JP2004054254A - 感光性樹脂組成物および耐熱性樹脂膜の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物および耐熱性樹脂膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転写痕やスジ引き等の欠陥を生じにくい感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)特定の構造を有する樹脂と、(b)感光剤と、(c)大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒とを含有し、かつ、(c)成分の含有量が有機溶媒全量に対して50重量%以上100重量%以下である感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光装置の絶縁層や半導体素子の表面保護膜および層間絶縁膜などに適した感光性樹脂組成物および耐熱性樹脂膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(LCD)が普及しているが、同様の非発光型ディスプレイとしてエレクトロクロミックディスプレイ(ECD)がある。また、最近注目されている発光型フラットパネルディスプレイとしてはプラズマディスプレイパネル(PDP)や電界発光ディスプレイ(ELD)などがある。電界発光ディスプレイの中でも特に有機電界発光装置は、高輝度が得られ、かつ、フルカラーディスプレイが可能なことで研究開発が盛んである。
【0003】
これらのフラットパネルディスプレイは、対向する第一電極と第二電極との間に電圧を印加することで、あるいは、電流を流すことで動作するものである。この際、曲率半径の小さい電極のエッジ部分には電界が集中しやすいため、エッジ部分では絶縁破壊やリーク電流の発生など、望ましくない現象が起きやすい。
【0004】
これら現像を抑制するために、第一電極のエッジ部分を絶縁層(セパレーターとも言う)で覆うことが知られている。これにより、電極のエッジ部分における電界集中を緩和することが可能となる。一般に、絶縁層としてはポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。これらの樹脂には、それぞれ非感光性、ネガ型感光性およびポジ型感光性のものが知られている。感光性樹脂を使用すると、フォトレジストを使用することなく絶縁層のパターニングができるため、工程の煩雑さ、歩留まりの悪さを抑えることができる。しかしながら従来の絶縁層の製造方法では、絶縁層に転写痕を生じ、製品品位が低下するという問題があった。ここで転写痕とは、被加熱体に近接もしくは接触した物体の形状が、被加熱体上に目視確認できるムラとして残ったもののことである。
【0005】
たとえば、樹脂組成物をガラス基板等の支持基板に塗布した被加熱体を、ホットプレート方式により加熱して乾燥する際、プロキシピン等の治具上に被加熱体を保持し、ホットプレートからの輻射伝熱によって被加熱体を加熱する。その際に、プロキシピンと接触した部分に転写痕が発現することが多い。発生した転写痕は、その後の露光、現像等の工程に悪影響を及ぼし、最終的にはキュア後の絶縁層の膜厚均一性を損なうなどの問題を生じる。特に、絶縁層として広く用いられるポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体樹脂は、転写痕を発現することが多かった。
【0006】
転写痕対策として、加熱装置の改造による方法が提案されており、昇降自在な第2のホットプレートを具備し、第2のホットプレートが被加熱体である基板全面に接触することで局部的な温度勾配を無くす方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、プロキシピン材質としてポリイミド樹脂等の合成樹脂を用い、かつ、プロキシピンと被加熱体の接触面積を0.008〜0.2mmと小さくしたり、または、プロキシピン構造をパイプ状構造にして熱伝導率を下げる方法が提案されている(例えば特許文献2〜3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−236431号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8−279548号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2002−40223号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの加熱装置を改造することにより転写痕の発生を抑制する技術は、該当する加熱装置ごとに改造を必要とするため、コストと時間を費やさなければならない。そのため、特別な加熱装置を用いなくても転写痕の発生しにくい感光性樹脂組成物が必要とされていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)一般式(1)で表される構造を有する樹脂と、(b)感光剤と、(c)大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒とを含有し、かつ、(c)成分の含有量が有機溶媒全量に対して50重量%以上100重量%以下である感光性樹脂組成物である。
【0012】
【化3】
Figure 2004054254
【0013】
(式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1から20までの有機基を示す。nは5から100000までの範囲、pおよびqは、それぞれ0から4までの範囲、rおよびsは、それぞれ0から2までの範囲である。p+q>0である。)
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥する工程、該感光性樹脂膜を露光する工程、露光された感光性樹脂膜を現像する工程、および、加熱処理をする工程を含む耐熱性樹脂膜の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物を、第一電極が形成された基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥、露光、現像および加熱処理して絶縁層を形成する工程、発光層を形成する工程、および、第二電極を形成する工程を少なくとも含む有機電界発光装置の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、上記の製造方法により得られた耐熱性樹脂膜を有する有機電界発光装置および耐熱性樹脂膜を表面保護膜または層間絶縁膜として有する電子部品を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記の一般式(1)で表される構造を有する樹脂から選ばれた樹脂を、以下(a)成分と呼ぶ。(a)成分は、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。環構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。(a)成分としては、耐熱性に優れ、有機電界発光素子の絶縁層、あるいは、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜として優れた特性を示すことから、ポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体が好ましい。すなわち、(a)成分は耐熱性樹脂前駆体であり、(a)成分を加熱することによって耐熱性樹脂が得られる。ここで、耐熱性樹脂とは、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のイミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーのことである。
【0017】
上記一般式(1)において、Rは、酸二無水物残基を表しており、2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基である。Rは、芳香族環または脂肪族環を含有し、かつ、水酸基を0個〜2個有した、炭素数6〜30の3価または4価の有機基であることが好ましい。また、Rは、ジアミン残基を表しており、2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基である。Rは、得られるポリマーの耐熱性の点で、芳香族環を有するものが好ましい。
【0018】
一般式(1)のRおよびRは同じであっても異なっていても良く、水素原子または炭素数1〜20の有機基を表している。RおよびRの炭素数が20を越えると現像液に溶解しにくくなる。炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基または炭素炭素不飽和二重結合を有する有機基が特に好ましい。また、rおよびsは、それぞれ独立に0から2までの範囲である。
【0019】
感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、RおよびRが水素原子またはアルキル基であることが好ましい。感光性樹脂組成物の安定性の点では、RおよびRはアルキル基が好ましいが、現像液に対する溶解性の点では水素原子が好ましい。水素原子とアルキル基を混在させることもできる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基などが挙げられるがこれらに限定されない。RおよびRは、炭素数1〜16までのアルキル基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。水素原子とアルキル基の量を制御することで、現像液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、RおよびRの10モル%〜90モル%が水素原子であることである。
【0020】
感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、RおよびRが炭素炭素不飽和二重結合を有する有機基であることが好ましい。炭素炭素不飽和二重結合を有することにより、露光に際して架橋が促進され、感光性能が向上するとともに、得られる樹脂の強度も高くなるので、好ましい。炭素炭素不飽和二重結合を有する有機基としては、アクリル酸メチル基、アクリル酸エチル基、アクリル酸プロピル基、メタクリル酸メチル基、メタクリル酸エチル基、メタクリル酸プロピル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
一般式(1)において、pおよびqは、それぞれ独立に0から4までの範囲であり、かつ、p+q>0である。すなわち、(a)成分は、水酸基を有している。この水酸基の存在のために、(a)成分は、後述の(c)成分、すなわち、大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒に対する溶解性が、水酸基を有さない樹脂よりも良好になる。さらに、現像をアルカリ水溶液で行える点でも好ましい。特に、水酸基がフェノール性の水酸基であるとアルカリ水溶液に対する溶解性の点でより好ましい。
【0022】
一般式(1)のnは構造単位の繰り返し数を示しており、5〜100000の範囲であることが好ましい。nの下限は10以上が、より好ましい。nの上限は10000以下が、より好ましい。nが小さすぎると、パターン形状、解像度、現像性、耐熱性などが劣化しやすい。nが大きすぎると、現像性および感度が悪化する傾向がある。本発明において、nの値は、(a)成分の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算で測定し、得られた重量平均分子量を、(a)成分を構成する構造単位1個あたりの分子量で割ることにより求められる。
【0023】
(a)成分の樹脂の好ましい重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いポリスチレン換算で測定した値が、3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。
【0024】
一般式(1)で表される樹脂は、公知の方法を利用して合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミンと反応させる方法などの方法を利用して合成することができる。
【0025】
また、本発明においては、(a)成分の末端に末端封止剤を反応させることが好ましい。末端封止剤としては、モノアミン、酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物などを用いることができる。末端封止剤を反応させることにより、(a)成分の構造単位の繰り返し数、すなわち分子量を好ましい範囲に制御できる点で好ましい。また、(a)成分の末端に末端封止剤を反応させることにより、末端基として種々の有機基を導入することができる。末端封止剤を反応させた(a)成分の好ましい例としては、一般式(2)〜(5)で表される構造を有する樹脂から選ばれた樹脂が好ましい。
【0026】
【化4】
Figure 2004054254
【0027】
(式中R、R、R、R、n、p、q、rおよびsは一般式(1)と同じ、Rは2価の有機基、XおよびYはそれぞれカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、不飽和炭化水素基を1つ以上含有する炭素数1から10までの炭化水素基、ニトロ基、メチロール基、エステル基、ヒドロキシアルキニル基より選ばれた一つ以上の置換基を有する有機基を示す。mは0から10までの範囲である。)
Xおよび/またはYで表される有機基を有することにより、(a)成分は、後述の(c)成分、すなわち、大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒に対する溶解性がさらに良好になる。
【0028】
一般式(2)および一般式(3)における−NH−(R−Xは、末端封止剤である1級モノアミンに由来する成分である。−NH−(R−Xとしては、下記一般式(6)で示される基が好ましい。
【0029】
また、一般式(4)および一般式(5)における−CO−(R−Yは、末端封止剤である酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物またはモノ活性エステル化合物に由来する成分である。−CO−(R−Yとしては、下記一般式(7)および/または下記一般式(8)で示される基が好ましい。
【0030】
【化5】
Figure 2004054254
【0031】
一般式(6)〜(8)におけるRは、−CR−、−CHO−および−CHSO−より選ばれる2価の基を示す。RおよびR10は水素原子、水酸基、カルボキシル基および炭素数1から10までの炭化水素基より選ばれる1価の基を示す。Rは水素原子および炭素数1から10までの炭化水素基より選ばれる1価の基を示す。なかでも水素原子または炭素数1から4の炭化水素基が好ましく、特に好ましくは水素原子、メチル基またはt−ブチル基である。また、RおよびRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、不飽和炭化水素基を少なくとも1つ以上含有する炭素数1から10までの炭化水素基、ニトロ基、メチロール基、エステル基、ヒドロキシアルキニル基および炭素数1から10までの炭化水素基より選ばれた一つ以上の置換基である。A〜Aは、それぞれ炭素原子または窒素原子である。mは0から10までの範囲であり、好ましくは0から4の範囲である。lは0または1であり、好ましくは0である。iは0または1であり、好ましくは0である。jは1〜3までの範囲であり、好ましくは1〜2の範囲である。k、tおよびuは、それぞれ0または1である。
【0032】
ポリマー中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリマーを、酸性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、本発明に使用の末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入されたポリマー成分を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよびC13NMRスペクトル測定でも、容易に検出可能である。
【0033】
また、(a)成分は、フッ素原子を構造中に有していても良い。フッ素原子を有することで極性部位が増加し、(c)成分に対する溶解性が飛躍的に向上する。またアルカリ水溶液で現像する際に、膜の界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみなどが抑えられる。しかしながら、フッ素原子含有量が20重量%を越えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下すること、熱処理により環状構造にしたポリマーの耐有機溶媒性が低下すること、発煙硝酸に対する溶解性が低下することから好ましくない。このように、フッ素原子は20重量%以下含まれることが好ましい。
【0034】
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で R、Rにシロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを全アミン成分に対して1〜10モル%共重合したものなどがあげられる。
【0035】
本発明で用いられる具体的な酸二無水物として、水酸基を有さない例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、および「TDA100、リカレジンTMEG」(以上、商品名、新日本理化(株)製)などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらのうち、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物が好ましい。
【0036】
また、水酸基を有する例として、好ましい化合物を例示すると下記に示したような構造のものが挙げられる。
【0037】
【化6】
Figure 2004054254
【0038】
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
【0039】
本発明で用いられるジアミンの具体的な例としては、水酸基を有しないジアミンの例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。上記化合物は単独種であっても良いし、2種以上の混合であっても良い。
【0040】
また、水酸基を有する例としては、フッ素原子を有した、2,2−ビス〔4−(アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンおよび「ABCH」、「ABPS」(商品名、日本化薬(株)製)などの化合物や一般式(1)〜(4)のRが下記に示したような構造のものが挙げられる。
【0041】
【化7】
Figure 2004054254
【0042】
【化8】
Figure 2004054254
【0043】
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
【0044】
末端封止剤に用いられるモノアミンとしては、具体的には、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレン、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、3−アミノ−O−トルイック酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、2,4−ジエチニルアニリン、2,5−ジエチニルアニリン、2,6−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、1−エチニル−2−アミノナフタレン、1−エチニル−3−アミノナフタレン、1−エチニル−4−アミノナフタレン、1−エチニル−5−アミノナフタレン、1−エチニル−6−アミノナフタレン、1−エチニル−7−アミノナフタレン、1−エチニル−8−アミノナフタレン、2−エチニル−1−アミノナフタレン、2−エチニル−3−アミノナフタレン、2−エチニル−4−アミノナフタレン、2−エチニル−5−アミノナフタレン、2−エチニル−6−アミノナフタレン、2−エチニル−7−アミノナフタレン、2−エチニル−8−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−2−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−1−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−2−アミノナフタレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
これらのうち、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン等が好ましい。
【0046】
末端封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物から選ばれた化合物としては、具体的には、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、2−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、2−カルボキシチオフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−8−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−3−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−8−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−4−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−3−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−2−カルボキシナフタレン、2−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、2−エチニル安息香酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、2,4−ジエチニル安息香酸、2,5−ジエチニル安息香酸、2,6−ジエチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸、2−エチニル−1−ナフトエ酸、3−エチニル−1−ナフトエ酸、4−エチニル−1−ナフトエ酸、5−エチニル−1−ナフトエ酸、6−エチニル−1−ナフトエ酸、7−エチニル−1−ナフトエ酸、8−エチニル−1−ナフトエ酸、2−エチニル−2−ナフトエ酸、3−エチニル−2−ナフトエ酸、4−エチニル−2−ナフトエ酸、5−エチニル−2−ナフトエ酸、6−エチニル−2−ナフトエ酸、7−エチニル−2−ナフトエ酸、8−エチニル−2−ナフトエ酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物および、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2−ジカルボキシナフタレン、1,3−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,3−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物、が挙げられる。
【0047】
これらのうち、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物およびテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物等が好ましい。
【0048】
末端封止剤に用いられるモノアミンの導入割合は、全アミン成分に対して、0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。末端封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物から選ばれた化合物の導入割合は、ジアミン成分に対して、0.1〜100モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜90モル%である。複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入しても良い。
【0049】
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、一般式(1)で表される構造を有する樹脂のみからなるものであっても良いし、他の構造単位を含む共重合体あるいは他の樹脂とのブレンド体であっても良い。その際、一般式(1)で表される構造単位を50モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類および量は最終加熱処理によって得られる耐熱性樹脂膜の耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0050】
本発明の(b)成分は、感光剤である。感光剤としては、ポジ型感光剤とネガ型感光剤のいずれも用いることができる。本発明に用いる感光剤としては、キノンジアジド化合物が好ましい。キノンジアジド化合物は、樹脂組成物にポジ型感光性を与える感光剤である。樹脂組成物がポジ型感光性を有すると、パターン加工に際して、露光部の塗膜内部への放射線有効強度が、塗膜の表面から底部に向かって次第に小さくなり、なだらかな順テーパー状の断面形状を有する絶縁層を形成することが容易であるので好ましい。特に、有機電界発光装置の絶縁層を形成する際には、絶縁層がなだらかな順テーパー状の断面形状を有さないと、図1に示すように、絶縁層上に設けた薄膜層や第二電極が、絶縁層の境界部分で薄くなったり段切れを起こす場合がある。そのような欠陥は、結果として有機電界発光装置の輝度ムラなどの欠陥につながる。それに対して、図2に示すように、絶縁層がなだらかな順テーパー状の断面形状を有していると、絶縁層上に設けた薄膜層や第二電極が、絶縁層の境界部分で薄くなったり段切れを起こしたりしない。したがって、有機電界発光装置の絶縁層を形成するには、ポジ型感光性樹脂組成物が特に好ましい。
【0051】
キノンジアジド化合物としては、エステル化されたキノンジアジド化合物が好ましく、なかでもフェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物がより好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−PHBA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−p−CR、メチレンテトラ−p−CR,BisRS−26X、Bis−PFP−PC(以上商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業(株)製)などの化合物が好ましく挙げられる。ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸が好ましい。
【0052】
このようなナフトキノンジアジド化合物は、水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に対する感光性が高いので好ましい。
【0053】
また、本発明で用いるナフトキノンジアジド化合物の分子量が1000以上になると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点より見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300から1000である。さらに好ましくは、350から800である。このようなナフトキノンジアジド化合物の添加量としては、ポリマー100重量部に対して、好ましくは1から50重量部である。
【0054】
また、必要に応じて感光性耐熱性前駆体組成物のアルカリ現像性を補う目的で、上記フェノール性水酸基を有する化合物をナフトキノンジアジドでエステル化せずそのまま添加しても構わない。このフェノール性水酸基を有する化合物を添加することで、得られる樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。この場合、フェノール性水酸基を有する化合物の添加量としては、ポリマー100重量部に対して、好ましくは1から50重量部であり、さらに好ましくは3から40重量部の範囲である。
【0055】
一方、樹脂組成物にネガ型感光性を与える感光剤としては、光開始剤が好ましい。光開始剤の具体例としては、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシン、ミヒラーズケトンなどの芳香族アミン、3−フェニル−5−イソオキサゾロンに代表される環状オキシム化合物、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムに代表される鎖状オキシム化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなどのベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0056】
また、光開始剤とあわせて光増感剤を用いても良い。好ましい増感剤としては、アジドアントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳香族モノアジド、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン化合物、ベンズアントロン、フェナントレンキノンなどの芳香族ケトンなど一般に光硬化性樹脂に使用されるようなものが挙げられる。その他電子写真の電荷移動剤として使用されるものであれば好ましく使用できることもある。
【0057】
光開始剤や増感剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量部である。この範囲を外れると感光性が低下したり、ポリマーの機械特性が低下したりするので注意を要する。これらの光開始剤や増感剤は、単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0058】
また、さらに感光性能を上げるために、炭素炭素二重結合を有する化合物を添加しても良い。このような化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、付加モル数2〜20のポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メチレンビスアクリルアミド及び上記のアクリレートまたは相当するメタクリレート、メタクリルアミド等がある。これらの化合物は、ポリマー100重量部に対して、1〜30重量部の範囲で添加するのが好ましい。
【0059】
本発明における(c)成分は、大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒である。(c)成分の沸点が100℃未満の場合、スリットダイコート法で塗布する際に、溶媒の蒸発が進行しすぎること、および(a)成分の樹脂の溶解性が乏しいことから、塗布口金に固形分が析出しやすくなり異物発生の原因になるという問題、および、塗布膜にスジ状の厚みむらが現れる、いわゆるスジ引きが発生しやすいという問題があり好ましくない。また(c)成分の沸点が140℃を越えた場合、溶媒の揮発性が不十分となり、加熱乾燥工程において転写痕が発生しやすくなり好ましくない。本発明において用いる有機溶媒全量に対する(c)成分の割合は、50重量%以上100重量%以下が好ましく、60重量%以上100重量%以下がより好ましく、70重量%以上100重量%以下がさらに好ましい。このような溶媒を用いることにより、転写痕もスジ引きもない、高品位の絶縁層を得ることができるので好ましい。
【0060】
本発明の(c)成分として用いる沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒としては、本発明の(a)成分の樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート等のアルキルアセテート類、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
【0061】
また、本発明の感光性樹脂組成物を構成する全溶媒のうち、前記(c)成分を除く残りの0重量%以上〜50重量%未満、好ましくは0重量%以上〜30重量%未満の溶媒としては、沸点が140℃より大きいもの、もしくは、沸点が100℃未満のものを用いてもよい。
【0062】
これらのうち、沸点が140℃より大きい溶媒の方が好ましい。高沸点溶媒は、加熱乾燥工程において蒸発しにくいため、高沸点溶媒を少量添加した場合、得られた感光性樹脂膜中に少量の溶媒が残存する。そのため、その後のパターン加工において、感光性樹脂膜の現像が容易になるため好ましい。また、(a)成分の溶解性の点から、極性溶媒が好ましい。その例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。これらは単独あるいは混合して用いてもかまわない。沸点が140℃より大きい溶媒の添加量は、有機溶媒全量に対して0重量%以上50重量%以下が好ましい。沸点が140℃より大きい溶媒の添加量が50重量%を越えると、加熱乾燥工程において転写痕が発生しやすくなり好ましくない。
【0063】
一方、沸点が100℃未満の溶媒は、スリットダイコート法を用いて塗布する場合には塗布性が悪くなるため好ましくないが、有機溶媒全量に対して0重量%以上30重量%以下の範囲であれば、添加することができる。沸点が100℃未満の溶媒の添加量が30重量%を越えると、スリットダイコート法による塗布においてスジ引き等が発生しやすくなり好ましくない。
【0064】
また、必要に応じて上記、感光性樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を全溶媒中の50重量%以下、より好ましくは30重量%以下の範囲で混合しても良い。また、2酸化ケイ素、2酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
【0065】
さらにシリコンウエハやITO基板などの基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタンキレート剤などを感光性樹脂組成物のワニスに0.5から10重量%添加することもできる。
【0066】
カップリング剤等をワニスに添加する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのシランカップリング剤、チタンキレート剤またはアルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して0.005から10重量%添加すると好ましい。
【0067】
本発明で使用する有機溶剤は、例えば、感光性樹脂組成物のH−NMR測定をすることで、使用された有機溶剤を容易に検出できる。また複数の溶媒を含む場合、得られたH−NMRスペクトルのピーク強度比から溶媒成分比を見積もることができる。
【0068】
また、基板との接着性を高めるためには、上記で述べたカップリング剤等で基板を処理することも有効である。その場合、カップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液を、基板上にスピンコート、スリットダイコート、バーコート、ディップコートもしくはスプレーコートなどで塗布する。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させる。
【0069】
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂膜パターンを形成する方法について説明する。
【0070】
感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。本発明における基板の材質は、例えば、シリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ポリマーフィルムなど、表面に電極用金属を設けることができるあらゆる材質が挙げられる。好ましくはガラスが用いられる。ガラスの材質については、特に限定されるものではないが、アルカリ亜鉛ホウケイ酸ガラス、ナトリウムホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、低アルカリホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、溶融石英ガラス、合成石英ガラスなどが用いられる。通常は、ガラスからの溶出イオンが少ない、無アルカリガラスやSiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスが好ましく使用される。また、基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.1mm以上が好ましく、より好ましくは0.5mm以上である。
【0071】
塗布方法はスリットダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法などの方法があり、これらの手法を単独であるいは組み合わせて塗布することができるが、本発明の感光性耐熱性樹脂組成物が最も効果を奏するのはスリットダイコート法である。スリットダイコート法は、少ない塗布液の量で塗布を行うことができるため、コスト低減に有利である。スリットダイコート法に必要とされる塗布液の量は、たとえば、スピンコート法と比較すると、1/5〜1/10程度である。一方で、スリットダイコート法には、転写痕やスジ引き等の欠陥を生じやすいという問題があった。しかしながら、本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、スリットダイコート法を用いて塗布しても、転写痕やスジ引き等の欠陥を生じない。
【0072】
また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1から100μmになるように塗布される。好ましくは、乾燥後の膜厚が、0.3〜20μmである。
【0073】
次に感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂膜を得る。この工程をプリベークとも言う。乾燥はホットプレート、オーブン、赤外線、真空チャンバーなどを使用する。
【0074】
ホットプレートを用いる場合、プレート上に直接、もしくは、プレート上に設置したプロキシピン等の治具上に被加熱体を保持して加熱する。プロキシピンの材質としては、アルミニウムやステンレス等の金属材料、あるいはポリイミド樹脂やテフロン(登録商標)等の合成樹脂があり、いずれの材質のプロキシピンを用いてもかまわない。プロキシピンの高さは、基板のサイズ、被加熱体である樹脂膜の種類、加熱の目的等により様々であるが、例えば300×350mm×0.7mmのガラス基板上に塗布した樹脂膜を加熱する場合、プロキシピンの高さは2〜12mm程度が好ましい。加熱温度は被加熱体の種類や目的により様々であり、室温から180度の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0075】
次に、この感光性樹脂組成物膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0076】
露光後、現像液を用いてポジ型の場合は露光部を、またネガ型の場合は非露光部を除去することによって所望のパターンを有する樹脂膜を形成する。現像液としては、ポジ型ネガ型いずれの場合もテトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。またネガ型においては、アルカリ水溶液を含まない上記極性溶媒やアルコール類、エステル類、ケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを用いることもできる。現像後は水にてリンス処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
【0077】
現像後、130度から500度の温度を加えて、樹脂膜を耐熱性樹脂膜に変換する。この工程をポストベークとも言う。この加熱処理は、段階的にもしくは連続的に昇温しながら5分から5時間実施する。一例としては、130度、200度、350度で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温から250度まで2時間かけて、または、室温から400度まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0078】
本発明の感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子等の電子部品の表面保護膜または層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
【0079】
【実施例】
以下、実施例および技術をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の感光性樹脂組成物の評価は以下の方法により行った。
【0080】
<感光性樹脂膜の作製方法>
300×350×0.7mmの無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製、#1737)表面にスパッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明電極膜が形成された300×350mmのガラス基板を用意した。ITO膜上にフォトレジストをスピナー塗布して、通常のフォトリソグラフィ法による露光・現像によってパターニングした。ITOの不要部分をエッチングして除去した後、フォトレジストを除去することで、ITO膜を長さ90mm、幅80μm、ピッチ100μmのストライプ形状にパターニングした。このストライプ状ITO膜は、有機電界発光装置を形成した際に、第一電極となる。
【0081】
このITOをパターニングしたガラス基板上に感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)を乾燥後の膜厚が1.5μmとなるように塗布した。スリットダイコート法を用いた場合は、塗布速度は3m/分とした。スピンコート法を用いた場合は、回転数は1000rpmで10秒間とした。その後ホットプレ−ト(中央理研(株)製EA−4331)を用いて、プロキシピンでガラス基板をホットプレートから高さ5.0mmに保持して120℃で10分間加熱して乾燥することにより、感光性樹脂膜を得た。
【0082】
ここでスリットダイコート法による塗布工程を示す模式図を図3に示す。ホットプレート法による乾燥工程を示す断面図を図4に示す。また、図4に示された乾燥工程に用いたプロキシピンの概略図を図5に示す。プロキシピンは、直径D=2.0mm、断面積S=3.1mm、ガラス基板との接触面積S=0.5mm、高さ=10mmであった。材質は、ステンレス材料である”SUS304A”を用いた。
【0083】
<感光性樹脂膜の評価方法>
上記の方法により得られた感光性樹脂膜の評価は、乾燥後の基板における転写痕およびスジ引きを、蛍光灯反射により目視観察することにより行った。
【0084】
<有機溶媒の沸点の算出方法>
本発明の実施例および比較例に用いた有機溶剤の沸点は文献「CRC Handbook of Chemistry and Physics」および「Aldrich Handbook of Fine Chemical andLaboratory Equipment」から引用した。また公知の文献に記載のない有機溶媒の沸点は市販の沸点測定装置を用いることにより測定される。例えば、FP81HT/FP81C(メトラー・トレド(株)製)が挙げられる。
【0085】
<(a)成分の重量平均分子量測定方法>
本発明の(a)成分で用いる樹脂の重量平均分子量は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置を用いて測定した。予め重量平均分子量が既知の標準ポリスチレンを用いて検量線を作製し、それを用いて分子量の解析を行った。測定装置としてはGPCModel510(ウォーターズ(株)製)、カラムはTSK−GELα2500およびTSK−GELα40000(東ソー(株)製)、展開溶媒にはN−メチル−2−ピロリドンを用い、流速は0.4ml/minで測定した。
【0086】
合成例1 水酸基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.2g(0.3モル)をγ−ブチロラクトン100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにγ−ブチロラクトン50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、トルエン1lに投入して酸無水物(a)を得た。
【0087】
【化9】
Figure 2004054254
【0088】
合成例2 水酸基含有ジアミン化合物(b)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50mlおよびプロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに2,2ビス−(4−ベンゾイルクロリド)ヘキサフルオロプロパン23.6g(0.055モル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
【0089】
この沈殿をγ−ブチロラクトン200mlに溶解させて、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく攪拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで攪拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で攪拌した。攪拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、ジアミン化合物(b)の結晶を得た。
【0090】
【化10】
Figure 2004054254
【0091】
合成例3 水酸基含有ジアミン化合物(c)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mlおよびプロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
【0092】
得られた固体30gを300mlのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、ジアミン化合物(c)を得た。得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0093】
【化11】
Figure 2004054254
【0094】
合成例4 水酸基含有ジアミン化合物(d)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン100mlおよびプロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。この後、合成例2と同様にしてジアミン化合物(d)の結晶を得た。
【0095】
【化12】
Figure 2004054254
【0096】
合成例5 3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリド溶液(e)の合成
乾燥窒素気流下、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物24.82g(0.08モル)、n−ブチルアルコール59.3g(0.8モル)を95℃で6時間攪拌反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。ついで塩化チオニルを95.17g(0.8モル)、テトラヒドロフラン(THF)70gを仕込み40℃で3時間反応させた。つづいて、N−メチルピロリドン200gを添加し、減圧により、余剰の塩化チオニルおよびTHFを除去し、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリド溶液(e)239.6g(0.08モル)を得た。
【0097】
合成例6 キノンジアジド化合物(f)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン12.65g(0.125モル)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、キノンジアジド化合物(f)を得た。
【0098】
【化13】
Figure 2004054254
【0099】
合成例7 キノンジアジド化合物(g)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18g(0.15モル)を用い、合成例6と同様にしてキノンジアジド化合物(g)を得た。
【0100】
【化14】
Figure 2004054254
【0101】
合成例8 キノンジアジド化合物(h)の合成
乾燥窒素気流下、4−イソプロピルフェノール6.81g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを用い、合成例6と同様にして、キノンジアジド化合物(h)を得た。
【0102】
【化15】
Figure 2004054254
【0103】
合成例9 キノンジアジド化合物(i)の合成
乾燥窒素気流下、ビスフェノールA 11.41g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.86g(0.1モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.12gを用い、合成例6と同様にしてキノンジアジド化合物(i)を得た。
【0104】
【化16】
Figure 2004054254
【0105】
合成例10 活性エステル化合物(j)の合成
乾燥窒素気流下、4−カルボキシ安息香酸クロリド18.5g(0.1モル)とヒドロキシベンゾトリアゾール13.5g(0.1モル)をテトラヒドロフラン(THF)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにTHF50gに溶解させたトリエチルアミン10.0g(0.1モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、25℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、活性エステル化合物(j)を得た。
【0106】
【化17】
Figure 2004054254
【0107】
実施例1
乾燥窒素気流下、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)12.01g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここに合成例2で得られた水酸基含有ジアミン(b)7.2g(0.012モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。末端封止剤は添加しなかった。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂A)をろ過で集めた。樹脂Aを80℃の真空乾燥機で40時間乾燥した。
【0108】
次にこのようにして得た樹脂A10g、合成例6で得られたキノンジアジド化合物(f)1.5g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW1を得た。
【0109】
得られたワニスW1を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0110】
実施例2
乾燥窒素気流下、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)12.01g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここに合成例2で得られた水酸基含有ジアミン(b)9.6g(0.016モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に4−アミノフェノール0.87g(0.008モル)を加え50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂B)をろ過で集めた。樹脂Bを80℃の真空乾燥機で40時間乾燥した。
【0111】
次にこのようにして得た樹脂B10g、合成例6で得られたキノンジアジド化合物(f)1.5g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW2を得た。
【0112】
得られたワニスW2を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0113】
実施例3
乾燥窒素気流下、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)12.01g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここに合成例3で得られた水酸基含有ジアミン(c)4.84g(0.008モル)と合成例4で得られた水酸基含有ジアミン(d)1.94g(0.008モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に4−エチニルアニリン0.94g(0.008モル)を加え50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂C)をろ過で集めた。樹脂Cを80℃の真空乾燥機で40時間乾燥した。
【0114】
次にこのようにして得た樹脂C10g、合成例7で得られたキノンジアジド化合物(g)1.7g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)50gに溶かして、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW3を得た。
【0115】
得られたワニスW3を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0116】
実施例4
乾燥窒素気流下、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)12.01g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100gに溶解させた。ここに合成例2で得られた水酸基含有ジアミン(b)9.6g(0.016モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に4−アミノフェノール0.44g(0.004モル)および4−エチニルアニリン0.47g(0.004モル)を加え50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂D)をろ過で集めた。樹脂Dを80℃の真空乾燥機で40時間乾燥した。
【0117】
次にこのようにして得た樹脂D10g、合成例6で得られたキノンジアジド化合物(f)1.5g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをプロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃)30gとN−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)20gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW4を得た。
【0118】
得られたワニスW4を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0119】
実施例5
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9.08g(0.045モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)20gに溶解させた。ここに合成例1で得られた水酸基含有酸二無水物(a)24.02g(0.04モル)をNMP15gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。反応後、末端封止剤として無水マレイン酸1.96g(0.02モル)を加えさらに50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール15.19g(0.127モル)をNMP4gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂E)をろ過で集めた。樹脂Eを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
【0120】
次にこのようにして得た樹脂E10g、合成例8で得られたキノンジアジド化合物(h)1.1g、および、ビニルメトキシシラン0.2gをブチルアセテート(沸点126℃)30gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)20gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物のワニスW5を得た。
【0121】
得られたワニスW5を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0122】
実施例6
乾燥窒素気流下、合成例3で得られた水酸基含有ジアミン化合物(c)9.67(0.016モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.50g(0.002モル)、末端封止剤として3−アミノフェノール0.44g(0.004モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物6.2g(0.02モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂F)をろ過で集めた。樹脂Fを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
【0123】
次に、このようにして得た樹脂F10g、合成例9で得られたナフトキノンジアジド化合物(i)2.0g、および、フェノール性水酸基を有する化合物としてTrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)1.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)45gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)5gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW6を得た。
【0124】
得られたワニスW6を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0125】
実施例7
乾燥窒素気流下、合成例3で得られた水酸基含有ジアミン化合物(c)9.67(0.016モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.50g(0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物6.2g(0.02モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4−エチニルアニリン0.47g(0.004モル)を加えさらに50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.77g(0.04モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂G)をろ過で集めた。樹脂Gを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
【0126】
次に、このようにして得た樹脂G10g、合成例6で得られたナフトキノンジアジド化合物(f)2.0g、フェノール性水酸基を有する化合物としてTrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)1.5g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)35gと乳酸エチル(沸点154℃)10gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)5gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW7を得た。
【0127】
得られたワニスW7を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0128】
実施例8
乾燥窒素気流下、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物6.2g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに末端封止剤として3−アミノフェノール1.09g(0.01モル)を加えて、40℃で1時間反応させた。次いで合成例3で得られた水酸基含有ジアミン化合物(c)6.04g(0.01モル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1g(0.005モル)をNMP10gと加えてさらに40℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール5.96g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、溶液を水1lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂H)をろ過で集めた。樹脂Hを70℃の真空乾燥機で60時間乾燥した。
【0129】
次に、このようにして得た樹脂H10g、合成例6で得られたナフトキノンジアジド化合物(f)3.0g、および、ビニルメトキシシラン0.3gをメチルプロピルケトン(沸点102℃)15gとプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)15gとN,N−ジメチルアセトアミド(沸点165℃)20gの混合溶媒に溶かして、感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW8を得た。
【0130】
得られたワニスW8を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0131】
実施例9
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン27.47g(0.075モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として活性エステル化合物(j)5.66g(0.02モル)ピリジン11.93g(0.151モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリド溶液(e)239.6g(0.08モル)を、系内が10℃以上にならないように滴下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂I)をろ過で集めた。樹脂Iを80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
【0132】
このようにして得た樹脂I10g、合成例6で得られたナフトキノンジアジド化合物(f)2.5g、および、ビニルトリメトキシシラン0.3gをエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)25gと乳酸エチル(沸点154℃)10gとNMP(沸点202℃)15gの混合溶媒に溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW9を得た。
【0133】
得られたワニスW9を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0134】
実施例10
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノ安息香酸7.75g(0.051モル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4g(0.02モル)、末端封止剤として3−アミノフェノール1.96g(0.018モル)、ピリジン12.66g(0.16モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに、合成例1で得られた水酸基含有酸無水物(a)48.04g(0.08モル)をNMP50gとともに加えて40℃で2時間反応させた。その後N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール11.92g(0.1モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂J)をろ過で集めた。樹脂Jを80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
【0135】
このようにして得た樹脂J10g、合成例7で得られたナフトキノンジアジド化合物(g)2.2g、および、ビニルトリメトキシシラン0.3gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW10を得た。
【0136】
得られたワニスW10を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0137】
実施例11
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノ安息香酸7.75g(0.051モル)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.3g(0.02モル)、末端封止剤として3−アミノフェノール1.96g(0.018モル)、ピリジン12.66g(0.16モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリド溶液(e)239.6g(0.08モル)を、系内が10℃以上にならないように滴下した。滴下後、室温で6時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2lに投入して、沈殿した樹脂(樹脂K)をろ過で集めた。樹脂Kを80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
【0138】
このようにして得た樹脂K10g、合成例7で得られたナフトキノンジアジド化合物(g)2.2g、および、ビニルトリメトキシシラン0.3gをメチルプロピルケトン(沸点102℃)25gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)25gの混合溶媒に溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW11を得た。
【0139】
得られたワニスW11を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0140】
実施例12
乾燥窒素流下、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物124g(0.4モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート52g(0.4モル)、エタノール18.4g(0.4モル)、γ−BL320gを入れ、氷冷下、かきまぜながらピリジン64.2gを加えた。発熱終了後室温まで放冷し16時間放置した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド166gをγ−BL120gに溶かした溶液を氷冷下、かきまぜながら40分間で加え、続いて合成例3で得られた水酸基含有ジアミン化合物(c)181g(0.3モル)をγ−BL150gに懸濁したものを氷冷下、かきまぜながら60分間で加えた。室温で2時間かきまぜた後、エタノール30gを加えて1時間かきまぜ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)250gとテトラヒドロフラン400gを加えた後、沈殿を濾過により除いて得られた反応液を15リットルのエタノールに加え、生成した沈殿(樹脂L)を濾別した後、真空乾燥した。
【0141】
このようにして得た樹脂Lを10g、o−ベンゾイル安息香酸メチル1g、および、エチレングリコールジアクリレート2.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)40gとN−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)10gの混合溶媒に溶解させてネガ型感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスW12を得た。
【0142】
得られたワニスW12を前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布した。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0143】
実施例13
実施例1で得られたワニスW1を、前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスピンコートコート法により塗布した。回転数は1000rpmで10秒間行った。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0144】
実施例14
実施例7で得られたワニスW7を、前記の感光性樹脂膜の作製方法にしたがって、ITOをパターニングしたガラス基板上にスリットダイコート法により塗布し、続けてスピンコート法により回転させた。回転数は1200rpmで6秒間行った。次いでホットプレートを用いて乾燥し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0145】
実施例15
実施例1で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を、第一電極のエッジを覆う形状のフォトマスクを介してUV露光した。露光後、2.38%TMAH水溶液で露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。つづいて、クリーンオーブン中の窒素雰囲気下で230℃で30分間加熱して、感光性ポリイミド前駆体樹脂膜をキュアし、ポリイミド絶縁層を得た。絶縁層の厚さは約1μmであった。絶縁層は、第一電極のエッジを覆うように形成され、中央部には幅70μm、長さ250μmの開口部が設けられて第一電極が露出している。絶縁層の断面は、なだらかな順テーパーになっていた。
【0146】
次に、この絶縁層を形成した基板上に、抵抗線加熱方式による真空蒸着法によって、正孔輸送層、発光層および第二電極となるアルミニウム層を順次形成した。正孔輸送層は、基板有効エリア全面に蒸着した。発光層は、シャドーマスクを用いて、ストライプ状の第一電極上に合わせてパターニングして形成した。第二電極は、第一電極と直交するようにストライプ状にパターニングして形成した。
【0147】
得られた上記基板を蒸着機から取り出し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。このようにして単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。
【0148】
実施例16
実施例2で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を230℃で60分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0149】
実施例17
実施例3で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を230℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0150】
実施例18
実施例4で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を250℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0151】
実施例19
実施例5で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を230℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0152】
実施例20
実施例6で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を200℃で60分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0153】
実施例21
実施例7で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を350℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0154】
実施例22
実施例8で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を200℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0155】
実施例23
実施例9で得られた感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を用い、キュア条件を320℃で30分にした他は、実施例15と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0156】
比較例1
ワニスを作成する際の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)15gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)35gの混合溶液に変更した他は、実施例1と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0157】
比較例2
ワニスを作成する際の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)10gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)40gの混合溶液に変更した他は、実施例2と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0158】
比較例3
ワニスを作成する際の溶媒をエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)20gとNMP(沸点202℃)30gの混合溶液に変更した他は、実施例3と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0159】
比較例4
ワニスを作成する際の溶媒をブチルアセテート(沸点126℃)15gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)35gの混合溶媒に変更した他は、実施例5と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0160】
比較例5
ワニスを作成する際の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)15gとγ−ブチロラクトン30gと乳酸エチル(沸点154℃)5gの混合溶媒に変更した他は、実施例6と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0161】
比較例6
ワニスを作成する際の溶媒を乳酸ブチル(沸点185−187℃)17gとγ−ブチロラクトン33gの混合溶媒に変更した他は、実施例7と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0162】
比較例7
ワニスを作成する際の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)5gと乳酸エチル(沸点154℃)45gの混合溶媒に変更した他は、実施例8と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0163】
比較例8
ワニスを作成する際の溶媒を乳酸エチル(沸点154℃)10gとNMP(沸点202℃)40gの混合溶媒に変更した他は、実施例9と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0164】
比較例9
ワニスを作成する際の溶媒をγ−ブチロラクトン(沸点204℃)50gに変更した他は、実施例10と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0165】
比較例10
ワニスを作成する際の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点118−119℃)30gとエチレングリコールジメチルエーテル(沸点85℃)20gの混合溶液に変更した他は、実施例1と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0166】
比較例11
ワニスを作成する際の溶媒をメチルエチルケトン(沸点80℃)35gとγ−ブチロラクトン(沸点204℃)15gの混合溶媒に変更した他は、実施例5と同様に行い、ITOをパターニングしたガラス基板上に感光性ポリイミド前駆体樹脂膜を形成し、転写痕の有無およびスジ引きの有無について評価した。
【0167】
樹脂A〜Lのモノマー組成については表1〜4に、実施例1〜14、比較例1〜11の評価結果については表5〜6に示した。表2、4において、複数の成分を用いているものについては、p、q、r、sを平均値で示した。
【0168】
【表1】
Figure 2004054254
【0169】
【表2】
Figure 2004054254
【0170】
【表3】
Figure 2004054254
【0171】
【表4】
Figure 2004054254
【0172】
【表5】
Figure 2004054254
【0173】
【表6】
Figure 2004054254
【0174】
【発明の効果】
本発明によれば、転写痕やスジ引き等の欠陥が発生しない感光性樹脂組成物を供給することができる。特に、スリットダイコート法で塗布した場合でも、装置の改造を必要とすることなく、転写痕やスジ引き等の欠陥を防ぐことができる。また本発明の感光性樹脂組成物を用いると、高品質な電子部品や有機電界発光装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁層が矩形状のときの断面図
【図2】絶縁層が順テーパー形状のときの断面図
【図3】スリットダイコート法による塗布工程を示す模式図
【図4】ホットプレート法による乾燥工程を示す断面図
【図5】プロキシピンの概略図
【符号の説明】
1 第二電極
2 有機発光層
3 絶縁層
4 第一電極
5 基板
6 スリットダイ
7 プロキシピン
8 ホットプレート
9 ガラス基板との接触面:S
10 断面:S

Claims (11)

  1. (a)一般式(1)で表される構造を有する樹脂と、(b)感光剤と、(c)大気圧下における沸点が100℃以上140℃以下の有機溶媒とを含有し、かつ、(c)成分の含有量が有機溶媒全量に対して50重量%以上100重量%以下である感光性樹脂組成物。
    Figure 2004054254
    (式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1から20までの有機基を示す。nは5から100000までの範囲、pおよびqは、それぞれ0から4までの範囲、rおよびsは、それぞれ0から2までの範囲である。p+q>0である。)
  2. (a)成分が、一般式(2)〜(5)で表される構造を有する樹脂から選ばれた1種以上の樹脂である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2004054254
    (式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、RおよびRは同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1から20までの有機基、Rは2価の有機基、XおよびYはそれぞれカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、不飽和炭化水素基を1つ以上含有する炭素数1から10までの炭化水素基、ニトロ基、メチロール基、エステル基、ヒドロキシアルキニル基より選ばれた一つ以上の置換基を有する有機基を示す。nは5から100000までの範囲、mは0から10までの範囲、pおよびqは、それぞれ0から4までの範囲、rおよびsは、それぞれ0から2までの範囲である。p+q>0である。)
  3. (b)成分がキノンジアジド化合物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (c)成分が、有機溶媒全量に対して70重量%以上100重量%以下である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥する工程、該感光性樹脂膜を露光する工程、露光された感光性樹脂膜を現像する工程、および、加熱処理をする工程を含む耐熱性樹脂膜の製造方法。
  6. 感光性樹脂組成物の塗布をスリットダイコート法を用いて行う請求項5記載の耐熱性樹脂膜の製造方法。
  7. 感光性樹脂膜の現像をアルカリ現像液を用いて行う請求項5記載の耐熱性樹脂膜の製造方法。
  8. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を、第一電極が形成された基板上に塗布し感光性樹脂膜を形成する工程、該感光性樹脂膜を乾燥、露光、現像および加熱処理して絶縁層を形成する工程、発光層を形成する工程、および、第二電極を形成する工程を少なくとも含む有機電界発光装置の製造方法。
  9. 絶縁層を第一電極のエッジを覆うように形成する請求項10に記載の有機電界発光装置の製造方法。
  10. 請求項5記載の製造方法により得られた耐熱性樹脂膜を有する有機電界発光装置。
  11. 請求項5記載の製造方法により得られた耐熱性樹脂膜を表面保護膜または層間絶縁膜として有する電子部品。
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