JP3582711B2 - 真空防音断熱材 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建物や船などの床、壁、天井、防音建具、機械や電気製品の防音ケース、車、空調ダクトやパイプ、道路や軌道の防音壁に使用するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空を利用した防音材は、真空層を保持するために例えば特願昭48−85289、特願昭52−91828、特願平5−151688などに用いられているハニカムコアや、特願平6−101916のようなブロック部材を気密材の間隔保持材として挿入している。そのため、音が受音面材料の裏面から放散する時、ハニカムコアや枠部材などの間隔保持材のない部分では真空により音は伝わらないが、間隔保持材部分では音が材料内を振動となって伝達し、放散側気密材から音となって放散される。
【0003】
従って、この間隔保持材が真空防音材としての性能を決定するが、ハニカムコアや多数のブロック部材は、気密材面積に対する間隔保持材の接する長さの比が大きいため、振動が多く伝わること、また表面の気密材から、裏面の気密材間の間隔保持材を伝達する振動の減衰が小さいことが防音効果を低下させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、真空防音材の受音面から放散面間の間隔保持材の振動伝達が大きい点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
受音面と放散音面間に挿入する間隔保持材の形状を、細幅で長い舌状片にして振動し易くし、より多くのエネルギーを吸収させる方法、または間隔保持材と気密 材の接触面積を小さくすることによって振動伝達量をわずかなものにする方法により、高い防音性能の真空防音材とするものである。
【発明の実施の形態】
本発明は、異なる3の方法からなる。1の方法は、基板に支持辺を残して切れ目を入れ、切れ目で囲まれた部分を傾斜をつけてまたは折り曲げて長さが長い舌状片を用いること、気密材と舌状片を小面積で接触させること、舌状片と基板の伝達面積の変化が大きいこと等の特徴のある間隔保持材により振動伝達減衰を大きくして防音性能の向上を図るものである。
【0006】
2の方法は、振動減衰の大きい引張材を使用し、引張材の表面と裏面に交互に気密材と一体とした凸形状または別部材の間隔保持材が接するようにして、振動伝達を減衰させ防音性能を高めるものである。
【0007】
3の方法は、凸形状のある気密材間に振動減衰材を間隔保持材として用い、気密材と振動減衰材の接触形状、又は振動減衰材の材料特性により、振動伝達減衰を大きくして防音性能の向上を図るものである。
【0008】
密封方法について。ろう付け、溶接、接着、熱溶着など接合する材料に対して適切な方法で、必要な強度と密封が得られる方法を用いる。また必要な場合は別部材による圧着挟持を併用して気密接合する。
【0009】
真空度は10−2パスカル以下の真空域とする。真空引きについては、封止が容易に出来る部品を枠材又は気密材に取り付けて用いる。尚、大型真空炉内で枠材と気密材を気密接合する場合は、封止用部品は不要である。
【0010】
真空体の被覆材となる気密材については、長期間にわたって真空時のガスの透過及び発生がないこと、凸形状間や間隔保持材間で設定以上の撓みを生じないことが必要である。
硬質な気密材を使用する場合の材料は、鉄・アルミニュ−ム・ステンレス・制振合金などの金属の他、プラスチックやガラス・カーボン等の繊維で補強したプラスチック複合材を用いる。
【0011】
軽量な気密材を使用する場合の材料は、鉄・アルミニューム・ステンレス・アモルファス合金・制振合金などの金属の薄板を用いる。重量は軽いほど望ましいが、材料強度・耐久性・生産性などを考慮して用いる。他には、アルミニューム・鉄、銅などの金属箔にプラスチックをラミネートしたものや、ガラスやカーボン繊維に金属箔を張り合わせたものを用いる。金属箔の強度が不足する場合は、プラスチックシート、ガラスやカーボンなどの繊維で補強したものを用いる。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の一態様による真空断熱防音材である。図1(a)は真空体1の外観斜視図、図1(b)は一部内部断面を示した斜視図である。真空体1は間隔保持材4の周囲に断面コ型の枠材3を配し、枠材3の両面に硬質又は軟質の気密材2,2aを気密接合して内部を真空にしたものである。
【0013】
間隔保持材4の材料は、鉄、アルミニュ−ム、ステンレスなどの金属、制振合金、制振鋼鈑、プラスチック、金属にプラスチックを被覆したもの、複合材では繊維補強プラスチックやカーボンファイバーを樹脂で固めたものを用いる。
間隔保持材4は基板5に所定間隔に舌状片6,7用の切れ目を入れ、先端が枠材3の高さまで突出した舌状片6,7を成形したものである。枠材3との接触部は溶接や接着で接合する。
【0014】
舌状片6,7は、基板5の延設部から先端までが長ければ長いよほどよいため、傾斜させる場合はできるだけ緩やかに、水平方向に延設する場合は水平長さを長くする。その長さは、1つの舌状片6,7が負担する気密材2,2aにかかる大気圧と使用時の荷重による変形が、許容寸法以下となる範囲である。舌状片6,7の間隔は、舌状片間の気密材の撓みが許容寸法以下となる間隔に設ける。
【0015】
枠材3は真空体の外周部の気密材2,2a間に挟持して、断面コ型形状で気密材と気密接合している。基板5には補強リブ9を所定間隔に成形している。
【0016】
図1(c)は軟質な気密材10,10aを使用した場合で、気密材10,10aは枠材11の外側まで延設して熱溶着している。コーナーは形状に合わせて切断し、その後張り合わせている。他の方法としては、硬質の気密材と同様に枠材に接着してもよい。
【0017】
間隔保持材13と枠材11の接合は、内側に向けた断面コ字型の中央部に、接着、溶接など材料に合わせて適切な方法を用いて一体化する。舌状片14の先端は、気密材の破損を防止するために先端部を折り曲げて気密材に沿った小さな平面を設けている。
【0018】
図1(d)は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。基板17の周囲を舌状片20の高さに合わせて連続して折り曲げ、立ち上げ面15,15aと基板17と平行な接合面18と接合面19を形成したものである。接合面18は上面の気密材16と接合面19は下面の気密材16aと気密接合する。
【0019】
尚、軟質な気密材を用いた場合や、高精度の平滑性が気密材に必要な場合は、気密材と舌状片の間に、舌状片の間隔より目の小さなハニカムコアやエキスパンドメタルや金網などの網目状材を挟持する。
【0020】
図2はいずれも舌状片の形状を例示したものである。
図2(a)は図1(b)に記載された舌状片6の拡大斜視図である。舌状片6は四角形の一辺の一部を基板との延設部21として残し、四角形の切断辺22に沿って内側に所定の幅に切れ目を入れて延設部から傾斜となるように折り曲げ、先端25を枠材の高さまで立て起したものである。
【0021】
各コーナー部23は基板と平行にし、コーナー間を傾斜部24とし、傾斜の角度調整により真空体にしたときに枠材と同じ高さとなるように先端部25の高さを定めている。舌状片6の先端はその形状や曲折によって、点接触や線接触あるいは面接触にすることができる。基板の反対側の舌状片も同様の形状となっている。
【0022】
図2(b)は渦巻き状舌状片の平面図及び側面図を示す。平面図上の実線は切断線30、点線は曲折位置29を示す。舌状片27は延設部29で曲折し、緩やかな傾斜で基板から突状態となり、先端部の曲折位置で折れ曲がり平面部32が形成され、気密材33とは面状に接触する。
【0023】
図2(c)は基板をコ型に切り抜き36、水平部分37を残して気密材と接する先端部38を枠材の高さとなるように曲折させた舌状片34の平面図及び断面図である。基板との延設部39の一部に、断面半円形のリブ40をプレス成型している。
尚、硬質な気密材を使用する場合は、先端が点状または線状に接する形状の舌状片を、軟質な気密材を使用する場合は、先端が小さな平面のある舌状片を用いる。
【0024】
図2(d)は舌状片42の先端部44と気密材の接触長さや面積が大きくなる場合に、欠取り部45を設けて舌状片の一部に狭小部46を強度上許容される範囲で設けたものである。点線は舌状片46を曲折する場合の曲折位置47を表す。
【0025】
図3は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。引張材の材料は、鉄、アルミニュ−ム、ステンレス、制振合金、制振鋼鈑などの金属、金属以外では高強度のプラスチック、ガラス繊維やカーボンファイバーを用いる。
【0026】
形状はシート状、帯状、線状のいずれかを用いる。気密材との接合は端部及び凸形状部とする。凸形状部との接合は、大気圧や使用時の荷重により引張材と接合した凸形状部に集中して作用する引張力によって気密材が変形しない間隔で接合する。接合方法は金属では溶接、ろう付け、接着、金属以外では接着のほか他部材による圧着挟持を用いる。
【0027】
図3(a)は真空体48の外観斜視図、図3(b)は一部内部断面を示した斜視図である。
真空体48は周囲に断面コ型の枠材50を配し、枠材50の両面に硬質な気密材49,49aを気密接合して内部を真空にしたものである。
【0028】
気密材49,49aは所定間隔に真空体の内側に向けて凸形状51,51aを有し、上下の凸形状は引張材52をはさんで交互となる位置に成形してある。また引張材52が取り付く気密材49,49aは、必要な場合引張力が作用する方向にリブ55を設け気密材49aの変形防止をしている。
【0029】
引張材であるシート材52は真空体48内部のほぼ全面を覆い、引張材52が作用する方向の端部53を気密材に接合している。シート材52には気体の流動をし易くして真空化を容易にするための孔54が設けてある。
【0030】
図3(c)は引張材56に帯状材を用いた場合である。引張材は凸形状51の長辺と直交してその頂部に配し、端部57及び要所となる凸状物と接合する。凸形状51,51aは引張材56に表裏で交互に接する。また引張材56が接合する気密材には、必要に応じて引張材56と平行なリブ58を設ける。
【0031】
図3(d)は、金属材料以外の引張材の接合について、組み立て時の作業性や耐熱性により溶接を用いる場合を示し、図のような金属の圧着挟持部材60を用いて、引張材52の端部64を圧着挟持し、引張状態で気密材49aとの接合部61を溶接する。
また、真空体の構成においては枠材を用いず気密材を突起物と略同じ高さに周囲を立ち上げ、その先端に外側に向けて曲折片を延設した一体成型材を用いてもよい。
【0032】
図4は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図4(a)は意匠やメンテナンス上、気密材67の表面がほぼ平らであることが必要な場合に用いる方法で、引張材73と組合せた立体成形物69の外周に配した枠材68の両面に気密材67を気密接合し内部を真空にしたものである。引張材73を真空体の中間で支持するため、所定間隔に断面台形の引張材支持部70をもつ立体成形物69を気密材67aに接合し一体化して用いる。引張材支持部74間には、底辺71から途中まで立ち上がり部72を設け、底辺71と一体になって補強リブとしている。
【0033】
引張材73は引張材支持部70上の長辺に直交して配設している。引張材73上には断面山形の間隔保持材75を下側の引張材支持部70の中間位置の引張材73上に配して、上側の気密材67と引張材73間に空間を設けている。引張材73の端部は硬質な気密材67aに接合し、引張材支持部とは必要に応じて接合する。
【0034】
引張材73上部の間隔保持材75は山形の断面をした硬質材で、引張材支持部70の中間位置に配設し、その高さは枠材68の上端と同じ高さとなる大きさである。上面の気密材67は硬質材または軟質材のいずれかを使用する。
【0035】
図4(b)は、間隔保持材にワイヤメッシュ80を使用した場合である。ワイヤメッシュは引張材82を挟むワイヤ83,83aが同方向となるように配し、引張材82の表裏で交互に接するようにしたものである。引張材82の端部87は硬質な気密材78aに接合し、ワイヤ83とは必要個所を接合する。気密材78,78aに接するワイヤ84は、交差するワイヤに対して要所を溶接などで接合し引張材82に作用する引張力に対し、変形防止のための補強材としている。
【0036】
尚、引張材82に作用する力が小さい場合は、気密材78a,78に接するワイヤ84,86を用いず、直接ワイヤ材83,85を気密材78a,78に接合してもよい。シート状引張材82には、真空化を容易にするための孔88を設ける。
【0037】
図4(c)は気密材にプラスチックを用いる場合で、気密材91と枠部92と凸形状94が一体となって成形されている。凸形状94は引張材95の表裏で交互に接する位置に成形され、その高さは周囲の枠部92,92aと密封のための挟持物93の高さに合わせて、気密材91,91aが平となる寸法である。引張材95の端部96は片側の気密材91aに接合する。
また、真空体の構成においては枠材を用いず気密材を突起物と略同じ高さに周囲を立ち上げ、その先端に外側に向けて曲折片を延設した一体成型材を用いてもよい。
【0038】
図5は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図5(a)の真空体97は周囲にゴム状弾性体からなる枠材102を挟持した気密材98間に断面山形の振動減衰材110を挟持して内部を真空にしたものである。気密材は中央部が外側に湾曲した面を連続して成形し、底辺99,99aの一方向を間隔保持材110に点状接触させた実施例で、凸部101にかかる大気圧荷重を底辺に分散させている。湾曲面は大気圧荷重に対して撓みにくいので振動減衰材100との接触間隔を広くして、接触個所を減らすことができる。
尚、気密材は図3のような凸形状、一方向に連続した湾曲面、連続しない湾曲面としてもよい。又、湾曲面の形状は多角形、楕円形、円形など任意である。
【0039】
図5(b)の真空体103は平板を高さを揃えて連続して凸形状に曲折した相対する気密材104,104a間に、中央部は図6(e)に示す断面山型の振動減衰材108を、周辺は山形形状及び縁端105の水平に伸びた気密材間にゴム状弾性体からなる枠材106を挟持している。従って、気密材104,104aと振動減衰材は点状に接触する。
【0040】
気密材104の端部は凸形状に合わせた枠材107で、平部の枠材106と一体に成形している。尚、別部材となる場合は、凸形状部107と平部106の枠材は気密接合する。
【0041】
図6(a)は気密材109,109aにプラスチックを用い、射出成型により凸形状110,110aと気密材109,109aと端部の枠材111が一体に形成された実施例である。
【0042】
凸形状110,110aの方向は、図6(d)の振動減衰材112,112aと直交させている。気密材の凸形状110,110aと振動減衰材112,112a、振動減衰材112,112a間はいずれも点状接触113,113a,113cとなっている。尚、凸形状110,110aの方向は振動減衰材が奇数段の場合は同方向とする。枠材111,111a間は振動の伝達を小さくするためゴム状弾性体114を挟持している。
【0043】
片側の気密材端部115を外側に延長しているのは、構造体にビスや金物で取り付ける場合に延設するもので、真空体平部に取り付け金物を取り付ける場合は設けない。
気密材109に汎用プラスチックを使用した場合、気体の放出や僅かであるが透過する場合がある。この場合は、気密材の内側に電気メッキを行う。
【0044】
図6(b)(c)(d)(e)(f)は振動減衰材の実施例で、ワイヤ、プラスチックまたはゴム状弾性体を被覆したワイヤ、層状に重ねた硬質材とゴム状弾性体、山型やZ型に折り曲げた制振鋼板である。
【0045】
図6(b)は断面が円形のワイヤ又はプラスチックの振動減衰材116、図6(c)は被覆材117にプラスチックまたはゴム状弾性体を用いたワイヤ116aの振動減衰材、図6(d)は断面三角形をした振動減衰材で上部にプラスチックなどの硬質材118、下部にゴムや半硬質のプラスチックのゴム状弾性体119を接合した振動吸収体である。
【0046】
図6(e)は制振鋼板を山型に曲げたもの、図6(f)は同材料をZ型に曲げたものである。
制振鋼板を板面に垂直に切断したものを折り曲げると、図6(e)(f)では内側の鋼板120,120aと外側の鋼板121,121bとは中間の粘弾性接着フィルム122,122aの部分でズレを生じる。外側の鋼板は曲げ部の長さが長くなるため、端部では内側の鋼板120,120aが突き出た形状となり、上下の気密材とは制振鋼板の内側と外側はそれぞれ別の鋼鈑と接する。
【0047】
制振合金を用いる場合は、一枚の板を同様の形状に折り曲げて使用するほか、制振鋼板の鋼板と置換して制振合金の複合板として用いてもよい。また、形状は接触する部材と点状または短線状になる任意の形状で良い。
【0048】
図7は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図7(a)の真空体123は一部内部を示した斜視図、図7(b)はエキスパンドメタルのメッシュの拡大斜視図である。周囲の枠材125内に一部に凹凸のあるストランド128からなるエキスパンドメタル126を配し、枠材125の両面に気密材124を気密接合し内部を真空にしたものである。一つのメッシュ127は六角形になっており、横方向のストランド128に凹凸のある刻みを設けて引き伸ばしたものである。
【0049】
メッシュ127の大きさは、気密材124にかかる大気圧などの荷重による撓みが、凹凸のあるストランド間で許容できる範囲である。ストランド128の上側の凸部128は表面の気密材124に接し、下側の凸部131は裏面の気密材124aとそれぞれ点状に接し、斜めのストランド129は気密材と接触しない。尚、メッシュ形状を四角形にした場合は、たて横方向ストランドとも凹凸が形成される。
【0050】
以下、真空防音断熱材の利用に関するものである。
図8(a)は空調用ダクトの騒音を消去するための装置で、ダクトの中間に取り付けて消音するための消音ボックスである。消音ボックス138は、ダクト140,140aが接続される左右の側面に、ダクトの大きさとほぼ同じ大きさの開口部139がある。他の4面に請求項1又は請求項3の真空体141を用い接合している。内部はグラスウール板または真空体142が気流143の流れと平行に、間隔を設けて数枚が取り付けられている。
【0051】
図8(b)はダクトが交差する部分にダクトの断面より大きな請求項1又は請求項3の真空体145を6面に用いた消音ボックス144で、ダクトが取り付く2面146,146aに開口部147,147aがある。ダクトの寸法より大きな消音ボックス144としているのは、音を拡散することにより、音を小さくするためのものである。尚、ダクトの大きさと略同じ大きさである消音ボックスとすることもある。
【0052】
図8(c)は建物などの屋内外を換気扇151で給排気をする場合に用いる方法で、消音ボックス149を屋外に設置した例である。外壁152に貫通孔を設け、消音ボックス149が内蔵されたダクト150を取り付けている。消音ボックス149は気流に平行に間隔をあけて真空体142a数枚を一体化し箱状に組んだものである。尚、真空体142aをダクトに直接取り付けて消音ダクトとしてもよい。
【0053】
図8(d)は室間を自然給排気する場合の消音ボックス142bで、壁152aに貫通孔を設け消音ボックス142bを取り付けている。消音ボックス142bは気流に平行に間隔をあけて真空体142b数枚を一体化し箱状に組んだものである。
【0054】
図9(a)は木質材料で構成した建物の壁、天井、建具に用いる防音パネル155の外観図、図9(b)は一部内部を表示した斜視図である。
四周に真空体159を嵌合する部分を溝160加工した木材を使用した枠材156に、表面材157の材料を貫通する孔158のある板材を用い、真空体159を挿入した状態を示している。
表面材157は枠材156と接着等で一体化する。真空体159は枠材156の組み立て時に、溝に接着剤を塗布して一体化する。
【0055】
図10はいずれも建具内に真空体を隙間なく枠材内に挿入した防音建具である。図10(a)は防音ドア161の1部内部を示す外観斜視図である。防音ドア161は外周及びレバー錠162取り付けのための中央部に取付け材166があり、枠材164,165と取り付け材166で囲まれた部分に真空体167を隙間がないように止め付け、枠材164,165の両面に表面材163が張ってある。また、枠材の片方のたて枠165には、防音ドアの開閉のための丁番168が上下に取り付けてある。
【0056】
図10(b)は大型の重量のある場合の防音ドアで、上枠164aと下枠169の端部に回転軸となるヒンジ170,170aが埋め込んである。
図10(c)は防音引戸161aである。引戸161aの下枠172の左右に戸車173が半埋め込み状態に取り付けられている。
【0057】
図10(d)はハンガー方式の防音引戸161bである。引戸161bの上枠の左右に取り付けられた腕板175の上部に戸車174が付いており、ハンガーレール176上を走行する。
【0058】
尚、防音引戸161a,161bは、共にたて枠を欠き込み引手171,171aを取り付ける。また、枠材及び表面材など使用部材に耐水性や耐熱性の材料を用いることにより、防音雨戸として使用する。
【0059】
図示はしていないが、防音パネルの上枠又は下枠に固定金具を取り付け、下枠はフロアへ、上枠は天井や下り壁へ取り付けることにより固定式防音パネル壁として使用する。また、高さの低い防音パネルの下枠に転倒防止用金物を取り付けることにより、可動式防音間仕切りパネルとして使用する。
【0060】
図11(a)は換気口付き建具の姿図で、図11(b)、図11(c)はその断面図である。建具の表裏同位置に換気口を設けると遮音性がなくなるため、換気口付き防音建具178内に請求項1又は請求項3の真空体2体179,179aを隙間を設けて並べ、真空体179は下部に、真空体179aは上部に開口部180,180aを設けるとともに、表面材181,181aにも真空体179,179aとほぼ同じ位置に開口部182,182aを設け、2体の真空体179,179aの間を空気が移動するようにした防音建具である。表面材の開口部182,182aには換気用化粧枠が取り付けられている。
【0061】
換気口は、図11(b)のように真空体の1部に開けるか、図11(c)のように真空体183,183aの長さを少し短くして、上下枠材184,184aとの間にすき間185,185aを設けてもよい。表裏面材の換気口には化粧目隠し材を設ける。建具の構造は、途中に枠材を設けられないので、取手が回転する場合は、縦枠の幅を大きい寸法の材料とする。
表面材181,181a,186,186aの裏側には、表面材の撓み防止、および音の吸収周波数に応じた位置に桟188,188a,188bを設ける。
【0062】
図12は請求項7の防音パネル及び請求項8防音建具を壁、天井、ドア,引戸に使用し、防音パネルや防音建具の交差部分に接合部材196,196a,196bを用いて組み立てた建物内に設置する防音室190の実施例である。
【0063】
図12は平面3.6×4.5m、天井高2.3m程度の大きさを想定して描かれている。左側面には建物窓の位置に合わせて配置した窓197と防音パネル198、防音パネル198の前には窓の位置にスライドし、一時的な窓の防音性能の向上を図るハンガー方式の防音引戸199がある。
【0064】
手前壁面には防音パネル191と換気口付き防音ドア194、右壁面は防音パネル191aと防音ドア193、防音ドア193上にはドア上から天井までの小壁部分に防音パネル200を配設する。向こう側壁面は防音パネル201を1面に配設している。床203及び天井192は、防音パネルを敷き並べたものである。
【0065】
各部材は数種類に統一された寸法であり、接合部は断面略口型の接合部材196,196a,196bを用いて接合する。天井パネルの固定は、要所を建物の構造部から吊り具204で固定する。防音パネルの表面材は、床用には木質板、壁、天井用には木質板または石膏ボードを主に用いる。
【0066】
図13は、屋外に設置する仮設建物205に使用した場合の外観斜視図である。真空体206は構造体である基礎207に緊結した土台208と胴差し209間、胴差し209と桁210間に対応した長さ、幅はモジュールに基づいた寸法である。尚、真空体の位置は土台、柱、胴差の外側に取り付けてもよい。
【0067】
図14は道路や軌道の側壁216,216bまたは中央216aに防音壁218、219,220を設けたものである。防音壁218、219,220は、真空体221,222,223,224の長さ間隔に側壁216,216a,216b上にH形鋼225,226,227をボルトや埋め込みにより固定し、H形鋼225,226,227の溝に真空体221,222,223,224を嵌合させたものである。H形鋼225,226,227の溝より真空体221,222,223,224の厚みが薄い場合は、H形鋼225,226,227と真空体221,222,223,224を金物で固定する。防音壁218,219,220は低い位置が音源となる軌道に使用する逆L型防音壁218、防音壁219,220は道路及び軌道用である。
【0068】
図15は建物や船の内壁に関するものである。上下枠231,232は断面コ型をし、たて枠233は断面が矩形の軽量型鋼である。上枠231は上階の床や梁や天井などの下面に、下枠232は既存床に断面コ型が対向するように取り付け、たて枠233は上下枠231,232の溝に配して止め付ける。真空体234はたて枠233間に重ねて配し、たて枠233に押縁235で固定する。その後、内装用面材236を上下たて枠231,232,233に取り付け間仕切り壁とする。
【0069】
図16(a)は建物の支持床239と仕上げ床材241の間に、請求項1又は請求項3の真空体240を敷設した直床工法による防音断熱床238である。支持床239はコンクリートまたはALC板の場合を示している。
【0070】
図16(b)は置床工法による防音断熱床242であるが、置床244は上部面材245と下端にゴムの付いた脚部246が一体となり支持床243上に敷設する。真空体247,247aの位置は置床244と仕上げ床248間、コンクリート・モルタル・ALCなどの支持床247b上のいずれかに敷設する。
【0071】
図16(c)は木造床249の場合を示しており、支持床である合板250と仕上げ床252の間に真空体251を敷設した直床工法である。尚、図は梁253または根太を構造体としているが、枠材の両面に合板を張ったパネルを使用する場合もある。
【0072】
図16(d)は鉄道車両や船の床254に使用する場合で、デッキプレート255の上に鋼鈑からなる支持床256を用い、仕上げ床257間に真空体258を敷設している。
【0073】
真空体は部屋のほぼ全面に隙間なく敷設するが、真空体の敷設面積と部屋の大きさが異なる場合は、部屋の周囲の壁と真空体との間を合板等により厚み調整をして平らな床とする。真空体と支持床または仕上げ床の止め付けは、接着により固定する。
また衝撃による振動の軽減を図る場合は、真空体の上面または裏面にゴムや発泡プラスチックのゴム状弾性体やのクッション材を挟持する。
【0074】
図17(a)はエンジン付き空気圧縮機や電源装置などの産業用機械、洗濯機・食器洗浄機・エアコンの室外機などの家庭電気製品、大型複写機・空調機・ボイラーなど、騒音源となる機械の防音ケースへの使用例である。
【0075】
防音ケース261は各請求項のいずれかの真空体を、機械265を囲む骨組み材264,264a,264bに真空体262を3側面および上面に取付け、前面は扉263とし開閉可能にした防音ケース261である。必要に応じて、機械の脚部部分を開口した真空体を底面に配することにより防音性能を向上させることができる。
【0076】
図17(b)は機械267が発熱して排熱が必要な場合に関する防音ケース266である。側面または上面の真空体268,269の一部に開口部270を設け、気流が真空体と接する長さが長くなるように、開口部の内側に請求項1又は請求項3の真空体273が配してある。
【0077】
送風機271が送る空気は熱交換器272を通り、上面の真空体269に当り真空体268とケース内に設けた真空体273間を通り、開口部270から外部へ排出される。尚、機械を吊り固定する場合は、底部にも真空体を配する。
【0078】
図18は自動車の車体274の断面図である。防音の対象部位は床275、エンジンルーム276及びトランクルーム277と車内の隔壁278,278a、タイヤハウス279、屋根281がある。
【0079】
車体274の中で真空体とする部位は、鋼鈑を二重にして請求項1又は請求項3の真空体と略同じ構成とし、周囲を密封して真空引きをする。エンジンルーム276と車内の隔壁278には、種々の配線が貫通する孔があるが、この部分は気密材にも貫通孔を設け、外気を遮断する枠材を真空体の気密材間に挟持する。又、ボンネット280も同様の方法で真空体とする。
【0080】
図19(a)は各請求項のいずれかの真空体を飛行機の機体の曲面に対応させた内装パネル282、又は該真空体に窓を取り付けるための開口部を設け、外気を遮断する枠材を気密材間に気密接合した窓付き内装パネル283の正面図である。
【0081】
図19(b)は開口部285を設けた内装パネル283の断面図である。室内側には平滑な表面の気密材284,284aを使用している。開孔部285は窓の位置が外壁と同面にあるため、内壁面との厚みの差の分斜め壁287が一体に成形されている。
【0082】
構造用支柱へは、真空体の気密材の周囲を延設した取付け部分286,286aのある真空体を使用するか、金物を真空体282,283の裏面に接合したものを、ビスや金物で取り付ける。建物、鉄道車両、船にあっては一般的に平面の真空体を用いる。
【0083】
図20(a)の真空体288の構成は、請求項1の真空体と略同じで、全体を湾曲させたもので、外側の気密材289と内側の気密材289aの間に、周囲にはゴム状弾性体の断面矩形の枠材290と、内部には舌状片292,294を基板に成形した間隔保持材291を配している。舌状片292は先端が曲折し、気密材289に頂部が接し、基板との接合部は補強リブ293が設けてある。尚、耐熱性が必要な場合は、金属製の断面コ型の枠材を用いる。
【0084】
図20(b)の真空体295は半円筒形をしており、ジーゼルエンジンを利用した地盤締め固め用のバイブレーターや杭打ち機械など、大きな騒音を発生する機械の周囲に取り付け、消音に利用するためのカバーとして用いる。
また相対させて筒状にすることにより、パイプやパイプカバーとして用いる。
【0085】
気密材296,297は外側及び内側とも硬質な材料を使用している。内側の気密材297に接する間隔保持材298は、断面山形の硬質材で引張材299が内側の気密材297に接しない高さとなる大きさと間隔に配置する。
外側の気密材296に接する間隔保持材300は線材で、間隔保持材間の中間の引張材299上に配置している。
【0086】
引張材299は内側の間隔保持材298の外側に所定間隔に配し、間隔保持材298との接触部で折れ曲がり気密材に沿った形となったものである。
気密材296,297の端部は内側と外側の気密材の径差に合せた大きさの密封材301を用いている。
密封材290,301は断面が矩形のゴム状弾性体を使用した例を示している。
【0087】
尚、間隔保持材の形状は、図に示す形状の他、引張材を内外の気密材の中間に保持できるものであればその形状は任意である。
又、真空体の湾曲させる方向については、たてに並べて使用する場合は長辺を湾曲させ、また球面にする場合は短辺長辺ともに湾曲させる。
【0088】
【発明の効果】
従来の遮音材は、質量則に基づき減衰して裏面に達した音はそのまま放散する。質量則は材料の重さの対数比で遮音性能は向上するため、例えば、周波数500Hzでは板の厚みを2倍にしても約1.3倍の性能向上しかなく、逆に2倍の遮音性能にするためには10倍の重さが必要となる。
【0089】
反面、吸音については遮音性の高い材料は表面反射音すなわち反響音が大きいため、グラスウールなどの吸音材も厚みの厚いものを用いるなど、快適な音環境を得るには、遮音性能に応じた吸音性能が必要となる。
【0090】
一方、真空を利用した防音材は、音の伝達経路に空気のない層を設けるため、次のような、従来の防音材では得られない性能がある。遮音と吸音が同時に出来る、薄くて軽量であっても高い遮音と吸音効果が同時に得られる、低い周波数にも高い遮音性能が得られる、重ね合せた枚数の性能が加算される、などである。
【0091】
真空体の音エネルギーの変化について、音は受音側の気密材を振動させた後、真空層表裏への振動エネルギーの放散と、真空層の保持材への伝達に分かれる。真空部分は、伝達物質である空気がなく音エネルギーは伝達されないため、真空層を保持する間隔保持材を伝達する振動の伝達量が遮音性能を左右する。
【0092】
従って、高い遮音性能を得るための真空防音材は、気密材と間隔保持材の接触箇所を少なくすることや接触面積を小さくして、気密材からの音の伝達量を小さくするとともに、伝達した音については間隔保持材の表裏の気密材間の振動伝達減衰を大きくする等により性能を高める。
一方、吸音は入射音から反射音を差し引いた分であるため、真空体では気密材の振動によるエネルギー減衰、及び間隔保持材への振動伝達分が吸音性能となる。
【0093】
従って、遮音性能を向上させるため本発明では、気密材と間隔保持材の接触箇所を少なくすること、及び接触面積を小さくして、気密材からの音の伝達量を小さくするとともに、請求項1は伝達した音については間隔保持材の舌状片を長くすることにより、請求項3は間隔保持材間に引張材を用いて同材が振動しやすくすることにより、請求項6は間隔保持材に振動減衰材を用いることにより、表裏の気密材間の振動伝達減衰を大きくして、高性能な防音材とするものである。
【0094】
「請求項1」について、受音側の気密材に接する舌状片の先端から放散側舌状片の先端まで音が振動となって伝達するとき、舌状片が長いため舌状片が振動しやすくなり長さに相応した減衰が得られる。また制振合金や制振鋼鈑を使用すると材料による減衰も大きい。
【0095】
また受音側舌状片と放散側舌状片の間には基板があり、受音側舌状片から基板に振動が伝達したとき、基板で拡散して単位面積当りの振動エネルギーが小さくなる。小さくなった振動は、放散側舌状片が基板の一部と接しているため、さらに小さくなって気密材へ伝達して気密材を振動させ、気密材自体が吸収した残りの振動が音として放散する。これらにより振動は大幅に減衰するため性能の良い防音材となる。
補強リブは、気密材にかかる大気圧荷重により枠材が内側へ押圧され、間隔保持材が変形しようとするのを防止する。
【0096】
「請求項2」について、基板の周囲を連続して曲折させて、気密材を一体に成形することにより、枠材を別部材として用意し、組み立て、接合する必要がなくる。そのため、製造工程上大幅な合理化が可能となり生産性の向上とコスト削減ができる。
【0097】
図2の舌状片はいずれもプレスで型抜きと曲折片が連続して成形できる形状であり、また型を変えるだけで任意の形状の舌状片が成形できる。
真空体の厚みについては、基板から舌状片の先端までを3mm程度にすることが可能であるため、全体でも1cm以下と非常に薄くすることができる。
【0098】
図2(d)の舌状片の先端部に狭小部があることについて、先端から基板へ振動が伝達するとき、断面積の急激な変化があると振動が減衰することは、既に下記の数式1によって求められることが数学的に分かっている。
【0099】
「数式1」 L=10LOG(α−0.5+α0.5)2−6
L:減衰量(縦波)
α:断面積の変化率
この数式から、例えば、狭小部でその幅が1/2に仮定すると、約4.9デシベルの減衰が得られる。尚、曲げ波については、縦波より更に大きな減衰が得られる。
【0100】
また、このことは後述のワイヤの交差部の減衰についても同様のことであり、例えば、ワイヤの直径を5mmとし、点状接触面積を0.01mm2とすると、1963分の1の面積比率となり、接触点一箇所当りでは約43デシベルの減衰が得られる。
【0101】
「請求項3」及び「請求項4」について、図3の実施例は引張材にシート材を使用し、表裏に気密材の凸形状が交互に接するように配置してある。受音側凸形状からの振動は、引張材が振動することにより減衰し、放散側凸形状へ伝達した後、凸形状と一体になった気密材が振動してエネルギーを吸収し、残りを音として放散するため、高性能な防音材となる。
【0102】
引張材は引張力が小さい方が振動減衰は大きく、また接触面積が小さい方が振動伝達による減衰が大きい。またカーボンやグラスファイバーのように柔らかい材料の方が大きな振動減衰を得られる。
【0103】
図3及び図4は、種々の引張材の実施例を示しているが、共通した事象として表面の気密材から裏面の気密材までの振動伝達経路が長いほど、振動減衰が大きく遮音性能が高くなる。
【0104】
引張材については、線状や帯状の引張材が端部に大きな力が作用するのに対し、シート材はシートの全幅長で気密材と接合しているため、単位幅当たりの引張力が弱く、その分振動しやすくなり減衰が大きい。またその接合強度が小さくてよいため、接合方法の選択幅が広がる。
【0105】
図3(c)は引張材に帯状材を使用している。シート状引張材との使い分けは、金属やカーボンファイバーのように強度がある場合には帯状材やワイヤ材を用い、プラスチックのように熱による強度の変化が大きく、大きな荷重をかけられない場合にシート材を用いる。また生産性から強度がある材料であってもシート状にして用いることもある。音の減衰については図3(b)と同様である。
【0106】
図4の立体成形材の形状はいずれも気密材の表面を平らにする場合に用いる方法である。図4(a)は引張材を気密材間に位置させるため、断面台形が並ぶように成形している。底辺71は気密材67a接合により一体化しているため、立体成形材の立ち上がり部72は引張材73に大気圧などによる引張力が作用したとき、気密材が内側に曲がるのを防止する。山形の形状をした立体成形材75は気密材67と引張材に線状に接して、気密材と引張材が接触するのを防止している。
【0107】
また線状接触であるので、点状接触に比べて気密材に作用する単位当りの荷重が小さくなるため、気密材の強度をその分必要とせず、薄くして軽量な気密材を使用できるので振動減衰を大きくすることができる。
【0108】
図4(b)は間隔保持材にワイヤメッシュを用い、交差部でワイヤ間が点状接触となっているため、音が振動となって伝達するとき、点状接触部分で前記数式にあるように大きな減衰を得ることができる。引張材にシート材を用いることについては、図3(b)と同様に、気密材との接触が線状となるので、薄くして軽量な気密材の使用が可能で高性能な防音材となる。
【0109】
図4(c)は気密材にプラスチックを使用した場合であり、音の伝達については図3(c)と同様である。枠材については、枠材間に別部材のゴム状弾性体を挟持しているため、ゴム状弾性体が吸収する特定周波数の音が小さくなる。
【0110】
図6の109(a)の気密材については、気密材と振動減衰材の接触間隔を広くできる分接触カ所が少なく、また気密材の底辺と振動減衰材は点接触であるため、高い遮音性能が得られる。
【0111】
防音性能の向上のためには、表裏の気密材の底部の位置をずらした方がよいが、同じ位置にすると振動減衰材に曲げ応力が作用しないため、強度による材料の制約を受けにくく、また小さい材料で良いため薄い厚い真空体が作れる。
【0112】
なお底辺99,99aの凸形状を外周部の密封材と略同じ幅の平面部を設けることにより、振動減衰材とは線状接触となり遮音性は少し低下するが、底辺の間隔単位に気密材の長さや幅を切断することができるようになり多品種への対応が容易となる。
【0113】
図5(b)については、気密材がV型の連続形状であるため、一辺の長さを調整することにより、真空体の厚みを要求寸法に合わせることが容易にできる。また短辺方向は容易に曲がり、長辺方向は曲がりにくいことが特徴である。
【0114】
図6(a)は振動減衰材を2段に配して点状接触としているのと同時に、接触点をずらし音の伝達経路を長くしているため、振動減衰材自体においても相応の減衰が図れる。また振動吸収体用いているため、点状接触の他に振動減衰材自体においても振動吸収を図っている。
【0115】
図6(b)は断面円形の振動減衰材であるが、振動減衰材との点状接触による減衰が図れる。
図6(c)は被覆材に柔軟性があるため、100〜500ヘルツ程度の振動域に対し減衰効果のある間隔保持材である。
【0116】
図6(d)の先端凸形状となったプラスチックとゴム状弾性体を重ねた振動減衰材は、上端は気密材の凸形状とは点接触、下端は線状接触となりいずれも伝達時の振動減衰が大きい。また硬さの異なる材料を用いているため、それぞれの材料を合成した振動吸収特性の減衰が得られる。
【0117】
図6(e)(f)の制振鋼板を使用した振動減衰材は、気密材との接触形状と合わせて、内側と外側の鋼板は同一の他部材に接触しないため、フィルム部で振動吸収があるため振動伝達減衰が得られる。
【0118】
「請求項6」のエキスパンドメタルを用いた真空体について、気密材とストランドの接触がメッシュの大きさの間隔で接触カ所が点在すること、及び凸部がほぼ点状に気密材と接するため、前記数式のような減衰があり高い防音効果が得られる。また真空体の重量が、金属の板材を引張しているため、請求項一と比較して引張した分だけ軽くすることができる。
【0119】
図8の通風用防音ボックスについて、従来はケースの内側にグラスウールなどの繊維系の吸音材料使用する方法が用いられている。そのため高性能するためには金属ケースの内側に数センチ以上の厚みが必要であったため、空調用ダクトをなどは通風のための必要断面の外側に吸音材の厚みを加えた寸法になっていた。これに対し真空対応用いると1cm程度の厚みでよいため省スペース化が図れる。
【0120】
図9の防音パネルについて、各請求項のいずれかの防音断熱材に意匠性を付加することと、特定周波数帯の音をより吸収するためのものである。真空体は強度や耐熱性など機能上の制約があるため、建具などの意匠が必要な場所にはそのまま用いることができない場合がある。そのため真空体の外周を枠材で囲み、枠材の両面に化粧材として木製、プラスチック、金属などの面材を張り意匠性を付与したものである。
【0121】
図10の防音建具について、常時使用する可動建具であるため、一般の建物では使用条件が優先されている。オーディオ用ルームなど防音性能が必要な部屋のドアは、使用上の不便さを感じながらも、20cm程度の空間を設け、2枚のドアを使用している。また音楽ホールのドアなどは、非常に重く大掛かりなものとなっている。これに対し真空体を利用した防音建具にすると、軽量で厚みの薄い防音建具が可能となる。
【0122】
建具の表面に用いる面材には無孔板と有孔板があるが、無孔板については板の大きさ及び硬さにより吸収する周波数は異なり、一定以上の大きさになると、板が振動して低音域の音をよく吸収する。また、10%前後の開孔のある有孔板については中音域の音をよく吸収することはよく知られている。
【0123】
従って、これらを組合わせて用いることにより、特定周波数の性能を高めた防音建具や防音パネルが可能となる。
防音建具については、軽量にすることができるため、支持する枠材が小さくてよく、また取り付けが容易である。また床から天井までの可動式防音パネルにあっては軽く動かすことができる。
【0124】
図11の換気口付き防音建具について、従来の方法では壁に開口部を設け、その開口部を防音カバーで覆って換気をしていた。そのため大掛かりな装置となっていたが、防音ドアから換気をすることにより、この装置が不要となる。また、この真空体の隙間で空気を移動させるため、真空体に接する面積が大きく遮音及び吸音性能の高い建具となる。
【0125】
図12の防音室について、防音パネルや防音建具、及び窓などを床、壁、天井のコーナーに配した接合用部品により一体化し、建物や船の構造体の中に組み立てる防音室である。防音パネルや防音建具はモジュールに基づいた寸法であるため組み立てが容易で、短時間で防音性能と品質が高く、性能のばらつきの少ない防音室を容易に作ることができる。
【0126】
図13の防音建物について、従来の仮設建物の外壁は、防音性能が非常に低い。これは外壁に遮音性能を求めると、質量則による材料であるため相応の重さと吸音のための厚みが必要となり、コスト及び組み立てと解体の繰り返しが難しいためである。これに対し、真空体を用いると遮音と吸音が薄い厚みできるため、容易に繰り返し利用が可能である。
【0127】
図14の防音壁について、従来の防音壁の遮音性能は、鋼板の厚みによる性能で決まる。従って現状以上の性能を得るためには、重さと厚みの条件により容易には難しいのが現状である。
これに対し、真空体を用いると単体で遮音性能の高い防音壁となるため、環境基準を満たしていない現状の防音壁に取り付けたり、新しく設置することにより、高い防音性能の防音壁となる。
【0128】
尚、請求項では真空体のみをH形鋼に取り付けているが、受音側を開放したH型鋼の溝に合わせた厚みのケースの開放面に、真空体を配した防音パネルにすると、ケースによる遮音性が付加されるため更に高性能な防音壁となる。
【0129】
図15の間仕切り壁について、従来の方法で高い防音性能を得るには、上下枠及びたて枠の両面に鉛シートや石膏ボードなどの質量のある材料とグラスウールを交互に数層重ねて張っているため、壁圧が厚くなり、放送スタジオなど高性能な防音が必要な壁では、70cmもの厚みとなる。また、それに伴って建物の重量の増加や組み立て手間の増加により、コストアップや工期が長くなっていた。
【0130】
これに対し、真空体を使用すると軽量で薄く、また遮音と吸音が同時にできるため、壁厚は1/3以下となり、材料の数が少なくなるため作業量が減り、工期短縮のほか、室内の有効面積が広がる。
【0131】
図16の防音床構造について、マンションなどコンクリート造の建物は、上階の床に合板フロアーを使用した場合は、合板の裏側に発砲プラスチック材などを一体化し、衝撃を和らげて音を小さくしている。そのため床がふわふわして歩行感が悪いのが現状である。
木造住宅の床は、建物の構造上床の重量を重くできないので、上下階の音はかなりうるさく感じるレベルでも対策の方法がないのが現状である。
【0132】
これに対し、コンクリート造では真空防音材を直床や置き床の支持床と仕上げ床の間に用いると、適度の柔軟性を持った床となり、また遮音と吸音を同時に行うので防音性能の高い床となる。
木造住宅の床は、真空防音材は軽量で厚みも1cm程度と薄いため支持床と仕上げ床の間に用いることができ、高い防音性能の床となる。
【0133】
図17の防音ケースについて、従来の音の質量法則による遮音材と、グラスウールなどの吸音材を組み合わせた防音の方法で高い防音性能を得るには、遮音のために重い材料を使い、また吸音のために5cm前後の厚みのグラスウールが必要であるため縦横各10cm程度大きな寸法となる。
【0134】
これに対し、真空体を利用すると、軽量で厚みも1cm程度と薄いため寸法の小さいものでよく、また耐水性や耐熱性を付与することができるため産業用機械、家電製品などへの使用が可能となる。
【0135】
図18の防音車体について、従来の音の質量法則による方法では車体が重くまた大きくなり過ぎ、車の寸法や排気量が大きくなり種々の点で採用することが難しい。これに対し、真空体を利用すると軽量で厚みも1cm程度と薄いため車体の鋼鈑を二重構造にしても、エンジン排気量や車体寸法も使用できる範囲であるため防音車両が可能となる。
【0136】
図19の内装パネルについて。高速列車や飛行機などでは外壁と内壁間で振動による発生音が反響し、騒音として客席に放散している。しかし、客席空間を広くしたり、重量の制限から現状以上の吸音性能を付与する対策を取ることが難しい。これに対し、真空体は1cm程度であるため吸音材料として内装パネルに用いることが可能となり、空間の確保に対応しながら静かな客席とすることが出来る。
【0137】
図20は請求項1又は請求項4の真空体を湾曲させたものである。図20(a)の真空体288は短辺が湾曲しており、連続させて断面が円形のトンネルや地下鉄の駅構内、船のエンジンや飛行機のタービンエンジンの防音カバーに使用する真空体である。
【0138】
湾曲した真空体について、ジーゼルエンジンの地盤締め固め用の機械や杭打ち機械などの排気口部から出る音への消音対策は、従来の防音方法では遮音材が音を反射するため、有効な対策が出来なかった。
【0139】
これに対し、真空防音材は音の反射が少なく真空部分が吸収し、また軽量で厚みが薄いので、これらの機械のカバーとして空気が排出できる隙間を空けて取り付けても遮音効果がある。その結果、作業音が小さくなるため作業者の難聴防止などの労働環境の改善や作業場所周辺の音環境の改善ができる。尚、カバーは円筒にせず、排気部分のカバーのみとしてもよい。
【0140】
トンネルや地下鉄で使用する防音材は、吸音が対象となる。しかし、グラスウールなどの吸音材は、大きな厚みのスペースが必要である。これに対し、真空体は厚みが薄く、耐水性や耐火性があるので使用が可能となり、静かなトンネルにすることが出来る。
【0141】
以上、真空を利用した音についての効果を記したが、他にも以下のような効果を併せ持つ。使用条件において、従来の防音パネルは吸音材にグラスウールを一般的に用いているが、繊維であるため水が掛かるところは撥水処理による程度の抵抗力しかない。従って、地下鉄駅など流水のある所では、水を含むと吸音効果が無くなるため、使用できない。
【0142】
これに対して、本発明の防音パネルは真空体に気密材を使用しているため、地下鉄のみならず、極端には水中でも使用が可能である。その他の性能では、軽量化、耐火性、耐水性、耐凍結融解性などがあり、今までにない場所での利用が可能で、用途も拡大する。
【0143】
また、熱に対しても効果がある。一般の断熱材である発砲プラスチックやグラスウールは、空気の対流をコントロールした断熱材であるため、厚さに比例して断熱性能が定まる。これに対して、真空を利用すると放射と気密材の支持材の熱移動となる。従って、厚さに関係しない断熱が可能となる。
【0144】
本発明は、主に防音を目的としているので、断熱については防音用に製作した結果として得られる断性熱能になっているが、気密材が金属の場合は表面を鏡面仕上げにしたり、プラスチックの場合はアルミ箔を張ることで、より高い断熱性能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】舌状片のある間隔保持材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図2】舌状片の例示形状を示す斜視図。
【図3】引張材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図4】間隔保持材の例示形状を示す斜視図。
【図5】振動減衰材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図6】振動減衰材を使用した真空体および振動減衰材の断面図。
【図7】エキスパンドメタルを用いた真空体の一部内部を示す外観斜視図。
【図8】通風用消音ボックスの外観及び一部内部を示す斜視図。
【図9】防音パネルの一部内部を示す外観斜視図。
【図10】防音ドアの一部内部を示す外観斜視図。
【図11】換気口付き防音建具の外観斜視図及び断面図。
【図12】防音室の外観斜視図。
【図13】防音建物の外観斜視図。
【図14】防音壁の外観斜視図。
【図15】間仕切壁の一部内部を示す外観斜視図。
【図16】防音床構造の断面斜視図
【図17】防音ケースの外観斜視図及び断面図。
【図18】自動車の車体の断面図。
【図19】航空機用防音内装パネルの正面図及び断面図。
【図20】湾曲した真空体の一部内部を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1:真空体 2:気密材 3:枠材
4:間隔保持材 5:基板 6:舌状片
7:舌状片 8:接合部 9:リブ
10:気密材 11:枠材 12:接合部
13:間隔保持材 14:舌状片 16:気密材
17:基板 18:接合面 19:接合面
20:舌状片
21:延設部 22:切断辺 23:コーナー部
24:傾斜部 25:先端部 27:舌状片
28:基板 29:曲折位置 30:切断線
31:舌状片 32:平面部 33:気密材
34:舌状片 35:基板 36:切り抜き
37:水平部 38:先端部 39:延設部
40:リブ 42:舌状片 44:先端部
45:欠取り部 46:狭小部 47:曲折位置
48:真空体 49:気密材 50:枠材
51:凸形状 52:シート材 53:端部
55:リブ 56:引張材 57:端部
58:リブ 60:圧着挟持部材 61:延設部
66:真空体 67:気密材 68:枠材
69:立体成形物 70:引張材支持部 71:底辺
72:立ち上がり部 73:引張材 75:立体成形物
77:真空体 78:気密材 79:枠材
80:間隔保持材 81:間隔保持材 82:引張材
83:ワイヤ 84:ワイヤ 85:ワイヤ
86:ワイヤ 87:端部 88:孔
90:真空体 91:気密材 92:枠部
93:挟持物 94:凸形状 95:引張材
96:端部
97:真空体 98:気密材 99:底辺
100:振動減衰材 101:凸形状 102:枠材
103:真空体 104:気密材 105:縁端
106:密封材 107:密封材 108:振動減衰材
109:気密材 110:凸形状 111:枠材
112:振動減衰材 113:先端 114:ゴム状弾性体
115:縁端 116:ワイヤ 117:被覆材
118:硬質材 119:ゴム状弾性体 120:内側の鋼鈑
121:外側の鋼鈑 122:フィルム
123:真空体 124:気密材 125:枠材
126:エキスパンドメタル 127:メッシュ
128:凹凸のあるストランド 129:斜めのストランド
130:上側の凸部 131:下側の凸部
138:消音ボックス 139:開口部 140:ダクト
141:真空体 142:真空体 143:気流
144:消音ボックス 145:真空体 146:取付け面
147:開口部 148:ダクト 149:消音ボックス
150:ダクト 151:換気扇 152:外壁
153:気流
155:枠材 156:枠材 157:表面材
158:孔 159:真空体 160:溝
161:防音ドア 162:レバー錠 163:表面材
164:枠材 165:たて枠 166:取り付け材
167:真空体 168:丁番 169:下枠
170:ヒンジ 171:引き手 172:下枠
173:戸車 174:戸車 176:ハンガーレール
178:換気口付き防音建具 179:真空体
180:開口部 181:表面材 182:開口部
183:真空体 184:上枠材 185:すき間
186:表面材 187:開口部 188:桟
190:防音室 191:防音パネル 192:防音パネル
193:防音ドア 194:換気口付き防音ドア 196:延設部材
198:防音パネル 199:防音引戸 204:吊り具
205:建物 206:真空体 207:基礎
208:土台 209:胴差し 210:桁
211:柱
216:側壁 218:防音壁 219:防音壁
220:防音壁 221:真空体 222:真空体
223:真空体 222:真空体 225:H形鋼
225:H形鋼 226:H形鋼 227:H形鋼
230:間仕切壁 231:上枠 232:下枠
233:たて枠 234:真空体 235:押縁
236:内装用面材
238:防音床 239:支持床 240:真空体
241:仕上げ床材 244:置床 245:上部面材
246:脚部 247:真空体 248:仕上げ床
249:木造床 250:合板 251:真空体
252:仕上げ床 253:梁 254:防音床
256:支持床 257:仕上げ床 258:真空体
261:防音ケース 262:真空体 263:扉
264:骨組み材 265:機械 266:防音ケース
267:機械 268:真空体 269:真空体
270:開口部 271:送風機 272:熱交換器
273:真空体
274:車体 275:床 276:エンジンルーム
277:トランク 278:車内の隔壁 279:タイヤハウス
280:ボンネット 281:屋根 282:内装パネル
283:開口付き内装パネル 284:気密材
285:開口部 286:延設部分 287:斜め壁
288:真空体 289:気密材 290:密封材
291:間隔保持材 292:舌状片 293:リブ
294:舌状片 295:真空体 296:気密材
297:気密材 298:間隔保持材 299:引張材
300:間隔保持材 301:密封材
【産業上の利用分野】
本発明は、建物や船などの床、壁、天井、防音建具、機械や電気製品の防音ケース、車、空調ダクトやパイプ、道路や軌道の防音壁に使用するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空を利用した防音材は、真空層を保持するために例えば特願昭48−85289、特願昭52−91828、特願平5−151688などに用いられているハニカムコアや、特願平6−101916のようなブロック部材を気密材の間隔保持材として挿入している。そのため、音が受音面材料の裏面から放散する時、ハニカムコアや枠部材などの間隔保持材のない部分では真空により音は伝わらないが、間隔保持材部分では音が材料内を振動となって伝達し、放散側気密材から音となって放散される。
【0003】
従って、この間隔保持材が真空防音材としての性能を決定するが、ハニカムコアや多数のブロック部材は、気密材面積に対する間隔保持材の接する長さの比が大きいため、振動が多く伝わること、また表面の気密材から、裏面の気密材間の間隔保持材を伝達する振動の減衰が小さいことが防音効果を低下させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、真空防音材の受音面から放散面間の間隔保持材の振動伝達が大きい点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
受音面と放散音面間に挿入する間隔保持材の形状を、細幅で長い舌状片にして振動し易くし、より多くのエネルギーを吸収させる方法、または間隔保持材と気密 材の接触面積を小さくすることによって振動伝達量をわずかなものにする方法により、高い防音性能の真空防音材とするものである。
【発明の実施の形態】
本発明は、異なる3の方法からなる。1の方法は、基板に支持辺を残して切れ目を入れ、切れ目で囲まれた部分を傾斜をつけてまたは折り曲げて長さが長い舌状片を用いること、気密材と舌状片を小面積で接触させること、舌状片と基板の伝達面積の変化が大きいこと等の特徴のある間隔保持材により振動伝達減衰を大きくして防音性能の向上を図るものである。
【0006】
2の方法は、振動減衰の大きい引張材を使用し、引張材の表面と裏面に交互に気密材と一体とした凸形状または別部材の間隔保持材が接するようにして、振動伝達を減衰させ防音性能を高めるものである。
【0007】
3の方法は、凸形状のある気密材間に振動減衰材を間隔保持材として用い、気密材と振動減衰材の接触形状、又は振動減衰材の材料特性により、振動伝達減衰を大きくして防音性能の向上を図るものである。
【0008】
密封方法について。ろう付け、溶接、接着、熱溶着など接合する材料に対して適切な方法で、必要な強度と密封が得られる方法を用いる。また必要な場合は別部材による圧着挟持を併用して気密接合する。
【0009】
真空度は10−2パスカル以下の真空域とする。真空引きについては、封止が容易に出来る部品を枠材又は気密材に取り付けて用いる。尚、大型真空炉内で枠材と気密材を気密接合する場合は、封止用部品は不要である。
【0010】
真空体の被覆材となる気密材については、長期間にわたって真空時のガスの透過及び発生がないこと、凸形状間や間隔保持材間で設定以上の撓みを生じないことが必要である。
硬質な気密材を使用する場合の材料は、鉄・アルミニュ−ム・ステンレス・制振合金などの金属の他、プラスチックやガラス・カーボン等の繊維で補強したプラスチック複合材を用いる。
【0011】
軽量な気密材を使用する場合の材料は、鉄・アルミニューム・ステンレス・アモルファス合金・制振合金などの金属の薄板を用いる。重量は軽いほど望ましいが、材料強度・耐久性・生産性などを考慮して用いる。他には、アルミニューム・鉄、銅などの金属箔にプラスチックをラミネートしたものや、ガラスやカーボン繊維に金属箔を張り合わせたものを用いる。金属箔の強度が不足する場合は、プラスチックシート、ガラスやカーボンなどの繊維で補強したものを用いる。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の一態様による真空断熱防音材である。図1(a)は真空体1の外観斜視図、図1(b)は一部内部断面を示した斜視図である。真空体1は間隔保持材4の周囲に断面コ型の枠材3を配し、枠材3の両面に硬質又は軟質の気密材2,2aを気密接合して内部を真空にしたものである。
【0013】
間隔保持材4の材料は、鉄、アルミニュ−ム、ステンレスなどの金属、制振合金、制振鋼鈑、プラスチック、金属にプラスチックを被覆したもの、複合材では繊維補強プラスチックやカーボンファイバーを樹脂で固めたものを用いる。
間隔保持材4は基板5に所定間隔に舌状片6,7用の切れ目を入れ、先端が枠材3の高さまで突出した舌状片6,7を成形したものである。枠材3との接触部は溶接や接着で接合する。
【0014】
舌状片6,7は、基板5の延設部から先端までが長ければ長いよほどよいため、傾斜させる場合はできるだけ緩やかに、水平方向に延設する場合は水平長さを長くする。その長さは、1つの舌状片6,7が負担する気密材2,2aにかかる大気圧と使用時の荷重による変形が、許容寸法以下となる範囲である。舌状片6,7の間隔は、舌状片間の気密材の撓みが許容寸法以下となる間隔に設ける。
【0015】
枠材3は真空体の外周部の気密材2,2a間に挟持して、断面コ型形状で気密材と気密接合している。基板5には補強リブ9を所定間隔に成形している。
【0016】
図1(c)は軟質な気密材10,10aを使用した場合で、気密材10,10aは枠材11の外側まで延設して熱溶着している。コーナーは形状に合わせて切断し、その後張り合わせている。他の方法としては、硬質の気密材と同様に枠材に接着してもよい。
【0017】
間隔保持材13と枠材11の接合は、内側に向けた断面コ字型の中央部に、接着、溶接など材料に合わせて適切な方法を用いて一体化する。舌状片14の先端は、気密材の破損を防止するために先端部を折り曲げて気密材に沿った小さな平面を設けている。
【0018】
図1(d)は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。基板17の周囲を舌状片20の高さに合わせて連続して折り曲げ、立ち上げ面15,15aと基板17と平行な接合面18と接合面19を形成したものである。接合面18は上面の気密材16と接合面19は下面の気密材16aと気密接合する。
【0019】
尚、軟質な気密材を用いた場合や、高精度の平滑性が気密材に必要な場合は、気密材と舌状片の間に、舌状片の間隔より目の小さなハニカムコアやエキスパンドメタルや金網などの網目状材を挟持する。
【0020】
図2はいずれも舌状片の形状を例示したものである。
図2(a)は図1(b)に記載された舌状片6の拡大斜視図である。舌状片6は四角形の一辺の一部を基板との延設部21として残し、四角形の切断辺22に沿って内側に所定の幅に切れ目を入れて延設部から傾斜となるように折り曲げ、先端25を枠材の高さまで立て起したものである。
【0021】
各コーナー部23は基板と平行にし、コーナー間を傾斜部24とし、傾斜の角度調整により真空体にしたときに枠材と同じ高さとなるように先端部25の高さを定めている。舌状片6の先端はその形状や曲折によって、点接触や線接触あるいは面接触にすることができる。基板の反対側の舌状片も同様の形状となっている。
【0022】
図2(b)は渦巻き状舌状片の平面図及び側面図を示す。平面図上の実線は切断線30、点線は曲折位置29を示す。舌状片27は延設部29で曲折し、緩やかな傾斜で基板から突状態となり、先端部の曲折位置で折れ曲がり平面部32が形成され、気密材33とは面状に接触する。
【0023】
図2(c)は基板をコ型に切り抜き36、水平部分37を残して気密材と接する先端部38を枠材の高さとなるように曲折させた舌状片34の平面図及び断面図である。基板との延設部39の一部に、断面半円形のリブ40をプレス成型している。
尚、硬質な気密材を使用する場合は、先端が点状または線状に接する形状の舌状片を、軟質な気密材を使用する場合は、先端が小さな平面のある舌状片を用いる。
【0024】
図2(d)は舌状片42の先端部44と気密材の接触長さや面積が大きくなる場合に、欠取り部45を設けて舌状片の一部に狭小部46を強度上許容される範囲で設けたものである。点線は舌状片46を曲折する場合の曲折位置47を表す。
【0025】
図3は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。引張材の材料は、鉄、アルミニュ−ム、ステンレス、制振合金、制振鋼鈑などの金属、金属以外では高強度のプラスチック、ガラス繊維やカーボンファイバーを用いる。
【0026】
形状はシート状、帯状、線状のいずれかを用いる。気密材との接合は端部及び凸形状部とする。凸形状部との接合は、大気圧や使用時の荷重により引張材と接合した凸形状部に集中して作用する引張力によって気密材が変形しない間隔で接合する。接合方法は金属では溶接、ろう付け、接着、金属以外では接着のほか他部材による圧着挟持を用いる。
【0027】
図3(a)は真空体48の外観斜視図、図3(b)は一部内部断面を示した斜視図である。
真空体48は周囲に断面コ型の枠材50を配し、枠材50の両面に硬質な気密材49,49aを気密接合して内部を真空にしたものである。
【0028】
気密材49,49aは所定間隔に真空体の内側に向けて凸形状51,51aを有し、上下の凸形状は引張材52をはさんで交互となる位置に成形してある。また引張材52が取り付く気密材49,49aは、必要な場合引張力が作用する方向にリブ55を設け気密材49aの変形防止をしている。
【0029】
引張材であるシート材52は真空体48内部のほぼ全面を覆い、引張材52が作用する方向の端部53を気密材に接合している。シート材52には気体の流動をし易くして真空化を容易にするための孔54が設けてある。
【0030】
図3(c)は引張材56に帯状材を用いた場合である。引張材は凸形状51の長辺と直交してその頂部に配し、端部57及び要所となる凸状物と接合する。凸形状51,51aは引張材56に表裏で交互に接する。また引張材56が接合する気密材には、必要に応じて引張材56と平行なリブ58を設ける。
【0031】
図3(d)は、金属材料以外の引張材の接合について、組み立て時の作業性や耐熱性により溶接を用いる場合を示し、図のような金属の圧着挟持部材60を用いて、引張材52の端部64を圧着挟持し、引張状態で気密材49aとの接合部61を溶接する。
また、真空体の構成においては枠材を用いず気密材を突起物と略同じ高さに周囲を立ち上げ、その先端に外側に向けて曲折片を延設した一体成型材を用いてもよい。
【0032】
図4は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図4(a)は意匠やメンテナンス上、気密材67の表面がほぼ平らであることが必要な場合に用いる方法で、引張材73と組合せた立体成形物69の外周に配した枠材68の両面に気密材67を気密接合し内部を真空にしたものである。引張材73を真空体の中間で支持するため、所定間隔に断面台形の引張材支持部70をもつ立体成形物69を気密材67aに接合し一体化して用いる。引張材支持部74間には、底辺71から途中まで立ち上がり部72を設け、底辺71と一体になって補強リブとしている。
【0033】
引張材73は引張材支持部70上の長辺に直交して配設している。引張材73上には断面山形の間隔保持材75を下側の引張材支持部70の中間位置の引張材73上に配して、上側の気密材67と引張材73間に空間を設けている。引張材73の端部は硬質な気密材67aに接合し、引張材支持部とは必要に応じて接合する。
【0034】
引張材73上部の間隔保持材75は山形の断面をした硬質材で、引張材支持部70の中間位置に配設し、その高さは枠材68の上端と同じ高さとなる大きさである。上面の気密材67は硬質材または軟質材のいずれかを使用する。
【0035】
図4(b)は、間隔保持材にワイヤメッシュ80を使用した場合である。ワイヤメッシュは引張材82を挟むワイヤ83,83aが同方向となるように配し、引張材82の表裏で交互に接するようにしたものである。引張材82の端部87は硬質な気密材78aに接合し、ワイヤ83とは必要個所を接合する。気密材78,78aに接するワイヤ84は、交差するワイヤに対して要所を溶接などで接合し引張材82に作用する引張力に対し、変形防止のための補強材としている。
【0036】
尚、引張材82に作用する力が小さい場合は、気密材78a,78に接するワイヤ84,86を用いず、直接ワイヤ材83,85を気密材78a,78に接合してもよい。シート状引張材82には、真空化を容易にするための孔88を設ける。
【0037】
図4(c)は気密材にプラスチックを用いる場合で、気密材91と枠部92と凸形状94が一体となって成形されている。凸形状94は引張材95の表裏で交互に接する位置に成形され、その高さは周囲の枠部92,92aと密封のための挟持物93の高さに合わせて、気密材91,91aが平となる寸法である。引張材95の端部96は片側の気密材91aに接合する。
また、真空体の構成においては枠材を用いず気密材を突起物と略同じ高さに周囲を立ち上げ、その先端に外側に向けて曲折片を延設した一体成型材を用いてもよい。
【0038】
図5は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図5(a)の真空体97は周囲にゴム状弾性体からなる枠材102を挟持した気密材98間に断面山形の振動減衰材110を挟持して内部を真空にしたものである。気密材は中央部が外側に湾曲した面を連続して成形し、底辺99,99aの一方向を間隔保持材110に点状接触させた実施例で、凸部101にかかる大気圧荷重を底辺に分散させている。湾曲面は大気圧荷重に対して撓みにくいので振動減衰材100との接触間隔を広くして、接触個所を減らすことができる。
尚、気密材は図3のような凸形状、一方向に連続した湾曲面、連続しない湾曲面としてもよい。又、湾曲面の形状は多角形、楕円形、円形など任意である。
【0039】
図5(b)の真空体103は平板を高さを揃えて連続して凸形状に曲折した相対する気密材104,104a間に、中央部は図6(e)に示す断面山型の振動減衰材108を、周辺は山形形状及び縁端105の水平に伸びた気密材間にゴム状弾性体からなる枠材106を挟持している。従って、気密材104,104aと振動減衰材は点状に接触する。
【0040】
気密材104の端部は凸形状に合わせた枠材107で、平部の枠材106と一体に成形している。尚、別部材となる場合は、凸形状部107と平部106の枠材は気密接合する。
【0041】
図6(a)は気密材109,109aにプラスチックを用い、射出成型により凸形状110,110aと気密材109,109aと端部の枠材111が一体に形成された実施例である。
【0042】
凸形状110,110aの方向は、図6(d)の振動減衰材112,112aと直交させている。気密材の凸形状110,110aと振動減衰材112,112a、振動減衰材112,112a間はいずれも点状接触113,113a,113cとなっている。尚、凸形状110,110aの方向は振動減衰材が奇数段の場合は同方向とする。枠材111,111a間は振動の伝達を小さくするためゴム状弾性体114を挟持している。
【0043】
片側の気密材端部115を外側に延長しているのは、構造体にビスや金物で取り付ける場合に延設するもので、真空体平部に取り付け金物を取り付ける場合は設けない。
気密材109に汎用プラスチックを使用した場合、気体の放出や僅かであるが透過する場合がある。この場合は、気密材の内側に電気メッキを行う。
【0044】
図6(b)(c)(d)(e)(f)は振動減衰材の実施例で、ワイヤ、プラスチックまたはゴム状弾性体を被覆したワイヤ、層状に重ねた硬質材とゴム状弾性体、山型やZ型に折り曲げた制振鋼板である。
【0045】
図6(b)は断面が円形のワイヤ又はプラスチックの振動減衰材116、図6(c)は被覆材117にプラスチックまたはゴム状弾性体を用いたワイヤ116aの振動減衰材、図6(d)は断面三角形をした振動減衰材で上部にプラスチックなどの硬質材118、下部にゴムや半硬質のプラスチックのゴム状弾性体119を接合した振動吸収体である。
【0046】
図6(e)は制振鋼板を山型に曲げたもの、図6(f)は同材料をZ型に曲げたものである。
制振鋼板を板面に垂直に切断したものを折り曲げると、図6(e)(f)では内側の鋼板120,120aと外側の鋼板121,121bとは中間の粘弾性接着フィルム122,122aの部分でズレを生じる。外側の鋼板は曲げ部の長さが長くなるため、端部では内側の鋼板120,120aが突き出た形状となり、上下の気密材とは制振鋼板の内側と外側はそれぞれ別の鋼鈑と接する。
【0047】
制振合金を用いる場合は、一枚の板を同様の形状に折り曲げて使用するほか、制振鋼板の鋼板と置換して制振合金の複合板として用いてもよい。また、形状は接触する部材と点状または短線状になる任意の形状で良い。
【0048】
図7は本発明の別の態様による真空断熱防音材である。
図7(a)の真空体123は一部内部を示した斜視図、図7(b)はエキスパンドメタルのメッシュの拡大斜視図である。周囲の枠材125内に一部に凹凸のあるストランド128からなるエキスパンドメタル126を配し、枠材125の両面に気密材124を気密接合し内部を真空にしたものである。一つのメッシュ127は六角形になっており、横方向のストランド128に凹凸のある刻みを設けて引き伸ばしたものである。
【0049】
メッシュ127の大きさは、気密材124にかかる大気圧などの荷重による撓みが、凹凸のあるストランド間で許容できる範囲である。ストランド128の上側の凸部128は表面の気密材124に接し、下側の凸部131は裏面の気密材124aとそれぞれ点状に接し、斜めのストランド129は気密材と接触しない。尚、メッシュ形状を四角形にした場合は、たて横方向ストランドとも凹凸が形成される。
【0050】
以下、真空防音断熱材の利用に関するものである。
図8(a)は空調用ダクトの騒音を消去するための装置で、ダクトの中間に取り付けて消音するための消音ボックスである。消音ボックス138は、ダクト140,140aが接続される左右の側面に、ダクトの大きさとほぼ同じ大きさの開口部139がある。他の4面に請求項1又は請求項3の真空体141を用い接合している。内部はグラスウール板または真空体142が気流143の流れと平行に、間隔を設けて数枚が取り付けられている。
【0051】
図8(b)はダクトが交差する部分にダクトの断面より大きな請求項1又は請求項3の真空体145を6面に用いた消音ボックス144で、ダクトが取り付く2面146,146aに開口部147,147aがある。ダクトの寸法より大きな消音ボックス144としているのは、音を拡散することにより、音を小さくするためのものである。尚、ダクトの大きさと略同じ大きさである消音ボックスとすることもある。
【0052】
図8(c)は建物などの屋内外を換気扇151で給排気をする場合に用いる方法で、消音ボックス149を屋外に設置した例である。外壁152に貫通孔を設け、消音ボックス149が内蔵されたダクト150を取り付けている。消音ボックス149は気流に平行に間隔をあけて真空体142a数枚を一体化し箱状に組んだものである。尚、真空体142aをダクトに直接取り付けて消音ダクトとしてもよい。
【0053】
図8(d)は室間を自然給排気する場合の消音ボックス142bで、壁152aに貫通孔を設け消音ボックス142bを取り付けている。消音ボックス142bは気流に平行に間隔をあけて真空体142b数枚を一体化し箱状に組んだものである。
【0054】
図9(a)は木質材料で構成した建物の壁、天井、建具に用いる防音パネル155の外観図、図9(b)は一部内部を表示した斜視図である。
四周に真空体159を嵌合する部分を溝160加工した木材を使用した枠材156に、表面材157の材料を貫通する孔158のある板材を用い、真空体159を挿入した状態を示している。
表面材157は枠材156と接着等で一体化する。真空体159は枠材156の組み立て時に、溝に接着剤を塗布して一体化する。
【0055】
図10はいずれも建具内に真空体を隙間なく枠材内に挿入した防音建具である。図10(a)は防音ドア161の1部内部を示す外観斜視図である。防音ドア161は外周及びレバー錠162取り付けのための中央部に取付け材166があり、枠材164,165と取り付け材166で囲まれた部分に真空体167を隙間がないように止め付け、枠材164,165の両面に表面材163が張ってある。また、枠材の片方のたて枠165には、防音ドアの開閉のための丁番168が上下に取り付けてある。
【0056】
図10(b)は大型の重量のある場合の防音ドアで、上枠164aと下枠169の端部に回転軸となるヒンジ170,170aが埋め込んである。
図10(c)は防音引戸161aである。引戸161aの下枠172の左右に戸車173が半埋め込み状態に取り付けられている。
【0057】
図10(d)はハンガー方式の防音引戸161bである。引戸161bの上枠の左右に取り付けられた腕板175の上部に戸車174が付いており、ハンガーレール176上を走行する。
【0058】
尚、防音引戸161a,161bは、共にたて枠を欠き込み引手171,171aを取り付ける。また、枠材及び表面材など使用部材に耐水性や耐熱性の材料を用いることにより、防音雨戸として使用する。
【0059】
図示はしていないが、防音パネルの上枠又は下枠に固定金具を取り付け、下枠はフロアへ、上枠は天井や下り壁へ取り付けることにより固定式防音パネル壁として使用する。また、高さの低い防音パネルの下枠に転倒防止用金物を取り付けることにより、可動式防音間仕切りパネルとして使用する。
【0060】
図11(a)は換気口付き建具の姿図で、図11(b)、図11(c)はその断面図である。建具の表裏同位置に換気口を設けると遮音性がなくなるため、換気口付き防音建具178内に請求項1又は請求項3の真空体2体179,179aを隙間を設けて並べ、真空体179は下部に、真空体179aは上部に開口部180,180aを設けるとともに、表面材181,181aにも真空体179,179aとほぼ同じ位置に開口部182,182aを設け、2体の真空体179,179aの間を空気が移動するようにした防音建具である。表面材の開口部182,182aには換気用化粧枠が取り付けられている。
【0061】
換気口は、図11(b)のように真空体の1部に開けるか、図11(c)のように真空体183,183aの長さを少し短くして、上下枠材184,184aとの間にすき間185,185aを設けてもよい。表裏面材の換気口には化粧目隠し材を設ける。建具の構造は、途中に枠材を設けられないので、取手が回転する場合は、縦枠の幅を大きい寸法の材料とする。
表面材181,181a,186,186aの裏側には、表面材の撓み防止、および音の吸収周波数に応じた位置に桟188,188a,188bを設ける。
【0062】
図12は請求項7の防音パネル及び請求項8防音建具を壁、天井、ドア,引戸に使用し、防音パネルや防音建具の交差部分に接合部材196,196a,196bを用いて組み立てた建物内に設置する防音室190の実施例である。
【0063】
図12は平面3.6×4.5m、天井高2.3m程度の大きさを想定して描かれている。左側面には建物窓の位置に合わせて配置した窓197と防音パネル198、防音パネル198の前には窓の位置にスライドし、一時的な窓の防音性能の向上を図るハンガー方式の防音引戸199がある。
【0064】
手前壁面には防音パネル191と換気口付き防音ドア194、右壁面は防音パネル191aと防音ドア193、防音ドア193上にはドア上から天井までの小壁部分に防音パネル200を配設する。向こう側壁面は防音パネル201を1面に配設している。床203及び天井192は、防音パネルを敷き並べたものである。
【0065】
各部材は数種類に統一された寸法であり、接合部は断面略口型の接合部材196,196a,196bを用いて接合する。天井パネルの固定は、要所を建物の構造部から吊り具204で固定する。防音パネルの表面材は、床用には木質板、壁、天井用には木質板または石膏ボードを主に用いる。
【0066】
図13は、屋外に設置する仮設建物205に使用した場合の外観斜視図である。真空体206は構造体である基礎207に緊結した土台208と胴差し209間、胴差し209と桁210間に対応した長さ、幅はモジュールに基づいた寸法である。尚、真空体の位置は土台、柱、胴差の外側に取り付けてもよい。
【0067】
図14は道路や軌道の側壁216,216bまたは中央216aに防音壁218、219,220を設けたものである。防音壁218、219,220は、真空体221,222,223,224の長さ間隔に側壁216,216a,216b上にH形鋼225,226,227をボルトや埋め込みにより固定し、H形鋼225,226,227の溝に真空体221,222,223,224を嵌合させたものである。H形鋼225,226,227の溝より真空体221,222,223,224の厚みが薄い場合は、H形鋼225,226,227と真空体221,222,223,224を金物で固定する。防音壁218,219,220は低い位置が音源となる軌道に使用する逆L型防音壁218、防音壁219,220は道路及び軌道用である。
【0068】
図15は建物や船の内壁に関するものである。上下枠231,232は断面コ型をし、たて枠233は断面が矩形の軽量型鋼である。上枠231は上階の床や梁や天井などの下面に、下枠232は既存床に断面コ型が対向するように取り付け、たて枠233は上下枠231,232の溝に配して止め付ける。真空体234はたて枠233間に重ねて配し、たて枠233に押縁235で固定する。その後、内装用面材236を上下たて枠231,232,233に取り付け間仕切り壁とする。
【0069】
図16(a)は建物の支持床239と仕上げ床材241の間に、請求項1又は請求項3の真空体240を敷設した直床工法による防音断熱床238である。支持床239はコンクリートまたはALC板の場合を示している。
【0070】
図16(b)は置床工法による防音断熱床242であるが、置床244は上部面材245と下端にゴムの付いた脚部246が一体となり支持床243上に敷設する。真空体247,247aの位置は置床244と仕上げ床248間、コンクリート・モルタル・ALCなどの支持床247b上のいずれかに敷設する。
【0071】
図16(c)は木造床249の場合を示しており、支持床である合板250と仕上げ床252の間に真空体251を敷設した直床工法である。尚、図は梁253または根太を構造体としているが、枠材の両面に合板を張ったパネルを使用する場合もある。
【0072】
図16(d)は鉄道車両や船の床254に使用する場合で、デッキプレート255の上に鋼鈑からなる支持床256を用い、仕上げ床257間に真空体258を敷設している。
【0073】
真空体は部屋のほぼ全面に隙間なく敷設するが、真空体の敷設面積と部屋の大きさが異なる場合は、部屋の周囲の壁と真空体との間を合板等により厚み調整をして平らな床とする。真空体と支持床または仕上げ床の止め付けは、接着により固定する。
また衝撃による振動の軽減を図る場合は、真空体の上面または裏面にゴムや発泡プラスチックのゴム状弾性体やのクッション材を挟持する。
【0074】
図17(a)はエンジン付き空気圧縮機や電源装置などの産業用機械、洗濯機・食器洗浄機・エアコンの室外機などの家庭電気製品、大型複写機・空調機・ボイラーなど、騒音源となる機械の防音ケースへの使用例である。
【0075】
防音ケース261は各請求項のいずれかの真空体を、機械265を囲む骨組み材264,264a,264bに真空体262を3側面および上面に取付け、前面は扉263とし開閉可能にした防音ケース261である。必要に応じて、機械の脚部部分を開口した真空体を底面に配することにより防音性能を向上させることができる。
【0076】
図17(b)は機械267が発熱して排熱が必要な場合に関する防音ケース266である。側面または上面の真空体268,269の一部に開口部270を設け、気流が真空体と接する長さが長くなるように、開口部の内側に請求項1又は請求項3の真空体273が配してある。
【0077】
送風機271が送る空気は熱交換器272を通り、上面の真空体269に当り真空体268とケース内に設けた真空体273間を通り、開口部270から外部へ排出される。尚、機械を吊り固定する場合は、底部にも真空体を配する。
【0078】
図18は自動車の車体274の断面図である。防音の対象部位は床275、エンジンルーム276及びトランクルーム277と車内の隔壁278,278a、タイヤハウス279、屋根281がある。
【0079】
車体274の中で真空体とする部位は、鋼鈑を二重にして請求項1又は請求項3の真空体と略同じ構成とし、周囲を密封して真空引きをする。エンジンルーム276と車内の隔壁278には、種々の配線が貫通する孔があるが、この部分は気密材にも貫通孔を設け、外気を遮断する枠材を真空体の気密材間に挟持する。又、ボンネット280も同様の方法で真空体とする。
【0080】
図19(a)は各請求項のいずれかの真空体を飛行機の機体の曲面に対応させた内装パネル282、又は該真空体に窓を取り付けるための開口部を設け、外気を遮断する枠材を気密材間に気密接合した窓付き内装パネル283の正面図である。
【0081】
図19(b)は開口部285を設けた内装パネル283の断面図である。室内側には平滑な表面の気密材284,284aを使用している。開孔部285は窓の位置が外壁と同面にあるため、内壁面との厚みの差の分斜め壁287が一体に成形されている。
【0082】
構造用支柱へは、真空体の気密材の周囲を延設した取付け部分286,286aのある真空体を使用するか、金物を真空体282,283の裏面に接合したものを、ビスや金物で取り付ける。建物、鉄道車両、船にあっては一般的に平面の真空体を用いる。
【0083】
図20(a)の真空体288の構成は、請求項1の真空体と略同じで、全体を湾曲させたもので、外側の気密材289と内側の気密材289aの間に、周囲にはゴム状弾性体の断面矩形の枠材290と、内部には舌状片292,294を基板に成形した間隔保持材291を配している。舌状片292は先端が曲折し、気密材289に頂部が接し、基板との接合部は補強リブ293が設けてある。尚、耐熱性が必要な場合は、金属製の断面コ型の枠材を用いる。
【0084】
図20(b)の真空体295は半円筒形をしており、ジーゼルエンジンを利用した地盤締め固め用のバイブレーターや杭打ち機械など、大きな騒音を発生する機械の周囲に取り付け、消音に利用するためのカバーとして用いる。
また相対させて筒状にすることにより、パイプやパイプカバーとして用いる。
【0085】
気密材296,297は外側及び内側とも硬質な材料を使用している。内側の気密材297に接する間隔保持材298は、断面山形の硬質材で引張材299が内側の気密材297に接しない高さとなる大きさと間隔に配置する。
外側の気密材296に接する間隔保持材300は線材で、間隔保持材間の中間の引張材299上に配置している。
【0086】
引張材299は内側の間隔保持材298の外側に所定間隔に配し、間隔保持材298との接触部で折れ曲がり気密材に沿った形となったものである。
気密材296,297の端部は内側と外側の気密材の径差に合せた大きさの密封材301を用いている。
密封材290,301は断面が矩形のゴム状弾性体を使用した例を示している。
【0087】
尚、間隔保持材の形状は、図に示す形状の他、引張材を内外の気密材の中間に保持できるものであればその形状は任意である。
又、真空体の湾曲させる方向については、たてに並べて使用する場合は長辺を湾曲させ、また球面にする場合は短辺長辺ともに湾曲させる。
【0088】
【発明の効果】
従来の遮音材は、質量則に基づき減衰して裏面に達した音はそのまま放散する。質量則は材料の重さの対数比で遮音性能は向上するため、例えば、周波数500Hzでは板の厚みを2倍にしても約1.3倍の性能向上しかなく、逆に2倍の遮音性能にするためには10倍の重さが必要となる。
【0089】
反面、吸音については遮音性の高い材料は表面反射音すなわち反響音が大きいため、グラスウールなどの吸音材も厚みの厚いものを用いるなど、快適な音環境を得るには、遮音性能に応じた吸音性能が必要となる。
【0090】
一方、真空を利用した防音材は、音の伝達経路に空気のない層を設けるため、次のような、従来の防音材では得られない性能がある。遮音と吸音が同時に出来る、薄くて軽量であっても高い遮音と吸音効果が同時に得られる、低い周波数にも高い遮音性能が得られる、重ね合せた枚数の性能が加算される、などである。
【0091】
真空体の音エネルギーの変化について、音は受音側の気密材を振動させた後、真空層表裏への振動エネルギーの放散と、真空層の保持材への伝達に分かれる。真空部分は、伝達物質である空気がなく音エネルギーは伝達されないため、真空層を保持する間隔保持材を伝達する振動の伝達量が遮音性能を左右する。
【0092】
従って、高い遮音性能を得るための真空防音材は、気密材と間隔保持材の接触箇所を少なくすることや接触面積を小さくして、気密材からの音の伝達量を小さくするとともに、伝達した音については間隔保持材の表裏の気密材間の振動伝達減衰を大きくする等により性能を高める。
一方、吸音は入射音から反射音を差し引いた分であるため、真空体では気密材の振動によるエネルギー減衰、及び間隔保持材への振動伝達分が吸音性能となる。
【0093】
従って、遮音性能を向上させるため本発明では、気密材と間隔保持材の接触箇所を少なくすること、及び接触面積を小さくして、気密材からの音の伝達量を小さくするとともに、請求項1は伝達した音については間隔保持材の舌状片を長くすることにより、請求項3は間隔保持材間に引張材を用いて同材が振動しやすくすることにより、請求項6は間隔保持材に振動減衰材を用いることにより、表裏の気密材間の振動伝達減衰を大きくして、高性能な防音材とするものである。
【0094】
「請求項1」について、受音側の気密材に接する舌状片の先端から放散側舌状片の先端まで音が振動となって伝達するとき、舌状片が長いため舌状片が振動しやすくなり長さに相応した減衰が得られる。また制振合金や制振鋼鈑を使用すると材料による減衰も大きい。
【0095】
また受音側舌状片と放散側舌状片の間には基板があり、受音側舌状片から基板に振動が伝達したとき、基板で拡散して単位面積当りの振動エネルギーが小さくなる。小さくなった振動は、放散側舌状片が基板の一部と接しているため、さらに小さくなって気密材へ伝達して気密材を振動させ、気密材自体が吸収した残りの振動が音として放散する。これらにより振動は大幅に減衰するため性能の良い防音材となる。
補強リブは、気密材にかかる大気圧荷重により枠材が内側へ押圧され、間隔保持材が変形しようとするのを防止する。
【0096】
「請求項2」について、基板の周囲を連続して曲折させて、気密材を一体に成形することにより、枠材を別部材として用意し、組み立て、接合する必要がなくる。そのため、製造工程上大幅な合理化が可能となり生産性の向上とコスト削減ができる。
【0097】
図2の舌状片はいずれもプレスで型抜きと曲折片が連続して成形できる形状であり、また型を変えるだけで任意の形状の舌状片が成形できる。
真空体の厚みについては、基板から舌状片の先端までを3mm程度にすることが可能であるため、全体でも1cm以下と非常に薄くすることができる。
【0098】
図2(d)の舌状片の先端部に狭小部があることについて、先端から基板へ振動が伝達するとき、断面積の急激な変化があると振動が減衰することは、既に下記の数式1によって求められることが数学的に分かっている。
【0099】
「数式1」 L=10LOG(α−0.5+α0.5)2−6
L:減衰量(縦波)
α:断面積の変化率
この数式から、例えば、狭小部でその幅が1/2に仮定すると、約4.9デシベルの減衰が得られる。尚、曲げ波については、縦波より更に大きな減衰が得られる。
【0100】
また、このことは後述のワイヤの交差部の減衰についても同様のことであり、例えば、ワイヤの直径を5mmとし、点状接触面積を0.01mm2とすると、1963分の1の面積比率となり、接触点一箇所当りでは約43デシベルの減衰が得られる。
【0101】
「請求項3」及び「請求項4」について、図3の実施例は引張材にシート材を使用し、表裏に気密材の凸形状が交互に接するように配置してある。受音側凸形状からの振動は、引張材が振動することにより減衰し、放散側凸形状へ伝達した後、凸形状と一体になった気密材が振動してエネルギーを吸収し、残りを音として放散するため、高性能な防音材となる。
【0102】
引張材は引張力が小さい方が振動減衰は大きく、また接触面積が小さい方が振動伝達による減衰が大きい。またカーボンやグラスファイバーのように柔らかい材料の方が大きな振動減衰を得られる。
【0103】
図3及び図4は、種々の引張材の実施例を示しているが、共通した事象として表面の気密材から裏面の気密材までの振動伝達経路が長いほど、振動減衰が大きく遮音性能が高くなる。
【0104】
引張材については、線状や帯状の引張材が端部に大きな力が作用するのに対し、シート材はシートの全幅長で気密材と接合しているため、単位幅当たりの引張力が弱く、その分振動しやすくなり減衰が大きい。またその接合強度が小さくてよいため、接合方法の選択幅が広がる。
【0105】
図3(c)は引張材に帯状材を使用している。シート状引張材との使い分けは、金属やカーボンファイバーのように強度がある場合には帯状材やワイヤ材を用い、プラスチックのように熱による強度の変化が大きく、大きな荷重をかけられない場合にシート材を用いる。また生産性から強度がある材料であってもシート状にして用いることもある。音の減衰については図3(b)と同様である。
【0106】
図4の立体成形材の形状はいずれも気密材の表面を平らにする場合に用いる方法である。図4(a)は引張材を気密材間に位置させるため、断面台形が並ぶように成形している。底辺71は気密材67a接合により一体化しているため、立体成形材の立ち上がり部72は引張材73に大気圧などによる引張力が作用したとき、気密材が内側に曲がるのを防止する。山形の形状をした立体成形材75は気密材67と引張材に線状に接して、気密材と引張材が接触するのを防止している。
【0107】
また線状接触であるので、点状接触に比べて気密材に作用する単位当りの荷重が小さくなるため、気密材の強度をその分必要とせず、薄くして軽量な気密材を使用できるので振動減衰を大きくすることができる。
【0108】
図4(b)は間隔保持材にワイヤメッシュを用い、交差部でワイヤ間が点状接触となっているため、音が振動となって伝達するとき、点状接触部分で前記数式にあるように大きな減衰を得ることができる。引張材にシート材を用いることについては、図3(b)と同様に、気密材との接触が線状となるので、薄くして軽量な気密材の使用が可能で高性能な防音材となる。
【0109】
図4(c)は気密材にプラスチックを使用した場合であり、音の伝達については図3(c)と同様である。枠材については、枠材間に別部材のゴム状弾性体を挟持しているため、ゴム状弾性体が吸収する特定周波数の音が小さくなる。
【0110】
図6の109(a)の気密材については、気密材と振動減衰材の接触間隔を広くできる分接触カ所が少なく、また気密材の底辺と振動減衰材は点接触であるため、高い遮音性能が得られる。
【0111】
防音性能の向上のためには、表裏の気密材の底部の位置をずらした方がよいが、同じ位置にすると振動減衰材に曲げ応力が作用しないため、強度による材料の制約を受けにくく、また小さい材料で良いため薄い厚い真空体が作れる。
【0112】
なお底辺99,99aの凸形状を外周部の密封材と略同じ幅の平面部を設けることにより、振動減衰材とは線状接触となり遮音性は少し低下するが、底辺の間隔単位に気密材の長さや幅を切断することができるようになり多品種への対応が容易となる。
【0113】
図5(b)については、気密材がV型の連続形状であるため、一辺の長さを調整することにより、真空体の厚みを要求寸法に合わせることが容易にできる。また短辺方向は容易に曲がり、長辺方向は曲がりにくいことが特徴である。
【0114】
図6(a)は振動減衰材を2段に配して点状接触としているのと同時に、接触点をずらし音の伝達経路を長くしているため、振動減衰材自体においても相応の減衰が図れる。また振動吸収体用いているため、点状接触の他に振動減衰材自体においても振動吸収を図っている。
【0115】
図6(b)は断面円形の振動減衰材であるが、振動減衰材との点状接触による減衰が図れる。
図6(c)は被覆材に柔軟性があるため、100〜500ヘルツ程度の振動域に対し減衰効果のある間隔保持材である。
【0116】
図6(d)の先端凸形状となったプラスチックとゴム状弾性体を重ねた振動減衰材は、上端は気密材の凸形状とは点接触、下端は線状接触となりいずれも伝達時の振動減衰が大きい。また硬さの異なる材料を用いているため、それぞれの材料を合成した振動吸収特性の減衰が得られる。
【0117】
図6(e)(f)の制振鋼板を使用した振動減衰材は、気密材との接触形状と合わせて、内側と外側の鋼板は同一の他部材に接触しないため、フィルム部で振動吸収があるため振動伝達減衰が得られる。
【0118】
「請求項6」のエキスパンドメタルを用いた真空体について、気密材とストランドの接触がメッシュの大きさの間隔で接触カ所が点在すること、及び凸部がほぼ点状に気密材と接するため、前記数式のような減衰があり高い防音効果が得られる。また真空体の重量が、金属の板材を引張しているため、請求項一と比較して引張した分だけ軽くすることができる。
【0119】
図8の通風用防音ボックスについて、従来はケースの内側にグラスウールなどの繊維系の吸音材料使用する方法が用いられている。そのため高性能するためには金属ケースの内側に数センチ以上の厚みが必要であったため、空調用ダクトをなどは通風のための必要断面の外側に吸音材の厚みを加えた寸法になっていた。これに対し真空対応用いると1cm程度の厚みでよいため省スペース化が図れる。
【0120】
図9の防音パネルについて、各請求項のいずれかの防音断熱材に意匠性を付加することと、特定周波数帯の音をより吸収するためのものである。真空体は強度や耐熱性など機能上の制約があるため、建具などの意匠が必要な場所にはそのまま用いることができない場合がある。そのため真空体の外周を枠材で囲み、枠材の両面に化粧材として木製、プラスチック、金属などの面材を張り意匠性を付与したものである。
【0121】
図10の防音建具について、常時使用する可動建具であるため、一般の建物では使用条件が優先されている。オーディオ用ルームなど防音性能が必要な部屋のドアは、使用上の不便さを感じながらも、20cm程度の空間を設け、2枚のドアを使用している。また音楽ホールのドアなどは、非常に重く大掛かりなものとなっている。これに対し真空体を利用した防音建具にすると、軽量で厚みの薄い防音建具が可能となる。
【0122】
建具の表面に用いる面材には無孔板と有孔板があるが、無孔板については板の大きさ及び硬さにより吸収する周波数は異なり、一定以上の大きさになると、板が振動して低音域の音をよく吸収する。また、10%前後の開孔のある有孔板については中音域の音をよく吸収することはよく知られている。
【0123】
従って、これらを組合わせて用いることにより、特定周波数の性能を高めた防音建具や防音パネルが可能となる。
防音建具については、軽量にすることができるため、支持する枠材が小さくてよく、また取り付けが容易である。また床から天井までの可動式防音パネルにあっては軽く動かすことができる。
【0124】
図11の換気口付き防音建具について、従来の方法では壁に開口部を設け、その開口部を防音カバーで覆って換気をしていた。そのため大掛かりな装置となっていたが、防音ドアから換気をすることにより、この装置が不要となる。また、この真空体の隙間で空気を移動させるため、真空体に接する面積が大きく遮音及び吸音性能の高い建具となる。
【0125】
図12の防音室について、防音パネルや防音建具、及び窓などを床、壁、天井のコーナーに配した接合用部品により一体化し、建物や船の構造体の中に組み立てる防音室である。防音パネルや防音建具はモジュールに基づいた寸法であるため組み立てが容易で、短時間で防音性能と品質が高く、性能のばらつきの少ない防音室を容易に作ることができる。
【0126】
図13の防音建物について、従来の仮設建物の外壁は、防音性能が非常に低い。これは外壁に遮音性能を求めると、質量則による材料であるため相応の重さと吸音のための厚みが必要となり、コスト及び組み立てと解体の繰り返しが難しいためである。これに対し、真空体を用いると遮音と吸音が薄い厚みできるため、容易に繰り返し利用が可能である。
【0127】
図14の防音壁について、従来の防音壁の遮音性能は、鋼板の厚みによる性能で決まる。従って現状以上の性能を得るためには、重さと厚みの条件により容易には難しいのが現状である。
これに対し、真空体を用いると単体で遮音性能の高い防音壁となるため、環境基準を満たしていない現状の防音壁に取り付けたり、新しく設置することにより、高い防音性能の防音壁となる。
【0128】
尚、請求項では真空体のみをH形鋼に取り付けているが、受音側を開放したH型鋼の溝に合わせた厚みのケースの開放面に、真空体を配した防音パネルにすると、ケースによる遮音性が付加されるため更に高性能な防音壁となる。
【0129】
図15の間仕切り壁について、従来の方法で高い防音性能を得るには、上下枠及びたて枠の両面に鉛シートや石膏ボードなどの質量のある材料とグラスウールを交互に数層重ねて張っているため、壁圧が厚くなり、放送スタジオなど高性能な防音が必要な壁では、70cmもの厚みとなる。また、それに伴って建物の重量の増加や組み立て手間の増加により、コストアップや工期が長くなっていた。
【0130】
これに対し、真空体を使用すると軽量で薄く、また遮音と吸音が同時にできるため、壁厚は1/3以下となり、材料の数が少なくなるため作業量が減り、工期短縮のほか、室内の有効面積が広がる。
【0131】
図16の防音床構造について、マンションなどコンクリート造の建物は、上階の床に合板フロアーを使用した場合は、合板の裏側に発砲プラスチック材などを一体化し、衝撃を和らげて音を小さくしている。そのため床がふわふわして歩行感が悪いのが現状である。
木造住宅の床は、建物の構造上床の重量を重くできないので、上下階の音はかなりうるさく感じるレベルでも対策の方法がないのが現状である。
【0132】
これに対し、コンクリート造では真空防音材を直床や置き床の支持床と仕上げ床の間に用いると、適度の柔軟性を持った床となり、また遮音と吸音を同時に行うので防音性能の高い床となる。
木造住宅の床は、真空防音材は軽量で厚みも1cm程度と薄いため支持床と仕上げ床の間に用いることができ、高い防音性能の床となる。
【0133】
図17の防音ケースについて、従来の音の質量法則による遮音材と、グラスウールなどの吸音材を組み合わせた防音の方法で高い防音性能を得るには、遮音のために重い材料を使い、また吸音のために5cm前後の厚みのグラスウールが必要であるため縦横各10cm程度大きな寸法となる。
【0134】
これに対し、真空体を利用すると、軽量で厚みも1cm程度と薄いため寸法の小さいものでよく、また耐水性や耐熱性を付与することができるため産業用機械、家電製品などへの使用が可能となる。
【0135】
図18の防音車体について、従来の音の質量法則による方法では車体が重くまた大きくなり過ぎ、車の寸法や排気量が大きくなり種々の点で採用することが難しい。これに対し、真空体を利用すると軽量で厚みも1cm程度と薄いため車体の鋼鈑を二重構造にしても、エンジン排気量や車体寸法も使用できる範囲であるため防音車両が可能となる。
【0136】
図19の内装パネルについて。高速列車や飛行機などでは外壁と内壁間で振動による発生音が反響し、騒音として客席に放散している。しかし、客席空間を広くしたり、重量の制限から現状以上の吸音性能を付与する対策を取ることが難しい。これに対し、真空体は1cm程度であるため吸音材料として内装パネルに用いることが可能となり、空間の確保に対応しながら静かな客席とすることが出来る。
【0137】
図20は請求項1又は請求項4の真空体を湾曲させたものである。図20(a)の真空体288は短辺が湾曲しており、連続させて断面が円形のトンネルや地下鉄の駅構内、船のエンジンや飛行機のタービンエンジンの防音カバーに使用する真空体である。
【0138】
湾曲した真空体について、ジーゼルエンジンの地盤締め固め用の機械や杭打ち機械などの排気口部から出る音への消音対策は、従来の防音方法では遮音材が音を反射するため、有効な対策が出来なかった。
【0139】
これに対し、真空防音材は音の反射が少なく真空部分が吸収し、また軽量で厚みが薄いので、これらの機械のカバーとして空気が排出できる隙間を空けて取り付けても遮音効果がある。その結果、作業音が小さくなるため作業者の難聴防止などの労働環境の改善や作業場所周辺の音環境の改善ができる。尚、カバーは円筒にせず、排気部分のカバーのみとしてもよい。
【0140】
トンネルや地下鉄で使用する防音材は、吸音が対象となる。しかし、グラスウールなどの吸音材は、大きな厚みのスペースが必要である。これに対し、真空体は厚みが薄く、耐水性や耐火性があるので使用が可能となり、静かなトンネルにすることが出来る。
【0141】
以上、真空を利用した音についての効果を記したが、他にも以下のような効果を併せ持つ。使用条件において、従来の防音パネルは吸音材にグラスウールを一般的に用いているが、繊維であるため水が掛かるところは撥水処理による程度の抵抗力しかない。従って、地下鉄駅など流水のある所では、水を含むと吸音効果が無くなるため、使用できない。
【0142】
これに対して、本発明の防音パネルは真空体に気密材を使用しているため、地下鉄のみならず、極端には水中でも使用が可能である。その他の性能では、軽量化、耐火性、耐水性、耐凍結融解性などがあり、今までにない場所での利用が可能で、用途も拡大する。
【0143】
また、熱に対しても効果がある。一般の断熱材である発砲プラスチックやグラスウールは、空気の対流をコントロールした断熱材であるため、厚さに比例して断熱性能が定まる。これに対して、真空を利用すると放射と気密材の支持材の熱移動となる。従って、厚さに関係しない断熱が可能となる。
【0144】
本発明は、主に防音を目的としているので、断熱については防音用に製作した結果として得られる断性熱能になっているが、気密材が金属の場合は表面を鏡面仕上げにしたり、プラスチックの場合はアルミ箔を張ることで、より高い断熱性能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】舌状片のある間隔保持材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図2】舌状片の例示形状を示す斜視図。
【図3】引張材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図4】間隔保持材の例示形状を示す斜視図。
【図5】振動減衰材を使用した真空体の外観および一部内部を示す斜視図。
【図6】振動減衰材を使用した真空体および振動減衰材の断面図。
【図7】エキスパンドメタルを用いた真空体の一部内部を示す外観斜視図。
【図8】通風用消音ボックスの外観及び一部内部を示す斜視図。
【図9】防音パネルの一部内部を示す外観斜視図。
【図10】防音ドアの一部内部を示す外観斜視図。
【図11】換気口付き防音建具の外観斜視図及び断面図。
【図12】防音室の外観斜視図。
【図13】防音建物の外観斜視図。
【図14】防音壁の外観斜視図。
【図15】間仕切壁の一部内部を示す外観斜視図。
【図16】防音床構造の断面斜視図
【図17】防音ケースの外観斜視図及び断面図。
【図18】自動車の車体の断面図。
【図19】航空機用防音内装パネルの正面図及び断面図。
【図20】湾曲した真空体の一部内部を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1:真空体 2:気密材 3:枠材
4:間隔保持材 5:基板 6:舌状片
7:舌状片 8:接合部 9:リブ
10:気密材 11:枠材 12:接合部
13:間隔保持材 14:舌状片 16:気密材
17:基板 18:接合面 19:接合面
20:舌状片
21:延設部 22:切断辺 23:コーナー部
24:傾斜部 25:先端部 27:舌状片
28:基板 29:曲折位置 30:切断線
31:舌状片 32:平面部 33:気密材
34:舌状片 35:基板 36:切り抜き
37:水平部 38:先端部 39:延設部
40:リブ 42:舌状片 44:先端部
45:欠取り部 46:狭小部 47:曲折位置
48:真空体 49:気密材 50:枠材
51:凸形状 52:シート材 53:端部
55:リブ 56:引張材 57:端部
58:リブ 60:圧着挟持部材 61:延設部
66:真空体 67:気密材 68:枠材
69:立体成形物 70:引張材支持部 71:底辺
72:立ち上がり部 73:引張材 75:立体成形物
77:真空体 78:気密材 79:枠材
80:間隔保持材 81:間隔保持材 82:引張材
83:ワイヤ 84:ワイヤ 85:ワイヤ
86:ワイヤ 87:端部 88:孔
90:真空体 91:気密材 92:枠部
93:挟持物 94:凸形状 95:引張材
96:端部
97:真空体 98:気密材 99:底辺
100:振動減衰材 101:凸形状 102:枠材
103:真空体 104:気密材 105:縁端
106:密封材 107:密封材 108:振動減衰材
109:気密材 110:凸形状 111:枠材
112:振動減衰材 113:先端 114:ゴム状弾性体
115:縁端 116:ワイヤ 117:被覆材
118:硬質材 119:ゴム状弾性体 120:内側の鋼鈑
121:外側の鋼鈑 122:フィルム
123:真空体 124:気密材 125:枠材
126:エキスパンドメタル 127:メッシュ
128:凹凸のあるストランド 129:斜めのストランド
130:上側の凸部 131:下側の凸部
138:消音ボックス 139:開口部 140:ダクト
141:真空体 142:真空体 143:気流
144:消音ボックス 145:真空体 146:取付け面
147:開口部 148:ダクト 149:消音ボックス
150:ダクト 151:換気扇 152:外壁
153:気流
155:枠材 156:枠材 157:表面材
158:孔 159:真空体 160:溝
161:防音ドア 162:レバー錠 163:表面材
164:枠材 165:たて枠 166:取り付け材
167:真空体 168:丁番 169:下枠
170:ヒンジ 171:引き手 172:下枠
173:戸車 174:戸車 176:ハンガーレール
178:換気口付き防音建具 179:真空体
180:開口部 181:表面材 182:開口部
183:真空体 184:上枠材 185:すき間
186:表面材 187:開口部 188:桟
190:防音室 191:防音パネル 192:防音パネル
193:防音ドア 194:換気口付き防音ドア 196:延設部材
198:防音パネル 199:防音引戸 204:吊り具
205:建物 206:真空体 207:基礎
208:土台 209:胴差し 210:桁
211:柱
216:側壁 218:防音壁 219:防音壁
220:防音壁 221:真空体 222:真空体
223:真空体 222:真空体 225:H形鋼
225:H形鋼 226:H形鋼 227:H形鋼
230:間仕切壁 231:上枠 232:下枠
233:たて枠 234:真空体 235:押縁
236:内装用面材
238:防音床 239:支持床 240:真空体
241:仕上げ床材 244:置床 245:上部面材
246:脚部 247:真空体 248:仕上げ床
249:木造床 250:合板 251:真空体
252:仕上げ床 253:梁 254:防音床
256:支持床 257:仕上げ床 258:真空体
261:防音ケース 262:真空体 263:扉
264:骨組み材 265:機械 266:防音ケース
267:機械 268:真空体 269:真空体
270:開口部 271:送風機 272:熱交換器
273:真空体
274:車体 275:床 276:エンジンルーム
277:トランク 278:車内の隔壁 279:タイヤハウス
280:ボンネット 281:屋根 282:内装パネル
283:開口付き内装パネル 284:気密材
285:開口部 286:延設部分 287:斜め壁
288:真空体 289:気密材 290:密封材
291:間隔保持材 292:舌状片 293:リブ
294:舌状片 295:真空体 296:気密材
297:気密材 298:間隔保持材 299:引張材
300:間隔保持材 301:密封材
Claims (5)
- 相対する気密材の周囲を密封した中空パネルの内部を真空にして用いる真空防音断熱材において、線状、帯状、シート状のいずれかの引張材を気密材に留付け、中空部の減圧により「気密材に成形した形状、又は気密材との間に挟持した別部材」が該引張材を引張状態にして気密材間の間隔を保持する方法。
- 線状材、帯状材、シート状材のいずれかを引張材とし、引張材の表面と裏面で交互に接する凸形状のある硬質な気密材を該引張材の両側に配し、該引張材と該硬質な気密材の接触部を接合し、該硬質な気密材の周囲を気密接合して内部を真空にした真空防音断熱材。
- 線状材、帯状材、シート状材のいずれかを引張材とし、引張材の表面と裏面で交互に接するワイヤ材又は平板の立体成形物を該引張材と硬質な気密材間に挟持して、該引張材と該硬質な気密材の接触部を接合し、該硬質な気密材の周囲を密封し内部を真空にした真空防音断熱材。
- 相対する気密材の周囲を密封した真空パネルおいて、面材に「複数の湾曲面、又は折板」形状の硬質な気密材を用いた真空防音断熱材。
- 相対する気密材の周囲を密封した中空パネルの内部を真空にして用いる真空防音断熱材において、制振鋼板、制振合金のいずれかを気密材間に間隔保持材として用いた真空防音断熱材。
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