JP2002175083A - 多孔質防音構造体 - Google Patents

多孔質防音構造体

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JP2002175083A JP2001188455A JP2001188455A JP2002175083A JP 2002175083 A JP2002175083 A JP 2002175083A JP 2001188455 A JP2001188455 A JP 2001188455A JP 2001188455 A JP2001188455 A JP 2001188455A JP 2002175083 A JP2002175083 A JP 2002175083A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的な加振に対して十分な防音性能を発揮
させる。さらに、広い周波数帯域幅の騒音に対して十分
な防音性能を発揮させる。 【解決手段】 ヘルムホルツ共鳴原理を利用して騒音を
吸収するように、外装板1と多数の貫通穴5aを有した
内装板5とを対向配置して構成されている。内装板5に
は、外装板1側に頂部を位置させるように凸部5bが形
成されている。凸部5bの頂部は、振動を減衰させる制
振部材6を介して外装板1に接合されている。制振部材
6の周囲には、騒音を吸収するように多孔質体で形成さ
れた第1吸音部材7aが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や鉄道車両
等の防音カバーとして好適なものであり、音圧加振およ
び機械加振に対して防音性能を発揮する多孔質防音構造
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、多数の貫通穴が板面全
体に形成された内装板を外装板に対して空気層を介して
対向配置した構成とすることによって、ヘルムホルツ共
鳴原理を利用して防音する多孔質防音構造体が注目され
ている。例えば特開平6−298014号公報には、ヘ
ルムホルツ共鳴原理の一般式が"f=(c/2π) ×√{β/(t
+1.6b)d}"であることに着目し、この一般式に基づいて
特定の共鳴周波数fの騒音を効率良く低減するように構
成された多孔質防音構造体が開示されている。そして、
このように構成された多孔質防音構造体であれば、内装
板と外装板との単純な2層構造であるため、軽量である
ことが要求される自動車や鉄道車両等の防音カバーとし
て好適なものとなる。尚、上記の一般式は、音速cと開
口率βと内装板の板厚tと穴径bと空気層厚dとをパラ
メータとして共鳴周波数fを示したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、ヘルムホルツ共鳴原理の一般式に基づいて
構成された多孔質防音構造体では、パラメータの組み合
わせ方によっては共鳴周波数f以外の周波数の騒音に対
する吸音率が極めて低くなることがあるため、複数の周
波数をピーク成分として含む騒音に対して十分に吸音性
能を発揮することができない場合がある。
【0004】即ち、例えば750Hzの共鳴周波数fと
なるように上述の一般式に基づいてパラメータを決定し
て吸音率αと周波数との関係を調査したところ、図12
に示すように、共鳴周波数fである750Hzにおいて
吸音率αのピーク値が出現し、このピーク値から急激に
吸音率αが低下する吸音特性を示すものがあることが確
認された。そして、このような吸音特性である場合に
は、共鳴周波数以外の騒音に対する吸音性能が極めて劣
るため、例えば自動車の防音カバーに適用したときに、
エンジン等の駆動機構から発生する広い周波数帯域幅の
騒音を十分に防音(遮音)することができないものにな
る。
【0005】また、エンジン等の駆動機構は、騒音の発
生源であると共に、機械的な振動の発生源でもある。従
って、多孔質防音構造体からなる防音カバーが適切なパ
ラメータの組み合わせによって、広い周波数帯域幅の騒
音を大きな吸音率で吸音可能に構成されている場合であ
っても、駆動機構の振動により防音カバーが加振される
結果、防音カバー自体が振動して騒音を発生することに
なる。この結果、従来の構成では、機械的に加振される
自動車等の防音カバーとしては防音性能が不十分である
という問題がある。
【0006】従って、本発明は、機械的な加振に対して
十分な防音性能を発揮する多孔質防音構造体を提供し、
さらに、広い周波数帯域幅の騒音に対して十分な防音性
能を発揮する多孔質防音構造体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、外装板と多数の貫通穴を有した
内装板とを対向配置して構成された多孔質防音構造体に
おいて、前記内装板には、前記外装板側に頂部を位置さ
せるように凸部が形成されており、前記凸部の頂部は、
振動を減衰させる制振部材を介して前記外装板に接合さ
れていることを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、ヘルムホルツ共鳴原
理により共鳴周波数周辺の周波数帯域の騒音を良好に吸
収することができる。また、機械的な加振により外装板
が振動したときに、この振動に伴う歪みエネルギーを制
振部材が吸収して振動を減衰させるため、外装板自体が
振動することによる騒音の発生を抑制することができ
る。この結果、騒音に対する防音性能と機械的な加振に
対する防音性能とが要求される自動車や鉄道車両等の防
音カバーとして最適なものとなる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記制振部材は、騒音を吸収す
る機能を備える吸音材であることを特徴としている。上
記の構成によれば、制振部材が外装板の振動の抑制に加
えて、騒音の吸収も行うため、一層防音性能が向上する
ことになる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記制振部材の周囲に、騒音を
吸収する吸音部材が設けられていることを特徴としてい
る。上記の構成によれば、吸音部材が広い周波数帯域の
騒音を吸収するため、一層防音性能が向上することにな
る。
【0011】請求項4の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記内装板における音源側の全
体に吸音部材が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、吸音部材が広い周波数帯域の騒
音を吸収するため、一層防音性能が向上することにな
る。
【0012】請求項5の発明は、請求項2ないし4の何
れか1項に記載の多孔質防音構造体であって、前記吸音
部材は、繊維状や短冊状の金属を圧縮した多孔質体また
は不織布からなる多孔質体であることを特徴としてい
る。上記の構成によれば、一般的な材料からなる多孔質
体で吸音部材を形成することができるため、製造コスト
の上昇を抑制することができる。
【0013】請求項6の発明は、請求項4に記載の多孔
質防音構造体であって、前記吸音部材は、空気層を介し
て配設される多数の貫通穴を有する1枚以上の多孔板で
あることを特徴としている。上記の構成によれば、内装
板に空気層を介して多孔板が1枚以上重ねられると、内
装板による共鳴周波数に加えて、多孔板の枚数に対応し
た共鳴周波数が現れ、それらの共鳴周波数周辺の周波数
帯域の騒音を良好に吸収することができ、広い周波数帯
域の騒音を吸収するため、一層防音性能が向上すること
になる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図13に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る
多孔質防音構造体は、例えば自動車や鉄道車両、建設車
両、船舶、自動搬送装置のように内部にエンジン等の駆
動機構を備えた移動装置、モータやギヤ等の駆動機構を
内部に備えた設備機械の防音カバーとして好適に使用さ
れる。多孔質防音構造体は、図1に示すように、例えば
騒音が問題となるような外部に面した平板状の外装板1
と、エンジン等の駆動機構等からなる騒音を発生する音
源4側に面した内装板5とを有している。これらの外装
板1および内装板5は、鉄やアルミニウム等の金属や合
成樹脂により形成されている。尚、外装板1および内装
板5は、リサイクル時の分別処理を不要にするように、
同一の材質で形成されていることが望ましい。
【0015】上記の外装板1と内装板5とは、空気層3
を介して対向配置されている。内装板5には、円形状の
貫通穴5aが多数形成されている。そして、空気層3の
層厚dと開口率βと内装板5の板厚tと穴径bとは、防
音対象となる周波数の騒音に対して基本的には上述のヘ
ルムホルツ共鳴原理の一般式を満足するように設定され
ている。
【0016】尚、上記の一般式における層厚d、開口率
β、板厚tおよび穴径bからなるパラメータは、内装板
5の貫通穴2aを通過する空気に対して粘性作用を生じ
させるように設定されていることが好ましい。この理由
は、これらのパラメータで多孔質防音構造体を形成する
と、空気に粘性作用を生じさせることにより振動と減衰
性を発生させ、吸音率が0.3以上となる周波数帯域幅
が共鳴周波数fに対して10%以上となる吸音特性を発
揮させることができるからである。
【0017】即ち、多孔質防音構造体のパラメータは、
上記の吸音特性を有するように、層厚dが10mm〜5
0mmの場合において、開口率βが3%以下、板厚tが
0.3mm以上および穴径bが0.8mm以下の設計条
件に設定されていることが好ましい。尚、吸音率が0.
3以上となる周波数帯域幅は、開口率βが小さく、板厚
tが厚く、穴径bが小さくなるのに従って拡大する傾向
にある。具体的には、層厚dが25mm、開口率βが1
%、板厚tが0.3mmおよび穴径bが0.5mmのパ
ラメータに設定した場合には、図10に示すように、1
100Hzの共鳴周波数fに対して97%となる106
7Hzの周波数帯域幅の吸音特性を有した多孔質防音構
造体とすることができる。
【0018】また、貫通穴5aの穴径は、特に範囲が限
定されるものではないが、1mm以下であることが望ま
しい。さらに、貫通穴5aの穴径にのみ着目して多孔質
防音構造体が構成されていても良い。即ち、多孔質防音
構造体は、外装板1と直径が1mm以下の多数の貫通穴
5aを有した内装板5とを対向配置して形成されたもの
であっても良い。そして、このように貫通穴5aの穴径
を1mm以下に設定した場合には、図11に示すよう
に、1mmを境として吸音率が急激に立ち上がっている
ことから、貫通穴5aを流動する空気に粘性作用を確実
に発生させることができる。
【0019】尚、貫通穴5aの直径の下限値は、0.2
mmであることが好ましい。この理由は、貫通穴5aの
直径が0に近づくと、その吸音率のピークが理論上1.
0になるが、現実的には1.0に至ることはなく、直径
が0.2mm以下のように極めて小さくなると、貫通穴
5aの空気の粘性が大きくなりすぎるため、貫通穴5a
部の空気の流れに対する抵抗が大きくなり、吸音率が却
って低下すると考えられるからである。また、直径が
0.2mm以下のように極めて小さくなると、製造が大
幅に困難となり、使用環境によってはゴミや埃等により
貫通穴5aが閉塞し易くなるからである。
【0020】また、貫通穴5aは、楕円形状や矩形状、
多角形状、スリット状であっても良いし、各種の形状が
混在していても良い。さらに、貫通穴5aは、同一のサ
イズおよび径に設定されていても良いし、各種のサイズ
や径が混在していても良い。各種のサイズや径が混在し
ている場合には、十分な吸音性能を発揮する周波数帯域
幅を拡大することができる。
【0021】上記のように多数の貫通穴5aを有した内
装板5には、内装板5の剛性を高める複数の凸部5bが
分散配置されている。尚、凸部5bは、一端から他端に
かけて条設されたものであっても良い。各凸部5bは、
外装板1側に頂部が位置するように形成されており、凸
部5bの頂部は、振動を減衰させる制振部材6を介して
外装板1に接合されている。尚、外装板1に接合された
凸部5bおよび制振部材6の配設ピッチは、外装板1が
機械的に加振されて振動することにより発生する騒音を
低減するように、外装板1の変形半波長の2/3以下の
長さに設定されていることが望ましい。
【0022】上記の制振部材6は、粘性樹脂や制振性弾
性部材により形成されている。粘性樹脂は、振動に対す
る減衰性を有していれば、特定の樹脂に限定されること
はないが、ポリエステル系やポリエーテル系の樹脂を熱
処理して発泡させることによって、軟質の発泡ウレタン
化されていることが好ましい。また、粘性樹脂は、ポリ
エステル系やポリエーテル系の樹脂をこのまま或いはシ
リコン等で変性させたものであっても良いし、単一の樹
脂系であっても、複数の樹脂系を適宜混合したものであ
っても良い。さらに、制振部材6は、弾性を有した多孔
質体で形成されていても良く、この場合には、振動を減
衰させる減衰機能と騒音を吸収する吸音機能とを有する
ことになる。一方、制振性弾性部材は、例えば制振性ゴ
ム等からなっている。
【0023】上記の構成において、多孔質防音構造体の
動作について説明する。音源4が騒音を発生すると、こ
の騒音は、音源4に対向配置された多孔質防音構造体に
進行して到達する。この際、多孔質防音構造体は、ヘル
ムホルツ共鳴原理の一般式により決定された開口率や内
装板の板厚、穴径、空気層厚でもって形成されており、
吸音特性が共鳴周波数の周辺帯域において高い吸音率を
示した構成にされている。従って、騒音が多孔質防音構
造体に到達すると、共鳴周波数の周辺帯域の騒音成分が
高い吸音率で吸音されるため、エンジン等の音源4が発
生する主要な周波数帯域の騒音を遮音することができ
る。
【0024】また、エンジン等の音源4が振動すると、
この振動は、音源4の周囲を取り囲む隔壁部材8を介し
て多孔質防音構造体に伝達され、多孔質防音構造体の外
装板1および内装板5を加振する。これにより、外装板
1および内装板5は、振動の周波数に対応した波長でも
って波打つように変形する作用を受けることになるが、
内装板5の凸部5bおよび制振部材6により変形が十分
に抑制されることになる。
【0025】即ち、内装板5は、凸部5bにより高い剛
性を有しているため、音源4からの振動による機械的な
加振力が付与されただけでは殆ど変形することがない。
そして、内装板5の凸部5bは、制振部材6を介して外
装板1に接合されており、制振部材6は、外装板1の変
形による歪みエネルギーを吸収して振動を減衰させる性
質を有している。
【0026】一方、制振部材6を介して内装板5に接合
された外装板1は、平板状に形成されることにより低い
剛性となっているため、機械的な加振力により容易に変
形(振動)し易い状態にある。従って、外装板1に機械
的な加振力が付与されると、外装板1は、この加振力に
より波打つように変形することになるが、この変形に伴
う歪みエネルギーは、内装板5に支持された制振部材6
により吸収されることになる。この結果、平板状の外装
板1が低い剛性により変形し易い状態であっても、機械
的な加振による変形が十分に抑制されることになる。さ
らに、制振部材6の配設ピッチが変形半波長の2/3以
下の長さに設定されていれば、制振部材6による歪みエ
ネルギーの吸収がより高い効率で行われることによっ
て、変形の抑制が一層十分に行われることになる。
【0027】これにより、多孔質防音構造体は、音源4
からの騒音をヘルムホルツ共鳴原理を利用して吸収する
ことによって、主要な周波数帯域の騒音を吸音すること
ができると共に、音源4による機械的な加振が付与され
ても殆ど振動しないため、防音構造体自体が振動するこ
とによる騒音の発生を十分に抑制することができる。つ
まり、遮音特性をもつものである。この結果、音源4が
発生する騒音と、機械的な加振による振動に起因した騒
音とが防音対象となる自動車や鉄道車両等の防音カバー
として好適なものとなる。
【0028】尚、本実施形態においては、外装板1と内
装板5との間に制振部材6を配置した構成について説明
しているが、これに限定されるものではない。即ち、多
孔質防音構造体は、図2に示すように、制振部材6の周
囲に多孔質体からなる環形状の第1吸音部材7aを設け
た構成であっても良い。この場合には、ヘルムホルツ共
鳴原理で十分に吸収可能な周波数帯域よりも広い帯域の
騒音を第1吸音部材7aにより吸収することができるた
め、防音性能を一層向上させることができる。
【0029】また、多孔質体は、アルミニウムやステン
レス等の金属繊維または短冊状金属を圧縮して形成され
ていても良いし、不織布からなっていても良い。また、
金属や樹脂材料の発泡体でも良い。さらに、多孔質体
は、外装板1および内装板5が金属製であれば、良好な
リサイクル性が得られるように、同一の金属で形成され
ていることが望ましい。
【0030】さらに、多孔質防音構造体は、図3に示す
ように、外装板1と内装板5と制振部材6とで囲まれた
空間の全体に多孔質体からなる第2吸音部材7bを設
け、この第2吸音部材7bにより空気層3を形成した構
成であっても良い。この場合には、大きな体積の第2吸
音部材7bによって、広い周波数帯域の騒音を一層十分
に吸収することができる。また、多孔質防音構造体は、
図4に示すように、外装板1と内装板5とで囲まれた空
間の全体に多孔質体からなる第3吸音部材7cを設け、
この第3吸音部材7cにより空気層3を形成すると共に
内装板5の凸部5bと外装板1とを接合させた構成であ
っても良い。この場合には、制振部材6の機能を第3吸
音部材7cにより発揮させることができるため、部品点
数を削減することができる。また、多孔質防音構造体
は、図5に示すように、内装板5における音源4側の底
面全体に多孔質体からなる平板状の第4吸音部材7dを
設けた構成であっても良いし、図6に示すように、内装
板5の底面全体に沿って多孔質体からなる第5吸音部材
7eを貼設した構成であっても良い。
【0031】次に、図1ないし図6のように構成された
多孔質防音構造体および図9の従来の多孔質防音構造体
に対して吸音率および放射音圧レベルを調査した。尚、
調査にあたっては、図1の構成を実施例1、図2の構成
を実施例2、図3の構成を実施例3、図4の構成を実施
例4、図5の構成を実施例5、および図6の構成を実施
例6とすると共に、図9の従来の構成を比較例とした。
【0032】この結果、図7に示すように、実施例1と
比較例との関係においては、500〜630Hzの周波
数帯域で吸音率が高くなる同一の吸音特性を示している
が、図8に示すように、制振部材6を備えた実施例1の
放射音圧レベルが比較例よりも優れていることが確認さ
れた。これにより、外装板1自体が機械的な加振により
振動することで発生する騒音を制振部材6により低減で
きることが確認された。
【0033】また、図7に示すように、実施例2〜6と
比較例との関係においては、第1〜第5吸音部材7eを
備えた実施例2〜6が比較例よりも広い周波数帯域で高
い吸音率を示すことが確認された。これにより、第1〜
第5吸音部材7eが広い周波数帯域で吸音し、特に、実
施例5・6のように、内装板5における音源4側の底面
全体に設けられた吸音部材7d・7eは、高周波数帯域
においても高い吸音率を示すことが確認された。
【0034】また、多孔質防音構造体は、図12に示す
ように、内装板5における音源4側の全体に、吸音材と
して多数の円形状の貫通穴9aを有する多孔板9を設け
た構成であっても良い。設け方は、フラットな多孔板9
を内装板5の音源側の頂部に接するように張り付ける
か、前記頂部から離れるように内装板5の両端側に取付
けるものである。このような多孔板9の設け方により、
内装板5の凹部に空気層3´が形成される。
【0035】具体的に、空気層3´の層厚dが25m
m、多孔板9の貫通穴9aの開口率βが1%、板厚tが
0.3mmおよび穴径が0.5mmのパラメータに設定
した場合には、図13に示すように、700Hz近辺の
共鳴周波数の他に、1700Hz近辺の共鳴周波数を有
することになり、多孔板9を設けない場合と比較して、
複数の周波数周辺の広い範囲で、高い吸音率を有するこ
となる。
【0036】また、多孔板9に平行に、更に1枚以上の
多孔板を空気層を介して設置すると、設置枚数によりさ
らに共鳴周波数が増えるため、更に多くの周波数周辺の
広い範囲で、高い吸音率を有する構成とすることが可能
である。なお、多孔板5の貫通穴5aの位置と、多孔板
9の貫通穴29aの位置は、同じ位置で重なっていて
も、ずれていても、どちらでもよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明は、外装板と多数の貫通
穴を有した内装板とを対向配置して構成された多孔質防
音構造体において、前記内装板には、前記外装板側に頂
部を位置させるように凸部が形成されており、前記凸部
の頂部は、振動を減衰させる制振部材を介して前記外装
板に接合されている構成である。
【0038】上記の構成によれば、ヘルムホルツ共鳴原
理により共鳴周波数周辺の周波数帯域の騒音を良好に吸
収することができる。また、機械的な加振により外装板
が振動したときに、この振動に伴う歪みエネルギーを制
振部材が吸収して振動を減衰させるため、外装板自体が
振動することによる騒音の発生を抑制することができ
る。この結果、騒音に対する防音性能と機械的な加振に
対する防音性能とが要求される自動車や鉄道車両等の防
音カバーとして最適なものとなるという効果を奏する。
【0039】請求項2の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記制振部材は、騒音を吸収す
る機能を備る吸音材である構成である。上記の構成によ
れば、制振部材が外装板の振動の抑制に加えて、騒音の
吸収も行うため、一層防音性能が向上するという効果を
奏する。
【0040】請求項3の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記制振部材の周囲に、騒音を
吸収する吸音部材が設けられている構成である。上記の
構成によれば、吸音部材が広い周波数帯域の騒音を吸収
するため、一層防音性能が向上するという効果を奏す
る。
【0041】請求項4の発明は、請求項1に記載の多孔
質防音構造体であって、前記内装板における音源側の全
体に吸音部材が設けられている構成である。上記の構成
によれば、吸音部材が広い周波数帯域の騒音を吸収する
ため、一層防音性能が向上するという効果を奏する。
【0042】請求項5の発明は、請求項2ないし4の何
れか1項に記載の多孔質防音構造体であって、前記吸音
部材は、繊維状や短冊状の金属を圧縮した多孔質体また
は不織布からなる多孔質体である構成である。上記の構
成によれば、一般的な材料からなる多孔質体で吸音部材
を形成することができるため、製造コストの上昇を抑制
することができるという効果を奏する。
【0043】請求項6の発明は、請求項4に記載の多孔
質防音構造体であって、前記吸音部材は、空気層を介し
て配設される多数の貫通穴を有する1枚以上の多孔板で
ある構成である。上記の構成によれば、内装板に空気層
を介して多孔板が1枚以上重ねられると、内装板による
共鳴周波数に加えて、多孔板の枚数に対応した共鳴周波
数が現れ、それらの共鳴周波数周辺の周波数帯域の騒音
を良好に吸収することができ、広い周波数帯域の騒音を
吸収するため、一層防音性能が向上するという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図2】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図3】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図4】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図5】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図6】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図であ
る。
【図7】吸音特性を示すグラフである。
【図8】音圧特性を示すグラフである。
【図9】従来の多孔質防音構造体の概略構成を示す説明
図である。
【図10】吸音特性を示すグラフである。
【図11】吸音特性を示すグラフである。
【図12】多孔質防音構造体の概略構成を示す説明図で
ある。
【図13】吸音特性を示すグラフである。
【図14】板厚が0.3mmの場合における吸音率と穴
径と開口率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 外装板 3 空気層 5 内装板 5b 凸部 6 制振部材 7a〜7e 第1〜第5吸音部材 8 隔壁部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 宏樹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 杉本 明男 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3D023 BA02 BA03 BB21 BB30 BD21 BE20 5D061 AA23 AA25 BB02 BB24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装板と多数の貫通穴を有した内装板と
    を対向配置して構成された多孔質防音構造体において、 前記内装板には、前記外装板側に頂部を位置させるよう
    に凸部が形成されており、 前記凸部の頂部は、振動を減衰させる制振部材を介して
    前記外装板に接合されていることを特徴とする多孔質防
    音構造体。
  2. 【請求項2】 前記制振部材は、騒音を吸収する機能を
    備える吸音材であることを特徴とする請求項1に記載の
    多孔質防音構造体。
  3. 【請求項3】 前記制振部材の周囲に、騒音を吸収する
    吸音部材が設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載の多孔質防音構造体。
  4. 【請求項4】 前記内装板における音源側の全体に吸音
    部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の多孔質防音構造体。
  5. 【請求項5】 前記吸音部材は、繊維状や短冊状の金属
    を圧縮した多孔質体または不織布からなる多孔質体であ
    ることを特徴とする請求項2ないし4の何れか1項に記
    載の多孔質防音構造体。
  6. 【請求項6】 前記吸音部材は、空気層を介して配設さ
    れる多数の貫通穴を有する1枚以上の多孔板であること
    を特徴とする請求項4に記載の多孔質防音構造体。
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