JP2004071007A - ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 - Google Patents
ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004071007A JP2004071007A JP2002226300A JP2002226300A JP2004071007A JP 2004071007 A JP2004071007 A JP 2004071007A JP 2002226300 A JP2002226300 A JP 2002226300A JP 2002226300 A JP2002226300 A JP 2002226300A JP 2004071007 A JP2004071007 A JP 2004071007A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- head
- disk
- phase shift
- amount
- eccentricity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 35
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims abstract description 65
- 230000010363 phase shift Effects 0.000 claims description 237
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 claims description 65
- 230000035939 shock Effects 0.000 claims description 20
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 16
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 15
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 7
- 230000004913 activation Effects 0.000 description 2
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- 241000287462 Phalacrocorax carbo Species 0.000 description 1
- 238000004590 computer program Methods 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B21/00—Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
- G11B21/02—Driving or moving of heads
- G11B21/08—Track changing or selecting during transducing operation
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/48—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
- G11B5/54—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head into or out of its operative position or across tracks
- G11B5/55—Track change, selection or acquisition by displacement of the head
- G11B5/5521—Track change, selection or acquisition by displacement of the head across disk tracks
- G11B5/5526—Control therefor; circuits, track configurations or relative disposition of servo-information transducers and servo-information tracks for control thereof
- G11B5/553—Details
- G11B5/5547—"Seek" control and circuits therefor
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B21/00—Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
- G11B21/02—Driving or moving of heads
- G11B21/10—Track finding or aligning by moving the head ; Provisions for maintaining alignment of the head relative to the track during transducing operation, i.e. track following
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/48—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
- G11B5/58—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
- G11B5/596—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
- G11B5/59627—Aligning for runout, eccentricity or offset compensation
Landscapes
- Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
- Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
Abstract
【課題】シークタイムを速くすることができるとともに、ヘッドの位置決めを安定させることのできるディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】ディスクの同心円により分割された複数の領域毎に、それぞれ対応する重み係数を予め記憶し、セトリング動作時に、予め記憶されている重み係数を用いて偏心制御量を計算するようにする。また、所定の量より大きな衝撃が加えられた場合には、重み係数の計算を中止するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】ディスクの同心円により分割された複数の領域毎に、それぞれ対応する重み係数を予め記憶し、セトリング動作時に、予め記憶されている重み係数を用いて偏心制御量を計算するようにする。また、所定の量より大きな衝撃が加えられた場合には、重み係数の計算を中止するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体に関し、特に、偏心したディスクの目標トラックにヘッドを追従させるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスク装置は、偏心したディスクの目標トラックにヘッドで記録再生するために、偏心により回転中心からの距離が絶えず変化する目標トラックにヘッドを追従させなければならない。以下に、HDD(Hard Disk Drive)を例に説明する。
【0003】
図8は、従来のHDDのブロック図である。
図8に示されるように、従来のHDDは、磁気ディスク815に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号806を出力する磁気ヘッド819と、磁気ヘッド制御量信号809に基づいて磁気ヘッド819を動作させるアクチュエータ機構部810と、磁気ヘッド819が読み取るサーボ情報番号の変化と磁気ディスク815の偏心量の変化との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号812を出力する位相学習器801と、磁気ディスク815の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器801が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号813を出力する正弦波発生器802と、正弦波信号に重み係数を乗算して偏心制御量を計算するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、偏心制御量信号804を出力する偏心制御量計算器803と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して、磁気ディスク815の偏心を補償し磁気ヘッド819を目標トラックに追従させるための磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号809を出力する位置決め制御器808と、装置外部から入力される目標位置信号805からヘッド位置信号806を減算し、減算結果である位置誤差信号807を出力する減算器820と、偏心制御量計算器803の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ811とから構成されている。
【0004】
そして、磁気ヘッド819のシーク動作を行なう際には、学習スイッチ811をOFFにすることで、偏心制御量計算器803は、偏心量の学習と重み係数の更新とを一旦中止し、シーク動作からセトリング動作に移行した後、中止する直前に計算された重み係数を用いて偏心制御量の計算を行ない、磁気ヘッド819が所定の位置決め範囲に入ったときに、学習スイッチ811をONにして偏心量の学習と重み係数の更新とを再開することにより、セトリング時の制御性能の悪化を防いでいる。
【0005】
また、外部から加わった衝撃等により意図せず磁気ヘッド819が動かされて、磁気ヘッド819の位置決め誤差が所定の値を超えた場合には、学習スイッチ811をOFFにすることで、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止し、磁気ヘッド819が所定の位置決め範囲に入った時に、学習スイッチ811をONして偏心量の学習と重み係数の更新とを再開することにより、制御性能の悪化を防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来のディスク装置は、シーク動作を行なう際には、偏心制御量の計算、偏心量の学習、及び重み係数の更新を一旦中止し、シーク動作からセトリング動作に移行した後に、中止する直前に計算された重み係数を用いて偏心制御量の計算を行ない、磁気ヘッドが所定の位置決め範囲に入ったときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを再開するが、重み係数の値は、磁気ヘッドを位置決めする目標トラックによって異なるので、重み係数の収束に時間がかかり、シークタイムが遅くなることがあるという問題があった。
【0007】
また、外部から衝撃等が加わっても、磁気ヘッドの位置決め誤差が所定の値を超えるまで偏心量の学習と重み係数の更新とを行なっているため、偏心制御量が正しく計算されない場合が生じ、制御性能の悪化が起こることがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シークタイムを速くすることができるとともに、ヘッドの位置決めを安定させることのできるディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、前記偏心制御量計算手段は、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、前記偏心制御量初期学習手段は、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記重み係数に代えて、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式を予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスク面に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取る、各ディスク面に対応して設けられたヘッドを複数備え、前記偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ヘッドが読み取るディスク面毎の、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、ヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスクの、各ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドを複数備え、偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出する第1の減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、セトリング動作時及びトラッキング動作時に、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段と、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出する参照速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度を算出するヘッド速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出する第2の減算手段と、シーク動作時に、前記第2の減算手段により算出されたヘッドの速度誤差と、前記偏心制御量計算手段により、前記偏心制御量初期学習手段に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて計算された偏心制御量と、を用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出する位置誤差変化量算出手段と、前記位置誤差変化量算出手段が算出した変化量が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項7に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、該ディスク装置に外部から加わる衝撃を電圧で出力する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が出力した電圧が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項8に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項9に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項10に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項11に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項12に記載のディスクの偏心制御方法は、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項13に記載のディスクの偏心制御方法は、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止することを特徴とするものである。
【0022】
本発明の請求項14に記載のディスクの偏心制御方法は、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の請求項15に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0024】
本発明の請求項16に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の請求項17に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0026】
本発明の請求項18に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0027】
本発明の請求項19に記載の記録媒体は、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0028】
本発明の請求項20に記載の記録媒体は、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0029】
本発明の請求項21に記載の記録媒体は、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、どのようなディスク装置にも適用可能であるが、ここではHDD(Hard Disk Drive)を例として説明を行なう。
実施の形態1.
図2(a)は、HDDにおける磁気ヘッドの位置誤差の、サーボ情報の数に対する変化を示す波形図であり、横軸がサーボ情報の数、縦軸が磁気ヘッドの位置誤差を表わし、図2(b)は、サーボ情報番号のサーボ情報の数に対する変化を示す波形図であり、横軸がサーボ情報の数、縦軸がサーボ情報番号を表わす。また、図3(a)は、同心円のトラックT0〜Tnとサーボ情報領域S0〜SNとを有する磁気ディスクのトラック及びサーボ情報の配置を示す平面図であり、図3(b)は、トラックT0〜Tnとサーボ情報領域S0〜SNとを示す磁気ディスクの部分拡大図である。以後の説明では、トラックT0〜Tnをトラック番号T0〜Tnと記したり、サーボ情報領域S0〜SNをサーボ情報番号S0〜SNと記したりして、同じ符号を両方の意味に用いる。磁気ヘッドが、偏心して回転する磁気ディスク上の所定位置にあるとき、磁気ヘッドの下を複数のトラックが横切る。
【0031】
図3(a)において、トラック番号T0、T1、T2、・・・Tnは、磁気ディスク15の多数の同心円のトラックにそれぞれ付与された番号である。トラック番号T0は、最外周のトラック番号であり、内周に向かって、トラック番号T1、T2、・・・Tnのように自然数の数字を付加して表されている。磁気ディスク15が偏心していると、磁気ディスク15上の一定の位置にある磁気ヘッドがトレースするトラックのトラック番号は一定の範囲で正弦波で変動する。正弦波の周期は磁気ディスクの回転周期に等しい。
【0032】
図3(a)に示されるように、磁気ディスク15の各トラックT0〜Tnには、(N+1)個のサーボ情報領域S0からSNが設けられており、そこにサーボ情報があらかじめ記録されている。Nは例えば数百である。同心円の各トラックに設けられたサーボ情報領域S0〜SNのサーボ情報に自然数0からNの番号を付与し、サーボ情報番号S0〜SNとする。また、図3(b)は、トラックT0〜T3とサーボ情報領域S0、S1,S2との関係を部分的に拡大して示している。セクターデータ領域16はユーザがデータ記録に使用することができる部分である。
【0033】
回転する磁気ディスク15上の所定位置にある磁気ヘッドが検出するサーボ情報番号S0〜SNは、図2(b)に示されるように、磁気ディスク15の1回転毎に0からNまで変化する。磁気ディスク15が連続して回転するとき、サーボ情報番号S0〜SNの変化を表わす信号は鋸歯状波になる。図2(a)に示される正弦波と図2(b)に示される鋸歯状波とは同じ周期を有する。正弦波と鋸歯状波との位相差を「位相ずれ量Φ」という。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態1によるHDDのブロック図である。
図1に示されるように、本実施の形態1によるHDDは、磁気ディスク115に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号106を出力する磁気ヘッド119と、磁気ヘッド制御量信号109に基づいて磁気ヘッド119を動作させるアクチュエータ機構部110と、磁気ヘッド119が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク115の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号112を出力する位相学習器101と、磁気ディスク115の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器101が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号113を出力する正弦波発生器102と、偏心同期正弦波信号113に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号104を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号121を出力する偏心制御量計算器103と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号109を出力する位置決め制御器108と、外部から入力される目標位置信号105からヘッド位置信号106を減算し、減算結果である位置誤差信号107を出力する減算器120と、偏心制御量計算器103の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ111と、磁気ディスク115の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号112及び重み係数信号121を格納する偏心制御量初期学習器114とから構成されている。
【0035】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、アクチュエータ機構部110は、まず、磁気ヘッド119を磁気ディスク115上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0036】
磁気ヘッド119は、磁気ディスク115上の磁気ヘッド119の位置を、磁気ヘッド119が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号106を出力する。
減算器120は、ヘッド位置信号106を、外部から入力される目標位置信号105から減算し、減算結果である位置誤差信号107を出力し、起動時に閉になっている学習スイッチ111を介して、位相学習器101と偏心制御量計算器103とに印加する。この位置誤差信号107は、磁気ディスク115に偏心が存在する場合には正弦波状に変化する。
【0037】
位相学習器101は、位置誤差信号107の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号112を出力し、正弦波発生器102と偏心制御量初期学習器114とに印加する。
偏心制御量初期学習器114は、磁気ヘッド119が位置決めを行なっている磁気ディスク115における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号112を格納する。
正弦波発生器102は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号113を出力し、偏心制御量計算器103に印加する。
【0038】
偏心制御量計算器103は、偏心同期正弦波信号113に対し、式(1)に示されるように所定の重み係数Aを乗算して、偏心制御量urを算出する。
ur = A×sin(2πf×(k−Φ)÷N) ・・・(1)
f:磁気ディスク回転周波数
k:サーボ情報番号
偏心制御量urを表わす偏心制御量信号104は、位置決め制御器108に印加される。
【0039】
偏心制御量計算器103は、位置誤差信号107と偏心同期正弦波信号113とを各サーボ情報番号毎に式(2)に示されるように積和演算し、積和演算値Iを求める。
I = Σ{Er×sin(2πf×(k−Φ)÷N)}・・・(2)
Er:位置誤差信号
積和演算値Iに所定の定数のゲインGを乗算し、磁気ディスク115の1回転毎に式(3)に示されるように重み係数Aを更新する。
A = A’−G×I ・・・(3)
A’:前回更新時の重み係数
重み係数Aを表わす重み係数信号121は、偏心制御量初期学習器114に印加される。
偏心制御量初期学習器114は、磁気ディスク115の、磁気ヘッド119が位置決めを行なっている面の最外周の領域における重み係数Aとして、重み係数信号121を格納する。
【0040】
位置決め制御器108は、位置誤差信号107に基づいて、磁気ヘッド119を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号107が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量信号104に加算することにより磁気ヘッド制御量信号109を算出する。この磁気ヘッド制御量信号109は、アクチュエータ機構部110に印加され、磁気ヘッド119の位置決め制御が行なわれる。
【0041】
その後、アクチュエータ機構部110は、磁気ヘッド119を磁気ディスク115上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド119の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク115上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0042】
また、磁気ヘッド119が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ111をオフにして重み係数Aの学習計算を中止し、シーク動作からセトリング動作に移行する時に、偏心制御量初期学習器114は、磁気ヘッド119を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号105に対応する重み係数Aと位相ずれ量Φとを読み出し、偏心情報118として偏心制御量計算器103に印加する。
【0043】
セトリング動作中、偏心制御量計算器103は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号104を出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ111をオンにして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0044】
このように本実施の形態1によるHDDは、位相学習手段が学習した位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、セトリング動作時に、偏心制御量計算器が、偏心制御量初期学習器に格納されている前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するようにしたので、磁気ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数Aの学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができる。
【0045】
なお、磁気ディスクの他面に情報を読み書きする際には、当該磁気ディスクにおける位相ずれ量と、各面の各領域に対応する重み係数Aを算出して偏心制御量初期学習器に格納し、これをセトリング偏心制御量の計算に用いるようにすれば、ヘッドスイッチタイムを速くすることができる。
また、磁気ディスクが複数ある場合でも、各磁気ディスクにおける位相ずれ量と、各磁気ディスクの各領域に対応する重み係数Aを算出して偏心制御量初期学習器に格納し、これをセトリング偏心制御量の計算に用いるようにすれば、ヘッドスイッチタイムを速くすることができる。
【0046】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2によるHDDのブロック図である。
図4に示されるように、本実施の形態2によるHDDは、磁気ディスク415に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号406を出力する磁気ヘッド419と、磁気ヘッド制御量信号409に基づいて磁気ヘッド419を動作させるアクチュエータ機構部410と、磁気ヘッド419が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク415の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号412を出力する位相学習器401と、磁気ディスク415の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器401が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号413を正弦波発生器402と、偏心同期正弦波信号413に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号404を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号421を出力する偏心制御量計算器403と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号409を出力する位置決め制御器408と、外部から入力される目標位置信号405からヘッド位置信号406を減算し、減算結果である位置誤差信号407を出力する減算器420と、偏心制御量計算器403の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ411と、磁気ディスク415の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号412及び重み係数信号421を格納するとともに、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求め、その傾きと切片とを格納する偏心制御量初期学習器414とから構成されている。
【0047】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、アクチュエータ機構部410は、まず、磁気ヘッド419を磁気ディスク415上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0048】
磁気ヘッド419は、磁気ディスク415上の磁気ヘッド419の位置を、磁気ヘッド419が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号406を出力する。
減算器420は、ヘッド位置信号406を、外部から入力される目標位置信号405から減算し、減算結果である位置誤差信号407を出力し、起動時に閉になっている学習スイッチ411を介して、位相学習器401と偏心制御量計算器403とに印加する。
【0049】
位相学習器401は、位相誤差信号407の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号412を出力し、正弦波発生器402と偏心制御量初期学習器414とに印加する。
偏心制御量初期学習器414は、磁気ヘッド419が位置決めを行なっている磁気ディスク415における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号412を格納する。
正弦波発生器402は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号413を出力し、偏心制御量計算器403に印加する。
【0050】
偏心制御量計算器403は、偏心同期正弦波信号413に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを算出し、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号404を出力し、位置決め制御器408に印加する。
偏心制御量計算器403は、位置誤差信号407と偏心同期正弦波信号413とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク415の1回転毎に、該積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
重み係数Aを表わす重み係数信号421は、偏心制御量初期学習器414に印加され、偏心制御量初期学習器414は重み係数信号421を格納する。
【0051】
位置決め制御器408は、位置誤差信号407に基づいて、磁気ヘッド419を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号407を小さくするための制御量を算出し、偏心制御量信号404に加算することにより磁気ヘッド制御量信号409を算出する。この磁気ヘッド制御量信号409はアクチュエータ機構部410に印加され、磁気ヘッド419の位置決め制御が行なわれる。
【0052】
その後、アクチュエータ機構部410は、磁気ヘッド419を磁気ディスク415上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド419の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク415上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0053】
偏心制御量初期学習器414は、各領域における所定の位置で計測し、格納した重み係数と、その1つ内側の領域における所定の位置で計測し、格納した重み係数と、を用いて各領域毎の重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求め、各領域毎にそれぞれ対応する1次式の傾きと切片を格納する。即ち、最外周領域における、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求める場合には、最外周の領域の所定の位置で計測し格納した重み係数と、最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置で計測し格納した重み係数とから、その傾きと切片を算出し、最外周領域における、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式として格納する。
【0054】
また、磁気ヘッド419が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ411をオフにして重み係数Aの学習計算を中止し、シーク動作からセトリング動作に移行する時には、偏心制御量初期学習器414は、磁気ヘッド419を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号405に対応する位相ずれ量Φを読み出すとともに、目標位置信号405に対応する、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式の傾きと切片を読み出し、目標位置信号405に対応する重み係数を算出し、偏心情報418として偏心制御量計算器403に印加する。
【0055】
セトリング動作中、偏心制御量計算器403は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号404を出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ411をオンして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0056】
このように本実施の形態2によるHDDは、位相学習手段が学習した位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、セトリング動作時に、偏心制御量計算器が、偏心制御量初期学習器に格納されている、位相ずれ量と前記近似式から算出される重み係数とを用いて偏心制御量を計算するようにしたので、磁気ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して、重み係数Aの学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができる。
【0057】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3によるHDDのブロック図である。
図5に示されるように、本発明の実施の形態3によるHDDは、磁気ディスク515に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号506を出力する磁気ヘッド519と、磁気ヘッド制御量信号509に基づいて磁気ヘッド519を動作させるアクチュエータ機構部510と、磁気ヘッド519が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク515の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号512を出力する位相学習器501と、磁気ディスク515の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器501が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号513を正弦波発生器502と、偏心同期正弦波信号513に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号504を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号521を出力する偏心制御量計算器503と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号509を出力する位置決め制御器508と、外部から入力される目標位置信号505からヘッド位置信号506を減算し、減算結果である位置誤差信号507及び残余距離信号529を出力する減算器520と、偏心制御量計算器503の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ511と、磁気ディスク515の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号512及び重み係数信号521を格納する偏心制御量初期学習器514と、アクチュエータ機構部510の出力に基づいて、磁気ヘッド519の実際の移動速度を算出するヘッド速度算出部528と、残余距離信号529に応じた目標速度信号524を出力する参照速度算出器523と、ヘッド速度算出部528の出力であるヘッド速度信号527を、目標速度信号524から減算し、速度誤差信号530を算出する減算器525と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号509を出力する速度制御器526と、トラッキング動作時及びセトリング動作時には、アクチュエータ機構部510に位置決め制御器508が出力する磁気ヘッド制御量信号509が入力され、シーク動作時には、速度制御器526が出力する磁気ヘッド制御量信号509が入力されるように、それぞれが連動してフィードバック制御系を切り替えるスイッチ5221,スイッチ5222,スイッチ5223,スイッチ5224,スイッチ5225とから構成されている。
【0058】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、スイッチ5221及びスイッチ5223がオフに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオンに、スイッチ5225が位置決め制御器508側に、それぞれ切り替えられ、アクチュエータ機構部510は、磁気ヘッド519を磁気ディスク515上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0059】
磁気ヘッド519は、磁気ディスク515上の磁気ヘッド519の位置を、磁気ヘッド519が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号506を出力する。
減算器520は、ヘッド位置信号506を、外部から入力される目標位置信号505から減算し、減算結果である位置誤差信号507及び残余距離信号529を出力する。位置誤差信号507は、起動時に閉になっている学習スイッチ511を介して、位相学習器501と偏心制御量計算器503とに印加される。
【0060】
位相学習器501は、位相誤差信号507の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号512を出力し、正弦波発生器502と偏心制御量初期学習器514とに印加する。
偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519が位置決めを行なっている磁気ディスク515における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号512を格納する。
【0061】
正弦波発生器502は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号513を出力し、偏心制御量計算器503に印加する。
偏心制御量計算器503は、偏心同期正弦波信号513に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号504を出力し、位置決め制御器508に印加する。
【0062】
偏心制御量計算器503は、位置誤差信号507と偏心同期正弦波信号513とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク515の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0063】
重み係数Aを表わす重み係数信号521は、偏心制御量初期学習器514に印加され、偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519が位置決めを行なっている磁気ディスク515の面の最外周の領域における重み係数Aとして、重み係数信号521を格納する。
【0064】
位置決め制御器508は、位置誤差信号507に基づいて、磁気ヘッド519を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号507が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量信号504に加算することにより磁気ヘッド制御量信号509を算出する。この磁気ヘッド制御量信号509はアクチュエータ機構部510に印加され、磁気ヘッド519の位置決め制御が行なわれる。
【0065】
その後、アクチュエータ機構部510は、磁気ヘッド519を磁気ディスク515上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド519の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク515上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0066】
また、磁気ヘッド519が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ511をオフにして重み係数Aの学習計算を中止する。このとき、スイッチ5221及びスイッチ5223がオンに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオフに、スイッチ5225が速度制御器526側に、それぞれ切り替えられる。
【0067】
シーク動作中には、減算器520から出力された残余距離信号529がシーク動作時に閉となっているスイッチ5223を介して、参照速度算出器523に印加される。参照速度算出器523は、残余距離信号529に応じた目標速度信号524を出力する。また、ヘッド速度算出部528は、アクチュエータ機構部510の出力に基づいて、磁気ヘッド519の移動速度を算出する。
減算器525は、ヘッド速度算出部528の出力であるヘッド速度信号527を、目標速度信号524から減算し、速度誤差信号530を算出する。
【0068】
一方で、偏心制御量初期学習器514は、シーク動作中に、磁気ヘッド519の磁気ディスク515上の位置を示すヘッド位置信号506に対応する重み係数Aと位相ずれ量Φとを読み出し、偏心情報518として偏心制御量計算器503に印加する。偏心制御量計算器503は、磁気ヘッド519の現在位置に対応した重み係数Aに位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算してシーク偏心制御量信号504bを出力する。
【0069】
速度制御器526は、速度誤差信号530に基づいて、磁気ヘッド519を所望の移動速度に追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、速度誤差信号530が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量計算器503から出力されるシーク偏心制御量信号504bに加算することで磁気ヘッド制御量信号509を算出する。磁気ヘッド制御量信号509はアクチュエータ機構部510に印加され、磁気ヘッド519の制御が行なわれる。
【0070】
シーク動作からセトリング動作に移行する時には、スイッチ5221及びスイッチ5223がオフに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオンに、スイッチ5225が位置決め制御器508側に、それぞれ切り替えられる。偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号505に対応する位相ずれ量Φと重み係数Aとを読み出し、偏心情報518として偏心制御量計算器503に印加する。
【0071】
セトリング動作中、偏心制御量計算器503は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号504aを出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ511をオンにして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0072】
このように本実施の形態3によるHDDは、シーク動作時に、減算器により算出されたヘッドの速度誤差と、偏心制御量計算器により偏心制御量初期学習器に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量及び重み係数を用いて計算された偏心制御量とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段を備えるようにしたので、正確な磁気ヘッドの位置を検出できるようになり、シーク動作を安定して行なうことができる。
【0073】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4によるHDDのブロック図である。
図6に示されるように、本発明の実施の形態4によるHDDは、磁気ディスク615に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号606を出力する磁気ヘッド619と、磁気ヘッド制御量信号609に基づいて磁気ヘッド619を動作させるアクチュエータ機構部610と、磁気ヘッド619が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク615の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号612を出力する位相学習器601と、磁気ディスク615の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器601が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号613を出力する正弦波発生器602と、偏心同期正弦波信号613に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号604を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新との行なう偏心制御量計算器603と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号609を出力する位置決め制御器608と、外部から入力される目標位置信号605からヘッド位置信号606を減算し、減算結果である位置誤差信号607を出力する減算器620と、偏心制御量計算器603の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ611と、位置誤差信号607に基づいて位置誤差信号の変化量を算出する偏心学習切り替え判定器631と、位置誤差信号607の変化量が所定の値を超えたとき、学習スイッチ611をオフにする位置誤差変化量算出器632とから構成されている。
【0074】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
位相学習器601は、位置誤差信号607の正弦波とサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを算出し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号612を出力し、正弦波発生器602に印加する。
位相ずれ量信号612が印加された正弦波発生器602は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号613を生成し、偏心制御量計算器603に印加する。
【0075】
偏心制御量計算器603は、印加された偏心同期正弦波613に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号604を出力し、位置決め制御器608に印加する。また、偏心制御量計算器603は、位置誤差信号607と偏心同期正弦波信号613とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク615の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0076】
位置決め制御器608は、位置誤差信号607に基づいて、磁気ヘッド619を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量を算出し、偏心制御量信号604に加算することにより磁気ヘッド制御量信号609を算出する。この磁気ヘッド制御量信号609はアクチュエータ機構部610に印加され、磁気ヘッド619の位置決めが行なわれる。
【0077】
位置誤差変化量算出器632は、位置誤差信号607に基づいて位置誤差信号の変化量を算出し、偏心学習切り替え判定器631に出力する。
偏心学習切り替え判定器631は、位置誤差変化量算出器632から出力された位置誤差信号の変化量が所定の値を超えたとき、学習スイッチ611をオフにして、重み係数Aの学習計算を中止させる。
【0078】
重み係数Aの学習計算中止中は、重み係数Aは更新されないので、偏心制御量計算器603は、学習スイッチ611をオフにする直前に求めた重み係数を用いて偏心制御量を計算する。
そして、偏心学習切り替え判定器631は、位置誤差信号607の変化量が所定の値以内に回復し、かつ位置誤差信号607が所定の範囲内になったときに、学習スイッチ611をオンにして、重み係数Aの学習計算を再開させる。
【0079】
このように本実施の形態4によるHDDは、位置誤差信号に基づいて位置誤差信号の変化量を算出する偏心学習切り替え判定器を備え、偏心学習切り替え判定器が算出した位置誤差信号の変化量が所定の値を超えたときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止するようにしたので、衝撃等により磁気ヘッドが動かされても、磁気ヘッドの位置決めを安定して行なうことができる。
【0080】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5によるHDDのブロック図である。
図7に示されるように、本実施の形態5によるHDDは、磁気ディスク715に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号706を出力する磁気ヘッド719と、磁気ヘッド制御量信号709に基づいて磁気ヘッド719を動作させるアクチュエータ機構部710と、磁気ヘッド719が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク715の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号712を出力する位相学習器701と、磁気ディスク715の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器701が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号713を出力する正弦波発生器702と、偏心同期正弦波信号713に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号704を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行なう偏心制御量計算器703と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号709を出力する位置決め制御器708と、外部から入力される目標位置信号705からヘッド位置信号706を減算し、減算結果である位置誤差信号707を出力する減算器720と、偏心制御量計算器703の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ711と、該HDDに印加される衝撃に応じた電圧を出力する偏心学習切り替え判定器731と、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値を超えたとき、学習スイッチ711をオフにする衝撃検出器733とから構成されている。
【0081】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
位相学習器701は、位置誤差信号707の正弦波とサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを算出し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号712を出力し、正弦波発生器702に印加する。
正弦波発生器702は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号613を生成し、偏心制御量計算器703に印加する。
【0082】
偏心制御量計算器703は、偏心同期正弦波713に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号704を出力し、位置決め制御器708に印加する。また、偏心制御量計算器703は、位置誤差信号707と偏心同期正弦波信号713とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク715の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0083】
位置決め制御器708は、位置誤差信号707に基づいて、磁気ヘッド719を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量を算出し、偏心制御量信号704に加算することにより磁気ヘッド制御量信号709を算出する。この磁気ヘッド制御量信号709はアクチュエータ機構部710に印加され、磁気ヘッド719の位置決めが行なわれる。
【0084】
衝撃検出器733は、該HDDに印加される衝撃に応じた電圧を偏心学習切り替え判定器731に出力する。
偏心学習切り替え判定器731は、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値を超えたとき、学習スイッチ711をオフにして、重み係数Aの学習計算を中止させる。
【0085】
重み係数Aの学習計算中止中は、重み係数Aは更新されないので、偏心制御量計算器703は、学習スイッチ711をオフにする直前に求めた重み係数を用いて偏心制御量を計算する。
偏心学習切り替え判定器731は、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値以内に回復し、かつ位置誤差信号707が所定の範囲内になったときに、学習スイッチ711をオンにして、重み係数Aの学習計算を再開させる。
【0086】
このように本実施の形態5によるHDDによれば、HDDに印加される衝撃に応じた電圧を出力する衝撃検出器を備え、衝撃検出器が出力する電圧が所定の値を超えたときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止するようにしたので、衝撃等により磁気ヘッドが動かされても、磁気ヘッドの位置決めを安定して行なうことができる。
【0087】
なお、上記実施の形態1ないし5では、重み係数を計算するのに、偏心同期正弦波を用いたが、余弦波を用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1ないし5で説明したディスクの偏心制御方法は、コンピュータ・プログラムによって実現することができるので、コンピュータによる制御が可能な記録媒体に本発明のディスクの偏心制御方法を記録することが可能である。ここで記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク、リムーバブル・ハードディスク、及びフラッシュメモリを含むデータ記録装置等である。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、前記偏心制御量計算手段は、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0089】
本発明の請求項2に係るディスク装置によれば、請求項1に記載のディスク装置において、前記偏心制御量初期学習手段は、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記重み係数に代えて、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式を予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0090】
本発明の請求項3に係るディスク装置によれば、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスク面に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取る、各ディスク面に対応して設けられたヘッドを複数備え、前記偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ヘッドが読み取るディスク面毎の、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、ヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0091】
本発明の請求項4に係るディスク装置よれば、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスクの、各ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドを複数備え、偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0092】
本発明の請求項5に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出する第1の減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、セトリング動作時及びトラッキング動作時に、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段と、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出する参照速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度を算出するヘッド速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出する第2の減算手段と、シーク動作時に、前記第2の減算手段により算出されたヘッドの速度誤差と、前記偏心制御量計算手段により、前記偏心制御量初期学習手段に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて計算された偏心制御量と、を用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段とを備えるものとしたので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0093】
本発明の請求項6に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出する位置誤差変化量算出手段と、前記位置誤差変化量算出手段が算出した変化量が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0094】
本発明の請求項7に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、該ディスク装置に外部から加わる衝撃を電圧で出力する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が出力した電圧が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0095】
本発明の請求項8に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0096】
本発明の請求項9に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0097】
本発明の請求項10に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0098】
本発明の請求項11に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0099】
本発明の請求項12に係るディスクの偏心制御方法によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0100】
本発明の請求項13に係るディスクの偏心制御方法によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0101】
本発明の請求項14に係るディスクの偏心制御方法によれば、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0102】
本発明の請求項15に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0103】
本発明の請求項16に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0104】
本発明の請求項17に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0105】
本発明の請求項18に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0106】
本発明の請求項19に係る記録媒体によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうプログラムを記録したので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0107】
本発明の請求項20に係る記録媒体によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0108】
本発明の請求項21に係る記録媒体によれば、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるHDDのブロック図である。
【図2】(a)HDDにおける磁気ヘッドの位置誤差の、サーボ情報の数に対する変化を示す波形図である。(b)サーボ情報番号のサーボ情報の数に対する変化を示す波形図である。
【図3】(a)磁気ディスクのトラック及びサーボ情報の配置を示す平面図である。(b)磁気ディスクの部分拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるHDDのブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3によるHDDのブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4によるHDDのブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態5によるHDDのブロック図である。
【図8】従来のHDDのブロック図である。
【符号の説明】
15 磁気ディスク
16 セクターデータ
101,401,501,601,701,801 位相学習器
102,402,502,602,702,802 正弦波発生器
103,403,503,603,703,803 偏心制御量計算器
104,404,504,604,704,804 偏心制御量信号
105,405,505,605,705,805 目標位置信号
106,406,506,606,706,806 ヘッド位置信号
107,407,507,607,707,807 位置誤差信号
108,408,508,608,708,808 位置決め制御器
109,409,509,609,709,809 磁気ヘッド制御量信号
110,410,510,610,710,810 アクチュエータ機構部
111,411,511,611,711,811 学習スイッチ
112,412,512,612,712,812 位相ずれ量信号
113,413,513,613,713,813 偏心同期正弦波信号
114,414,514 偏心制御量初期学習器
115,415,515,615,715,815 磁気ディスク
118,418,518 偏心情報
119,419,519,619,719,819 磁気ヘッド
120,420,520,620,720,820 減算器
121,421,521 重み係数信号
5221,5222,5223,5224,5225 スイッチ
523 参照速度算出器
524 目標速度信号
525 減算器
526 速度制御器
527 ヘッド速度信号
528 ヘッド速度算出部
529 残余距離信号
530 速度誤差信号
631,731 偏心学習切り替え判定器
632 位置誤差変化量算出器
733 衝撃検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体に関し、特に、偏心したディスクの目標トラックにヘッドを追従させるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスク装置は、偏心したディスクの目標トラックにヘッドで記録再生するために、偏心により回転中心からの距離が絶えず変化する目標トラックにヘッドを追従させなければならない。以下に、HDD(Hard Disk Drive)を例に説明する。
【0003】
図8は、従来のHDDのブロック図である。
図8に示されるように、従来のHDDは、磁気ディスク815に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号806を出力する磁気ヘッド819と、磁気ヘッド制御量信号809に基づいて磁気ヘッド819を動作させるアクチュエータ機構部810と、磁気ヘッド819が読み取るサーボ情報番号の変化と磁気ディスク815の偏心量の変化との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号812を出力する位相学習器801と、磁気ディスク815の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器801が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号813を出力する正弦波発生器802と、正弦波信号に重み係数を乗算して偏心制御量を計算するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、偏心制御量信号804を出力する偏心制御量計算器803と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して、磁気ディスク815の偏心を補償し磁気ヘッド819を目標トラックに追従させるための磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号809を出力する位置決め制御器808と、装置外部から入力される目標位置信号805からヘッド位置信号806を減算し、減算結果である位置誤差信号807を出力する減算器820と、偏心制御量計算器803の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ811とから構成されている。
【0004】
そして、磁気ヘッド819のシーク動作を行なう際には、学習スイッチ811をOFFにすることで、偏心制御量計算器803は、偏心量の学習と重み係数の更新とを一旦中止し、シーク動作からセトリング動作に移行した後、中止する直前に計算された重み係数を用いて偏心制御量の計算を行ない、磁気ヘッド819が所定の位置決め範囲に入ったときに、学習スイッチ811をONにして偏心量の学習と重み係数の更新とを再開することにより、セトリング時の制御性能の悪化を防いでいる。
【0005】
また、外部から加わった衝撃等により意図せず磁気ヘッド819が動かされて、磁気ヘッド819の位置決め誤差が所定の値を超えた場合には、学習スイッチ811をOFFにすることで、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止し、磁気ヘッド819が所定の位置決め範囲に入った時に、学習スイッチ811をONして偏心量の学習と重み係数の更新とを再開することにより、制御性能の悪化を防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来のディスク装置は、シーク動作を行なう際には、偏心制御量の計算、偏心量の学習、及び重み係数の更新を一旦中止し、シーク動作からセトリング動作に移行した後に、中止する直前に計算された重み係数を用いて偏心制御量の計算を行ない、磁気ヘッドが所定の位置決め範囲に入ったときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを再開するが、重み係数の値は、磁気ヘッドを位置決めする目標トラックによって異なるので、重み係数の収束に時間がかかり、シークタイムが遅くなることがあるという問題があった。
【0007】
また、外部から衝撃等が加わっても、磁気ヘッドの位置決め誤差が所定の値を超えるまで偏心量の学習と重み係数の更新とを行なっているため、偏心制御量が正しく計算されない場合が生じ、制御性能の悪化が起こることがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シークタイムを速くすることができるとともに、ヘッドの位置決めを安定させることのできるディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、前記偏心制御量計算手段は、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、前記偏心制御量初期学習手段は、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記重み係数に代えて、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式を予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスク面に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取る、各ディスク面に対応して設けられたヘッドを複数備え、前記偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ヘッドが読み取るディスク面毎の、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、ヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載のディスク装置は、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスクの、各ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドを複数備え、偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出する第1の減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、セトリング動作時及びトラッキング動作時に、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段と、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出する参照速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度を算出するヘッド速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出する第2の減算手段と、シーク動作時に、前記第2の減算手段により算出されたヘッドの速度誤差と、前記偏心制御量計算手段により、前記偏心制御量初期学習手段に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて計算された偏心制御量と、を用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出する位置誤差変化量算出手段と、前記位置誤差変化量算出手段が算出した変化量が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項7に記載のディスク装置は、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、該ディスク装置に外部から加わる衝撃を電圧で出力する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が出力した電圧が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項8に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項9に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項10に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項11に記載のディスクの偏心制御方法は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項12に記載のディスクの偏心制御方法は、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうことを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項13に記載のディスクの偏心制御方法は、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止することを特徴とするものである。
【0022】
本発明の請求項14に記載のディスクの偏心制御方法は、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の請求項15に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0024】
本発明の請求項16に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の請求項17に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0026】
本発明の請求項18に記載の記録媒体は、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0027】
本発明の請求項19に記載の記録媒体は、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0028】
本発明の請求項20に記載の記録媒体は、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0029】
本発明の請求項21に記載の記録媒体は、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、どのようなディスク装置にも適用可能であるが、ここではHDD(Hard Disk Drive)を例として説明を行なう。
実施の形態1.
図2(a)は、HDDにおける磁気ヘッドの位置誤差の、サーボ情報の数に対する変化を示す波形図であり、横軸がサーボ情報の数、縦軸が磁気ヘッドの位置誤差を表わし、図2(b)は、サーボ情報番号のサーボ情報の数に対する変化を示す波形図であり、横軸がサーボ情報の数、縦軸がサーボ情報番号を表わす。また、図3(a)は、同心円のトラックT0〜Tnとサーボ情報領域S0〜SNとを有する磁気ディスクのトラック及びサーボ情報の配置を示す平面図であり、図3(b)は、トラックT0〜Tnとサーボ情報領域S0〜SNとを示す磁気ディスクの部分拡大図である。以後の説明では、トラックT0〜Tnをトラック番号T0〜Tnと記したり、サーボ情報領域S0〜SNをサーボ情報番号S0〜SNと記したりして、同じ符号を両方の意味に用いる。磁気ヘッドが、偏心して回転する磁気ディスク上の所定位置にあるとき、磁気ヘッドの下を複数のトラックが横切る。
【0031】
図3(a)において、トラック番号T0、T1、T2、・・・Tnは、磁気ディスク15の多数の同心円のトラックにそれぞれ付与された番号である。トラック番号T0は、最外周のトラック番号であり、内周に向かって、トラック番号T1、T2、・・・Tnのように自然数の数字を付加して表されている。磁気ディスク15が偏心していると、磁気ディスク15上の一定の位置にある磁気ヘッドがトレースするトラックのトラック番号は一定の範囲で正弦波で変動する。正弦波の周期は磁気ディスクの回転周期に等しい。
【0032】
図3(a)に示されるように、磁気ディスク15の各トラックT0〜Tnには、(N+1)個のサーボ情報領域S0からSNが設けられており、そこにサーボ情報があらかじめ記録されている。Nは例えば数百である。同心円の各トラックに設けられたサーボ情報領域S0〜SNのサーボ情報に自然数0からNの番号を付与し、サーボ情報番号S0〜SNとする。また、図3(b)は、トラックT0〜T3とサーボ情報領域S0、S1,S2との関係を部分的に拡大して示している。セクターデータ領域16はユーザがデータ記録に使用することができる部分である。
【0033】
回転する磁気ディスク15上の所定位置にある磁気ヘッドが検出するサーボ情報番号S0〜SNは、図2(b)に示されるように、磁気ディスク15の1回転毎に0からNまで変化する。磁気ディスク15が連続して回転するとき、サーボ情報番号S0〜SNの変化を表わす信号は鋸歯状波になる。図2(a)に示される正弦波と図2(b)に示される鋸歯状波とは同じ周期を有する。正弦波と鋸歯状波との位相差を「位相ずれ量Φ」という。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態1によるHDDのブロック図である。
図1に示されるように、本実施の形態1によるHDDは、磁気ディスク115に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号106を出力する磁気ヘッド119と、磁気ヘッド制御量信号109に基づいて磁気ヘッド119を動作させるアクチュエータ機構部110と、磁気ヘッド119が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク115の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号112を出力する位相学習器101と、磁気ディスク115の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器101が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号113を出力する正弦波発生器102と、偏心同期正弦波信号113に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号104を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号121を出力する偏心制御量計算器103と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号109を出力する位置決め制御器108と、外部から入力される目標位置信号105からヘッド位置信号106を減算し、減算結果である位置誤差信号107を出力する減算器120と、偏心制御量計算器103の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ111と、磁気ディスク115の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号112及び重み係数信号121を格納する偏心制御量初期学習器114とから構成されている。
【0035】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、アクチュエータ機構部110は、まず、磁気ヘッド119を磁気ディスク115上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0036】
磁気ヘッド119は、磁気ディスク115上の磁気ヘッド119の位置を、磁気ヘッド119が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号106を出力する。
減算器120は、ヘッド位置信号106を、外部から入力される目標位置信号105から減算し、減算結果である位置誤差信号107を出力し、起動時に閉になっている学習スイッチ111を介して、位相学習器101と偏心制御量計算器103とに印加する。この位置誤差信号107は、磁気ディスク115に偏心が存在する場合には正弦波状に変化する。
【0037】
位相学習器101は、位置誤差信号107の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号112を出力し、正弦波発生器102と偏心制御量初期学習器114とに印加する。
偏心制御量初期学習器114は、磁気ヘッド119が位置決めを行なっている磁気ディスク115における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号112を格納する。
正弦波発生器102は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号113を出力し、偏心制御量計算器103に印加する。
【0038】
偏心制御量計算器103は、偏心同期正弦波信号113に対し、式(1)に示されるように所定の重み係数Aを乗算して、偏心制御量urを算出する。
ur = A×sin(2πf×(k−Φ)÷N) ・・・(1)
f:磁気ディスク回転周波数
k:サーボ情報番号
偏心制御量urを表わす偏心制御量信号104は、位置決め制御器108に印加される。
【0039】
偏心制御量計算器103は、位置誤差信号107と偏心同期正弦波信号113とを各サーボ情報番号毎に式(2)に示されるように積和演算し、積和演算値Iを求める。
I = Σ{Er×sin(2πf×(k−Φ)÷N)}・・・(2)
Er:位置誤差信号
積和演算値Iに所定の定数のゲインGを乗算し、磁気ディスク115の1回転毎に式(3)に示されるように重み係数Aを更新する。
A = A’−G×I ・・・(3)
A’:前回更新時の重み係数
重み係数Aを表わす重み係数信号121は、偏心制御量初期学習器114に印加される。
偏心制御量初期学習器114は、磁気ディスク115の、磁気ヘッド119が位置決めを行なっている面の最外周の領域における重み係数Aとして、重み係数信号121を格納する。
【0040】
位置決め制御器108は、位置誤差信号107に基づいて、磁気ヘッド119を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号107が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量信号104に加算することにより磁気ヘッド制御量信号109を算出する。この磁気ヘッド制御量信号109は、アクチュエータ機構部110に印加され、磁気ヘッド119の位置決め制御が行なわれる。
【0041】
その後、アクチュエータ機構部110は、磁気ヘッド119を磁気ディスク115上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド119の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク115上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0042】
また、磁気ヘッド119が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ111をオフにして重み係数Aの学習計算を中止し、シーク動作からセトリング動作に移行する時に、偏心制御量初期学習器114は、磁気ヘッド119を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号105に対応する重み係数Aと位相ずれ量Φとを読み出し、偏心情報118として偏心制御量計算器103に印加する。
【0043】
セトリング動作中、偏心制御量計算器103は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号104を出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ111をオンにして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0044】
このように本実施の形態1によるHDDは、位相学習手段が学習した位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、セトリング動作時に、偏心制御量計算器が、偏心制御量初期学習器に格納されている前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するようにしたので、磁気ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数Aの学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができる。
【0045】
なお、磁気ディスクの他面に情報を読み書きする際には、当該磁気ディスクにおける位相ずれ量と、各面の各領域に対応する重み係数Aを算出して偏心制御量初期学習器に格納し、これをセトリング偏心制御量の計算に用いるようにすれば、ヘッドスイッチタイムを速くすることができる。
また、磁気ディスクが複数ある場合でも、各磁気ディスクにおける位相ずれ量と、各磁気ディスクの各領域に対応する重み係数Aを算出して偏心制御量初期学習器に格納し、これをセトリング偏心制御量の計算に用いるようにすれば、ヘッドスイッチタイムを速くすることができる。
【0046】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2によるHDDのブロック図である。
図4に示されるように、本実施の形態2によるHDDは、磁気ディスク415に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号406を出力する磁気ヘッド419と、磁気ヘッド制御量信号409に基づいて磁気ヘッド419を動作させるアクチュエータ機構部410と、磁気ヘッド419が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク415の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号412を出力する位相学習器401と、磁気ディスク415の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器401が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号413を正弦波発生器402と、偏心同期正弦波信号413に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号404を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号421を出力する偏心制御量計算器403と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号409を出力する位置決め制御器408と、外部から入力される目標位置信号405からヘッド位置信号406を減算し、減算結果である位置誤差信号407を出力する減算器420と、偏心制御量計算器403の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ411と、磁気ディスク415の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号412及び重み係数信号421を格納するとともに、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求め、その傾きと切片とを格納する偏心制御量初期学習器414とから構成されている。
【0047】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、アクチュエータ機構部410は、まず、磁気ヘッド419を磁気ディスク415上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0048】
磁気ヘッド419は、磁気ディスク415上の磁気ヘッド419の位置を、磁気ヘッド419が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号406を出力する。
減算器420は、ヘッド位置信号406を、外部から入力される目標位置信号405から減算し、減算結果である位置誤差信号407を出力し、起動時に閉になっている学習スイッチ411を介して、位相学習器401と偏心制御量計算器403とに印加する。
【0049】
位相学習器401は、位相誤差信号407の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号412を出力し、正弦波発生器402と偏心制御量初期学習器414とに印加する。
偏心制御量初期学習器414は、磁気ヘッド419が位置決めを行なっている磁気ディスク415における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号412を格納する。
正弦波発生器402は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号413を出力し、偏心制御量計算器403に印加する。
【0050】
偏心制御量計算器403は、偏心同期正弦波信号413に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを算出し、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号404を出力し、位置決め制御器408に印加する。
偏心制御量計算器403は、位置誤差信号407と偏心同期正弦波信号413とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク415の1回転毎に、該積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
重み係数Aを表わす重み係数信号421は、偏心制御量初期学習器414に印加され、偏心制御量初期学習器414は重み係数信号421を格納する。
【0051】
位置決め制御器408は、位置誤差信号407に基づいて、磁気ヘッド419を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号407を小さくするための制御量を算出し、偏心制御量信号404に加算することにより磁気ヘッド制御量信号409を算出する。この磁気ヘッド制御量信号409はアクチュエータ機構部410に印加され、磁気ヘッド419の位置決め制御が行なわれる。
【0052】
その後、アクチュエータ機構部410は、磁気ヘッド419を磁気ディスク415上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド419の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク415上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0053】
偏心制御量初期学習器414は、各領域における所定の位置で計測し、格納した重み係数と、その1つ内側の領域における所定の位置で計測し、格納した重み係数と、を用いて各領域毎の重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求め、各領域毎にそれぞれ対応する1次式の傾きと切片を格納する。即ち、最外周領域における、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式を求める場合には、最外周の領域の所定の位置で計測し格納した重み係数と、最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置で計測し格納した重み係数とから、その傾きと切片を算出し、最外周領域における、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式として格納する。
【0054】
また、磁気ヘッド419が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ411をオフにして重み係数Aの学習計算を中止し、シーク動作からセトリング動作に移行する時には、偏心制御量初期学習器414は、磁気ヘッド419を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号405に対応する位相ずれ量Φを読み出すとともに、目標位置信号405に対応する、重み係数と位置決めを行なう位置との関係を表わす1次式の傾きと切片を読み出し、目標位置信号405に対応する重み係数を算出し、偏心情報418として偏心制御量計算器403に印加する。
【0055】
セトリング動作中、偏心制御量計算器403は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号404を出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ411をオンして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0056】
このように本実施の形態2によるHDDは、位相学習手段が学習した位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、セトリング動作時に、偏心制御量計算器が、偏心制御量初期学習器に格納されている、位相ずれ量と前記近似式から算出される重み係数とを用いて偏心制御量を計算するようにしたので、磁気ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して、重み係数Aの学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができる。
【0057】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3によるHDDのブロック図である。
図5に示されるように、本発明の実施の形態3によるHDDは、磁気ディスク515に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号506を出力する磁気ヘッド519と、磁気ヘッド制御量信号509に基づいて磁気ヘッド519を動作させるアクチュエータ機構部510と、磁気ヘッド519が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク515の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号512を出力する位相学習器501と、磁気ディスク515の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器501が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号513を正弦波発生器502と、偏心同期正弦波信号513に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号504を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行ない、重み係数信号521を出力する偏心制御量計算器503と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号509を出力する位置決め制御器508と、外部から入力される目標位置信号505からヘッド位置信号506を減算し、減算結果である位置誤差信号507及び残余距離信号529を出力する減算器520と、偏心制御量計算器503の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ511と、磁気ディスク515の同心円により分割された複数の領域の各領域毎に対応する位相ずれ量信号512及び重み係数信号521を格納する偏心制御量初期学習器514と、アクチュエータ機構部510の出力に基づいて、磁気ヘッド519の実際の移動速度を算出するヘッド速度算出部528と、残余距離信号529に応じた目標速度信号524を出力する参照速度算出器523と、ヘッド速度算出部528の出力であるヘッド速度信号527を、目標速度信号524から減算し、速度誤差信号530を算出する減算器525と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号509を出力する速度制御器526と、トラッキング動作時及びセトリング動作時には、アクチュエータ機構部510に位置決め制御器508が出力する磁気ヘッド制御量信号509が入力され、シーク動作時には、速度制御器526が出力する磁気ヘッド制御量信号509が入力されるように、それぞれが連動してフィードバック制御系を切り替えるスイッチ5221,スイッチ5222,スイッチ5223,スイッチ5224,スイッチ5225とから構成されている。
【0058】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
HDDの立ち上げ時に、スイッチ5221及びスイッチ5223がオフに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオンに、スイッチ5225が位置決め制御器508側に、それぞれ切り替えられ、アクチュエータ機構部510は、磁気ヘッド519を磁気ディスク515上の最外周の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めする。なお、ここで通常のフィードバック制御とは、トラッキング動作時及びセトリング動作時には磁気ヘッドを所望のトラックに追従させ、シーク動作時には磁気ヘッドを所望の移動速度に追従させる制御のことであり、ここではその詳細についての説明は省略する。
【0059】
磁気ヘッド519は、磁気ディスク515上の磁気ヘッド519の位置を、磁気ヘッド519が検出するトラック番号に基づいて検出し、ヘッド位置信号506を出力する。
減算器520は、ヘッド位置信号506を、外部から入力される目標位置信号505から減算し、減算結果である位置誤差信号507及び残余距離信号529を出力する。位置誤差信号507は、起動時に閉になっている学習スイッチ511を介して、位相学習器501と偏心制御量計算器503とに印加される。
【0060】
位相学習器501は、位相誤差信号507の正弦波とサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを計算し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号512を出力し、正弦波発生器502と偏心制御量初期学習器514とに印加する。
偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519が位置決めを行なっている磁気ディスク515における位相ずれ量Φとして位相ずれ量信号512を格納する。
【0061】
正弦波発生器502は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号513を出力し、偏心制御量計算器503に印加する。
偏心制御量計算器503は、偏心同期正弦波信号513に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号504を出力し、位置決め制御器508に印加する。
【0062】
偏心制御量計算器503は、位置誤差信号507と偏心同期正弦波信号513とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク515の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0063】
重み係数Aを表わす重み係数信号521は、偏心制御量初期学習器514に印加され、偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519が位置決めを行なっている磁気ディスク515の面の最外周の領域における重み係数Aとして、重み係数信号521を格納する。
【0064】
位置決め制御器508は、位置誤差信号507に基づいて、磁気ヘッド519を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、位置誤差信号507が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量信号504に加算することにより磁気ヘッド制御量信号509を算出する。この磁気ヘッド制御量信号509はアクチュエータ機構部510に印加され、磁気ヘッド519の位置決め制御が行なわれる。
【0065】
その後、アクチュエータ機構部510は、磁気ヘッド519を磁気ディスク515上の最外周の領域から1つ内側の領域の所定の位置に通常のフィードバック制御で位置決めし、上述の動作を同様に行ない、この領域における重み係数Aを算出し、格納する。そして、同様に、他の領域に対しても、磁気へッド519の位置決めから重み係数Aの算出、格納までの動作を行うことにより、磁気ディスク515上の各領域毎に対応する重み係数Aを算出、格納する。
【0066】
また、磁気ヘッド519が目標トラックにアクセスするシーク時には、学習スイッチ511をオフにして重み係数Aの学習計算を中止する。このとき、スイッチ5221及びスイッチ5223がオンに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオフに、スイッチ5225が速度制御器526側に、それぞれ切り替えられる。
【0067】
シーク動作中には、減算器520から出力された残余距離信号529がシーク動作時に閉となっているスイッチ5223を介して、参照速度算出器523に印加される。参照速度算出器523は、残余距離信号529に応じた目標速度信号524を出力する。また、ヘッド速度算出部528は、アクチュエータ機構部510の出力に基づいて、磁気ヘッド519の移動速度を算出する。
減算器525は、ヘッド速度算出部528の出力であるヘッド速度信号527を、目標速度信号524から減算し、速度誤差信号530を算出する。
【0068】
一方で、偏心制御量初期学習器514は、シーク動作中に、磁気ヘッド519の磁気ディスク515上の位置を示すヘッド位置信号506に対応する重み係数Aと位相ずれ量Φとを読み出し、偏心情報518として偏心制御量計算器503に印加する。偏心制御量計算器503は、磁気ヘッド519の現在位置に対応した重み係数Aに位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算してシーク偏心制御量信号504bを出力する。
【0069】
速度制御器526は、速度誤差信号530に基づいて、磁気ヘッド519を所望の移動速度に追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量、つまり、速度誤差信号530が小さくなるような制御量を算出し、偏心制御量計算器503から出力されるシーク偏心制御量信号504bに加算することで磁気ヘッド制御量信号509を算出する。磁気ヘッド制御量信号509はアクチュエータ機構部510に印加され、磁気ヘッド519の制御が行なわれる。
【0070】
シーク動作からセトリング動作に移行する時には、スイッチ5221及びスイッチ5223がオフに、スイッチ5222及びスイッチ5224がオンに、スイッチ5225が位置決め制御器508側に、それぞれ切り替えられる。偏心制御量初期学習器514は、磁気ヘッド519を位置決めしたい位置を表わす目標位置信号505に対応する位相ずれ量Φと重み係数Aとを読み出し、偏心情報518として偏心制御量計算器503に印加する。
【0071】
セトリング動作中、偏心制御量計算器503は、目標位置に対応した重み係数Aに、位相ずれ量Φに同期した正弦波を乗算して、セトリング偏心制御量信号504aを出力する。
そして、セトリング動作からトラッキング動作に移行する時に、学習スイッチ511をオンにして重み係数Aの学習計算を再開する。
【0072】
このように本実施の形態3によるHDDは、シーク動作時に、減算器により算出されたヘッドの速度誤差と、偏心制御量計算器により偏心制御量初期学習器に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量及び重み係数を用いて計算された偏心制御量とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段を備えるようにしたので、正確な磁気ヘッドの位置を検出できるようになり、シーク動作を安定して行なうことができる。
【0073】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4によるHDDのブロック図である。
図6に示されるように、本発明の実施の形態4によるHDDは、磁気ディスク615に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号606を出力する磁気ヘッド619と、磁気ヘッド制御量信号609に基づいて磁気ヘッド619を動作させるアクチュエータ機構部610と、磁気ヘッド619が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク615の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号612を出力する位相学習器601と、磁気ディスク615の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器601が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号613を出力する正弦波発生器602と、偏心同期正弦波信号613に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号604を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新との行なう偏心制御量計算器603と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号609を出力する位置決め制御器608と、外部から入力される目標位置信号605からヘッド位置信号606を減算し、減算結果である位置誤差信号607を出力する減算器620と、偏心制御量計算器603の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ611と、位置誤差信号607に基づいて位置誤差信号の変化量を算出する偏心学習切り替え判定器631と、位置誤差信号607の変化量が所定の値を超えたとき、学習スイッチ611をオフにする位置誤差変化量算出器632とから構成されている。
【0074】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
位相学習器601は、位置誤差信号607の正弦波とサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを算出し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号612を出力し、正弦波発生器602に印加する。
位相ずれ量信号612が印加された正弦波発生器602は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号613を生成し、偏心制御量計算器603に印加する。
【0075】
偏心制御量計算器603は、印加された偏心同期正弦波613に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号604を出力し、位置決め制御器608に印加する。また、偏心制御量計算器603は、位置誤差信号607と偏心同期正弦波信号613とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク615の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0076】
位置決め制御器608は、位置誤差信号607に基づいて、磁気ヘッド619を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量を算出し、偏心制御量信号604に加算することにより磁気ヘッド制御量信号609を算出する。この磁気ヘッド制御量信号609はアクチュエータ機構部610に印加され、磁気ヘッド619の位置決めが行なわれる。
【0077】
位置誤差変化量算出器632は、位置誤差信号607に基づいて位置誤差信号の変化量を算出し、偏心学習切り替え判定器631に出力する。
偏心学習切り替え判定器631は、位置誤差変化量算出器632から出力された位置誤差信号の変化量が所定の値を超えたとき、学習スイッチ611をオフにして、重み係数Aの学習計算を中止させる。
【0078】
重み係数Aの学習計算中止中は、重み係数Aは更新されないので、偏心制御量計算器603は、学習スイッチ611をオフにする直前に求めた重み係数を用いて偏心制御量を計算する。
そして、偏心学習切り替え判定器631は、位置誤差信号607の変化量が所定の値以内に回復し、かつ位置誤差信号607が所定の範囲内になったときに、学習スイッチ611をオンにして、重み係数Aの学習計算を再開させる。
【0079】
このように本実施の形態4によるHDDは、位置誤差信号に基づいて位置誤差信号の変化量を算出する偏心学習切り替え判定器を備え、偏心学習切り替え判定器が算出した位置誤差信号の変化量が所定の値を超えたときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止するようにしたので、衝撃等により磁気ヘッドが動かされても、磁気ヘッドの位置決めを安定して行なうことができる。
【0080】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5によるHDDのブロック図である。
図7に示されるように、本実施の形態5によるHDDは、磁気ディスク715に対し情報の記録や再生を行ない、ヘッド位置信号706を出力する磁気ヘッド719と、磁気ヘッド制御量信号709に基づいて磁気ヘッド719を動作させるアクチュエータ機構部710と、磁気ヘッド719が読み取るサーボ情報番号Sの変化を示す鋸歯状波と磁気ディスク715の偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習し、位相ずれ量信号712を出力する位相学習器701と、磁気ディスク715の回転周波数に同期した周波数で、位相学習器701が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波信号713を出力する正弦波発生器702と、偏心同期正弦波信号713に重み係数を乗算して偏心制御量を計算し、偏心制御量信号704を出力するとともに、偏心量の学習と重み係数の更新とを行なう偏心制御量計算器703と、偏心制御量と通常のフィードバック制御量とを加算して磁気ヘッド制御量を算出し、磁気ヘッド制御量信号709を出力する位置決め制御器708と、外部から入力される目標位置信号705からヘッド位置信号706を減算し、減算結果である位置誤差信号707を出力する減算器720と、偏心制御量計算器703の、偏心量の学習及び重み係数の更新を行なうか否かを切り替える学習スイッチ711と、該HDDに印加される衝撃に応じた電圧を出力する偏心学習切り替え判定器731と、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値を超えたとき、学習スイッチ711をオフにする衝撃検出器733とから構成されている。
【0081】
以下に、ディスクの偏心制御方法について説明する。
位相学習器701は、位置誤差信号707の正弦波とサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波との位相ずれ量Φを算出し、位相ずれ量Φを表わす位相ずれ量信号712を出力し、正弦波発生器702に印加する。
正弦波発生器702は、位相ずれ量Φに応じた位相で、偏心同期正弦波信号613を生成し、偏心制御量計算器703に印加する。
【0082】
偏心制御量計算器703は、偏心同期正弦波713に対し、重み係数Aを乗算して偏心制御量urを求め、偏心制御量urを表わす偏心制御量信号704を出力し、位置決め制御器708に印加する。また、偏心制御量計算器703は、位置誤差信号707と偏心同期正弦波信号713とを各サーボ情報番号毎に積和演算し、積和演算値Iを求める。そして、磁気ディスク715の1回転毎に積和演算値IにゲインGを乗算し、重み係数Aを更新する。
【0083】
位置決め制御器708は、位置誤差信号707に基づいて、磁気ヘッド719を所望のトラックに追従させる通常のフィードバック制御を行なうときの制御量を算出し、偏心制御量信号704に加算することにより磁気ヘッド制御量信号709を算出する。この磁気ヘッド制御量信号709はアクチュエータ機構部710に印加され、磁気ヘッド719の位置決めが行なわれる。
【0084】
衝撃検出器733は、該HDDに印加される衝撃に応じた電圧を偏心学習切り替え判定器731に出力する。
偏心学習切り替え判定器731は、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値を超えたとき、学習スイッチ711をオフにして、重み係数Aの学習計算を中止させる。
【0085】
重み係数Aの学習計算中止中は、重み係数Aは更新されないので、偏心制御量計算器703は、学習スイッチ711をオフにする直前に求めた重み係数を用いて偏心制御量を計算する。
偏心学習切り替え判定器731は、衝撃検出器733が出力する電圧が所定の値以内に回復し、かつ位置誤差信号707が所定の範囲内になったときに、学習スイッチ711をオンにして、重み係数Aの学習計算を再開させる。
【0086】
このように本実施の形態5によるHDDによれば、HDDに印加される衝撃に応じた電圧を出力する衝撃検出器を備え、衝撃検出器が出力する電圧が所定の値を超えたときに、偏心量の学習と重み係数の更新とを中止するようにしたので、衝撃等により磁気ヘッドが動かされても、磁気ヘッドの位置決めを安定して行なうことができる。
【0087】
なお、上記実施の形態1ないし5では、重み係数を計算するのに、偏心同期正弦波を用いたが、余弦波を用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1ないし5で説明したディスクの偏心制御方法は、コンピュータ・プログラムによって実現することができるので、コンピュータによる制御が可能な記録媒体に本発明のディスクの偏心制御方法を記録することが可能である。ここで記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク、リムーバブル・ハードディスク、及びフラッシュメモリを含むデータ記録装置等である。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、前記偏心制御量計算手段は、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0089】
本発明の請求項2に係るディスク装置によれば、請求項1に記載のディスク装置において、前記偏心制御量初期学習手段は、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記重み係数に代えて、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式を予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0090】
本発明の請求項3に係るディスク装置によれば、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスク面に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取る、各ディスク面に対応して設けられたヘッドを複数備え、前記偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ヘッドが読み取るディスク面毎の、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、ヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0091】
本発明の請求項4に係るディスク装置よれば、請求項1に記載のディスク装置において、複数のディスクの、各ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドを複数備え、偏心制御量初期学習手段が、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、前記偏心制御量計算手段が、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するものとしたので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0092】
本発明の請求項5に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出する第1の減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、セトリング動作時及びトラッキング動作時に、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段と、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出する参照速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度を算出するヘッド速度算出手段と、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出する第2の減算手段と、シーク動作時に、前記第2の減算手段により算出されたヘッドの速度誤差と、前記偏心制御量計算手段により、前記偏心制御量初期学習手段に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて計算された偏心制御量と、を用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段とを備えるものとしたので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0093】
本発明の請求項6に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出する位置誤差変化量算出手段と、前記位置誤差変化量算出手段が算出した変化量が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0094】
本発明の請求項7に係るディスク装置によれば、ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、該ディスク装置に外部から加わる衝撃を電圧で出力する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が出力した電圧が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えたので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0095】
本発明の請求項8に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0096】
本発明の請求項9に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0097】
本発明の請求項10に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0098】
本発明の請求項11に係るディスクの偏心制御方法によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0099】
本発明の請求項12に係るディスクの偏心制御方法によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0100】
本発明の請求項13に係るディスクの偏心制御方法によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0101】
本発明の請求項14に係るディスクの偏心制御方法によれば、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0102】
本発明の請求項15に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ディスクの内周と外周とで重み係数の値が異なっていても、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0103】
本発明の請求項16に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ディスクの同心円により分割された領域内で重み係数の値が大きく変わる場合でも、トラッキング動作に移行して重み係数の学習計算を再開してから、重み係数が収束するまでの時間が短くなり、シークタイムを速くすることができるという効果がある。
【0104】
本発明の請求項17に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0105】
本発明の請求項18に係る記録媒体によれば、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録したので、ヘッドスイッチタイムを速くすることができるという効果がある。
【0106】
本発明の請求項19に係る記録媒体によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、ヘッドの実際の移動速度を算出し、前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうプログラムを記録したので、正確なヘッドの位置を検出するようになり、シーク動作を安定して行なうことができるという効果がある。
【0107】
本発明の請求項20に係る記録媒体によれば、外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したので、衝撃等によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【0108】
本発明の請求項21に係る記録媒体によれば、装置外部から加わる衝撃を検出し、前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録したので、衝撃によりヘッドが動かされても、ヘッドの位置決めを安定して行なうことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるHDDのブロック図である。
【図2】(a)HDDにおける磁気ヘッドの位置誤差の、サーボ情報の数に対する変化を示す波形図である。(b)サーボ情報番号のサーボ情報の数に対する変化を示す波形図である。
【図3】(a)磁気ディスクのトラック及びサーボ情報の配置を示す平面図である。(b)磁気ディスクの部分拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるHDDのブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3によるHDDのブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4によるHDDのブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態5によるHDDのブロック図である。
【図8】従来のHDDのブロック図である。
【符号の説明】
15 磁気ディスク
16 セクターデータ
101,401,501,601,701,801 位相学習器
102,402,502,602,702,802 正弦波発生器
103,403,503,603,703,803 偏心制御量計算器
104,404,504,604,704,804 偏心制御量信号
105,405,505,605,705,805 目標位置信号
106,406,506,606,706,806 ヘッド位置信号
107,407,507,607,707,807 位置誤差信号
108,408,508,608,708,808 位置決め制御器
109,409,509,609,709,809 磁気ヘッド制御量信号
110,410,510,610,710,810 アクチュエータ機構部
111,411,511,611,711,811 学習スイッチ
112,412,512,612,712,812 位相ずれ量信号
113,413,513,613,713,813 偏心同期正弦波信号
114,414,514 偏心制御量初期学習器
115,415,515,615,715,815 磁気ディスク
118,418,518 偏心情報
119,419,519,619,719,819 磁気ヘッド
120,420,520,620,720,820 減算器
121,421,521 重み係数信号
5221,5222,5223,5224,5225 スイッチ
523 参照速度算出器
524 目標速度信号
525 減算器
526 速度制御器
527 ヘッド速度信号
528 ヘッド速度算出部
529 残余距離信号
530 速度誤差信号
631,731 偏心学習切り替え判定器
632 位置誤差変化量算出器
733 衝撃検出器
Claims (21)
- ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、
前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、
外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、
前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、
前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、
前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、
前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段とを備え、
前記偏心制御量計算手段は、
セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスク装置。 - 請求項1に記載のディスク装置において、
前記偏心制御量初期学習手段は、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記重み係数に代えて、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数と前記ヘッドの目標位置との関係を表わす近似式を予め格納し、
前記偏心制御量計算手段が、
セトリング動作時には、前記ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスク装置。 - 請求項1に記載のディスク装置において、
複数のディスク面に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取る、各ディスク面に対応して設けられたヘッドを複数備え、
前記偏心制御量初期学習手段が、
前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ヘッドが読み取るディスク面毎の、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、
前記偏心制御量計算手段が、
ヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスク装置。 - 請求項1に記載のディスク装置において、
複数のディスクの、各ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドを複数備え、
偏心制御量初期学習手段が、
前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、各ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納し、
前記偏心制御量計算手段が、
異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時には、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを前記偏心制御量初期学習手段から読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスク装置。 - ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、
前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、
外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出する第1の減算手段と、
前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、
前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、
セトリング動作時及びトラッキング動作時に、前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、
前記位相学習手段が学習した位相ずれ量と、前記ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め格納する偏心制御量初期学習手段と、
前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出する参照速度算出手段と、
前記ヘッドの実際の移動速度を算出するヘッド速度算出手段と、
前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出する第2の減算手段と、
シーク動作時に、前記第2の減算手段により算出されたヘッドの速度誤差と、前記偏心制御量計算手段により、前記偏心制御量初期学習手段に格納されている前記ヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて計算された偏心制御量と、を用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう速度制御手段とを備える、
ことを特徴とするディスク装置。 - ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、
前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、
外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、
前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、
前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、
前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、
前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出する位置誤差変化量算出手段と、
前記位置誤差変化量算出手段が算出した変化量が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えた、
ことを特徴とするディスク装置。 - ディスク上に記録された、一連のサーボ情報番号を有するサーボ情報を読み取るヘッドと、
前記ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量を学習する位相学習手段と、
外部から入力される前記ヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を検出する減算手段と、
前記ディスクの回転周波数に同期した周波数で、前記位相学習手段が学習した位相ずれ量を持つ偏心同期正弦波を発生させる正弦波発生手段と、
前記偏心同期正弦波と前記ヘッドの位置誤差とに基づいて重み係数を計算するとともに、前記偏心同期正弦波に重み係数を乗算して偏心制御量を計算する偏心制御量計算手段と、
前記ヘッドの位置誤差及び偏心制御量に基づいて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう位置決め制御手段と、
該ディスク装置に外部から加わる衝撃を電圧で出力する衝撃検出手段と、
前記衝撃検出手段が出力した電圧が所定の値を超えたときに、前記偏心制御量計算手段に、重み係数の計算を中止させる偏心学習切り替え判定手段とを備えた、
ことを特徴とするディスク装置。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、
セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、
異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - 外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、
前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、
ヘッドの実際の移動速度を算出し、
前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、
ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なう、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - 外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、
前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、
前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - 装置外部から加わる衝撃を検出し、
前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、
前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止する、
ことを特徴とするディスクの偏心制御方法。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とヘッドの目標位置とを予め記憶し、
セトリング動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と近似式とから、ヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と近似式とを読み出し、該読み出した近似式からヘッドの目標位置に対応する重み係数を算出するとともに、該算出した重み係数と前記読み出した位相ずれ量とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のヘッドそれぞれが読み取るディスク面毎に、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
ヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、複数のディスクの各ディスクの同心円により分割された複数の領域の各領域に対応する位相ずれ量と重み係数とを予め記憶し、
異なるディスク上のヘッドへのヘッドスイッチ動作時に、前記予め記憶した位相ずれ量と重み係数とから、切り替え後のヘッドの目標位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを読み出し、該読み出した位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - 外部から入力されるヘッドの目標位置とヘッドの現在位置とに基づいて、ヘッドの位置誤差及び残余距離を算出し、
前記ヘッドの残余距離に応じた目標速度を算出し、
ヘッドの実際の移動速度を算出し、
前記ヘッドの実際の移動速度と、前記目標速度とに基づいて、前記ヘッドの速度誤差を算出し、
ヘッドが読み取るサーボ情報番号の変化を示す鋸歯状波とディスクの偏心量の変化を示す正弦波との位相差である位相ずれ量と、ディスクの同心円により分割された複数の領域毎の重み係数とを予め記憶し、
シーク動作時に、予め記憶されているヘッドの現在位置に対応する位相ずれ量と重み係数とを用いて偏心制御量を計算し、該計算した偏心制御量と、前記算出したヘッドの速度誤差とを用いて、前記ヘッドの位置決め制御を行なうプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - 外部から入力されるヘッドの目標位置と前記ヘッドの現在位置とに基づいて、前記ヘッドの位置誤差を算出し、
前記ヘッドの位置誤差の変化量を算出し、
前記算出されたヘッドの位置誤差の変化量が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。 - 装置外部から加わる衝撃を検出し、
前記検出した衝撃を電圧値に変換して出力し、
前記出力された電圧値が所定の値を超えたときに、重み係数の計算を中止するプログラムを記録した、
ことを特徴とする記録媒体。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226300A JP2004071007A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 |
KR1020047015102A KR100639468B1 (ko) | 2002-08-02 | 2003-08-01 | 디스크 장치, 디스크의 편심 제어 방법, 및 기록 매체 |
TW092121122A TWI275079B (en) | 2002-08-02 | 2003-08-01 | Disk device eccentric control method of disk and record medium |
PCT/JP2003/009785 WO2004013855A1 (ja) | 2002-08-02 | 2003-08-01 | ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 |
CNB038088177A CN100334647C (zh) | 2002-08-02 | 2003-08-01 | 盘装置、盘的偏心控制方法 |
US10/510,494 US7215501B2 (en) | 2002-08-02 | 2003-08-01 | Disk device, disk eccentricity control method, and recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226300A JP2004071007A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004071007A true JP2004071007A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=31492182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002226300A Pending JP2004071007A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7215501B2 (ja) |
JP (1) | JP2004071007A (ja) |
KR (1) | KR100639468B1 (ja) |
CN (1) | CN100334647C (ja) |
TW (1) | TWI275079B (ja) |
WO (1) | WO2004013855A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008059673A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Fujitsu Ltd | 制御装置、記憶装置、記憶媒体、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5457871B2 (ja) * | 2009-02-23 | 2014-04-02 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法およびヘッド位置決め制御装置 |
JP2013157065A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Toshiba Corp | 磁気ディスク装置およびヘッド位置制御方法 |
JP6147038B2 (ja) * | 2013-03-15 | 2017-06-14 | キヤノン株式会社 | 位置検出装置、レンズ装置、撮像システム、および、工作装置 |
EP3517897B1 (en) * | 2018-01-25 | 2020-10-28 | Melexis Technologies SA | Position sensing device |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0242691A (ja) * | 1988-08-01 | 1990-02-13 | Ricoh Co Ltd | トラツクアクセス方法 |
JP2730559B2 (ja) * | 1989-03-17 | 1998-03-25 | 富士通株式会社 | ヘッド位置決め制御回路 |
JPH1139814A (ja) | 1997-07-15 | 1999-02-12 | Toshiba Corp | 磁気ディスク装置 |
US6768705B2 (en) * | 1998-07-17 | 2004-07-27 | Fujitsu Limited | Optical disk drive including a positioner and means for compensating for an eccentricity of an optical disk |
JP3270439B2 (ja) * | 1999-12-28 | 2002-04-02 | 株式会社東芝 | ディスク記憶装置 |
JP3581316B2 (ja) * | 2001-01-31 | 2004-10-27 | 株式会社東芝 | ヘッド位置決め制御システム及び方法 |
JP2003123415A (ja) * | 2001-10-16 | 2003-04-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気ディスクの偏心制御方法及び偏心制御方法を記録した記録媒体並びに偏心制御方法を用いた磁気ディスク装置 |
US6947243B2 (en) * | 2002-05-24 | 2005-09-20 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Method and system for time-shift based rotational vibration sensing in disk drives |
-
2002
- 2002-08-02 JP JP2002226300A patent/JP2004071007A/ja active Pending
-
2003
- 2003-08-01 US US10/510,494 patent/US7215501B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-08-01 WO PCT/JP2003/009785 patent/WO2004013855A1/ja active Application Filing
- 2003-08-01 CN CNB038088177A patent/CN100334647C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2003-08-01 KR KR1020047015102A patent/KR100639468B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2003-08-01 TW TW092121122A patent/TWI275079B/zh not_active IP Right Cessation
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008059673A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Fujitsu Ltd | 制御装置、記憶装置、記憶媒体、サーボ情報復調プログラム及びサーボ情報復調方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW200407856A (en) | 2004-05-16 |
US7215501B2 (en) | 2007-05-08 |
WO2004013855A1 (ja) | 2004-02-12 |
KR100639468B1 (ko) | 2006-10-26 |
CN1708803A (zh) | 2005-12-14 |
TWI275079B (en) | 2007-03-01 |
KR20040093189A (ko) | 2004-11-04 |
CN100334647C (zh) | 2007-08-29 |
US20060268448A1 (en) | 2006-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3559209B2 (ja) | 記憶装置 | |
JP3447956B2 (ja) | 光学的記憶装置 | |
JP2003123415A (ja) | 磁気ディスクの偏心制御方法及び偏心制御方法を記録した記録媒体並びに偏心制御方法を用いた磁気ディスク装置 | |
JP2004071007A (ja) | ディスク装置、ディスクの偏心制御方法、及び記録媒体 | |
JP2785290B2 (ja) | 光ディスクのシーク及びトラッキング装置 | |
JP2001256741A (ja) | ディスク装置のヘッド位置決め制御方法及び装置 | |
WO2002080155A1 (fr) | Appareil lecteur de disque et procede de lecture de donnees | |
JP2011123966A (ja) | ディスクへサーボ・ライト・トラックを書き込む方法及びディスク・ドライブ | |
JP2001184817A (ja) | ディスク装置のヘッド位置決め制御方法及び装置 | |
JPH05159318A (ja) | トラッキング制御装置 | |
JP4267338B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JPH0991903A (ja) | ディスク記録再生装置のヘッド位置決め制御装置及びそのヘッド位置決め制御方法 | |
JP2005259259A (ja) | 光ディスク装置及びそのフォーカス制御方法 | |
JP4153498B2 (ja) | 光学的記憶装置 | |
JP3832746B2 (ja) | 光学的記憶装置 | |
JPH117738A (ja) | ディスク記憶装置及び同装置に適用するヘッド位置決め制御方法 | |
JPH0750076A (ja) | ディスク記録再生装置 | |
JP2000339717A (ja) | 光ディスク記録再生装置 | |
JP2738755B2 (ja) | 光ディスクのトラッキング方法 | |
JP2007234183A (ja) | 光ディスク装置 | |
JP2004192692A (ja) | 磁気ディスク装置の位置決め制御装置および、その制御方法 | |
JPH06325374A (ja) | フォーカスサーボ装置 | |
JP2002056547A (ja) | ディスク再生装置のトラッキングサーボ制御方法 | |
JPH01162281A (ja) | トラッキング制御装置 | |
JP2002367251A (ja) | 光磁気記録媒体装置 |