JP2004114609A - フレキシブル配線基板の接続構造および接続方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレキシブル配線基板13の絶縁体13aの一方の面上に、複数の端子ランド60や、そのそれぞれに独立して接続される導線等からなる配線パターンが形成されている。また、絶縁体13aには、端子ランド60をその他方の面側に露出させる貫通孔62が穿設されている。端子ランド60は、貫通孔62を介して、絶縁体13aの他方の面側においてインクジェットヘッド10のヘッド端子45と半田63で接続されるが、一方の面側に配設された導線間や端子ランド間は、絶縁体13aによって半田63から隔離されており、公差精度を下げて製作した場合でも短絡することはない。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドのフレキシブル配線基板の接続構造および接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録装置では、カラー印刷等を行うために、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクカートリッジが利用されている。これらインクカートリッジを収容保持するヘッドホルダには、各色のインクの噴射を行うための4つのインクジェットヘッドや、それらを駆動するための回路基板等が設けられ、これらインクジェットヘッドと回路基板とはフレキシブル配線基板を介して接続されており、ヘッドユニットとして構成されている。そして、インクカートリッジからインクがインクジェットヘッドに供給され、噴射ノズルからインクが噴射され記録が行われている。
【0003】
近年の記録品質の向上にともなって、噴射ノズルの配置密度がますます高密度化され、それに合わせてインクジェットヘッドの各ヘッド端子や、これら各ヘッド端子と接続されるフレキシブル配線基板の各端子ランドの配置も高密度化されている。このため、例えば半田等の導電性のろう材で各ヘッド端子と各端子ランドとを接合する場合、隣接する半田間で半田ブリッジが形成されないように、限られた配置面積内で個々の端子ランド間に十分な距離を確保するために、例えば特許文献1では各端子ランドを千鳥状に配置している。そして、特許文献2のように、各端子ランド上に半田を薄く形成し、その端子ランド上にヘッド端子を重ねた状態で半田を加熱して溶融し、各端子ランドと各ヘッド端子との接合を行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−50498号公報
【特許文献2】
特開平9−46031号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、噴射ノズルをより一層高密度に配置するためには、フレキシブル配線基板の端子ランドをより一層高密度に配置しなければならず、そのためには、端子ランドの形状、配置間隔を精度よく形成し、さらにその上に半田の厚さおよび形状を精度よく形成し、ヘッド端子を精度よく位置合わせしなければならず、それでも隣接する端子ランド間が半田ブリッジで短絡する可能性が大きく、製造の歩留まりが悪い問題があった。特に、高密度に配置するために、端子ランドを千鳥状に配置し、その端子ランド間にそれぞれの端子ランドに接続するための導線を配置したものでは、さらに導電部材の間隔が狭くなり、高い精度が要求され、製造コストが高くなっていた。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、フレキシブル配線基板の各端子ランドと各ヘッド端子との接続構造を工夫することで、各端子ランドや各ヘッド端子の配置密度を上げ、しかも短絡を防止することのできるインクジェットヘッドのフレキシブル配線基板の接続構造および接続方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造は、被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、密接配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続構造であって、可撓性を有する帯状の絶縁体と、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して、前記絶縁体の一方の面上に列設された複数の端子ランドと、前記絶縁体上に配線され、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線と、前記絶縁体の前記端子ランドの配置位置に穿設され、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ前記絶縁体の他方の面側に露出させる複数の貫通孔と、当該複数の貫通孔を介して前記端子ランドと前記ヘッド端子とを電気的に接続する導電性ろう材とを備えている。
【0008】
この構成のフレキシブル配線基板の接続構造では、列設された複数の端子ランドと、その間隙をとおる導線が配設された側とは反対の絶縁体の他方の面側から、貫通孔を介して、各端子ランドと各ヘッド端子とがろう材で接続されるが、絶縁体によって導線をヘッド端子やろう材から隔離することができるので、ろう材の量が多かった場合でも、隣り合う導線や端子ランドが短絡することがない。
【0009】
また、請求項2に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造は、被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、密接配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続構造であって、可撓性を有する帯状の絶縁体と、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して、前記絶縁体の一方の面上に列設された複数の端子ランドと、前記絶縁体上に配線され、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線と、前記絶縁体の前記一方の面を覆い、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ露出するための複数の露出孔が設けられた絶縁体膜と、前記複数の露出孔を介して前記端子ランドと前記ヘッド端子とを電気的に接続する導電性ろう材とを備えている。
【0010】
この構成のフレキシブル配線基板の接続構造では、絶縁体の端子ランドと導線が配設された側の面を覆う絶縁体膜の露出孔を介して、各端子ランドと各ヘッド端子とがろう材で接続されるが、絶縁体膜によって導線間や端子ランド間をろう材から隔離することができるので、ろう材の量が多かった場合でも、隣り合う導線や端子ランドが短絡することがない。
【0011】
また、請求項3に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記複数の端子ランドは複数列千鳥状に配置され、前記導線はその端子ランドの間隙をとおって配線されていることを特徴とする。
【0012】
この構成のフレキシブル配線基板の接続構造では、請求項1または2に係る発明の作用に加え、端子ランドを千鳥状に配列することで、端子ランドを高密度に多数配置することができる。さらに、端子ランドとその間隙をとおる導線との間は、前述のように絶縁体または絶縁体膜によって隔離されているので、導線と端子ランドとが短絡することがない。
【0013】
また、請求項4に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記複数の端子ランドが接続される前記ヘッド端子には、それぞれ、接続に使用されるろう材を逃がすための逃げパターンが設けられている。
【0014】
この構成のフレキシブル配線基板の接続構造では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の作用に加え、ヘッド端子には逃げパターンが設けられているので、接続時に載置されるろう材の量が多かった場合でも、余剰分のろう材を逃げパターン上に逃がすことができる。
【0015】
また、請求項5に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法は、被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、複数列千鳥状に配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続方法であって、可撓性を有する帯状の絶縁体の一方の面上に、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して複数列千鳥状に配置された端子ランドと、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線とを形成する配線工程と、前記絶縁体の前記端子ランドの配置位置に、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ前記絶縁体の他方の面側に露出させる複数の貫通孔を穿設する穿孔工程と、前記貫通孔内の前記端子ランド上に導電性のろう材を配置する載置工程と、前記ろう材を挟んで前記端子ランドと前記ヘッド端子とを対向させ、溶融した前記ろう材でその両者を接続固定する接続工程とからなることを特徴とする。
【0016】
この構成のフレキシブル配線基板の接続方法では、絶縁体の一方の面上に配置された端子ランドのそれぞれは貫通孔を介して他方の面側に露出されており、その貫通孔を介し、導電性のろう材によってヘッド端子と接続固定され、また、個々の端子ランドおよびそれに接続された導線は、絶縁体の一方の面側に配設されているので、導線間や端子ランド間は絶縁体によってろう材から隔離されており、ろう材の量が多かった場合でも短絡はおきない。
【0017】
また、請求項6に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法は、被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、複数列千鳥状に配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続方法であって、可撓性を有する帯状の絶縁体の一方の面上に、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して複数列千鳥状に配置された端子ランドと、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線とを形成する配線工程と、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ露出するための複数の露出孔が穿設された絶縁体膜で前記絶縁体の前記一方の面を覆う被膜工程と、前記露出孔内の前記端子ランド上に導電性のろう材を配置する載置工程と、前記ろう材を挟んで前記端子ランドと前記ヘッド端子とを対向させ、溶融した前記ろう材でその両者を接続固定する接続工程とからなることを特徴とする。
【0018】
この構成のフレキシブル配線基板の接続方法では、絶縁体の一方の面上に配置された端子ランドのそれぞれは、その上面を覆う絶縁体膜に穿設された露出孔を介して露出されており、その露出孔を介し、導電性のろう材によってヘッド端子と接続固定され、また、個々の端子ランド間やそれに接続された導線間は、絶縁体膜によってろう材から隔離されており、ろう材の量が多かった場合でも短絡はおきない。
【0019】
また、請求項7に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法は、請求項5または6に記載の発明の構成に加え、前記ろう材を配置する載置工程は、前記端子ランド上にろう材を置いて当該ろう材を溶解した後、固化させる工程を含むことを特徴とする。
【0020】
この構成のフレキシブル配線基板の接続方法では、請求項5または6に係る発明の作用に加え、載置工程において、端子ランド上に載置されたろう材が溶解された後、固化されるので、ろう材が、端子ランドに接合されることによって、ろう材の載置面を上下逆さ向きにしてヘッド端子との接続を行っても、ろう材が剥がれたりすることがない。また、ろう材が、端子ランドの孔から露出された部分に広がり、端子ランドの露出部分全体を覆うので、ヘッド端子との接合時の接着性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13およびドライバ回路基板50の接続状態を示す平面図である。図2は、インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13およびドライバ回路基板50の平面図である。図3は、インクジェットヘッド10の一部を拡大した斜視図である。
【0022】
図1に示すように、インクジェットヘッド10には帯状のフレキシブル配線基板13の一端が接続されており、その他端には、インクジェットヘッド10に印加する駆動電圧を制御するためのドライバIC51を搭載したドライバ回路基板50が接続されている。
【0023】
図2に示すように、インクジェットヘッド10は、平面視、略長方形をなし、フレキシブル配線基板13は、一端においてインクジェットヘッド10のほぼ長辺方向に対応する幅を有し、その上面を覆うように接続される。そして、フレキシブル配線基板13は、他端側においてその帯幅を拡張し、その帯幅方向に沿ってドライバ回路基板50と接続するための端子53が列設されている。略矩形のドライバ回路基板50は、その端子53との接続側と反対側の縁端に設けられたコネクタ52から、インクジェット記録装置の制御回路(図示外)に接続されている。
【0024】
図3に示すように、インクジェットヘッド10は、略長方形の金属プレート等が積層されたキャビティユニット11と、圧電アクチュエータ12とから構成されている。
【0025】
キャビティユニット11を構成する9枚の積層プレートの最下層(図中−Z方向側)に配置される合成樹脂製のプレート11aには、複数の噴射ノズル(図示外)が、そのプレート11aの長手方向(図中Y軸方向)に沿って4列穿設され、対となる2列ずつがそれぞれ千鳥状配置となっている。最上層の金属プレート11bには、各噴射ノズルに対応する複数のチャンネル23が、各噴射ノズルと同様にプレート11cの長手方向に千鳥状に列設されており、連通路25を介して各噴射ノズルに接続されている。これらのチャンネル23は、連通路25の位置からプレート11bの短手方向に、それぞれ所定距離延設されている。また、プレート11a,11b間に積層された金属プレートには、その長手方向に沿って、チャンネル23の各列に対応してマニホールド(図示外)がそれぞれ延設されており、各マニホールドは、それぞれが対応する列の各チャンネル23にインクを供給するため、インク通路30を介してそれら各チャンネル23の前記連通路25と対極となる位置に接続されている。そして、各マニホールドは、キャビティユニット11の長手方向の一端に開口されたインク供給孔31にそれぞれ接続されており、このインク供給孔31を介して内部にインクが導入される。さらに、各インク供給孔31を覆ってフィルタ32が張設されている。
【0026】
圧電アクチュエータ12は、前記各チャンネル23のそれぞれに対応する複数の駆動電極(図示外)が配設された圧電シート12aと、スルーホール41の周囲を除きほぼ全面に接地電極(図示外)が配設された圧電シート12bとが交互に重ね接合されており、各駆動電極はスルーホール41を介し、最上層の圧電シート12cの表面上に設けられた、それぞれ対応する表面電極39に接続され、また、接地電極はスルーホール42を介し、圧電シート12c上の表面電極40に接続されている。各表面電極39,40は、前記チャンネル23と同様に、圧電シート12aの長手方向に沿って4列、設けられ、対となる2列がそれぞれ千鳥状となるように列設されている。
【0027】
次に、図4〜図6を参照して、インクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13との接続部分の構造について説明する。図4は、図2におけるA部付近を拡大した圧電シート12c上の表面電極39の平面図である。図5は、図2におけるB部付近を拡大したフレキシブル配線基板13上の端子ランド60の平面図である。図6は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【0028】
図4に示すように、インクジェットヘッド10の圧電アクチュエータ12の最上層の圧電シート12c上に列設された表面電極39は、前述したように、圧電シート12cの長手方向における4列の表面電極39のうち2列(図3におけるY軸方向の2列)が対となって、それぞれ千鳥状に配列されている(図中右手側が、図1に示すドライバ回路基板50側である)。各表面電極39は略帯状であり、その大きさは、表面電極39の略中央位置に設けられているスルーホール41を介して接続される圧電シート12a(図3参照)に設けられた、それぞれが対応する駆動電極(図示外)とほぼ同じである。また、各表面電極39上には、フレキシブル配線基板13の対応する電極(後述する端子ランド60)のそれぞれの位置にあわせて略矩形のヘッド端子45がそれぞれ設けられている。このヘッド端子45は、表面電極39の幅方向に広く、長さ方向に短く構成され、表面電極39の1つの列(図中Y軸方向の1列)において、交互に、長手方向の一端寄りまたは他端寄りに、すなわち千鳥状に配置されている。
【0029】
フレキシブル配線基板13は、帯状のポリイミドフィルムからなる絶縁体13aの一方の面上に銅箔を固定し、エッチング等によって配線パターンを設けた基板である(図2参照)。前述したように、その絶縁体13aの一方の端部には、前記各ヘッド端子45に対応する位置に、端子ランド60がそれぞれ設けられている。図5に示すように、各端子ランド60は、前記配線パターンを形成する個々の独立した導線61の端部にそれぞれ設けられており、これら端子ランド60の配置位置の間を縫うようにして、他の端子ランド60に接続される導線61が配設されている(図中右手側が、図1に示すドライバ回路基板50側である)。そして、各導線61の前記端子ランド60が接続された側と反対側の端部は、絶縁体13aの他方の端部にて、その帯幅方向に列設された端子53のそれぞれと接続されている。
【0030】
図6に示すように、フレキシブル配線基板13の絶縁体13aは、その一方の面(図中+Z方向側の面)上に端子ランド60が配設されており、他方の面側から、例えばレーザ加工、プラズマエッチング加工、電解エッチング加工等の公知の加工法によって貫通孔62が穿設されている。この貫通孔62を介して、端子ランド60は、フレキシブル配線基板13の他方の面側(図中−Z方向側)に露出されている。また、この貫通孔62は、端子ランド60の露出部分(図5において貫通孔62を示す破線で囲う部分)の大きさが端子ランド60の外周よりも一回り小さくなるように穿設される。さらに、その露出部分の面積は、インクジェットヘッド10のヘッド端子45の面積よりも小さく構成されている。
【0031】
次に、図7〜図9を参照して、上記構造のインクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13との接続方法の実施の形態について説明する。各図は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【0032】
前述したように、インクジェットヘッド10接続されるフレキシブル配線基板13には、絶縁体13aの一方の面上に固定された銅箔にエッチング等の処理を施して、図2に示す、複数の端子ランド60、そのそれぞれに独立して接続される導線61および端子53からなる配線パターンが形成され(配線工程)、各端子ランド60を、絶縁体13aの他方の面側に露出させるための貫通孔62が形成される(穿孔工程)。
【0033】
次いで、図7に示すように、印刷等の公知の方法によって、フレキシブル配線基板13の他方の面側(図中−Z方向側)から導電性ろう材、例えば半田63を印刷して、貫通孔62から露出させた端子ランド60上に半田63を載置する(載置工程)。そして、図8に示すように、半田63が載置されたフレキシブル配線基板13に対して、赤外線やレーザ等で基板全体を加熱し、半田63をその融点よりも高い温度で軟化させ、端子ランド60の露出部分(図5において貫通孔62を示す破線で囲う部分)全体を覆って広がるようになじませる。端子ランド60と接合された半田63をその後いったん冷却して固化させる(リフロー工程)。
【0034】
次に、図9に示すように、フレキシブル配線基板13の各端子ランド60が、それぞれ対応するインクジェットヘッド10のヘッド端子45に対向するように、フレキシブル配線基板13をインクジェットヘッド10の上面(圧電アクチュエータ12の圧電シート12c側の面)に位置合わせして重ね、加熱を行って半田63を溶融させる。この加熱処理においてフレキシブル配線基板13は、載置工程における上下の向きと逆向きにインクジェットヘッド10に重ねられる。しかし、前記リフロー工程において半田63は端子ランド60と接合されるので、フレキシブル配線基板13が、上下逆向きにされても、載置された半田63が剥がれることはない。そして、半田63が加熱されて溶融されると、半田63はフレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との重ね合わせで密着したヘッド端子45になじみ、その表面全体に広がって、端子ランド60とヘッド端子45とが接合される(接続工程)。
【0035】
ところで、前述したように、端子ランド60の露出部分の面積はインクジェットヘッド10のヘッド端子45の面積よりも小さく構成されているので、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との重ね合わせ時においてヘッド端子45の縁部が貫通孔62の外周に阻まれ、ヘッド端子45と端子ランド60との対向面同士が密接することはない。しかし、前述した貫通孔62の開口方法によって穿設された貫通孔62の開口面積は、フレキシブル配線基板13の厚み方向において前記他方の面側(図9中−Z方向)に向かって広がるように構成されているので、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との重ね合わせ時においてヘッド端子45が貫通孔62内の半田63を押し出してしまうことがある。この場合、ヘッド端子45の周囲に漏れ出した半田63は、ヘッド端子45と接続された表面電極39上に流出して広がることができるようになっている。つまり、金属同士がくっつきやすいことを利用して、この表面電極39が、半田63を隣り合うヘッド端子45に向け流れ出させないための、いわゆる逃げパターンとして機能する。
【0036】
尚、上記構成のフレキシブル配線基板13では、載置工程において端子ランド60上に載置される半田63の量が多ければ、端子ランド60とヘッド端子45との対向部分から周囲に半田63が漏れ、半田ブリッジ形成の原因となり、また、少なければ、端子ランド60とヘッド端子45との間隙を満たして両者の接続を図るのに必要な量が足りず、接続不良を発生する原因となる。そのため、載置される半田63の量は、最小量としては、図10に示すように、リフロー工程が終了した時点で、半田63の底面積が略前記端子ランド60の露出部分で、高さがフレキシブル配線基板13の厚み程度としたほぼ円柱容積以上であって、また、最大量としては、図11に示すように、フレキシブル配線基板13の厚みのまま、その厚み方向に広がり形状を有する貫通孔62全体を埋める程度の容積であることが望ましい。
【0037】
次に、図12〜図15を参照して、他の実施の形態のインクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13との接続方法について説明する。各図は、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【0038】
図12に示すように、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13では、前記実施の形態と同様に、フレキシブル配線基板13の絶縁体13aの一方の面上に銅箔が接着され、エッチング等の処理によって配線パターンが形成される(配線工程)。そして、この配線パターンが形成された絶縁体13aの一方の面(図中−Z方向側の面)側全体を絶縁体からなる、例えばフォトレジストやドライフィルムなど薄膜状のレジスト66で覆って被覆し、絶縁体13a上に形成された端子ランド60や導線61(図5参照)が短絡されにくいように保護する。このレジスト66には、各端子ランド60と対向する位置にそれぞれ穿設された露出孔67が設けられており、前記貫通孔62と同様に、この露出孔67の開口面積は、端子ランド60の外周面積よりも一回り小さくなるように設計されている(被膜工程)。尚、レジスト66が、本発明における「絶縁体膜」である。
【0039】
次に、図13に示すように、端子ランド60を覆うレジスト66の露出孔67から露出された端子ランド60の位置に、前記同様、半田63が印刷載置される(載置工程)。そして、図14に示すように、フレキシブル配線基板13全体を加熱し半田63を軟化させ、前記同様、端子ランド60の露出部分全体を覆って広がるようになじませる。その後いったん冷却して、半田63を固化させる(リフロー工程)。
【0040】
次いで、図15に示すように、フレキシブル配線基板13の端子ランド60と、これと対応するインクジェットヘッド10のヘッド端子45との接合面同士を対向させた状態で、前述のように、フレキシブル配線基板13をインクジェットヘッド10に位置あわせして重ね、加熱処理によって溶融された半田63で、端子ランド60とヘッド端子45とが接合される(接合工程)。
【0041】
以上説明したように、インクジェットヘッド10のヘッド端子45と、フレキシブル配線基板13の端子ランド6との接合方法には、前者の実施の形態のフレキシブル配線基板13の絶縁体13aに穿設された貫通孔62から露出させた端子ランド60を半田63でヘッド端子45に接合させる方法と、後者の実施の形態のフレキシブル配線基板13の配線パターンを覆うレジスト66に穿設された露出孔67から露出させた端子ランド60を半田63でヘッド端子45に接合させる方法とがある。
【0042】
前者の実施の形態のフレキシブル配線基板13では、絶縁体13aには、その一方の面上に形成された配線パターンが有する各端子ランド60の位置に合わせて、端子ランド60を他方の面側に露出させるための貫通孔62が穿設されており、この貫通孔62を介し、各端子ランド60と、対応する各ヘッド端子45とが半田63で接合される。また、絶縁体13a上の各端子ランド60の間には導線61が配設されているが、インクジェットヘッド10との接合面とは反対側の面に配設されることになるため、インクジェットヘッド10におけるヘッド端子45の配置位置が、隣り合うヘッド端子45に対して干渉しない位置、すなわち、接合の際の半田63の漏れによって隣り合うヘッド端子45間に半田ブリッジが形成されにくい距離関係となる位置にあればよい。従って、互いに対向する端子ランド60やヘッド端子45の配設位置は、接合方向と直交する方向におけるズレの公差精度を下げて設計や生産が行われたとしても、短絡することはない。
【0043】
また、後者の実施の形態のフレキシブル配線基板13では、絶縁体13aの一方の面上に形成された配線パターンをレジスト66で覆って、そのレジスト66に穿孔された露出孔67より、配線パターンの有する各端子ランド60が露出されている。そして、前者の実施の形態と同様に、この露出孔67を介し、各端子ランド60と、対応する各ヘッド端子45とが半田63で接合される。各端子ランド60の間をとおる導線61はレジスト66によって被覆されており、ヘッド端子45と短絡することがなく、互いに対向する端子ランド60やヘッド端子45の配設位置の公差精度を下げて、設計や生産を行うことができる。
【0044】
また、上記いずれの実施の形態においても、フレキシブル配線基板13として、片面のみに配線パターンを実装した片面基板を利用することができる。さらに、端子ランド60とヘッド端子45とはともに千鳥状配列となっており、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との接合は、その対向部分において、接合箇所がそれぞれ接近しつつも広範囲にわたって配置されることになり、接合部位にかかる外力を分散することができるので、接合強度を高くすることができる。
【0045】
尚、本発明は各種の変形が可能なことは言うまでもない。例えば、載置工程において印刷載置される半田63の量が多い場合、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との接合面に所定の間隙を設けた状態で接合工程を実行すると、図16に示すように、端子ランド60とヘッド端子45との間の半田63が柱状となって両者を接続することができる。この場合、図示外の突起部を、例えば圧電シート12c上にヘッド端子45を形成する際などにあわせて配設し、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との間の距離が密接されるのを防止すればよい。
【0046】
また、本実施の形態において、絶縁体13aの一方の面上に形成した配線パターン上にさらにレジストによる被膜を施して、短絡等のトラブルに対する安全性を高めてもよい。また、穿孔工程によって絶縁体13aに貫通孔62を設けた後に、配線工程を行って、端子ランド60と貫通孔62の位置が一致するように配線パターンを形成してもよい。また、リフロー工程や接続工程では全体への加熱処理によって半田63の溶融が行われるが、ヒートバー等の押し当てや、レーザ等を利用した局部的な加熱を用いてもよい。また、載置工程、リフロー工程の代わりにフレキシブル配線基板13に対し、噴流した半田によるディッピングを行って、半田63の載置を行ってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造では、列設された複数の端子ランドと、導線が配設された側とは反対の絶縁体の面側から、貫通孔を介して、各端子ランドと各ヘッド端子とがろう材で接続されるが、絶縁体によって導線間や端子ランド間をろう材から隔離することができるので、ろう材の量が多かった場合でも、隣り合う導線や端子ランドが短絡することがない。従って、ヘッド端子や端子ランドを高密度に配置してもその配置の公差精度を下げることができ、また、フレキシブル配線基板として片面基板を使用することが可能となり、生産工程の簡易化や生産コストの削減を図ることができる。
【0048】
また、請求項2に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造では、絶縁体の端子ランドと導線が配設された側の面を覆う絶縁体膜の露出孔を介して、各端子ランドと各ヘッド端子とがろう材で接続されるが、絶縁体膜によって導線間や端子ランド間をろう材から隔離することができるので、ろう材の量が多かった場合でも、隣り合う導線や端子ランドが短絡することがない。従って、ヘッド端子や端子ランドを高密度に配置してもその配置の公差精度を下げることができ、また、フレキシブル配線基板として片面基板を使用することが可能となり、生産工程の簡易化や生産コストの削減を図ることができる。
【0049】
また、請求項3に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造では、請求項1または2に係る発明の効果に加え、端子ランドを千鳥状に配列することで、端子ランドを高密度に多数配置することができる。さらに、端子ランドとその間隙をとおる導線との間は、前述のように絶縁体または絶縁体膜によって隔離されているので、導線と端子ランドとが短絡することがない。従って、フレキシブル配線基板をインクジェットヘッドにろう材で接合した場合の接着効果を大きくすることができる。
【0050】
また、請求項4に係る発明のフレキシブル配線基板の接続構造では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、ヘッド端子には逃げパターンが設けられているので、接続時に載置されるろう材の量が多かった場合でも、余剰分のろう材を逃げパターン上に逃がすことができる。従って、その余剰分のろう材によって、隣り合うヘッド端子の短絡を防止することができる。
【0051】
また、請求項5に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法では、絶縁体の一方の面上に配置された端子ランドのそれぞれは貫通孔を介して他方の面側に露出されており、その貫通孔を介し、導電性のろう材によってヘッド端子と接続固定され、また、個々の端子ランドおよびそれに接続された導線は、絶縁体の一方の面側に配設されているので、導線間や端子ランド間は絶縁体によってろう材から隔離されており、ろう材の量が多かった場合でも短絡はおきない。従って、ヘッド端子や端子ランドを高密度に配置してもその配置の公差精度を下げることができ、また、フレキシブル配線基板として片面基板を使用することが可能となり、生産工程の簡易化や生産コストの削減を図ることができる。
【0052】
また、請求項6に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法では、絶縁体の一方の面上に配置された端子ランドのそれぞれは、その上面を覆う絶縁体膜に穿設された露出孔を介して露出されており、その露出孔を介し、導電性のろう材によってヘッド端子と接続固定され、また、個々の端子ランド間やそれに接続された導線間は、絶縁体膜によってろう材から隔離されており、ろう材の量が多かった場合でも短絡はおきない。従って、ヘッド端子や端子ランドを高密度に配置してもその配置の公差精度を下げることができ、また、フレキシブル配線基板として片面基板を使用することが可能となり、生産工程の簡易化や生産コストの削減を図ることができる。
【0053】
また、請求項7に係る発明のフレキシブル配線基板の接続方法では、請求項5または6に係る発明の効果に加え、載置工程において、端子ランド上に載置されたろう材が溶解された後、固化されるので、ろう材が、端子ランドに接合されることによって、ろう材の載置面を上下逆さ向きにしてヘッド端子との接続を行っても、ろう材が剥がれたりすることがない。また、ろう材が、端子ランドの孔から露出された部分に広がり、端子ランドの露出部分全体を覆うので、ヘッド端子との接合時の接着性を高めることができる。従って、生産時における接合不良の発生を低減することができ、生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13およびドライバ回路基板50の接続状態を示す平面図である。
【図2】図2は、インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13およびドライバ回路基板50の平面図である。
【図3】図3は、インクジェットヘッド10の一部を拡大した斜視図である。
【図4】図4は、図2におけるA部付近を拡大した圧電シート12c上の表面電極39の平面図である。
【図5】図5は、図2におけるB部付近を拡大したフレキシブル配線基板13上の端子ランド60の平面図である。
【図6】図6は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図7】図7は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図8】図8は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図9】図9は、フレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図10】図10は、フレキシブル配線基板13に載置される半田63の量の最小量を示す図である。
【図11】図11は、フレキシブル配線基板13に載置される半田63の量の最大量を示す図である。
【図12】図12は、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図13】図13は、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図14】図14は、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図15】図15は、他の実施の形態のフレキシブル配線基板13上の端子ランド60付近を拡大した断面図である。
【図16】図16は、フレキシブル配線基板13とインクジェットヘッド10との接合方法の変形例を示す図である。
【符号の説明】
10 インクジェットヘッド
13 フレキシブル配線基板
13a 絶縁体
23 チャンネル
45 ヘッド端子
50 ドライバ回路基板
60 端子ランド
61 導線
62 貫通孔
63 半田
66 レジスト
67 露出孔
Claims (7)
- 被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、密接配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続構造であって、
可撓性を有する帯状の絶縁体と、
前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して、前記絶縁体の一方の面上に列設された複数の端子ランドと、
前記絶縁体上に配線され、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線と、
前記絶縁体の前記端子ランドの配置位置に穿設され、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ前記絶縁体の他方の面側に露出させる複数の貫通孔と、
当該複数の貫通孔を介して前記端子ランドと前記ヘッド端子とを電気的に接続する導電性ろう材と
を備えたことを特徴とするフレキシブル配線基板の接続構造。 - 被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、密接配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続構造であって、
可撓性を有する帯状の絶縁体と、
前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して、前記絶縁体の一方の面上に列設された複数の端子ランドと、
前記絶縁体上に配線され、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線と、
前記絶縁体の前記一方の面を覆い、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ露出するための複数の露出孔が設けられた絶縁体膜と、
前記複数の露出孔を介して前記端子ランドと前記ヘッド端子とを電気的に接続する導電性ろう材と
を備えたことを特徴とするフレキシブル配線基板の接続構造。 - 前記複数の端子ランドは複数列千鳥状に配置され、前記導線はその端子ランドの間隙をとおって配線されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル配線基板の接続構造。
- 前記複数の端子ランドが接続される前記ヘッド端子には、それぞれ、接続に使用されるろう材を逃がすための逃げパターンが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフレキシブル配線基板の接続構造。
- 被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、複数列千鳥状に配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続方法であって、
可撓性を有する帯状の絶縁体の一方の面上に、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して複数列千鳥状に配置された端子ランドと、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線とを形成する配線工程と、
前記絶縁体の前記端子ランドの配置位置に、前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ前記絶縁体の他方の面側に露出させる複数の貫通孔を穿設する穿孔工程と、
前記貫通孔内の前記端子ランド上に導電性のろう材を配置する載置工程と、
前記ろう材を挟んで前記端子ランドと前記ヘッド端子とを対向させ、溶融した前記ろう材でその両者を接続固定する接続工程と
からなることを特徴とするフレキシブル配線基板の接続方法。 - 被記録媒体にインクを噴射するための複数のチャンネルのそれぞれに駆動電圧を印加するため、複数列千鳥状に配置された複数のヘッド端子を有するインクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッドを制御するための制御信号を発信する回路基板とを接続するためのフレキシブル配線基板の接続方法であって、
可撓性を有する帯状の絶縁体の一方の面上に、前記インクジェットヘッドの前記複数のヘッド端子のそれぞれに対応して複数列千鳥状に配置された端子ランドと、その複数の端子ランドのそれぞれに独立に接続された複数の導線とを形成する配線工程と、
前記複数の端子ランドの一部をそれぞれ露出するための複数の露出孔が穿設された絶縁体膜で前記絶縁体の前記一方の面を覆う被膜工程と、
前記露出孔内の前記端子ランド上に導電性のろう材を配置する載置工程と、
前記ろう材を挟んで前記端子ランドと前記ヘッド端子とを対向させ、溶融した前記ろう材でその両者を接続固定する接続工程と
からなることを特徴とするフレキシブル配線基板の接続方法。 - 前記ろう材を配置する載置工程は、前記端子ランド上にろう材を置いて当該ろう材を溶解した後、固化させる工程を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のフレキシブル配線基板の接続方法。
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