JP2004284112A - インクジェットヘッドユニット - Google Patents
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- B41J2002/14491—Electrical connection
Abstract
【解決手段】フレキシブル配線基板13は、インクジェットヘッドの圧電アクチュエータ12に重ね合わされ、フレキシブル配線基板の端子ランド60と圧電アクチュエータ12の端子39,40が半田15により接合される。フレキシブル配線基板13の先端縁13a寄りの端子ランド60の列とは反対側の端子ランド60の列の外側でその後者の列に沿って、前者の列に向けU字状に折り返され、フレキシブル配線基板13の端子ランド60を有する部分に重ねられる。そして、前記両列のほぼ中間において、フレキシブル配線基板13の重ねられた部分が接着剤20によって接合されている。フレキシブル配線基板13は接着剤20の端部に対応する位置から湾曲し(湾曲部14)、回路基板に向けて立ち上がっている。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドとフレキシブル配線基板を備えたインクジェットヘッドユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録装置では、カラー印刷等を行うために、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクカートリッジが利用されている。これらインクカートリッジを収容保持するヘッドホルダには、各色のインクの噴射を行うための4つのインクジェットヘッドや、それらを駆動するための回路基板等が設けられ、これらインクジェットヘッドと回路基板とはフレキシブル配線基板を介して接続されており、インクジェットヘッドユニットとして構成されている。そして、インクカートリッジからインクがインクジェットヘッドに供給され、噴射ノズルからインクが噴射され記録が行われている。
【0003】
フレキシブル配線基板は、帯状の絶縁性可撓性フィルムの長手方向に多数の配線パターンをプリントしたものであり、狭いスペースに複雑な電子回路を実装する場合に広く用いられている。インクジェット記録装置において、インクジェットヘッドとフレキシブル配線基板の接続は、インクジェットヘッドの各ヘッド端子と、これらの各ヘッド端子と接続されるフレキシブル配線基板の各端子ランドとを半田付け等で接合して行われている。
【0004】
このような半田付けによる接合部は、剥離方向に対する抵抗力が比較的弱いので、フレキシブル配線基板をインクジェットヘッドから剥離する方向に力が加わったとき、接合部に剥離が生じて、接続不良や断線事故が発生する危険があった。そこで、従来、このような接続部に固定用部品を設けて接合部を挟持させ、剥離方向の力を固定用部品で受けるようにしていた。また、フレキシブル配線基板を貫通する小孔を設けて残存する溶融半田を上昇固化することにより強度を増すようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−32194号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェットヘッドユニットにおいては、フレキシブル配線基板がインクジェットヘッド表面から立ち上がる方向に配置されるため、接合部から立ち上がる部分に力が集中してしまい、接合部が剥離しやすい問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、フレキシブル配線基板とインクジェットヘッドの接合部が剥離しにくいインクジェットヘッドユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のインクジェットヘッドユニットは、複数のノズルからインクを噴射するためのエネルギーを発生する複数の噴射エネルギー発生素子を備え、その各噴射エネルギー発生素子に通電するための複数の端子を列をなして表面に有するインクジェットヘッドとそのインクジェットヘッドの複数の端子に接合される配線パターンを有するフレキシブル配線基板とを備え、前記フレキシブル配線基板は、前記インクジェットヘッドの前記端子列と直交する方向に所定幅を持って前記インクジェットヘッドと接合され、当該接合部の前記所定幅の一方の端から他方の端へ向けて当該フレキシブル配線基板に沿って折り返され、前記一方の端と他方の端との間で、前記フレキシブル配線基板の折り返された部分と前記インクジェットヘッドに接合された部分とが接合されていることを特徴とする。
【0009】
この構成のインクジェットヘッドユニットでは、インクジェットヘッドの複数の端子にフレキシブル配線基板の配線パターンが接合される。この接合では、フレキシブル配線基板はまずインクジェットヘッドの端子列と直交する方向に所定幅を持って接合され、その所定幅の一端から他端に向けて折り返される。そして、その一方の端と他方の端との間でフレキシブル配線基板の折り返された部分は、インクジェットヘッドと接合している部分と接合される。
【0010】
請求項2に記載のインクジェットヘッドユニットは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記端子列は、前記所定幅に複数列設けられ、前記インクジェットヘッドと前記フレキシブル配線基板との接合部の一方の端は、前記複数列の端子列の一方の端の列と前記配線パターンとの接合部であり、他方の端は前記端子列の他方の端の列と前記配線パターンとの接合部であることを特徴とする。
【0011】
この構成のインクジェットヘッドユニットでは、請求項1に記載の発明の作用に加え、フレキシブル配線基板は、インクジェットヘッドの複数の端子列に接合され、一方の端の列から他方の端へ向けて折り返され、両端の列の間で、フレキシブル配線基板の折り返された部分とインクジェットヘッドに接合された部分とが接合される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、インクジェットヘッドユニット1と中継回路基板50との接続状態を示す斜視図である。図2は、インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13及び中継回路基板50の平面図である。図3は、インクジェットヘッド10の一部を拡大した斜視図である。図4は、インクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13との接続部分を拡大した側面図である。
【0013】
図1に示すように、インクジェットヘッドユニット1は、インクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13とから構成され、インクジェットヘッド10の上面を覆うように帯状のフレキシブル配線基板13の一端が接続され、さらに、そのインクジェットヘッド10を覆う部分はフレキシブル配線基板13が折り返されている。フレキシブル配線基板13の折り返された部分と、インクジェットヘッド10に接合された部分は、接着剤20により接合されている。さらに、フレキシブル配線基板13は、折り返された部分から湾曲して立ち上がり、その他端が中継回路基板50に接続されている。
【0014】
また、図2に示すように、インクジェットヘッド10は、平面視、略長方形をなし、フレキシブル配線基板13は、一端においてインクジェットヘッド10のほぼ長辺方向に対応する幅を有し、その幅方向と直交する方向に帯状に延びている。そして、帯状に延びたフレキシブル配線基板13の他端側には、帯幅方向に沿って中継回路基板50と接続するための端子53が列設されている。さらに、フレキシブル配線基板13には、インクジェットヘッド10に印加する駆動電圧を制御するためのドライバIC51が搭載されている。また、略矩形の中継回路基板50は、その端子53との接続側と反対側の縁端に設けられたコネクタ52から、インクジェット記録装置の制御回路(図示外)に接続されている。
【0015】
図3に示すように、インクジェットヘッド10は、略長方形の金属プレート等が積層されたキャビティユニット11と、圧電アクチュエータ12とから構成されている。
【0016】
キャビティユニット11を構成する9枚の積層プレートの最下層に配置される合成樹脂製のプレート11aには、複数の噴射ノズル(図示外)が、そのプレート11aの長手方向に沿って4列穿設され、対となる2列ずつがそれぞれ千鳥状配置となっている。最上層の金属プレート11bには、各噴射ノズルに対応する複数のチャンネル23が、各噴射ノズルと同様にプレート11bの長手方向に千鳥状に列設されており、連通路25を介して各噴射ノズルに接続されている。これらのチャンネル23は、連通路25の位置からプレート11bの短手方向に、それぞれ所定距離延設されている。また、プレート11a,11b間に積層された金属プレートには、その長手方向に沿って、チャンネル23の各列に対応してマニホールド(図示外)がそれぞれ延設されており、各マニホールドは、それぞれが対応する列の各チャンネル23にインクを供給するため、インク通路30を介してそれら各チャンネル23の前記連通路25と対極となる位置に接続されている。そして、各マニホールドは、キャビティユニット11の長手方向の一端に開口されたインク供給孔31にそれぞれ接続されており、このインク供給孔31を介して内部にインクが導入される。さらに、各インク供給孔31を覆ってフィルタ32が張設されている。
【0017】
圧電アクチュエータ12は、前記各チャンネル23のそれぞれに対応する複数の駆動電極(図示外)が配設された圧電シート12aと、スルーホール41の周囲を除きほぼ全面に接地電極(図示外)が配設された圧電シート12bとが交互に重ねられて最上層に圧電シート12cを接合したものである。各駆動電極は、スルーホール41を介し、圧電シート12cの表面上に設けられた各端子39に接続され、また、接地電極はスルーホール42を介し、圧電シート12c上の端子40に接続されている。各端子39,40は、前記チャンネル23と同様に、圧電シート12aの長手方向に沿って4列設けられ、対となる2列がそれぞれ千鳥状となるように列設されている。
【0018】
フレキシブル配線基板13は、帯状のポリイミドフィルムからなる絶縁体の一方の面上に銅箔を固定し、エッチング等によって配線パターンを設けた基板である(図2参照)。この絶縁体の一方の端部には、端子39,40に対応する位置に、端子ランド60が設けられている。各端子ランド60は、配線パターンを形成する個々の独立した導線61の端部にそれぞれ設けられており、これら端子ランド60の配置位置の間を縫うようにして、他の端子ランド60に接続される導線61が配設されている。そして、各導線の端子ランド60が接続された側と反対側の端部は、絶縁体の他方の端部にて、その帯幅方向に列設された端子53のそれぞれと接続されている。
【0019】
そして、端子39,40と各端子ランド60が一対一に対応するようにインクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13が重ね合わされ、その間に載置された導電性ろう材、例えば半田15により接合されている。その接合された状態でフレキシブル配線基板13は、4列の端子列39,40と直交する方向に延びている。
【0020】
図4に示すように、フレキシブル配線基板13は、端子ランド60を有する端部を、インクジェットヘッド10の圧電アクチュエータ12に重ね合わされ、圧電アクチュエータ12の端子39,40と端子ランド60が一対一に対応するようにして、半田15により接合される。そして、フレキシブル配線基板13は、その先端縁13a寄りの端子ランド60の列(図4の右端の列)とは反対側の端子ランド60の列(図4の左端の列)の外側でその後者の列に沿って、前者の列に向けU字状に折り返され、フレキシブル配線基板13の端子ランド60を有する部分に重ねられる。そして、前記両列のほぼ中間において、フレキシブル配線基板13の重ねられた部分が接着剤20によって、接合されている。フレキシブル配線基板13は接着剤20の端部に対応する位置から湾曲して(湾曲部14)、回路基板50に向かって立ち上がっている。
【0021】
このようにフレキシブル配線基板13は、半田15によりインクジェットヘッド10と接合されてから折り返され、その折り返された部分がインクジェットヘッド10との接合部上に接着剤20により接合されている。そして、インクジェットヘッド10との接合部との幅Wの間において、上方に配置された回路基板50に向かって湾曲して立ち上がる。従って、フレキシブル配線基板13をインクジェットヘッド10から剥がすような外力Pが作用しても、その力Pは端子39,40と端子ランド60との接合部がなす各列に分散されるので、端部の列の接合部が集中加重によって剥離することがない。尚、接着剤20を塗布する幅及び位置は、前記両列の外側間の幅Wよりも内側であれば、任意に設定できるが、外力Pを分散させるために、幅Wの中間位置が好ましい。
【0022】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に記載のインクジェットヘッドユニットによれば、フレキシブル配線基板はインクジェットヘッドの端子列と直交する方向に所定幅を持って接合され、その所定幅の一端から他端に向けて折り返される。そして、フレキシブル配線基板の折り返された部分は、インクジェットヘッドと接合している部分と接合される。従って、フレキシブル配線基板をインクジェットヘッドから剥がすような外力が作用しても、接合部の幅の端に大きな力が作用することがないので、接合部が剥離することを防止できる。
【0023】
請求項2に記載のインクジェットヘッドユニットによれば、請求項1に記載の発明において、さらに、端子列が複数列あることを利用して、その複数列の間でフレキシブル配線基板の折り返された部分とインクジェットヘッドに接合された部分とを接合することで、フレキシブル配線基板に作用した外力が複数列の接合部に分散され、一方の列の接合部に剥離する力が集中することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドユニット1と中継回路基板50との接続状態を示す斜視図である。
【図2】インクジェットヘッド10、フレキシブル配線基板13及び中継回路基板50の平面図である。フレキシブル配線基板13において楕円にて囲む部分を拡大して端子ランド及び導線の配列を説明する平面図である。
【図3】インクジェットヘッド10の一部を拡大した斜視図である。
【図4】インクジェットヘッド10とフレキシブル配線基板13との接続部分を拡大した側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッドユニット
10 インクジェットヘッド
13 フレキシブル配線基板
15 半田
20 接着剤
39 端子
40 端子
60 端子ランド
61 導線
Claims (2)
- 複数のノズルからインクを噴射するためのエネルギーを発生する複数の噴射エネルギー発生素子を備え、その各噴射エネルギー発生素子に通電するための複数の端子を列をなして表面に有するインクジェットヘッドと、
そのインクジェットヘッドの複数の端子に接合される配線パターンを有するフレキシブル配線基板とを備え、
前記フレキシブル配線基板は、前記インクジェットヘッドの前記端子列と直交する方向に所定幅を持って前記インクジェットヘッドと接合され、当該接合部の前記所定幅の一方の端から他方の端へ向けて当該フレキシブル配線基板に沿って折り返され、前記一方の端と他方の端との間で、前記フレキシブル配線基板の折り返された部分と前記インクジェットヘッドに接合された部分とが接合されていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。 - 前記端子列は、前記所定幅に複数列設けられ、前記インクジェットヘッドと前記フレキシブル配線基板との接合部の一方の端は、前記複数列の端子列の一方の端の列と前記配線パターンとの接合部であり、他方の端は前記端子列の他方の端の列と前記配線パターンとの接合部であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドユニット。
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2003
- 2003-03-20 JP JP2003076927A patent/JP2004284112A/ja active Pending
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