JP2004135974A - 遊技機の取付装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外枠Aの上枠杆13に、一対のガイド部材17,17が配設される。各ガイド部材17に、後方に向けて所定長さで突出する軸部19が突設される。設置枠台11の上板部21に、一対の取付部材22,22が配設される。各取付部材22に、傾斜調整部材26が回動可能に枢支される。傾斜調整部材26に、ガイド部材17の軸部19が挿通可能な孔部32が形成される。ガイド部材17の軸部19を傾斜調整部材26の孔部32に挿通した状態で、外枠Aの角度調整を行なう。このとき、傾斜調整部材26が取付部材22に対して回動することで、ガイド部材17、取付部材22および傾斜調整部材26に無理な力が加わることなく、円滑な角度調整が行なわれる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技機の取付装置に関し、更に詳細には、縦向き状態で遊技に供されてゲーム領域内にパチンコ球を打出してゲームを展開し得る型式の遊技機において、その外枠を設置枠台に対して任意の傾斜姿勢で取付ける遊技機の取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機の代表例の一つであるパチンコ機では、複数本(4本)の枠杆部材を互いに枠組み補強結合して所定縦長方形サイズの直角枠状に製作された固定用の外枠が、一般に「島」とも呼ばれている設置枠台において、一定開口広さに区画成形された各々の枠内毎に縦向きに収納されて、上端部が下端部に対して後方となる所定の後傾角度で取付けられる。そして、この外枠の前面側に各種の遊技構成部材を装備セットした前枠が組付けられて、内部の遊技盤を適正な傾倒状態に保持して遊技に供するようになっている。
【0003】
前記外枠の設置に際しては、設置枠台の下台板部の全長に亘り設定された水平基準縁に対して、各々の枠内に収納される外枠の下端前縁を位置決め(基準合わせ)して台板部側にくぎ等を用いて固定する一方、ひも等による水平補助線や傾き測定具等を利用して、外枠の上端部を後方へ所定量(一般に長さ単位の何分何厘とも呼ばれている所要長さ分)変位させて設置枠台の上板部側に固定して、外枠全体を所要の後傾角度(例えば1〜1.5度位)に設定保持して取付けられている。
【0004】
前記設置枠台に対する外枠を適正な傾斜姿勢で取付けるには、前記ひもや傾き測定具等を利用したとしても、その固定化にはくぎ等を用いているため、外枠を適正な姿勢に保持したもとで固定するには熟練された技術が必要とされる。そこで、設置枠台の上板部に溝型材を固定すると共に、該溝型材に対して前後進退動可能な滑り子を外枠の上枠杆部材に固定し、溝型材に螺挿された角度調整ねじにより滑り子を進退動することで、設置枠台に対する外枠の角度調整を行なう遊技機の取付装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3023320号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記取付装置では、滑り子を進退動する角度調整ねじは、設置枠台の前面と平行な鉛直面に対して直交する前後方向に移動するよう構成されている。しかるに、設置枠台に対して外枠の上枠杆部材は、下枠杆部材の設置枠台に対する固定部を支点とする円弧軌跡上を移動するため、直線的に前後動する角度調整ねじには調整時に無理な力が加わり、円滑な調整ができなかったり、ねじ山が潰れる等の難点が指摘される。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、角度を調整する手段に無理な力が加わることなく、外枠の円滑な角度調整が可能な遊技機の取付装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る遊技機の取付装置は、
設置枠台(11)に対し、遊技機(P)の外枠(A)を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台(11)の上部側に配設される取付部材(22)と、
前記取付部材(22)に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設されると共に、前記外枠(A)の上部側が固定される傾斜調整部材(26)と、
前記取付部材(22)に対して傾斜調整部材(26)を任意の角度位置で位置決め固定する固定手段(29,30)とを備え、
前記傾斜調整部材(26)を取付部材(22)に対して角度調整することで、前記外枠(A)を設置枠台(11)に対して傾斜姿勢で取付けるよう構成したことを特徴とする。
【0009】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本願の別の発明に係る遊技機の取付装置は、
設置枠台(11)に対し、遊技機(P)の外枠(A)を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台(11)の上部側に配設される取付部材(22)と、
前記取付部材(22)に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設される傾斜調整部材(26)と、
前記取付部材(22)に対して傾斜調整部材(26)を任意の角度位置で位置決め固定する第1の固定手段(29,30)と、
前記傾斜調整部材(26)に形成されて前後方向に延在する孔部(32)と、
前記外枠(A)の上部側に配設され、前記孔部(32)に挿脱可能に挿通される軸部(19)が突設されたガイド部材(17)と、
前記孔部(32)に挿通された軸部(19)を傾斜調整部材(26)に対して位置決め固定する第2の固定手段(35)とから構成したことを特徴とする。
【0010】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本願の更に別の発明に係る遊技機の取付装置は、
設置枠台(11)に対し、遊技機(P)の外枠(A)を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台(11)の上部側に配設される取付部材(22)と、
前記取付部材(22)に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設される傾斜調整部材(26)と、
前記取付部材(22)に対して傾斜調整部材(26)を任意の角度位置で位置決め固定する第1の固定手段(29,30)と、
前記傾斜調整部材(26)に対し、前後方向への移動が規制された状態で回転可能に配設された微調整部材(36,41)と、
前記微調整部材(36,41)に形成されて前後方向に延在する螺子孔部(36a,41a)と、
前記外枠(A)の上部側に配設され、前記螺子孔部(36a,41a)に挿脱可能な軸部(19)に該螺子孔部(36a,41a)に螺合する螺子部(40)が設けられたガイド部材(17)とからなり、
前記傾斜調整部材(26)の角度調整および微調整部材(36,41)を回転させることによる前記螺子孔部(36a,41a)と螺子部(40)との螺合作用に基づいて、前記ガイド部材(17)と共に外枠(A)の上部側を前後方向に移動させるよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、前記の取付装置において、前記ガイド部材(17)の軸部(19)に、前後方向に所定間隔で目盛(20)を付すようにしてもよい。
【0012】
【作用】
請求項1記載の発明では、設置枠台に配設された取付部材に対して、外枠の上部側が固定された傾斜調整部材を前後方向に角度調整したもとで、該傾斜調整部材を取付部材に固定手段で位置め固定することで、前記外枠が設置枠台に対して傾斜姿勢で取付けられる。
【0013】
また請求項2記載の発明では、設置枠台に配設された取付部材に対して前後方向への角度調整が可能に配設された傾斜調整部材の孔部に、外枠の上部側に配設されたガイド部材の軸部を挿通する。そして、取付部材に対して傾斜調整部材を前後方向に角度調整することで外枠を傾斜させたもとで、該傾斜調整部材を取付部材に第1の固定手段で位置決め固定すると共に、傾斜調整部材に対してガイド部材の軸部を第2の固定手段で位置決め固定することで、前記外枠が設置枠台に対して傾斜姿勢で取付けられる。
【0014】
更に請求項3記載の発明では、設置枠台に配設された取付部材に対して前後方向への角度調整が可能に配設された傾斜調整部材に設けられた微調整部材の螺子孔部に、外枠の上部側に配設されたガイド部材の軸部を挿通すると共に、該軸部に設けられた螺子部を螺子孔部に螺合する。そして、取付部材に対して傾斜調整部材を前後方向に角度調整すると共に、微調整部材の回転による螺子孔部と螺子部との螺合作用に基づいて外枠の上部側を傾斜させることで、前記外枠が設置枠台に対して傾斜姿勢で取付けられる。
【0015】
なお、ガイド部材の軸部に目盛を付した場合は、該目盛を利用して外枠の傾斜角度の調整を容易に行ない得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る遊技機の取付装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例の取付装置は、遊技機としてのパチンコ機、アレンジボール機等に好適に実施可能とされるものであるが、実施例では主にパチンコ機を例に挙げて説明することとする。
【0017】
【第1実施例】
図1および図3に示す第1実施例に係る取付装置10により設置枠台(通称「島」)11に取付けられるパチンコ機Pの概略構成につき、図2を参照して簡単に説明する。すなわち、パチンコ機Pは、縦長方形に枠組み形成された外郭保持枠をなす外枠Aの前側開口面に、各種の遊技構成部材用の搭載セット枠をなす前枠Bが、開閉連結支持手段を利用して開閉および着脱可能に組付けられている。そしてこの前枠Bの前側各部に、ガラス扉C、上,下の球受け皿D,Eおよび打球操作部F等が夫々装備され、また前枠Bの正面内部に、各種の入賞器具や案内部品等を含む所要のゲーム領域を構成した遊技盤Gが着脱交換可能に収容セットされている。そして、遊技ホール内等での実施に際しては、設置枠台11における各収容枠部12に、前記外枠Aが所定の後傾起立状態で固定保持されたもとで、前枠Bが組付けセットされて遊技に供されるようになっている。
【0018】
前記パチンコ機Pにおいて、前記外枠Aは、図1に例示するように、上辺を構成する上枠杆13と、左右の辺を構成する側枠杆14,14および下辺を構成する下枠杆15とを互いに枠組み補強結合して、平行度および直角度が維持された所定方形サイズの縦長直角枠に構成されている。そして下枠杆15が、その下端前縁を設置枠台11の下台板部16の前端縁に整合するよう基準位置合わせされた状態で、該下枠杆15が下台板部16にくぎ等により打止め固定されるようになっている。
【0019】
前記外枠Aの上部側である上枠杆13には、第1実施例の取付装置10を構成する一対のガイド部材17,17が左右幅方向に離間して配設されている。各ガイド部材17は、図3に示す如く、略逆L字状に形成された固定部18が、その水平部18aを上枠杆13の上面に当接すると共に、その垂直部18bを上枠杆13の後面に当接した状態で、着脱可能にネジ止め固定される。また固定部18の垂直部18bには、後方に向けて所定長さで突出する軸部19が突設され、該軸部19が、取付装置10を構成する後述の傾斜調整部材26に形成されている孔部32に挿脱可能に挿通されるよう構成される。なお、軸部19には、その軸方向(前後方向)に所定間隔で目盛20が付されており、該目盛20を利用して孔部32に対する軸部19の挿入量(外枠Aの傾斜角度)を調整し得るようになっている。
【0020】
前記設置枠台11の上部側である上板部21には、第1実施例の取付装置10を構成する一対の取付部材22,22が、前記外枠Aに配設された一対のガイド部材17,17と対応して左右幅方向に離間して配設されている。各取付部材22は、図4に示す如く、下方に開放するコ字状に形成された支持部23と、該支持部23における前端縁において上方に向けて略直角に折曲形成された固定片24とからなり、該固定片24には、上下方向に延在する一対の長孔24a,24aが左右に離間して形成されている。そして、固定片24を上板部21の後面に当接した状態で、各長孔24aに挿通したネジ(図示せず)を上部板21にネジ込むことで、該取付部材22は上板部21に対して着脱可能に固定されるようになっている(図3参照)。なお、固定片24を介して取付部材22を上板部21に固定した状態で、前記支持部23は、該上板部21から垂下して収容枠部12内に臨むよう設定される。また取付部材22は、長孔24aの形成範囲内で、上板部21に対する固定位置を変更し得るよう構成される。
【0021】
前記取付部材22の支持部23における左右両側板23a,23aには、外枠Aの下台板部16に対する固定部位を支点として、前記ガイド部材17が回動する円弧軌跡に沿う円弧状のガイド孔23b,23bが形成されている。また取付部材22の支持部23における左右両側板23a,23aの間には、前記ガイド孔23b,23bの円弧中心位置に設けられた支持孔23cに配設されて左右方向に延在する枢支ピン25を介して、傾斜調整部材26が前後方向への回動可能に枢支されている(図6,図7参照)。この傾斜調整部材26は、図4または図5に示す如く、枢支ピン25が挿通される軸孔27aが穿設された本体部27の後側に、挟持部28が連設されている。また本体部27には、軸孔27aの穿設位置から離間する上方位置に固定用ネジ29が、該軸孔27aと平行に設けられた固定用ネジ孔27bに配設され、該固定用ネジ29における本体部27から左右両側に突出する各端部が、前記取付部材22の対応する各ガイド孔23bに挿通されている。すなわち、取付部材22に対して傾斜調整部材26は、左右方向に延在する枢支ピン25を軸として、ガイド孔23bの形成範囲内で前後方向に回動可能に配設される。そして、固定用ネジ29の両側板23a,23aから外方に延出する両端部にナット30,30を螺合して締付けることで、該傾斜調整部材26は両側板23a,23aで挟持されて、所定角度で位置決め固定されるようになっている。第1実施例では、固定用ネジ29とナット30,30とから固定手段または第1の固定手段が構成される。
【0022】
前記傾斜調整部材26の本体部27に対して挟持部28は、上部側に配設された連結部31を介してのみ連結されて、本体部27に対し独立して軸部19を挟持するよう構成される。本体部27および挟持部28には、前記連結部31より下方の位置に、前記ガイド部材17の軸部19が前側から挿通可能な孔部32が、前後方向に延在すると共に該傾斜調整部材26を貫通するよう形成されている。また挟持部28は、図5に示す如く、孔部32に連通して下方に延在するよう形成されたスリット33を挟む左右両側に挟持片28a,28aが形成され、後述する第2の固定手段により両挟持片28a,28aを近接することで、孔部32に挿通されている軸部19を位置決め固定するよう構成される。なお、挟持部28における孔部32の上側に、該孔部32に連通する切欠き34が形成されており、孔部32に対する軸部19の固定をより強固にし得るようにしてある。
【0023】
図5(b)に示す如く、前記一方の挟持片28aには左右方向に貫通する通孔28bが穿設されると共に、他方の挟持片28aには、前記通孔28bと整列して左右方向に貫通するネジ孔28cが形成されている。そして、ハンドル35aにネジ軸35bを一体に設けられた固定具(第2の固定手段)35の該ネジ軸35bが、通孔28bに挿通された後にネジ孔28cに螺挿されるよう構成される。すなわち、ハンドル35aを介してネジ軸35bを所定方向に回転することで、ネジ軸35bとネジ孔28cとの螺合作用下に、一対の挟持片28a,28aが近接して、前記孔部32に挿通されている軸部19を両挟持片28a,28aにより挟持固定し得るようになっている。
【0024】
【第1実施例の作用】
次に、第1実施例に係る取付装置の作用につき説明する。前記設置枠台11に対して外枠Aを設置する際には、図1および図3に示す如く、先ず設置枠台11における上板部21の後側に、一対の取付部材22,22をネジ止め固定すると共に、外枠Aの上枠杆13の後側に対応して一対のガイド部材17,17をネジ止め固定する(何れのネジも図示せず)。このとき、前記第1の固定手段を構成するナット30,30を弛めて、前記各取付部材22に対して傾斜調整部材26を夫々回動可能な状態としておく。更に、第2の固定手段としての固定具35を弛めて、前記孔部32に軸部19が挿通可能な状態としておく。
【0025】
次いで、前記各ガイド部材17の後方に突出する軸部19を、図6に示す如く、対応する取付部材22に配設されている傾斜調整部材26の孔部32に前側から挿通する。この状態で、外枠Aの下枠杆15を、設置枠台11の下台板部16に対して基準位置合わせして、くぎ等により打止め固定する。また外枠Aの上枠杆13を、前記軸部19に付された目盛20を利用して、下枠杆15と下台板部16との固定部位を支点として後方へ正確に傾斜させたもとで、前記ナット30,30を締付けて取付部材22に対して傾斜調整部材26を位置決め固定すると共に、前記固定具35のネジ軸35bを締込んで傾斜調整部材26に対する軸部19の位置決め固定を行なう。これにより、外枠A全体が所要の傾斜角度に設定保持されたもとで、設置枠台11に固定される(図8参照)。なお、外枠Aの角度調整は、適宜の測定用具(図示しない)を利用して行なってもよい。
【0026】
前記外枠Aの角度調整に際し、該外枠Aに配設したガイド部材17の軸部19が孔部32に挿通されている傾斜調整部材26は、取付部材22に対して回動可能に配設されているから、図7に示す如く、外枠Aを傾斜させる際には、取付部材22に対して傾斜調整部材26が回動しつつ、孔部32に対して軸部19が進退移動する。従って、ガイド部材17、取付部材22および傾斜調整部材26には無理な力が加わることなく、円滑な角度調整を行ない得る。また軸部19に付された目盛20を利用することで、別途測定用具を用いることなく外枠Aの角度調整を容易に行なうことができる。
【0027】
第1実施例の取付装置10では、前記傾斜調整部材26の孔部32に挿通した軸部19を、一対の挟持片28a,28aで挟持して摩擦力により強固に固定ができるから、取付装置自体を単純構造として小型化が可能となる。
【0028】
ここで、前記設置枠台11に設置されたパチンコ機Pに対し、前側からの衝撃による荷重が加わることがあるが、その荷重は、前記ガイド部材17における軸部19の傾斜調整部材26の孔部32への挿入方向に対して傾斜した方向に作用し、該ガイド部材17を真っ直ぐ後ろに押す方向に荷重が加わることは殆どない。すなわち、前述したような荷重がパチンコ機Pに加わった場合は、前記ガイド部材17における軸部19の外周面が、傾斜調整部材26における孔部32の内周面に押付けられるように作用することとなり、その荷重により軸部19の孔部32に対する挿入量が変化するのは抑制され、外枠Aの傾斜角度が変化するのを防止し得る。
【0029】
【第2実施例】
図9および図10は、第2実施例に係る取付装置を示すものであって、基本的な構成は前述した実施例と同一であるので、異なる部分についてのみ説明し、同一部材には同じ符号を付して示すこととする。
【0030】
すなわち、第2実施例に係る取付装置10では、前記傾斜調整部材26の前側(本体部27における挟持部28が連設される側とは反対の側)には、前後方向への移動が規制された状態で回転可能に微調整部材36が配設されている。この微調整部材36は、中心部に前後方向に延在するよう貫通する螺子孔部36aが形成された六角ナット状を呈すると共に、その後端には小径円筒状の挿入部36bが突設されており、該微調整部材36が、ホルダ37およびネジ部材38を介して傾斜調整部材26に配設される。ホルダ37は、前記微調整部材36の挿入部36bが前方から挿脱可能な内径に設定された円筒状を呈し、該ホルダ37の後端部内周には、内側に突出するフランジ37aが形成されている(図10参照)。またネジ部材38は、前記ホルダ37に前側から挿脱可能な円盤状の規制板38aに、前記ガイド部材17の軸部19が挿脱可能な通孔38bが穿設されると共に、該通孔38bを挟む左右両側の位置に、後方に向けて延出する一対のネジ軸38c,38cが平行に配設されている。
【0031】
前記ネジ部材38は、図10に示す如く、その規制板38aをホルダ37に前側から挿入してフランジ37aで前後方向への位置規制がなされた状態で、両ネジ軸38c,38cが該ホルダ37から後方に延出するよう構成される。また前記微調整部材36は、前記挿入部36bをホルダ37に前側から挿入した状態で、図示しないネジを介して該ホルダ37に対して抜止めされると共に一体的に回動可能に配設される。そして、この状態で、前記ネジ部材38とホルダ37とは、相対的に回動可能に構成されている。
【0032】
前記傾斜調整部材26には、図9に示す如く、前記孔部32を挟む左右両側に、前記ネジ部材38におけるネジ軸38c,38cが挿脱可能な通孔39,39が穿設されており、前記ホルダ37から後方に延出する一対のネジ軸38c,38cが、対応する通孔39,39に前側(本体部27側)から挿通される。そして、ネジ軸38c,38cに螺合される図示しないナットによりネジ部材38を傾斜調整部材26に位置決め固定することで、前記微調整部材36およびホルダ37は、傾斜調整部材26に対して前後方向への移動がネジ部材38により規制された状態で、正逆方向への回転は可能に配設されるようになっている。
【0033】
前記ガイド部材17における軸部19には、前記微調整部材36の螺子孔部36aに螺合可能な螺子部40が所定長さ範囲で設けられており、該螺子部40を螺子孔部36aに螺合したもとで、微調整部材36を正逆方向に回転することで、螺子孔部36aと螺子部40との螺合作用に基づいて、傾斜調整部材26の孔部32に対する軸部19の挿入量が可変するよう構成される。なお、前記軸部19における前記挟持部28に対応する孔部32に臨む位置には螺子部40は設けられておらず、該軸部19の挟持部28による位置決め固定は確実に行なわれるようになっている。
【0034】
【第2実施例の作用】
次に、第2実施例に係る取付装置の作用につき、前記第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。前記ナット30,30および固定具35を弛めて、前記各取付部材22に対して傾斜調整部材26を回動可能な状態とし、また前記孔部32に軸部19が挿通可能な状態としたもとで、前記各ガイド部材17の後方に突出する軸部19を、対応する取付部材22の傾斜調整部材26に取付けられている微調整部材36の螺子孔部36aに前側から挿通すると共に該傾斜調整部材26の孔部32にも挿通する。そして、軸部19の螺子部40を微調整部材36の螺子孔部36aに螺合したもとで、該微調整部材36を所定方向に回転して孔部32に対する軸部19の挿入量を、ある程度調整して前記外枠Aを略鉛直姿勢とする。この状態で、外枠Aの下枠杆15を、前記設置枠台11の下台板部16に対して基準位置合わせして、くぎ等により打止め固定する。
【0035】
次いで、前記微調整部材36を所定方向に更に回転して孔部32に対する軸部19の挿入量を、前記目盛20を利用して調整することで、前記外枠Aの上枠杆13が後方へ移動し、該外枠Aは後傾姿勢となる。このとき、前述したと同様に傾斜調整部材26が取付部材22に対して回動することで、ガイド部材17、取付部材22および傾斜調整部材26には無理な力が加わることなく、円滑な角度調整が行なわれる。そして、外枠Aが適正な後傾姿勢となった状態で、前記ナット30,30および固定具35を用いて取付部材22に対する傾斜調整部材26の位置決め固定および傾斜調整部材26に対する軸部19の位置決め固定を行なう。これにより、外枠A全体が所要の傾斜角度に設定保持されたもとで、設置枠台11に固定される。
【0036】
第2実施例においては、前記傾斜調整部材26に配設した微調整部材36を正逆回転することで外枠Aの角度調整を行ない得るから、該角度調整がより簡単になる。また、微調整部材36の螺子孔部36aと軸部19の螺子部40とが螺合しているから、その螺合状態では軸部19が孔部32に対して容易には進退移動することはない。すなわち、第2実施例においては、微調整部材36の螺子孔部36aと軸部19の螺子部40とが、傾斜調整部材26に対してガイド部材17の軸部19を位置決め固定する第2の固定手段としても機能する。従って、傾斜調整部材26に配設されている前記固定具35を省略することが可能となる。
【0037】
なお、第2実施例のように微調整部材36の螺子孔部36aと軸部19の螺子部40とを螺合させる構成では、その螺合状態においては前記孔部32から軸部19が抜けることはないから、前記外枠Aの設置枠台11に対する設置作業に際して作業者が外枠Aを離しても該外枠Aが設置枠台11から脱落することはなく、作業安全性が向上する。
【0038】
【第3実施例】
図11は、第3実施例に係る取付装置の要部を示すものであって、基本的な構成は前述した実施例と同一であるので、異なる部分についてのみ説明し、同一部材には同じ符号を付して示すこととする。なお、第3実施例の取付装置は、前記傾斜調整部材26に対して微調整部材36を前後方向への移動が規制された状態で回転可能に配設する手段が、第2実施例とは異なっているものである。
【0039】
すなわち、第3実施例に係る取付装置10の微調整部材41は、中心部に前後方向に延在するよう貫通する螺子孔部41aが形成された六角ナット状を呈し、その後端に小径で円筒状の連結部41bが突設されると共に、該連結部41bの後端には、連結部41bより大径で六角ナット状の規制部41cが突設されている。これに対し、前記傾斜調整部材26の本体部27には、その前面側に連結部41bの挿通を許容する下方に開放する開口部42が開設されると共に、該開口部42の後部には、前記規制部41cの挿通を許容する下方に開放する規制溝部43が形成されている。そして、開口部42および規制溝部43に対して微調整部材41の対応する連結部41bおよび規制部41cを下方から挿通した状態で、該規制部41cが規制溝部43を画成する前後面に当接することで、当該微調整部材41の傾斜調整部材26に対する前後方向への移動が規制されるよう構成される。
【0040】
なお、前記規制溝部43の内径寸法は、前記規制部41cの外径寸法より大きく設定され、該規制溝部43内において規制部41cの回動は許容されるようになっている。従って、傾斜調整部材26に微調整部材41を配設した状態で、該微調整部材41を正逆方向へ回転することが可能に構成される。また傾斜調整部材26には、前述したと同様に、規制溝部43を画成する後側の面から前記挟持部28までに延在する孔部32が形成されており、微調整部材41の螺子孔部41aに挿通された前記ガイド部材17の軸部19が、該孔部32に挿通されるようになっている。
【0041】
また、前記傾斜調整部材26の材質(例えば真鍮)に対し、前記微調整部材41の材質(例えば鉄)は硬いもの(摩擦係数が異なるもの)に設定され、該微調整部材41と傾斜調整部材26との接触部分において両部材26,41が擦れる際には、傾斜調整部材側が摩耗するよう構成される。これにより、前記外枠Aの角度調整に際して微調整部材41を回動した際に、該微調整部材41と傾斜調整部材26との接触面が研磨されて滑らかとなるために円滑な回動が損なわれることはない。
【0042】
前述した第3実施例に係る取付装置10においても、前記外枠Aに配設したガイド部材17の螺子部40を微調整部材41の螺子孔部41aに螺合すると共に、前記軸部19を孔部32に挿通したもとで、該微調整部材41を回動することで、螺子部40と螺子孔部41aとの螺合作用に基づいて、孔部32に対する軸部19の挿入量が可変する。すなわち、第3実施例に係る取付装置10は、前述した第2実施例に係る取付装置10と同様の作用効果を奏する。
【0043】
【変更例】
前記各実施例における第1の固定手段としては、図示例のものに限定されるものではなく、例えば傾斜調整部材に螺設したネジ穴に、取付部材側からネジを螺挿して締付けることで位置決め固定する構成等、その他各種の構成を採用することができる。また、前記第2および第3実施例に係る第2の固定手段としても、図示例のものに限定されるものでなく、螺子孔部に挿通された軸部を傾斜調整部材に対して位置決め固定し得るものであれば、その他の構成を適宜に採用し得る。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した如く、請求項1の発明に係る遊技機の取付装置によれば、設置枠台に配設された取付部材に対して、外枠の上部側が固定された傾斜調整部材を前後方向に角度調整するだけで、外枠を設置枠台に対して簡単に傾斜姿勢で取付けることができる。また、この角度調整に際して傾斜調整部材は取付部材に対して回動可能であるから、取付部材や傾斜調整部材等に無理な力が加わることなく、円滑な角度調整を行ない得る。
【0045】
また、請求項2の発明に係る取付装置では、前記取付部材に回動可能に配設した傾斜調整部材の孔部に、外枠に配設したガイド部材の軸部を挿脱可能に挿通することで両者を組付けたから、外枠の角度調整に際しては傾斜調整部材が取付部材に対して回動すると共に、孔部に対して軸部が進退移動するから、ガイド部材、取付部材および傾斜調整部材等に無理な力が加わることなく、円滑な角度調整が達成される。
【0046】
更に、請求項3の発明に係る取付装置では、前記傾斜調整部材に配設した微調整部材の螺子孔部にガイド部材の螺孔部を螺合するよう構成したから、微調整部材を正逆回転することで外枠の傾斜角度を簡単に調整することができ、角度調整作業が容易となる。なお、請求項4の発明に係る取付装置では、ガイド部材の軸部に付した目盛を利用することで、外枠の角度調整作業が更に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る取付装置が配設された外枠と設置枠台とを設置前の状態で示す概略斜視図である。
【図2】第1実施例に係る取付装置が実施されるパチンコ機を示す正面図である。
【図3】第1実施例に係る取付装置の取付部材とガイド部材とを取付け前の状態で示す概略斜視図である。
【図4】第1実施例に係る取付装置の取付部材と傾斜調整部材とを分解状態で示す概略斜視図である。
【図5】第1実施例に係る取付装置の傾斜調整部材を示すものであって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図である。
【図6】第1実施例に係る取付装置を介して設置枠台に外枠を組付けた状態を示す要部縦断側面図である。
【図7】第1実施例に係る取付装置を介して設置枠台に組付けた外枠を傾斜させた状態を示す要部縦断側面図である。
【図8】第1実施例に係る取付装置を介して設置枠台に外枠を組付けた状態を示す概略斜視図である。
【図9】第2実施例に係る取付装置を示す分解斜視図である。
【図10】第2実施例に係る取付装置の微調整部材を断面状態で示す斜視図である。
【図11】第3実施例に係る取付装置の一部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11 設置枠台
17 ガイド部材
19 軸部
20 目盛
22 取付部材
26 傾斜調整部材
29 固定用ネジ(固定手段,第1の固定手段)
30 ナット(固定手段,第1の固定手段)
32 孔部
35 固定具(第2の固定手段)
36 微調整部材
36a 螺子孔部
40 螺子部
41 微調整部材
41a 螺子孔部
A 外枠
P パチンコ機(遊技機)
Claims (4)
- 設置枠台に対し、遊技機の外枠を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台の上部側に配設される取付部材と、
前記取付部材に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設されると共に、前記外枠の上部側が固定される傾斜調整部材と、
前記取付部材に対して傾斜調整部材を任意の角度位置で位置決め固定する固定手段とを備え、
前記傾斜調整部材を取付部材に対して角度調整することで、前記外枠を設置枠台に対して傾斜姿勢で取付けるよう構成した
ことを特徴とする遊技機の取付装置。 - 設置枠台に対し、遊技機の外枠を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台の上部側に配設される取付部材と、
前記取付部材に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設される傾斜調整部材と、
前記取付部材に対して傾斜調整部材を任意の角度位置で位置決め固定する第1の固定手段と、
前記傾斜調整部材に形成されて前後方向に延在する孔部と、
前記外枠の上部側に配設され、前記孔部に挿脱可能に挿通される軸部が突設されたガイド部材と、
前記孔部に挿通された軸部を傾斜調整部材に対して位置決め固定する第2の固定手段とから構成した
ことを特徴とする遊技機の取付装置。 - 設置枠台に対し、遊技機の外枠を所要の傾斜姿勢で取付ける取付装置であって、
前記設置枠台の上部側に配設される取付部材と、
前記取付部材に対して左右方向を軸とする前後方向への角度調整が可能に配設される傾斜調整部材と、
前記取付部材に対して傾斜調整部材を任意の角度位置で位置決め固定する第1の固定手段と、
前記傾斜調整部材に対し、前後方向への移動が規制された状態で回転可能に配設された微調整部材と、
前記微調整部材に形成されて前後方向に延在する螺子孔部と、
前記外枠の上部側に配設され、前記螺子孔部に挿脱可能な軸部に該螺子孔部に螺合する螺子部が設けられたガイド部材とからなり、
前記傾斜調整部材の角度調整および微調整部材を回転させることによる前記螺子孔部と螺子部との螺合作用に基づいて、前記ガイド部材と共に外枠の上部側を前後方向に移動させるよう構成した
ことを特徴とする遊技機の取付装置。 - 前記ガイド部材の軸部に、前後方向に所定間隔で目盛が付されている請求項2または3記載の遊技機の取付装置。
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- 2002-10-18 JP JP2002304972A patent/JP4324838B2/ja not_active Expired - Lifetime
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