JP2004037582A - 吸音構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸音特性の設計が容易であり、設置場所や使用環境によって吸音特性を変える必要がある場合に容易に対応することができ、しかも、容易にかつ安価に製造することができる製造吸音構造体を提供する。
【解決手段】多数の透音孔を有し、使用時に音源に相対向して配置される音源対向部と、上記音源対向部の背面側に配設されて少なくともこの透音孔を閉塞する多孔質吸音材と、この多孔質吸音材の背後に多孔質吸音材から所定の間隔をおいて配置され、多孔質吸音材の背後に上記各透音孔に対応する背後空気層を形成する層形成部とで構成される多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔及び背後空気層について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層を形成した吸音構造体である。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道用防音壁、道路用防音壁、一般のビルやコンサートホール等の壁面や間仕切り、地下道の天井面、更には電車やモノレール等の乗り物のカウル(若しくはスカート)、船舶等のエンジンルームの間仕切り壁等のように、吸音性能を必要とする種々の構造物や建造物更には乗り物等の吸音処理部において、防音用あるいは吸音用として用いられる吸音構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の構造物や建造物更には乗り物等において用いられる多孔質吸音材については、一般に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム系繊維、銅又は銅合金からなる銅系繊維、ステンレス等の手筒系繊維、ニッケル繊維等の金属繊維を所定の形状に成形してなる金属繊維成形体や、ガラス繊維(ガラスウール)、鉱物繊維(ロックウール)、金属焼結材、金属発泡材等により形成されたものが用いられている(例えば、特公平4−5,721号、特開平5−209,241号、特開平11−3,082号等の各公報参照)。
【0003】
しかしながら、これらの多孔質吸音材の吸音特性は、その材質、嵩密度、厚さ等によりほぼ一義的に決まってしまう。このため、多孔質吸音材の設置場所や使用環境によって、特定周波数帯域の騒音等を効率良く吸収する必要があったり、低周波数帯域又は高周波数帯域で比較的広い周波数帯域の騒音等を吸収する必要があったり、あるいは、低周波数帯域から高周波数帯域までの広い周波数帯域の騒音等を吸収する必要がある等、その吸音特性を変える必要がある場合には、ある特定の材料を選択したり、特有の嵩密度及び厚さを有する多孔質吸音材を形成したり、更には、複数種類の多孔質吸音材を製作してこれらを併用する等の必要が生じ、所望の吸音特性を有する多孔質吸音材を製造する上で経験と試行錯誤に頼らざるを得ず、多大な手間と費用を必要としていた。
【0004】
例えば、特開平1−296,297号公報には、金属切削屑を樹脂バインダーの存在下に圧縮成形する際に、グラスウール等の吸音に寄与する材料を挟持させ、金属切削屑の吸音特性をグラスウール等の吸音特性で補うようにした吸音材が開示されており、また、特開平4−333,897号公報には、グラスウールやロックウール等の綿状繊維質吸音材層とアルミニウム系多孔質板とを積層させ、吸音率を高めると共に広い周波数帯域に亘って優れた吸音特性を付与せしめた吸音パネルが開示されており、更に、特開平8−311,823号公報には、金属繊維にバインダーを混入して集積体とし、この集積体を多孔質の板状に成形してなり、再加圧により吸音特性を変更できるようにし、これによって設置される場所に応じた吸音特性を付与することができる多孔質吸音板が開示されている。
【0005】
しかしながら、金属切削屑の吸音特性をグラスウール等の吸音特性で補う吸音材については、リサイクル性が悪いという問題があるほか、必ずしも十分な吸音率が得られず、また、綿状繊維質吸音材層とアルミニウム系多孔質板とを積層させた吸音パネルについては、パネル単体としての強度及び剛性が不足し、更に、再加圧により吸音特性を変更できるようにした多孔質吸音板については、吸音材の厚さが変化し、背後空気層の形成に手間がかかるという問題があり、いずれの場合も吸音材単体では吸音特性を発現する周波数域のコントロールに限界がある。
【0006】
また、このような多孔質吸音材を用いて吸音処理や防音処理を行う場合、多孔質吸音材が取り付けられる被処理体の剛性が不足し、多孔質吸音材側にある程度の剛性が要求される場合があるが、このような場合には、補剛材(枠材やリブ材等)使用等の手段を施す必要が生じ、補剛材の形状、寸法によっては十分な吸音特性が得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、吸音特性の設計が容易であり、設置場所や使用環境に適合した吸音特性を有し、しかも、容易にかつ安価に製造することができる吸音構造体について鋭意検討した結果、多孔質吸音材による吸音特性と共鳴吸収による吸音特性とを特定の条件下で組み合わせることにより、吸音特性を広範に制御でき、これによって所望の吸音特性を有する吸音構造体を容易に製造することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
従って、本発明の目的は、吸音特性の設計が容易であり、ある特定周波数帯域の騒音等を効率良く吸収したり、また、低周波数帯域又は高周波数帯域で比較的広い周波数帯域の騒音等を吸収したり、更には、低周波数帯域から高周波数帯域までの広い周波数帯域の騒音等を吸収する必要がある場合等、設置場所や使用環境によって吸音特性を変える必要がある場合に容易に対応することができ、しかも、容易にかつ安価に製造することができる製造吸音構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、多数の透音孔を有し、使用時に音源に相対向して配置される音源対向部と、上記音源対向部の背面側に配設されて少なくともこの透音孔を閉塞する多孔質吸音材と、この多孔質吸音材の背後に多孔質吸音材から所定の間隔をおいて配置され、多孔質吸音材の背後に上記各透音孔に対応する背後空気層を形成する層形成部とで構成される多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔及び背後空気層について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層を形成したことを特徴とする片面型の吸音構造体である。
【0010】
また、本発明は、多数の透音孔を有し、互いに所定の間隔をおいて配設され、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部と、これら音源対向部の背面側に配設され、少なくとも上記透音孔を閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材と、A面側及びB面側の多孔質吸音材の間にこれらA面側及びB面側の多孔質吸音材から所定の間隔をおいて配置され、A面側及びB面側の多孔質吸音材の背後に上記各透音孔に対応する背後空気層を形成する層形成部とで構成され、互いに背中合せに位置する多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔及び背後空気層について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層を形成したことを特徴とする両面型の吸音構造体である。
【0011】
更に、本発明は、多数の透音孔を有し、互いに所定の間隔をおいて配設され、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部と、これら各音源対向部の背面側に配設され、少なくとも上記透音孔を閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材と、これらA面側及びB面側の多孔質吸音材の間に形成された背後空気層とで構成される多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔を形成したことを特徴とする両面型の吸音構造体である。
【0012】
本発明において、上記音源対向部の材質については、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材、鉄材、ステンレス材、銅材、チタン材等の金属や、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂等が用いられ、その形状については、多数の透音孔を形成できるものであれば特に制限はないが、通常、厚さ10〜100mm程度の平板状に形成したり、あるいは、本発明の吸音構造体が適用される種々の構造物や建造物更には乗り物等の吸音処理部の一部又は全部を構成するようにしてもよい。
【0013】
また、この音源対向部に形成される多数の透音孔の形状についても、特に制限はなく、例えば、円形状、正方形や長方形等の矩形状、六角形等の多角形状、楕円形や雲形等のその他の形状、更にはこれらの形状の組合せ等であってよく、本発明の吸音構造体が適用される種々の構造物や建造物更には乗り物等の吸音処理部に応じて適宜選択される。そして、この音源対向部に形成する多数の透音孔について、その音源対向部の単位面積当りに占める透音孔の合計面積の割合(開孔率)は、音源がどのような種類(音の周波数や音圧、騒音レベル等)のものでどれくらいの吸音率を必要とするか、この音源対向部の材質や形状等の条件にもよるが、通常は20〜70%であるのがよく、20%より低いと音源からの騒音等を十分に吸音できなくなり、反対に、70%より大きくなると音源対向部の強度が低下するという問題が生じる。
【0014】
そして、上記多孔質吸音材の背後に多孔質吸音から所定の間隔をおいて配置され、この多孔質吸音材の背後に背後空気層を形成する層形成部についても、上記音源対向部と同様に、その材質についてはアルミニウム材、鉄材、ステンレス材、銅材、チタン材等の金属や、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂等を用いることができ、また、その形状については、多孔質吸音材の背後に背後空気層を形成できるものであれば特に制限はなく、通常、厚さ10〜100mm程度の平板状に形成したり、あるいは、本発明の吸音構造体が適用される種々の構造物や建造物更には乗り物等の吸音処理部の一部を構成してもよい。
【0015】
本発明において、上記の音源対向部と層形成部、A面側及び/又はB面側の音源対向部と層形成部、若しくはA面側及びB面側の音源対向部については、必要により、各部材の形成時に互いに一体に形成されて、あるいは、各部材を形成した後に互いに溶接、リベット接合等の連結手段により結合されて、所定の構造体を形成するようにしてもよい。例えば、上記音源対向部や層形成部をアルミニウム材で形成する場合、これら音源対向部や層形成部をアルミニウム押出成形によりアルミニウム型材として一体に形成してもよく、また、ステンレス鋼板で形成する場合、これら音源対向部と層形成部との間を溶接等の手段で互いに連結してもよい。このように構造体を形成せしめることにより、音源対向部や層形成部を比較的薄肉に形成しても、全体の剛性が向上するという利点がある。
【0016】
そして、これら音源対向部や層形成部が形成する構造体については、それ自体が、音源対向部の背面側に配設される多孔質吸音材と相俟って、例えば、鉄道用や道路用等の防音壁、一般のビルやコンサートホール等の壁面や間仕切り、地下道の天井面、電車やモノレール等の乗り物のカウル(若しくはスカート)、船舶、自動車等のエンジンルームの間仕切り壁等を構成するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明において、上記音源対向部の背面側に配設される多孔質吸音材については、音源対向部の透音孔を通過して入射する騒音等の音を吸収できるものであればよく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム系繊維、銅又は銅合金からなる銅系繊維、ステンレス等の手筒系繊維、ニッケル繊維等の金属繊維を所定の形状に成形してなる金属繊維成形体で形成してもよく、また、ガラス繊維(ガラスウール)、鉱物繊維(ロックウール)、金属焼結材、金属発泡材等により形成されたものであってもよい。
【0018】
この多孔質吸音材について、音源対向部や層形成部により電車やモノレール等の乗り物のカウルや防音壁、遮音壁等の構造体を形成し、この構造体の中に多孔質吸音材を組み込むような場合には、耐候性や強度等の観点から、好ましくは金属繊維成形体で構成するのがよく、また、軽量化、耐食性等の観点から、より好ましくはアルミニウム繊維成形体である。
【0019】
更に、この多孔質吸音材については、その材質や形状等によっても異なるが、嵩密度が通常0.2〜1.5g/cm、好ましくは1.0〜1.2g/cmであり、また、厚さが通常5〜50mmであるのがよい。嵩密度が0.2g/cmより小さいと十分な吸音率がとれないという問題があり、反対に、1.5g/cmより大きいと流れ抵抗が大きくなって効果が発現しなくなるという問題が生じる。この多孔質吸音材の嵩密度及び厚さについては、その材質や要求される吸音特性を考慮して決定される。
【0020】
ここで、上記A面側及び面側の多孔質吸音材がその間の背後空気層を介して相対峙する場合、これら両多孔質吸音材の嵩密度及び/又は厚さについては、互いに同じ大きさであってもよいが、より広範な周波数領域の音に対する吸音率を向上せしめるという観点からは、好ましくは互いに異なる値を有するのがよく、嵩密度の差が0〜1.3g/cmであり、また、その厚さの差が0〜45mmである。
【0021】
そして、上記音源対向部の背面側に多孔質吸音材を配設する手段については、少なくとも音源対向部の透音孔を閉塞すればよく、種々の構造物や建造物更には乗り物等の吸音処理部に応じて適当な手段を採用できるものであり、例えば、音源対向部の背面側に接着剤、溶接、かしめ、嵌合等の手段で固着されていてもよく、また、音源対向部の背面側に係止部を設け、この係止部に着脱可能に取り付けてもよい。なお、音源対向部の背面側に係止部を設ける場合、この係止部についても、必要により、音源対向部や層形成部と互いに一体に形成し、あるいは、互いに溶接等の連結手段により結合し、所定の構造体を形成するようにしてもよい。
【0022】
本発明の吸音構造体においては、この吸音構造体に形成される多数の吸音単位構造に関して、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層が形成され、そしてその際に、透音孔の円相当径及び/又は背後空気層の層厚を制御することにより所望の吸音特性を発現せしめ、設置場所や使用環境に応じて、例えば、ある特定周波数帯域の騒音等を効率良く吸収できるようにしたり、また、低周波数帯域又は高周波数帯域で比較的広い周波数帯域の騒音等を吸収できるようにしたり、更には、低周波数帯域から高周波数帯域までの広い周波数帯域の騒音等を吸収できるようにする。
【0023】
ここで、透音孔の円相当径による制御は、円相当径が小さくなればなるほど低周波領域の音を効率良く吸収し、反対に、大きくなればなるほど高周波領域の音を効率良く吸収し、また、背後空気層の層厚による制御は、層厚が小さくなればなるほど高周波領域の音を効率良く吸収し、反対に、大きくなればなるほど低周波領域の音を効率良く吸収するので、例えば、円相当径の比較的小さい透音孔及び/又は層厚の比較的厚い背後空気層を有して低周波数帯域の音を効率良く吸収する低周波音吸収部と、円相当径の比較的大きい透音孔及び/又は層厚の比較的薄い背後空気層を有して高周波数帯域の音を効率良く吸収する高周波音吸収部とを、所望の比率で設けて行う。
【0024】
そして、この透音孔の円相当径及び背後空気層の層厚による吸音特性の制御は、透音孔の円相当径を10〜100mmの範囲で変化させて制御し、また、背後空気層の層厚を5〜80mmの範囲で変化させて制御するのがよく、透音孔の円相当径が10mmより小さくなると、音域が低周波数域に偏り、吸音率も低下するという問題が生じ、反対に、100mmより大きくなると、音域が高周波数域に偏るという問題が生じ、また、背後空気層の層厚が5mmより小さくなると、高周波数域に偏り、反対に、80mmより大きくなると、低周波数域に偏るという問題が生じる。
【0025】
なお、本発明において、上記透音孔の円相当径とは、透音孔が円形である場合にはその直径で表され、また、透音孔が円形以外の楕円形、矩形、多角形、三角形等の場合には、当該透音孔の面積と同じ面積を有する円の直径で表される。
【0026】
本発明の吸音構造体によれば、前述の音源対向部における透音孔の開孔率の調整によりその吸音率を制御し、また、多孔質吸音材の材質、嵩密度及び厚さ等の選択により吸音特性や吸音率を制御することに加えて、上記透音孔の円相当径及び/又は背後空気層の層厚の調整により、吸音特性をより緻密に制御することができるので、設置場所や使用環境に応じて要求される吸音率及び吸音特性を備えた最適な吸音構造体を容易にかつ安価に設計し、製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す吸音構造体の基本的な吸音単位構造、試験例及び実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0028】
〔吸音単位構造A〕
図1に、本発明の吸音構造体に係る基本的な吸音単位構造Aの概略構成図が示されている。この吸音単位構造Aは、使用時に図示外の音源に相対向して配置され、騒音等の音が通過する円相当径(直径)Dの透音孔2を有する平板状の音源対向部1と、この上記音源対向部1の背面側に配設されて少なくとも上記透音孔2を閉塞する多孔質吸音材3と、この多孔質吸音材3の背後に所定の間隔をおいて配置され、多孔質吸音材3の背後に上記各透音孔2に対応する平板状の層形成部4とで構成され、上記多孔質吸音材3と層形成部4との間に層厚Lの背後空気層5が形成されている。
【0029】
この吸音単位構造Aにおいて、その透音孔2より多孔質吸音材3内に入射した騒音等の音は、多孔質吸音材3の材料の小さな隙間内に入り、この音の周波数に応じて隙間内の空気を振動させ、その際に空気の振動が材料の繊維等に触れて音のエネルギーの一部が熱のエネルギーに変換され、結果として音のエネルギー損失が生じて音の一部が吸収される。そして、この多孔質吸音材3を通過した音は、背後空気層5内を伝播して層形成部4で反射され、反射音となってその一部が再び多孔質吸音材3に入り、この多孔質吸音材3内で一部が熱のエネルギーに変換されて吸収される。
【0030】
そして、この際に、上記音源対向部1の透音孔2から入射した音の周波数や層形成部4からの反射音の周波数が、主として透音孔2の円相当径Dと背後空気層5の層厚Lとで決まる吸音単位構造Aの固有振動数と一致すると、透音孔2周辺で共振を起こして空気が激しく振動し、透音孔2の周壁やこの透音孔2を閉塞する多孔質吸音材3の部分で空気が激しく摩擦し、音のエネルギーの一部が熱のエネルギーに変換されて吸収され、これによって透音孔2から入射する騒音等の音をより効率良く吸収するものと考えられる。
【0031】
〔吸音単位構造B〕
図2に、本発明の吸音構造体に係る基本的な吸音単位構造Bの概略構成図が示されている。この吸音単位構造Bは、上記吸音単位構造Aの場合と異なり、多数の透音孔2a,2bを有し、互いに所定の間隔をおいて配設され、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部1a,1bと、これら各音源対向部1a,1bの背面側に配設され、少なくとも上記透音孔2a,2bを閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bと、これらA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bの間に形成された背後空気層5とで構成されている。
【0032】
この吸音単位構造Bにおいても、上記吸音単位構造Aの場合と同様に、透音孔2aより入射した騒音等の音は、多孔質吸音材3a及び3bによる音の吸収と、主として透音孔2aの円相当径Dと背後空気層5の層厚Lとで定まる音の共鳴吸収とが同時に起こり、また、透音孔2bより入射した騒音等の音は、多孔質吸音材3b及び3aによる音の吸収と、主として透音孔2bの円相当径Dと背後空気層5の層厚Lとで定まる音の共鳴吸収とが同時に起こり、これによって透音孔2a,2bから入射する騒音等の音をより効率良く吸収するものと考えられる。
【0033】
試験例1
旋盤加工、ドリル加工、薄板の裁断等により得られ、繊維径が0.4〜0.8mmであって、繊維長が5〜50mmであるアルミニウム切削屑を原材料として用い、これをプレスで圧縮成形し、嵩密度が1.0g/cmであって直径87.5mmφ×厚さ10mmの大きさを有する試験用の多孔質吸音材を作製した。
【0034】
また、アルミニウム板材を用い、プレス打抜き加工により直径87.5mmφ×厚さ10mmの大きさであってその中央部に円相当径(D)40mmφ、50mmφ及び60mmφの透音孔を有する3種類の音源対向板(音源対向部)を作製し、更に、同様のアルミニウム板材を用い、直径87.5mmφ×厚さ10mmの大きさを有するアルミニウム板製の層形成板(層形成部)を作製した。
【0035】
次に、このようにして得られた上記の多孔質吸音材、円相当径(D)の異なる3種類の透音孔を有する各音源対向板、及び層形成板を使用し、これらを垂直入射吸音率測定装置にセットし、音源対向板の背面に密着させて多孔質吸音材を配置し、次いでこの多孔質吸音材の背後に多孔質吸音材から20mmの間隔をおいて層形成板を配置し、嵩密度1.0g/cm及び厚さ10mmの多孔質吸音材と所定の円相当径(D)の透音孔及び20mmの背後空気層とを有する吸音単位構造Aを備えた3種類(円相当径D:40mmφ、50mmφ又は60mmφ)の吸音構造モデルを構成し、これら各吸音構造モデルについてJIS A 1405に準じて垂直入射吸音率測定を行い、音の周波数(Hz)に対する吸音率の変化を調べた。
【0036】
結果は、図3に示す通りであり、透音孔の円相当径(D)が大きくなるにつれて吸音率のピークが高周波数帯域にシフトし、反対に、透音孔の円相当径(D)が小さくなるにつれて吸音率のピークが低周波数帯域にシフトすることが判明した。
【0037】
試験例2
上記試験例1で作製した嵩密度1.0g/cm及び大きさ直径87.5mmφ×厚さ10mmの多孔質吸音材と、直径87.5mmφ×厚さ10mmの大きさで円相当径(D)40mmφ及び60mmφの透音孔を有する2種類の音源対向板と、大きさ直径87.5mmφ×厚さ10mmの大きさの層形成板とを使用し、多孔質吸音材の背後にこの多孔質吸音材から10mm、20mm又は30mmの間隔をおいて層形成板を配置した以外は、上記試験例1と同様にして異なる円相当径(D)の吸音孔と異なる層厚(L)の背後空気層を有する合計6種類の吸音単位構造Aを備えた吸音構造モデルを構成し、吸音率を測定して音の周波数(Hz)に対する吸音率の変化を調べた。
【0038】
結果は、図4に示す通りであり、背後空気層の層厚(L)が大きくなるにつれて吸音率のピークが低周波数帯域にシフトし、反対に、背後空気層の層厚(L)が小さくなるにつれて吸音率のピークが高周波数帯域にシフトすると共に、このような傾向は、透音孔の円相当径(D)が大きい場合でも、また、小さい場合でも維持されることが判明した。
【0039】
実施例1
図5〜図7に、本発明の実施例1に係る片面型の吸音構造体が示されている。この吸音構造体は、アルミニウム材で平板状に形成され、大小2種類の円相当径(D,D)を有する多数の矩形状の透音孔2a,2bを有し、使用時に音源に相対向して配置される音源対向部1と、アルミニウム切削屑を圧縮成形して帯状に形成され、上記音源対向部1の背面側に配設されて上記多数の透音孔2a,2bをその背面側から閉塞する複数の多孔質吸音材3と、アルミニウム材で平板状に形成された層形成板材4aとアルミニウム材で断面略コ字状に形成された層形成チャンネル材4bとからなり、上記各多孔質吸音材3の背後に多孔質吸音材3から所定の間隔をおいて配置され、多孔質吸音材3の背後に上記各透音孔2a,2bに対応する2種類の層厚(L,L)の背後空気層5a,5bを形成する層形成部4とで構成され、上記図1の構造に相当する合計で4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕を備えている。
【0040】
この実施例1において、上記音源対向部1の背面側には、アルミニウム材でハット断面形状のチャンネル状に形成され、左右方向に平行に延びる支持枠部材6が互いに上下方向に所定の間隔をおいて取り付けられており、上記各多孔質吸音材3が上下方向に互いに隣接する対の支持枠部材6の間に挟み込まれて保持されており、また、上記音源対向部1と層形成部4との間は、一端が上記支持枠部材6に固着され、また、他端が上記層形成板材4aと層形成チャンネル材4bとに固着された多数のアルミニウム材製の断面略L字状連結枠材7により一体に取り付けられている。
【0041】
なお、この実施例1においては、上記音源対向部1、層形成部4を構成する層形成板材4a及び層形成チャンネル材4b、多孔質吸音材3を保持するための多数の支持枠部材6、及び音源対向部1と層形成部4との間を一体的に取り付ける多数の連結枠材7がいずれもアルミニウム材で形成され、互いに溶接等の手段で固着されているが、これらの部材の一部又は全部をアルミニウム材の押出成形によりアルミニウム型材として形成してもよく、また、これらの部材をアルミニウム以外の金属、例えばステンレス鋼等により形成してもよい。
【0042】
この実施例1の吸音構造体によれば、音源対向部1に形成された透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と、層形成部4を構成する層形成板材4aと層形成チャンネル材4bにより多孔質吸音材3の背後に形成された背後空気層5a,5bの2種類の層厚(L,L)に基いて、合計で4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕が形成されるので、これら各吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕について、その吸音率のピークがそれぞれ固有の周波数帯域に位置するように、透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と背後空気層5a,5bの2種類の層厚(L,L)とを設定することにより、例えば、低周波数帯域の音から高周波数帯域の音まで広範な周波数帯域の騒音等の音を吸収するように形成することができる。
【0043】
試験例3
板厚2mmで1250mm×800mmの大きさのアルミニウム板に、108mm×60mmの大きさの透音孔2a(D=90.856)と55mm×60mmの大きさの透音孔2b(D=64.837)とを48個づつそれぞれ上下左右方向に交互に配置して開設し、開孔率が47%の音源対向部1を調製し、また、上記試験例1の場合と同様にして密度1.0g/cm及び厚さ10mmの多孔質吸音材3を調製し、更に、層厚Lが31mmの背後空気層5aと層厚Lが9mmの背後空気層5bとを形成して、上記実施例1に示された4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕をそれぞれ24個づつ有する吸音構造試験体を形成した。
【0044】
得られた吸音構造試験体を用い、JIS A 1409に準じて残響室法吸音率測定を行い、実施例1の吸音構造体が実際にどのような周波数(Hz)の音に対してどのような吸音率を示すかを調べた。
結果を図8に示す。
この図8の結果から明らかなように、4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕を有する試験例4の吸音構造試験体は、周波数630〜1600Hzまでの広い周波数領域に対して、0.7以上の吸音率を有することが判明した。
【0045】
なお、図9はこの実施例1の変形例に係る吸音構造体を示すものであり、上記図5に示す吸音構造体とは異なり、透音孔2a,2bが大小2種類の円相当径(D,D)を有する円形状に形成されている。なお、図9において、図5と同じ部材等については図5と同じ符号で示されている。
この変形例の場合も、図5に示す吸音構造体と全く同様に、透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と背後空気層5a,5bの2種類の層厚(L,L)とを設定することにより、例えば、低周波数帯域の音から高周波数帯域の音まで広範な周波数帯域の騒音等の音を吸収するように形成することができる。
【0046】
実施例2
図10に本発明の実施例2に係る両面型の吸音構造体が示されている。この吸音構造体は、上記実施例1の場合とは異なり、アルミニウム材で平板状に形成され、大小2種類の円相当径(D,D)を有する多数の矩形状の透音孔2a,2bを有し、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部1a,1bと、アルミニウム切削屑を圧縮成形して帯状に形成され、上記音源対向部1a,1bの背面側に配設されて上記多数の透音孔2a,2bをその背面側から閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bと、これらA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bの間にこれらA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bから所定の間隔をおいて配置され、A面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bの背後にそれぞれ上記各透音孔2a,2bに対応する2種類の層厚(L,L)の背後空気層5a,5bを形成する層形成部4とで構成され、上記図1に示す構造が互いに背中合せに位置する合計で4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕を備えている。
【0047】
この実施例2においては、上記A面側及びB面側の各音源対向部1a,1bの背面側に上記実施例1と同様の支持枠部材6が取り付けられて上記各多孔質吸音材3a,3bを保持するようになっており、また、上記層形成部4は、上記実施例1の場合と異なり、一端がA面側の音源対向部1a側の支持枠部材6に固着され、他端がB面側の音源対向部1b側の支持枠部材6に固着されてこれらA面側及びB面側の音源対向部1a,1bを一体的に連結する橋架け部4dと、これら各橋架け部4dの間を互いに左右交互にずれた位置で互いに連結すると共に、上記A面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bに相対面してこれらA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bとの間に互いに異なる層厚(L,L)の背後空気層5a,5bを形成する対面部4eとを有している。
【0048】
この実施例2の吸音構造体においても、上記実施例1の場合と同様に、透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と背後空気層5a,5bの2種類の層厚(L,L)に基いて形成される合計4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕について、それぞれ所望の周波数帯域にその吸音率のピークが位置するように円相当径(D,D)と層厚(L,L)を設定することにより、広範な周波数帯域の騒音等の音を吸収するように形成できるほか、この吸音構造体のA面側及びB面側の両面でそれぞれ騒音等の音を吸収することができ、例えば、騒音源とこの騒音源に相対面して音の反射体が存在するような場合に、これら騒音源と反射体との間に設置することにより、騒音源からの騒音と反射体からの反射騒音とを同時に吸収することができる。
【0049】
次に、図11は、上記実施例2の変形例に係る両面型の吸音構造体を示すものであり、A面側の背後空気層5a,5b及びB面側の背後空気層5a,5bに関して、それぞれ互いに上下に隣接する対の背後空気層5a,5bの間を仕切る壁を取り除き、これら対の背後空気層5a,5bの間を連通せしめたものである。この場合においても、上記実施例2の場合と全く同様に、透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と背後空気層5a,5bの2種類の層厚(L,L)を調整することにより、広範な周波数帯域の騒音等の音を吸収するように形成できるほか、この吸音構造体のA面側及びB面側の両面でそれぞれ騒音等の音を吸収することができる。
【0050】
実施例3
図12に本発明の実施例3に係る両面型の吸音構造体が示されている。この吸音構造体においては、上記実施例2の場合とは異なり、層形成部4が、互いに隣接する上下対の橋架け部4fと、これら対の橋架け部4fの間をその中心から左右いずれかの方向にずれた位置で連結すると共に、上記A面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bに相対面してこれらA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bとの間に互いに異なる層厚(L,L)の背後空気層5b,5cを形成する対面部4gとを有し、全体として断面略H形状に形成されている。
【0051】
そして、この実施例3の吸音構造体において、上記層形成部4はA面側及びB面側において相対面する多孔質吸音材3a,3bに関して1つ置きに配設されており、この層形成部4が配設されている部分において、A面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bの背後にはそれぞれ上記各透音孔2a,2bに対応する2種類の層厚(L,L)の背後空気層5a,5bが形成され、これによって上記図1に示す構造が互いに背中合せに位置する4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L), A(D,L)〕が形成されている。
【0052】
また、この実施例3の吸音構造体においては、上記層形成部4が配設されていない部分において、互いに相対面する音源対向部1a,1bに互いに異なる大小2種類の円相当径(D,D)が形成されていると共に多孔質吸音材3a,3bが直接に相対面しており、これによって、上記大小2種類の円相当径(D,D)とA面側及びB面側の多孔質吸音材3a,3bの間に形成された層厚(L)の背後空気層5aとにより、上記図3に示す構造に相当する2種類の吸音単位構造〔B(D,L), B(D,L)〕が形成されている。
【0053】
この実施例3の場合においても、上記実施例2の場合と同様に、透音孔2a,2bの大小2種類の円相当径(D,D)と背後空気層5b,5cの2種類の層厚(L,L)を調整することにより、4種類の吸音単位構造〔A(D,L), A(D,L), A(D,L),A(D,L)〕が有する吸音特性を制御できるほか、2種類の吸音単位構造〔B(D,L), B(D,L)〕が有する吸音特性をも制御することができ、この吸音構造体のA面側及びB面側の両面において広範な周波数帯域の騒音等の音を吸収するように形成することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の吸音構造体によれば、その吸音特性の設計が容易であり、ある特定周波数帯域の騒音等を効率良く吸収したり、また、低周波数帯域又は高周波数帯域で比較的広い周波数帯域の騒音等を吸収したり、更には、低周波数帯域から高周波数帯域までの広い周波数帯域の騒音等を吸収する必要がある場合等、設置場所や使用環境によって吸音特性を変える必要がある場合に容易に対応することができ、しかも、容易にかつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の片面型の吸音構造体に係る吸音単位構造Aを示す断面説明図である。
【図2】図2は、本発明の両面型の吸音構造体に係る吸音単位構造Bを示す断面説明図である。
【図3】図3は、図1の吸音単位構造Aにおいて、その透音孔の円相当径(D)を変化させた場合における周波数−吸音率の関係を示すグラフ図である。
【図4】図4は、図1の吸音単位構造Aにおいて、その透音孔の円相当径(D)と背後空気層の層厚(L)とを変化させた場合における周波数−吸音率の関係を示すグラフ図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1に係る片面型の吸音構造体を示す部分断面斜視図である。
【図6】図6は、図5のX−X線断面説明図である。
【図7】図7は、図5のY−Y線断面(a)及びY−Y線断面(b)を示す断面説明図である。
【図8】図8は、図5に示す実施例1の吸音単位構造Aを有する吸音構造試験体における周波数−吸音率の関係を示すグラフ図である。
【図9】図9は、実施例1の変形例に係る片面型の吸音構造体を示す部分断面斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施例2に係る両面型の吸音構造体を示す部分断面斜視図である。
【図11】図11は、実施例2の変形例に係る正面型の吸音構造体を示す部分断面斜視図である。
【図12】図12は、本発明の実施例3に係る両面型の吸音構造体を示す部分断面斜視図である。
【符号の説明】
A,A,A,A,A,B,B,B…吸音単位構造、1,1a,1b…音源対向部、D,D,D…透音孔の円相当径、2,2a,2b…透音孔、3,3a,3b…多孔質吸音材、4…層形成部、4a…層形成板材、4b…層形成チャンネル材、4d,4f…橋架け部、4e,4g…対面部、5,5a,5b,5c…背後空気層、L,L,L,L…背後空気層の層厚、6…支持枠部材、7…連結枠材。

Claims (13)

  1. 多数の透音孔を有し、使用時に音源に相対向して配置される音源対向部と、上記音源対向部の背面側に配設されて少なくともこの透音孔を閉塞する多孔質吸音材と、この多孔質吸音材の背後に多孔質吸音材から所定の間隔をおいて配置され、多孔質吸音材の背後に上記各透音孔に対応する背後空気層を形成する層形成部とで構成される多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔及び背後空気層について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層を形成したことを特徴とする片面型の吸音構造体。
  2. 音源対向部と層形成部とが、互いに結合されて構造体を形成している請求項1に記載の片面型の吸音構造体。
  3. 多数の透音孔を有し、互いに所定の間隔をおいて配設され、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部と、これら音源対向部の背面側に配設され、少なくとも上記透音孔を閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材と、A面側及びB面側の多孔質吸音材の間にこれらA面側及びB面側の多孔質吸音材から所定の間隔をおいて配置され、A面側及びB面側の多孔質吸音材の背後に上記各透音孔に対応する背後空気層を形成する層形成部とで構成され、互いに背中合せに位置する多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔及び背後空気層について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔及び/又は互いに異なる層厚を有する複数種類の背後空気層を形成したことを特徴とする両面型の吸音構造体。
  4. A面側及び/又はB面側の音源対向部と層形成部とが、互いに結合されて構造体を形成している請求項3に記載の両面型の吸音構造体。
  5. 多数の透音孔を有し、互いに所定の間隔をおいて配設され、使用時に音源に相対向して配置されるA面側及びB面側の音源対向部と、これら各音源対向部の背面側に配設され、少なくとも上記透音孔を閉塞するA面側及びB面側の多孔質吸音材と、これらA面側及びB面側の多孔質吸音材の間に形成された背後空気層とで構成される多数の吸音単位構造を有し、これら多数の吸音単位構造における透音孔について、互いに異なる円相当径を有する複数種類の透音孔を形成したことを特徴とする両面型の吸音構造体。
  6. A面側及びB面側の音源対向部が、互いに結合されて構造体を形成している請求項5に記載の両面型の吸音構造体。
  7. A面側の多孔質吸音材とB面側の多孔質吸音材とは、その嵩密度及び/又は厚さについて互いに異なる値を有する請求項3〜6のいずれかに記載の両面型の吸音構造体。
  8. A面側の多孔質吸音材とB面側の多孔質吸音材とは、その嵩密度の差が0〜1.3g/cmであり、また、その厚さの差が0〜45mmである請求項7に記載の両面型の吸音構造体。
  9. 構造体が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材で形成されたアルミニウム型材である請求項2、4又は6に記載の吸音構造体。
  10. 多孔質吸音材が、金属繊維を所定の形状に成形して得られた金属繊維成形体である請求項1〜9のいずれかに記載の吸音構造体。
  11. 金属繊維が、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム繊維である請求項10に記載の吸音構造体。
  12. 音源対向部には、円相当径の比較的小さい透音孔及び/又は層厚の比較的厚い背後空気層を有して低周波数帯域の音を効率良く吸収する低周波音吸収部と、円相当径の比較的大きい透音孔及び/又は層厚の比較的薄い背後空気層を有して高周波数帯域の音を効率良く吸収する高周波音吸収部とが設けられている請求項1〜11のいずれかに記載の吸音構造体。
  13. 透音孔の円相当径が10〜100mmであり、また、背後空気層の層厚が5〜80mmである請求項12に記載の吸音構造体。
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