JP2004087587A - 窒化物半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒化物系半導体とのショットキー接合においてバリア高さが大きく、かつ窒化物半導体との密着性に優れた電極を有する窒化物半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物半導体上に形成された半導体装置の製造方法であって、窒化物半導体3の上に電極10を形成する工程を備え、電極を形成する工程が、窒化物半導体の上に第1の元素を含む第1の物質を積層する工程と、第1の物質の層の上に第1の元素よりも仕事関数の大きい第2の元素7aを含む第2の物質を積層する工程と、第2の元素を、窒化物半導体と第1の物質との界面付近に、熱処理によって拡散させる工程とを含む。
【選択図】 図4
【解決手段】窒化物半導体上に形成された半導体装置の製造方法であって、窒化物半導体3の上に電極10を形成する工程を備え、電極を形成する工程が、窒化物半導体の上に第1の元素を含む第1の物質を積層する工程と、第1の物質の層の上に第1の元素よりも仕事関数の大きい第2の元素7aを含む第2の物質を積層する工程と、第2の元素を、窒化物半導体と第1の物質との界面付近に、熱処理によって拡散させる工程とを含む。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体装置およびその製造方法に関し、より具体的には、密着性に優れ、かつゲート電極/窒化物半導体間のバリア高さを高めた窒化物半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
HEMT(High Electron Mobility Transistor)等に代表される窒化物半導体電界効果型トランジスタは、ショットキー接合のゲート電極にNi/Au層を用いる場合が多い。たとえば、高温での高周波電力用素子への使用が有望視されているGaN系トランジスタにおいて、ゲート電極にNi/Au膜を使用することが開示されている(V.Kumar et al.: Abstracts of 2001 International Electron Devices Meeting)。ここで開示されているGaN系トランジスタは、図11に示す構成を有している。
【0003】
サファイア基板101上に、厚み1000nmのノンドープト、エピタキシャルGaN層102が位置し、その上にシリコンがドープされた厚み20nmのn型エピタキシャルAl0.2Ga0.8N層103が配置されている。GaN層102およびn型Al0.2Ga0.8N層103には、GaN層の中に到達する、素子分離の機能を果たす段差が付けられている。n型Al0.2Ga0.8N層103の上には、それにオーミック接触するソース、ドレイン電極105が位置している。また、ソース電極とドレイン電極との間には、n型Al0.2Ga0.8N層103とショットキー接触するNi層106とAu層107とから成る2層膜のゲート電極110が設けられている。
【0004】
上記のようなNi/Auの2層膜からなるゲート電極110をHEMTに用いることにより、直流特性および高周波特性ともに優れたHEMTを提供することができる。
【0005】
図11に示すGaN系HEMTの製造方法は次の通りである。まず、図12を参照して、サファイア基板101上に、厚み1000nmの真性半導体GaN102をエピタキシャル成長する。次に、その真性半導体GaN102の上に、シリコンをドープした厚み20nmのn型Al0.2Ga0.8N膜103をエピタキシャル成長する。次いで、反応性イオンエッチングにより、n型Al0.2Ga0.8N膜103および真性半導体GaN膜102をエッチングして、真性半導体GaN膜の中途に達するように、メサ分離領域104を設ける。
【0006】
次に、図13に示すように、n型Al0.2Ga0.8N膜103の上に、Ti/Al/Ti/Auを順次積層し、パターニングした後、熱処理して、オーミック接触のソース/ドレイン電極105を形成する。
【0007】
次いで、Ni/Auの2層膜を順次積層し、パターニングして、ショットキー接触のゲート電極を得る(図11参照)。
【0008】
上記のようにして、電界効果形トランジスタの1種であるHEMTが形成される。上述のように、Ni/Au2層膜を用いたHEMTは、直流特性と高周波特性の両方に優れるので、一般的に広く用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、Ni/Au2層膜のゲート電極と、窒化物半導体との間のショットキーバリア高さはそれほど高くない。このため、ゲート電極からドレイン電極に流れ込むリーク電流は大きなものとなる。ゲート電極からドレイン電極に流れ込むリーク電流が大きいと、素子の高電圧動作化および低消費電力化に問題があり、さらに高周波動作時にノイズが増大する。
【0010】
上記の問題の解決策として、たとえば、Niよりも仕事関数が大きく、かつ窒化物半導体とのショットキー接触におけるバリア高さの大きいPtなどを用いることが考えられる。しかし、Ptの使用によりリーク電流が減少することが示されているものの、形成されたゲート電極は剥離しやすく、実用上問題がある。
【0011】
本発明は、窒化物系半導体とのショットキー接合においてバリア高さが大きく、かつ窒化物半導体との密着性に優れた電極を有する窒化物半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒化物半導体装置の製造方法は、窒化物半導体上に形成された半導体装置の製造方法である。この製造方法は、窒化物半導体の上に電極を形成する工程を備え、電極を形成する工程が、窒化物半導体の上に第1の元素を含む第1の物質を積層する工程と、第1の物質の層の上に第1の元素よりも仕事関数の大きい第2の元素を含む第2の物質を積層する工程と、第2の元素を、窒化物半導体と第1の物質との界面付近に、熱処理によって拡散させる工程とを含む。
【0013】
この方法により、第1の物質に窒化物半導体と密着性のよいものを用いれば、良好な密着性を得た上で、電極において、バリア高さの高いショットキー接触を得ることができる。また、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。ここで、第1の物質は、第1の元素からなるものでもよい。
【0014】
なお、固体中の電子は固体内に束縛されており、この電子を表面を通して真空へ取り出すために必要な最小のエネルギーを仕事関数という。それは、固体のフェルミ準位と真空準位との差で与えられる。仕事関数については面依存性が観測されているが、ここでは、面方位依存性までは考慮せず、たとえば面方位について平均した巨視的な仕事関数をいう。
【0015】
本発明の窒化物半導体装置は、電極を有する半導体装置である。その電極が接する窒化物半導体と、電極の下層を構成し、窒化物半導体にショットキー接触し、第1の元素を主成分とする電極下層と、電極下層の上に接して位置し、第1の元素よりも仕事関数が大きい第2の元素を主成分とする電極上層とを備える。そして、電極下層と窒化物半導体との界面に、第2の元素が、拡散により電極上層から電極下層を経て到達している。
【0016】
この構成により、電極下層を窒化物半導体と密着性によい元素によって構成し、第1の元素より仕事関数が大きい元素を第2の元素とすることにより、ショットキー接触におけるバリア高さを大きくできる。この結果、逆方向リーク電流を抑制し、逆方向降伏電圧を増大させることができる。ある元素を主成分とする電極とは、そのある元素以外に、それと異なる元素が製造工程中の熱履歴を受けて、電極中に拡散して侵入し分布していてもよいことを表す。なお、電極上層の上に配線層などが形成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1−ショットキーダイオード−)
図1は、本発明の実施の形態1における窒化物半導体装置のショットキーダイオードを示す図である。図1において、サファイア基板1の上に接して、エピタキシャル層のn型Al1−xGaxN層3が位置している。xは、0≦x≦1の範囲の任意の値とする。n型Al1−xGaxN層3の上には、n型Al1−xGaxN層3とショットキー接触するゲート電極6,7が形成されている。
【0019】
ショットキー電極10は、2層膜から構成され、上述のようにn型Al1−xGaxN層3とショットキー接触するショットキー電極下層6と、その上に接して位置するショットキー接触するショットキー電極上層7とから構成される。ただし、ショットキー電極下層6とn型Al1−xGaxN層3との界面付近には、熱処理によって拡散したショットキー電極上層7に含まれる第2の元素が拡散して分布している。また、上記の熱処理によって、ショットキー電極上層とショットキー電極下層との間の界面付近のゲート電極上層側には、ショットキー電極下層6に含まれる第1の元素が拡散してきている。これは、第1の元素および第2の元素について、濃度勾配がつき、それが拡散の駆動力となるためである。第1の元素および第2の元素が、実質的にどの範囲まで分布するかは、熱処理温度、熱処理時間、拡散種の種類などに依存する。
【0020】
また、n型Al1−xGaxN層3上に形成されたオーミック電極8には、たとえばTi/Alの積層構造が用いられている。
【0021】
上記のショットキーダイオードの製造方法は次のとおりである。まず、図2を参照して、サファイア基板1の上にn型Al1−xGaxN層3をエピタキシャル成長させ、次いで、その上にオーミック接触する電極8を形成する。オーミック電極8は、たとえばTi/Alの積層膜を、写真製版、真空蒸着およびリフトオフ法などによりパターニングし、次いで熱処理を施すことによってオーミック接触が実現するように形成する。この電極には、順方向に電圧を印加する場合にはプラス電位を、また逆方向に電圧を印加する場合にはマイナス電位を印加する。
【0022】
次いで、写真製版、真空蒸着およびリフトオフ法などを用いてショットキー電極を形成する(図3参照)。n型Al1−xGaxN層3の上に接する第1の層(下層)6は、Ni、Si、Al、MgおよびZnのうちの少なくとも1つを含む物質から形成される。第1の層の膜厚は1nm以上40nm以下の範囲で堆積することが望ましい。堆積方法は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いることができる。Ni、Si、Al、MgおよびZnは、固体材料の形態において、GaNなど窒化物半導体と密着性のよい材料であり、窒化物半導体と剥離などを生じないよう、良好な密着性を得ることができる。
【0023】
また、第1の層(下層)の上に接する第2の層(上層)は、上記Ni、Si、Al、MgおよびZnより仕事関数が大きいPt、Pd、IrおよびAuのうちの少なくとも1つを含む物質から形成される。第2の層の上に接して、Au層などからなる第3の層(配線層)が配置されていてもよい。上記Ni、Si、Al、MgおよびZnより仕事関数が大きいPt、Pd、IrおよびAuを、上層に配置し、この後、熱処理にて(窒化物半導体/電極下層)界面付近に分布させることにより、電極において、バリア高さの高いショットキー接触を得ることができる。また、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。これらの元素は半導体装置の製造に通常用いられるものであり、容易に入手することができる。
【0024】
次いで、窒素などの不活性ガス雰囲気中で300℃以上550℃以下の熱処理を1分間から30分間施す。一般的に、熱処理により、半導体とその上に接する金属との密着性が向上する。さらに、熱処理により、第2の層(上層)を形成する物質中の元素を第1の層(下層)に固相拡散させ、さらに窒化物半導体と下層との界面にまで到達させることができる(図4)。300℃未満では、第2の元素を上記界面付近に十分な量を拡散させることができない。一方、550℃を超えると、オーミック接触のソース、ドレイン電極におけるコンタクト抵抗率の増大などの悪影響を受け始める。
【0025】
上記の方法を用いることにより、ショットキー電極と窒化物半導体との密着性に優れ、電極において、バリア高さの高いショットキーダイオードを得ることができる。また、このショットキーダイオードにおいて、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。
【0026】
(実施例)
図1に示すように、サファイア基板上に形成したn型Al1−xGaxN層にショットキーダイオードを試作した。本発明例として、第1の層(下層)に膜厚10nmのNi層を形成し、また第2の層としてPt層を配置し、第3の層にAu層を形成し、次いで熱処理を施したダイオード(素子1)を試作した。また、比較例として、第1の層に膜厚50nmのNi層を形成し、第2の層にAu層を配置し、次いで熱処理を施したダイオード(素子2)を製作した。これらの素子1および素子2の特性は、バリア高さに及ぼす熱処理温度(アニール温度)の影響という形で、図5に示されている。
【0027】
図5によれば、400℃〜500℃の温度域の熱処理(アニール処理)により、素子1(黒丸)におけるバリア高さが上昇している。したがって、Niよりも仕事関数の大きいPtが、下層とn型Al1−xGaxN層との界面にまで到達していると考えられる。一方、素子2(白丸)では、下層のNiの厚みが厚いので、400℃〜500℃の温度域の熱処理では、Niよりも仕事関数の大きいAuが下層とn型Al1−xGaxN層との界面にまで到達していない。さらに熱処理温度を上げると、ショットキー電極と窒化物半導体との固相反応によってショットキー特性は劣化してしまう。
【0028】
図6は、本発明例である素子1における熱処理前後の電圧−電流密度特性を示す図である。図6によれば、熱処理により、順方向バイアス時(プラス電圧域)の電流の立ち上がりがより急峻になり、ダイオードの性能指数の一つであるn値が向上しており、密着性が改善されている。さらに、低電界での電流が小さく、バリア高さが大きくなっているので、逆方向リーク電流も減少している。
【0029】
本実施の形態によれば、窒化物半導体の上に形成されたショットキーダイオードは、ショットキー電極下層を密着性のよい金属で形成し、かつ仕事関数の高い元素を分布させることにより、密着性とバリア高さ、逆方向リーク電流とに優れた特性を得ることができる。また、ここでは示さなかったが、逆方向降伏電圧を向上させることができる。
【0030】
(実施の形態2−HEMT−)
図7は、本発明の実施の形態2におけるHEMTを示す図である。図7において、サファイア基板1の上にエピタキシャル層のGaN層2が位置し、さらにその上に、エピタキシャル層のn型Al1−xGaxN層3が位置している。n型Al1−xGaxN層3およびGaN層2には、素子分離帯12が形成され、素子間を分離している。n型Al1−xGaxN層3の上には、ソース、ドレイン電極5が配置され、ソース電極とドレイン電極との間のn型Al1−xGaxN層3の上にゲート電極10が配置されている。ゲート電極10は、n型Al1−xGaxN層3に接する第1の層(下層)6と、その上に接して位置する第2の層(上層)7と、その上に接して位置する第3の層(配線層)9とから構成される。
【0031】
特徴的なことは、n型Al1−xGaxN層3と第1の層(下層)との界面に、第2の層(上層)7の物質に含まれる元素7aが分布していることである。これは、後述する熱処理によって上層の物質中の元素7aが拡散して、上記界面に到達したものである。上層中の元素が熱処理によって上記界面付近に到達するためには、下層の厚みは、窒化物半導体との密着性を確保した上で、充分薄くなければならない。上記界面付近に分布する元素7aは、下層を形成する物質に含まれる元素よりも仕事関数が高い元素である。下層を形成する物質に含まれる元素は、もともと窒化物半導体と密着性のよいものを選んでおり、さらに元素7aにより、バリア高さを向上させ、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。
【0032】
次に、上記HEMTの製造方法について説明する。まず、サファイア基板1の上に接してGaN層2をエピタキシャル成長させる(図8参照)。次いで、GaN層2の上にn型Al1−xGaxN層3をエピタキシャル成長させる。n型Al1−xGaxN層3の上に、たとえばTi/Alの積層膜を堆積し、写真製版と、真空蒸着と、リフトオフ法などによりパターニングし、ソース、ドレイン電極5を形成する。この後、これらソース、ドレイン電極5をオーミック接触させるために、熱処理を施す(図8)。
【0033】
この後、写真製版によりパターニングを施した後、たとえば窒素、水素、ヘリウム、リン、亜鉛の少なくとも一つを注入し、素子分離領域12を形成する(図9)。このような注入による素子分離だけでなく、メサ構造による素子分離領域を形成してもよい。メサ構造による素子分離領域は、反応性イオンエッチングにより、n型Al1−xGaxN膜3および真性半導体GaN膜2をエッチングして、真性半導体GaN膜の中途に達するように、メサ分離領域(図示せず)を設ける。
【0034】
次に、写真製版、真空蒸着、リフトオフ法などを用いて、ゲート電極10を形成する(図10)。ゲート電極10は、たとえば窒化物半導体に接する第1の層(下層)6として、Ni,Si,Al,Mg,Znのいずれかを用い、第2の層(上層)7として、これら元素よりも仕事関数が大きいPt、Pd、Ir、Auのいずれかを用いる。第3の層である配線層には、Auなどを用いる。第1の層の膜厚としては、1nm以上40nm以下の範囲とするのがよい。堆積方法は、真空蒸着法、スパッタ法およびCVD法を用いるのがよい。ゲート電極10を形成する各層を堆積した後、たとえば窒素や不活性ガス雰囲気中で、300℃以上550℃以下の熱処理を1分間から30分間の範囲内で施す。一般的に、熱処理により、半導体とその上に接する金属との密着性が向上する。さらに、熱処理により、第2の層(上層)を形成する物質中の仕事関数の高い元素を第1の層(下層)に固相拡散させ、さらに窒化物半導体と下層との界面にまで到達させることができる。
【0035】
一方、注入分離により素子分離領域を形成した素子では、上記範囲の熱処理により、素子分離領域の抵抗率が上昇し、素子間リーク電流の減少や、分離耐圧の向上を得ることができる。このため、注入分離によって形成された素子分離領域を備えたHEMTは、ショットキー接触のゲート電極における電気特性の向上と、素子分離領域における電気特性の向上との両方をともに確保することができる。上記範囲の熱処理によれば、通常600℃以上の熱処理によって形成されるオーミック接触のソース、ドレイン電極におけるコンタクト抵抗率の増大などの悪影響を避けることができる。
【0036】
上記の熱処理の後、公知の配線工程、表面保護膜形成工程、めっき工程、裏面研削工程、裏面貫通孔形成工程、裏面配線工程などを経て、HEMTを製造する。
【0037】
上記方法で製造されたHEMTは、ゲート電極におけるリーク電流の減少、ゲート耐圧(オフ耐圧)の向上を得ることができる。また、上述したように、注入分離により素子分離領域を形成したHEMTでは、素子分離領域における電気特性をさらに改善することができる。
【0038】
(実施の形態に対する付言)
(1) 上記実施の形態には、本窒化物半導体装置として、ショットキーダイオードおよびHEMTを例示したが、これら以外に、上記のショットキー電極を有する窒化物半導体装置、および上記の製造方法が適用される装置はすべて含まれる。
【0039】
(2) 上記実施の形態に示したように、第1の物質はこれらの元素のうち1つからなるものでもよい。または、2つ以上からなるものでもよい。また、これら元素を含む物質でもよい。第2の元素を含む第2の物質についても同様である。
【0040】
(3) 第1の物質の厚みを1nm〜40nmの範囲に積層するのは、次の理由による。厚みが1nm未満では電極と窒化物半導体との良好な密着性を得ることができず、また厚みが40nmを超えると、第2の元素が適当な熱処理条件により電極下層と窒化物半導体との界面に到達できないからである。適当な熱処理条件とは、たとえば、ソース、ドレイン電極(オーミック電極)におけるコンタクト抵抗率を増加させる600℃以上の熱処理条件を避けた熱処理をさす。なお、熱処理における温度は、雰囲気温度をさす。
【0041】
(4) Pt、Pd、IrおよびAuの少なくとも1つを含んだ物質は、上記実施の形態に示したように、これらの元素の1種からなるものでもよい。または、2種以上からなる物質でもよいし、これらの元素の1種または2種以上を含む物質でもよい。
【0042】
(5) 上記実施の形態における半導体装置において、電極下層と窒化物半導体との界面に、第2の元素が、拡散により電極上層から電極下層を通って到達している。この拡散の際に、電極下層では、電極上層から窒化物半導体に向って第2の元素の濃度が低くなる勾配がつくことになる。また、図1、図4および図7では省略されているが、第1の元素も、当然、ある程度、電極上層側に拡散して侵入している。
【0043】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるショットキーダイオードを説明する図である。
【図2】図1のショットキーダイオードの製造においてオーミック電極を形成した状態を示す図である。
【図3】パターニングによりショットキー電極を形成した状態を示す図である。
【図4】熱処理(アニール)により、第2の元素を、窒化物半導体と第1の層との界面に到達させた状態を示す図である。
【図5】熱処理(アニール)温度とバリア高さとの関係を示す図である。
【図6】電圧−電流密度特性を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるHEMTを示す断面図である。
【図8】図7のHEMTの製造において、ソース、ドレイン電極を形成した状態を示す図である。
【図9】注入法により素子分離領域を形成した状態を示す図である。
【図10】ゲート電極を形成した状態を示す図である。
【図11】従来のHEMTを示す図である。
【図12】図11のHEMTの製造において、窒化物半導体層を形成し、メサ分離領域を形成した状態を示す図である。
【図13】その後、ソース、ドレイン電極を形成した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 サファイア基板、2 GaN層、3 n型Al1−xGaxN層、5 ソースドレイン電極、6 電極下層、7 電極上層、7a 電極上層に含まれる元素、8 ショットキーダイオードのオーミック電極、9 配線層、10 ゲート電極、12 素子分離領域、101 サファイア基板、102 GaN層、103 Al0.2Ga0.8N層、104 メサ分離領域、105 ソース、ドレイン電極、106 Ni層、107 Au層、110 ゲート電極。
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体装置およびその製造方法に関し、より具体的には、密着性に優れ、かつゲート電極/窒化物半導体間のバリア高さを高めた窒化物半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
HEMT(High Electron Mobility Transistor)等に代表される窒化物半導体電界効果型トランジスタは、ショットキー接合のゲート電極にNi/Au層を用いる場合が多い。たとえば、高温での高周波電力用素子への使用が有望視されているGaN系トランジスタにおいて、ゲート電極にNi/Au膜を使用することが開示されている(V.Kumar et al.: Abstracts of 2001 International Electron Devices Meeting)。ここで開示されているGaN系トランジスタは、図11に示す構成を有している。
【0003】
サファイア基板101上に、厚み1000nmのノンドープト、エピタキシャルGaN層102が位置し、その上にシリコンがドープされた厚み20nmのn型エピタキシャルAl0.2Ga0.8N層103が配置されている。GaN層102およびn型Al0.2Ga0.8N層103には、GaN層の中に到達する、素子分離の機能を果たす段差が付けられている。n型Al0.2Ga0.8N層103の上には、それにオーミック接触するソース、ドレイン電極105が位置している。また、ソース電極とドレイン電極との間には、n型Al0.2Ga0.8N層103とショットキー接触するNi層106とAu層107とから成る2層膜のゲート電極110が設けられている。
【0004】
上記のようなNi/Auの2層膜からなるゲート電極110をHEMTに用いることにより、直流特性および高周波特性ともに優れたHEMTを提供することができる。
【0005】
図11に示すGaN系HEMTの製造方法は次の通りである。まず、図12を参照して、サファイア基板101上に、厚み1000nmの真性半導体GaN102をエピタキシャル成長する。次に、その真性半導体GaN102の上に、シリコンをドープした厚み20nmのn型Al0.2Ga0.8N膜103をエピタキシャル成長する。次いで、反応性イオンエッチングにより、n型Al0.2Ga0.8N膜103および真性半導体GaN膜102をエッチングして、真性半導体GaN膜の中途に達するように、メサ分離領域104を設ける。
【0006】
次に、図13に示すように、n型Al0.2Ga0.8N膜103の上に、Ti/Al/Ti/Auを順次積層し、パターニングした後、熱処理して、オーミック接触のソース/ドレイン電極105を形成する。
【0007】
次いで、Ni/Auの2層膜を順次積層し、パターニングして、ショットキー接触のゲート電極を得る(図11参照)。
【0008】
上記のようにして、電界効果形トランジスタの1種であるHEMTが形成される。上述のように、Ni/Au2層膜を用いたHEMTは、直流特性と高周波特性の両方に優れるので、一般的に広く用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、Ni/Au2層膜のゲート電極と、窒化物半導体との間のショットキーバリア高さはそれほど高くない。このため、ゲート電極からドレイン電極に流れ込むリーク電流は大きなものとなる。ゲート電極からドレイン電極に流れ込むリーク電流が大きいと、素子の高電圧動作化および低消費電力化に問題があり、さらに高周波動作時にノイズが増大する。
【0010】
上記の問題の解決策として、たとえば、Niよりも仕事関数が大きく、かつ窒化物半導体とのショットキー接触におけるバリア高さの大きいPtなどを用いることが考えられる。しかし、Ptの使用によりリーク電流が減少することが示されているものの、形成されたゲート電極は剥離しやすく、実用上問題がある。
【0011】
本発明は、窒化物系半導体とのショットキー接合においてバリア高さが大きく、かつ窒化物半導体との密着性に優れた電極を有する窒化物半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒化物半導体装置の製造方法は、窒化物半導体上に形成された半導体装置の製造方法である。この製造方法は、窒化物半導体の上に電極を形成する工程を備え、電極を形成する工程が、窒化物半導体の上に第1の元素を含む第1の物質を積層する工程と、第1の物質の層の上に第1の元素よりも仕事関数の大きい第2の元素を含む第2の物質を積層する工程と、第2の元素を、窒化物半導体と第1の物質との界面付近に、熱処理によって拡散させる工程とを含む。
【0013】
この方法により、第1の物質に窒化物半導体と密着性のよいものを用いれば、良好な密着性を得た上で、電極において、バリア高さの高いショットキー接触を得ることができる。また、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。ここで、第1の物質は、第1の元素からなるものでもよい。
【0014】
なお、固体中の電子は固体内に束縛されており、この電子を表面を通して真空へ取り出すために必要な最小のエネルギーを仕事関数という。それは、固体のフェルミ準位と真空準位との差で与えられる。仕事関数については面依存性が観測されているが、ここでは、面方位依存性までは考慮せず、たとえば面方位について平均した巨視的な仕事関数をいう。
【0015】
本発明の窒化物半導体装置は、電極を有する半導体装置である。その電極が接する窒化物半導体と、電極の下層を構成し、窒化物半導体にショットキー接触し、第1の元素を主成分とする電極下層と、電極下層の上に接して位置し、第1の元素よりも仕事関数が大きい第2の元素を主成分とする電極上層とを備える。そして、電極下層と窒化物半導体との界面に、第2の元素が、拡散により電極上層から電極下層を経て到達している。
【0016】
この構成により、電極下層を窒化物半導体と密着性によい元素によって構成し、第1の元素より仕事関数が大きい元素を第2の元素とすることにより、ショットキー接触におけるバリア高さを大きくできる。この結果、逆方向リーク電流を抑制し、逆方向降伏電圧を増大させることができる。ある元素を主成分とする電極とは、そのある元素以外に、それと異なる元素が製造工程中の熱履歴を受けて、電極中に拡散して侵入し分布していてもよいことを表す。なお、電極上層の上に配線層などが形成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1−ショットキーダイオード−)
図1は、本発明の実施の形態1における窒化物半導体装置のショットキーダイオードを示す図である。図1において、サファイア基板1の上に接して、エピタキシャル層のn型Al1−xGaxN層3が位置している。xは、0≦x≦1の範囲の任意の値とする。n型Al1−xGaxN層3の上には、n型Al1−xGaxN層3とショットキー接触するゲート電極6,7が形成されている。
【0019】
ショットキー電極10は、2層膜から構成され、上述のようにn型Al1−xGaxN層3とショットキー接触するショットキー電極下層6と、その上に接して位置するショットキー接触するショットキー電極上層7とから構成される。ただし、ショットキー電極下層6とn型Al1−xGaxN層3との界面付近には、熱処理によって拡散したショットキー電極上層7に含まれる第2の元素が拡散して分布している。また、上記の熱処理によって、ショットキー電極上層とショットキー電極下層との間の界面付近のゲート電極上層側には、ショットキー電極下層6に含まれる第1の元素が拡散してきている。これは、第1の元素および第2の元素について、濃度勾配がつき、それが拡散の駆動力となるためである。第1の元素および第2の元素が、実質的にどの範囲まで分布するかは、熱処理温度、熱処理時間、拡散種の種類などに依存する。
【0020】
また、n型Al1−xGaxN層3上に形成されたオーミック電極8には、たとえばTi/Alの積層構造が用いられている。
【0021】
上記のショットキーダイオードの製造方法は次のとおりである。まず、図2を参照して、サファイア基板1の上にn型Al1−xGaxN層3をエピタキシャル成長させ、次いで、その上にオーミック接触する電極8を形成する。オーミック電極8は、たとえばTi/Alの積層膜を、写真製版、真空蒸着およびリフトオフ法などによりパターニングし、次いで熱処理を施すことによってオーミック接触が実現するように形成する。この電極には、順方向に電圧を印加する場合にはプラス電位を、また逆方向に電圧を印加する場合にはマイナス電位を印加する。
【0022】
次いで、写真製版、真空蒸着およびリフトオフ法などを用いてショットキー電極を形成する(図3参照)。n型Al1−xGaxN層3の上に接する第1の層(下層)6は、Ni、Si、Al、MgおよびZnのうちの少なくとも1つを含む物質から形成される。第1の層の膜厚は1nm以上40nm以下の範囲で堆積することが望ましい。堆積方法は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いることができる。Ni、Si、Al、MgおよびZnは、固体材料の形態において、GaNなど窒化物半導体と密着性のよい材料であり、窒化物半導体と剥離などを生じないよう、良好な密着性を得ることができる。
【0023】
また、第1の層(下層)の上に接する第2の層(上層)は、上記Ni、Si、Al、MgおよびZnより仕事関数が大きいPt、Pd、IrおよびAuのうちの少なくとも1つを含む物質から形成される。第2の層の上に接して、Au層などからなる第3の層(配線層)が配置されていてもよい。上記Ni、Si、Al、MgおよびZnより仕事関数が大きいPt、Pd、IrおよびAuを、上層に配置し、この後、熱処理にて(窒化物半導体/電極下層)界面付近に分布させることにより、電極において、バリア高さの高いショットキー接触を得ることができる。また、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。これらの元素は半導体装置の製造に通常用いられるものであり、容易に入手することができる。
【0024】
次いで、窒素などの不活性ガス雰囲気中で300℃以上550℃以下の熱処理を1分間から30分間施す。一般的に、熱処理により、半導体とその上に接する金属との密着性が向上する。さらに、熱処理により、第2の層(上層)を形成する物質中の元素を第1の層(下層)に固相拡散させ、さらに窒化物半導体と下層との界面にまで到達させることができる(図4)。300℃未満では、第2の元素を上記界面付近に十分な量を拡散させることができない。一方、550℃を超えると、オーミック接触のソース、ドレイン電極におけるコンタクト抵抗率の増大などの悪影響を受け始める。
【0025】
上記の方法を用いることにより、ショットキー電極と窒化物半導体との密着性に優れ、電極において、バリア高さの高いショットキーダイオードを得ることができる。また、このショットキーダイオードにおいて、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。
【0026】
(実施例)
図1に示すように、サファイア基板上に形成したn型Al1−xGaxN層にショットキーダイオードを試作した。本発明例として、第1の層(下層)に膜厚10nmのNi層を形成し、また第2の層としてPt層を配置し、第3の層にAu層を形成し、次いで熱処理を施したダイオード(素子1)を試作した。また、比較例として、第1の層に膜厚50nmのNi層を形成し、第2の層にAu層を配置し、次いで熱処理を施したダイオード(素子2)を製作した。これらの素子1および素子2の特性は、バリア高さに及ぼす熱処理温度(アニール温度)の影響という形で、図5に示されている。
【0027】
図5によれば、400℃〜500℃の温度域の熱処理(アニール処理)により、素子1(黒丸)におけるバリア高さが上昇している。したがって、Niよりも仕事関数の大きいPtが、下層とn型Al1−xGaxN層との界面にまで到達していると考えられる。一方、素子2(白丸)では、下層のNiの厚みが厚いので、400℃〜500℃の温度域の熱処理では、Niよりも仕事関数の大きいAuが下層とn型Al1−xGaxN層との界面にまで到達していない。さらに熱処理温度を上げると、ショットキー電極と窒化物半導体との固相反応によってショットキー特性は劣化してしまう。
【0028】
図6は、本発明例である素子1における熱処理前後の電圧−電流密度特性を示す図である。図6によれば、熱処理により、順方向バイアス時(プラス電圧域)の電流の立ち上がりがより急峻になり、ダイオードの性能指数の一つであるn値が向上しており、密着性が改善されている。さらに、低電界での電流が小さく、バリア高さが大きくなっているので、逆方向リーク電流も減少している。
【0029】
本実施の形態によれば、窒化物半導体の上に形成されたショットキーダイオードは、ショットキー電極下層を密着性のよい金属で形成し、かつ仕事関数の高い元素を分布させることにより、密着性とバリア高さ、逆方向リーク電流とに優れた特性を得ることができる。また、ここでは示さなかったが、逆方向降伏電圧を向上させることができる。
【0030】
(実施の形態2−HEMT−)
図7は、本発明の実施の形態2におけるHEMTを示す図である。図7において、サファイア基板1の上にエピタキシャル層のGaN層2が位置し、さらにその上に、エピタキシャル層のn型Al1−xGaxN層3が位置している。n型Al1−xGaxN層3およびGaN層2には、素子分離帯12が形成され、素子間を分離している。n型Al1−xGaxN層3の上には、ソース、ドレイン電極5が配置され、ソース電極とドレイン電極との間のn型Al1−xGaxN層3の上にゲート電極10が配置されている。ゲート電極10は、n型Al1−xGaxN層3に接する第1の層(下層)6と、その上に接して位置する第2の層(上層)7と、その上に接して位置する第3の層(配線層)9とから構成される。
【0031】
特徴的なことは、n型Al1−xGaxN層3と第1の層(下層)との界面に、第2の層(上層)7の物質に含まれる元素7aが分布していることである。これは、後述する熱処理によって上層の物質中の元素7aが拡散して、上記界面に到達したものである。上層中の元素が熱処理によって上記界面付近に到達するためには、下層の厚みは、窒化物半導体との密着性を確保した上で、充分薄くなければならない。上記界面付近に分布する元素7aは、下層を形成する物質に含まれる元素よりも仕事関数が高い元素である。下層を形成する物質に含まれる元素は、もともと窒化物半導体と密着性のよいものを選んでおり、さらに元素7aにより、バリア高さを向上させ、逆方向リーク電流を減少させ、逆方向降伏電圧を増大させることができる。
【0032】
次に、上記HEMTの製造方法について説明する。まず、サファイア基板1の上に接してGaN層2をエピタキシャル成長させる(図8参照)。次いで、GaN層2の上にn型Al1−xGaxN層3をエピタキシャル成長させる。n型Al1−xGaxN層3の上に、たとえばTi/Alの積層膜を堆積し、写真製版と、真空蒸着と、リフトオフ法などによりパターニングし、ソース、ドレイン電極5を形成する。この後、これらソース、ドレイン電極5をオーミック接触させるために、熱処理を施す(図8)。
【0033】
この後、写真製版によりパターニングを施した後、たとえば窒素、水素、ヘリウム、リン、亜鉛の少なくとも一つを注入し、素子分離領域12を形成する(図9)。このような注入による素子分離だけでなく、メサ構造による素子分離領域を形成してもよい。メサ構造による素子分離領域は、反応性イオンエッチングにより、n型Al1−xGaxN膜3および真性半導体GaN膜2をエッチングして、真性半導体GaN膜の中途に達するように、メサ分離領域(図示せず)を設ける。
【0034】
次に、写真製版、真空蒸着、リフトオフ法などを用いて、ゲート電極10を形成する(図10)。ゲート電極10は、たとえば窒化物半導体に接する第1の層(下層)6として、Ni,Si,Al,Mg,Znのいずれかを用い、第2の層(上層)7として、これら元素よりも仕事関数が大きいPt、Pd、Ir、Auのいずれかを用いる。第3の層である配線層には、Auなどを用いる。第1の層の膜厚としては、1nm以上40nm以下の範囲とするのがよい。堆積方法は、真空蒸着法、スパッタ法およびCVD法を用いるのがよい。ゲート電極10を形成する各層を堆積した後、たとえば窒素や不活性ガス雰囲気中で、300℃以上550℃以下の熱処理を1分間から30分間の範囲内で施す。一般的に、熱処理により、半導体とその上に接する金属との密着性が向上する。さらに、熱処理により、第2の層(上層)を形成する物質中の仕事関数の高い元素を第1の層(下層)に固相拡散させ、さらに窒化物半導体と下層との界面にまで到達させることができる。
【0035】
一方、注入分離により素子分離領域を形成した素子では、上記範囲の熱処理により、素子分離領域の抵抗率が上昇し、素子間リーク電流の減少や、分離耐圧の向上を得ることができる。このため、注入分離によって形成された素子分離領域を備えたHEMTは、ショットキー接触のゲート電極における電気特性の向上と、素子分離領域における電気特性の向上との両方をともに確保することができる。上記範囲の熱処理によれば、通常600℃以上の熱処理によって形成されるオーミック接触のソース、ドレイン電極におけるコンタクト抵抗率の増大などの悪影響を避けることができる。
【0036】
上記の熱処理の後、公知の配線工程、表面保護膜形成工程、めっき工程、裏面研削工程、裏面貫通孔形成工程、裏面配線工程などを経て、HEMTを製造する。
【0037】
上記方法で製造されたHEMTは、ゲート電極におけるリーク電流の減少、ゲート耐圧(オフ耐圧)の向上を得ることができる。また、上述したように、注入分離により素子分離領域を形成したHEMTでは、素子分離領域における電気特性をさらに改善することができる。
【0038】
(実施の形態に対する付言)
(1) 上記実施の形態には、本窒化物半導体装置として、ショットキーダイオードおよびHEMTを例示したが、これら以外に、上記のショットキー電極を有する窒化物半導体装置、および上記の製造方法が適用される装置はすべて含まれる。
【0039】
(2) 上記実施の形態に示したように、第1の物質はこれらの元素のうち1つからなるものでもよい。または、2つ以上からなるものでもよい。また、これら元素を含む物質でもよい。第2の元素を含む第2の物質についても同様である。
【0040】
(3) 第1の物質の厚みを1nm〜40nmの範囲に積層するのは、次の理由による。厚みが1nm未満では電極と窒化物半導体との良好な密着性を得ることができず、また厚みが40nmを超えると、第2の元素が適当な熱処理条件により電極下層と窒化物半導体との界面に到達できないからである。適当な熱処理条件とは、たとえば、ソース、ドレイン電極(オーミック電極)におけるコンタクト抵抗率を増加させる600℃以上の熱処理条件を避けた熱処理をさす。なお、熱処理における温度は、雰囲気温度をさす。
【0041】
(4) Pt、Pd、IrおよびAuの少なくとも1つを含んだ物質は、上記実施の形態に示したように、これらの元素の1種からなるものでもよい。または、2種以上からなる物質でもよいし、これらの元素の1種または2種以上を含む物質でもよい。
【0042】
(5) 上記実施の形態における半導体装置において、電極下層と窒化物半導体との界面に、第2の元素が、拡散により電極上層から電極下層を通って到達している。この拡散の際に、電極下層では、電極上層から窒化物半導体に向って第2の元素の濃度が低くなる勾配がつくことになる。また、図1、図4および図7では省略されているが、第1の元素も、当然、ある程度、電極上層側に拡散して侵入している。
【0043】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるショットキーダイオードを説明する図である。
【図2】図1のショットキーダイオードの製造においてオーミック電極を形成した状態を示す図である。
【図3】パターニングによりショットキー電極を形成した状態を示す図である。
【図4】熱処理(アニール)により、第2の元素を、窒化物半導体と第1の層との界面に到達させた状態を示す図である。
【図5】熱処理(アニール)温度とバリア高さとの関係を示す図である。
【図6】電圧−電流密度特性を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるHEMTを示す断面図である。
【図8】図7のHEMTの製造において、ソース、ドレイン電極を形成した状態を示す図である。
【図9】注入法により素子分離領域を形成した状態を示す図である。
【図10】ゲート電極を形成した状態を示す図である。
【図11】従来のHEMTを示す図である。
【図12】図11のHEMTの製造において、窒化物半導体層を形成し、メサ分離領域を形成した状態を示す図である。
【図13】その後、ソース、ドレイン電極を形成した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 サファイア基板、2 GaN層、3 n型Al1−xGaxN層、5 ソースドレイン電極、6 電極下層、7 電極上層、7a 電極上層に含まれる元素、8 ショットキーダイオードのオーミック電極、9 配線層、10 ゲート電極、12 素子分離領域、101 サファイア基板、102 GaN層、103 Al0.2Ga0.8N層、104 メサ分離領域、105 ソース、ドレイン電極、106 Ni層、107 Au層、110 ゲート電極。
Claims (15)
- 窒化物半導体上に形成された半導体装置の製造方法であって、
前記窒化物半導体の上に電極を形成する工程を備え、
前記電極を形成する工程が、
前記窒化物半導体の上に第1の元素を含む第1の物質を積層する工程と、
前記第1の物質の層の上に前記第1の元素よりも仕事関数の大きい第2の元素を含む第2の物質を積層する工程と、
前記第2の元素を、前記窒化物半導体と前記第1の物質との界面付近に、熱処理によって拡散させる工程とを含む、窒化物半導体装置の製造方法。 - 前記第1の物質を積層する工程では、Ni、Si、Al、Mg、およびZnの少なくとも1つを含んだ物質を積層する、請求項1に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記第1の物質を積層する工程では、第1の物質の厚みを1nm〜40nmの範囲に積層する、請求項1または2に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記熱処理工程では、前記熱処理工程における雰囲気温度を300℃〜550℃の範囲に加熱する、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記第2の物質を積層する工程では、Pt、Pd、IrおよびAuの少なくとも1つを含んだ物質を積層する、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記半導体装置がショットキーダイオードであり、前記電極は、前記窒化物半導体の上に接して形成されるショットキー電極である、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記半導体装置がHEMT(High Electron Mobility Transistor)であり、前記電極は、前記窒化物半導体の上に接して形成されるショットキー接触のゲート電極である、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 前記HEMTの素子間を分離する素子分離領域を注入法により形成した後、熱処理を施す、請求項7に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
- 電極を有する半導体装置であって、
前記電極が接する窒化物半導体と、
前記電極の下層を構成し、前記窒化物半導体にショットキー接触し、第1の元素を主成分とする電極下層と、
前記電極下層の上に接して位置し、前記第1の元素よりも仕事関数が大きい第2の元素を主成分とする電極上層とを備え、
前記電極下層と前記窒化物半導体との界面に、前記第2の元素が、拡散により前記電極上層から前記電極下層を経て到達している、窒化物半導体装置。 - 前記第1の元素が、Ni、Si、Al、Mg、およびZnの少なくとも1つである、請求項9に記載の窒化物半導体装置。
- 前記電極下層の厚みが1nm〜40nmの範囲にある、請求項9または10のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
- 前記第2の元素が、Pt、Pd、IrおよびAuの少なくとも1つである、請求項9〜11のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
- 前記窒化物半導体装置がショットキーダイオードであり、そのショットキー電極が、前記電極下層と、前記電極上層とを備える、請求項9〜12のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
- 前記窒化物半導体装置が、HEMT(High Electron Mobility Transistor)であり、そのゲート電極が前記電極下層と、前記電極上層とを備える、請求項9〜12のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
- 前記HEMTの素子間を分離する素子分離領域が注入法により形成され、熱処理を施されたものである、請求項14に記載の窒化物半導体装置。
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