JP2004068197A - 仮撚用ディスク - Google Patents
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Abstract
【課題】仮撚用ディスクにおいて、その外周の摩擦リングだけを交換することができ、且つ当該仮撚用ディスクの高速回転時に摩擦リングが脱落したりしないようにする。
【解決手段】ディスク本体6の外周にゴム状弾性を有する摩擦リング8が装着された仮撚用ディスク5において、ディスク本体6の外周にアリ溝7等の嵌合用凹部を設け、摩擦リング8の内周には前記アリ溝7等に嵌め込まれる凸条9等の嵌合用凸部が設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】ディスク本体6の外周にゴム状弾性を有する摩擦リング8が装着された仮撚用ディスク5において、ディスク本体6の外周にアリ溝7等の嵌合用凹部を設け、摩擦リング8の内周には前記アリ溝7等に嵌め込まれる凸条9等の嵌合用凸部が設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、主として、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維を捲縮する摩擦仮撚装置において用いられる仮撚用ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の仮撚用ディスクとしては、セラミック等の単一材料で構成されたものの他、ディスク本体をポリアセタール等の合成樹脂で構成し、これを所定形状の金型内に配置して、該金型内に液状ウレタンを注入・硬化させることにより、前記ディスク本体の外周にウレタンゴム製の摩擦リングが一体的に固着されたものやディスク本体を所定形状の金型内に装着し、射出成形機によって前記ディスク本体の外周に摩擦リングを一体成型したものが知られている。
【0003】
ところが、上述のように、ディスク本体に摩擦リングが一体的に固定された仮撚用ディスクの場合、使用によって摩擦リングが磨耗したときには、ディスク本体から摩擦リングを分離することができないため、当該仮撚用ディスク自体を新しいものと交換し、古い仮撚用ディスクは廃棄するしかなかった。そのため、原糸の仮撚加工に伴う仮撚用ディスクのコストが高くなる上、使用済みディスクの廃棄処理に困ると共に資源の有効利用を図る面でも好ましくなかった。
【0004】
そのため、このような問題に対処するために、ディスク本体の外周に摩擦リングを嵌めたものが開発されている。
【0005】
具体的には、図11に示すように、ディスク本体71の外周に、該ディスク本体71の外径よりも小さい内径として、拡げ代を持たせたウレタンゴム製の摩擦リング72を装着した仮撚ディスク73(特開昭51−53148号公報参照)や、図12に示すように、ディスク本体81の外周に、底部から開口部に向かって幅が広くなった凹溝82を設け、該凹溝82にゴム製リング83を嵌め被せた仮撚ディスク84(実公昭59−10136号公報参照)が知られている。
【0006】
これらいずれの仮撚用ディスク73・84においても、基本的にはディスク本体71・81の外周にゴム状弾性を有する摩擦リング72・83を嵌めた構造であるため、該摩擦リング72・83が磨耗した場合には、該摩擦リング72・83だけを交換することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した仮撚用ディスク73・84のうち、前者では、ディスク本体71の平坦な外周に摩擦リング72が単に圧接された構造であり、また後者も、ディスク本体81の外周において、開口部側の幅が広くなった凹溝82に摩擦リング83を嵌めた構造であり、いずれもディスク本体71・81外周に摩擦リング72・83が強固に装着された構造ではないため、摩擦仮撚装置において、当該仮撚用ディスク73・84が高速回転する際、上記摩擦リング72・83における応力緩和によって、ディスク本体71・81に対する摩擦リング72・83の抱き込み力が低下し、上記高速回転に伴う遠心力によりディスク本体71・81外周において、摩擦リング72・83がズレたり、外れたりするおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、摩擦リングが磨耗した場合に、該摩擦リングだけを交換することができ、しかも仮撚加工における高速回転時にも、摩擦リングがディスク本体からズレたり、外れたりするおそれがない仮撚用ディスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周にアリ溝が形成され、摩擦リングの内周には前記アリ溝に嵌め込まれる凸条が設けられているものである。
【0010】
前記摩擦リングにおける凸条の幅は、ディスク本体外周におけるアリ溝の開口部幅と同一か、または若干広くするのが好ましい。具体的には、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的高く設定した場合には凸条の幅をアリ溝の開口部幅とほぼ同一とし、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的低く設定した場合には凸条の幅をアリ溝の開口部幅より若干広くして摩擦リングがアリ溝の開口部で変形しつつアリ溝内に押し込められるようにすることにより、ディスク本体と摩擦リングとの嵌合をより強固とするのである。
【0011】
また、摩擦リング内周における凸条の高さは、ディスク本体外周におけるアリ溝の深さと同一か、または若干高くするのが好ましい。具体的には摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的高く設定した場合には凸条の高さをアリ溝の深さとほぼ同一とし、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的低く設定した場合には凸条の高さをアリ溝の深さより若干高くして、摩擦リングの凸条をアリ溝へ押し込んだ際に、該アリ溝の底部分で摩擦リングの凸条先端部分がその幅方向に僅かに膨らんで、ディスク本体と摩擦リングとの嵌合をより強固にするためである。
【0012】
請求項2記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分に一または複数の摩擦リング抜止め用突起が設けられ、摩擦リングの内周には前記凹溝に嵌め込まれる凸条が設けられているものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項2記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リング抜止め用突起が横断面略半円形または横断面略三角形であることを技術的特徴としたものである。
【0014】
なお、前記請求項2および請求項3における摩擦リング抜止め用突起は、ディスク本体の全周にわたって設ける他、円周方向に所定間隔をあけて複数箇所だけ設けても良い。
【0015】
請求項4記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分には互いに対向する係合用凸部が設けられて、該係合用凸部の凹溝底部側面が摩擦リング抜止め用段部となされ、摩擦リングの内周には前記両係合用凸部間の間隔に対応する幅の凸条と該凸条の先端に形成された係合用頭部とが設けられ、該係合用頭部は前記凹溝内に進入可能な横断面略山形となされ、且つその山すそ部の幅が前記凸条の幅より広くなされて、山すそ部の両縁に前記凹溝内の摩擦リング抜止め用段部と係合する係合部が形成されているものである。
【0016】
請求項5は、前記請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リングのデュロメータ硬さをA80〜A95の範囲とするものである。
【0017】
摩擦リングは、耐摩耗性および耐久性の面では、硬度が高い方が好ましいが、仮撚加工で原糸に良好な捲縮性を付与するためには、弾性および摩擦性が要求される。
【0018】
前記摩擦リングのデュロメータ硬さは、A80より低い場合には、耐摩耗性、耐久性が不十分になると共に使用時に膨張変形や波状変形が生じ易くなり、また弾性回復性が劣る等の不都合が発生し、A95より高い場合には、必要な摩擦特性が得られないこととなるため、A80〜A95の範囲とするのが好ましい。すなわち、摩擦リングのデュロメータ硬さを前記範囲とすることにより、当該摩擦リングとして必要な耐摩耗性、耐久性、形状安定性、弾性回復性および摩擦特性が得られるのである。
【0019】
また、摩擦リングの表面粗さ(Rz)は、4μm以下し、好ましくは1μm〜3μmの範囲とする。この理由は後述の通りである。
【0020】
すなわち、表面粗さ(Rz)が4μmを超える場合には、使用当初において摩擦リングの撚糸特性にバラツキが生じ易く、均質な撚糸が得られ難いことから、実際の仮撚加工に先立ってならし運転を行い、摩擦リングの表面を平滑にしておく必要が生ずる。また、摩擦リングの耐摩耗性を向上させるために、摩擦リングを構成するウレタンゴムの硬度が高く設定されている場合には、前記ならし運転が長時間になるという問題が生ずる。
【0021】
一方、摩擦リングの表面粗さ(Rz)を1μm未満として摩擦リング表面を非常に平滑にした場合には、前記ならし運転が省略されるものの、原糸と接触することによって当該摩擦リングの表面に筋状の凹凸が発生し易く、そのため摩擦リングの寿命が短いという問題も生ずる。ここで、表面粗さ(Rz)は、JIS−B0601(2001年版)に定義される最大高さ粗さのことである。
【0022】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リングをウレタンゴム製としたものである。すなわち、摩擦リングの材質としては、熱硬化性ウレタン、熱可塑性ウレタンおよびミラブルウレタン等が使用され、耐熱性および耐摩耗性の面では、例えばポリオール成分とイソシアネート成分を出発原料とする熱硬化性の液状ウレタンを使用することができる。
【0023】
ウレタンゴムは、ポリオールの種類によって、ポリエーテル系ウレタンゴムとポリエステル系ウレタンゴムとに大別されるが、ポリエステル系ウレタンゴムは、ポリエーテル系ウレタンゴムに比べて耐摩耗性、引裂き強度、耐油性の点で優れている。
【0024】
そして、摩擦リングの材質として、前記ポリエステル系ウレタンゴムを用いることにより、当該仮撚用ディスクが高速回転して摩擦リングが延伸走行する原糸と連続的に接触する際の耐摩耗性、耐久性および耐油性等を向上させることができる。
【0025】
また、前記ポリエステル系ウレタンゴムに用いられるポリオールとしては、アジペート系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールおよびポリカーボネート系ポリオール等が挙げられるが、更に、前記ポリエステル系ポリオールにポリエーテルポリオールを少量加える場合もある。
【0026】
本発明の仮撚ディスクにおけるディスク本体の材質としては、アルミニウム(合金を含む)等の金属、セラミック、合成樹脂等、種々のものが使用され得るが、コスト、軽量性、強度等の総合的な点では合成樹脂が好ましい。ディスク本体を構成する合成樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール等が挙げられ、またこれら合成樹脂をマトリックスとし、フィラーとしてガラス繊維等を混入させた繊維強化樹脂を用いれば、当該ディスク本体の形態安定性およ び耐久性等を一層向上させることができる。
【0027】
また、合成樹脂製のディスク本体は、熱変形温度(1.80メガパスカル)が100℃以上の熱可塑性樹脂が好適である。
【0028】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1記載の仮撚用ディスクにおけるディスク本体に関するものである。
【0029】
請求項8記載の本発明は、前記請求項2記載の仮撚用ディスクにおけるディスク本体に関するものである。
【0030】
なお、以上述べた本発明において、ディスク本体および摩擦リングは、射出成形等の合成樹脂成形法や研削加工等を適宜用いて製作される。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0032】
先ず、本発明の仮撚用ディスクが使用される摩擦仮撚装置における加撚部の構成について説明する。ただし、本発明の仮撚用ディスクは、以下に説明する加撚部以外の他の構造の加撚部、或いは別の種類の繊維機械にも転用され得る。
【0033】
図1は、後述する各実施形態の仮撚用ディスクが用いられる三軸外接型の加撚部の構造を示している。
【0034】
具体的には、加撚部1は、互いに等間隔で平行に配置された3本の回転軸2と、これら各回転軸2に取り付けられた3枚の仮撚用ディスク3とを備えている。
【0035】
そして、前記3本の異なる回転軸2に取り付けられた仮撚用ディスク3は、異なる回転軸2同士で、上下方向に交互に組み込まれ、最終的に3本の回転軸2における仮撚用ディスク3の外周間に原糸4が通されて、該原糸4と各仮撚ディスク3とが接触する。
【0036】
(実施形態1)
【0037】
図2〜図4に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク5は、中心に軸穴6が設けられたガラス繊維入りのポリブチレンテレフタレート製ディスク本体10の外周に、アリ溝7が形成され、ウレタンゴム製の摩擦リング8の内周には前記アリ溝7に嵌め込まれる凸条9が設けられている。
【0038】
そして、本実施形態では、図3の通り、アリ溝7の開口幅W1と凸条9の幅W2とが同一となされ、アリ溝7の深さD1よりも凸条9の高さH1が若干高くなされている。この場合、図4に見られるように、凸条9の先端部分がアリ溝7内でその幅方向に膨らむ結果、摩擦リング8がアリ溝7に対してより強固に嵌合され得る。
【0039】
(実施形態2)
【0040】
図5に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク21は、中心に軸穴(図示略)が設けられたガラス繊維入りのポリアセタール製ディスク本体23の外周に凹溝24が設けられ、該凹溝24の両側壁27における開口部側部分に、全周にわたる横断面半円形の摩擦リング抜止め用突起26が1つずつ設けられ、ウレタンゴム製摩擦リング28の内周には前記凹溝24に嵌め込まれる凸条25が設けられている。
【0041】
本実施形態では、凹溝24の幅と凸条25の幅とが同一となされ、また凹溝24の深さと凸条25の高さとが同一となされている。
【0042】
(実施形態3)
【0043】
図6に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク31は、前記実施形態2の変形例であって、前記実施形態2では、ディスク本体23外周の凹溝24の両側壁27における開口部側部分に横断面半円形の摩擦リング抜止め用突起26を1つずつ設けたが、本実施形態では、これに代えて、全周にわたる横断面三角形の摩擦リング抜止め用突起32が3つずつ設けられている。その他の構成は前記実施形態2と同様であるので、同じ符号を付すことによって説明を省略する。
【0044】
(実施形態4)
【0045】
図7および図8に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク41は、中心に軸穴(図示略)を有するポリカーボネート製ディスク本体42の外周に、凹溝43が設けられ、該凹溝43の両側壁における開口部側部分には互いに対向する係合用凸部45が設けられて、該係合用凸部45の凹溝底部46側面が摩擦リング抜止め用段部47となされ、摩擦リング48の内周には前記両係合用凸部45間の間隔に対応する幅の凸条49と該凸条49の先端に形成された係合用頭部51とが設けられ、該係合用頭部51は前記凹溝43内に進入可能な横断面略山形となされ、且つその山すそ部51aの幅W5が前記凸条49の幅W6より広くなされて、山すそ部51aの両縁に前記凹溝43内の摩擦リング抜止め用段部47と係合する係合部52が形成されているものである。
【0046】
本実施形態において、前記横断面略山形の係合用頭部51は、より詳細には横断面台形であって、その両側面が前記凹溝43内への案内面51bとなされ、かつ係合用頭部51の頂部幅W7が前記両係合用凸部45の間隔S1より狭く、且つ係合用頭部51の山すそ部51aの幅W5が凹溝43の幅W9と同一となされている。
【0047】
したがって、係合用頭部51は、その両側の案内面51bが両係合用凸部45に当接した状態で凹溝43内へスムーズに進入し、係合用頭部51が両係合用凸部45間を通過したときに係合用頭部51の係合部52が摩擦リング抜止め用段部47と係合して当該摩擦リング48がディスク本体42外周に装着され得る。
【0048】
また、本実施形態では、図8に示すように、係合用頭部51の頂部51cが凹溝43の底部46に当接する構造としたが、係合用頭部51の頂部51cが凹溝43の底部46に当接しない場合もある。
【0049】
(実施形態5)
【0050】
本実施形態の仮撚用ディスク61は、前記実施形態4の変形例であって、実施形態4では摩擦リング48における横断面略山形の係合用頭部51は、より詳細には横断面台形のものであったが、本実施形態では、図9および図10に示すように、摩擦リング62における係合用頭部63は横断面略半円形となされている。
【0051】
その他の構成は前記実施形態4と同様であるので、同じ符号を付すことによって、説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、横断面略半円形となされた係合用頭部63の外面が凸弧面であるため、これが案内面となって両係合用凸部45に当接した状態で係合用頭部63が凹溝43内へスムーズに進入し、係合用頭部63が両係合用凸部45間を通過したときに係合用頭部63の係合部52が摩擦リング抜止め用段部47と係合して当該摩擦リング62がディスク本体42外周に装着され得る。
【0053】
(試験)
【0054】
以上述べた各実施形態の仮撚用ディスク5・21・31・41・61を用いて、150デニールのポリエステルフィラメント(原糸)を、糸速400m/s、仮撚用ディスク回転数6.500rpmの条件で仮撚加工を行ったところ、摩擦リング8・28・48・62が当該仮撚用ディスク5・21・31・41・61のディスク本体10・23・42から脱落したり、所定位置からズレたりすることが全くなかった。
【0055】
【発明の効果】
本願のいずれの発明に係る仮撚用ディスクにおいても、ディスク本体の外周に摩擦リングが強固に嵌め込まれているため、該摩擦リングは、当該仮撚用ディスクが高速回転した場合でも、従来のように、応力緩和に伴う抱き込み力の低下によって所定位置からズレたり、外れたりするおそれが全くない。
【0056】
また、摩擦リングが磨耗した場合には、該摩擦リングだけをディスク本体から切り離して新しい摩擦リングをディスク本体に装着することができるため、仮撚加工に伴う仮撚用ディスクのコストを抑え、資源の有効を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】仮撚装置における加撚部の斜視図
【図2】実施形態1の仮撚用ディスクの断面図
【図3】同仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図4】同仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図5】実施形態2の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図6】実施形態3の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図7】実施形態4の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図8】実施形態4の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図9】実施形態5の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図10】実施形態5の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図11】仮撚用ディスクの従来例を示す断面図
【図12】仮撚用ディスクの他の従来例を示す断面図
【符号の説明】
3・5・21・31・41・61: 仮撚用ディスク
6: 軸穴
7: アリ溝
8・28・48・62: 摩擦リング
9・25・49: 凸条
10・23・42: ディスク本体
26・32: 摩擦リング抜止め用突起
47: 係合用段部
51・63: 係合用頭部
52: 係合部
【発明が属する技術分野】
本発明は、主として、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維を捲縮する摩擦仮撚装置において用いられる仮撚用ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の仮撚用ディスクとしては、セラミック等の単一材料で構成されたものの他、ディスク本体をポリアセタール等の合成樹脂で構成し、これを所定形状の金型内に配置して、該金型内に液状ウレタンを注入・硬化させることにより、前記ディスク本体の外周にウレタンゴム製の摩擦リングが一体的に固着されたものやディスク本体を所定形状の金型内に装着し、射出成形機によって前記ディスク本体の外周に摩擦リングを一体成型したものが知られている。
【0003】
ところが、上述のように、ディスク本体に摩擦リングが一体的に固定された仮撚用ディスクの場合、使用によって摩擦リングが磨耗したときには、ディスク本体から摩擦リングを分離することができないため、当該仮撚用ディスク自体を新しいものと交換し、古い仮撚用ディスクは廃棄するしかなかった。そのため、原糸の仮撚加工に伴う仮撚用ディスクのコストが高くなる上、使用済みディスクの廃棄処理に困ると共に資源の有効利用を図る面でも好ましくなかった。
【0004】
そのため、このような問題に対処するために、ディスク本体の外周に摩擦リングを嵌めたものが開発されている。
【0005】
具体的には、図11に示すように、ディスク本体71の外周に、該ディスク本体71の外径よりも小さい内径として、拡げ代を持たせたウレタンゴム製の摩擦リング72を装着した仮撚ディスク73(特開昭51−53148号公報参照)や、図12に示すように、ディスク本体81の外周に、底部から開口部に向かって幅が広くなった凹溝82を設け、該凹溝82にゴム製リング83を嵌め被せた仮撚ディスク84(実公昭59−10136号公報参照)が知られている。
【0006】
これらいずれの仮撚用ディスク73・84においても、基本的にはディスク本体71・81の外周にゴム状弾性を有する摩擦リング72・83を嵌めた構造であるため、該摩擦リング72・83が磨耗した場合には、該摩擦リング72・83だけを交換することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した仮撚用ディスク73・84のうち、前者では、ディスク本体71の平坦な外周に摩擦リング72が単に圧接された構造であり、また後者も、ディスク本体81の外周において、開口部側の幅が広くなった凹溝82に摩擦リング83を嵌めた構造であり、いずれもディスク本体71・81外周に摩擦リング72・83が強固に装着された構造ではないため、摩擦仮撚装置において、当該仮撚用ディスク73・84が高速回転する際、上記摩擦リング72・83における応力緩和によって、ディスク本体71・81に対する摩擦リング72・83の抱き込み力が低下し、上記高速回転に伴う遠心力によりディスク本体71・81外周において、摩擦リング72・83がズレたり、外れたりするおそれがあった。
【0008】
本発明の目的は、摩擦リングが磨耗した場合に、該摩擦リングだけを交換することができ、しかも仮撚加工における高速回転時にも、摩擦リングがディスク本体からズレたり、外れたりするおそれがない仮撚用ディスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周にアリ溝が形成され、摩擦リングの内周には前記アリ溝に嵌め込まれる凸条が設けられているものである。
【0010】
前記摩擦リングにおける凸条の幅は、ディスク本体外周におけるアリ溝の開口部幅と同一か、または若干広くするのが好ましい。具体的には、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的高く設定した場合には凸条の幅をアリ溝の開口部幅とほぼ同一とし、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的低く設定した場合には凸条の幅をアリ溝の開口部幅より若干広くして摩擦リングがアリ溝の開口部で変形しつつアリ溝内に押し込められるようにすることにより、ディスク本体と摩擦リングとの嵌合をより強固とするのである。
【0011】
また、摩擦リング内周における凸条の高さは、ディスク本体外周におけるアリ溝の深さと同一か、または若干高くするのが好ましい。具体的には摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的高く設定した場合には凸条の高さをアリ溝の深さとほぼ同一とし、摩擦リングの硬度を後述する範囲内で比較的低く設定した場合には凸条の高さをアリ溝の深さより若干高くして、摩擦リングの凸条をアリ溝へ押し込んだ際に、該アリ溝の底部分で摩擦リングの凸条先端部分がその幅方向に僅かに膨らんで、ディスク本体と摩擦リングとの嵌合をより強固にするためである。
【0012】
請求項2記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分に一または複数の摩擦リング抜止め用突起が設けられ、摩擦リングの内周には前記凹溝に嵌め込まれる凸条が設けられているものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項2記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リング抜止め用突起が横断面略半円形または横断面略三角形であることを技術的特徴としたものである。
【0014】
なお、前記請求項2および請求項3における摩擦リング抜止め用突起は、ディスク本体の全周にわたって設ける他、円周方向に所定間隔をあけて複数箇所だけ設けても良い。
【0015】
請求項4記載の本発明は、中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分には互いに対向する係合用凸部が設けられて、該係合用凸部の凹溝底部側面が摩擦リング抜止め用段部となされ、摩擦リングの内周には前記両係合用凸部間の間隔に対応する幅の凸条と該凸条の先端に形成された係合用頭部とが設けられ、該係合用頭部は前記凹溝内に進入可能な横断面略山形となされ、且つその山すそ部の幅が前記凸条の幅より広くなされて、山すそ部の両縁に前記凹溝内の摩擦リング抜止め用段部と係合する係合部が形成されているものである。
【0016】
請求項5は、前記請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リングのデュロメータ硬さをA80〜A95の範囲とするものである。
【0017】
摩擦リングは、耐摩耗性および耐久性の面では、硬度が高い方が好ましいが、仮撚加工で原糸に良好な捲縮性を付与するためには、弾性および摩擦性が要求される。
【0018】
前記摩擦リングのデュロメータ硬さは、A80より低い場合には、耐摩耗性、耐久性が不十分になると共に使用時に膨張変形や波状変形が生じ易くなり、また弾性回復性が劣る等の不都合が発生し、A95より高い場合には、必要な摩擦特性が得られないこととなるため、A80〜A95の範囲とするのが好ましい。すなわち、摩擦リングのデュロメータ硬さを前記範囲とすることにより、当該摩擦リングとして必要な耐摩耗性、耐久性、形状安定性、弾性回復性および摩擦特性が得られるのである。
【0019】
また、摩擦リングの表面粗さ(Rz)は、4μm以下し、好ましくは1μm〜3μmの範囲とする。この理由は後述の通りである。
【0020】
すなわち、表面粗さ(Rz)が4μmを超える場合には、使用当初において摩擦リングの撚糸特性にバラツキが生じ易く、均質な撚糸が得られ難いことから、実際の仮撚加工に先立ってならし運転を行い、摩擦リングの表面を平滑にしておく必要が生ずる。また、摩擦リングの耐摩耗性を向上させるために、摩擦リングを構成するウレタンゴムの硬度が高く設定されている場合には、前記ならし運転が長時間になるという問題が生ずる。
【0021】
一方、摩擦リングの表面粗さ(Rz)を1μm未満として摩擦リング表面を非常に平滑にした場合には、前記ならし運転が省略されるものの、原糸と接触することによって当該摩擦リングの表面に筋状の凹凸が発生し易く、そのため摩擦リングの寿命が短いという問題も生ずる。ここで、表面粗さ(Rz)は、JIS−B0601(2001年版)に定義される最大高さ粗さのことである。
【0022】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスクについて、摩擦リングをウレタンゴム製としたものである。すなわち、摩擦リングの材質としては、熱硬化性ウレタン、熱可塑性ウレタンおよびミラブルウレタン等が使用され、耐熱性および耐摩耗性の面では、例えばポリオール成分とイソシアネート成分を出発原料とする熱硬化性の液状ウレタンを使用することができる。
【0023】
ウレタンゴムは、ポリオールの種類によって、ポリエーテル系ウレタンゴムとポリエステル系ウレタンゴムとに大別されるが、ポリエステル系ウレタンゴムは、ポリエーテル系ウレタンゴムに比べて耐摩耗性、引裂き強度、耐油性の点で優れている。
【0024】
そして、摩擦リングの材質として、前記ポリエステル系ウレタンゴムを用いることにより、当該仮撚用ディスクが高速回転して摩擦リングが延伸走行する原糸と連続的に接触する際の耐摩耗性、耐久性および耐油性等を向上させることができる。
【0025】
また、前記ポリエステル系ウレタンゴムに用いられるポリオールとしては、アジペート系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールおよびポリカーボネート系ポリオール等が挙げられるが、更に、前記ポリエステル系ポリオールにポリエーテルポリオールを少量加える場合もある。
【0026】
本発明の仮撚ディスクにおけるディスク本体の材質としては、アルミニウム(合金を含む)等の金属、セラミック、合成樹脂等、種々のものが使用され得るが、コスト、軽量性、強度等の総合的な点では合成樹脂が好ましい。ディスク本体を構成する合成樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール等が挙げられ、またこれら合成樹脂をマトリックスとし、フィラーとしてガラス繊維等を混入させた繊維強化樹脂を用いれば、当該ディスク本体の形態安定性およ び耐久性等を一層向上させることができる。
【0027】
また、合成樹脂製のディスク本体は、熱変形温度(1.80メガパスカル)が100℃以上の熱可塑性樹脂が好適である。
【0028】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1記載の仮撚用ディスクにおけるディスク本体に関するものである。
【0029】
請求項8記載の本発明は、前記請求項2記載の仮撚用ディスクにおけるディスク本体に関するものである。
【0030】
なお、以上述べた本発明において、ディスク本体および摩擦リングは、射出成形等の合成樹脂成形法や研削加工等を適宜用いて製作される。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0032】
先ず、本発明の仮撚用ディスクが使用される摩擦仮撚装置における加撚部の構成について説明する。ただし、本発明の仮撚用ディスクは、以下に説明する加撚部以外の他の構造の加撚部、或いは別の種類の繊維機械にも転用され得る。
【0033】
図1は、後述する各実施形態の仮撚用ディスクが用いられる三軸外接型の加撚部の構造を示している。
【0034】
具体的には、加撚部1は、互いに等間隔で平行に配置された3本の回転軸2と、これら各回転軸2に取り付けられた3枚の仮撚用ディスク3とを備えている。
【0035】
そして、前記3本の異なる回転軸2に取り付けられた仮撚用ディスク3は、異なる回転軸2同士で、上下方向に交互に組み込まれ、最終的に3本の回転軸2における仮撚用ディスク3の外周間に原糸4が通されて、該原糸4と各仮撚ディスク3とが接触する。
【0036】
(実施形態1)
【0037】
図2〜図4に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク5は、中心に軸穴6が設けられたガラス繊維入りのポリブチレンテレフタレート製ディスク本体10の外周に、アリ溝7が形成され、ウレタンゴム製の摩擦リング8の内周には前記アリ溝7に嵌め込まれる凸条9が設けられている。
【0038】
そして、本実施形態では、図3の通り、アリ溝7の開口幅W1と凸条9の幅W2とが同一となされ、アリ溝7の深さD1よりも凸条9の高さH1が若干高くなされている。この場合、図4に見られるように、凸条9の先端部分がアリ溝7内でその幅方向に膨らむ結果、摩擦リング8がアリ溝7に対してより強固に嵌合され得る。
【0039】
(実施形態2)
【0040】
図5に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク21は、中心に軸穴(図示略)が設けられたガラス繊維入りのポリアセタール製ディスク本体23の外周に凹溝24が設けられ、該凹溝24の両側壁27における開口部側部分に、全周にわたる横断面半円形の摩擦リング抜止め用突起26が1つずつ設けられ、ウレタンゴム製摩擦リング28の内周には前記凹溝24に嵌め込まれる凸条25が設けられている。
【0041】
本実施形態では、凹溝24の幅と凸条25の幅とが同一となされ、また凹溝24の深さと凸条25の高さとが同一となされている。
【0042】
(実施形態3)
【0043】
図6に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク31は、前記実施形態2の変形例であって、前記実施形態2では、ディスク本体23外周の凹溝24の両側壁27における開口部側部分に横断面半円形の摩擦リング抜止め用突起26を1つずつ設けたが、本実施形態では、これに代えて、全周にわたる横断面三角形の摩擦リング抜止め用突起32が3つずつ設けられている。その他の構成は前記実施形態2と同様であるので、同じ符号を付すことによって説明を省略する。
【0044】
(実施形態4)
【0045】
図7および図8に示すように、本実施形態の仮撚用ディスク41は、中心に軸穴(図示略)を有するポリカーボネート製ディスク本体42の外周に、凹溝43が設けられ、該凹溝43の両側壁における開口部側部分には互いに対向する係合用凸部45が設けられて、該係合用凸部45の凹溝底部46側面が摩擦リング抜止め用段部47となされ、摩擦リング48の内周には前記両係合用凸部45間の間隔に対応する幅の凸条49と該凸条49の先端に形成された係合用頭部51とが設けられ、該係合用頭部51は前記凹溝43内に進入可能な横断面略山形となされ、且つその山すそ部51aの幅W5が前記凸条49の幅W6より広くなされて、山すそ部51aの両縁に前記凹溝43内の摩擦リング抜止め用段部47と係合する係合部52が形成されているものである。
【0046】
本実施形態において、前記横断面略山形の係合用頭部51は、より詳細には横断面台形であって、その両側面が前記凹溝43内への案内面51bとなされ、かつ係合用頭部51の頂部幅W7が前記両係合用凸部45の間隔S1より狭く、且つ係合用頭部51の山すそ部51aの幅W5が凹溝43の幅W9と同一となされている。
【0047】
したがって、係合用頭部51は、その両側の案内面51bが両係合用凸部45に当接した状態で凹溝43内へスムーズに進入し、係合用頭部51が両係合用凸部45間を通過したときに係合用頭部51の係合部52が摩擦リング抜止め用段部47と係合して当該摩擦リング48がディスク本体42外周に装着され得る。
【0048】
また、本実施形態では、図8に示すように、係合用頭部51の頂部51cが凹溝43の底部46に当接する構造としたが、係合用頭部51の頂部51cが凹溝43の底部46に当接しない場合もある。
【0049】
(実施形態5)
【0050】
本実施形態の仮撚用ディスク61は、前記実施形態4の変形例であって、実施形態4では摩擦リング48における横断面略山形の係合用頭部51は、より詳細には横断面台形のものであったが、本実施形態では、図9および図10に示すように、摩擦リング62における係合用頭部63は横断面略半円形となされている。
【0051】
その他の構成は前記実施形態4と同様であるので、同じ符号を付すことによって、説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、横断面略半円形となされた係合用頭部63の外面が凸弧面であるため、これが案内面となって両係合用凸部45に当接した状態で係合用頭部63が凹溝43内へスムーズに進入し、係合用頭部63が両係合用凸部45間を通過したときに係合用頭部63の係合部52が摩擦リング抜止め用段部47と係合して当該摩擦リング62がディスク本体42外周に装着され得る。
【0053】
(試験)
【0054】
以上述べた各実施形態の仮撚用ディスク5・21・31・41・61を用いて、150デニールのポリエステルフィラメント(原糸)を、糸速400m/s、仮撚用ディスク回転数6.500rpmの条件で仮撚加工を行ったところ、摩擦リング8・28・48・62が当該仮撚用ディスク5・21・31・41・61のディスク本体10・23・42から脱落したり、所定位置からズレたりすることが全くなかった。
【0055】
【発明の効果】
本願のいずれの発明に係る仮撚用ディスクにおいても、ディスク本体の外周に摩擦リングが強固に嵌め込まれているため、該摩擦リングは、当該仮撚用ディスクが高速回転した場合でも、従来のように、応力緩和に伴う抱き込み力の低下によって所定位置からズレたり、外れたりするおそれが全くない。
【0056】
また、摩擦リングが磨耗した場合には、該摩擦リングだけをディスク本体から切り離して新しい摩擦リングをディスク本体に装着することができるため、仮撚加工に伴う仮撚用ディスクのコストを抑え、資源の有効を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】仮撚装置における加撚部の斜視図
【図2】実施形態1の仮撚用ディスクの断面図
【図3】同仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図4】同仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図5】実施形態2の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図6】実施形態3の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図7】実施形態4の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図8】実施形態4の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図9】実施形態5の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合前の状態を示す要部拡大断面図
【図10】実施形態5の仮撚用ディスクにおける摩擦リング嵌合後の状態を示す要部拡大断面図
【図11】仮撚用ディスクの従来例を示す断面図
【図12】仮撚用ディスクの他の従来例を示す断面図
【符号の説明】
3・5・21・31・41・61: 仮撚用ディスク
6: 軸穴
7: アリ溝
8・28・48・62: 摩擦リング
9・25・49: 凸条
10・23・42: ディスク本体
26・32: 摩擦リング抜止め用突起
47: 係合用段部
51・63: 係合用頭部
52: 係合部
Claims (8)
- 中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周にアリ溝が形成され、摩擦リングの内周には前記アリ溝に嵌め込まれる凸条が設けられている、仮撚用ディスク。
- 中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分に一または複数の摩擦リング抜止め用突起が設けられ、摩擦リングの内周には前記凹溝に嵌め込まれる凸条が設けられている、仮撚用ディスク。
- 摩擦リング抜止め用突起が横断面略半円形または横断面略三角形である請求項2記載の仮撚用ディスク。
- 中心に軸穴を有するディスク本体の外周に、ゴム状弾性を有する摩擦リングが装着された仮撚用ディスクにおいて、ディスク本体の外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分には互いに対向する係合用凸部が設けられて、該係合用凸部の凹溝底部側面が摩擦リング抜止め用段部となされ、摩擦リングの内周には前記両係合用凸部間の間隔に対応する幅の凸条と該凸条の先端に形成された係合用頭部とが設けられ、該係合用頭部は前記凹溝内に進入可能な横断面略山形となされ、且つその山すそ部の幅が前記凸条の幅より広くなされて、山すそ部の両縁に前記凹溝内の摩擦リング抜止め用段部と係合する係合部が形成されている、仮撚用ディスク。
- 摩擦リングのデュロメータ硬さがA80〜A95の範囲である請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスク。
- 摩擦リングがウレタンゴムである請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項記載の仮撚用ディスク。
- 中心に軸穴を有する仮撚用ディスク本体において、その外周に摩擦リング装着用アリ溝が形成されていることを特徴とする、仮撚用ディスク本体。
- 中心に軸穴を有する仮撚用ディスク本体において、外周に凹溝が設けられ、該凹溝の両側壁における開口部側部分には一または複数の摩擦リング抜止め用突起が設けられていることを特徴とする、仮撚用ディスク本体。
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