JP2009262417A - 液滴吐出ヘッドとその製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009262417A
JP2009262417A JP2008115007A JP2008115007A JP2009262417A JP 2009262417 A JP2009262417 A JP 2009262417A JP 2008115007 A JP2008115007 A JP 2008115007A JP 2008115007 A JP2008115007 A JP 2008115007A JP 2009262417 A JP2009262417 A JP 2009262417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric unit
synthetic resin
resin layer
edge
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008115007A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Ito
敦 伊藤
Shohei Koide
祥平 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2008115007A priority Critical patent/JP2009262417A/ja
Publication of JP2009262417A publication Critical patent/JP2009262417A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】配線基板を圧電ユニットから剥がれにくくする。
【解決手段】配線基板3の端子部形成領域Bを露出させるよう配線基板3に被覆層44を形成する工程と、端子部形成領域Bと被覆層44の端部44aとを覆って未硬化の合成樹脂層52を形成する工程と、配線基板3を圧電ユニット5に重ね、圧電ユニット5の駆動電極6上に設けられたバンプ51を未硬化の合成樹脂層52を貫通させて端子部43aと接触させ、且つ、被覆層44の端部44aに塗布された未硬化の合成樹脂層52を圧電ユニット5の表面に接触させる工程と、未硬化の合成樹脂層52を硬化させる工程とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェットプリンタ等の液滴吐出装置に搭載されるインクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドとその製造方法に関し、特に圧電ユニットの表面に配線基板を接合してなる液滴吐出装置とその製造方法に関するものである。
インクジェットヘッドは、複数の圧力室及びノズルを有する流路ユニットと、圧電層が積層されてなる圧電ユニットとを備えている。圧電ユニットの表面には圧力室と対応する複数の駆動電極が形成され、この駆動電極と接続する端子部が形成されたプリント回路基板(以下FPC)を圧電ユニットの表面に積層接合することによってインクジェットヘッドが構成される。インクジェットヘッドは、FPCを介して供給される駆動信号により圧電ユニットの駆動電極に選択的に電圧を印加して圧電層を変形させ、その駆動電極と対応する圧力室内のインクに吐出圧を付与してノズルからインクを外部に吐出する構成となっている。
従来、端子部と駆動電極とは、特許文献1に示されるように、FPCと圧電ユニットとをハンダ等の導電材を介して積層した後加熱圧着することにより電気的に接続される。このとき、接触不良を回避すべく導電材の量を多めにすると、加圧力のバラツキや、ハンダ量のばらつきなどの影響で溶融した導電材の表面張力を超えて、駆動電極の周辺へ流れ出し、流れ出したハンダが圧電ユニットの表面上で硬化することによって圧電層の変形が妨げられ、インクに適正な吐出圧を付与するのが困難となることがある。
このため、特許文献2に示される方法が考案されている。図11に示すようにFPC101は、圧電ユニット110上にその一端側を重ねられ、他端側が圧電ユニットから外部へ引き出されている。絶縁材からなる可撓性を有した帯状のベースフィルム102の一方の面に導電材からなる複数の配線105とその端子部105aとを印刷形成し、このベースフィルム102の一方面に配線105を覆う被覆層106を形成してなる。FPC101の一端側は、被覆層106で被覆されずに端子部105aが露出する端子部形成領域103をなしている。
特許文献2の方法によれば、図11(a)に示すように、端子部形成領域103には、熱硬化性及び絶縁性を有した樹脂ペーストを塗布して未硬化の合成樹脂層104を設け、また、圧電ユニット110の表面電極111上に導電性を有したバンプ112を突起状に設置しておく。その後、図11(b)に示すように、FPC101の一端部を圧電ユニット110の表面上に押し当てると、突起状のバンプ112が合成樹脂層104を貫通して対応する端子部105aに接触する。このとき、未硬化の合成樹脂層104は、バンプ112の表面を包囲するようその表面に沿って流動し、この流動した樹脂材と連続した状態となる。この状態で合成樹脂層104を加熱硬化させると、配線105の端子部105aは対応するバンプ112と直接接触して電気的に導通する。また、バンプ112を包囲した未硬化の樹脂材が硬化して一体となった合成樹脂層104が形成され、この合成樹脂層104を介してFPC101が圧電ユニット110と機械的に接合される。なお、合成樹脂層104は、図11(b)にあるように圧電ユニット110の表面に接触しないように設けられるため、合成樹脂層が圧電層の変形を阻害しない。
特開2005−313335号公報 特開2005−305847号公報
しかしながら、この方法においては、ハンダ付けやろう付けによる接合方法と比べると接合強度が弱く、FPCが圧電ユニットから剥がれ易くなっていた。例えばFPCを圧電ユニットと接合する工程の後には、この接合されたインクジェットヘッドをケーシング等の他部品に組み付けるべく、圧電ユニットから外部に引き延ばされて自由端をなすFPCの他端部を掴み上げることがある。このとき、FPCと圧電ユニットとの接合境界位置に負荷がかかり、合成樹脂層がバンプから剥離される場合がある。また、駆動電極と端子部との導通状態はバンプと端子部とが直接接触する位置のみにおいて確保されるため、このような剥離が生じると電気的な不具合が発生し易くなっている。 本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、基板が圧電ユニットから剥がれにくくすることを目的としている。
上記目的の達成のため、本発明に係る液体吐出装置の製造方法は、表面に複数の駆動電極が設けられた圧電ユニットと、前記圧電ユニットに重ねられる帯状の基材が、その一方面に前記駆動電極に電圧を供給するための複数の端子部と、その端子部と接続された複数の配線を備えた配線基板とを備える液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記各駆動電極上に、複数の導電性バンプを突起状に設ける工程と、前記一方面のうち、前記複数の端子部が形成された端子部形成領域を露出して、前記一方面に被覆層を形成する工程であって、前記被覆層の端縁のうち前記端子部形成領域を区画する端縁が、前記圧電ユニットの外端部稜線と前記複数の端子部のうち前記外端部稜線に最も近接する端子部位置との間に配置されるように前記被覆層を形成する工程と、前記端子部形成領域と前記被覆層における該端子部形成領域を区画する端縁部とを未硬化の合成樹脂材で連続して覆うように塗布して合成樹脂層を形成する工程と、前記配線基板を前記圧電ユニットに重ね、前記バンプを前記端子部形成領域上に塗布された未硬化の合成樹脂層を貫通させて前記配線の端子部と接触させ、且つ、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された未硬化の合成樹脂層を前記圧電ユニットの前記表面に接触させる工程と、前記未硬化の合成樹脂層を硬化させる工程とを有していることを特徴としている。 かかる構成によれば、被覆層の端縁部が、圧電ユニットの外端部稜線と、その稜線から最も近接した端子部との間に位置し、その被覆層上に重ねて塗布された合成樹脂層を圧電ユニットの表面上に接触させて硬化させることにより、バンプが端子部と電気的に接続されるとともに、配線基板が該合成樹脂層を介して圧電ユニットの外端部に接合される。このように配線基板がバンプの設置箇所だけでなく圧電ユニットの外端部にも接合されるため、配線基板の外端部での接着強度が向上し、バンプが端子部から剥がれにくくなる。 前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層の厚さが前記バンプの高さ未満となるように前記被覆層を形成し、前記合成樹脂材を塗布する工程にて、前記被覆層の厚さと該被覆層に重なって塗布された合成樹脂層の厚さとの和が前記バンプの高さ以上となるように前記合成樹脂層を塗布してもよい。かかる構成によれば、被覆層の端縁上に塗布された合成樹脂層を確実に圧電ユニットの表面に接触させることができ、配線基板と圧電ユニットとを合成樹脂層で確実に接合することができる。
前記合成樹脂層を塗布する工程にて、前記端子部形成領域に塗布された合成樹脂層の厚さが前記バンプの高さ未満となるように前記合成樹脂材を塗布し、前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程において、前記バンプと前記端子部とが接触したときに、前記端子部形成領域の合成樹脂層と、前記圧電ユニットの前記表面との間に空間が形成されてもよい。かかる構成によれば、バンプと端子部とが接触したときに、未硬化の合成樹脂材がバンプ表面に沿って流動するだけで、圧電ユニットの表面上に接触しないため、合成樹脂材が駆動素子の動きに阻害を与えるおそれを低減することができる。
前記合成樹脂材を塗布する工程において、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布される前記未硬化の合成樹脂材が、前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねるときに、前記圧電ユニットの外端部稜線よりも内側に配置されてもよい。かかる構成によれば、FPCと接着したときに、合成樹脂層が圧電ユニットの外端部稜線から外側へはみ出さないため、接着強度を維持しながら、余剰の合成樹脂層による悪影響を抑えることができる。
前記配線基板は、その自由端が前記圧電ユニットと重ねられた範囲から延在して引き出されていて前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程において、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された合成樹脂層は、前記圧電ユニットの外端部縁のうち前記自由端が引き出される側の外端部に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接触してもよい。かかる構成によれば、自由端を引っ張っても、被覆層上に重ねて塗布された合成樹脂層がこの引っ張りに基づく力を支持するようになり、合成樹脂層のうちバンプを被覆している部分にはこの力が伝わらなくなる。このため、バンプが端子部から剥がれることが防止されるため液体吐出装置の電気的接続を保護することができる。また、配線基板の自由端を曲げる必要があるとき、その曲がり始めとなる点が圧電ユニットの端縁稜線より内側となる。したがって、配線基板をコンパクトに取り回すことができる。
前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層の前記端子部形成領域を区画する端縁部のうち前記自由端が引き出される側の端縁部には切り欠き部が形成れてもよい。かかる構成によれば、余剰の樹脂層を切り欠き部に逃がすことができ、該樹脂層が圧電ユニットの外側へ流れ出すおそれを低減することができる。
前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層は前記端子部形成領域の外周を取り囲むように設けられ、
前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程にて、前記被覆層における前記端子部形成領域を外囲する端縁部に重なって塗布された未硬化の合成樹脂層を、前記圧電ユニットの各外端部に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面に接着されもよい。かかる構成によれば、圧電ユニットの外端部表面が硬化した樹脂層により囲繞される。この樹脂層により、FPCと圧電ユニットの外周部における接合強度の向上だけでなく、液滴吐出装置周辺で漏れたり、飛散した液体が圧電ユニットとFPCの間に浸入して、電気的ショートを起こしたりするおそれを防ぐことができる。また、この液体の侵入を防ぐ構造を、配線基板の電気的かつ機械的な接合と同時に作成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、表面に複数の駆動電極が設けられた圧電ユニットと、前記各駆動電極上に設けられた突起状の複数の導電性バンプと、該圧電ユニットに重ねられる帯状の基材の一方の面には、前記駆動電極に駆動電圧を供給するための複数の端子部と、その端子部と接続された複数の配線が形成され、さらに、前記端子部が形成された端子部形成領域を露出させるよう被覆層が形成されてなる配線基板と、該端子部形成領域を合成樹脂材にて覆って塗布された熱硬化性を有した合成樹脂層とを備え、前記配線基板を前記圧電ユニット上に重ね、前記バンプが前記端子部形成領域に塗布された合成樹脂層を貫通して前記配線の端子部と接触してなる液滴吐出ヘッドであって、前記被覆層の端縁のうち前記端子部形成領域を区画する端縁が、前記圧電ユニットの外端部稜線と前記複数の端子部のうち前記外端部稜線に最も近接する端子部位置との間に配され、前記合成樹脂層が、前記端子部形成領域とともに前記被覆層の前記端縁部とを連続して覆って塗布され、前記端縁部に重なって塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの前記表面上に接触して硬化していることを特徴としている。
かかる構成によれば、被覆層の端縁部が、圧電ユニットの外端部稜線と、その稜線から最も近接した端子部との間に位置し、その被覆層の端縁部上に重ねて塗布された合成樹脂層を圧電ユニットの表面上に接触させて硬化しているため、バンプが端子部と電気的に接続されるとともに端縁部における配線基板が該合成樹脂層を介して圧電ユニットの外端部に接合される。このように配線基板がバンプの設置箇所だけでなく圧電ユニットの外端部にも接合されるため、配線基板の接着強度が向上し、バンプが端子部から剥がれにくくなる。
前記端子部形成領域上に塗布された前記合成樹脂層は、前記圧電ユニットの表面と離間していてもよい。かかる構成によれば、合成樹脂層が駆動素子の動きに阻害を与えるおそれを低減することができる。
前記被覆層の端縁部に重なって塗布された合成樹脂層端縁が、前記圧電ユニットの前記外端縁稜線より内側に配置されていてもよい。かかる構成によれば、接着強度を維持しながら、合成樹脂層が圧電ユニットの稜線から外側へはみ出さないため、余剰の合成樹脂層による悪影響を抑えることができる。
前記配線基板は、前記圧電ユニットと重ねられた範囲からから延在して引き出された自由端を有し、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの外端縁のうち前記自由端が引き出される側の外端縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接触して硬化していることを特徴とする。
前記配線基板は、前記端子部形成領域から延在して前記圧電ユニットの前記端縁稜線の外側へと引き出された自由端を有し、前記被覆層の前記端縁上に重なって塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの辺縁のうち前記自由端が引き出される側の辺縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接触して硬化していてもよい。かかる構成によれば、自由端を引っ張っても、被覆層上に重ねて塗布された合成樹脂層がこの引っ張りに基づく力を支持するようになり、合成樹脂層のうちバンプを被覆している部分にはこの力が伝わらなくなる。このため、液体吐出装置の電気的接続を保護することができる。また、配線基板の自由端を曲げる必要があるとき、その曲がり始めとなる点が圧電ユニットの端縁稜線より内側となる。したがって、配線基板をコンパクトに取り回すことができる。
前記被覆層の前記端子部形成領域と区画する端縁部のうち前記自由端が引き出される側の端縁部に、切り欠き部が形成されていてもよい。かかる構成によれば、余剰の樹脂層を切り欠き部に逃がすことができ、該樹脂層が圧電ユニットの外側へ流れ出すおそれを低減することができる。
前記被覆層は前記端子部形成領域の外周を取り囲むように設けられ、前記被覆層における前記端子部形成領域を外囲する端縁部に塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの各辺縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接着して硬化の各辺縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接着して硬化していてもよい。かかる構成によれば、圧電ユニットの表面が硬化した樹脂層により囲繞される。この樹脂層により、接合強度の向上だけでなく、液体吐出装置周辺で揮発又は飛散した液体が圧電ユニットの表面上に侵入して、電気的ショートを起こしたりするおそれを防ぐことができる。また、この液体の侵入を防ぐ構造を配線基板の接合と同時に作成することができる。
このように、本発明によれば、配線基板を圧電ユニットから剥がれにくくすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液滴吐出ヘッドの実施の形態を、インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドを例にして説明する。以下、インクジェットヘッドによるインクの吐出方向を下方とし、その反対側を上方として説明している。
図1は本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。図1に示すインクジェットヘッド1(液滴吐出ヘッド)は、複数枚のプレートを積層して構成される流路ユニット4と、流路ユニット4の上方から重ねられて積層される圧電ユニット5と、圧電ユニット5の上面に接合されたフィルム状のプリント回路基板(以下FPC)3とを有してなる。圧電ユニット5の上面には表面電極6(駆動電極)がAg−Pd系の材料を用いて印刷形成されており、後述する接合工程を経て、表面電極6がFPC3の一端部の下面に形成された配線の端子部(図4参照)と電気的に導通され、FPCの他端部が引き出されて自由端をなす。FPC3は、圧電ユニット5に印加する駆動電圧をこの配線に供給するための駆動回路を内蔵したICチップ7が実装され、所謂COFの形態をなしている。
このインクジェットヘッド1は、図示しない略箱状のキャリッジ(ケーシング)の下面側にフレーム2を介して固定され、このキャリッジにはカートリッジ等のインクタンク(図示略)からのインクを一時貯留するバッファタンク(図示略)が搭載される。キャリッジに搭載されたインクジェットヘッド1は、走査方向(図1のX方向)に往復移動しながら、搬送方向(図1のY方向)に搬送された被吐出媒体に向けてインクを吐出するようになっている。
流路ユニット4の上面のY方向一端側には複数のインク流入口8がX方向に並んで形成され、これらインク流入口8がフィルタ9で覆われている。各インク流入口8には、バッファタンクから供給される複数色のインクがこのフィルタ9を通過して流入する。
図2は図1に示す流路ユニット4と圧電ユニット5とを接着した状態にして図1に示すII−II線に沿って切断して示すインクジェットヘッド2の一部断面図である。図1に示すように、フレーム2は、その外形が流路ユニット4よりも大きく圧電ユニット5よりも小さい平面視枠形状に形成され、中央に開口部2aを有している。また、フレーム2には、Y方向の一端側に流路ユニット4のインク流入口8に連通する貫通孔2bが並んで形成されている。図2に示すように、フレーム2の下面は流路ユニット3の上面周縁部と接着固定される。FPC3の自由端はフレーム2の開口部2aを通って引き出され、圧電ユニット5はこの開口部2a内に配置され、開口部2aの内面と流路ユニット4及び圧電ユニット5との間隙には樹脂製の封止材が充填される。
流路ユニット4は、圧力室層11、接続流路層12、マニホールド層13、ダンパ層14及びノズル層15がこの順で上側から積層されて構成される。なお、接続流路層12、マニホールド層13、ダンパ層14は2層からなる。各層11〜15には孔や溝が形成され、各層11〜15が積層接合されることにより該孔や溝が互いに連通して流路ユニット4内にはインク流入孔8(図1参照)からノズル20までインクが流れるインク流路4aが形成される。
図2では図示略する各インク流入口8(図1参照)は、圧力室層11及び接続流路層12のY方向(図2紙面直交方向)一端側を上下に貫通形成され、マニホールド層13に形成された共通インク室16に連通している。各共通インク室16は、Y方向に延在しており、接続流路層12にY方向に配列された複数の接続流路17を介し、その上方の圧力層11に同様にして配列された圧力室18に連通している。圧力室18は、図1にも示すX方向に長寸の平面視矩形状に形成された圧力室孔10の下側開口を接続流路層12で閉鎖して上側開口を圧電ユニット5の下面で閉鎖することによって形成され、圧力室孔10は、インク色に対応してY方向に配列された複数の孔列がX方向に並ぶよう略マトリクス状に配置されている。各圧力室18は、接続流路層12からダンパ層まで貫通する流出路19を介し、ノズル層15に形成されたノズル20に連通している。ノズル層15の下面には各ノズル20の噴射口が圧力室孔10と同様にして配置されている。
圧電ユニット5は、多数枚の圧電シート21〜26と絶縁性を有するトップシート27とが積層されて構成されている。圧電シート21〜26は、それぞれ厚みが30μm程度のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックス材料からなる。圧電シート21〜26のうち最下層の圧電シート21から上方へ数えて奇数番目の圧電シート21,23,25の上面には、流路ユニット4の各圧力室孔10の全てに対応するように配置された共通電極28が印刷形成されている。同じく偶数番目の圧電シート22,24の上面には、各圧力室孔10に対し個別に対応するよう配置された多数の個別電極29が印刷形成されている。共通電極28及び個別電極29は、各圧電シート21〜26及びトップシート27に形成されたスルーホール内の中継配線(図示略)を介し、最上層のトップシート27の上面に印刷形成された表面電極6(図1及び図3参照)に導通される。
上記構成のインクジェットヘッド1においては、フレーム2の貫通孔2b(図1参照)と連通したインク流入口8(図1参照)に供給されたインクが、共通インク室16、接続流路17、圧力室18及び流出路19内に充填され、この状態で、FPC3上のICチップ7から供給される駆動電圧が選択的に個別電極29に印加されると、印加された個別電極29と共通電極28との間の活性部に電位差が生じ、該活性部に電界が作用して積層方向の歪み変形が発生する。このように活性部が変形すると、最下層の圧電シート21が圧力室18内に突出して圧力室18の内圧が上昇し、インクが流出路19を通じてノズル20の噴射口より外部下方へ吐出される。なお、ダンパ層14には、所謂クロストーク現象を抑制すべくダンパ室14aが形成されている。
図3は図2に示すインクジェットヘッド2の平面図である。図3に示すように、圧電ユニット5のトップシート27上の表面電極6は、共通用表面電極31と個別用表面電極32とを有している。共通用表面電極31は、トップシート27の短辺縁部に沿ってX方向に延在し、その端部には図示しないスルーホールが形成され、スルーホール内には上記中継配線をなす導電材が充填され、共通用表面電極31はこの中継配線を介して共通電極28(図2参照)と導通されている。個別用表面電極32は、X方向に長い平面視長方形状に形成されて各圧力室18及び各個別電極29に対応して設けられており、夫々Y方向に配列された複数の電極列がX方向に並ぶよう略マトリクス状に配置されている。個別用表面電極32の一端部にはスルーホールが形成され、このスルーホール内には中継配線をなす導電材が充填されている。各個別用表面電極32は、この中継配線を介して直下に配された対応する個別電極29(図2参照)と導通されている。
図4は図1に示すFPC3の底面図であり、図5は図4のV−V線に沿って示す断面図である。なお、以降の説明では、圧電ユニットの外形端部よりも外側とし、圧電ユニットの外形端部から中央側を内側とする。図4及び図5に示すように、FPC3は、ポリイミドなどの樹脂材からなり絶縁性及び可撓性を有した帯状のベースフィルム41(基材)の底面側(圧電ユニットとの接合面)である一方面41a上に銅などの導電材により後述する端子部および配線を形成し、さらにその上を絶縁材からなる被覆層44で被覆してなる。
図5を参照すると、ベースフィルム41の一方面41aの一端部が、圧電ユニット5に相対して重ねられ、FPC3の他端部は、この圧電ユニット5に重ねられる範囲Aの外側(図5の右側)に引き出されている。ICチップ7は、ベースフィルム41の上面側となる他方側の面に実装され、この範囲A外に配置される。ここで、圧電ユニット5のX方向の外形端部稜線のうちFPC3が引き出されている側をA1、反対側の端部稜線をA2とすると、該稜線A1,A2によって上記の範囲Aが規定され、FPCの他端部が引き出された側は、稜線A1を境界として引き出し部3aとされる。
、ベースフィルム41の一方面41aには、範囲Aにおいて個別用表面電極32に対応するよう配置された複数の個別用端子部43aを有し、各個別用端子部43aからは、ICチップ7に接続する複数の個別用配線43がベースフィルム41の延在方向(X方向)に延びている。なお、ICチップ7からは、FPC3の他端部において図示しない入力用配線が形成されている。また、FPC3のY方向両側には、共通用表面電極31に対応する帯状の共通用配線42がベースフィルム41の延在方向に沿って他端部まで延びており、この共通用配線42は所定電位(例えばグランド電位)に接続されている。ここで、FPC3の個別用端子部43a及び共通用配線42が設けられた領域を端子部形成領域Bとし、端子部形成領域Bのうち、圧電ユニット5の稜線A1と最も近接する端子(列)43aの配置位置をB1とし、稜線A2と最も近接する端子(列)43aの配置位置をB2とする。つまり、両位置B1,B2は、端子部形成領域Bのうち最外両端(列)の端子部位置である。
被覆層44は、レジストなどで形成されていて、略均一の厚さ(厚みd1とする)を有し、ベースフィルム41に一方面41aの他端部から、圧電ユニットの端部稜線A1と端子部の配置位置B1との間まで延在し、各配線42(43)をさらに覆っている。(該被覆範囲をCとして示す)。被覆層44の端子部形成領域B側の端部44aは上記端子部形成領域Bを区画している。つまり、端子部形成領域Bが、圧電ユニット5との接合面側に露出された状態となっている。ここで、端部44aの位置をC1としている。
次に、インクジェットヘッド2の製造工程について説明する。まず、図1に示すように上記流路ユニット4、圧電ユニット5及びプリント回路基板3を個別に製造し、流路ユニット4の圧力室及び圧電ユニット5の個別電極29とを重ね合わせるように位置決めして積層接着する。
図6は圧電ユニット5とFPC3との接続を示す図であって、圧電ユニット5の稜線A1周辺を拡大して示している。まず、各共通用表面電極31(図3参照)及び個別用表面電極32の上面に、ハンダ等の導電材からなるバンプ51を突起状に設ける。個別用表面電極32においては、このバンプ51がスルーホールの形成されている側と反対側の端部に設けられる(図3参照)。バンプ51は被覆層44の厚さd1よりも大きい所定高さhの略円錐状に形成され(d1<h)、表面電極上からこの高さhだけ上方に突出するよう設けられている。
また、FPC3の一端部の接合面には、熱硬化性を有した樹脂ペースト(合成樹脂材)を未硬化の状態で塗布して合成樹脂層52を形成する。この未硬化の合成樹脂層52は、端子部形成領域Bの全域を被覆するとともに、さらにこの端子部形成領域Bを区画する被覆層44の端部44a上にも重ねて塗布される。端部44a上に塗布される合成樹脂層52は、圧電ユニット5の稜線A1と、被覆層44の端部44aの形成位置C1との間に位置するように塗布する。ここで、端部44a上に塗布された合成樹脂層52の先端部の位置をD1とする。端子部形成領域Bおよび被覆層44の端縁部44a上の合成樹脂層52は連続して塗布され、ともに均一の厚さd2で塗布し、露出している端子部形成領域Bの端子部と配線を十分に覆うとともに、バンプ51の高さhの寸法よりも小さく設定される(d2<h)。このとき、被覆層44の厚さd1と合成樹脂層52の厚さd2との和が、バンプの高さh以上となるように設定される(h≦d1+d2)。
そして、各端子部と対応するバンプと上下に対向して接続するように位置合わせして、FPC3の一端部の圧電ユニット5と重なる範囲Aを圧電ユニット5との上に重ね、FPCの他端部はX方向外側に引き出されて配置される。このとき、被覆層44の端部44a(C1)は、圧電ユニット5の稜線A1の内側、さらにいえば、圧電ユニットの端部稜線A1と、端子部形成領域45の端子部43aのうち稜線A1に隣接する端子(列)43aの配置位置B1との間に配置される。
次に、図6(b)に示すように、FPC3を圧電ユニット5の上面から加圧することにより、各バンプ51を端子部形成領域Bに塗布されている未硬化の合成樹脂層52を貫通して端子部43aと接触させ、バンプ51を端子部43aと電気的に導通させる。このとき、未硬化の合成樹脂材はバンプ51の表面上に沿って流れるようにして逃げ、各バンプ51の表面を被覆している。つまり、合成樹脂層52は、FPCの一方側の端子部形成領域Bを覆うとともに、各バンプ51の表面を連続して被覆された状態となっている。また、合成樹脂層52の厚みd2がバンプの高さhよりも小さいため、合成樹脂層52がバンプや表面電極からはみ出して圧電ユニット5の表面まで流れることはない。ただし、被覆層44及び合成樹脂層52の厚さd1,d2とバンプ51の高さhとが「h≦d1+d2,d1<h,d2<h」の関係となっているため、バンプ51を確実に配線43の端子部43aに接触させることができると共に、被覆層44の端部44a上に塗布された合成樹脂層52を圧電ユニット5の表面上に稜線A1に沿うようにして確実に接触させることができる。このように、合成樹脂層52は、FPC3が引き出されている側の稜線A1に沿って圧電ユニット5の表面に接触するが、それ以外の範囲においては圧電ユニット5の表面と接触しない。
次に、FPC3の上面から図示しないヒータを押し当て、ヒータにより加熱して合成樹脂層52を硬化させる。これにより、バンプ51周辺の合成樹脂層52が硬化し、ベースフィルム41をバンプ51と接合する第1接合部53が構成される。また、被覆層44の端部44a上に塗布された合成樹脂層52が硬化し、被覆層44を圧電ユニット5の表面に接合する第2接合部54が構成される。この第2接合部54は、図3にも示すように、最外部に設けられるバンプ及び端子部の配置位置B1と圧電ユニット5の稜線A1との間に配置され、圧電ユニット5の表面をFPC3が引き出される側の稜線A1に沿って延在している。
このようにしてFPC3が圧電ユニット5に接合されてインクジェットヘッド1が構成されると、次に、該インクジェットヘッド1を図1,図2に示すフレーム2と接合すべく、FPC3の引き出し部3aを掴み上げて予め開口部2a内に通しておく。その後、圧電ユニット5を開口部2a内に配置した状態で、流路ユニット3の上面をフレーム2の下側に接着剤で接着する。
このように製造されるインクジェットヘッド1は、第1接合部53のほかに、FPC3と圧電ユニット5の稜線A1付近において、FPC3が第2接合部54を介して圧電ユニット5と接合されるため、接合強度が向上してFPC3が圧電ユニット5から剥がれにくくなり、FPC3の剥がれによって生じる電気的な不具合も防止することができる。特に、第2接合部52がFPC3の引き出し部3a側に設けられているため、上記のように引き出し部3aを掴み上げても、そのとき作用する力は第2接合部54によって支持されるようになり、バンプ51の周辺に設けられる第1接合部53にはこの力が作用しなくなる。このように、第2接合部54を設けることにより、バンプ51と端子部との接触部分が保護される。なお、この第2接合部54は、最も外側に配置される端子部の配置位置B1と稜線A1との間に配置されており、表面電極6の直上、すなわち活性部や圧力室18の直上には配置されていない。このため、圧電ユニット5の駆動時に第2接合部54が活性部の変形動作を阻害することはなく、圧力室内のインクに適正な吐出圧を付与することができる。
さらに、被覆層44の端部44a上に塗布された合成樹脂層52の先端部は、圧電ユニット5の稜線A1と、被覆層の端部44aとの間に位置しているため、FPCを加圧したときに、端部44a上の合成樹脂層52aが圧電ユニット5の表面上に接触して広がっても圧電ユニット5の稜線A1から外側にあふれ出るのを有効に防止することができる。
逆に、合成樹脂材52が、図6(c)に示すように、圧電ユニット5の稜線A1から外側にあふれ出すと、合成樹脂材52がFPC3の引き出し部3aの被覆層44の下面や圧電ユニット5の側面に付着する。このため、加熱硬化の工程において、あふれ出した合成樹脂層を硬化させるためにより多くの加熱時間を必要とするため、インクジェットヘッド1の他の部分への熱的影響を及ぼす。また、FPC3はキャリッジに搭載した状態での取り回しをコンパクトにするため、FPC3の引き出し部3aを折り曲げる必要があるが、合成樹脂材52が稜線A1の外側にあふれ出た場合、FPC3を折り曲げる基点がこの余剰分の合成樹脂材が硬化した位置となる。また、このように樹脂層の下面側に合成樹脂層があふれ出すと、FPC3の厚みが増すため折り曲げ時のFPC3の曲率が大きくなり、コンパクトに取り回すことが困難となる。
本構成においては、このようなあふれ出しを有効に防止しているため、FPC3を折り曲げる基点が稜線A1よりも内側の第2接合部54の形成位置に設定される。したがって、FPC3の取り回しをコンパクトに行うことができるようになり、インクジェットヘッド1全体の小型化に貢献できる。 [第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について第1実施形態との相違点を中心にして説明する。共通点については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は本発明の第2実施形態に係るインク吐出装置のプリント回路基板の底面図である。図7に示すように、プリント回路基板63は、上記同様のベースフィルム41、及び配線42,43を有している。
そして、ベースフィルム41の一方面41aは被覆層64で被覆される。被覆層64の圧電ユニット5と重なる領域Aを有する端部には、矩形状の開口部64aが形成され、この開口部64a内に配線の端子を露出する端子部形成領域Bが形成されている。また、圧電ユニット5と重なる領域Aの外側に引き出し部64bが引き出されている。言い換えると、被覆層64は、端子部形成領域Bの四方を取り囲む縁部64b,64c,64d,64eを有している。そのうち、FPC63が引き出される側の縁部64bには、引き出し部63b側に複数の切欠き部65が形成され、これにより溝65aが形成されている。ここで、この縁部64bの端子部形成領域B側(図7中左側)の位置をC2、溝65aの形成により引き出し部63b側(図7中右側)位置をC3とする。なお、被覆層64の縁部64bは、圧電ユニット5と重なる領域の稜線A1と、最外端の端子部位置B1との間に位置し、また、被覆層64のX方向の反対側の端部の64d(C4)は、圧電ユニット5と重なる領域の稜線A2と、最外端の端子部位置B2との間に配置されている。なお、Y方向の被覆層辺縁64a、64cも同様に圧電ユニットと重なる領域のY方向の端部稜線と端子部形成領域B1との間に位置するように被覆層が設けられている。
次に、本実施形態に係るインク吐出装置の製造工程について説明する。まず、第1実施形態と同様、インクジェットヘッド2の製造を終了しておく。
次に、図8(a)に示すように、各共通用表面電極(ここでは図示略)及び個別用表面電極32の上面に、上記同様のバンプ51を設ける。また、FPC3の接合面に、熱硬化性を有した樹脂ペーストを未硬化の状態で塗布して合成樹脂層72を形成する。この未硬化の合成樹脂層72は端子部形成領域Bの全域を被覆するよう設けられ、さらにこの端子部形成領域65から連続して被覆層64の各縁部64b,64c,64d,64e上に重ねられるようにして形成される。合成樹脂層72自体は均一の厚さd2′となるよう設けられていて、第1実施形態の合成樹脂層72よりもその厚みが大きく設定されている。被覆層64の厚さd1と合成樹脂層62の厚さd2′との和は、バンプの高さhよりも大きくなっている(すなわち、h<d1+d2′,d1<h,d2<d2´<h)。なお、縁部64bにおいては、合成樹脂層62の先端部が被覆層C2とC3の間に位置するように配置する。
そして、各配線43の端子部43aが対応するバンプ51と上下に対向するよう配置する。このように配置すると、被覆層64における端子部形成領域Bを区画する辺縁が、圧電ユニット5の上面の稜線A1の内側に配置される。
次に、図9に示すように、FPC63の端部を圧電ユニット5の上面に押し当てる。この押し当てにより、各バンプ51が端子部形成領域Bに塗布されている未硬化の合成樹脂層72を貫通して配線43の端子部43aと接触し、バンプ51が配線43の端子部と電気的に導通され、各バンプ51の表面が未硬化の合成樹脂層72で被覆される。同時に、被覆層64の縁部64b,64c,64d,64eに塗布されている合成樹脂層72が、圧電ユニット5の上面のうち各辺縁部に沿って接触する。ここで、合成樹脂層の厚さd2′は、第1実施形態よりも厚くなっており、切欠き部65が設けられていない縁部64c,64d,64e上に塗布された合成樹脂層72は、圧電ユニット5の表面から外側へその一部がはみ出し、FPCと圧電ユニットとの間の空間が合成樹脂材で覆われる。また、切欠き部65が形成された縁部64bでは、圧電ユニット5の引き出し部63側aの長辺縁部に接触し、このとき、被覆層64bの端縁部上に重なって配置した合成樹脂層は、引き出し方向に広がるが、余剰分の合成樹脂材は溝65a内に流れ込むため圧電ユニット5から外側へはみ出すことはなく、圧電ユニット5の稜線A1の内側にとどまる。
次に、FPC3の上面から図示しないヒータを押し当て、ヒータにより加熱して合成樹脂層72を硬化させる。これにより、バンプ51周辺の合成樹脂層52が硬化し、ベースフィルム41をバンプ51と接合する第1接合部73が構成される。よって、被覆層64に塗布された合成樹脂層72が硬化し、図9のように被覆層64を圧電ユニット5の上面に接合する矩形枠状の第2接合部74が構成される。圧電ユニット5の上面に、FPC3が引き出される側の長辺縁部に沿って、長辺方向に延在して設けられる。
このように、第2実施形態では、合成樹脂層の厚みd2′が第1実施形態よりも大きくなっているため、FPCの縁部64c,64d,64e上に塗布された合成樹脂層72は、FPCと圧電ユニットの端部表面との間に介在しつつ、一部が外側にはみ出して硬化し、FPCの縁部64c,64d,64eにおいては、第1実施形態よりも確実にFPCと圧電ユニットの間の空間を確実に封止している状態となり、FPC3の圧電ユニット外周部からの剥がれ防止をするとともに、バンプと端子部との間に漏れたインクが浸入した場合においても、電気的な不具合が生じるのを防ぐことができる。なお、FPCの縁部64c,64d,64eにおいては、FPC3の取り回しに影響がないため、一部外側にはみ出すほどに合成樹脂層が塗布されていても問題はなく、むしろこのように塗布することによってインクの浸入の防止効果を高めることができる。また、引き出される側の長辺においては、上述のように、他の辺縁において合成樹脂層が圧電ユニットの上面を密閉するために合成樹脂層を多めに塗布するようにしても、引き出し側の縁部に合成樹脂層を逃がすための切欠き部を形成することにより、その溝部に余剰の合成樹脂層が流れ込むため、引き出される側においては余剰の樹脂材を逃すことができ、このFPCが引き出される側の縁部においては合成樹脂層が圧電ユニットの外側にはみ出すことが無い。よって、FPC63の引き出し部63aを引き上げても、そのとき作用する力はFPC3が引き出される側の長辺縁部に沿って設けられた第2接合部74により支持される。このため、FPC3がインクジェットヘッド2から剥がれ難くなり、バンプと配線の端子部との接触部分が保護される。また、これによりFPCの取り回しをコンパクトに行うことができる。
そして、本実施形態においては、圧電ユニット5の上面の密閉が、プリント回路基板63を圧電ユニット5に接合する際に同時に行われるようになっている。このため、従来この密閉を行うために必要としていた工程を省略することができるようになり、インクジェットヘッドを簡便に製造することができる。
本発明の範囲は上記構成に限られず、適宜変更可能である。例えば、図10に示すように、圧電ユニット5の上側にFPC3の中央部を重ね、FPC3の両端部が圧電ユニット5からX方向両側に引き出された引き出し部をなすように構成してもよい。なお、このとき各引き出し部にICチップが実装されていてもよい。このような場合であって、被覆層44が端子部形成領域Bを区画し、端子部形成領域Bを覆うとともに、少なくともFPCの引き出し部側における被覆層の端縁部の上には合成樹脂層が連続して配置されるようにすることで、両側の引き出し部3aと圧電ユニットには、第2接合部を有することができ、引き出し部と圧電ユニットとの剥がれを防止することができる。もちろん、被覆層は第2実施形態と同様、外周を囲繞する第2接合部としてもよい。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1に示す流路ユニットと圧電ユニットとを接着した状態にして図1に示すII−II線に沿って切断して示すインクジェットヘッドの断面図である。 図1に示す圧電ユニットの平面図である。 図1に示すプリント回路基板の側面図である。 図1に示すプリント回路基板の底面図である。 図1に示すインク吐出装置の製造工程の説明図であり、(a)が合成樹脂層を塗布する工程及びバンプを設ける工程を説明する一部側面図であり、(b)がインクジェットヘッドが組み立てられた状態を示す一部側面図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドのプリント回路基板の底面図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程の説明図であり、(a)が合成樹脂層を塗布する工程及びバンプを設ける工程を説明する一部側面図であり、(b)がインクジェットヘッドが組み立てられた状態を示す一部側面図である。 本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。 本発明の変更例を示すインクジェットヘッドの平面図である。 従来のインクジェットヘッドの製造工法の説明図である。
符号の説明
1,61 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
3,61 プリント回路基板(配線基板)
5 圧電ユニット
6 表面電極(駆動電極)
41 ベースフィルム(基材)
44,64 被覆層
51 バンプ
52,72 合成樹脂層

Claims (13)

  1. 表面に複数の駆動電極が設けられた圧電ユニットと、
    前記圧電ユニットに重ねられる帯状の基材が、その一方面に前記駆動電極に電圧を供給するための複数の端子部と、その端子部と接続された複数の配線を備えた配線基板とを備える液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記各駆動電極上に、複数の導電性バンプを突起状に設ける工程と、
    前記一方面のうち、前記複数の端子部が形成された端子部形成領域を露出して、前記一方面に被覆層を形成する工程であって、前記被覆層の端縁のうち前記端子部形成領域を区画する端縁が、
    前記圧電ユニットの外端部稜線と、前記複数の端子部のうち前記外端部稜線に最も近接する端子部位置と、の間に配置されるように前記被覆層を形成する工程と、
    前記端子部形成領域と前記被覆層の該端子部形成領域を区画する端縁部上とを未硬化の合成樹脂材で連続して覆うように塗布して合成樹脂層を形成する工程と、
    前記配線基板を前記圧電ユニットに重ね、前記バンプを前記端子部形成領域上に塗布された未硬化の合成樹脂層を貫通させて前記配線の端子部と接触させ、且つ、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された未硬化の合成樹脂層を前記圧電ユニットの前記表面に接触させる工程と、
    前記未硬化の合成樹脂層を硬化させる工程と
    を有していることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層の厚さが前記バンプの高さ未満となるように前記被覆層を形成し、
    前記合成樹脂材を塗布する工程にて、前記被覆層の厚さと該被覆層に重なって塗布された合成樹脂層の厚さとの和が前記バンプの高さ以上となるように前記合成樹脂層を塗布することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記合成樹脂層を塗布する工程にて、前記端子部形成領域に塗布された合成樹脂層の厚さが前記バンプの高さ未満となるように前記合成樹脂材を塗布し、
    前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程において、前記バンプと前記端子部とが接触したときに、前記端子部形成領域の合成樹脂層と、前記圧電ユニットの前記表面との間に空間が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記合成樹脂材を塗布する工程において、
    前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布される前記未硬化の合成樹脂材が、前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねるときに、前記圧電ユニットの外端部稜線よりも内側に配置されるように塗布することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記配線基板は、その自由端が前記圧電ユニットと重ねられた範囲から延在して引き出されていて、
    前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程において、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された合成樹脂層は、前記圧電ユニットの外端部縁のうち少なくとも前記自由端が引き出される側の外端部に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接触させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層の前記端子部形成領域を区画する端縁部のうち前記自由端が引き出される側の端縁部には切り欠き部が形成されることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記一方面に被覆層を形成する工程にて、前記被覆層は前記端子部形成領域の外周を取り囲むように設けられ、
    前記配線基板を前記圧電ユニットに重ねる工程にて、前記被覆層における前記端子部形成領域を外囲する端縁部に重なって塗布された未硬化の合成樹脂層を、前記圧電ユニットの各外端部に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面に接着されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  8. 表面に複数の駆動電極が設けられた圧電ユニットと、
    前記各駆動電極上に設けられた突起状の複数の導電性バンプと、
    該圧電ユニットに重ねられる帯状の基材の一方の面には、前記駆動電極に駆動電圧を供給するための複数の端子部と、その端子部と接続された複数の配線が形成され、さらに、前記端子部が形成された端子部形成領域を露出させるよう被覆層が形成されてなる配線基板と、
    該端子部形成領域を合成樹脂材にて覆って塗布された熱硬化性を有した合成樹脂層とを備え、
    前記配線基板を前記圧電ユニット上に重ねて、前記バンプが前記端子部形成領域に塗布された合成樹脂層を貫通して前記配線の端子部と接触してなる液滴吐出ヘッドであって、
    前記被覆層の端縁のうち前記端子部形成領域を区画する端縁が、前記圧電ユニットの外端部稜線と、前記複数の端子部のうち前記外端部稜線に最も近接する端子部位置と、の間に配され、
    前記合成樹脂層は、前記端子部形成領域とともに前記被覆層の前記端縁部上とを連続して覆っていて、
    前記端縁部上に重なって塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの前記表面上に接触して硬化していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 前記端子部形成領域上に塗布された前記合成樹脂層は、前記圧電ユニットの表面と離間していることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッド。
  10. 前記被覆層の端縁部に重なって塗布された合成樹脂層端縁が、前記圧電ユニットの前記外端縁稜線より内側に配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の液滴吐出ヘッド。
  11. 前記配線基板は、前記圧電ユニットと重ねられた範囲からから延在して引き出された自由端を有し、前記被覆層の前記端縁部に重なって塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの外端縁のうち前記自由端が引き出される側の外端縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接触して硬化していることを特徴とする請求項10に記載の液滴吐出ヘッド。
  12. 前記被覆層の前記端子部形成領域を区画する端縁部のうち前記自由端が引き出される側の端縁部に、切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の液滴吐出ヘッド。
  13. 前記被覆層は前記端子部形成領域の外周を取り囲むように設けられ、前記被覆層における前記端子部形成領域を外囲する端縁部に塗布された合成樹脂層が、前記圧電ユニットの各辺縁に沿うようにして前記圧電ユニットの前記表面上に接着して硬化していることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
JP2008115007A 2008-04-25 2008-04-25 液滴吐出ヘッドとその製造方法 Pending JP2009262417A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115007A JP2009262417A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 液滴吐出ヘッドとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115007A JP2009262417A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 液滴吐出ヘッドとその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009262417A true JP2009262417A (ja) 2009-11-12

Family

ID=41388890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008115007A Pending JP2009262417A (ja) 2008-04-25 2008-04-25 液滴吐出ヘッドとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009262417A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014188716A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、および液体噴射ヘッドの製造方法
JP2015051587A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及び配線基板
JP2016168817A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 ヘッド及び液体噴射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014188716A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、および液体噴射ヘッドの製造方法
JP2015051587A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及び配線基板
JP2016168817A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 ヘッド及び液体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4432924B2 (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2004114609A (ja) フレキシブル配線基板の接続構造および接続方法
JP4501752B2 (ja) 基板接合構造の製造方法及びインクジェットヘッドの製造方法
JP5211631B2 (ja) 液滴吐出装置及びその製造方法
JP4618368B2 (ja) 記録ヘッドの製造方法及び記録ヘッド
JP4281608B2 (ja) 記録ヘッドの製造方法及び記録ヘッド
JP4765510B2 (ja) 液体噴射装置及びその製造方法
JP2013144360A (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP2007203481A (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP2009262417A (ja) 液滴吐出ヘッドとその製造方法
JP4617801B2 (ja) フレキシブル配線基板の接続構造および接続方法
JP2012069548A (ja) 配線基板の接続構造及び接続方法
JP2010201870A (ja) 配線基板の接合構造及び接合構造の製造方法
JP4985623B2 (ja) 配線部材の接続方法、配線部材の製造方法、及び、配線部材
JP6311361B2 (ja) 液体吐出装置の製造方法、及び、液体吐出装置
JP5157989B2 (ja) 圧電アクチュエータとこれを用いた液滴吐出ヘッド
JP2010260187A (ja) 配線ユニット、配線ユニットの製造方法、液体吐出ヘッド、および液体吐出ヘッドの製造方法
JP5146381B2 (ja) 液体吐出装置
JP2009081152A (ja) 配線基板、それを備える液体吐出装置及びヘッドユニットと配線基板とを接合する接合方法
JP4627655B2 (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2010260188A (ja) 液滴吐出ヘッド
JP3864987B2 (ja) フレキシブル配線基板の接続構造
JP2004114307A (ja) インクジェットヘッド
JP5464291B2 (ja) 配線基板の接続構造及び接続方法
JP5206072B2 (ja) 液滴吐出ヘッド