JPH0673492U - ダイナミックダンパブラケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のエンジンマウント等のブラケット
に、ダイナミックダンパ機能をもたせ、エンジン振動等
の車体への伝達を低減させる。 【構成】 ブラケット１のエンジン側への取付部２と車
体側への取付部３との間の平面部４に、２条の平行なス
リット５，５を設けてそのスリット５，５にて切り離さ
れた部分を板バネ部６とし、この板バネ部６にウエイト
部材７を取付固定し、ブラケット１自体の一部にて形成
した板バネ部６とそれに取付けたウエイト部材７とでダ
イナミックダンパ８を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はダイナミックダンパ機能を備えたブラケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車において、車室内騒音を低減する手段の一つとして、エンジンマウント やデフマウント等のブラケットにダイナミックダンパを設けるという手段が従来 より用いられている（例えば実開昭６３−８９４５１号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように自動車の振動吸収低減用として従来より用いられているダイナミ ックダンパは、ウエイト部材とゴムとの組合わせ構造が一般的である。

【０００４】 ところが、弾性体としてゴムを用いたものは、ゴムの温度による特性変化や高 い周波数ではゴムのばらつきにより、目的とする周波数での振動低減効果を得難 い。更に高い周波数用のダイナミックダンパは一定のマスに対してゴムのバネ定 数を極端に高くする必要があるが、ゴムの硬度には限界があり、実際には高周波 数の振動に対し効果的なダイナミックダンパを実現することは難しいという課題 を有している。又従来のものは構成部品が多くコストが高くなるという課題を有 している。

【０００５】 本考案は上記従来の課題に対処することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、エンジンマウント或はデフマウント等のブラケットに、スリットに て一部を切り離された板バネ部を形成し、このブラケット自体の板バネ部にウエ イト部材を取付固定してダイナミックダンパ機能をもったダイナミックダンパブ ラケットを構成したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

上記のように、ブラケット自体の一部で形成した板バネ部をダイナミックダン パの弾性体としたことにより、温度変化に対して安定でばらつきが少く、且つ高 い周波数でも充分振動低減効果が得られるダイナミックダンパを、従来より少な い構成部品で安価に得ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１は本考案の第１の実施例を示すもので、１は板金製のブラケットであり、 該ブラケット１は、その一方をエンジン側への取付部２とし他方をブッシュ又は インシュレータの取付部３とし、該エンジン側への取付部２をエンジン側に固定 し、ブッシュ又はインシュレータの取付部３をブッシュ又はインシュレータを介 して車体に取り付けるものである。

【００１０】 該ブラケット１のエンジン側への取付部２とブッシュ又はインシュレータの取 付部３との間の平面部４に、互いにほぼ平行な２条のスリット５，５を所定の間 隔をもって形成することにより、該２条のスリット５，５間に他の部分からスリ ットで切り離された板バネ部６を形成し、この板バネ部６に所定のマスをもった ウエイト部材７を取付け、ブラケット１自体の一部で形成した板バネ部６とそれ に取付固定したウエイト部材７とでダイナミックダンパ８を構成している。

【００１１】 このようにダイナミックダンパ８の弾性体をブラケット１自体の一部で形成し た板バネ部６としたことにより、材料特性上ヤング率特性が安定しており、温度 変化の影響が極めて少く且つばらつきの少ない性能が得られ、又２条のスリット ５，５間の間隔及び幅等を適当に設定することによって極めて高いバネ定数を得 ることが可能であり、例えば７００Ｈz といった高い周波数に対し充分な振動低 減効果をもったダイナミックダンパ８を得ることができるものである。又ブラケ ット１自体の一部で板バネ部６を形成しているので、ダイナミックダンパ８の構 成部品は従来より少くなり、ウエイト部材７の取付固定も簡単容易であり、従来 のものに比べ大幅なコストダウンをはかることができる。

【００１２】 図２は本考案の第２の実施例を示すものであり、この例ではブラケット１の平 面部４に、コ字状のスリット５によって３方を切り離された板バネ部６を形成し た例を示しており、その他の構成は図１の実施例と同じであり、図１と同じ符号 は図１と同じ部分を表わしている。

【００１３】 このように、３方をスリット５で切り離された板バネ部６を構成することによ り、板バネ部６のバネ定数を低くして図１の場合より低い周波数に対応するダイ ナミックダンパ８を得ることができるものである。

【００１４】 上記各実施例では本考案をエンジンマウント用のブラケットに適用した例を示 しているが、本考案はエンジンマウント用のブラケットに限らず、その他例えば デフマウント用のブラケット等任意の振動源となる部材の車体側への取付用ブラ ケットに適用可能であり、又ブラケット自体の具体的構造も図示実施例のものに 限らず任意構造のブラケットに適用できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、エンジン或はデファレンシャル装置等振動源と なる機器の車体側への取付用のブラケット自体にスリットにて切り離された板バ ネ部を形成し、その板バネ部にウエイト部材を取付固定してダイナミックダンパ を構成したことにより、温度変化に対して安定でばらつきの少ないダイナミック ダンパを容易に得ることができ、自動車における車室内騒音の低減効果の向上を はかることができるもので、従来のゴムを用いたダイナミックダンパに比べて構 成部品が少くコストダウンをはかることができ且つ軽量であること等と相俟って 実用上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示すもので、（Ａ）は
ダイナミックダンパブラケットの平面図、（Ｂ）はその
正面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示すダイナミックダン
パブラケットの平面図である。

【符号の説明】

１ ブラケット ２ エンジン側への取付部 ３ ブッシュ又はインシュレータの取付部 ４ 平面部 ５ スリット ６ 板バネ部 ７ ウエイト部材 ８ ダイナミックダンパ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 土谷 健一 東京都新宿区西新宿一丁目７番２号 富士 重工業株式 会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンマウント或はデフマウント等振
   動源となる機器を車体に取付けるためのブラケットの振
   動源側への取付部と車体側への取付部との中間部に、ス
   リットにて一部を切り離すことによってブラケット自体
   の板バネ部を形成し、該板バネ部にウエイト部材を取付
   固定したことを特徴とするダイナミックダンパブラケッ
   ト。