JP2004091907A - 電子部品用金属材料、電子部品、電子機器、金属材料の加工方法、電子部品の製造方法及び電子光学部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金を金属材料として適用する。この金属材料によれば、CuにMoを添加してCuの粒界にMoを均質に混入させることにより、Cu全体の耐候性を向上させることができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品および電子機器またはそれらの製品に使用される金属合金材料、電子および金属材料の加工方法及び電子光学部品に関し、例えば液晶表示素子、各種半導体製品あるいは部品、プリント配線基板、その他のICチップ部品等に適用することができる。そして、従来に比して低抵抗率であり、更に製造工程中での優位性を保有した安定かつ加工性に優れた電子部品用金属合金材料、この金属材料を使用した電子部品、電子機器等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子機器、電子部品においては、配線材料、電極材料、接点材料にCu、Al、Ti、Mo、Ta、W、Cr等の純金属による金属材料、Al−Cu、Al−Cu−Si、Al−Pd、TaSi、WSi、TiN等の合金による金属材料を用いて電極あるいは配線パターンを形成していた。
【0003】
例えばフラットパネルディスプレイを構成する透過型液晶表示素子においては、一般に、エッチング性に優れ、電気抵抗が低い純Alが配線材料として使用される。しかしながら、純Alは、融点が660℃と低いばかりか、液晶表示素子の配線材料として使用した場合には、配線膜形成後の化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)プロセス等における300〜500℃程度の熱処理工程においてヒロック、ウイスカー等の欠陥が発生する恐れがある。しかし、Alは低電気抵抗である優位性より、他の金属と比した優位性は大変高く、更に製造プロセスも完成度が高い為に、代替とされる材料の開発は進んでいない。このような事情から、液晶表示素子においては、高温で安定な高融点材料であるTa、Mo、Cr、W等によって純Alを挟み込む配線構造とすることにより、Al配線の課題や欠陥の解決を図っている。
【0004】
また、半導体素子においては、純Cuが電極および配線材料として、純Alの代替材料として検討、或いは一部使用されている。しかし、純Cuは電気電導性こそ大変高いものの、それを用いる製造プロセスにおいては、例えば配線パターンをエッチング法にて加工する場合に、高温下でなければ物性的に加工が出来なかったり、更にはSiの酸化膜やSi層に対して化学的に反応して拡散してしまって、半導体素子の機能を破壊するという課題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の電子機器に使用される金属材料に比して、電気抵抗が低く、熱に対して安定かつ加工性に優れた金属材料を得ることができれば、各種電子部品に適用して性能を向上し、さらには製造プロセスを簡略化できると考えられる。
すなわち、透過型液晶表示素子において、欠陥の発生を防止する目的で純Alに代えて使用されるTi、Ta、Mo、Cr、W等にあっては、表1に示すように純Alに比して抵抗率が大きい欠点がある。これにより、透過型液晶表示パネルにあっては、大型化、高精細化により配線パターンの配線長が増大し、また配線パターンが微細化すると、簡易かつ確実に駆動することが困難になるという問題がある。したがって、透過型液晶表示パネルにおいては、配線材料として好適な材料が存在しないのが実情であった。
【0006】
【表1】
【0007】
因みに、低抵抗値の配線材料について検討してみると、Alより抵抗率が低い材料としては、Au、Cu、Agがあるが、Auは、価格的に大変高価である為に製造コストを圧迫するだけでなく、耐候性に劣り、エッチングによる加工性が悪く、さらには微細加工が困難であるという問題を有している。また、Agは、塩化物、硫黄、硫化物などに対して敏感に反応し、微細加工性、耐候性に問題を有している。
【0008】
なお、Cuが敏感に反応する例をあげると、基盤材料に堆積する酸素原子、例えばSiウエハ上のSi酸化膜と接触した場合、或いは水分やその他の酸素を含む環境下での各種製造プロセスにおいて、Cuは、大気を含んだ環境下の酸素と反応して配線パターンの表面や境界面にCuOxが生成され、このCuOxにより、本来のCuが有する良性の導電性、熱伝導性が損なわれる。
【0009】
また、Cuが耐候性に問題を有する例としては、液晶表示素子に適用した場合に、透明導電膜と直接接触することによる界面の酸素等と反応してCuOxを形成して金属の物性安定性を損なう可能性が大きいというものがある。Alと同様にバリア層を下地層に形成し、又は上下をバリア層で挟んでサンドイッチ構造にすることにより、このような問題を解決している。
【0010】
また、これら液晶表示素子においては、駆動デバイスとしてアモルフアスシリコン又は多結晶シリコンによるTFT(Thin Film Transistor)が多く使用されるが、この駆動デバイス側から見た電極材料としても適切なものが開発されていないのが実情である。
【0011】
すなわち、これらの駆動デバイスにおいては、電極の金属材料を酸化させて、この電極とシリコン能動素子との間にゲート絶縁膜を形成することにより、製造プロセスを簡略化するようになされたものがある(すなわち陽極酸化法である)。
【0012】
表1に記載の配線材料のうち、このようなゲート絶縁膜を形成することが可能な配線材料としては、Al、Taがあり、特にTaの場合には、ピンホール等の欠陥が少なく、歩留りの高い酸化絶縁膜を形成することができる。しかしながら、Taにあっては、抵抗率が高いことにより、このような陽極酸化による場合には、抵抗率の低いAlを用いた2層配線による電極構造とする必要があり、結局製造プロセスを増加させることとなっていた。なお、この2層配線による場合、結局、配線パターンの抵抗率は、Alにより決まる抵抗率となる。
【0013】
上述のディスプレイデバイスへの応用以外にも、DRAM、フラシュメモリ、CPU、MPU、ASIC等の半導体デバイスにおいては、高集積化のため配線の幅が狭くなり、またチップサイズの大型化、多層配線等の複雑化に伴い配線パターンの配線長が増大する傾向にある。これによりこれらの半導体デバイスにあっても、低抵抗率で熱に対して安定かつ加工性に優れた配線材料が望まれている。
【0014】
すなわち、このような配線幅の減少、配線長の増大は、配線における抵抗の増大を招き、この抵抗の増大により配線における電圧降下が増大して素子の駆動電圧が低下するようになり、また消費電力が増大し、さらには配線による信号伝達に遅延が発生するようになる。
【0015】
また、このような半導体デバイス以外の、例えばプリント配線基板、チップコンデンサ、リレー等の電子部品にあっては、配線材料、電極材料、接点材料にCu、Agなどが用いられている。しかし、これらの材料についても耐候性が実用上未だ不十分であるという問題があり、またリサイクルが困難であるという問題があった。
【0016】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料、この金属材料を使用した電子部品、電子機器、電子光学部品、電子部品の製造方法、金属材料の加工方法を提案しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明に係る電子部品用金属材料は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
【0018】
上記電子部品用金属材料によれば、CuにMoを添加してCuの粒界にMoを均質に混入させることにより、Cu全体の耐候性を向上させることができる。さらに、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた複数の元素を添加することにより、抵抗率を低くすることができる。また、第2の元素であるMoを添加することによる抵抗率の増大の割合をこの第3の元素により抑制することができる。このとき、これらの添加する元素を0.1〜3.0wt%とすることで耐候性を改善することができる。したがって、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料を得ることができる。
【0019】
本発明に係る電子部品用金属材料は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする。
上記電子部品用金属材料は、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れていることが確認されている。
【0020】
本発明に係る電子部品用金属材料は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
上記電子部品用金属材料は、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れていることが確認されている。
【0021】
また、本発明に係る電子部品用金属材料においては、該電子部品用金属材料が10μΩcm以下の電気抵抗率を有することが好ましい。
【0022】
本発明に係る電子部品用金属材料は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1の元素を0.1〜3.0wt%含有してなる3元合金からなることを特徴とする。
【0023】
上記電子部品用金属材料によれば、CuにMoを添加してCuの粒界にMoを均質に混入させることにより、Cu全体の耐候性を向上させることができる。さらに、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1の元素を添加することにより、抵抗率を低くすることができる。また、第2の元素であるMoを添加することによる抵抗率の増大の割合をこの第3の元素により抑制することができる。このとき、これらの添加する元素を0.1〜3.0wt%とすることで耐候性を改善することができる。したがって、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料を得ることができる。
【0024】
また、本発明に係る電子部品用金属材料においては、該電子部品用金属材料が1.5μΩcm以上、7.0μΩcm以下の電気抵抗率を有することが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る電子部品用金属材料においては、該電子部品用金属材料が、配線材料、電極材料、接点材料及びスパッタリングのターゲット材のうちのいずれかであることも可能である。
【0026】
本発明に係る電子部品は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品に適用して、前記金属材料が、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
上記電子部品に適用されている金属材料は、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れていることが確認されている。
【0027】
本発明に係る電子部品は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る電子部品は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極又は接点が、りん酸および硝酸を含む溶液によるエッチング工程を経て形成されたことも可能である。
【0030】
上記電子部品に適用されている3元以上の合金からなる金属材料にあっては、例えばH3PO4+HNO3+CH3COOH等の燐酸系のエッチング液によってもエッチング加工することができる。また、このエッチング液に燐酸、硝酸、酢酸の他、水、硝酸セリウム、硝酸銀等の添加により、エッチングレートを制御することもできる。したがって、従来のパターンニングの手法に加えて、この種の金属材料に適用して好適なパターンニングの手法を得ることができる。
【0031】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極又は接点が、塩素を含むガス雰囲気中でのエッチング工程を経て形成されたことも可能である。
【0032】
上記電子部品に適用されている3元以上の合金からなる金属材料にあっては、塩素を含むガス雰囲気中でのドライエッチングが可能で、例えばCl2、CCl4、BCl3、SiCl4等の塩素を含むガス雰囲気中でのRIE(Reactive Ion Etching)、プラズマエッチングなどによるエッチング処理が可能である。したがって、従来のパターンニングの手法に加えて、この種の金属材料に適用して好適なパターンニングの手法を得ることができる。
【0033】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極及び接点以外の部分を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工する工程を経て形成されたことも可能である。
【0034】
上記電子部品に適用されている3元以上の合金からなる金属材料にあっては、フッ素を含むガス雰囲気中でのドライエッチングが困難で、これらのガスによっては損傷しない長所が見られる。例えば、CF4、C3F8、C4F8、SF6等のフッ素を含み、塩素を含まないガス雰囲気中でのRIE、プラズマエッチングなどにより、このような3元以上の合金からなる金属材料をエッチングすることなく、例えば、Si、多結晶Si、アモルファスSi、SiO2、Si3N4、Mo、W、Ta、Ti、Pt等の他の材料をエッチングすることができる。したがって、この種の金属材料と他の材料とにより成るデバイスに適用して好適なパターンニングの手法を得ることができる。
【0035】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極又は接点を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理する工程を経て形成されたことも可能である。
【0036】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極又は接点が、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に形成されていることも可能である。
【0037】
また、本発明に係る電子部品においては、前記配線パターン、電極又は接点が、ガラス、又はプラスティックの樹脂成形の基板上に直接形成されていることも可能である。前記配線パターン、電極又は接点は密着性に優れているからである。
【0038】
上記電子部品において、Cuを主成分としてMoを0.1〜3.0wt%含有するCuMo合金にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siによる1又は複数の元素を0.1〜3.0wt%添加して得られる合金にあっては、純Cuの優れた熱伝導性を維持し得、さらにスパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキ法等の従来の成膜プロセスに適応でき、さらにはウェットエッチング手法及びドライエッチング手法で容易にパターニングすることができ、また高温にあっても安定な状態を維持することができる。したがって、低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料を配線パターン、電極又は接点に適用した電子部品を得ることができる。
【0039】
本発明に係る電子機器は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
上記電子機器に適用されている金属材料は、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れていることが確認されている。
【0040】
ここでの電子機器とは、積層チップコンデンサ,電解コンデンサ等の特定の容量を保有するコンデンサ部品,および半導体素子を銅箔や樹脂基盤に実装(ボンディング処理を含む)した半導体パッケージ部品、更にはこれらの電子部品を重複して構成する機器製品を定義する。
【0041】
本発明に係る電子機器は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする。
【0042】
本発明に係る電子機器は、金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする。
【0043】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極又は接点が、りん酸および硝酸を含む溶液によるエッチング工程を経て形成されたものであることも可能である。
【0044】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極又は接点が、塩素を含むガス雰囲気中でのエッチング工程を経て形成されたものであることも可能である。
【0045】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極及び接点以外の他の部分を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工する工程を経て形成されたものであることも可能である。
【0046】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極又は接点を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理する工程を経て形成されたものであることも可能である。
【0047】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極又は接点が、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に形成されていることも可能である。
【0048】
また、本発明に係る電子機器においては、前記配線パターン、電極又は接点が、ガラス、又はプラスチックの樹脂成形の基板上に直接形成されていることも可能である。
【0049】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0050】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0051】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0052】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0053】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0054】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0055】
本発明に係る電子部品の製造方法は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする。
【0056】
本発明に係る電子部品の製造方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする。
【0057】
本発明に係る電子部品の製造方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする。
【0058】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0059】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0060】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0061】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0062】
上記金属材料の加工方法によれば、前記下地の上に前記合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することにより、従来の加工プロセスを適応して充分な密着性を確保することができ、低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた配線パターン等を得ることができる。
【0063】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0064】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0065】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0066】
上記金属材料の加工方法によれば、前記合金からなる金属膜をガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成する。前記金属膜を構成する合金の酸素の影響が少ないため、例えばAlによる場合のような抵抗率の増加を低減でき、これにより簡易な製造プロセスによって低抵抗率の配線パターン等を簡易に作製することができる。
【0067】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0068】
本発明に係る金属材料の加工方法は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする。
【0069】
本発明に係る電子光学部品は、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする。
【0070】
上記電子光学部品によれば、低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れ、かつ反射率に優れた合金からなる金属膜を反射膜、配線パターン又は電極に適用した電子光学部品を得ることができる。
【0071】
本発明に係る電子光学部品は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする。
【0072】
本発明に係る電子光学部品は、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態においては、各種電子部品の金属材料に、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金を適用する。
【0074】
なお、ここで各種の電子部品は、透過型液晶表示素子、有機EL(Electro Luminescence)パネル、プラズマディスプレイ、微小ミラーによる電子光学部品等のディスプレイ用デバイス、各種半導体デバイス、プリント配線基板、チップコンデンサ、リレー等であり、これらの配線パターンの配線材料、電極材料、高反射膜材料、接点材料等、さらにはこれらの配線や電極等の作成に使用するスパッタリングのターゲット材にこれらの合金が適用される。
【0075】
本実施の形態によれば、CuにMoを添加してCuの粒界にMoを均質に混入させることにより、Cu全体の耐候性を向上することができる。しかし単にCuにMoを添加するだけの場合、十分な耐候性が得られる程度にまでMoを添加すると抵抗率が増大する。これに対してさらにAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を添加すれば、抵抗率が低下し、又は抵抗率の増加を抑制することが可能となる。ここで、この第三の元素の添加量は、0.1〜3.0wt%添加することで耐候性が改善され、3.0wt%以上添加すると逆に耐候性が劣化する。
【0076】
このようにして耐候性が改善されてなる銅合金にあっては、金属元素の中で最も優れた導電性、熱伝導性を有する純Cuの特性が維持され、さらに耐侯性に優れ、低電気抵抗率で、高熱伝導性の金属材料を得ることができる。
【0077】
特に配線材料に前記銅合金を適用する場合には、上述した範囲で添加する元素の選定により、配線材料として求められる7μΩcm以下の値を確保することができる。
【0078】
なお、配線材料や電極材料としては、従来一般に用いられているAlSi合金の抵抗率と同等であれば優位性が顕著に高く、少なくともCrの抵抗率以下であれば実用に供することができると考えられ、実験した結果によれば、1.6μΩcm以上の抵抗率であって、このAlSi合金の抵抗率である3.5μΩcm以下の抵抗率を必要に応じて確保することができる。
【0079】
また、耐候性を確保する為に添加元素の量を増加させた場合でも、本実施の形態による添加量の範囲であれば、Crの電気抵抗値である12.6μΩcmを充分に下回る為に、配線および電極材料として優位性を得ることが出来ることが確認された。
【0080】
また、このようなCu合金は、いずれも完全固溶体では無く、主元素であるCuの粒界析出型の金属合金を形成する。一般的には完全固溶金属合金は材料物性的に安定であるとされているが、完全固溶合金の場合には添加元素の量が少ないと主元素の特性にそのまま依存することが多く、完全に主元素の課題を解決することが難しいことが、特にCu合金の場合には確認されている。
【0081】
また、最近の液晶表示素子や半導体素子においては、配線や電極のパターンが大変微細化されている。このため、配線の機械的強度や耐電圧等の材料的安定性が極端に重要視される。このような状況の中では、粒界析出型の金属合金は主元素の強度を添加元素が飛躍的に高めることが確認されている為に、従来材料であるAl、Mo、Cr、Ti、Ta、Cuと比較して、加工性に優れ、高温下にて安定で、かつ信頼性を向上することが可能となる。
【0082】
また、Cuの加工方法としては、ドライエッチングにおいては、塩素系の複合ガスを用いる方法が知られており、ウェットエッチングにおいては、塩酸系あるいはNH4OH等のアルカリ系の溶液等のエッチング液を用いる方法が知られている。本実施の形態に係るCu合金においても、これらの方法にてエッチング加工することができ、更には従来の純Al、およびAl合金で蓄積された各種加工方法を適用することができる。
【0083】
なお、塩素を含むガスとしては、例えば、Cl2、CCl4、BCl3、SiCl4等であり、これらの雰囲気中でRIE、プラズマエッチングなどにより本実施の形態に係るCu合金膜の加工が可能である。因みに、このような塩素を含むエッチングガスによるドライエッチングプロセスをCuによる配線パターンに適用すると、エッチングの進行によりガス中の塩素とCuとが反応して配線パターンの境界面にCuCl2が生成され、このCuCl2により導電性、熱伝導性が損なわれるが、本実施の形態に係るCu合金膜にあっては、このような反応も何ら発生しないことを確認できた。
【0084】
上述したようにこの種の金属材料を使用した電子部品の作製工程においては、塩素系のガスの雰囲気によるエッチングにより、好適なパターンニングの手法を得ることができる。
【0085】
また、本実施の形態のような3元以上の合金にあっては、フッ素を含み塩素を含まないガス雰囲気中でのドライエッチングが困難であり、これらのガスによっては損傷しない長所が見られる。例えば、CF4、C3F8、C4F8、SF6等のガス雰囲気中でのRIE、プラズマエッチングなどにより、このような3元以上の合金に何ら影響を与えることなく、例えば、Si、多結晶Si、アモルファスSi、SiO2、Si3N4、Mo、W、Ta、Ti、Ptなどの他の材料をエッチングすることができる。
【0086】
上述したようにフッ素を含み塩素を含まないガス雰囲気中での処理により、このような3元合金以外の部位を選択的にエッチングして処理することができ、これによってもこの種の金属材料に適用して好適なパターンニングの手法を得ることができる。
【0087】
これに対して、現在、液晶表示素子をはじめとするディスプレイ製造設備におけるウェットエッチングにおいては、燐酸を含有するエッチング液で純Al等をエッチングするようになされている。このような燐酸系のエッチング液としては、例えばH3PO4+HNO3+CH3COOHがあり、従来の純Cu、Cuを主成分とする2〜3元素にて構成される合金にあっては、このようなエッチング液によってはエッチングが困難であった。
【0088】
ところが、Cuを主成分としてMoを0.1〜3.0wt%添加し、さらにAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%添加してなる合金にあっては、このような燐酸系の錯体を用いてエッチングできることが判った。これにより、Alによる従来のエッチング設備を有効に利用してエッチング加工することができる。因みに、従来と同様に、燐酸、硝酸、酢酸の他、水、硝酸セルウム、塩酸銅等を添加することにより、エッチングレートを制御することも可能である。
【0089】
なお、エッチング後の洗浄等の後工程においても、純Al、Al合金等と同じ工程を使用でき、またAl系をエッチング加工する場合に比して環境を汚染する可能性も低減することができる。これらによっても従来材料であるAl、Mo、Cr、Ti、Ta、Cuに比して、加工性に優れた金属材料ということができる。
【0090】
さらに、本実施の形態によるCu合金を用いれば、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキ法などの従来の成膜プロセスにより簡易かつ確実に成膜することができる。このスパッタリングにおいて、このCu合金は、Al系材料に比して約2.3〜2.5倍の速度によりスパッタリングすることができ、スパッタリング法による薄膜形成速度が速い特徴がある。これにより成膜時間を短縮することができ、その分生産に要する時間を短縮することができる。
【0091】
なお、スパッタリング法、蒸着法等により成膜した場合には、加熱により合金化することが必要となり、この処理においては100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して、低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた金属膜を作製することができる。
【0092】
さらに、加工プロセスとして重要な下地材料に対する密着性についても、下地にTi、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンの何れかを適用することにより、良好な密着性が確保され、これにより各種半導体デバイス等において、従来のAl系の配線パターンと簡易に置き換えることができ、また良好な特性を確保することができる。
【0093】
Al系の場合には、例えば薄膜によりプラスティック、ガラス上に直接成膜すると、Alが酸素と反応すること等から、抵抗値がかなり大きくなり、バルク材料における抵抗値の2〜3倍の値となる。また、純AgおよびAg合金の場合には、プラスティック、ガラス上に直接成膜すると、基板材料との密着性が悪い為に、成膜直後もしくはその後の工程で剥離してしまうと言う問題が生じてしまう。
【0094】
これに対して、本実施の形態によるCu合金の場合、酸素の影響が少なく、プラスティック、ガラス上に直接薄膜を形成したことによる抵抗率の増加が低減され、更に密着性が良好である為に、成膜以後の工程での剥離やチッピング等の問題が生じない。これによりプラスティック、ガラス上に直接成膜して配線パターン等を作製して、良好な特性による配線パターン等とすることができ、簡易な製造プロセスにより低抵抗率の配線パターン等を形成することができる。
【0095】
これらにより透過型液晶表示パネルにあっては、配線パターンに適用して、大画面化、高精彩化により配線長が増大し、また配線が微細化した場合でも、簡易かつ確実に駆動することができ、また信頼性を向上し、さらには消費電力を軽減することができる。
【0096】
また、反射型液晶表示パネルにあっては、配線パターンに適用して、透過型液晶表示パネルの場合と同様の効果を得ることができ、また高反射膜に適用して安定に高い反射率を確保することができ、明るい表示画面を形成することができる。
【0097】
同様に、微小ミラーによる電子光学部品等の光変調デバイスの反射膜、電極又は配線パターンに適用して、反射効率が高く、低抵抗であるため、輝度が高く、かつ、高速動作が可能なデバイスを形成することができる。
【0098】
また、これら液晶表示パネル、各種半導体デバイスにおいて、Taを用いた陽極酸化法に適用して、例えばこの銅合金とTaによる2層構造として、充分に小さな抵抗値とすることができる。
【0099】
さらに、各種半導体デバイスにおいても、配線パターンに適用して、配線長の増大、配線の微細化による抵抗値の増大を防止でき、その分消費電力を軽減することがでる。また、配線による電圧降下を防止でき、さらには信号の遅延を防止でき、これらにより各種特性を向上すると共に、信頼性を向上することができる。
【0100】
また、プリント配線基板の配線パターン、チップ部品の電極、リレーの接点等に適用して、好適な特性を確保して高い信頼性を確保することができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、Cuを主成分とし、Moを含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3wt%添加する場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金に適用することも可能であり、また、Cuを主成分とし、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金に適用することも可能である。
【0102】
【実施例】
次に、本実施例に係る銅合金の密着性の評価試験及びその結果について説明する。
【0103】
(密着性の評価方法)
まず、Cu−1.8wt%Mo合金、Cu−1.8wt%Mo−1.5wt%Al合金、Cu−1.8wt%Mo−1.2wt%Ag合金をガラス基板上、200nmの厚さの酸化インジウム錫薄膜上、500nmの厚さのSi酸化膜上にそれぞれマグネトロンスパッタリング法にて250nmの厚さで成膜した。
【0104】
次いで、カッターナイフを用いて、それぞれ3種類の下地上に3種類のCu合金薄膜を形成したサンプルに、図1(A)に示す様に碁盤目の様な切り目を入れた。碁盤目の升目の形状は、1mm×1mm程度である。
【0105】
次いで、図1(B)に示すように、テープ(ニチバン製CT405A−18と言う商品)を、上記碁盤目の切り目が入ったCu合金薄膜サンプルに密着させて、密着させたテープを一気に剥離して碁盤目の切り目の入った薄膜サンプルの各升目に剥離が無いかどうかを確認した。
【0106】
上記確認の結果、全てのCu合金薄膜サンプルは升目の剥離が確認されなかった。
比較するために、Cu、Al、Ag、Au、AgPd合金のサンプルも同様に評価したが、Alは局所的に剥離が確認され、その他の金属膜については、升目の大半に剥離や欠けが生じた。
【0107】
(結論)
本実施例に係るCu合金薄膜は、ガラス基板、酸化インジウム錫、Si酸化膜との密着性が大変高いことが確認できた。この結果により、例えば液晶表示素子に用いるゲート電極においては、主としてAlにNdを添加したAlNd合金がゲート電極として採用されているが、Cu合金と比して、低抵抗の電極として利用することが出来ることが確認できた。
【0108】
例えば、純CuやAg、Au等のAlよりも低電気抵抗の金属材料は、いずれもガラス基板や酸化インジウム錫との密着性が悪い為に、ガラス基板および酸化インジウム錫と直接接するゲート電極においては利用することを検討できなかった。
【0109】
次に、本実施例に係る銅合金の環境耐性評価実験について説明する。
(高温雰囲気による加熱処理後の熱安定性評価)
まず、ガラス基板上に、純Al、純Cu、Au、Cu−1.8wt%Mo合金、Cu−1.8wt%Mo−1.5wt%Al合金、Cu−1.8wt%Mo−1.2wt%Ag合金薄膜を250nmの厚さで直接、純Cuおよび純Auについては密着層にCrを100nm敷いた上部に250nmの厚さで成膜したサンプルを作成した。
【0110】
次いで、上記サンプルを真空炉、大気炉、窒素雰囲気炉に入れて、100℃から800℃まで100℃刻みで加熱して、加熱による経時変化を確認した。
【0111】
次いで、100℃刻みで全てのサンプルの状況を観察して、800℃まで加熱を行った後、加熱を止めて室温(27℃)になるまで冷却した。
【0112】
(結果)
純Alは200℃を超えると全ての炉において白濁して、700℃を超えると局所的に溶融してしまい、800℃まで加熱することが出来なかった。
純Agは300℃を超えると全ての炉において白濁してしまった。
純Auは400℃を超えると全ての炉において濁色化してしまった。
純Cuは300℃を超えると大気炉では酸化して黒色化してしまい、700℃を超えると表面が粉っぽくなった。また、その他の炉においては700℃を超えると表面に酸化が確認できた。
CuMo、CuMoAg合金は大気炉では500℃を越えると酸化が確認できたが、その他の炉では800℃まで変化が見られなかった。
CuMoAl合金は全ての炉において全く経時変化が無かった。
なお、濁色化するのは、Alの場合は表面に酸化膜が生じていて、更に薄膜の粒子が熱により整列する粒子同士で結合して成長してしまい、表面に凹凸が生じて平坦性が損なわれた場合に生じる現象である。
【0113】
(結論)
上記の結果により、本実施例に係るCu合金は他の低電気抵抗の特性を有す金属と比して熱に対して安定であり、特には粒子成長が殆ど確認できない為に、耐熱安定性が大変高いことが確認できた。
【0114】
(加速試験による耐環境性評価)
まず、ガラス基板上に、純Al、純Cu、Au、Cu−1.8wt%Mo合金、Cu−1.8wt%Mo−1.5wt%Al合金、Cu−1.8wt%Mo−1.2wt%Ag合金薄膜を250nmの厚さで直接、純Cuおよび純Auについては密着層にCrを100nm敷いた上部に250nmの厚さで成膜したサンプルを作成した。
【0115】
次いで、上記サンプルを、温度80℃で湿度85%の雰囲気の装置に入れて、100時間から800時間まで100時間刻みで放置して、高温高湿下による経時変化を確認した。
【0116】
次いで、100時間刻みで全てのサンプルの状況を観察して、800時間まで放置実験を行った後、サンプルを取り出した。
【0117】
(結果)
純Alは200時間を超えると表面が酸化して白濁してしまい、700時間を超えると局所的に黒色の斑点が確認され、全面白濁して金属光沢は喪失していた。
純Agは300時間を超えると黒色化が始まり、800時間終了後には表面全面が黒黄色化してしまい、金属光沢が喪失してしまっていた。
純Auは800時間を超えると局所的に黒色の斑点は確認されたが、殆ど変化は無く、金属光沢は広く残存していた。
純Cuは100時間を超える前に黒色化が進行し、400時間を越えた時点では表面全面が酸化の為に黒色化してしまった。
CuMo、CuMoAg合金はAuと同様に800時間まで殆ど変化が見られなかったが、局所的に黒色の斑点が生じており、金属光沢は薄くなっていた。
CuMoAl合金は全く経時変化が無く、金属光沢もきれいに残存していた。
【0118】
(結論)
上記の結果より、全てのCu合金は加速試験(耐環境試験)においては、Auと同等に大変耐食性が高く、AlやAgと比して顕著に耐環境性については優位性が確認できた。
【0119】
(溶液への浸水実験による耐薬品性評価)
まず、ガラス基板上に、純Al、純Cu、Au、CuMo合金、CuMoAl合金、CuMoAg合金薄膜を250nmの厚さで直接、純Cuおよび純Auについては密着層にCrを100nm敷いた上部に250nmの厚さで成膜したサンプルを作成した。
【0120】
次いで、上記サンプルを、3%NaCl、5%NaOH、1%KOH、1%H2SO4の溶液にそれぞれ各試料を室温で浸し、24時間および100時間浸した状態で経時変化を観察した。
【0121】
次いで、100時間溶液に浸した後、サンプルを取り出して純水にて洗浄して溶液に浸す前後での経緯時間変化を確認した。
【0122】
(結果)
純Alは数分で表面が酸化して白濁化し、金属光沢が無くなり、100時間を越える前に膜が半透明になり化学的に急激に反応する様子が伺えた。
純Agは30分程度で3%NaCl溶液では白濁して、1%H2SO4では黒色化してしまい、他の溶液でも金属光沢が無くなったりしてしまった。また、全ての溶液において、24時間程度で半透明になり膜が反応して消失していたり、或いは黒色化しており、浸す前の状態とは全く異なってしまっていた。
純Auは24時間経過までは殆ど目視では浸す前との経時変化は観察できなかったが、100時間を超えると全ての溶液において局所的に黒濁色や濁色化してしまったり、半透明になる結果が観察できた。
純Cuは全ての溶液に浸すと数分で黒色化してしまい、100時間後には完全黒色化してしまっていた。
CuMo、CuMoAg、CuMoAl合金は全ての溶液において経時変化が少なく、局所的に黒色化が確認できた程度であった。
【0123】
(結論)
従来材料にあっては、Au、Cu合金3種類を除くAl、Ag、Cuでは、金属光沢の喪失、白濁化、黒色化、透明化等の化学反応による変化が観察され、これにより熱や高温高湿の環境、各薬品と反応している為に、化学的あるいは環境に対して経時変化が激しく、材料的に不安定であることが確認された。
これに対して3種類のCu合金では、0.1wt%という微量なMo及びAl、Agを添加するだけで、耐熱性や耐環境性,更には耐薬品性が大幅に改善され、表面が僅かに変色するに留まっていた。
さらにMo、AlもしくはAgの添加量を増やすことによって全く変化を生じない程度に耐熱性,耐環境性および耐薬品性を改善できることがわかった。
【0124】
これらのことから同材料は、750℃程度の高温プロセスでも安定な材料であり、成膜した後、あえて保護膜を作成しなくても温度により変化することなく、従ってその分、成膜後の後熱処理工程を簡略化できることが判った。
また、同材料は、高温多湿下においても安定であることが確認され、これにより配線材料等に適用して充分な信頼性を確保できることが判った。
【0125】
表2は、フォトリソグラフイー工程における耐薬品性の評価結果を示すものである。ここでは、Si基板上にCu−1.0wt%Mo−1.0wt%Alを膜厚150nmで成膜して試料を作成し、この試料を通常のフォトリソグラフイー工程で用いられるプロセスであるレジスト現像した後、レジストベークし、シート抵抗の変化を観察した。
【0126】
【表2】
【0127】
なお、実際には、現像工程として、現像液の主成分である珪酸ナトリウム5%、リン酸水素二ナトリウム3%溶液に浸し、またレジストベーク工程としてレジストを塗布した状態で87℃で30分試料を焼成した。
【0128】
(プラズマアッシング耐性の評価)
従来、配線材料や電極として使用されているAl、Al合金,もしくはその低電気抵抗の代替材料として比較検討されている、Cu、Agおよびそれらを主成分とする合金においては、いずれも配線パターンをエッチング法にて形成後に行う、プラズマアッシングにて酸素プラズマに対するアッシング性が低い為に、工程に制約や制限を必要とする等の問題が生じている。
【0129】
同アッシング工程では、特定の酸素ガスとArガスの流量比の混合ガスをプラズマを使用して配線や電極に吹き付けることで、配線や電極の上面の汚物や水分等の余剰物のクリーニングや、配線や電極の膜の粒界に依存するパーティクルの除去等に効果を得て、各種素子を複層で構成する際に、単層毎の配線や電極の信頼性向上につなげる為に重要な工程である。しかし、低抵抗とされる材料はいずれも酸素プラズマに対する化学的な安定性を保有していない為に、これらの工程に大幅に制限や制約を設けてしまい、最終製品に至る際の材料の信頼性に課題を有したり、素子が高集積化されて、配線パターンが微細化する際のネックになっている。
【0130】
そこで、本発明者は、本発明材料であるCu合金材料が、従来のAlやそれを主成分とするAl合金、更にはCu、Alと比して酸素プラズマアッシング工程に関する耐性の有無を次の通りに確認した。
【0131】
まず、ガラス基板上に、純Al、純Cu、Au、CuMo合金、CuMoAl合金、CuMoAg合金薄膜を250nmの厚さで直接、純Cuおよび純Auについては密着層にCrを100nm敷いた上部に250nmの厚さで成膜したサンプルを作成した。
【0132】
次いで、上記サンプルをアッシング装置に配置して、RFパワー500W、使用ガスはO2とArの混合ガス(混合組成比は50:50vol%)、ガス流量は毎分5ml、装置内の真空度はアッシング処理中で1.0〜1.5Torr、アッシング時間は300秒(5分)の条件でアッシング処理を行った。この際の基板温度を熱電対で測定したところ、約160℃であった。
【0133】
次いで、アッシング処理を行った後、20分冷却の為に装置を開封せずに放置し、その後にサンプルを取り出して表面の状態を目視にて確認し、更に四探針法にてアッシング処理前後での電気抵抗の変化を確認した。
【0134】
(結果)
純Alは表面が黒色化して光沢も無く、表面電気抵抗も測定不可能になる位に上昇した。
純Agは表面が黒色化して、更に膜全体が粉っぽくなり剥離し、電気抵抗は測定が不可能であった。
純Cuは表面が黒色化して、Ag同様に表面全体が粉っぽくなり剥離してしまい、電気抵抗は測定阿附可能であった。
CuMo、CuMoAg、CuMoAl合金は3種類全てのサンプルがアッシング前後で金属光沢や色の変化が全く無く、表面電気抵抗を測定しても全く変化は無かった。
【0135】
(結論)
従来材料であるAl、もしくは代替として低電気抵抗の特性を有すAg、Cu共に同様に酸素プラズマアッシングに対する耐性が大変低いことが、高集積で微細な配線パターンを要す液晶表示素子や半導体素子においては、製造上、大変問題視されていた。
しかし、いずれの純金属ともに解決策が見出されず、製造工程上の問題を保有したまま、アッシングプロセスの条件や状況に制約や制限を設けることで、適当に課題を回避していた現状がある。
本発明のCu合金は、いずれもアッシングによる物性変化や特性の劣化を起こさないでアッシング工程を通過することができる為に、従来材料と比して信頼性が高い配線や電極を作成できるばかりか、製造上、制約や制限を設けないで材料の活用が出来ることが本実験により確認できた。
【0136】
表3は、DCマグネトロンスパッタリング法による成膜速度の評価結果を示すものである。
この評価は、8インチのスパッタリングターゲットに各成膜材料によるCu合金を使用し、このターゲットから120mmの距離に保持した基板に成膜し、この基板における膜厚が120nmになるまでの時間を計測した。
【0137】
【表3】
【0138】
この評価結果によれば、CuMo、CuMoAl、CuMoAgの3種類の合金をターゲットとして使用した場合には、Alをターゲットとして使用する場合に比して約2.3〜2.5倍の速度により成膜できることが判った。これにより、Alによる金属材料に代えて、本発明で得られたCu合金を使用すれば、成膜時間に要する時間を半分以下に低減でき、その分製造に要する時間を短縮できることが判った。
【0139】
なお、この評価では、純Cuをターゲットとして使用する場合との比較でも、成膜速度の向上を確認することができた。また、これら従来の成膜材料による場合に比して基板の温度上昇が低いため、基板としてプラスティック基板をも使用できることが判った。
【0140】
なお、本実施例では、Cuを主成分とし、Moを含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1つの元素を添加する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた複数の元素を合計で0.1〜3wt%含有してなる合金を広く適用することも可能であり、また、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金に適用することも可能であり、また、Cuを主成分とし、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金に適用することも可能である。
【0141】
また、上述の実施例では、スパッタリング等による薄膜生成による場合について説明したが、本発明はこれに限らず、他の薄膜生成による場合、さらには厚膜生成による場合にも広く適用することができる。
【0142】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al等の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金を金属材料として適用することにより、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料、この金属材料を使用した電子部品、電子機器、電子光学部品、電子部品の製造方法、金属材料の加工方法を得ることができる。
【0143】
また、本発明によれば、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金を金属材料として適用することにより、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料、この金属材料を使用した電子部品、電子機器、電子光学部品、電子部品の製造方法、金属材料の加工方法を得ることができる。
【0144】
また、本発明によれば、Cuを主成分とし、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金を金属材料として適用することにより、従来に比して低抵抗率であって、熱に対して安定かつ加工性に優れた電子部品用金属材料、この金属材料を使用した電子部品、電子機器、電子光学部品、電子部品の製造方法、金属材料の加工方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、実施例に係る銅合金の密着性の評価を行うサンプルを概略的に示す平面図であり、(B)は、(A)に示すサンプルに対して密着性の評価試験を行っている様子を概略的に示す断面図である。
Claims (46)
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子部品用金属合金材料。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする電子部品用金属合金材料。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子部品用金属合金材料。
- 前記電子部品用金属材料が10μΩcm以下の電気抵抗率を有することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電子部品用金属材料。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1の元素を0.1〜3.0wt%含有してなる3元合金からなることを特徴とする電子部品用金属材料。
- 前記電子部品用金属材料が1.5μΩcm以上、7.0μΩcm以下の電気抵抗率を有することを特徴とする請求項5に記載の電子部品用金属材料。
- 前記電子部品用金属材料が、配線材料、電極材料、接点材料及びスパッタリングのターゲット材のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3及び請求項5のうちいずれか1項に記載の電子部品用金属合金材料。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品であって、前記金属材料が、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子部品。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする電子部品。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子部品であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子部品。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、りん酸および硝酸を含む溶液によるエッチング工程を経て形成されたことを特徴とする請求項8〜10のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、塩素を含むガス雰囲気中でのエッチング工程を経て形成されたことを特徴とする請求項8〜10のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記配線パターン、電極及び接点以外の部分を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工する工程を経て形成されたことを特徴とする請求項8〜10のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記配線パターン、電極又は接点を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理する工程を経て形成されたことを特徴とする請求項8〜13のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に形成されていることを特徴とする請求項8〜14のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、ガラス、又はプラスティックの樹脂成形の基板上に直接形成されていることを特徴とする請求項8〜14のうちいずれか1項に記載の電子部品。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子機器。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなることを特徴とする電子機器。
- 金属材料により配線パターン、電極又は接点が形成された電子機器であって、前記金属材料が、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなることを特徴とする電子機器。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、りん酸および硝酸を含む溶液によるエッチング工程を経て形成されたことを特徴とする請求項17〜19のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、塩素を含むガス雰囲気中でのエッチング工程を経て形成されたことを特徴とする請求項17〜19のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- 前記配線パターン、電極及び接点以外の他の部分を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工する工程を経て形成されたことを特徴とする請求項17〜19のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- 前記配線パターン、電極又は接点を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理する工程を経て形成されたことを特徴とする請求項17〜22のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に形成されていることを特徴とする請求項17〜23のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- 前記配線パターン、電極又は接点が、ガラス、又はプラスチックの樹脂成形の基板上に直接形成されていることを特徴とする請求項17〜23のうちいずれか1項に記載の電子機器。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、りん酸および硝酸を含む溶液によりエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、塩酸を含むガス雰囲気中でエッチングして配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする電子部品の製造方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする電子部品の製造方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を有する電子部品の製造方法であって、前記金属膜以外の膜を、フッ素を含むガス雰囲気中でのエッチングにより加工することを特徴とする電子部品の製造方法。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、100℃以上、750℃以下の温度範囲により加熱処理して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Ti、W、Ta、Mo、インジウムすず酸化物、窒化チタニウム、酸化珪素、窒化シリコンのうちのいずれかからなる下地の上に、Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を、ガラス、又はプラスティック等の樹脂成形の基板上に直接形成して配線パターン、電極又は接点を形成することを特徴とする金属材料の加工方法。
- Cuを主成分とし、Moを0.1〜3.0wt%含有し、Al、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする電子光学部品。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Moを0.1〜3.0wt%含有した合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする電子光学部品。
- Cuを主成分とした電子部品用金属材料であって、Cr、Ta、W、Tiからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有し、更にAl、Au、Ag、Ti、Ni、Co、Siからなる群から選ばれた1又は複数の元素を合計で0.1〜3.0wt%含有してなる合金からなる金属膜を反射膜、電極又は配線材料として用いたことを特徴とする電子光学部品。
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