JP2004056914A - 駆動装置、その駆動装置を備えるレンズユニット及び撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電素子の温度上昇による該圧電素子の消費電流の増加を防止し、圧電素子の破壊や電源の大型化を防止することのできる駆動装置を提供する。
【解決手段】電源Vpと駆動回路部221との間に、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備える供給電流安定化回路部2221を設けた。供給電流安定化回路部2221において、圧電素子28の温度が上昇し、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを超えると、電流制限回路部2221aから供給される電流ILMより大きな電流がコンデンサCから圧電素子28に流れ、コンデンサCの電圧VCが低下する。この電圧VCの低下にともなって、圧電素子28の消費電流も小さくなり、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMとなる状態(コンデンサCからの供給電流はゼロ)に速やかに収束する。
【選択図】 図7
【解決手段】電源Vpと駆動回路部221との間に、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備える供給電流安定化回路部2221を設けた。供給電流安定化回路部2221において、圧電素子28の温度が上昇し、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを超えると、電流制限回路部2221aから供給される電流ILMより大きな電流がコンデンサCから圧電素子28に流れ、コンデンサCの電圧VCが低下する。この電圧VCの低下にともなって、圧電素子28の消費電流も小さくなり、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMとなる状態(コンデンサCからの供給電流はゼロ)に速やかに収束する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧の印加による圧電素子の伸縮動作を利用して、被駆動部材を駆動する駆動装置、その駆動装置を備えるレンズユニット及び撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動電圧の印加による圧電素子の伸縮動作を利用して、被駆動部材を一定の直線上で往復動させるインパクト型アクチュエータが知られている。
【0003】
このアクチュエータは、例えば図12に示すように、複数枚の圧電基板が電極を介して積層してなる電気機械変換素子としての圧電素子101と、圧電素子101により駆動される棒状の駆動部材102と、駆動部材102に所定の摩擦力で結合された係合部材103と、圧電素子101に駆動電圧を印加する駆動回路部104とを備えて構成され、圧電素子101の伸縮動作、さらには駆動回路部104からの制御信号に対応する上記伸縮動作のスピードに応じて、駆動部材102が係合部材103と連動して、あるいは係合部材103に対してスリップすることにより、係合部材103に固着された駆動対象物である撮影レンズ等を間欠的に軸方向に移動させるようになっている。
【0004】
この種のアクチュエータにおいて採用される駆動回路部104として、例えば図13に示す構成を備えたものがある。
【0005】
図13に示すように、駆動回路部104は、例えばNチャネルMOS−FET等のスイッチング素子Q1’〜Q4’を備えて構成される4つのスイッチ回路1041〜1044が圧電素子101に対してブリッジ接続され、各スイッチ回路1041〜1044に駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御回路1045によって、ブリッジの対角に位置する一対のスイッチ回路でそれぞれ構成される2つの駆動回路(スイッチ回路1041,1044で構成される駆動回路とスイッチ回路1042,1043で構成される駆動回路)を交互にオンオフ制御することで、電源電圧Vpを交番する矩形波電圧に変換し、この矩形波電圧を圧電素子101に印加するものである。
【0006】
また、圧電素子101は、上記交番電圧により充放電を繰り返すコンデンサとして動作する。すなわち、一方の駆動回路がON(他方の駆動回路はOFF)し、圧電素子101に一方向から駆動電圧が印加されると、圧電素子101の端子間電圧の大きさが略電源電圧Vpとなるまで圧電素子101の両端子に電荷が充電され、その後、他方の駆動回路がON(上記一方の駆動回路はOFF)し、圧電素子101に逆方向から駆動電圧が印加されると、圧電素子101の両端子に充電された上記電荷が放電して両端子が等電位(電圧0)となる状態を経て、圧電素子101の端子間電圧の大きさが略電源電圧Vpとなるまで圧電素子101の両端子に電荷が逆向きに充電される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電素子101は、電圧が印加されると各圧電基板が分極し伸縮することにより該圧電素子101が発熱し温度が上昇するとともに、その温度上昇に伴って圧電素子101の静電容量、延いては消費電流が増加する。また、図9の例えば直線Aに示すように、圧電素子101に印加される駆動電圧と圧電素子101の消費電流とは比例する。これらのことから、圧電素子101に一定の駆動電圧を印加し続けると、圧電素子101の温度が上昇し、静電容量が増加することによって圧電素子101の消費電流は増加する。
【0008】
従来では、圧電素子101の温度が上昇しても一定の駆動電圧を圧電素子101に印加していたので、この圧電素子101の温度上昇により圧電素子101の消費電流が増加し、この消費電流の増加により圧電素子101の発熱量が増加する(圧電素子101の温度が上昇する)。このように、圧電素子101の消費電流の増加と圧電素子101の温度上昇とが相互に因果関係を有することにより、圧電素子101の温度が非常に高温となり、その結果、圧電素子101の破壊を招く虞がある。
【0009】
たとえ圧電素子101が破壊しないとしても、圧電素子101に電流を供給する電源Vpを、温度上昇により増大した消費電流を供給することができるように大型化しなければならず、この電源Vpの大型化に起因してコストが増大する。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、圧電素子の温度上昇による該圧電素子の消費電流の増加を抑制することにより、圧電素子の破壊や電源の大型化を回避することのできる駆動装置、その駆動装置を備えるレンズユニット及び撮影装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、駆動電圧が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子と、上限値を所定値に制限して出力端子から電流を出力する供給電流制限回路と、前記出力端子に接続されるコンデンサと、前記出力端子に生じる電圧を前記電気機械変換素子に印加させて、該電気機械変換素子を駆動する駆動回路とを備えることを特徴とする駆動装置である。
【0012】
この発明によれば、電源から供給電流制限回路を介してコンデンサに電流が供給されることにより、コンデンサに所定の電圧が生じ、この電圧が、電気機械変換素子を駆動するための駆動電圧として該電気機械変換素子に供給される。
【0013】
供給された電圧により電気機械変換素子が駆動し、該電気機械変換素子に温度上昇が生じると、電気機械変換素子の消費電流が増加する。その場合に、電気機械変換素子の消費電流が上記所定値を超えると、供給電流制限回路からコンデンサに供給される電流より大きな電流がコンデンサから電気機械変換素子に流出するため、コンデンサの電圧が低下する。コンデンサの電圧が低下すると、電気機械変換素子に供給される駆動電圧も小さくなり、それに伴って電気機械変換素子の消費電流が小さくなる。そして、供給電流制限回路からコンデンサに供給される電流とコンデンサから電気機械変換素子に供給される電流とが平衡する状態に収束する。
【0014】
したがって、上記所定値(供給電流制限回路による電流制限値)を電気機械変換素子への供給が許容される電流(許容電流)の上限値に設定することにより、電気機械変換素子の温度上昇により電気機械変換素子の消費電流が瞬間的に増加しても、速やかに電気機械変換素子の消費電流が上記許容電流の上限値まで低下する。これにより、電気機械変換素子の消費電流の増加が防止される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動装置において、前記駆動回路は、直列に接続された第1及び第2スイッチと、直列に接続された第3及び第4スイッチとを備え、前記電気機械変換素子は、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に接続され、前記第1及び第3スイッチと前記第2及び第4スイッチとが交互にオンオフすることにより、前記駆動電圧は、極性を繰り返し反転して前記電気機械変換素子に印加されることを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の駆動装置において、前記電気機械変換素子は、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を該各圧電基板間に電極を介して積層した圧電素子であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、レンズと、前記レンズを所定の方向に駆動するための請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記電気機械変換素子の駆動力を前記レンズに伝達するための駆動力伝達部材とを備えるレンズユニットである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、被写体の光像を撮影する撮影手段と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置により駆動されるレンズを含み、前記撮影手段に前記被写体の光像を導く光学系と、撮影の指示を行うための撮影指示手段とを備えてなる撮影装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1、図2に示すように、デジタルカメラ1は、カメラ本体部2に、レンズユニット3、シャッターボタン4、光学ファインダ5、フラッシュ6、LCD(Liquid Crystal Display)7、機能スイッチ8、電源ボタン9、カードスロット10及びモード設定スイッチ11を備えている。
【0021】
レンズユニット3は、カメラ本体部2の前面右側に配設されており、被写体の光像を取り込むものである。レンズユニット3は、後述するように、ズームレンズやフォーカスレンズ等からなり、駆動装置20(図5参照)の駆動によりズームや焦点調節を行う。
【0022】
シャッターボタン4は、カメラ本体部2の背面側の上面右端部に配設されており、撮影モード中に半押しされると、撮影準備処理(主として被写体輝度を検出して露出制御値を設定するとともに、被写体距離を検出してレンズユニット3の焦点調節を行う処理)が行われ、全押しされると、設定された露出制御値で撮影処理が行われる。
【0023】
光学ファインダ5は、カメラ本体部2の背面左側上部に配設されており、撮影者が撮影画角を視認する接眼窓である。
【0024】
フラッシュ6(内蔵フラッシュ)は、カメラ本体部2の前面中央上部に配設されており、被写体からの光量が不足する場合などに図略の放電灯を放電させることにより被写体に照明光を照射するものである。
【0025】
LCD7は、カメラ本体部2の背面略中央部に配設されており、撮影画像のモニタ表示及び記録画像の再生表示等を行うものである。
【0026】
機能スイッチ8は、LCD7の右側方に配設されており、レンズユニット3のワイド方向又はテレ方向のズーム駆動等を行うためのスイッチである。
【0027】
電源ボタン9は、カメラ本体部2の背面上部であって機能スイッチ8の左側に配設されており、押圧する毎に主電源のON/OFFが交互に切り換わるようになっている。
【0028】
カードスロット10は、カメラ本体部2の一方側面に設けられており、複数の半導体記憶素子からなるメモリカードMが装着される。
【0029】
モード設定スイッチ11は、カメラ本体部2の背面上部に配設されており、上下にスライドする2接点式のスライドスイッチからなる。モード設定スイッチ11をAの位置にセットすると、デジタルカメラ1は被写体の撮影を行う撮影モードに、Bの位置にセットするとメモリカードMに記録された撮影画像をLCD7に再生表示する再生モードに設定される。
【0030】
次に、レンズユニット3の構成について説明する。図3は、レンズユニット3の内部構成を示す斜視図である。
【0031】
図3に示すように、レンズユニット3は、被写体側から1群レンズ301、2群レンズ302、3群レンズ303が光軸を一致させて配列されてなり、これらのレンズ301〜303を介して撮像素子12(図4参照)に被写体の光像を導くように構成されている。
【0032】
レンズ301〜303は、それぞれ支持部材304〜306に支持されている。支持部材304,305には、棒状のガイド部材307が貫通されているとともに、支持部材304,305の適所に設けられた係合部304a,305aがカム部材308のガイド溝308a,308bに係合している。3群レンズ303及びその支持部材306は、撮像素子12を支持する固定部材13に固定されている。カム部材308に形成されている嵌合穴308cは、カメラ本体部2に固設された図略の軸に嵌合している。
【0033】
2群レンズ302を支持する支持部材305には、インパクト型圧電アクチュエータからなる後述の駆動ユニット21が取り付けられており、2群レンズ302はこの駆動ユニット21を含む後述の駆動装置20(図5参照)により支持部材305を介して光軸方向に駆動される。また、カム部材308のガイド溝308aは湾曲線状に、ガイド溝308bは直線状に形成され、且つ、ガイド溝308a,308bは、2群レンズ302の駆動に伴って、係合部305aとガイド溝308bとの係合構造を介してカム部材308が嵌合穴308cを中心として回動し、ガイド溝308a,308b内を移動する係合部304a,305aの離間距離が変化するように形成されている。これにより、1群レンズ301は、2群レンズ302の駆動に連動し、且つその駆動方向に応じて2群レンズ302に近接又は離反する。
【0034】
すなわち、図4において、(b)に示す状態を標準とすると、(a)に示すように、駆動装置20により2群レンズ302をテレ(望遠)方向に駆動したとき、1群レンズ301は2群レンズ302に近接する一方、(c)に示すように、駆動装置20により2群レンズ302をワイド(広角)方向に駆動したとき、1群レンズ301は2群レンズ302に離反する。ガイド部材308のガイド溝308a,308bの形状は、図4に示す1群レンズ301の軌跡R1及び2群レンズ302の軌跡R2に基づいて形成されている。
【0035】
図5は、駆動装置20の基本構成を概略的に示すブロック図である。この図において、駆動装置20は、駆動ユニット21と、駆動ユニット21を駆動する駆動部22と、駆動ユニット21に取り付けられている係合部材30の位置を検出する部材センサ23と、駆動ユニット21の基端に配設された基端センサ24と、駆動ユニット21の先端に配設された先端センサ25と、全体の動作を制御する制御部26とを備えている。
【0036】
図6は、駆動ユニット21のより具体的な構成を示す斜視図である。この図において、駆動ユニット21は、素子固定式構造のものであり、支持部材27、圧電素子28、駆動部材29及び係合部材30を備えて構成されている。
【0037】
支持部材27は、カメラ本体部2に固定され、圧電素子28及び駆動部材29を保持するものである。支持部材27は、円柱体の軸方向両端部271,272及び略中央の仕切壁273を残して内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間274及び第2の収容空間275を有している。第1の収容空間274には、圧電素子28がその分極方向である伸縮方向を支持部材27の軸方向と一致させて収容されている。第2の収容空間275には、駆動部材29と係合部材30の一部とが収容されている。なお、図5においては、支持部材27は一部を表記している。
【0038】
圧電素子28は、例えば、所要の厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に図略の電極を介して積層することにより構成したものであり、その伸縮方向(積層方向)である長手方向の一方端面が第1の収容空間274の一方端部271側端面に固着されている。支持部材27の他方の端部272及び仕切壁273には中心位置に丸孔が穿設されると共に、この両丸孔を貫通して断面丸形状の棒状の駆動部材29が第2収容空間275に軸方向に沿って移動可能に収容されている。このような積層型圧電素子は、バイモルフと比較すると弾性スチフネスが大きいために共振周波数が高く、そのため応答速度が大きいという有利な効果がある。さらに、積層型圧電素子は、バイモルフと比較すると、発生力も桁違いに大きいという有利な効果がある。圧電基板の厚みは、仕様から必要とされる伸縮量、積層数及び印加電圧などにより決定される。
【0039】
駆動部材29の第1の収容空間274内に突出した端部は圧電素子28の他方側面に固着され、駆動部材29の第2の収容空間275の外部に突出した端部は板ばね31により所要のばね圧で圧電素子28側に付勢されている。この板ばね31による駆動部材29への付勢は、圧電素子28の伸縮動作に基づく駆動部材29の軸方向変位を安定化させるためである。
【0040】
係合部材30は、駆動部材29の軸方向の両側に取付部30aを有する基部30bと、両取付部30aの間に装着される挟み込み部材30cとを備えており、基部30bが駆動部材29に遊嵌されると共に、挟み込み部材30cが板ばね30dにより押圧されることにより駆動部材29に接触することで係合部材30が所定の摩擦力で駆動部材29に結合され、係合部材30に対してその摩擦力よりも大きな駆動力が作用したときに駆動部材29の軸方向に沿って移動可能とされている。なお、係合部材30には駆動対象物である2群レンズ32(図3)が取り付けられている。
【0041】
図5に戻り、部材センサ23は、係合部材30の移動可能範囲内に配設されており、MRE(Magneto Resistive Effect)素子やPSD(Position SensitiveDevice)素子等のセンサにより構成されている。また、基端センサ24及び先端センサ25は、フォトインタラプタ等のセンサにより構成されている。これにより、係合部材30の所定位置への移動制御が可能となる一方、係合部材30の位置が基端センサ24及び先端センサ25で検出されることで係合部材30のそれ以上の移動が禁止される。
【0042】
制御部26は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、処理プログラム及びデータが記憶されたROM(Read Only Memory)及びデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)から構成されており、部材センサ23等から入力される信号に基づいて後述の制御回路223(図7参照)から駆動パルスを出力させ、この駆動パルスにより駆動部22の後述する第1、第2の駆動回路を交互に駆動する。
【0043】
図7は、駆動部22の構成例を示す図である。
【0044】
駆動部22は、駆動回路部221と、電力供給部222と、駆動回路部221及び電力供給部222の動作を制御する制御回路223とを備える。
【0045】
駆動回路部221は、電力供給部222から駆動電圧+VC(後述するコンデンサCの電圧)が供給される接続点aと、接地される接続点bとの間に、電界効果トランジスタの一例としてのMOS−FETであるスイッチング素子Q1やダイオードD1等からなる第1スイッチ回路2211と、MOS−FETであるスイッチング素子Q2やダイオードD2等からなる第2スイッチ回路2212との直列回路と、MOS−FETであるスイッチング素子Q3やダイオードD3等からなる第3スイッチ回路2213と、MOS−FETであるスイッチング素子Q4やダイオードD4等からなる第4スイッチ回路2214との直列回路とが並列接続されており、各スイッチ回路221〜224に駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御信号供給手段としての制御回路223が、MOSFETドライバ2215を介して接続されて構成されている。MOSFETドライバ2215は、制御回路223からの信号を駆動電圧VCより充分高い電圧にレベルシフトする回路である。
【0046】
スイッチング素子Q1〜Q4は、本実施形態ではNチャネルFETで構成されており、駆動制御信号がハイレベルのときにオンとなる。第1スイッチ回路2211及び第2スイッチ回路2212の接続点cと、第3スイッチ回路2213及び第4スイッチ回路2214の接続点dとの間に圧電素子28が接続されてブリッジ回路226が構成されている。なお、ダイオードD1及びダイオードD3は、アノードがスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のソースに、カソードがスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のドレインに接続されているとともに、ダイオードD2及びダイオードD4は、アノードがスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4のソースに、カソードがスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4のドレインに接続されている。
【0047】
このように構成された駆動回路部221において、第1スイッチ回路2211及び第4スイッチ回路2214は圧電素子28に対し、その一方側から駆動電圧+VCを印加して端子間電圧Vsが+VCとなるまで充電する第1の駆動回路を構成する。また、第2スイッチ回路2212及び第3スイッチ回路2213は圧電素子28に対し、その他方側から(すなわち、逆方向から)駆動電圧+VCを印加して端子間電圧Vsが−VCとなるまで充電する第2の駆動回路を構成する。
【0048】
このように第1〜第4スイッチ回路2211〜2214と圧電素子28とでブリッジ回路226を構成した場合、圧電素子28には−VC〜+VCの電圧が印加されるので、圧電素子28の駆動電圧が等価的に2VCとなる結果、駆動電源が低電圧のものであっても変位量の大きい駆動装置20が得られる。
【0049】
ここで、圧電素子28に印加される駆動電圧のパルス波形と、圧電素子28の伸縮による変位との対応関係について説明する。
【0050】
図8は、駆動電圧のパルス波形の一例と、この駆動電圧による圧電素子28の変位とを示す図である。なお、圧電素子28の変位は、レーザードップラー振動系により測定したものである。
【0051】
このように、圧電素子28に図8に示す駆動電圧が印加された場合、圧電素子28の変位波形は、鋸歯形状となることが確認されており、特に図8の場合にあっては、立ち上がり部は緩慢に、立ち下がり部は急峻となっている。なお、立ち上がり部及び立ち下がり部の勾配は、駆動電圧のパルス波形のONデューティ等のパラメータに応じて変化することも確認されている。
【0052】
圧電素子28の変位が図8に示すような緩慢な立ち上がり部を有する波形を呈するとき(すなわち、圧電素子28が緩やかに伸長するとき)は、係合部材30が駆動部材29とともに繰込方向(図3右方向)に移動する。一方、圧電素子28の変位急峻な立ち下がり部を有する波形を呈するとき(すなわち、圧電素子28が急激に縮小するとき)は、駆動部材29が戻り方向に移動しても係合部材30は駆動部材29上をスリップして略同位置に止まることになるため、図8に示す駆動電圧が圧電素子28に繰り返し印加されることで、係合部材30は繰込方向(図3右方向)に間欠的に移動することになる。
【0053】
なお、このように図8に示すような駆動電圧が圧電素子28に印加された場合に、圧電素子28の変位波形が鋸歯形状となるのは、次のような理由による。
【0054】
すなわち、矩形波は基本波である正弦波と複数次の高調波とからなるものであるが、駆動電圧の駆動周波数が圧電素子28の共振周波数に対して所定の範囲にあるとき、共振系における圧電素子28の共振周波数の影響を受けて矩形波を形成している高調波成分のうち3次以上の高次の高調波のゲインが大きく減衰し、圧電素子28に印加される駆動電圧が実質的に基本波と2次高調波とからなる波形(すなわち、略鋸歯形状の波形)を有するものとなるからである。
【0055】
図7に戻り、電力供給部222は、電源Vpと、圧電素子28に供給する電流を安定化するための供給電流安定化回路部2221とからなり、供給電流安定化回路部2221は、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備えて構成されている。
【0056】
電流制限回路部2221aは、トランジスタTr1と、電源VpとトランジスタTr1のエミッタ端子との間に接続された抵抗R1と、制御回路223とトランジスタTr1のベース端子との間に接続された抵抗R2と、エミッタ端子及びベース端子が抵抗R1の端子に接続されるとともにコレクタ端子がトランジスタTr1のベース端子に接続されたトランジスタTr2とから構成されている。
【0057】
電流制限回路部2221aは、駆動回路を動作させる際に制御回路223からローレベル信号が送出されることにより電源VpとコンデンサCとを導通させるスイッチとして動作するとともに、コンデンサCに供給する電流の上限を所定値ILM(mA)に制限する。
【0058】
すなわち、制御回路223からローレベル信号が出力されることによりトランジスタTr1がオンとなり、これにより電源VpとコンデンサCとが導通し、電源Vpから抵抗R1及びトランジスタTr1を介してコンデンサCに電流が供給される。その場合に、抵抗R1を流れる電流IR1が上記所定値ILM以下(IR1≦ILM(mA))のときには、抵抗R1の両端に係る電圧VR1が、トランジスタTr2のベース−エミッタ間の電圧VBE(V)以下(VR1≦VCE(V))となるように抵抗R1の抵抗値が設定されているためトランジスタTr2はオフとなり、電源Vpから供給される電流Iは、そのまま抵抗R1及びトランジスタTr1を介してコンデンサCに流れ込むこととなる。
【0059】
一方、抵抗R1を流れる電流IR1がILM(mA)に達すると、抵抗R1の両端にかかる電圧VR1がトランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧VBEに達するためトランジスタTr2がオンし、そのコレクタ電流が抵抗R2に流れる。それによって、トランジスタTr1のベース電流は減少するため、電流IR1は減少する。その結果、抵抗R1を流れる電流IR1は速やかにILM(mA)となる。この動作により、コンデンサCには略ILM(mA)の電流が略一定して供給されることとなる。
【0060】
コンデンサCは、トランジスタTr1のコレクタ端子とグランドとの間に接続されており、圧電素子28を駆動するための駆動電力を供給する機能を有する。すなわち、コンデンサCは、電流制限回路部2221aから電流が供給されると、電荷が充電されて両極間にその充電電荷に応じた電圧VCが生じる。コンデンサCと駆動回路部221とは接続点Aで接続されているので、いずれか一方の駆動回路がオンすると、コンデンサCの電圧VCが圧電素子28に印加され、これにより駆動電力が圧電素子28に供給される。
【0061】
図9は、圧電素子28が温度tがt1(℃)とt2(℃)との場合におけるコンデンサの電圧VCの変化を示す図である。
【0062】
図9に示すように、コンデンサCの電圧VCは、圧電素子28の温度が一定のときには、駆動回路のオンオフを切り替える周期Tで同様に変化する。また、各周期毎の電圧VCの変化は、駆動回路のオンオフが切り替えられるとコンデンサCから圧電素子28に瞬間的に大きな電流が供給されるため、駆動回路がオンした瞬間に大きく降下し、その後、電流制限回路部2221aから電流IR1(mA)がコンデンサCに供給されて充電されるため、指数関数的に上昇する。
【0063】
次に、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備える供給電流安定化回路部2221の動作を説明する。なお、コンデンサCの電圧VCや圧電素子28に供給される電流ISは、上述のように周期Tの期間の間に変化するが、説明の複雑化を回避するため、コンデンサCの電圧VCや圧電素子28に供給される電流(圧電素子28の消費電流)ISについては各周期の平均値VCAV,ISAVで説明することとする。
【0064】
まず、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMについて説明するため、供給電流安定化回路部2221の基本的な動作について簡単に説明する。
【0065】
圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを超える(ISAV=IOV)と、電流制限回路部2221aから供給される電流ILMより大きな電流がコンデンサCから圧電素子28に流れ、コンデンサCの電圧VCが低下する。この電圧VCの低下にともなって、圧電素子28の消費電流も小さくなり、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMとなる状態(コンデンサCからの供給電流はゼロ)に速やかに収束する。
【0066】
このように供給電流安定化回路部2221は、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを瞬間的に超えても、平均消費電流ISAVを電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMに収束させるように動作する。
【0067】
したがって、圧電素子28の温度上昇により、該圧電素子28の消費電流が上記許容電流の限界値を超えるのを防止するために、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMを上記許容電流の限界値に設定している。
【0068】
今、圧電素子28の温度tがt1(℃)のとき、コンデンサCの平均電圧VCAVが5(V)、圧電素子28の平均消費電流ISAV、及び圧電素子28への許容電流の限界値が100mAである(図10の点aの状態)とし、コンデンサCに供給される電流IR1とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流ICAVとが平衡する平衡状態であるものとする。このとき、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMは100mAに設定されるとともに、電流制限回路部2221aから供給される電流IRは上記上限値ILMと同じ100mAに設定される。
【0069】
この状態から、圧電素子28の温度tがt2(t2>t1)℃に上昇し、図10における圧電素子28に印加される駆動電圧VCと圧電素子28の平均消費電流VCAVとの関係が、特性Aから特性Bに変化したものとする。
【0070】
このとき、コンデンサCの平均電圧VCAVは5(V)であることから、図10から判るように、圧電素子28の平均消費電流ISAVは120mAとなり(図10の点bの状態)、電流制限回路部2221aからコンデンサCに供給される電流100mAより大きな電流120mAがコンデンサCから圧電素子28に流れる。したがって、コンデンサCに供給される電流IR1とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流VCAVとが平衡してコンデンサCの平均電圧VCAVが5(V)に保たれていた状態が崩れ、コンデンサCの平均電圧VCAVは、5Vより小さくなる。そして、コンデンサCの平均電圧VCAVが低下する結果、圧電素子28の平均消費電流ISAVは120mAから小さくなり、最終的に、コンデンサCから圧電素子28への電流の供給が停止(コンデンサCの平均電圧VCAVの電圧降下が停止)し、再びコンデンサCに供給される電流IR1(100mA)とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流ISAVとが平衡する状態に収束する。このとき、図10から、コンデンサCの平均電圧VCAVが4Vに収束することが判る。このコンデンサCの平均電圧VCの低下は、図9のコンデンサCの電圧波形の全体的な低下に相当し、コンデンサCの平均電圧VCAVの低下量5−4=1(V)は、図9のΔVに相当する。また、コンデンサCの平均電圧VCAVの低下は、実際のコンデンサCの電圧VCの変化に換言すると、周期Tの間に駆動電圧VCが駆動回路のオンオフ切替え直前の電圧まで上昇しないことに対応する。すなわち、圧電素子28の温度が上昇すると、低温時の消費電流より大きな電流が圧電素子28に供給されるため、実際のコンデンサCの電圧VCは低温時より大きく降下する。その場合に、電流制限回路部2221aからコンデンサCに供給される電流、及び駆動回路のオンオフ切替え周期Tは、温度上昇の前後で不変であるから、周期Tの間に上昇するコンデンサCの電圧VCの上昇量は、低温時と略同じであり、したがって、コンデンサCの電圧VCが駆動回路のオンオフ切替え直前の電圧まで復帰せず、その電圧より小さな電圧までしか上昇しない。このような実際のコンデンサCの電圧VCの変化により、コンデンサCの平均電圧VCAVが低下する。
【0071】
以上のように、圧電素子28に温度上昇が生じても、低温時(t=t1)の平均消費電流ISAVと同じ電流を略一定して供給することができるから、圧電素子28の消費電流の増加を防止することができ、その結果、消費電流の増加による圧電素子28の破壊や電源Vpの大型化を回避することができる。
【0072】
また、図11に示すように、駆動装置20は、一定の電圧を印加した状態において温度上昇が発生すると、圧電素子28の変位量が増加し、その結果駆動装置20の出力が増加する特性を有するが、本実施形態では、圧電素子28の温度上昇に伴って駆動電圧が低下するため、出力の変化量を、圧電素子28に一定電圧を印加する構成のものに比して低減することができる。なお、上記のように圧電素子28の温度上昇により駆動電圧が低下しても、低温時と略同様の出力が得られることが確認されている。
【0073】
さらに、圧電素子28は静電容量を有する素子(コンデンサ)とみなすことができ、駆動回路のオン直後には圧電素子28に瞬間的に大きな電流が供給されるが、例えばコンデンサCを設けないで電流制限回路部2221aのみから電流を供給するように構成した場合には、電流制限回路部2221aから駆動回路のオンオフ切替え直後の大きな電流が供給できるよう上限値ILMを大きく設定し、電源Vpを大型化する必要が生じるのに対し、本実施形態では、コンデンサCを設け、このコンデンサCから圧電素子28に電流を供給するように構成したことにより、上記のような必要性を生じることなく大きな電流を供給することができる。
【0074】
本発明は、上記実施形態に限らず、次の変形形態(1),(2)を採用し得る。
【0075】
(1)上記実施形態では、抵抗R2の一方の端子を制御回路223に接続したが、グランドに接続してもよい。グランドに接続した場合には、駆動装置における回路部分の構成が簡略化できる一方、上記実施形態のように抵抗R2の一方の端子を制御回路223に接続した場合には、例えば駆動装置を一時的に使用しない場合に、制御回路223からトランジスタTr1のベース端子にハイレベルの信号を出力することによりトランジスタTr1をオフにし、コンデンサC等に供給する電流を遮断することにより、消費電力の低減に貢献することができる。
【0076】
(2)本発明に係る駆動装置を備えたレンズユニット3は、デジタルカメラに限らず、撮影機能を搭載する、パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯電話、あるいはPDA(personal digital assistants)等の電子機器に搭載可能である。
【0077】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電気機械変換素子に温度上昇が生じるとコンデンサの電圧が低下し、電流制限回路からコンデンサに供給される電流とコンデンサから電気機械変換素子に供給される電流とが平衡する状態に収束するようにしたので、電気機械変換素子の消費電流の増加を防止することができ、その結果、電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避することができる。
【0078】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第3スイッチと第2及び第4スイッチとが交互にオンオフすることにより、コンデンサの端子間電圧を、極性を繰り返し反転して電気機械変換素子に印加させる駆動回路を備えた駆動装置が得られる。
【0079】
請求項3に記載の発明によれば、電気機械変換素子を、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を該各圧電基板間に電極を介して積層した圧電素子としたので、応答速度等が大きい駆動装置が得られる。
【0080】
請求項4に記載の発明によれば、レンズと、前記レンズを所定の方向に駆動するための請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記電気機械変換素子の駆動力を前記レンズに伝達するための駆動力伝達部材とを備えるレンズユニットを構成することにより、電気機械変換素子の消費電流の増加による電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避したレンズユニットが得られる。
【0081】
請求項5に記載の発明によれば、被写体の光像を撮影する撮影手段と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置により駆動されるレンズを含み、前記撮影手段に前記被写体の光像を導く光学系と、撮影の指示を行うための撮影指示手段とを備えてなる撮影装置を構成することにより、電気機械変換素子の消費電流の増加による電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避した撮影装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】同じくデジタルカメラの背面図である。
【図3】レンズユニットの内部構成を示す斜視図である。
【図4】駆動装置により駆動されるレンズの移動を示す図である。
【図5】駆動装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】図5に示す駆動装置の駆動部の構成例を示す斜視図である。
【図7】図5に示す駆動装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【図8】駆動電圧のパルス波形の一例と、この駆動電圧による圧電素子の変位とを示す図である。
【図9】圧電素子が温度tがt1(℃)とt2(℃)との場合におけるコンデンサの電圧VCの変化を示す図である。
【図10】圧電素子に印加される駆動電圧VSと圧電素子の平均消費電流VCAVとの関係を示す図である。
【図11】圧電素子の温度と圧電素子の駆動速度(出力)との関係を示す図である。
【図12】従来の駆動装置の構成を概略的に示す図である。
【図13】従来の駆動装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
20 駆動装置
21 駆動ユニット
22 駆動部
221 駆動回路部
222 電力供給部
2221 供給電流安定化回路部
2221a 電流制限回路部
223 制御回路
2211〜2214 第1スイッチ回路〜第4スイッチ回路
28 圧電素子
C コンデンサ
Vp 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧の印加による圧電素子の伸縮動作を利用して、被駆動部材を駆動する駆動装置、その駆動装置を備えるレンズユニット及び撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動電圧の印加による圧電素子の伸縮動作を利用して、被駆動部材を一定の直線上で往復動させるインパクト型アクチュエータが知られている。
【0003】
このアクチュエータは、例えば図12に示すように、複数枚の圧電基板が電極を介して積層してなる電気機械変換素子としての圧電素子101と、圧電素子101により駆動される棒状の駆動部材102と、駆動部材102に所定の摩擦力で結合された係合部材103と、圧電素子101に駆動電圧を印加する駆動回路部104とを備えて構成され、圧電素子101の伸縮動作、さらには駆動回路部104からの制御信号に対応する上記伸縮動作のスピードに応じて、駆動部材102が係合部材103と連動して、あるいは係合部材103に対してスリップすることにより、係合部材103に固着された駆動対象物である撮影レンズ等を間欠的に軸方向に移動させるようになっている。
【0004】
この種のアクチュエータにおいて採用される駆動回路部104として、例えば図13に示す構成を備えたものがある。
【0005】
図13に示すように、駆動回路部104は、例えばNチャネルMOS−FET等のスイッチング素子Q1’〜Q4’を備えて構成される4つのスイッチ回路1041〜1044が圧電素子101に対してブリッジ接続され、各スイッチ回路1041〜1044に駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御回路1045によって、ブリッジの対角に位置する一対のスイッチ回路でそれぞれ構成される2つの駆動回路(スイッチ回路1041,1044で構成される駆動回路とスイッチ回路1042,1043で構成される駆動回路)を交互にオンオフ制御することで、電源電圧Vpを交番する矩形波電圧に変換し、この矩形波電圧を圧電素子101に印加するものである。
【0006】
また、圧電素子101は、上記交番電圧により充放電を繰り返すコンデンサとして動作する。すなわち、一方の駆動回路がON(他方の駆動回路はOFF)し、圧電素子101に一方向から駆動電圧が印加されると、圧電素子101の端子間電圧の大きさが略電源電圧Vpとなるまで圧電素子101の両端子に電荷が充電され、その後、他方の駆動回路がON(上記一方の駆動回路はOFF)し、圧電素子101に逆方向から駆動電圧が印加されると、圧電素子101の両端子に充電された上記電荷が放電して両端子が等電位(電圧0)となる状態を経て、圧電素子101の端子間電圧の大きさが略電源電圧Vpとなるまで圧電素子101の両端子に電荷が逆向きに充電される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電素子101は、電圧が印加されると各圧電基板が分極し伸縮することにより該圧電素子101が発熱し温度が上昇するとともに、その温度上昇に伴って圧電素子101の静電容量、延いては消費電流が増加する。また、図9の例えば直線Aに示すように、圧電素子101に印加される駆動電圧と圧電素子101の消費電流とは比例する。これらのことから、圧電素子101に一定の駆動電圧を印加し続けると、圧電素子101の温度が上昇し、静電容量が増加することによって圧電素子101の消費電流は増加する。
【0008】
従来では、圧電素子101の温度が上昇しても一定の駆動電圧を圧電素子101に印加していたので、この圧電素子101の温度上昇により圧電素子101の消費電流が増加し、この消費電流の増加により圧電素子101の発熱量が増加する(圧電素子101の温度が上昇する)。このように、圧電素子101の消費電流の増加と圧電素子101の温度上昇とが相互に因果関係を有することにより、圧電素子101の温度が非常に高温となり、その結果、圧電素子101の破壊を招く虞がある。
【0009】
たとえ圧電素子101が破壊しないとしても、圧電素子101に電流を供給する電源Vpを、温度上昇により増大した消費電流を供給することができるように大型化しなければならず、この電源Vpの大型化に起因してコストが増大する。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、圧電素子の温度上昇による該圧電素子の消費電流の増加を抑制することにより、圧電素子の破壊や電源の大型化を回避することのできる駆動装置、その駆動装置を備えるレンズユニット及び撮影装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、駆動電圧が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子と、上限値を所定値に制限して出力端子から電流を出力する供給電流制限回路と、前記出力端子に接続されるコンデンサと、前記出力端子に生じる電圧を前記電気機械変換素子に印加させて、該電気機械変換素子を駆動する駆動回路とを備えることを特徴とする駆動装置である。
【0012】
この発明によれば、電源から供給電流制限回路を介してコンデンサに電流が供給されることにより、コンデンサに所定の電圧が生じ、この電圧が、電気機械変換素子を駆動するための駆動電圧として該電気機械変換素子に供給される。
【0013】
供給された電圧により電気機械変換素子が駆動し、該電気機械変換素子に温度上昇が生じると、電気機械変換素子の消費電流が増加する。その場合に、電気機械変換素子の消費電流が上記所定値を超えると、供給電流制限回路からコンデンサに供給される電流より大きな電流がコンデンサから電気機械変換素子に流出するため、コンデンサの電圧が低下する。コンデンサの電圧が低下すると、電気機械変換素子に供給される駆動電圧も小さくなり、それに伴って電気機械変換素子の消費電流が小さくなる。そして、供給電流制限回路からコンデンサに供給される電流とコンデンサから電気機械変換素子に供給される電流とが平衡する状態に収束する。
【0014】
したがって、上記所定値(供給電流制限回路による電流制限値)を電気機械変換素子への供給が許容される電流(許容電流)の上限値に設定することにより、電気機械変換素子の温度上昇により電気機械変換素子の消費電流が瞬間的に増加しても、速やかに電気機械変換素子の消費電流が上記許容電流の上限値まで低下する。これにより、電気機械変換素子の消費電流の増加が防止される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動装置において、前記駆動回路は、直列に接続された第1及び第2スイッチと、直列に接続された第3及び第4スイッチとを備え、前記電気機械変換素子は、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に接続され、前記第1及び第3スイッチと前記第2及び第4スイッチとが交互にオンオフすることにより、前記駆動電圧は、極性を繰り返し反転して前記電気機械変換素子に印加されることを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の駆動装置において、前記電気機械変換素子は、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を該各圧電基板間に電極を介して積層した圧電素子であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、レンズと、前記レンズを所定の方向に駆動するための請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記電気機械変換素子の駆動力を前記レンズに伝達するための駆動力伝達部材とを備えるレンズユニットである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、被写体の光像を撮影する撮影手段と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置により駆動されるレンズを含み、前記撮影手段に前記被写体の光像を導く光学系と、撮影の指示を行うための撮影指示手段とを備えてなる撮影装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1、図2に示すように、デジタルカメラ1は、カメラ本体部2に、レンズユニット3、シャッターボタン4、光学ファインダ5、フラッシュ6、LCD(Liquid Crystal Display)7、機能スイッチ8、電源ボタン9、カードスロット10及びモード設定スイッチ11を備えている。
【0021】
レンズユニット3は、カメラ本体部2の前面右側に配設されており、被写体の光像を取り込むものである。レンズユニット3は、後述するように、ズームレンズやフォーカスレンズ等からなり、駆動装置20(図5参照)の駆動によりズームや焦点調節を行う。
【0022】
シャッターボタン4は、カメラ本体部2の背面側の上面右端部に配設されており、撮影モード中に半押しされると、撮影準備処理(主として被写体輝度を検出して露出制御値を設定するとともに、被写体距離を検出してレンズユニット3の焦点調節を行う処理)が行われ、全押しされると、設定された露出制御値で撮影処理が行われる。
【0023】
光学ファインダ5は、カメラ本体部2の背面左側上部に配設されており、撮影者が撮影画角を視認する接眼窓である。
【0024】
フラッシュ6(内蔵フラッシュ)は、カメラ本体部2の前面中央上部に配設されており、被写体からの光量が不足する場合などに図略の放電灯を放電させることにより被写体に照明光を照射するものである。
【0025】
LCD7は、カメラ本体部2の背面略中央部に配設されており、撮影画像のモニタ表示及び記録画像の再生表示等を行うものである。
【0026】
機能スイッチ8は、LCD7の右側方に配設されており、レンズユニット3のワイド方向又はテレ方向のズーム駆動等を行うためのスイッチである。
【0027】
電源ボタン9は、カメラ本体部2の背面上部であって機能スイッチ8の左側に配設されており、押圧する毎に主電源のON/OFFが交互に切り換わるようになっている。
【0028】
カードスロット10は、カメラ本体部2の一方側面に設けられており、複数の半導体記憶素子からなるメモリカードMが装着される。
【0029】
モード設定スイッチ11は、カメラ本体部2の背面上部に配設されており、上下にスライドする2接点式のスライドスイッチからなる。モード設定スイッチ11をAの位置にセットすると、デジタルカメラ1は被写体の撮影を行う撮影モードに、Bの位置にセットするとメモリカードMに記録された撮影画像をLCD7に再生表示する再生モードに設定される。
【0030】
次に、レンズユニット3の構成について説明する。図3は、レンズユニット3の内部構成を示す斜視図である。
【0031】
図3に示すように、レンズユニット3は、被写体側から1群レンズ301、2群レンズ302、3群レンズ303が光軸を一致させて配列されてなり、これらのレンズ301〜303を介して撮像素子12(図4参照)に被写体の光像を導くように構成されている。
【0032】
レンズ301〜303は、それぞれ支持部材304〜306に支持されている。支持部材304,305には、棒状のガイド部材307が貫通されているとともに、支持部材304,305の適所に設けられた係合部304a,305aがカム部材308のガイド溝308a,308bに係合している。3群レンズ303及びその支持部材306は、撮像素子12を支持する固定部材13に固定されている。カム部材308に形成されている嵌合穴308cは、カメラ本体部2に固設された図略の軸に嵌合している。
【0033】
2群レンズ302を支持する支持部材305には、インパクト型圧電アクチュエータからなる後述の駆動ユニット21が取り付けられており、2群レンズ302はこの駆動ユニット21を含む後述の駆動装置20(図5参照)により支持部材305を介して光軸方向に駆動される。また、カム部材308のガイド溝308aは湾曲線状に、ガイド溝308bは直線状に形成され、且つ、ガイド溝308a,308bは、2群レンズ302の駆動に伴って、係合部305aとガイド溝308bとの係合構造を介してカム部材308が嵌合穴308cを中心として回動し、ガイド溝308a,308b内を移動する係合部304a,305aの離間距離が変化するように形成されている。これにより、1群レンズ301は、2群レンズ302の駆動に連動し、且つその駆動方向に応じて2群レンズ302に近接又は離反する。
【0034】
すなわち、図4において、(b)に示す状態を標準とすると、(a)に示すように、駆動装置20により2群レンズ302をテレ(望遠)方向に駆動したとき、1群レンズ301は2群レンズ302に近接する一方、(c)に示すように、駆動装置20により2群レンズ302をワイド(広角)方向に駆動したとき、1群レンズ301は2群レンズ302に離反する。ガイド部材308のガイド溝308a,308bの形状は、図4に示す1群レンズ301の軌跡R1及び2群レンズ302の軌跡R2に基づいて形成されている。
【0035】
図5は、駆動装置20の基本構成を概略的に示すブロック図である。この図において、駆動装置20は、駆動ユニット21と、駆動ユニット21を駆動する駆動部22と、駆動ユニット21に取り付けられている係合部材30の位置を検出する部材センサ23と、駆動ユニット21の基端に配設された基端センサ24と、駆動ユニット21の先端に配設された先端センサ25と、全体の動作を制御する制御部26とを備えている。
【0036】
図6は、駆動ユニット21のより具体的な構成を示す斜視図である。この図において、駆動ユニット21は、素子固定式構造のものであり、支持部材27、圧電素子28、駆動部材29及び係合部材30を備えて構成されている。
【0037】
支持部材27は、カメラ本体部2に固定され、圧電素子28及び駆動部材29を保持するものである。支持部材27は、円柱体の軸方向両端部271,272及び略中央の仕切壁273を残して内部を刳り貫くことにより形成された第1の収容空間274及び第2の収容空間275を有している。第1の収容空間274には、圧電素子28がその分極方向である伸縮方向を支持部材27の軸方向と一致させて収容されている。第2の収容空間275には、駆動部材29と係合部材30の一部とが収容されている。なお、図5においては、支持部材27は一部を表記している。
【0038】
圧電素子28は、例えば、所要の厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に図略の電極を介して積層することにより構成したものであり、その伸縮方向(積層方向)である長手方向の一方端面が第1の収容空間274の一方端部271側端面に固着されている。支持部材27の他方の端部272及び仕切壁273には中心位置に丸孔が穿設されると共に、この両丸孔を貫通して断面丸形状の棒状の駆動部材29が第2収容空間275に軸方向に沿って移動可能に収容されている。このような積層型圧電素子は、バイモルフと比較すると弾性スチフネスが大きいために共振周波数が高く、そのため応答速度が大きいという有利な効果がある。さらに、積層型圧電素子は、バイモルフと比較すると、発生力も桁違いに大きいという有利な効果がある。圧電基板の厚みは、仕様から必要とされる伸縮量、積層数及び印加電圧などにより決定される。
【0039】
駆動部材29の第1の収容空間274内に突出した端部は圧電素子28の他方側面に固着され、駆動部材29の第2の収容空間275の外部に突出した端部は板ばね31により所要のばね圧で圧電素子28側に付勢されている。この板ばね31による駆動部材29への付勢は、圧電素子28の伸縮動作に基づく駆動部材29の軸方向変位を安定化させるためである。
【0040】
係合部材30は、駆動部材29の軸方向の両側に取付部30aを有する基部30bと、両取付部30aの間に装着される挟み込み部材30cとを備えており、基部30bが駆動部材29に遊嵌されると共に、挟み込み部材30cが板ばね30dにより押圧されることにより駆動部材29に接触することで係合部材30が所定の摩擦力で駆動部材29に結合され、係合部材30に対してその摩擦力よりも大きな駆動力が作用したときに駆動部材29の軸方向に沿って移動可能とされている。なお、係合部材30には駆動対象物である2群レンズ32(図3)が取り付けられている。
【0041】
図5に戻り、部材センサ23は、係合部材30の移動可能範囲内に配設されており、MRE(Magneto Resistive Effect)素子やPSD(Position SensitiveDevice)素子等のセンサにより構成されている。また、基端センサ24及び先端センサ25は、フォトインタラプタ等のセンサにより構成されている。これにより、係合部材30の所定位置への移動制御が可能となる一方、係合部材30の位置が基端センサ24及び先端センサ25で検出されることで係合部材30のそれ以上の移動が禁止される。
【0042】
制御部26は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、処理プログラム及びデータが記憶されたROM(Read Only Memory)及びデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)から構成されており、部材センサ23等から入力される信号に基づいて後述の制御回路223(図7参照)から駆動パルスを出力させ、この駆動パルスにより駆動部22の後述する第1、第2の駆動回路を交互に駆動する。
【0043】
図7は、駆動部22の構成例を示す図である。
【0044】
駆動部22は、駆動回路部221と、電力供給部222と、駆動回路部221及び電力供給部222の動作を制御する制御回路223とを備える。
【0045】
駆動回路部221は、電力供給部222から駆動電圧+VC(後述するコンデンサCの電圧)が供給される接続点aと、接地される接続点bとの間に、電界効果トランジスタの一例としてのMOS−FETであるスイッチング素子Q1やダイオードD1等からなる第1スイッチ回路2211と、MOS−FETであるスイッチング素子Q2やダイオードD2等からなる第2スイッチ回路2212との直列回路と、MOS−FETであるスイッチング素子Q3やダイオードD3等からなる第3スイッチ回路2213と、MOS−FETであるスイッチング素子Q4やダイオードD4等からなる第4スイッチ回路2214との直列回路とが並列接続されており、各スイッチ回路221〜224に駆動制御信号Sc1,Sc2,Sc3,Sc4を供給する制御信号供給手段としての制御回路223が、MOSFETドライバ2215を介して接続されて構成されている。MOSFETドライバ2215は、制御回路223からの信号を駆動電圧VCより充分高い電圧にレベルシフトする回路である。
【0046】
スイッチング素子Q1〜Q4は、本実施形態ではNチャネルFETで構成されており、駆動制御信号がハイレベルのときにオンとなる。第1スイッチ回路2211及び第2スイッチ回路2212の接続点cと、第3スイッチ回路2213及び第4スイッチ回路2214の接続点dとの間に圧電素子28が接続されてブリッジ回路226が構成されている。なお、ダイオードD1及びダイオードD3は、アノードがスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のソースに、カソードがスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3のドレインに接続されているとともに、ダイオードD2及びダイオードD4は、アノードがスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4のソースに、カソードがスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4のドレインに接続されている。
【0047】
このように構成された駆動回路部221において、第1スイッチ回路2211及び第4スイッチ回路2214は圧電素子28に対し、その一方側から駆動電圧+VCを印加して端子間電圧Vsが+VCとなるまで充電する第1の駆動回路を構成する。また、第2スイッチ回路2212及び第3スイッチ回路2213は圧電素子28に対し、その他方側から(すなわち、逆方向から)駆動電圧+VCを印加して端子間電圧Vsが−VCとなるまで充電する第2の駆動回路を構成する。
【0048】
このように第1〜第4スイッチ回路2211〜2214と圧電素子28とでブリッジ回路226を構成した場合、圧電素子28には−VC〜+VCの電圧が印加されるので、圧電素子28の駆動電圧が等価的に2VCとなる結果、駆動電源が低電圧のものであっても変位量の大きい駆動装置20が得られる。
【0049】
ここで、圧電素子28に印加される駆動電圧のパルス波形と、圧電素子28の伸縮による変位との対応関係について説明する。
【0050】
図8は、駆動電圧のパルス波形の一例と、この駆動電圧による圧電素子28の変位とを示す図である。なお、圧電素子28の変位は、レーザードップラー振動系により測定したものである。
【0051】
このように、圧電素子28に図8に示す駆動電圧が印加された場合、圧電素子28の変位波形は、鋸歯形状となることが確認されており、特に図8の場合にあっては、立ち上がり部は緩慢に、立ち下がり部は急峻となっている。なお、立ち上がり部及び立ち下がり部の勾配は、駆動電圧のパルス波形のONデューティ等のパラメータに応じて変化することも確認されている。
【0052】
圧電素子28の変位が図8に示すような緩慢な立ち上がり部を有する波形を呈するとき(すなわち、圧電素子28が緩やかに伸長するとき)は、係合部材30が駆動部材29とともに繰込方向(図3右方向)に移動する。一方、圧電素子28の変位急峻な立ち下がり部を有する波形を呈するとき(すなわち、圧電素子28が急激に縮小するとき)は、駆動部材29が戻り方向に移動しても係合部材30は駆動部材29上をスリップして略同位置に止まることになるため、図8に示す駆動電圧が圧電素子28に繰り返し印加されることで、係合部材30は繰込方向(図3右方向)に間欠的に移動することになる。
【0053】
なお、このように図8に示すような駆動電圧が圧電素子28に印加された場合に、圧電素子28の変位波形が鋸歯形状となるのは、次のような理由による。
【0054】
すなわち、矩形波は基本波である正弦波と複数次の高調波とからなるものであるが、駆動電圧の駆動周波数が圧電素子28の共振周波数に対して所定の範囲にあるとき、共振系における圧電素子28の共振周波数の影響を受けて矩形波を形成している高調波成分のうち3次以上の高次の高調波のゲインが大きく減衰し、圧電素子28に印加される駆動電圧が実質的に基本波と2次高調波とからなる波形(すなわち、略鋸歯形状の波形)を有するものとなるからである。
【0055】
図7に戻り、電力供給部222は、電源Vpと、圧電素子28に供給する電流を安定化するための供給電流安定化回路部2221とからなり、供給電流安定化回路部2221は、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備えて構成されている。
【0056】
電流制限回路部2221aは、トランジスタTr1と、電源VpとトランジスタTr1のエミッタ端子との間に接続された抵抗R1と、制御回路223とトランジスタTr1のベース端子との間に接続された抵抗R2と、エミッタ端子及びベース端子が抵抗R1の端子に接続されるとともにコレクタ端子がトランジスタTr1のベース端子に接続されたトランジスタTr2とから構成されている。
【0057】
電流制限回路部2221aは、駆動回路を動作させる際に制御回路223からローレベル信号が送出されることにより電源VpとコンデンサCとを導通させるスイッチとして動作するとともに、コンデンサCに供給する電流の上限を所定値ILM(mA)に制限する。
【0058】
すなわち、制御回路223からローレベル信号が出力されることによりトランジスタTr1がオンとなり、これにより電源VpとコンデンサCとが導通し、電源Vpから抵抗R1及びトランジスタTr1を介してコンデンサCに電流が供給される。その場合に、抵抗R1を流れる電流IR1が上記所定値ILM以下(IR1≦ILM(mA))のときには、抵抗R1の両端に係る電圧VR1が、トランジスタTr2のベース−エミッタ間の電圧VBE(V)以下(VR1≦VCE(V))となるように抵抗R1の抵抗値が設定されているためトランジスタTr2はオフとなり、電源Vpから供給される電流Iは、そのまま抵抗R1及びトランジスタTr1を介してコンデンサCに流れ込むこととなる。
【0059】
一方、抵抗R1を流れる電流IR1がILM(mA)に達すると、抵抗R1の両端にかかる電圧VR1がトランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧VBEに達するためトランジスタTr2がオンし、そのコレクタ電流が抵抗R2に流れる。それによって、トランジスタTr1のベース電流は減少するため、電流IR1は減少する。その結果、抵抗R1を流れる電流IR1は速やかにILM(mA)となる。この動作により、コンデンサCには略ILM(mA)の電流が略一定して供給されることとなる。
【0060】
コンデンサCは、トランジスタTr1のコレクタ端子とグランドとの間に接続されており、圧電素子28を駆動するための駆動電力を供給する機能を有する。すなわち、コンデンサCは、電流制限回路部2221aから電流が供給されると、電荷が充電されて両極間にその充電電荷に応じた電圧VCが生じる。コンデンサCと駆動回路部221とは接続点Aで接続されているので、いずれか一方の駆動回路がオンすると、コンデンサCの電圧VCが圧電素子28に印加され、これにより駆動電力が圧電素子28に供給される。
【0061】
図9は、圧電素子28が温度tがt1(℃)とt2(℃)との場合におけるコンデンサの電圧VCの変化を示す図である。
【0062】
図9に示すように、コンデンサCの電圧VCは、圧電素子28の温度が一定のときには、駆動回路のオンオフを切り替える周期Tで同様に変化する。また、各周期毎の電圧VCの変化は、駆動回路のオンオフが切り替えられるとコンデンサCから圧電素子28に瞬間的に大きな電流が供給されるため、駆動回路がオンした瞬間に大きく降下し、その後、電流制限回路部2221aから電流IR1(mA)がコンデンサCに供給されて充電されるため、指数関数的に上昇する。
【0063】
次に、電流制限回路部2221aとコンデンサCとを備える供給電流安定化回路部2221の動作を説明する。なお、コンデンサCの電圧VCや圧電素子28に供給される電流ISは、上述のように周期Tの期間の間に変化するが、説明の複雑化を回避するため、コンデンサCの電圧VCや圧電素子28に供給される電流(圧電素子28の消費電流)ISについては各周期の平均値VCAV,ISAVで説明することとする。
【0064】
まず、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMについて説明するため、供給電流安定化回路部2221の基本的な動作について簡単に説明する。
【0065】
圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを超える(ISAV=IOV)と、電流制限回路部2221aから供給される電流ILMより大きな電流がコンデンサCから圧電素子28に流れ、コンデンサCの電圧VCが低下する。この電圧VCの低下にともなって、圧電素子28の消費電流も小さくなり、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMとなる状態(コンデンサCからの供給電流はゼロ)に速やかに収束する。
【0066】
このように供給電流安定化回路部2221は、圧電素子28の平均消費電流ISAVが上限値ILMを瞬間的に超えても、平均消費電流ISAVを電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMに収束させるように動作する。
【0067】
したがって、圧電素子28の温度上昇により、該圧電素子28の消費電流が上記許容電流の限界値を超えるのを防止するために、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMを上記許容電流の限界値に設定している。
【0068】
今、圧電素子28の温度tがt1(℃)のとき、コンデンサCの平均電圧VCAVが5(V)、圧電素子28の平均消費電流ISAV、及び圧電素子28への許容電流の限界値が100mAである(図10の点aの状態)とし、コンデンサCに供給される電流IR1とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流ICAVとが平衡する平衡状態であるものとする。このとき、電流制限回路部2221aによる電流制限の上限値ILMは100mAに設定されるとともに、電流制限回路部2221aから供給される電流IRは上記上限値ILMと同じ100mAに設定される。
【0069】
この状態から、圧電素子28の温度tがt2(t2>t1)℃に上昇し、図10における圧電素子28に印加される駆動電圧VCと圧電素子28の平均消費電流VCAVとの関係が、特性Aから特性Bに変化したものとする。
【0070】
このとき、コンデンサCの平均電圧VCAVは5(V)であることから、図10から判るように、圧電素子28の平均消費電流ISAVは120mAとなり(図10の点bの状態)、電流制限回路部2221aからコンデンサCに供給される電流100mAより大きな電流120mAがコンデンサCから圧電素子28に流れる。したがって、コンデンサCに供給される電流IR1とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流VCAVとが平衡してコンデンサCの平均電圧VCAVが5(V)に保たれていた状態が崩れ、コンデンサCの平均電圧VCAVは、5Vより小さくなる。そして、コンデンサCの平均電圧VCAVが低下する結果、圧電素子28の平均消費電流ISAVは120mAから小さくなり、最終的に、コンデンサCから圧電素子28への電流の供給が停止(コンデンサCの平均電圧VCAVの電圧降下が停止)し、再びコンデンサCに供給される電流IR1(100mA)とコンデンサCから圧電素子28に供給される平均消費電流ISAVとが平衡する状態に収束する。このとき、図10から、コンデンサCの平均電圧VCAVが4Vに収束することが判る。このコンデンサCの平均電圧VCの低下は、図9のコンデンサCの電圧波形の全体的な低下に相当し、コンデンサCの平均電圧VCAVの低下量5−4=1(V)は、図9のΔVに相当する。また、コンデンサCの平均電圧VCAVの低下は、実際のコンデンサCの電圧VCの変化に換言すると、周期Tの間に駆動電圧VCが駆動回路のオンオフ切替え直前の電圧まで上昇しないことに対応する。すなわち、圧電素子28の温度が上昇すると、低温時の消費電流より大きな電流が圧電素子28に供給されるため、実際のコンデンサCの電圧VCは低温時より大きく降下する。その場合に、電流制限回路部2221aからコンデンサCに供給される電流、及び駆動回路のオンオフ切替え周期Tは、温度上昇の前後で不変であるから、周期Tの間に上昇するコンデンサCの電圧VCの上昇量は、低温時と略同じであり、したがって、コンデンサCの電圧VCが駆動回路のオンオフ切替え直前の電圧まで復帰せず、その電圧より小さな電圧までしか上昇しない。このような実際のコンデンサCの電圧VCの変化により、コンデンサCの平均電圧VCAVが低下する。
【0071】
以上のように、圧電素子28に温度上昇が生じても、低温時(t=t1)の平均消費電流ISAVと同じ電流を略一定して供給することができるから、圧電素子28の消費電流の増加を防止することができ、その結果、消費電流の増加による圧電素子28の破壊や電源Vpの大型化を回避することができる。
【0072】
また、図11に示すように、駆動装置20は、一定の電圧を印加した状態において温度上昇が発生すると、圧電素子28の変位量が増加し、その結果駆動装置20の出力が増加する特性を有するが、本実施形態では、圧電素子28の温度上昇に伴って駆動電圧が低下するため、出力の変化量を、圧電素子28に一定電圧を印加する構成のものに比して低減することができる。なお、上記のように圧電素子28の温度上昇により駆動電圧が低下しても、低温時と略同様の出力が得られることが確認されている。
【0073】
さらに、圧電素子28は静電容量を有する素子(コンデンサ)とみなすことができ、駆動回路のオン直後には圧電素子28に瞬間的に大きな電流が供給されるが、例えばコンデンサCを設けないで電流制限回路部2221aのみから電流を供給するように構成した場合には、電流制限回路部2221aから駆動回路のオンオフ切替え直後の大きな電流が供給できるよう上限値ILMを大きく設定し、電源Vpを大型化する必要が生じるのに対し、本実施形態では、コンデンサCを設け、このコンデンサCから圧電素子28に電流を供給するように構成したことにより、上記のような必要性を生じることなく大きな電流を供給することができる。
【0074】
本発明は、上記実施形態に限らず、次の変形形態(1),(2)を採用し得る。
【0075】
(1)上記実施形態では、抵抗R2の一方の端子を制御回路223に接続したが、グランドに接続してもよい。グランドに接続した場合には、駆動装置における回路部分の構成が簡略化できる一方、上記実施形態のように抵抗R2の一方の端子を制御回路223に接続した場合には、例えば駆動装置を一時的に使用しない場合に、制御回路223からトランジスタTr1のベース端子にハイレベルの信号を出力することによりトランジスタTr1をオフにし、コンデンサC等に供給する電流を遮断することにより、消費電力の低減に貢献することができる。
【0076】
(2)本発明に係る駆動装置を備えたレンズユニット3は、デジタルカメラに限らず、撮影機能を搭載する、パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯電話、あるいはPDA(personal digital assistants)等の電子機器に搭載可能である。
【0077】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電気機械変換素子に温度上昇が生じるとコンデンサの電圧が低下し、電流制限回路からコンデンサに供給される電流とコンデンサから電気機械変換素子に供給される電流とが平衡する状態に収束するようにしたので、電気機械変換素子の消費電流の増加を防止することができ、その結果、電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避することができる。
【0078】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第3スイッチと第2及び第4スイッチとが交互にオンオフすることにより、コンデンサの端子間電圧を、極性を繰り返し反転して電気機械変換素子に印加させる駆動回路を備えた駆動装置が得られる。
【0079】
請求項3に記載の発明によれば、電気機械変換素子を、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を該各圧電基板間に電極を介して積層した圧電素子としたので、応答速度等が大きい駆動装置が得られる。
【0080】
請求項4に記載の発明によれば、レンズと、前記レンズを所定の方向に駆動するための請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記電気機械変換素子の駆動力を前記レンズに伝達するための駆動力伝達部材とを備えるレンズユニットを構成することにより、電気機械変換素子の消費電流の増加による電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避したレンズユニットが得られる。
【0081】
請求項5に記載の発明によれば、被写体の光像を撮影する撮影手段と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置により駆動されるレンズを含み、前記撮影手段に前記被写体の光像を導く光学系と、撮影の指示を行うための撮影指示手段とを備えてなる撮影装置を構成することにより、電気機械変換素子の消費電流の増加による電気機械変換素子の破壊や電源の大型化を回避した撮影装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】同じくデジタルカメラの背面図である。
【図3】レンズユニットの内部構成を示す斜視図である。
【図4】駆動装置により駆動されるレンズの移動を示す図である。
【図5】駆動装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】図5に示す駆動装置の駆動部の構成例を示す斜視図である。
【図7】図5に示す駆動装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【図8】駆動電圧のパルス波形の一例と、この駆動電圧による圧電素子の変位とを示す図である。
【図9】圧電素子が温度tがt1(℃)とt2(℃)との場合におけるコンデンサの電圧VCの変化を示す図である。
【図10】圧電素子に印加される駆動電圧VSと圧電素子の平均消費電流VCAVとの関係を示す図である。
【図11】圧電素子の温度と圧電素子の駆動速度(出力)との関係を示す図である。
【図12】従来の駆動装置の構成を概略的に示す図である。
【図13】従来の駆動装置の駆動回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
20 駆動装置
21 駆動ユニット
22 駆動部
221 駆動回路部
222 電力供給部
2221 供給電流安定化回路部
2221a 電流制限回路部
223 制御回路
2211〜2214 第1スイッチ回路〜第4スイッチ回路
28 圧電素子
C コンデンサ
Vp 電源
Claims (5)
- 駆動電圧が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子と、
上限値を所定値に制限して出力端子から電流を出力する供給電流制限回路と、
前記出力端子に接続されるコンデンサと、
前記出力端子に生じる電圧を前記電気機械変換素子に印加させて、該電気機械変換素子を駆動する駆動回路とを備えることを特徴とする駆動装置。 - 前記駆動回路は、直列に接続された第1及び第2スイッチと、直列に接続された第3及び第4スイッチとを備え、前記電気機械変換素子は、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に接続され、前記第1及び第3スイッチと前記第2及び第4スイッチとが交互にオンオフすることにより、前記駆動電圧は、極性を繰り返し反転して前記電気機械変換素子に印加されることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
- 前記電気機械変換素子は、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を該各圧電基板間に電極を介して積層した圧電素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
- レンズと、前記レンズを所定の方向に駆動するための請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置と、前記電気機械変換素子の駆動力を前記レンズに伝達するための駆動力伝達部材とを備えるレンズユニット。
- 被写体の光像を撮影する撮影手段と、請求項1ないし3のいずれかに記載の駆動装置により駆動されるレンズを含み、前記撮影手段に前記被写体の光像を導く光学系と、撮影の指示を行うための撮影指示手段とを備えてなる撮影装置。
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