JP2020115975A - X線ct装置及び撮影計画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線管の焦点サイズと最大出力とのトレードオフの関係をより高いレベルで実現させること。【解決手段】実施形態に係るX線CT装置は、制御部を備える。前記制御部は、X線管の焦点の移動を制御する。前記制御部は、前記X線管の陽極を熔解させない観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第1の速度を算出し、要求される解像度を満たす観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第2の速度を算出し、前記下限の速度と前記上限の速度とから、撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動させる第3の速度を決定する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線CT装置及び撮影計画装置に関する。
X線CT装置では、X線源としてX線管(X線管装置)を使用することが一般的である。X線管は、陰極(カソード)から飛び出した電子が陽極(アノード)との間の電界で加速され、陽極に衝突し減速する際にX線を放出するという原理に基づく。
X線CT装置の進化に伴い、X線管に求められる性能も変化してきた。スキャン時間を短縮するためには、時間あたりに発生するX線量を増大させる必要がある。同時にデータ収集する体軸方向の広さを拡大するには、体軸方向に広いX線を発生させる必要があるため、ターゲット角を大きくする必要がある。解像度を向上させるためには、焦点サイズを小さくする必要がある。これらに応えるため、陽極の熱容量をより大きく、陽極の回転速度をより高速とすることが求められ、陽極接地方式、液体金属軸受方式、高冷却方式など、さまざまな改良が加えられ、実用化されている。
また、スキャン中に焦点を高速に移動させ、収集するデータの位置を増やす(レイのサンプリングを増やす)ことで、解像度を向上させたり、アーチファクトを抑制したりする技術(FFS:フライングフォーカルスポット)が実用化されている。このFFSでは、焦点を高速移動させることで陽極ターゲット面のX線発生領域が広がることから、陽極ターゲット面における最高温度を下げる効果も得られる。
X線管においては、衝突する電子が減速する際のエネルギーの大半は熱となり、ごくごく一部がX線となるため、陽極は常に熔解の寸前の状態で使用されている。焦点サイズを小さくしつつ出力を維持しようとすると、電子ビームの密度を上げ、陽極上のより狭い領域で、同じ量のX線を発生させることになるため、単位面積当たりで発生する熱量が大きくなり、熔解させない限界の温度を超えてしまう。焦点サイズと最大出力とは基本的にトレードオフの関係であり、解像度を向上させるために焦点サイズを小さくすると、出力を下げざるを得ない。
また、焦点を移動させることで最高温度を下げる場合、1個のデータ収集(1view)中に焦点を移動させると、焦点サイズが大きくなっていることと同じで、解像度を劣化させてしまう。FFSとして、1個のデータ収集中は焦点を固定させ、データ収集の切り替わり目で高速に移動させることが理想的であるが、完全な矩形波状で移動させることはできず現実的には台形波状や正弦波状などになる。例えば、台形波状の場合、焦点移動中のデータは収集しないか、あるいは収集しても再構成に使用しないなどの対応が必要となり、画像に寄与しないX線照射が増えることになる。さらに、逐次収集と呼ばれる、画素によって収集時刻が異なる収集方式を用いた装置では、画素ごとに焦点位置の範囲がずれてしまうことから、実効的な焦点サイズを揃えることもできず、実質的な焦点サイズは大きくなってしまう。
特開2011−19802号公報 特開平5−217534号公報
本発明が解決しようとする課題は、X線管の焦点サイズと最大出力とのトレードオフの関係をより高いレベルで実現させることである。
実施形態に係るX線CT装置は、制御部を備える。前記制御部は、X線管の焦点の移動を制御する。前記制御部は、前記X線管の陽極を熔解させない観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第1の速度を算出し、要求される解像度を満たす観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第2の速度を算出し、前記下限の速度と前記上限の速度とから、撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動させる第3の速度を決定する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、X線管の構成例を示す図である。 図3は、X線高電圧装置の構成例を示す図である。 図4は、X線CT装置の処理例を示すフローチャートである。 図5は、X線管の陽極の時間に対する温度の変化の例を示す図である。 図6は、X線管の陽極の焦点を移動する周期に対する温度の変化の例を示す図である。 図7Aは、焦点が第1の位置にある状態を示す図である。 図7Bは、焦点が第2の位置にある状態を示す図である。 図7Cは、1個のデータ収集(1view)中に焦点が第1の位置から第2の位置に移動することで見かけ上の焦点サイズが広がる状態を示す図である。 図8は、X線管の陽極の焦点を移動する周期に対する見かけ上の焦点サイズの変化の例を示す図である。 図9Aは、フロント状態における焦点の位置の例を示す図である。 図9Bは、センター状態における焦点の位置の例を示す図である。 図9Cは、バック状態における焦点の位置の例を示す図である。 図10は、架台装置10の回転角に対する焦点の位置の変化の例を示す図である。 図11Aは、フロント状態におけるレイの位置の例を示す図である。 図11Bは、バック状態におけるレイの位置の例を示す図である。 図12は、焦点の位置の変化と逐次収集によるデータ収集の例を示す図である。 図13は、比較例としてのFFSによる焦点の位置の変化の例を示す図である。 図14は、比較例としてのFFSによる焦点の位置の変化と逐次収集によるデータ収集の例を示す図である。 図15Aは、第2の実施形態においてX線管が支持機構により支持された場合のレイの位置の例を示す図(1)である。 図15Bは、第2の実施形態においてX線管が支持機構により支持された場合のレイの位置の例を示す図(2)である。 図15Cは、第2の実施形態においてX線管が支持機構により支持された場合のレイの位置の例を示す図(3)である。 図15Dは、第2の実施形態においてX線管が支持機構により支持された場合のレイの位置の例を示す図(4)である。 図16Aは、支持機構がある場合の焦点の位置の例を示す図(1)である。 図16Bは、支持機構がある場合の焦点の位置の例を示す図(2)である。 図16Cは、支持機構がある場合の焦点の位置の例を示す図(3)である。
以下、図面を参照して、X線CT装置及び撮影計画装置の各実施形態を説明する。なお、実施形態は、以下の内容に限られるものではない。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1を参照しながら、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成例を示すブロック図である。X線CT装置1は、図1に示されるように、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。なお、説明の都合上、図1では架台装置10が複数描画されているが、基本的に実際の構成として架台装置10は一つである。図1においては、架台装置10の非チルト状態での回転フレーム16の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。
架台装置10は、X線管11と、X線検出器15と、回転フレーム16と、X線高電圧装置17と、制御装置18と、ウェッジ19と、コリメータ20と、DAS(Data Acquisition System)21とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置17から供給される高電圧により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。例えば、X線管11には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。本実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。なお、X線高電圧装置17は、高電圧の発生だけでなく、フィラメントへの電源供給、回転型陽極の駆動電源供給、及び、後述する熱電子調整機構の駆動等も行う。詳細については後述する。
図2は、X線管11の構成例を示す図である。図2において、X線管11は、筐体(管球ハウジング)111と、陰極113と、熱電子調整機構114と、回転軸115と、陽極116とを備えている。筐体111は、例えば、金属により作製され、内部で発生したX線を通過させるX線窓112を有している。陰極113は、熱電子を発生する。熱電子は、フィラメントに流れる電流により発生した熱によって励起され、フィラメント又は加熱された部材から飛び出す電子である。
陽極116は、陰極113から放出される熱電子の衝突を受けてX線を発生させる。具体的には、陰極113と陽極116との間に大きな電位差が設けられる。例えば、陽極116を接地し、陰極113の電位をマイナスとすることにより、陰極113と陽極116との間に電位差が設けられる。この電位差により、陰極113から放出された熱電子は加速されて陽極116に衝突し、X線が発生する。また、陽極116は、回転軸115により回転する回転体であり、回転軸115の軸方向から見ると外周が円形となっている。陽極116は、傘状の形状を有しており、傘の先端側が陰極113側を向いている。陽極116の陰極113と対向する側はテーパ面となっており、陰極113側に対して若干の角度だけX線窓112側に傾斜する面を形成している。陽極116は、回転することにより、熱電子の衝突によって発熱する位置を分散させ、発熱による陽極116の表面の熔解を回避する。回転軸115は、図示しないベアリング等により支持され、図示しないステータコイル等により発生される回転磁界により回転駆動される。なお、図では陰極113から陽極116に向かう熱電子の軌道(一点鎖線にて図示)が陽極116の回転軸115と平行に描かれているが、これに限られない。
熱電子調整機構114は、陰極113と陽極116との間の熱電子の軌道に沿って、軌道を挟むように設けられており、電界又は磁界により陰極113から放出された熱電子の軌道を変化させ、陽極116上の焦点を移動する。熱電子調整機構114は、電界が用いられる場合に対応して、Y軸方向に距離を隔てて対向する調整極114aと調整極114bとを備えている。軌道の調整に電界が用いられる場合、調整極114a、114bは、例えば、平板状の電極であり、陰極113の電位に対してマイナスの異なる電位が印加され、マイナスの電荷を持った熱電子に作用する反発力により、電位が相対的に高い側に熱電子の軌道を変化させる。軌道の調整に磁界が用いられる場合、熱電子に作用する力の方向は、軌道の調整に電界が用いられる場合に熱電子に作用する方向に対し直交する方向となり、調整極114a、114bは、X軸方向に距離を隔てたものとなる。軌道の調整に磁界が用いられる場合、調整極114a、114bは、例えば、電磁石の磁極であり、飛翔する熱電子が磁界から受ける力により、熱電子の軌道が変化する。なお、熱電子調整機構114は、筐体111の内部に設けられる場合に限られず、筐体111の外部に熱電子調整機構114が設けられるものでもよい。
なお、図2において熱電子の軌道をY軸方向に変化させる場合について説明したが、他の方向に熱電子の軌道を変化させてもよい。例えば、熱電子調整機構114の調整極114a、114bの対と直交する方向に他の調整極の対を設け、直交する2つの調整極の対による電界又は磁界の大きさを調整することにより、任意の方向に熱電子の軌道を変化させることができる。
図3は、X線高電圧装置17の構成例を示す図である。図3において、X線高電圧装置17は、X線高電圧供給回路171と、フィラメント電源供給回路172と、陽極回転駆動電源供給回路173と、熱電子調整機構駆動回路174とを備えている。X線高電圧供給回路171は、X線管11の陰極113と陽極116との間に印加される高電圧を発生し供給する。X線高電圧供給回路171は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生回路と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御回路とを有する。高電圧発生回路は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。フィラメント電源供給回路172は、X線管11のフィラメントの電源を供給する。陽極回転駆動電源供給回路173は、陽極116を回転駆動する電源を供給する。
熱電子調整機構駆動回路174は、X線管11の熱電子調整機構114に供給する電圧又は電流により、熱電子の軌道に対して作用する電界又は磁界を制御する。なお、X線高電圧装置17は、回転フレーム16に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。また、X線高電圧装置17にX線高電圧供給回路171とフィラメント電源供給回路172と陽極回転駆動電源供給回路173と熱電子調整機構駆動回路174とが含まれる構成例について説明したが、その一部が他の装置として設けられるようにしてもよい。
図1に戻り、X線検出器15は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS21へと出力する。X線検出器15は、例えば、X線管11の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャネル方向(周回方向)に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器15は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器15は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器15は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム16(架台ベース)は、X線管11とX線検出器15とを対向支持し、制御装置18によってX線管11とX線検出器15とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム16は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム16は、X線管11及びX線検出器15に加えて、X線高電圧装置17やDAS21を更に支持することもできる。更に、回転フレーム16は、図1において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置10において、回転フレーム16とともに回転移動する部分及び回転フレーム16を回転部とも記載する。なお、X線管11とX線検出器15とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate−Type(第3世代CT)について説明したが、その他にも、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管11のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate−Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。
なお、DAS21が生成した検出データは、例えば、回転フレーム16に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム16を回転可能に支持する固定フレーム(図1での図示は省略されている)等である。なお、回転フレーム16から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、光通信に限らず、回転部分と非回転部分との間でデータ伝送が行えるものであれば如何なる方式を採用しても構わない。
制御装置18は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構と、この機構を制御する回路とを含む。制御装置18は、入力インターフェース43や架台装置10に設けられた入力インターフェース等からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う。例えば、制御装置18は、回転フレーム16の回転や架台装置10のチルト、寝台装置30及び天板33の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置18は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム16を回転させる。なお、制御装置18は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
ウェッジ19は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ19は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ19は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工して構成される。
コリメータ20は、ウェッジ19を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ20は、X線絞りと呼ばれる場合もある。コリメータ20は、図示しないコリメータ調整回路によって、開口度及び位置が調整される。これにより、X線管11が発生させたX線の照射範囲が調整される。
DAS21は、X線検出器15の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS21は、例えば、プロセッサにより実現される。DAS21が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、天板33の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。天板33だけを移動させてもよいし、寝台装置30の支持フレームごと移動する方式であってもよい。立位CTに応用される場合は、天板33に相当する患者支持機構を移動する方式であってもよい。架台装置10の天板33の位置関係の相対的な変更を伴うスキャン(ヘリカルスキャンや位置決めスキャン等)実行の際、当該位置関係の相対的な変更は天板33の駆動によって行われてもよいし、架台装置10の走行によって行われてもよく、またそれらの複合によって行われてもよい。歯科用CTに適用される場合には、寝台装置30等は不要となる。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、コンソール装置40は、架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ41は、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ41は、X線CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ41は、ハードウェアによる非一過性の記憶媒体としても用いられる。なお、投影データや再構成画像データの記憶は、コンソール装置40のメモリ41が行う場合に限らず、インターネット等の通信ネットワークを介してX線CT装置1と接続可能なクラウドサーバがX線CT装置1からの保存要求を受けて投影データや再構成画像データの記憶を行うようにしてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等により実現される。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、スキャン制御機能441、画像生成機能442、表示制御機能443及び制御機能444を有する。処理回路44は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路44は、制御部の一例である。
例えば、処理回路44は、メモリ41からスキャン制御機能441に相当するプログラムを読み出して実行することにより、X線CT装置1を制御してスキャンを実行する。ここで、スキャン制御機能441は、例えば、コンベンショナルスキャンやヘリカルスキャン、ステップアンドシュート方式といった種々の方式でのスキャンを実行することができる。
具体的には、スキャン制御機能441は、寝台駆動装置32を制御することにより、被検体Pを架台装置10の撮影口内へ移動させる。また、スキャン制御機能441は、X線高電圧装置17を制御することにより、X線管11へ高電圧を供給させる。また、スキャン制御機能441は、X線高電圧装置17の熱電子調整機構駆動回路174を介して、X線管11の焦点の移動を制御する。また、スキャン制御機能441は、コリメータ20の開口度及び位置を調整する。また、スキャン制御機能441は、制御装置18を制御することにより、回転フレーム16を含む回転部を回転させる。また、スキャン制御機能441は、DAS21に投影データを収集させる。なお、CT画像を再構成するには被検体Pの周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。
また、例えば、処理回路44は、メモリ41から画像生成機能442に相当するプログラムを読み出して実行することにより、DAS21から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理を施す前のデータ(検出データ)及び前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。また、例えば、画像生成機能442は、CT画像データを生成する。具体的には、画像生成機能442は、前処理後の投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。画像生成機能442は、再構成処理に際して、1個のデータ収集(view)中の代表的な焦点の位置に基づいて再構成を行う。また、画像生成機能442は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データを任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。
また、例えば、処理回路44は、メモリ41から表示制御機能443に相当するプログラムを読み出して実行することにより、CT画像をディスプレイ42に表示する。また、例えば、処理回路44は、メモリ41から制御機能444に相当するプログラムを読み出して実行することにより、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。
なお、図1においては、スキャン制御機能441、画像生成機能442、表示制御機能443及び制御機能444の各処理機能が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。処理回路44はコンソール装置40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。コンソール装置40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。後処理はコンソール装置40又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。また、コンソール装置40とワークステーションの両方で処理することにしても構わない。
また、処理回路44のスキャン制御機能441における、スキャンの実行の直前までの機能を果たす部分を撮影計画装置と呼ぶこともでき、これを別の装置として切り出すこともできる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ41に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ41にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
図4は、X線CT装置1の処理例を示すフローチャートであり、撮影(スキャン)に先立ってX線管11の焦点の移動の速度(振幅、周期)を決定する処理例である。なお、焦点の移動の速度は、移動の振幅と周期とにより定まる。図4において、処理回路44のスキャン制御機能441は、撮影の条件等を取得する(ステップS1)。撮影の条件等としては、スキャンプロトコル、高精細モード/通常モード、コンベンショナルスキャン/ヘリカルスキャン、撮影部位、稼働履歴等の情報であり、これらからスキャンの連続性、スキャンの広さ、被検体の大きさ、直前までの稼働履歴、高精細の要求、低ノイズの要求、低被爆の要求等が判断される。更に、スキャンの連続性、スキャンの広さ、被検体の大きさ、直前までの稼働履歴、高精細の要求、低ノイズの要求、低被爆の要求、のいずれか又は組み合わせに基づいて、撮影の目的が解像度を優先すべきか、最大出力を優先すべきかが判断される。
次いで、スキャン制御機能441は、X線管11の陽極116を熔解させない観点から焦点を連続的かつ周期的に移動する下限の速度(振幅、周期)を算出する(ステップS2)。下限の速度は、第1の速度の一例である。
図5は、X線管11の陽極116の時間に対する温度の変化の例を示す図である。図5において、曲線aはX線管11の焦点の位置を移動しなかった場合の変化、曲線bは焦点を第1の周期で移動した場合の変化、曲線cは焦点を第1の周期より短い第2の周期で移動した場合の変化、曲線dは焦点を第2の周期より短い第3の周期で移動した場合の変化、曲線eは焦点を第3の周期より短い第4の周期で移動した場合の変化、曲線fは焦点を第4の周期より短い第5の周期で移動した場合の変化の例を示している。すなわち、X線管11の焦点の位置を移動しなかった場合(曲線a)は、所定の時間で熔解に相当する100%の相対温度に達してしまうが、焦点を移動することで温度の上昇を抑制することができる。図6は、X線管11の陽極116の焦点を移動する周期に対する温度の変化の例を示す図であり、周期が小さい場合(高速に移動する場合)の方が、陽極116の温度を低下させることができる。
スキャン制御機能441は、例えば、移動の振幅ごとの図6のような関係を示す数式又は数値データに対し、予め決めておいた相対温度(例えば、60%)を当てはめることで、対応する移動の振幅と周期とを取得する。該当する移動の振幅と周期とが複数組ある場合、スキャン制御機能441はそれらの複数組を取得してもよい。なお、焦点の移動の振幅としては、焦点サイズ以上とすることが望ましい。これは、焦点の周期的な移動において、同じ位置が熱電子に晒されると、熔解しやすくなるためである。
次いで、図4に戻り、スキャン制御機能441は、要求される解像度を満たす観点からX線管11の焦点を連続的かつ周期的に移動する上限の速度(振幅、周期)を算出する(ステップS3)。上限の速度は、第2の速度の一例である。1個のデータ収集(1view)中に焦点が移動すると焦点サイズが大きくなったことと同等になり、解像度の低下を招いてしまうため、1個のデータ収集(1view)の間隔に対して、相対的に長い時間をかけて焦点を移動させる。例えば、データ収集のサンプリングの10倍以上の長い周期で焦点を移動させることが望ましい。また、焦点の移動は、架台装置10の回転に同期させて行うことが望ましい。例えば、架台回転の1/10以上の長い周期で焦点を移動させることが望ましい。一例として、架台回転1回転で2周期の焦点移動を行うことができる。
図7Aは、焦点が第1の位置にある状態を示す図、図7Bは、焦点が第2の位置にある状態を示す図、図7Cは、1個のデータ収集(1view)中に焦点が第1の位置から第2の位置に移動することで見かけ上の焦点サイズが広がる状態を示す図である。すなわち、1個のデータ収集(1view)中に、焦点が図7Aのような第1の位置から図7Bのような第2の位置に移動した場合、見かけ上の焦点サイズは図7Cのように広がってしまうことになり、解像度が低下してしまう。図8は、X線管11の陽極116の焦点を移動する周期に対する見かけ上の焦点サイズの変化の例を示す図であり、周期が大きい場合(ゆっくりと移動する場合)の方が、見かけ上の焦点サイズを小さくすることができ、解像度を高めることができる。
スキャン制御機能441は、例えば、移動の振幅ごとの図8のような関係を示す数式又は数値データに対し、予め決めておいた相対的な解像度(例えば、1.2)を当てはめることで、対応する移動の振幅と周期とを取得する。該当する移動の振幅と周期とが複数組ある場合、スキャン制御機能441はそれらの複数組を取得してもよい。
次いで、図4に戻り、スキャン制御機能441は、上述の処理により求められた下限の速度と上限の速度とから、撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動する速度(振幅、周期)を決定する(ステップS4)。撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動する速度は、第3の速度の一例である。この際、スキャン制御機能441は、撮影の目的が解像度を優先すべきと判断する場合には、焦点を連続的かつ周期的に移動させる速度を下限の速度に近づけ、撮影の目的が最大出力を優先すべきと判断する場合には、焦点を連続的かつ周期的に移動させる速度を上限の速度に近づける。その後、スキャン制御機能441は、決定された速度(振幅、周期)により、熱電子調整機構駆動回路174を制御してX線管11の焦点を移動させつつ、撮影(スキャン)を実行する。
図4に示されたステップS1〜S4は、スキャン制御機能441に対応するステップである。ステップS1〜S4は、処理回路44がメモリ41からスキャン制御機能441に対応するプログラムを読み出し実行することにより、スキャン制御機能441が実現されるステップである。図4で説明したフローチャートにおける処理の順序は、結果に本質的な影響を与えない範囲で変えてもよい。また、結果に本質的な影響を与えない範囲で、並行して処理を行ってもよい。
図9Aは、フロント状態における焦点の位置の例を示す図、図9Bは、センター状態における焦点の位置の例を示す図、図9Cは、バック状態における焦点の位置の例を示す図であり、架台装置10の回転に同期して連続的かつ周期的に焦点の位置が移動される例である。なお、焦点がフロントにある場合(図9A)とバックにある場合(図9C)とで、焦点となる陽極116上の領域が重ならないようになっている。ただし、焦点となる領域が重ならないようにするのは必須ではない。陽極116の冷却を考慮すると、焦点となる領域が重ならないことが理想ではあるが、焦点となる領域が重なった場合に熔解防止の効果がなくなるものではない。図10は、架台装置10の回転角に対する焦点の位置の変化の例を示す図であり、架台装置10が真上にある場合にはフロント(Front)、図の右回りに45°回転した状態でセンター(Center)、更に45°回転した状態でバック(Back)、更に45°回転した状態でセンター、更に45°回転した状態でフロント、更に45°回転した状態でセンター、更に45°回転した状態でバック、更に45°回転した状態でセンターとなる。
図11Aは、フロント状態におけるレイの位置の例を示す図であり、図11Bは、バック状態におけるレイの位置の例を示す図である。すなわち、焦点の位置が変化するとその焦点の位置と検出画素とを結ぶレイの位置が変化する。そのため、画像生成機能442は、移動する焦点の位置に応じ、viewごとの焦点の代表的な位置(例えば、微小に変化する焦点の平均的な位置)を計算し、その焦点の位置と検出画素とを結ぶレイの位置を計算し、計算したレイの位置に沿って逆投影して画像の再構成を行う。なお、再構成に使用するレイの位置は、すべてのデータごとに個別に計算するだけでなく、いくつかにグルーピングし、グループ内で同じ値を用いてもよい。
図12は、焦点の位置の変化と逐次収集によるデータ収集の例を示す図である。図12において、焦点位置は、図10で説明したように、架台回転周期の半分の周期で、フロント(F)とバック(B)との間を連続的かつ周期的に、例えば、正弦波状に変化するものとしている。この場合、焦点の移動の速度は、要求される解像度を満たす観点からの焦点を連続的かつ周期的に移動させる速度が考慮されているため、短い期間ΔT内における焦点位置の変化は微小であり、焦点位置の違いによる解像度低下はほとんど発生しない。そのため、図の左側に画素の順番(列)で示されるように、X線検出器15から列ごとに画素の値が取得される逐次収集において、S101のように連続するビューview1、view2で最初の列の画素の取得が行われ、最後の列の画素がS102のようにずれて取得される場合であっても、焦点位置の違いによる解像度低下はほとんど発生しない。また、焦点の移動の速度は、X線管11の陽極116を熔解させない観点からの焦点を連続的かつ周期的に移動させる速度が考慮されているため、陽極116の熔解も防止され、X線管11の焦点サイズと最大出力とのトレードオフの関係がより高いレベルで実現される。すなわち、従来と同等の焦点サイズでより大きな出力を得たり、より小さい焦点サイズにしながら出力を維持させたりすることができる。
図13は、比較例としてのFFSによる焦点の位置の変化の例を示す図であり、上段は理想的な矩形波状の焦点位置の遷移、中段は現実的な台形波状の焦点位置の遷移、下段は他の現実的な正弦波状の焦点位置の遷移を示している。図14は、比較例としてのFFSによる焦点の位置の変化と逐次収集によるデータ収集の例を示す図であり、図13の中段における台形波状の焦点位置の遷移の場合について示している。これらの場合において、焦点位置の移動周期の半分が1個のデータ収集(1view)の期間となっている。
図14において、上段の焦点位置の遷移のうち、フロント(F)とバック(B)との過渡的な状態では、焦点位置が確定できないため、データから除外すべきものとされる。そのため、画像に寄与しないX線照射が増えることになり、好ましくない。また、図の左側に画素の順番(列)で示されるように、X線検出器15から列ごとに画素の値が取得される逐次収集において、S201のように連続するビューview1、view2で最初の列の画素の取得が行われ、最後の列の画素がS202のようにずれて取得される場合に、焦点位置の異なる画素の値が混ざってしまい、実効的な焦点サイズを揃えることもできず、実質的な焦点サイズは大きくなってしまう。本実施形態では、このような不都合が生じないことは、前述した通りである。
なお、1個のデータ収集(1view)の間隔に対して相対的に長い時間をかけて焦点を移動させる場合について説明したが、オペレータから所定の指示が与えられた場合や、撮影の目的が所定の解像度よりも高い解像度を要すると判断された場合には、焦点の連続的かつ周期的な移動を行わないモードに移行させるようにしてもよい。また、オペレータから所定の指示が与えられた場合には、焦点を複数の位置に不連続に変化(データ収集のサンプリングと概ね同じ周期で焦点を移動)するFFSモードにより焦点の移動を行うようにしてもよい。
また、軌道同期スキャンにおいてサブトラクションを行う場合には、焦点の位置の変更が画質に影響しやすいため、原則として、焦点を移動させる動作は停止する。しかし、焦点位置変更の周期を、サブトラクションを行う複数のスキャンの間でシンクロさせることで、軌道同期スキャンでサブトラクションを行う場合においても、焦点を移動させる動作を行うことができる。ダイナミックスキャンについても同様である。
また、X線管11の校正用に取得されるキャリブレーションデータについても、焦点の位置に応じてキャリブレーションデータを予め取得し、スキャン時の焦点の位置に応じてキャリブレーションデータを使い分けることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、移動する焦点の位置に応じ、レイ(パス)の位置を考慮して再構成を行うようにしていた。しかし、第2の実施形態では、X線管11の陽極116上の焦点の位置が移動しても、X線検出器15側から見た焦点の位置が変化しないようにして、再構成の処理を容易にするようにしている。
図15A〜図15Dは、第2の実施形態においてX線管11が支持機構12により支持された場合のレイの位置の例を示す図である。図15A〜図15Dにおいて、X線管11は、支持機構12を介して回転フレーム16に取り付けられている。支持機構12は、X線検出器15側から見たX線管11の焦点の移動する方向と反対側の方向にX線管11を移動させ、X線検出器15側から見た焦点の位置が変化しないようにする。例えば、支持機構12は、ピエゾ素子等の圧電素子や、モータによるアクチュエータ等により構成される。他の構成は図1等に示されたものと同様である。
図15Aは、X線管11の焦点をフロントの位置(図9A)に移動させ、X線管11自体は移動せずにオリジナルの位置にある場合を示しており、図15Bは、焦点をフロントの位置(図9A)に移動させ、X線管11をバックの方向(図の右側)に移動した場合を示している。図15Cは、X線管11の焦点をバックの位置(図9C)に移動させ、X線管11自体は移動せずにオリジナルの位置にある場合を示しており、図15Dは、焦点をバックの位置(図9C)に移動させ、X線管11をフロントの方向(図の左側)に移動した場合を示している。図15A〜図15Dにおいて、X線管11からX線検出器15に向けて延びる一点鎖線は同じ位置を示しているが、図15B及び図15Dのように、支持機構12がX線管11を移動させることで、フロントからバックの全ての位置において、X線検出器15側から見た焦点の位置が同じになる。
支持機構12がなかった場合の焦点の位置は図9A〜図9Cに示された通りであり、図9Aは焦点がフロントの位置にある場合、図9Bは焦点がセンターの位置にある場合、図9Cは焦点がバックの位置にある場合である。図16A〜図16Cは、支持機構12がある場合の焦点の位置の例を示す図であり、図16Aは焦点がフロントの位置にある場合であってX線管11全体がバックの方向に移動した場合、図16Bは焦点がセンターの位置にある場合であってX線管11全体は移動しない場合、図16Cは焦点がバックの位置にある場合であってX線管11全体がフロントの方向に移動した場合を示している。図9A〜図9C及び図16A〜図16Cにおいて、一点鎖線は同じ位置を示しており、支持機構12がX線管11を移動させることで、図16A〜図16Cのように、X線検出器15側から見た焦点の位置が同じになる。
以上説明された少なくとも1つの実施形態によれば、X線管の焦点サイズと最大出力とのトレードオフの関係をより高いレベルで実現させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
10 架台装置
11 X線管
113 陰極
116 陽極
12 支持機構
174 熱電子調整機構駆動回路
18 制御装置
40 コンソール装置
41 メモリ
42 ディスプレイ
43 入力インターフェース
44 処理回路
441 スキャン制御機能

Claims (10)

  1. X線管の焦点の移動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記X線管の陽極を熔解させない観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第1の速度を算出し、
    要求される解像度を満たす観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第2の速度を算出し、
    前記第1の速度と前記第2の速度とから、撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動させる第3の速度を決定する、
    X線CT装置。
  2. 前記第1の速度、前記第2の速度及び前記第3の速度は、焦点の移動の振幅と周期とにより定まる、
    請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記振幅は、焦点のサイズを超える幅である、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記制御部は、
    前記撮影の目的が解像度を優先すべきと判断する場合には、前記第3の速度を前記第1の速度に近づけ、
    前記撮影の目的が最大出力を優先すべきと判断する場合には、前記第3の速度を前記第2の速度に近づける、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  5. 前記制御部は、
    スキャンの連続性、スキャンの広さ、被検体の大きさ、直前までの稼働履歴、高精細の要求、低ノイズの要求、低被爆の要求、のいずれか又は組み合わせに基づいて、前記撮影の目的が解像度を優先すべきか、前記撮影の目的が最大出力を優先すべきかを判断する、
    請求項4に記載のX線CT装置。
  6. 前記制御部は、所定の指示が与えられた場合、又は撮影の目的が所定の解像度よりも高い解像度を要すると判断した場合、焦点の移動を行わない、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  7. 前記制御部は、所定の指示が与えられた場合、焦点を複数の位置に不連続に変化させる、
    請求項1〜6のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  8. 前記X線管の焦点を移動させる方向と反対側の方向に前記X線管を移動させる支持機構を備える、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  9. 前記制御部は、1個のデータ収集中の代表的な焦点の位置に基づいて再構成を行う、
    請求項1〜8のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  10. X線管の焦点の移動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記X線管の陽極を熔解させない観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第1の速度を算出し、
    要求される解像度を満たす観点から焦点を連続的かつ周期的に移動させる第2の速度を算出し、
    前記第1の速度と前記第2の速度とから、撮影の目的に応じて焦点を連続的かつ周期的に移動させる第3の速度を決定する、
    撮影計画装置。
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