が密着状態で重ねあわされて、加硫接着等で固着されている。
【0024】
要するに、弾性変形部22は、その略全体において、ゴムシート28と金属プレート30が重ね合わされて、三層の積層構造をもって構成されているのである。そして、これらゴムシート28と金属プレート30によって、弾性変形部22の弾性変形に際して減衰作用が及ぼされるようになっている。
【0025】
さらに、弾性変形部22の内側面(振動部材16との対向面)32には、延び出し方向の先端の自由端部分に対して、マス金具14が重ね合わされて溶接等で固着されている。なお、マス金具14は、ダイナミックダンパ10の振動部材16への装着状態下で弾性変形部22が弾性変形せしめられた際に、振動部材16への干渉が回避され得るように、弾性変形部22からの突出高さが設定されている。
【0026】
すなわち、上述の如く構成されたダイナミックダンパ10においては、弾性変形部22が、長手方向一端側に設けられた取付部20において振動部材16に固定された片端支持の梁構造をもって構成されており、その自由端に対してマス金具14が取り付けられることによって、全体として、主振動系たる振動部材16における板厚方向(図1,2中の略上下方向)の振動に関して、1自由度の副振動系を構成するようになっている。
【0027】
なお、バネ部材12の形成材料としては、低減衰で高動ばねを発揮し得るように硬質の材料が採用され、具体的には鉄鋼等の金属材や繊維強化された合成樹脂材等が好適に採用される。また、ゴムシート28は、樹脂系のエラストマであっても良いが、大きな損失係数が得られるように、且つ温度変化に対する特性の安定性が十分であるゴム材料が採用され、具体的にはIIR(ブチルゴム)等が好適に採用される。更にまた、金属プレート30は、ゴムシート28の表面の変形に対して有効な拘束力を発揮し得るように、アルミニウム合金等の金属材や繊維強化された合成樹脂材等が好適に採用される。また、立上部18の立ち上がり高さを小さくして立上部18の剛性を大きく設定することにより、振動入力時における弾性変形が、弾性変形部22において有効に生ぜしめられるようにすることが望ましい。
【0028】
ここにおいて、ゴムシート28の両面に張り合わせられた弾性変形部22と金属プレート30は、動的ばね定数の値が、金属プレート30よりも弾性変形部22の方が十分に大きいように、材料や部材寸法等が設定されている。それにより、副振動系における動的ばね定数に関して、弾性変形部22が支配的とされており、金属プレート30は、バネ部材12の全面に亘って被着されていないことと相俟って、副振動系の動的ばね定数に対して大きな影響を及ぼさないようにされている。
【0029】
かかる目的を達成するために、具体的には、例えば、弾性変形部22を含むバネ部材12を、厚さ寸法:0.5mm〜4.0mm程度のステンレススチール製等とすると共に、ゴムシート28を、厚さ寸法:0.5mm〜4.0mm程度のIIR系のゴム製等とし、更に、金属プレート30を、厚さ寸法:0.1mm〜2.0mm程度のアルミニウム合金製等とすると共に、マス金具14を、厚さ寸法:2〜20mm程度の鋳鉄製等とする構成が、例えば自動車のルーフパネルやサブフレーム等を振動部材16とする場合において有利に採用され得る。
【0030】
このような構造とされたダイナミックダンパ10においては、その装着状態下、振動部材16に板厚方向の振動が生ぜしめられると、それが加振力として弾性変形部22に及ぼされて図中の上下方向に首振り状に剪断変形せしめられることにより一つの副振動系として作用する。それ故、かかる副振動系の固有振動数を、弾性変形部22を主体として構成されたバネ系の動的ばね定数と、マス金具14を主体として構成されたマス系の質量とを調節して、振動部材16において防振すべき振動の周波数に対応させてチューニングすることにより、かかる防振すべき振動に対して有効な制振効果が発揮されることとなる。
【0031】
そこにおいて、かかる副振動系は、バネ系が、特性の温度依存性の小さい金属材等で形成された弾性変形部22を主体として構成されていることから、数十度以上の大きな温度変化に晒された場合でも、固有振動数の大幅な変化が回避されて、防振を目的とする振動に対して、有効な制振効果が安定して発揮され得るのである。
【0032】
しかも、副振動系が加振された際には、弾性変形部22の弾性変形に伴って、硬質のバネ部材と金属プレート30で両面を拘束されたゴムシート28に有効な剪断変形が生ぜしめられることから、大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されて、チューニング周波数域を挟んだ上下の周波数域においても振動状態の悪化が回避されることとなり、全体として広い周波数域に亘って良好な振動低減が実現され得るのである。
【0033】
また、本実施形態のダイナミックダンパ10は、大きなばね剛性を持つ金属等で形成された弾性変形部22によってバネ系が構成されていることから、従来のゴム弾性体でバネ系を構成する場合に比して、全体をコンパクトに構成することが可能であり、特に振動部材16の表面に沿って延びる形態の梁状のバネ部材を採用したことによって、小さなスペースに極めて効率的に配設することが可能となるのである。
【0034】
次に、図3〜4には、本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパ40が、示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0035】
すなわち、本実施形態のダイナミックダンパ40において、副振動系を構成するバネ部材12は、略一定の肉厚寸法で広がる板形状を有しており、長手方向(図1中の左右方向)で相互に所定距離を隔てた位置に、クランク状断面で段差状に屈曲した一対の立上部42,42が形成されている。そして、これらの立上部42,42よりも端部側が、平板形状で広がる一対の取付部20,20とされている。また、かかる一対の立上部42,42の間に位置する中央部分は、両立上部42,42の先端部間に跨がって延びる平板形状の天板部44とされている。
【0036】
要するに、本実施形態のバネ部材12は、両端部に設けられた一対の取付部20,20から一対の立上部42,42が互いに略平行に立ち上がって形成されていると共に、それら両立上部42,42の突出先端部を相互に繋ぐようにして天板部44が一体形成されており、全体として、門形状を有している。そして、一対の取付部20,20において振動部材16に固着されることにより、一対の立上部42,42および天板部44が、振動部材16との間に空間を形成するようにして、弾性変形可能に位置せしめられるようになっており、弾性変形可能とされた一対の立上部42,42と天板部44が、全体として、両端の取付部20,20で固定的に取り付けられた両端固定の梁構造をもって、弾性変形部46を構成している。
【0037】
また、弾性変形部46の外側面26には、天板部44の全長を覆い、更に両側の立上部42,42に延び出して、それら立上部42,42の下端近くまでを覆うようにして、第一の実施形態と同様にゴムシート28と金属プレート30が、密着した積層状態で固着されている。
【0038】
更にまた、弾性変形部46の内側面32には、天板部44の長手方向略中央部分に位置して、第一の実施形態と同様なマス金具14が溶着等で固着されている。
【0039】
そして、本実施形態でも、第一の実施形態と同様に、弾性変形部46が低減衰高動ばねの金属等の材料で形成されていると共に、かかる弾性変形部46の弾性変形に対して、外側面26に被着されたゴムシート28と金属プレート30によって大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されるようになっており、振動部材16において防振すべき振動に対して、温度変化の悪影響を軽減乃至は回避しつつ、有効な制振効果を安定して及ぼし得るのである。
【0040】
特に、本実施形態のダイナミックダンパ40は振動部材16の厚さ方向(図3,4中の上下方向)の振動に対しては、弾性変形部46の天板部44の弾性変形が略剪断変形として有利に生ぜしめられると共に、それに直交する方向(図3,4中の左右方向)の振動に対しては、弾性変形部46の一対の立上部42,42の弾性変形が略剪断変形として有効に生ぜしめられることから、互いに直交するそれら二つの方向で、振動部材16に対する副振動系として有効に作用し得ることとなる。従って、それら各方向の固有振動数を適当にチューニングすることにより、振動部材16におけるそれぞれの方向の振動に対して、何れも有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0041】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって何等限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を施した態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0042】
例えば、第一の実施形態における弾性変形部22や、第二の実施形態における弾性変形部46(立上部42,42および天板部44)の長さ等の具体的寸法、更にマス金具14の大きさ(質量)等は、防振すべき振動周波数や振動レベル等に応じて適宜に変更されるものであって、限定されるものでない。そこにおいて、弾性変形部22,46の形状も、例えば振動部材16の取付面が湾曲形状等の異形状であれば、それに対応して湾曲形状等を採用し得る。
【0043】
また、第一の実施形態において、立上部18にもゴムシート28や金属プレート30を被着しても良く、また、第二の実施形態において、立上部42と天板部44の何れか一方だけにゴムシート28と金属プレート30を被着するようにしても良い。
【0044】
更にまた、ダイナミックダンパ10,40によって構成される副振動系の固有振動数は、振動部材16において制振すべき振動周波数に応じて決定されるものであり、必ずしも振動部材16の1次振動モード等の低次の振動モードにチューニングする必要はない。
【0045】
加えて、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパは、自動車用のパネル部材やサブフレームの他、振動が問題となる各種の装置等における各種の部材に対して装着され得る。
【0046】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、副振動系を構成するバネ系が、特性の温度依存性が小さい硬質のバネ材で主体的に構成されていることから、大きな温度変化に晒された場合でも、目的とする振動に対して有効な制振効果を安定して得ることが出来ると共に、バネ部材に積層されたダンピング材と拘束材によって大きな損失係数(ロスファクタ)が発揮されて、全体として広い周波数域に亘って良好な振動低減が実現され得るのである。
【0047】
しかも、かかるダイナミックダンパは、大きなばね剛性を持つ硬質のバネ部材が採用され得ることから、従来のゴム弾性体でバネ系を構成するダイナミックダンパに比して、全体をコンパクトに構成することが可能となり、加えて、梁状の弾性変形部を採用したことによって、例えば制振対象部材の表面に沿って延びる形態のバネ部材を採用することが可能で、小さなスペースに極めて効率的に配設することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパを示す縦断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ
12 バネ部材
14 マス金具
16 振動部材
18 立上部
20 取付部
22 弾性変形部
28 ゴムシート
30 金属プレート
Claims (8)
- 制振対象部材に対して所定質量のマス部をバネ部材で弾性的に連結支持せしめたダイナミックダンパにおいて、
硬質のバネ部材の端部に取付部を設けて、該取付部において該バネ部材を前記制振対象部材に対して固定的に取り付けることにより、該バネ部材で梁状の弾性変形部が構成されるようにすると共に、該弾性変形部によって前記マス部を該制振対象部材に対して弾性的に支持せしめる一方、該弾性変形部に対してダンピング材と拘束材を積層状態で固着し、且つ該拘束材のばね定数を該弾性変形部のばね定数よりも小さくしたことを特徴とするダイナミックダンパ。 - 前記ダンピング材と前記拘束材を、前記バネ部材において前記取付部にまで至らない領域に固着せしめた請求項1に記載のダイナミックダンパ。
- 前記バネ部材の一方の端部に前記取付部を設けることにより前記弾性変形部を片端支持の梁構造をもって構成して、該弾性変形部の自由端に前記マス部を設けた請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
- 前記弾性変形部の一方の端部において、前記取付部から立ち上がって該弾性変形部を前記制振対象部材から離隔位置せしめる立上部を設けると共に、該立上部によって該弾性変形部と該制振対象部材の対向面間に形成された空間に位置せしめられるように、前記マス部を該弾性変形部から突設した請求項3に記載のダイナミックダンパ。
- 前記バネ部材の両端部に前記取付部を一対設けると共に、前記弾性変形部の両方の端部にそれぞれ取付部から立ち上がる一対の立上部を設けて該弾性変形部を門形構造とし、該弾性変形部において両立上部間に跨がって延びる天板部の中間位置に前記マス部を設けた請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
- 前記一対の立上部および前記天板部に対して、前記ダンピング材と前記拘束材を積層状態で固着した請求項5に記載のダイナミックダンパ。
- 前記バネ部材および前記拘束材を金属材で形成すると共に、前記ダンピング材をゴム弾性体で形成した請求項1乃至6の何れかに記載のダイナミックダンパ。
- 前記制振対象部材がパネル状体であり、前記弾性変形部と前記マス部によって構成される振動系の固有振動数を、該パネル状体の一次モードの振動周波数にチューニングした請求項1乃至7の何れかに記載のダイナミックダンパ。
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-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002181223A patent/JP2004028124A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
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JP2009035864A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-02-19 | Tokai Rubber Ind Ltd | 建物構造物の制振装置 |
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