JP2004055325A - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲットを振動させて実効的な電子衝突面積を大きくすることにより、ターゲットを厚くすることなくその長寿命化を図って装置の稼働率を高め、連続したX線の発生時間を長くすることができる。
【解決手段】振動付与部によって電子ビームBの衝突点をターゲット9上で移動させることができ、ターゲット9における実効的な電子衝突面積を大きくできるので、発生する熱を分散させて電子衝突による集中的なターゲット9の温度上昇を抑制することができる。したがって、ターゲット9の蒸散を減少させることができる。その結果、ターゲット9を厚くすることなくターゲット9の長寿命化を図ることができ、ターゲット9の交換・調整に起因する装置の稼働率を高めることができ、連続したX線発生時間を長くできる。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線非破壊検査装置やX線分析装置のX線発生装置に係り、特に微小な対象物のX線透視像を得るために微小径の電子ビームを照射してミクロンサイズのX線源を有する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のX線発生装置としては、例えば、特開2002−25484号公報、特開2001−273860号公報、特開2000−306533号公報に開示されているものが挙げられる。
【0003】
これらの装置は、真空中で負の高電位(−Sv[V])に保たれた電子源から発生する電子(Sa[A])を、接地電位0Vとの電位差によって加速し、電子レンズで直径20〜0.1μm程度に収束させている。このようにして収束された電子ビームを、金属などの固体からなるターゲット(例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu))に衝突させることでミクロンサイズのX線源を実現している。このときに発生するX線の最大エネルギーは、Sv[keV]となる。これらの装置のうち特に高分解能なのは、透過型マイクロフォーカスX線発生装置と呼ばれており、たとえば膜厚5μm程度のターゲットを、X線透過性のあるアルミニウム(Al)の保持体(例えば、膜厚0.5mm)などの薄板上に成膜して、ターゲットで発生したX線が、電子ビームの入射方向に窓を透過して大気中で利用できるようにしたものである。このような保持体は、ターゲットが薄膜では強度的に大気圧に対して耐えられないために用いられ、真空窓と呼ばれる。真空窓はOリングなどを介して真空容器に締め付けて固定されている。この固定する部分は、電子レンズの先端中央部となっており、電子ビームが収束されて通過する直径10mm程度の真空経路が形成されている。
【0004】
このような透過型マイクロフォーカスX線発生装置では、ターゲットを電子レンズに密着して近づけられ、電子レンズの収差の影響を小さくできるので、電子収束径を最小にできる。したがって、最小のX線焦点を得る事ができ、高分解能なX線透視画像が得られる。また、被写体とX線焦点を近づけられるので、高倍率の撮影が可能である。このようなX線管は、被検体の内部の微小な欠陥などを探す検査装置に用いられており、長い時は1被検体あたり数時間にも及ぶ検査作業が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、加速された電子(電力Sa・Sv[W])をターゲットに衝突させてX線を発生させる場合、その電力の大部分は熱となり、X線の発生効率は1%以下である。衝突により発生する熱は、ターゲットの電子衝突部分の温度を上昇させるので、ターゲット材料の蒸発が起こり、さまざまな問題を引き起こす。
【0006】
そこで、従来の透過型マイクロフォーカスX線発生装置では、ターゲットの寿命が近づくと装置を停止させ、真空容器に締め付けられている真空窓を緩め、真空窓を回転させたり交換したりして、電子衝突部を新しいターゲット面に換えてえて運転を再開するようにしている。そのため、長期間にわたって連続してX線を発生させることができなかったり、X線発生装置の稼働率を低下させたりするという問題の原因となっている。特に、大きな被検体では、X線強度を大きくするために、負荷電力を大きくして動作させる。このような場合にはターゲットの寿命が短く、頻繁にX線発生装置を停止させなければならないという問題がある。さらに、出力できるX線強度には限界があり、マイクロフォーカスX線管は暗いため作業効率を上げられないという問題もある。
【0007】
ここで、電子ビーム電力とビーム径からターゲット寿命の試算方法について説明する。
【0008】)
半無限の大きさを持ち熱伝導度K[W/cm℃]の固体表面上にある直径s[μm]の円内に、電子ビーム電力(Sv・Sa[W])の全てが衝突するときの定常温度上昇ΔT[℃]は、以下のように表される(参考:石川順三 荷電粒子ビーム工学、コロナ社、2001年5月18日初版、p145)。
【0009】
ΔT[℃] = 2×10・(Sv・Sa)/(πKs) …… (1)
【0010】
この式(1)より、温度上昇は、電力に比例し、衝突径sに反比例する。また、同じ温度上昇にするためには、衝突径sあたりの電力を一定にすればよいことを示している。また、衝突径sの時の衝突面積S=π(s/2)であるので、温度上昇ΔTは面積Sのルートに反比例するともいえる。例えば、同じ電力なら面積を4倍にすれば温度上昇は1/2になる。
【0011】
ターゲットがタングステン(W)である場合、定常温度上昇ΔTは、タングステンの融点(3410℃)のときの熱伝導度K=0.9[W/cm℃]を用いて試算できる。よって、室温とおなじ27℃のターゲットに、電子ビームを照射した時の電子衝突面の定常温度T=300+ΔT[K]と試算できる。
【0012】
次に、温度T[K]の固体の蒸散量d[kg/msec]は、以下のLangmuirの式(2)によって試算される。
【0013】
d = 4.37×10−3・P√(M/T) …… (2)
【0014】
この式で、Mは固体材料の原子量で、タングステンの場合M=183.8である。また、温度T[K]の時の固体の蒸気圧をP[Pa]としている。このP[Pa]は、定数A=44000、B=8.76、C=5、D=0として次の(3)式から試算される。
【0015】
logP = −A/T+B+ClogT−DT+2.125 …… (3)
【0016】
上記の蒸発量dの単位を変換し、タングステン(W)の密度=19.3[g/cm]で割ると、単位時間あたりの蒸発量(厚み)[μm/時間]を試算することができる。
【0017】
以下に、タングステン(W)製ターゲットの寿命について各種電子ビーム負荷条件のもとに試算した結果(表1)と問題点を例示していく。表1中のターゲットの寿命は,微小なX線焦点を考慮し、ターゲットが衝突径sと同じ厚さ分蒸発するまでの時間としている。
【0018】
【表1】
Figure 2004055325
【0019】
■問題点1
『ターゲット寿命により稼動時間ロスが発生する』
【0020】
負荷条件▲1▼は、マイクロフォーカスX線管の通常の使用負荷の例である。X線焦点サイズが1μm程度となるように、ターゲット上の衝突径s=1μmに電力0.32Wの電子ビームを衝突させた場合、衝突部の温度は2576Kとなり、寿命は142時間と試算できる。この場合、142時間ごとに装置を停止し、ターゲットを緩めて回転させたりして新しいターゲット面に電子ビームを照射するようにしてから運転を再開することになる。ターゲットを緩めるので真空が破れ、再度真空引きを行う必要があるため、2時間ほどはX線を発生できないために稼働率を低下させる問題がある。この場合の稼働率は、連続稼動を想定して142/(142+2)=99%で、週に1度2時間の保守作業をする手間がかかる。負荷電力を下げれば寿命が延びるが、X線強度が弱くなり透視撮影に時間がかかるので作業効率が低下する。
【0021】
■問題点2
『X線強度の上限があり、作業効率が上がらない』
【0022】
負荷条件▲2▼は▲1▼より少し高強度にした例で、電力を0.32Wから0.35Wに9%増加させた場合の試算である。同じ加速電圧で電流を9%増加させた例としており、X線強度が9%増加し作業効率が9%増加する。しかし、衝突部の温度は2790Kとなり、寿命は7時間と試算できる。したがって、わずか9%X線強度を向上させたために、7時間ごとに新しいターゲット面に交換する作業が必要となり、稼働率は7/(7+2)=78%で、▲1▼にくらべ極端に低くなる。
【0023】
負荷条件▲3▼と▲4▼は、▲1▼にくらべ3倍ほど高強度にした場合の例である。試算では衝突部の温度が、タングステンの融点(約3680K)、沸点(約6200K)を超えており、急速に蒸発するため寿命はない。仮にX線強度が3倍に上がれば、同じ結果を得るために必要な作業時間は、1/3ですむので、作業効率は3倍にできる。しかし、▲3▼▲4▼の試算のとおり、負荷電力には限界がありX線強度にも上限があるので、作業効率を上げることはできないという問題がある。
【0024】
■問題点3
『微小焦点化で暗くなる』
【0025】
温度上昇ΔTは(1)式のように、単位直径あたりの電子ビーム電力で決まる。したがって、電子ビームを絞って衝突径を小さくする場合には、電子ビームの電力も下げなければならない。例えば、より高分解能化した微小X線焦点となるように、衝突径s=0.1μmにする場合で考える。▲1▼と同じような蒸発レートであるためには、電力を1/10にしなければいけないので、作業効率が1/10になる。その上、寿命は「微小なX線焦点を考慮して、ターゲットが衝突径sと同じ厚さ分蒸発するまでの時間」としているので、寿命までの蒸発厚さは1/10になり、寿命が1/10になってしまう。この場合の稼働率も、14.2/(14.2+2)=88%に低下する。したがって、▲1▼と比べた稼動率は大幅に低下する。
【0026】
因みに、この程度の微小焦点化は、近年の半導体分野における集積回路の微細化に追随するために必要とされているだけに問題である。参考までに、衝突径s=0.1μmで負荷を大きくした場合の試算結果を表1▲5▼に示す。電力は▲1▼の75%となる電力0.24Wとした。衝突部の温度は17371Kとなり、蒸発のため寿命はない。
【0027】
■問題点4
『焦点形状の変化があるので、使用に注意が必要』
【0028】
表1▲1▼のような条件で142時間連続してX線照射を行うと、ターゲットが1μm蒸発して薄くなる。その間、電子ビームの衝突する面の形状が変化しており、X線発生領域の形状も変化している。結果としてX線焦点の形状と位置が微妙に変化してゆく。そのため、高空間分解能を求められるマイクロフォーカスX線管では、寿命に関わらず、電子ビーム焦点位置を微妙に調整しながらでないと一定の性能を得られないことがあり、稼動率を下げる問題がある。
【0029】
■問題点5
『ターゲットは厚めで、ターゲットによるX線の不要な吸収がある』
【0030】
寿命の間に同じようなX線焦点であるためには、ターゲットの厚さは電子の最大進入深さとターゲット寿命相当厚さの和以上にしておく必要がある。また、電圧変動による電力上昇などに耐えるためにも、ターゲット厚は厚めに成膜されているのが普通である。
【0031】
例えば、管電圧40kVのとき加速された40keVのエネルギーをもった電子はタングステンターゲットに衝突し、制動放射などによりブロードなX線を発生させながら最大で2.6μm進入する。したがって、管電圧40kVで衝突直径=1μmならターゲット厚さは3.6μm以上必要となり、余裕をみて5μm程度に設定される。
【0032】
ところが、X線発生領域の最大深さは2.6μmであるから、ターゲット厚さ5μmのうちの残り2.4μmで吸収されなかったものだけが透過X線として利用可能で、発生したX線の利用率が低下する。例えば、20KeVのX線がタングステン2.4μmを通過する場合80%しか透過しなので、X線強度が低下して作業効率80%に低下するので問題である。
【0033】
■問題点6
『回転陽極式のX線管では、装置を高分解能にできない』
【0034】
ターゲットの熱による問題を解決するために、医療用のmmサイズ焦点のX線発生装置においては、ターゲットを回転させる回転陽極式というものが採用されている。マイクロフォーカスX線発生装置においても、ターゲットを回転させることが考えられる。しかし、回転のために使用するベアリング(玉軸受)では回転精度が不足しているので、ターゲットを精度良く回転させることができない。したがって、X線焦点の変動が生じるため、このような医療用の方式を採用することはできない。特に、X線焦点サイズがミクロンオーダであるマイクロフォーカスX線発生装置への応用は困難である。
【0035】
前記について具体的に説明を行っておく。
医療用の回転陽極式X線管は、X線焦点サイズが0.2〜1mm程度である。また、真空容器・電子源・陽極円板・回転軸受・モータが一体構成されている。モータは電磁力を利用するので電子ビームに影響を与えるから、離さなければならず、回転陽極式X線管は大型化する。回転軸受としては内径6〜10mmの玉軸受が採用され、外径10〜30mm以上で厚さも2.5〜10mm以上ある。この範囲の玉軸受の最高精度等級はJIS2級で規定されており、内輪のアキシアル振れ精度・ラジアル振れ精度は最大1.5μmもある。そして、高真空・高温・高速という厳しい条件で使用されるため、特殊な潤滑方式が使われる。例えば、X線管内部の真空度は0.13mPa(10−6Torr)以下が必要であるし、陽極の発熱により200〜500℃の温度範囲で使用可能でなければならないし、回転速度3000〜10000rpm(50〜167cyc/sec)程度の高速回転も要求される。以上の厳しい条件を満足するために、軟質金属の薄い皮膜などを固体潤滑剤として用いるという、非常に特殊な潤滑方式となる。その固体潤滑剤の寿命は短いため、X線管の寿命も数百時間と短い問題もある。
【0036】
マイクロフォーカスX線管は医療用ほどの負荷電力ではないので、管球がそれほど高温になる事はない。しかし、軸受鋼の線熱膨張係数は12.5×10−6(1/℃)程度あり、たった20℃温度が上昇するだけで1.5〜2.5μm内径が膨れて回転精度を悪くする。20℃の程度の温度上昇は、室温変化や回転による摩擦で生じる熱などにより簡単に起こる。JIS2級で規定されている回転精度とあわせると、3μm以下の回転精度は保証外であり、実現不可能である。さらに、回転陽極円板は最低でもベアリング外径より大きくなければならず、直径10mm以上必要であるため、面の精度である「うねり」をミクロンオーダにすることは難しい。そのため、X線焦点が10μm程度変動することになる。X線焦点サイズが0.2〜1mm程度である医療用の回転陽極式X線管ではこの程度の精度が問題になることはない。しかし、X線焦点サイズがミクロンオーダであるマイクロフォーカスX線管では、焦点サイズが変化したり、焦点位置が電子ビーム方向にずれたりするので回転陽極式の応用は難しい。
【0037】
また、玉軸受は透過型X線の真空窓の厚さ0.5mm程度にくらべ、5倍以上大きく、回転陽極式は大型化する。小さく作りこむことができないので、回転陽極と被検体を近づけられず、幾何学的な拡大倍率を大きくすることが難しい。また、回転陽極にすれば、X線を取り出すための真空窓を別途設ける必要も生じるので、ますます幾何学的な拡大倍率を大きくすることが難しくなる。たとえ高精度な玉軸受が開発されたとしても、高分解能なX線透視画像を得ることは難しい。
【0038】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ターゲットを振動させて、実効的な電子衝突面積を大きくすることにより、ターゲットの長寿命化を図り、装置の稼働率を高めたり、X線の連続発生時間を長くしたり、X線強度を向上させたりできる高分解能でコンパクトなX線発生装置を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために発明者が鋭意研究をした結果、本発明は次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ターゲットに対して微小径の電子ビームを照射してX線を発生させるX線発生装置において、前記ターゲットの面方向に前記ターゲットを振動させる振動付与手段を備えていることを特徴とするものである。
【0040】
(作用・効果)振動付与手段によってターゲットをターゲットの面方向に振動させる。これにより透過型・反射型を問わずX線焦点位置を変動させることなく、電子ビーム上のX線焦点位置を同じ位置に保ちつつ、電子ビームの衝突点をターゲット上で移動させることができ、ターゲットにおける実効的な電子衝突面積を大きくすることができるので、発生する熱を分散させて電子衝突による集中的なターゲットの温度上昇を抑制することができる。したがって、ターゲットの蒸散を減少させることができる。その結果、ターゲットの長寿命化を図ることができ、ターゲットの交換・調整に起因する装置の稼働率を高めることができ、X線発生時間を長くすることができる。
【0041】
なお、振動とは、ほぼ一定の周期をもって揺れ動くことをいい、ターゲットを単に回転駆動するだけでは得られない作用・効果を奏する。
【0042】
すなわち、回転によるとターゲット上で同一軌道上を電子ビームが繰り返し移動することになる。一方、振動によると、同一軌道上だけでなく、例えば、ターゲット上の第1の領域内を電子ビームが同一軌道を描いて振動した所定時間後、第2の領域内に電子ビームが移動し、そこで同一軌道を描いて振動するようにできる。このような振動によると、電子ビームのターゲット上における軌道を異ならせることができ、より実効的な電子衝突面積を増大させることができる。したがって、一定軌道を描くことからターゲットの一部だけしか利用しない回転型に対して、振動によると、電子ビームの軌道をターゲット面において相違する種々のものに設定することにより、ターゲットの全面にわたって有効に利用することが可能である。
【0043】
逆にいえば、ターゲットの面積を小さくできるので、小形軽量なターゲットとなり、振動付与手段も小形化できる。したがって、X線焦点と被検体を近づけて、幾何学的な拡大倍率を大きくとった高分解能なX線透視撮影を行うことが可能である。
【0044】
ここにいう振動は、その周期が数ヶ月、数週間、数日、数時間、数十Hz、数kHz、数MHz等の種々のものを含んでいる。
【0045】
また、振動付与手段は、ターゲットへの電子ビームの衝突点における軌道が直線状または円孤状、さらにジグザグ状や正方形状などの二次元形状となるように振動させることが好ましい(請求項2)。
【0046】
(作用・効果)ターゲット上における電子ビームの軌道は、円弧を描く円形状や、漢字の一の字形状を描いたり(一次元)、ジグザグ・矩形・四角形状を描いたり(二次元)するように振動させることにより、実効的な電子衝突面積を増大させつつも振動の制御を比較的容易に行うことができる。特に二次元的な軌道では、ターゲットを特に小さくできて振動付与手段も小形化できる。
【0047】
また、管電圧、管電流、電子ビーム径のいずれかに応じて振動付与手段を制御する振動制御手段を備えていることが好ましい(請求項3)。
【0048】
(作用・効果)ターゲットの温度上昇は、管電圧及び管電流に比例し、電子ビーム衝突径に反比例するので、これらに応じてターゲットの保持体の振動を制御することによって好適な振動付与が可能となる。
【0049】
また、振動制御手段は、電子ビーム径と同程度以上の振幅で振動を制御し、かつその振幅を可変することができるのが好ましい(請求項4)。
【0050】
(作用・効果)電子ビーム径以上の振幅で制御すれば、温度上昇を抑制することができる。より好ましくは、電子ビーム径の少なくとも2倍の振幅で制御することであり、この場合には振動時における電子ビームの重複がなくなって温度上昇を同程度に抑制することができる。
【0051】
また、振動制御手段は、振動の周波数を可変することができるのが好ましい(請求項5)。
【0052】
(作用・効果)電子ビームの出力が高いほど、また電子ビームの焦点径が小さいほど振動の周波数を高くすることにより、電子ビームの全衝突面にわたって均一な温度分布とすることができ、ターゲットの局部的な温度上昇を抑制することができる。
【0053】
また、振動付与手段は、圧電素子を備えていることが好ましい(請求項6)。
【0054】
(作用・効果)圧電素子は、磁界を生じないので電子ビームに悪影響を与えることがない。また、高速動作が可能であってミクロンオーダの微小変位動作が可能であるので、振動付与手段に好適である。
【0055】
また、圧電素子とターゲットを被着した保持体とを一体的に構成して閉塞空間を形成することが好ましい(請求項7)。
【0056】
(作用・効果)ターゲットの真空保持のために真空窓が不要となるので、構成が簡易化できる。さらに、真空窓が不要であるので、X線焦点と被写体との距離を最小にすることができ、幾何学的な拡大倍率を高くすることができる。
【0057】
また、保持体を当接支持するイタバネを備えることが好ましい(請求項8)。
【0058】
(作用・効果)ターゲットで発生した熱をイタバネから放熱させることができるので、さらに温度上昇を抑制することができる。さらに、電子ビーム方向へのターゲットの振動を抑制することができるので、X線焦点の移動を高精度に抑制しつつターゲットの面方向へ振動を与えることができる。
【0059】
また、イタバネは放電加工によって作成されていることが好ましい(請求項9)。
【0060】
放電加工は寸法精度が高く、厚い金属板を厚さ方向に貫通加工できるので、アスペクト比の高いイタバネを一体的に作成できる。アスペクト比の高いイタバネは、元の金属板の厚さ方向のブレがなく、元の金属板の厚さ方向に対して高精度である。また、元の金属板の厚さ方向と電子ビーム方向が同じであれば、高精度の振動が可能である。
【0061】
また、ターゲットを真空封止するためにゴムまたは/およびイタバネを備えていることが好ましい(請求項10)。
【0062】
(作用・効果)ターゲットには振動が付与されるので、振動を吸収できるゴムやイタバネを単独で用いたり、それらを組み合わせて用いたりすることにより、ターゲットを真空封止することができる。したがって、真空窓を不要にでき、X線焦点と被写体との距離を最小にすることができ、幾何学的に拡大倍率を高くすることができる。
【0063】
また、ターゲットの厚さは、電子ビームのエネルギーに応じた電子のターゲットに対する進入距離の2倍以下であることが好ましい(請求項11)。
【0064】
(作用・効果)ターゲットの長寿命化により厚いターゲットが不要となるので、最低限のターゲット厚さとすることができる。その厚さは、電子のターゲットへの進入深さの2倍以下である。このような厚さにすることにより、不要なX線吸収を最低限にすることができ、効率良くX線を利用することが可能である。特に、吸収されやすい軟X線を利用する場合に好適である。
【0065】
また、電子ビームによるターゲットへの負荷が低い場合には、振動制御手段はターゲットを振動させずに一定の変位を与えるようにしてもよい(請求項12)。
【0066】
(作用・効果)電子ビームによるターゲットへの負荷が低く、振動させなくても数時間〜数日以上のターゲット寿命がある場合、振動制御手段はターゲットを電子ビーム衝突径の数倍以上の距離だけ変位(移動)させ静止させるようにする。したがって、変位だけでターゲット上の電子ビーム衝突点を新しくできるので、固定式ターゲットに比べ非常に短時間で異なる位置に移動させることができ、稼働時間ロスがなくなる。その場合、各位置において振動を付与しておいてもよいし付与しなくてもよい。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1〜図4は本発明の一実施例に係り、図1は透過型X線管の概略構成を示す縦断面図であり、図2はX線発生装置の概略構成を示すブロック図であり、図3はターゲット上における電子ビームの振動を示す模式図であり、図4は電子ビームの衝突面を拡大した模式図である。
【0068】
透過型X線管1は真空容器3を備えており、電子ビームBを発生させるための電子銃2を内蔵している。真空容器3の電子銃2の反対側にはX線を発生する部分があり、その先端部材5は電子レンズの先端部材でもある。先端部材5はその中央部に直径10mm以下の開口7を有し、ターゲット9が被着された保持体11が開口7内に密着して取り付けられている。ターゲット9はタングステンやモリブデンなどの金属で構成されており、電子ビームが照射されるとX線が発生する。保持体11に近接して、真空窓13が取り付けられている。この真空窓13は先端部材5にネジ止めされた取り付け部材17によって押さえ込まれており、開口7周辺に埋設されたOリング15とともに真空封止の役割を果たしている。保持体11と真空窓13は、アルミ等のX線を透過する材料で構成されている。真空窓13は、大気圧に対して真空を保持する強度が必要なため、板厚0.5mm以上にしている。
【0069】
透過型X線管1は、電子銃2から放射された電子ビームBが先端部材5の電子レンズ先端部付近で収束されてターゲット9に照射される。電子ビームが照射されたターゲット9からはX線が発生し、保持体11及び真空窓13を透過して、照射X線21として放射される。電子レンズ光学系を用いるので、電子の収束位置をビーム軸上で変化させてターゲットへの電子衝突径を変化させられる。したがってX線焦点サイズを変化させることも可能である。ターゲット面上に収束点がくるようにレンズを調整した時に、電子レンズの収差で決まる最小のX線焦点となる。電子レンズの種類や構成にもよるが、SEMなどの電子光学系を使えば電子収束径はnmオーダーも可能である。また、電子銃のみでも10〜100μm程度の電子収束径が得られるので、特別な電子レンズのない構成も考えられる。さらに、被写体と使用目的により様々な構成が考えられる。
【0070】
本実施例では、先端部材5における開口7の内周面に配設された振動付与部23によって、上記の保持体11を振動させることでターゲット9を振動させられるようになっている。この振動は、電子ビーム照射中であっても電子ビームBの衝突点にあたるX線焦点が変動しないように、ターゲット9の面方向に振動するようにようになっている。
【0071】
この発明における振動付与手段に相当する振動付与部23は、振動制御手段に相当する図2の振動制御部25により、振動の振幅や周波数等が制御される。電子銃2に与えられる管電圧や管電流等は、高電圧発生器27によって制御される。これらの振動付与部23及び高電圧発生器27は、オペレータにより与えられた指示に基づく動作を行う制御部29によって統括的に制御される。
【0072】
振動付与部23は、例えば、図3に示すように、ターゲット9における電子ビームBの衝突点が直線的に往復運動するように振動を付与する。なお、このように直線的な軌道とする場合には、図4に示すように、少なくとも振幅が電子ビーム径Ba以上となるようにするのが好ましい。このように制御することにより、電子ビーム衝突面の昇温を抑制できる。より好ましくは、少なくとも振幅が電子ビーム径Baの2倍(2Ba)以上となるようにする。この場合には、振動時における電子ビームBの重複がなくなって電子ビーム衝突面の温度上昇を均一に抑制するのに好適である。
【0073】
次に、上述した従来例における問題点1〜4がこの実施例により解決され改善されることをまず説明しておく。なお、実施例の詳細な振動付与手段のうち、特徴のある複数の具体例は後述する。これは、微小な振動はとても簡単に起こり、千差万別の実施例が考えられるため書ききれないのに、特定の実施例で説明しては、誤解を与えると判断したからである。例えば、ミクロンオーダの振動は自然界に普通に存在し、モータの振動が伝播してたまたまターゲットが振動するといったことも経験したりする。特許でも、防振機構の特許の方が価値を認められる。また、回転機構では玉軸受が使われるというような特定の基本部品が、本発明のような微小な振動では考えられないためである。
【0074】
表1の▲1▼〜▲4▼のように電子ビーム衝突径sが1μmの場合の改善度合いを試算していく。従来型の固定式ターゲットに対して電子ビームBを衝突させているの時の衝突面積Sは、π(0.5)=0.79[μm]である。一方、本発明の振動の一例として、5μmの振動振幅でターゲット9を振動させた場合、電子ビームの衝突面積Sの合計は、(π(0.5)+1×5)=5.79[μm]となる。したがって、衝突面積Sは5.79/0.79=7.3倍となり、円形に換算した直径sは2.7μmとなる。よって、式(1)により試算される温度上昇ΔTは固定式ターゲットの1/2.7となり、式(2)(3)により試算されるタングステンの蒸発量が減少し、ターゲットの寿命が延びることが期待できる。寿命の試算結果を表1「振動ターゲット」に示し、改善度合いについて以下に説明していく。
【0075】
●問題点1の改善『超長寿命により稼動時間ロスがなくなる』
負荷条件▲1▼は、マイクロフォーカスX線管の通常の使用負荷の例であった。この▲1▼の場合、固定式ターゲットの寿命142時間に比べ、本発明による寿命は4.7×1027時間に改善され、無限の寿命とみなせる。また、装置の稼働率は100%に改善され、週に2時間の保守作業も不要になる。
【0076】
●問題点2の改善『X線強度が上がり、作業効率が上がる』
負荷条件▲2▼は▲1▼より少し高強度にした例で、電力を0.32Wから0.35Wに9%増加させた場合の試算である。この▲2▼の場合、固定式ターゲットの寿命7時間に比べ、本発明による寿命は1.5×1021時間に改善され、無限の寿命とみなせる。装置の稼働率は78%から100%に改善され、7時間ごとに2時間の保守作業も不要になる。固定式ターゲットでの▲1▼にくらべ、X線強度増加9%による作業効率増加9%をそのまま享受できるので、9%増の検査作業ができるようになる。
【0077】
負荷条件▲3▼は、▲1▼にくらべ2.7倍ほど高強度にした場合の例である。固定式ターゲットでは寿命はなく使用不可であったが、本発明による寿命は189時間に大きく改善されている。固定式ターゲットの▲1▼の場合に比べ、寿命が189時間/142時間=1.3倍、X線強度が0.86W/0.32W=2.7倍に向上しており、作業効率が2.7倍向上する。
【0078】
負荷条件▲4▼は、▲1▼にくらべ3.1倍ほど高強度にした場合の例である。固定式ターゲットでは寿命はなかったが、本発明による寿命は78分もある。固定式ターゲットの▲1▼の場合に比べ、作業効率が3.1倍向上する。
【0079】
負荷条件▲1▼〜▲4▼の改善説明は、本発明の一例としてターゲットを5μm振動させた場合であった。しかし、▲3▼と▲4▼の改善では寿命が短いように感じられるかもしれない。そこで、本発明では簡単に振動振幅を変更できることを利用し、10μm振動させた場合の試算結果を表1中に括弧で示し補足する。この場合、負荷条件▲4▼であっても、衝突部温度=2217K、寿命=82381時間と試算され、寿命が充分長くできることがわかる。つまり、本発明によれば、3倍以上のX線強度と長寿命は簡単に実現することができ、作業効率も大幅に上げる事が可能になる。
【0080】
●問題点3の改善『微小焦点化でも暗くならない』
表1▲5▼は、近年の半導体分野における集積回路の微細化に追随するために必要とされているX線焦点サイズの微小化へ、本発明を応用する場合の改善例である。表1の▲1▼〜▲4▼では、電子衝突径が1μmの場合の改善を説明しが、表1の▲5▼では電子衝突径を0.1μmとした場合の改善が示されている。固定式ターゲットでは1/10の負荷である0.032Wに下げた低強度X線で検査を行うしかなかった。▲5▼のように0.24Wと無理に負荷を上げると寿命がなかった。しかし、本発明によれば、寿命は169時間もあり使用可能に改善される。従来固定式ターゲットの▲1▼の寿命142時間に比べても20%も長い。X線強度も▲1▼の75%もある。
【0081】
しかし、▲5▼の改善では強度が低下するように感じられるかもしれない。そこで、▲1▼と同じ強度(電力0.32W)で10μm振動させた場合の試算結果を表1中に括弧で示し補足する。寿命=1341時間と試算され、寿命が充分長くできることがわかる。つまり、本発明によれば、微小焦点化でも暗くならないことがわかる。したがって、作業効率を低下させずに、より詳細な検査が行えることになり、微細化している半導体検査に充分使えるようにできる。
【0082】
●問題点4の改善『焦点形状の変化が極微小なので、使用が楽になる』
従来、高空間分解能を求められるマイクロフォーカスX線管では、寿命に関わらず電子ビーム焦点位置を微妙に調整しながらでないと一定の性能を得られないことがあり、使用に注意しなければならない問題があった。しかし、問題点1の改善でも述べた表1▲1▼の寿命を比較すればこの問題が大幅に改善されていることがわかる。固定式ターゲットの寿命142時間に比べ、本発明による寿命は4.7×1027時間に改善され、無限の寿命とみなせる。つまり、10万時間使用してもターゲットの蒸発厚は2×10−19μmしかなく衝突径1μmに対してまったく問題にならないので、無調整で性能が維持でき、使用が楽になる。
【0083】
以上で述べたように、従来例における問題点1〜4が、本発明の請求項1により解決され大幅に改善されることを表1を中心に説明してきた。試算では、振動による電子衝突面はすべて、図3のような直線的な軌道であるとした。それ以外の電子ビームBの他の軌道としては、図5〜8のようなものであってもよい(請求項2)。
【0084】
図5は、側面から見て円形状・円弧状を呈するように振動させる例である。図6は、図5の構成とは円弧の方向を逆に構成したものであり、側面から見て円形状を呈するように振動させる例である。
【0085】
図7は、ターゲット9において、円孤軌道を描くように保持体11を振動させる例である。この場合、例えば、リング状の超音波モータによって保持体11を回転往復駆動して、二点鎖線矢印で示すように円弧状に振動を付与するように構成してもよい。また、超音波モータに代えて静電モータによって振動を付与するようにしてもよい。
【0086】
図8は二点鎖線矢印で示すように二次元方向に保持体11を振動させ、電子衝突部全体の大きさが□6μmの例である。図8中に点線で示すように、それぞれ異なる軌道を描くように、左右方向に振動させ、所定時間後に上下方向に異なる位置で左右振動を付与するようにしている。ここで、この二次元振動の両方向の振幅とも6μmとし、電子ビーム衝突径s=1μmであるとすると、図3などの直線軌道に比べた面積は6倍になり、式(1)よりターゲット面の温度上昇は1/√6となり、ますます寿命を延ばすことができ有利である。また、ターゲット面を無駄なく有効に使うことができるようになる。逆にいえば、最小のターゲット面積にできるので保持体11も最小限の重さですむ。そのため、振動させるためのエネルギーが最小にでき、振動付与部を最小化することができる顕著な効果がある。その他、ジグザグに振動させてもよい。
【0087】
次に、上述した振動制御部25における制御例について説明する。
【0088】
請求項3による振動制御部25は、被写体に応じて制御部29によって設定される電子ビームBの衝突径s[μm]、管電圧−Sv[V]、管電流Sa[A]に応じて振動振幅Vw[μm]や振動周波数Vf[Hz]を最適に制御する。または、電子ビーム衝突点付近の温度を測定して、制御してもよい。
【0089】
なお、通常の管電流Saとしては設定値を用いればよいが、ターゲット9に直接配備した電流測定器(図示省略)からの信号をSaとして制御するようにしてもよい。
【0090】
制御としては、電子ビーム衝突点付近の測定温度が高いほど、衝突径sが小さいほど、電力が大きいほど振動振幅や周波数を増加させるようにする。
【0091】
請求項4の例として、「振動振幅」だけを制御する場合は以下の(5)式に従うのが好ましい。
【0092】
Vw = α・(Sv・Sa)/s  …… (5)
【0093】
係数αは■問題点1〜4の改善で効果があった振幅5μmの場合を例にすれば、係数α=5〜15程度が好ましい。しかし、係数αはターゲット熱伝導率Kや負荷や寿命などにより適時変更するのが望ましい。
【0094】
しかしながら、例えば、係数α=5、電力1W、衝突径s=5μmのときは、振動振幅Vw=1μmとなってしまい、常に電子ビームBが衝突している部分ができてしまうことがある。そこで、これを回避するために、(4)式の計算後に、次の条件判定式によって判定するのが好ましい。
【0095】
「条件判定式」
振動振幅Vw<衝突径sのときは、振動振幅Vw=β・sとする。ここで、係数β>1である。
【0096】
請求項5の例として、「振動周波数」だけを制御する場合は、以下の(6)式に従うのが好ましい。
【0097】
短時間における熱負荷を考慮した場合、移動速度ω[μm/sec]を考慮する必要がある。本発明の場合、振動による移動速度ω=2・Vw・Vf[μm/sec]と近似できるので、振動周波数Vfの制御は以下の式に従うのが好ましい。
【0098】
Vf=ω/(2・Vw)=ω・s/(2・α・Sv・Sa) …… (6)
【0099】
移動速度ωとしては、例えば、電子衝突部の移動速度が2m/secとなるような回転数の場合に温度が2500℃以下となり長寿命であるという実験データがある。これを基準にすると、移動速度ω=2×10μm/secとすれば十分であるが、ターゲット熱伝導率Kや負荷や寿命などにより適時変更するのが望ましい。振動波形は、正弦波や三角波などが適用される。
【0100】
ここで、問題点6で述べた回転陽極式との大きな違いを補足しておく。回転陽極式と本発明の振動式の最もおおきな違いは、電子ビームの軌道の長さにある。回転陽極式ではベアリング等を使用するために、ベアリング外形以上の円板ターゲットが必要である。例えば、最小外形10mmをもつベアリングの場合でもターゲット直径は11mmほど必要である。この場合、電子ビーム照射される軌道長さは31.4mm、材料がアルミ(密度=2.7g/cm)で厚さが0.5mmとした重さは0.47gもある。それに対し、本発明で例示した電子衝突径1μm程度の場合、振動振幅は10μm程度もあれば充分なので、保持板11の大きさも1×1mm以下にできる。この大きさでの重さは、たった0.0014gである。従って、小形軽量化でき、駆動力も小さくてすむ。ターゲット材料の無駄が少ない点も資源・環境問題から望ましい。
【0101】
ここからは上記の実施例のうち、振動付与部23の具体例を、図9〜17を順次参照しつつ詳細に説明していく。これらの9つの具体例は、本発明の請求項6から10にあるような構成要素部品を含み、本発明においては特有の効果を発揮する例であるが、本発明の請求項1〜5はこれら以外の機構によっても簡単に実現することができる。
【0102】
請求項6にあるように、本発明には圧電素子が最適である。
圧電素子とは、圧電材料に電界を加えると材料の分極方向と電界方向に応じて伸縮することをアクチュエータとして利用したものである。圧電素子の材料には、高分子(ポリビニリデンフロライドとトリフロールエチレンの共重合体など)やセラミック(チタン酸ジルコン酸鉛[Pb (Zr,Ti )O ]などが主成分)がある。アクチュエータとしての特徴は、▲1▼微小変位の高精度制御性、▲2▼発生応力が大きい、▲3▼高速応答性良好、▲4▼エネルギー変換効率が大、▲5▼電磁干渉なし、などである。アクチュエータの用途が拡大する中で、特に微小変位の精密制御用として、半導体デバイス製造装置やSTMにおける精密位置決め、細胞操作用のミクロマニピュレータ、光学におけるミラーやレンズの位置・角度・焦点距離調節・工作機械の誤差補正などに多用されている。その他にも超音波の送受素子としても利用されている。変位量は数nm〜数百μm、応答周波数はDC〜数MHzまで各種のものが製作可能である。
【0103】
アクチュエータとしての圧電素子は、面内変位を利用する直線変位型と面外変位を利用する屈曲変位型の二つに分類できる。
【0104】
さらに、直線変位型は単板型と積層型がある。単板型は厚み方向に分極された圧電板で分極Pと平行に電界を印加して横方向に生じる伸縮変位を利用するものが多いが、「縦変形」、「横変形」、「すべり変形」の三種類の圧電変形を起こさせることができる。積層型は圧電板を積み重ねて一体化したもので、隣り合った圧電板の分極Pの方向は互いに180度向きを異にする。各圧電板は電気的に並列駆動され、積層方向に変位を生じる。
【0105】
また、屈曲変位型はモノモルフ(monomorph)、ユニモルフ(unimorph)、バイモルフ(bimorph)、マルチモルフ(multimorph)が含まれる。このうちのバイモルフは2枚の圧電板をシム(薄い金属板)の両側に貼り合わせたもので、各圧電板には互いに逆符号の歪みが生じるように電界を印加して屈曲変形させる。構造が簡単で、大きな変位がえられるが、発生力は小さめである。
【0106】
これらの圧電素子は電界で変位を生じるので、電磁モータ等とは異なって磁界を生じない。従って、電子ビームに悪影響を与えないようにすることは簡単で、電子ビームに近接した構成が可能である。
【0107】
また、小形でも駆動力が大きく、保持板程度の重量は楽に振動させられるため、圧電素子を用いた振動付与機構は直径10mm以下の開口7内に取り付けることも容易である。電子収束点の収差は電子レンズに近いほど小さいので、収差の少ない最小の電子収束径が得られる。したがって、X線焦点も最小とすることができる。さらに、X線焦点と被写体とを近づけることができ、撮影倍率を高くできるので、高空間分解能なX線透視像が得られる。また、ミクロンオーダの高精度制御性・高速性があるので、この発明における振動付与手段に最も適している。
【0108】
以上のような圧電素子のうち、バイモルフを用いた振動付与部23の一具体例について図9を参照して説明する。図9の(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【0109】
図9に示す振動付与部23は、取り付け部材31と圧電バイモルフ33を備えている。取り付け部材31は、筒状を呈し、先端部材5の開口7内周面に取り付けられている。圧電バイモルフ33は板状で、取り付け部材31の上下二カ所に立設されている。それらの先端部には、保持体11の上下端部が取り付けられている。したがって、これら3つの部品により平行四辺形を形成している。また、これら圧電バイモルフ33は同一面が同じ方向に向くように取り付けられており、逆相でそれぞれ交流電圧が印加される。すると、図中に二点鎖線矢印で示すように、ターゲット9の面方向に振動が付与され、長寿命・高強度なX線管を実現する。
【0110】
例えば、圧電バイモルフ33の長さが5mm、振動振幅が10μmである場合には、圧電バイモルフ33の長さは不変でほぼ直線状であるので、電子ビームBの入射方向における最大移動量は5−√(5−0.01)=10nmとなる。したがって、ターゲット9がこの程度移動しても、通常の電子ビームB径が1μm程度のX線焦点サイズであれば充分高精度な振動をさせることが可能である。
【0111】
さらに微小な焦点サイズの一例として、100nm程度の場合でも、振動振幅を1μmとすれば電子ビームBの入射方向における最大移動量は5−√(5−0.001)=0.1nmとなるので充分高精度な振動をさせることが可能である。それぞれの移動量/焦点サイズの比は、10μm/1μm=10倍、1μm/100nm=10倍となっており、ターゲット9における実効的な電子衝突面積を大きくすることができているので、発生する熱を分散させて電子衝突による集中的なターゲットの温度上昇を抑制することができる。
【0112】
次に、バイモルフを用いた振動付与部23の別の具体例を図10で説明する。図10の(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。電子ビームの軌道は図5に模式図で示す。
【0113】
この例では、電子ビームBの軌道が図5に示すように、側面から見て円弧状を呈するように振動を付与する。
【0114】
振動付与部23は、上述した構成と同様に、取り付け部材31と圧電バイモルフ33を備えている。取り付け部材31は筒状を呈し、先端部材5の開口7内周面に取り付けられている。圧電バイモルフ33は板状に形成されて、取り付け部材31の同一高さ位置に左右にそれぞれ一つずつ立設されている。それらの先端部には、縦断面が円弧状を呈する保持体11の高さ方向の中央部であって左右方向の端部が取り付けられている。また、これらは同一面が同じ方向に振動するように配設されており、個々に逆相でそれぞれ交流電圧が印加される。すると、図中に二点鎖線矢印で示すように、ターゲット9の円弧面方向に振動が付与され、円孤状の軌道を描くように振動する。
【0115】
次に、振動付与部23の別の具体例について、図11と図12を参照しながら説明する。なお、図11と図12の(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【0116】
この例では、上述した圧電バイモルフ33に代えて、直線変位型の圧電素子35を採用している。
【0117】
すなわち、振動付与部23は、取り付け部材31と圧電素子35を備えている。取り付け部材31は、筒状を呈し、先端部材5の開口7内周に取り付けられている。角柱状に形成された圧電素子35は、取り付け部材31の内周側上下二カ所に埋設されている。それらの内側面には、板状の保持体11の上下端部が取り付けられている。二つの圧電素子35は、ターゲット面に平行で互いに同じ方向に微小変位動作するように埋設されている。圧電素子35を駆動すると、図中に二点鎖線矢印で示すように、ターゲット9の面方向に振動が付与される。圧電素子35は、横変形・すべり変形の素子の場合には符号35aで、縦変形の素子の場合は符号35bで取り付け部材31に埋設される。さらに、単板型・積層型のどちらの圧電素子を用いてもよい。
【0118】
この場合には、圧電バイモルフ33のように電子ビームBの入射方向の変位を考慮する必要がなく、変位方向は圧電素子35の特性だけで決まっているので、より高精度な振動が可能である。
【0119】
また、保持体11は軽量なので、図12に示すように、片持ち式に構成しても充分高精度な振動が可能である。
【0120】
すなわち、上記の構成において、取り付け部材31の上下二カ所に埋設していた圧電素子35を下方のみに設けている。これによると、構成を簡易化しつつも上記同様の効果を得ることができる。
【0121】
次に、請求項7に関する振動付与部23の具体例を2つ、図13と図14を参照しながら説明する。なお、図13と図14の(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【0122】
この例では、□1mm程度で高さ数mm程度の直線変位型の圧電素子35を複数個集積したものを利用し、外形が正方形で中空部を有するように取り付け部材31に対して立設してある。そして、中空部を閉塞するように保持体11が取り付けられている。各圧電素子35は、それぞれ「すべり変形」で動作するようにされ、かつ、図13(a)において、ターゲット9の面方向(図の上下方向)に振動するように設定されている。
【0123】
この構成によると、圧電素子35と保持体11とを一体的に構成して、閉塞空間を形成することができる。したがって、図1のような真空窓13が不要となり、構成を簡易化できるとともに、X線焦点と被写体とを近づけることができ撮影倍率を高くできるので、装置性能を高分解能にできる。
【0124】
なお、上記の構成においては、複数個の圧電素子35を用いたが、図14に示すような特殊な圧電素子を採用してもよい。
【0125】
この圧電素子37は、強誘電体材料を焼結成型して製造され、外径5mm程度で長さ5〜20mm程度の円筒形を呈し、三次元動作が可能となっている。このような圧電素子37を利用した応用例として、走査プローブ顕微鏡の三次元スキャナがある。圧電素子37は、内周面に接地電極を備え、外周面に5分割された電極X1,X2,Y1,Y2,Zを備えている。電極X1,X2は、筒軸に直交する方向に設定されたX軸に沿って対向して設けられ、電極Y1,Y2はY軸に沿って対向して設けられている。電極Zは、筒軸に沿って設定されたZ軸周りに、上部外周面に環状に設けられている。
【0126】
この圧電素子37は、接地電極に対して外周面に設けられた電極に正電圧を印加すると伸長し、負電圧を印可すると収縮するように動作する。したがって、圧電素子37を上述した取り付け部材31に取り付けるが、電極X1,X2,Y1,Y2側を取り付け部材31側にした場合、対向配置されている電極X1,X2に逆極性の電圧を加えると、図14(b)に示すように動作する。つまり、電極X1部分が伸長し、電極X2部分が収縮して、全体が湾曲変形して電極Z側がX方向に変位することになる。
【0127】
先端側における変位量は、筒の長さと印可電圧によって決まる。印可する走査信号は、例えば、1nmから数10μmまでの走査を数Vから200V程度の電圧によって実現している。
【0128】
この圧電素子37の先端部分に、ターゲット9を有する保持体11を取り付けることにより、上述した図13の構成と同様の効果を得ることができる。その上、Z方向への変位も可能であるので、電子レンズと連動させてX線焦点の位置を変位させることができるので、被写体を動かすことなく撮影倍率を微調節することができるという利点も有する。なお、Z方向への変位は、電極Zに電圧を印可することにより行うが、10nm/V程度の極めて微小な伸縮動作を行うこともできる。
【0129】
請求項8にあるように、本発明の振動付与部にはイタバネ(Flexure) を構成部品として用いるのが最適である。本発明のような1mm以下の微小変位を行う場合、イタバネは塑性変形によるため、すべり動作・静摩擦・動摩擦・バッククラッシュがなく過酷な使用環境に耐える。鋼玉を使う軸受類のように潤滑材(グリース)の必要もないので、高真空・高温・高速な本発明に最適である。しかも、小形で高精度である点も有利である。
【0130】
イタバネを用いた具体例として図15〜17を参照しつつ順次説明していく。なお、図15の(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示し、図16は正面図を示し、図17は縦断面図を示す。
【0131】
図15は、圧電素子などの駆動素子36を取り付け部材31に備えた図11の構成と略同じである。相違するのは、保持体11を当接支持するように、イタバネ39が先端部材5に取り付けられている点にある。先端部材5及び保持体11とイタバネ39との接合は、熱伝導率の高い接着や溶接が好適である。
【0132】
また、イタバネ39の材料としては、熱伝導率の高さからセラミックや金属が好ましく、耐久性の面からバネの材料であるリン青銅やベリリウム銅が好ましい。さらに、加工精度の面から、イタバネ39は金属厚板から放電加工によって掘り出して形成されるものが好ましい(請求項9)。
【0133】
このイタバネ39は、ターゲット9の熱を、保持板を通じて逃がすとともに、駆動素子36によって付与された振動により、電子ビームB方向にターゲット9が振動することを抑制する。したがって、振動に伴うX線焦点の変動を抑制することができる。
【0134】
なお、イタバネ39を、図9〜14に述べた圧電素子を用いた構成に採用してもよいことは言うまでもない。
【0135】
図16は、図15の構成と概略同じである。相違点は、イタバネ39と取り付け部材31に代えて、取り付け部材50と一体で形成されたイタバネ部51が採用されていることである。ターゲット9の保持体11は、熱伝導性の接着剤や溶接により接続することもできるが、保持体も含めた一体成型としている。
【0136】
イタバネ部51は、振動する方向に薄く、振動と垂直方向に厚い形状となっており、アスペクト比が高い構造で、放電加工などを用いて形成される。図16のような「コ」の字構造の他にも、単板状、放射状などの様様な形状が考えられる。このようなアスペクト比が高いイタバネは、振動方向には小さな力で駆動できるが、振動と垂直な方向には動かし難い。したがって、電子ビーム方向に高精度な振動を可能にする。数ミクロン以下のサブミクロンのX線焦点をもつX線管の振動付与機構の一部として用いるのに好適である。また、組立精度の点からも望ましい。
【0137】
図17は、イタバネを用いた振動付与部23の他の構成を示す縦断面図である。
【0138】
保持体11Aは、真空窓(13)を兼用するとともに、その周辺部がイタバネ39aに形成されている。また、駆動素子36は、接続板41を介して保持体11Aに接続されている。保持体11Aは、例えば、円筒状の金属ブロックから放電加工によって掘り出して形成する。なお、接続板41を含めて形成することも可能である。
【0139】
ターゲット9には保持体11を介して振動が付与されるので、振動を吸収できるイタバネ39aによりターゲット9を真空封止することができる。したがって、真空窓(13)を不要にでき、X線焦点と被写体との距離を最小にすることができ、幾何学的に拡大倍率を高くすることができる。また、ゴム等の弾性体と組み合わせたり、イタバネ39に代えてゴム等やベローズ等の弾性体だけで構成したりしてもよい(請求項10)。
【0140】
次に請求項11の説明を行う。
【0141】
●問題点5の改善
『ターゲット厚さを薄くすることで、ターゲットによるX線の不要な吸収をなくす』
従来は、問題点5で述べたように、ターゲットが5μmなどと厚めにしてあるので、ターゲットにおけるX線の不要な吸収が生じていた。しかし、この発明においては、ターゲットを長寿命化することができるので、ターゲット厚を5μmから2.4μm(つまり2.6μm薄くする)と最低限の厚さにしてもよい。
【0142】
例えば、管電圧40kVのとき加速された40keVのエネルギーをもった電子はタングステンターゲットに衝突して、X線を発生させながら最大で2.6μm進入する。本発明では、ターゲットを長寿命にできるので、この電子最大進入深さ2.6μmと同じターゲット厚さとしてもよく、従来余分に付加されていた2.4μmのタングステンによるX線吸収20%をなくすことができる。従って、従来の5μmターゲットに比べ、1.2倍の作業効率にできる。特に、吸収の割合が大きな低エネルギーにおける効果が大きい。
【0143】
ここで、密度ρ[g/cm]のターゲットに、エネルギーE[keV]を有する電子が進入する最大進入深さR[μm]は、次の(4)式でほぼ計算できる。
【0144】
R = 0.0021(E/ρ) …… (4)
【0145】
したがって、加速電圧E[keV]のとき、X線発生が最大となるターゲット厚さは最大進入深さRとなる。したがって、上記(4)式で表されるターゲット厚さを採用すればよい。
【0146】
なお、必ずしも上記(4)式で表される厚さに限定されるものではないが、おおむね計算される最大進入深さRの2倍以下の厚さであればこの発明の効果が期待できる。特に、吸収されやすい軟X線を発生させる場合に好適である。
【0147】
また、ミクロンオーダ以下の衝突径s[μm]の場合には、衝突径sと同じ厚さt(=s)[μm]とすることは、X線焦点サイズを微小化する点においてより好ましい。
【0148】
次に請求項12の説明を行う。
電子ビームが低出力の場合には、上述した振動制御部25が次のようにターゲットを変位するようにしてもよい。
【0149】
すなわち、電子ビームの出力が低い場合には、例えば、数ヶ月や数週間のオーダでターゲット9を変位させて電子の衝突点の位置を換える。その場合、各位置において振動を付与しておいてもよいし付与しなくてもよいが、変位により、ターゲット9の異なる衝突点に電子ビームBの衝突点を短時間で移動させることができる。そのため、固定式の場合に行っていた真空引きの時間が不要になるので、短時間でターゲットの交換ができ、作業効率が悪くならないようにできる。
【0150】
なお、この発明は上述した実施例に限定されるものではなく、以下のように変形実施が可能である。
【0151】
(1)振動付与部23の駆動源としては、上述したもののほかに、電歪素子、静電アクチュエータ、磁気歪素子等を採用することができる。また、電磁モータやソレノイドなどを電子ビームから遠く離して構成したり、磁気シールドを入れたりして、ターゲットを振動させるようにしてもよい。この場合も、小形で高分解能にはできないが、長寿命化する効果が大きい。
【0152】
(2)振動付与部23のイタバネに代えて、線状バネ、金属金網、すべり軸受、セラミック製玉軸受、弾性金属体などを用いてもよい。
【0153】
(3)上述した例は、全て透過型のX線発生装置1であるが、この発明は図18に示すように反射型のX線発生装置1Aにも適用することができる。なお、図18は、反射型のX線発生装置1Aにおける概略構成を示す縦断面図である。
【0154】
反射型のX線発生装置1Aは、電子ビームB方向に対して、ターゲット9を有する保持体11を傾斜姿勢で位置させるための支持台43を備え、その先端中央部に連結棒45が、例えば圧電素子35を介して取り付けられている。連結棒45の先端部には保持体11が取り付けられ、保持体11の側面と支持台43の側面を連結するように柔軟性を備えた接続板47が配設されている。
【0155】
圧電素子35を駆動すると、ターゲット9の面方向に振動が付与される。したがって、このような反射型のX線発生装置1Aであっても、上述した透過型のX線発生装置1と同様の熱的な効果を奏し、長寿命と高X線強度を実現できる。
【0156】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、振動付与手段によって電子ビームの衝突点をターゲット上で移動させることができ、ターゲットにおける実効的な電子衝突面積を大きくできるので、発生する熱を分散させて電子衝突による集中的なターゲットの温度上昇を抑制することができる。したがって、ターゲットの蒸散を減少させることができる。その結果、ターゲットを厚くすることなくターゲットの長寿命化を図ることができ、ターゲットの交換・調整に起因する装置の稼働率を高めることができ、連続したX線発生時間を長くできる。その上、X線強度を数倍以上向上させることができ、作業効率を上げられる。さらに、高精度に振動させられるので、従来にない高強度で微小なX線源を実現でき、検査精度を高めることができる。さらに、小型なので撮影倍率を大きくした空間分解能の高いX線装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線発生装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】X線発生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ターゲット上における電子ビームの軌道を示す模式図である。
【図4】電子ビームの衝突面を拡大した模式図である。
【図5】ターゲット上における電子ビームの他の軌道を示す模式図である。
【図6】ターゲット上における電子ビームの他の軌道を示す模式図である。
【図7】ターゲット上における電子ビームの他の軌道を示す模式図である。
【図8】ターゲット上における電子ビームの他の軌道を示す模式図である。
【図9】振動付与部の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図10】振動付与部の他の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図11】振動付与部の他の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図12】振動付与部の他の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図13】振動付与部の他の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図14】円筒型圧電素子の構成を示す図であって、(a)は外観斜視図を示し、(b)は動作の一態様を示す縦断面図である。
【図15】振動付与部の他の構成を示す図であって、(a)は縦断面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図16】放電加工により製造したイタバネを用いた概略構成を示す正面図である。
【図17】イタバネを用いた概略構成を示す縦断面図である。
【図18】反射型のX線発生装置における概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 … 透過型のX線発生装置
9 … ターゲット
11 … 保持体
13 … 真空窓
B … 電子ビーム
21 … 照射X線
23 … 振動付与部(振動付与手段)
25 … 振動制御部(振動制御手段)
27 … 高電圧発生器
29 … 制御部
31 … 取り付け部材
33 … 圧電バイモルフ
35,37 … 圧電素子
39 … イタバネ
41 … 接続板
36 … 駆動部
50 … 取り付け部材
51 … 一体で形成されたイタバネ部

Claims (12)

  1. ターゲットに対して微小径の電子ビームを照射してX線を発生させるX線発生装置において、前記ターゲットの面方向に前記ターゲットを振動させる振動付与手段を備えていることを特徴とするX線発生装置。
  2. 請求項1に記載のX線発生装置において、前記振動付与手段は、ターゲットへの電子ビームの衝突点における軌道が直線状または円弧状、さらにジグザグ状や正方形状などの二次元形状となるように振動させることを特徴とするX線発生装置。
  3. 請求項1または2に記載のX線発生装置において、管電圧、管電流、電子ビーム径、電子衝突部付近の測定温度のいずれかに応じて前記振動付与手段を制御する振動制御手段を備えていることを特徴とするX線発生装置。
  4. 請求項3に記載のX線発生装置において、前記振動制御手段は、電子ビーム径以上の振幅で振動を制御し、かつその振幅を可変とすることができることを特徴とするX線発生装置。
  5. 請求項3または4に記載のX線発生装置において、前記振動制御手段は、振動の周波数を可変とすることができることを特徴とするX線発生装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のX線発生装置において、前記振動付与手段は、圧電素子を備えていることを特徴とするX線発生装置。
  7. 請求項6に記載のX線発生装置において、前記圧電素子とターゲットを被着した保持体とを一体的に構成して閉塞空間を形成することを特徴とするX線発生装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のX線発生装置において、前記保持体を当接支持するイタバネを備えることを特徴とするX線発生装置。
  9. 請求項8に記載のX線発生装置において、前記イタバネは放電加工によって作成されていることを特徴とするX線発生装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のX線発生装置において、前記ターゲットを真空封止するためにゴムまたはイタバネを備えていることを特徴とするX線発生装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のX線発生装置において、前記ターゲットの厚さは、管電圧により計算される電子のターゲットに対する進入距離の2倍以下であることを特徴とするX線発生装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のX線発生装置において、前記振動制御手段は、ターゲットを変位させることを特徴とするX線発生装置。
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