JP2004029160A - 電子写真用トナー - Google Patents

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小川 哲
Masahiko Kubo
久保 雅彦
Masayuki Sawai
澤井 正幸
Yasushi Kida
木田 耕史
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Abstract

【課題】低エネルギー化、高速化および高性能化の要求をさらに満足させる黒色トナーを提供すること、オイルレス定着装置を備えた画像形成装置への実用化を図ることができるカラートナーを提供すること、および、前述の黒色トナーとカラートナーとを用いて成る好適なカラートナーを提供すること。
【解決手段】黒色トナーには、結着樹脂として、酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が4〜30mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。また、カラートナーには、酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用トナーに関し、より詳細には、静電式複写機やレーザビームプリンタなど、いわゆる電子写真方式の画像形成装置で用いられる白黒プリント用黒色トナーおよびフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の白黒画像形成装置が広く普及している。電子写真方式の白黒画像形成装置における画像形成は、帯電、露光、現像、転写および定着の各工程に従って行われる。まず、帯電工程では、絶縁性の感光体の表面を一様に帯電させる。露光工程では、画像情報に応じた光を照射することで感光体の表面に静電潜像を形成する。現像工程では、この静電潜像に黒色トナーを選択的に付着させ、トナー像を感光体の表面に形成する。そして、転写工程では、トナー像を電気的な力によって転写紙上に転写する。最後の定着工程では、転写紙上に転写されたトナー像を熱によって熔融させることでトナー像を転写紙上に定着させる。
【0003】
この白黒画像形成装置には、その普及に伴い、低エネルギー化(消費電力の削減)、処理の高速化および高性能化が求められている。これらの要求に対して、トナー像を転写紙上に定着させる定着装置について、低エネルギー化を図ること、処理の高速化、簡素化および安定化を図ることなどが提案されている。定着装置としては、一般にヒートロール方式の定着装置が用いられている。ヒートロール方式の定着装置は、ヒータを内包する定着ローラと圧力ローラとから構成され、定着ローラと圧力ローラとの間に転写紙を通し、転写紙に熱および圧力を加えることによってトナー像を熔融して定着させる。
【0004】
このような定着装置において、低エネルギー化を図るとともに、処理の高速化、簡素化および安定化を図るために、低温でも良好に定着することができる低温定着性と、幅広い定着温度領域とを有する黒色トナーの開発が進められている。このうち、低温定着性に関しては、低分子量の結着樹脂を用いることが試みられており、また、幅広い定着温度領域の確保に関しては、低温で溶け出し、さらに定着ローラの表面を覆うことで定着ローラへのトナーの付着を防止できるワックスを用いることが試みられている。
【0005】
しかしながら、低分子量の結着樹脂を含有した黒色トナーによって画像を形成した場合、熱熔融時に定着ローラにトナーが付着する高温オフセット現象が発生し易くなる。これは、このようなトナーにおいてはトナー粒子の凝集力が低下し、トナー層間での分離が発生するためである。このため、高温オフセット現象の発生しにくい良好な黒色トナーの開発も求められている。
【0006】
また、最近では、電子写真方式におけるカラー化の技術が急速に発展し、フルカラー画像形成装置が開発されている。フルカラー画像形成装置の市場は、白黒画像形成装置の普及とともに拡大している。一般に、フルカラー画像形成装置における色の再現には、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色、あるいは、この3色に黒色(K)を加えた4色のカラートナーが用いられる。色の再現の手順としては、C、M、YおよびKの各色に対して、画像形成工程のうち、帯電、露光、現像および転写までの工程を繰り返し、転写紙上に複数色のカラートナーから成るトナー像を重ねて形成する。そして最後の定着工程において、重ねられたトナー像を熔融して転写紙上に定着する。この手順にて、重ねられたトナー像は熔融されることで混合されるので、減法混色の原理に従って色が再現される。
【0007】
このように、フルカラー画像形成装置では、色ごとに帯電から転写までの工程を繰り返し、転写紙上に複数色のカラートナーから成るトナー像を重ねることから、転写紙に対するカラートナーの熔融特性は極めて重要となる。すなわち、定着したカラートナー粒子が光を乱反射して色再現を妨げることがないように、トナー粒子間の境界をなくするまで熔融させ、透明性をだすことのできる色再現範囲の広いカラートナーでなければならない。また、適度の光沢性やつやが必要である。
【0008】
また、フルカラー画像形成装置では、カラートナーから成るトナー像を定着させる定着装置において、表面離型性の良い材料が用いられた定着ローラが用いられるとともに、定着ローラ表面にはさらに離型性の向上を図るため、多量のオイルが塗布されている。一般に、多量のオイルを定着ローラに塗布するのは、以下の理由による。
【0009】
前述のように、カラートナーの熔融特性は重要であるので、白黒画像形成装置用の黒色トナーに比べ、より熱熔融性が大きな低粘性のものが用いられる。しかしながら、トナーを低粘性の結着樹脂を用いると、トナーの凝集力が低下することによって、トナー層間での分離が発生し、一部が定着ローラに付着するオフセット現象が発生し易いため、画像ムラが生じてしまう。そこで、画像ムラを低減するために、多量のオイルを定着ローラに塗布するのである。
【0010】
しかしながら、多量のオイルを定着ローラに塗布すると、転写紙のオイル汚れやコストアップが生じてしまう。また、定着装置にオイルを収納するためのスペースが必要となることから、カラー画像形成装置の構成の複雑化や大型化などの問題も生じる。
【0011】
このため、前述の問題を解消すべく、いわゆるオイルレストナーが提案されている。オイルレストナーとは、一般には、熔融定着時においてトナー粒子から一定量のワックスが染み出し、トナーと定着ローラとの間に入り込むことによって、高温オフセット現象の発生を低減させるトナーである。このオイルレストナーによって、定着ローラにオイルを塗布しないいわゆるオイルレス定着装置の実用化が図られ、転写紙のオイル汚れ、コストアップおよび構成の複雑化や大型化などの問題が解消されつつある。
【0012】
しかしながら、オイルレス定着装置の実用化が図られているのは、白黒用画像形成装置に関してであって、フルカラー用画像形成装置にオイルレス定着装置を用いるには問題がある。これは、黒色トナーに比べてトナーの凝集力の低いカラートナーをオイルレス定着装置によって定着させようとすると、オフセット現象が発生し、画像ムラが生じてしまうからである。したがって、カラートナーをオイルレス定着装置によって定着させるためには、ワックスの染み出しを調整し、ワックスの染み出し効果を十分に発揮させる必要がある。
【0013】
トナーから染み出るワックスの量は、トナーに含有される結着樹脂とワックスとの相溶性に影響される。すなわち、相溶性が良過ぎると、結着樹脂とワックスとが一体化し、ワックスが染み出しにくくなる。一方、相溶性が悪いと、トナー粒子内におけるワックスの分散が悪くなり、ワックスが大きな塊となってトナー粒子中および表面に不均一に存在してしまう。このため、トナーの特性である帯電特性が劣化したり、感光体やキャリアなどへのフィルミングなどが発生したりする。また、熔融定着時にはこの大きな塊のために、トナー内で低粘度ワックスの層が発生し、トナー層の中で分離が起こり、高温オフセット現象が発生し易くなる。
【0014】
なお、トナーの定着性の向上などに関する技術が、特開平3−50560号公報、特開平8−106173号公報、特開平9−179342号公報および特開2000−338707号公報に開示されている。
【0015】
特開平3−50560号公報には、カルボン酸またはその酸無水物で変性したパラフィンワックスを含有する静電荷像現像トナーが記載されている。
【0016】
特開平8−106173号公報には、ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂とスチレン−アクリル樹脂の混合物から成る5〜50mgKOH/gの酸価を有するバインダー樹脂(結着樹脂)と、融点が異なる2種類のワックスとを含む現像剤(トナー)が記載されている。
【0017】
特開平9−179342号公報には、酸価が1〜5mgKOH/gの天然ガス系フィシャートロプシュワックスと、酸価が1〜5mgKOH/gのポリエステル樹脂とを含有する電子写真用トナーが記載されている。
【0018】
特開2000−338707号公報には、飽和炭化水素の炭素数が20〜60であって、融点が65〜110℃、酸価が5〜25mgKOH/g、ケン価が20〜50mgKOH/g、水酸基価が50〜120mgKOH/gのアルコール系パラフィンワックスを含有する静電荷像現像用トナーが記載されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、黒色トナーに関しては、電子写真方式の白黒画像形成装置において、低エネルギー化、高速化および高性能化の要求をさらに満足させることが可能な黒色トナーの開発が課題となっている。また、カラートナーに関しては、オイルレス定着装置を備えたフルカラー画像形成装置への実用化が可能なカラートナーの開発が課題となっている。
【0020】
すなわち、黒色トナーについては、低温定着性および幅広い定着温度領域などの良好な定着特性を有する黒色トナーの開発が必要となる。また、カラートナーについては、良好な定着特性を有し、良好なワックスの染み出し効果が発揮でき、高い透明性および良好な光沢性を有するカラートナーの開発が必要となる。
【0021】
なお、特開平3−50560号公報に記載の静電荷像現像トナーでは、従来用いられていたポリエチレンなどよりも優れた定着強度および離型性を有するカルボン酸変性パラフィンワックス用いているが、低温定着性や、ワックスの染み出し効果については考慮されていない。
【0022】
また、特開平8−106173号公報に記載のトナーでは、結着樹脂とワックスとの相溶性およびワックスの染み出し効果が考慮され、高速定着を図っているが、幅広い定着温度領域の確保については考慮されていない。
【0023】
また、特開平9−179342号公報に記載の電子写真用トナーでは、フィシャートロプシュワックスに極性基を持たせることで、低温定着性、定着強度および結着樹脂との相溶性の向上を図っているが、幅広い定着温度領域の確保や、ワックスの染み出し効果については考慮されていない。
【0024】
また、特開2000−338707号公報に記載の静電荷像現像用トナーでは、所定のアルコール系ワックスを含有させることで、結着樹脂との適度な相溶性と幅広い定着温度領域が確保されているが、ワックスの染み出し効果については考慮されていない。
【0025】
本発明の目的は、低エネルギー化などの要求に対応すべく低温定着性、幅広い定着温度領域といった良好な定着特性を有する黒色トナーを提供することである。本発明の他の目的は、良好な定着特性を有し、良好なワックスの染み出し効果を発揮でき、高い透明性および良好な光沢性を有するカラートナーを提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が4〜30mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0027】
本発明に従えば、電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が4〜30mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。ポリエステル樹脂は、離型性、帯電性および顔料分散性に優れ、かつ、低分子量での保存性が優れている。これによって、低温定着性を有するトナーが実現され、電子写真方式の画像形成装置における低エネルギー化の要求に対応することができる。
【0028】
一方、カルボン酸変性パラフィンワックスは、ポリエステル樹脂に適度に相溶し、結着樹脂からのワックスの染み出し効果が低温から起こる。これによって、ワックスによるペーパーへの密着性を低温から高めることができる。さらに、定着熔融時において、トナーから染み出したワックスがトナーと定着ローラの間に入り込み、定着ローラの表面を覆うので、高温オフセット現象の発生を防止することができる。これによって、低温から高温までの幅広い定着温度領域を有するトナーが実現される。
【0029】
ここで、ポリエステル樹脂の酸価を7mgKOH/gより小さくすると、ワックスとの相溶性が悪くなり、トナーの帯電性の劣化や、トナー飛散やかぶりが発生する。また、感光体およびキャリアなどへのフィルミングが発生する。かぶりとは、形成された画像のうち、本来白抜けとなる部分に不要なトナー粒子が付着してしまう現象をいう。これに対して、ポリエステル樹脂の酸価を20mgKOH/gより大きくすると、トナー粒子の含水量が大きくなることから、湿度や温度変化などの環境変動によってトナーの特性が大きく変動する。この結果、帯電性などに問題が生じ、安定したトナー像の維持ができなくなる。
【0030】
また、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価を4mgKOH/gより小さくすると、結着樹脂との相溶性が悪くなり、トナーの帯電性の劣化や、トナー飛散やかぶりが発生する。また、感光体およびキャリアなどへのフィルミングが発生する。これに対して、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価を30mgKOH/gより大きくすると、結着樹脂との相溶性が良過ぎることとなり、熔融定着時におけるカルボン酸変性パラフィンワックスの染み出しが悪くなる。
【0031】
以上のことから、結着樹脂とワックスとの相溶性を維持しつつ、結着樹脂およびワックスそれぞれの特性の最適化を図るために、ポリエステル樹脂の酸価の範囲を7〜20mgKOH/gとし、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価の範囲を4〜30mgKOH/gとしたのである。これによって、低温定着性および幅広い定着温度領域を有するとともに、帯電性および保存性に優れた電子写真用トナーを提供することができる。
【0032】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0033】
本発明に従えば、電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。
【0034】
このように、ポリエステル樹脂およびカルボン酸変性パラフィンワックスの酸価をさらに限定することで、より結着樹脂とワックスとの相溶性およびワックスの染み出し量の適性化が図れ、幅広い定着温度領域を有し、かつ帯電特性の良好な電子写真用トナーを提供することができる。
【0035】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が2〜20mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0036】
本発明に従えば、電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が2〜20mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスを用いる。ポリエステル樹脂は、離型性、帯電性および顔料分散性に優れ、かつ、低分子量での保存性が優れている。これによって、低温定着性を有するトナーが実現され、電子写真方式の画像形成装置における低エネルギー化の要求に対応することができる。
【0037】
一方、アルコール変性パラフィンワックスは、ポリエステル樹脂に適度に相溶し、結着樹脂からのワックスの染み出し効果が低温から起こる。これによって、ワックスによるペーパーへの密着性を低温から高めることができる。さらに、定着熔融時において、トナーから染み出したワックスがトナーと定着ローラの間に入り込み、定着ローラの表面を覆うので、高温オフセット現象の発生を防止することができる。これによって、低温から高温までの幅広い定着温度領域を有するトナーが実現される。
【0038】
ここで、ポリエステル樹脂の酸価を5mgKOH/gより小さくすると、ワックスとの相溶性が悪くなり、トナーの帯電性の劣化や、トナー飛散やかぶりが発生する。また、感光体およびキャリアなどへのフィルミングが発生する。これに対して、ポリエステル樹脂の酸価を20mgKOH/gより大きくすると、トナー粒子の含水量が大きくなることから、湿度や温度変化などの環境変動によってトナーの特性が大きく変動する。この結果、帯電性に問題が生じ、安定したトナー像の維持ができなくなる。
【0039】
また、アルコール変性ワックスの酸価を2mgKOH/gより小さくすると、結着樹脂との相溶性が悪くなり、トナーの帯電性の劣化や、トナー飛散やかぶりが発生する。これに対して、アルコール変性ワックスの酸価を20mgKOH/gより大きくすると、結着樹脂との相溶性が良過ぎることとなり、熔融定着時におけるアルコール変性ワックスの染み出しが悪くなる。
【0040】
以上のことから、結着樹脂とワックスとの相溶性を維持しつつ、結着樹脂およびワックスそれぞれの特性の最適化を図るために、ポリエステル樹脂の酸価の範囲を5〜20mgKOH/gとし、アルコール変性ワックスの酸価の範囲を2〜20mgKOH/gとしたのである。これによって、低温定着性、幅広い定着温度領域および良好な定着特性を有するとともに、帯電性および保存性に優れた電子写真用トナーを提供することができる。
【0041】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0042】
本発明に従えば、電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスを用いる。
【0043】
このように、ポリエステル樹脂およびアルコール変性パラフィンワックスの酸価をさらに限定することで、より結着樹脂とワックスとの相溶性およびワックスの染み出し量の適性化が図れ、幅広い定着温度領域を有し、かつ帯電特性の良好な電子写真用トナーを提供することができる。
【0044】
また本発明は、前記ワックスの針入度が5以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、針入度が5以下のワックスを用いる。ここで、ワックスの針入度が5より大きければ、ワックスが過剰な可塑状態となり、トナー流動時にワックスが塑性変形してトナーの流動性を低下させる。トナーの流動性が低下すると、トナー粒子間で摩擦帯電性にばらつきが生じ、均一な帯電性が得られないことから、トナー飛散やかぶりが発生する。また、保存性の低下も生じる。さらに、トナーの生産工程においては、粉砕性の低下という問題も発生する。以上のことから、トナーの帯電性、流動性および保存性の最適化を図るために、ワックスの針入度を5以下とした。
【0045】
また本発明は、前記ワックスの針入度が3以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、針入度が3以下のワックスを用いる。
【0046】
このように、ワックスの針入度をさらに限定することで、さらに最適な帯電性、流動性および保存性を有する電子写真用トナーを提供することができる。
【0047】
また本発明は、前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜115℃であることを特徴とする。
【0048】
本発明に従えば、DSC(Differential Scanning Calorimeter:示差走査熱量計)ピーク温度の範囲が75〜115℃のワックスを用いる。ここで、ワックスのDSCピーク温度が75℃より低ければ、保存性が悪くなる。また、ワックスのDSCピーク温度が115℃より高ければ、ワックスが染み出にくくなり、定着特性が低下する。
【0049】
以上のことから、トナーの定着特性および保存性の最適化を図るために、ワックスのDSCピーク温度の範囲を75〜115℃とした。
【0050】
また本発明は、前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が80〜110℃であることを特徴とする。
【0051】
本発明に従えば、DSCピーク温度の範囲が80〜110℃のワックスを用いる。このように、ワックスのDSCピーク温度の範囲をさらに限定することで、さらに最適な定着特性および保存性を有する電子写真用トナーを提供することができる。
【0052】
また本発明は、前記結着樹脂の熔融温度が105〜135℃であることを特徴とする。
【0053】
本発明に従えば、熔融温度が105〜135℃の結着樹脂を用いる。ここで、結着樹脂の熔融温度が105℃より低ければ、熔融時のトナーの凝集力が低下し、定着ローラにトナーが付着する高温オフセット現象が発生する。また、結着樹脂の熔融温度が135℃より高ければ、トナーを低温で定着させることができず、低エネルギー化の要求に対応することができない。
【0054】
以上のことから、定着温度領域の最適化を図るために、結着樹脂の熔融温度を105〜135℃とした。
【0055】
また本発明は、前記結着樹脂の熔融温度が110〜130℃であることを特徴とする。
【0056】
本発明に従えば、熔融温度が110〜130℃の結着樹脂を用いる。
このように、結着樹脂の熔融温度をさらに限定することで、さらに最適な定着温度領域を有する電子写真用トナーを提供することができる。
【0057】
また本発明は、前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲であることを特徴とする。
【0058】
本発明に従えば、ワックスの添加量を、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲とする。ここで、ワックスの添加量が1重量部より少なければ、トナー粒子におけるワックスの効果を発揮することができない。また、ワックスの添加量が10重量部より多ければ、トナーの流動性が低下する。これによって、トナー粒子間での摩擦帯電性にばらつきが生じ、均一な帯電性が得られないことから、トナー飛散やかぶりが発生する。
【0059】
以上のことから、ワックスがトナー粒子中で示す効果および帯電性の最適化を図るために、ワックスの添加量を1〜10重量部とした。
【0060】
また本発明は、前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲であることを特徴とする。
【0061】
本発明に従えば、ワックスの添加量を、結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲とする。
【0062】
このように、ワックスの添加量をさらに限定することで、さらに最適な帯電性を有する電子写真用トナーを提供することができる。
【0063】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーである。
【0064】
本発明に従えば、フルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価をさらに6〜25mgKOH/gに限定することで、ワックスがトナー粒子中に均一に分散し、ワックスの染み出し量の減少がなく、安定する。これによって、カラートナーの定着も十分に行うことができ、オフセット現象の発生を低減することができる。したがって、カラートナーについてもオイルレス定着装置を備えた画像形成装置に用いることができる。
【0065】
以上のことから、結着樹脂とワックスとの相溶性を維持しつつ、ワックスの染み出し量についても最適化を図るために、ポリエステル樹脂の酸価の範囲を7〜20mgKOH/gとし、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価の範囲を6〜25mgKOH/gとしたのである。このように、ワックスの染み出し効果を考慮することで、カラートナーについてもオイルレス定着装置を備えた画像形成装置に用いることができる。また、結着樹脂およびワックスの有するそれぞれの特性と、結着樹脂との相溶性とを考慮することで、幅広い定着温度領域を有し、かつ、帯電性、流動性および保存性に優れたフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーを提供することができる。
【0066】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が6〜20mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーである。
【0067】
本発明に従えば、フルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が6〜20mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスを用いる。
【0068】
このように、ポリエステル樹脂およびカルボン酸変性パラフィンワックスの酸価をさらに限定することで、より結着樹脂とワックスとの相溶性およびワックスの染み出し量の適性化が図れ、幅広い定着温度領域を有しかつ帯電特性の良好なフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーを提供することができる。
【0069】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーである。
【0070】
本発明に従えば、フルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスを用いる。アルコール変性パラフィンワックスの酸価をさらに4〜15mgKOH/gに限定することで、ワックスがトナー粒子中に均一に分散し、ワックスの染み出し量の減少がなく、安定する。これによって、カラートナーの定着も十分に行うことができ、オフセット現象の発生は低減する。したがって、カラートナーについてもオイルレス定着装置を備えた画像形成装置に用いることができる。
【0071】
以上のことから、結着樹脂とワックスとの相溶性を維持しつつ、ワックスの染み出し量についても最適化を図るために、ポリエステル樹脂の酸価の範囲を5〜20mgKOH/gとし、アルコール変性ワックスの酸価の範囲を4〜15mgKOH/gとしたのである。これによって、ワックスの染み出し量を考慮することで、カラートナーについてもオイルレス定着装置を備えた画像形成装置に用いることができる。また、良好な定着特性および幅広い定着温度領域を有するとともに、帯電性、流動性および保存性に優れたフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーを提供することができる。
【0072】
また本発明は、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
前記結着樹脂は酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
前記ワックスは酸価が4〜13mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーである。
【0073】
本発明に従えば、フルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーに含有される結着樹脂として、酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂を用い、ワックスとして、酸価が4〜13mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスを用いる。
【0074】
このように、ポリエステル樹脂およびアルコール変性パラフィンワックスの酸価をさらに限定することで、より結着樹脂とワックスとの相溶性およびワックスの染み出し量の適性化が図れ、幅広い定着温度領域を有しかつ帯電特性の良好なフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーを提供することができる。
【0075】
また本発明は、前記ワックスの針入度が3以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、針入度が3以下のワックスを用いる。カラートナーは熔融温度が低いため、保存性の低下が生じ易い。このことから、保存性の低下を防止し、帯電性および流動性の最適化を図るために、ワックスの針入度を3以下とした。
【0076】
また本発明は、前記ワックスの針入度が2以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、針入度が2以下のワックスを用いる。
【0077】
このように、ワックスの針入度をさらに限定することで、さらに最適な帯電性、流動性および保存性を確保することができる。
【0078】
また本発明は、前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜110℃であることを特徴とする。
【0079】
本発明に従えば、DSCピーク温度の範囲が75〜110℃のワックスを用いる。カラートナーにおいて、ワックスのDSCピーク温度が110℃より高ければ、ワックスが染み出しにくくなり、定着特性が低下する。
【0080】
以上のことから、定着特性および保存性の最適化を図るために、ワックスのDSCピーク温度の範囲を75〜110℃とした。
【0081】
また本発明は、前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜100℃であることを特徴とする。
【0082】
本発明に従えば、DSCピーク温度の範囲が75〜100℃のワックスを用いる。このように、ワックスのDSCピーク温度の範囲をさらに限定することで、さらに最適な定着特性および保存性を確保することができる。
【0083】
また本発明は、前記結着樹脂の熔融温度が95〜125℃であることを特徴とする。
【0084】
本発明に従えば、熔融温度が95〜125℃の結着樹脂を用いる。カラートナーにおいて、結着樹脂の熔融温度が95℃より低ければ、熔融時のトナーの凝集力が低下し、定着ローラへトナーが付着する高温オフセット現象が発生する。また、結着樹脂の熔融温度が125℃より高ければ、トナーの熔融が不完全となる。これによって、トナーの透明性が悪くなり、色再現性が低下する。また、画像表面を適度に平滑にすることが困難となり、光沢性も悪くなる。
【0085】
以上のことから、定着温度領域の最適化と透明性および光沢性の確保を図るために、結着樹脂の熔融温度を95〜125℃とした。
【0086】
また本発明は、前記結着樹脂の熔融温度が95〜115℃であることを特徴とする。
【0087】
本発明に従えば、熔融温度が95〜115℃の結着樹脂を用いる。
このように、結着樹脂の熔融温度をさらに限定することで、さらに最適な定着温度領域、透明性および光沢性を確保することができる。
【0088】
また本発明は、前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲であることを特徴とする。
【0089】
本発明に従えば、ワックスの添加量を、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲とする。ここで、ワックスの添加量が1部より少なければ、トナー粒子におけるワックスがトナー粒子中で示す効果を発揮することができない。また、ワックスの添加量が10部より多ければ、トナーの流動性が低下する。これによって、トナー粒子間での摩擦帯電性にばらつきが生じ、均一な帯電性が得られないことから、トナー飛散やかぶりが発生する。
【0090】
以上のことから、ワックスがトナー粒子中で示す効果および帯電性の最適化を図るために、ワックスの添加量を1〜10重量部とした。
【0091】
また本発明は、前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲であることを特徴とする。
【0092】
本発明に従えば、ワックスの添加量を、結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲とする。
【0093】
このように、ワックスの添加量をさらに限定することで、さらに最適な帯電性を確保することができる。
【0094】
また本発明は、前記着色剤が黒色用着色剤である請求項1〜12のいずれか1つに記載の電子写真用黒色トナーと、
前記着色剤がイエロー用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用イエロートナーと、
前記着色剤がマゼンタ用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用マゼンタトナーと、
前記着色剤がシアン用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用シアントナーとを用いて成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーである。
【0095】
本発明に従えば、フルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーは、黒色用着色剤を含有する前述の電子写真用黒色トナーと、イエロー用着色剤を含有する前述の電子写真用イエロートナーと、マゼンタ用着色剤を含有する前述の電子写真用マゼンタトナーと、シアン用着色剤を含有する前述の電子写真用シアントナーとを用いて成る。
【0096】
このように、最適化された特性を有する黒色トナーと、イエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーのカラートナーとを用いることで、低温定着性および幅広い定着温度領域といった良好な定着特性の向上を図ることができ、帯電性、流動性および保存性に優れた黒色トナーと、オイルレス定着装置を備えた画像形成装置に用いることができ、低温定着性、透明性、光沢性、幅広い定着温度領域、定着特性、帯電性、流動性および保存性に優れたカラートナーとを提供することができる。
【0097】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有している。結着樹脂には、離型性、帯電性および顔料分散性に優れ、かつ、低分子量でも保存性が優れたポリエステル樹脂を用いる。このように、結着樹脂が低分子量であると、低温定着性を有するトナーが実現されるので、低エネルギー化の要求に対応することができる。
【0098】
ポリエステル樹脂の酸価は、トナーに含有されるワックスがカルボン酸変性パラフィンワックスである場合、7〜20mgKOH/gであることが好ましく、さらには、7〜15mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、ワックスとの相溶性およびワックスの染み出し効果を最適化できる。また、トナーに含有されるワックスがアルコール変性パラフィンワックスである場合、ポリエステル樹脂の酸価は、5〜20mgKOH/gであることが好ましく、さらには、5〜15mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、ワックスとの相溶性およびワックスの染み出し効果を最適化できる。また、帯電性および定着特性の低下を防止することができる。
【0099】
ポリエステル樹脂には、さらに、次の成分が使用される。
ポリエステル樹脂の多価アルコール成分は、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールAなどの2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール類などが挙げられる。なお、これらアルコール成分以外を使用してもよい。
【0100】
ポリエステル樹脂を構成する多数塩基酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの二塩基酸類、トリメリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸などの三塩基以上の酸類およびこれらの無水物、低級アルキルエステル類が挙げられる。なお、これらの酸成分以外を使用してもよい。
【0101】
なお、結着樹脂には、ポリエステル樹脂以外の他の樹脂、たとえば、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、石油樹脂などを使用してもよいし、これらの樹脂などが混合されたものを使用してもよい。
【0102】
結着樹脂の熔融温度は、105〜135℃であることが好ましく、さらには110〜130℃であることがより好ましい。結着樹脂の熔融温度が105℃より低ければ、熔融時のトナー粒子の凝集力が低下し、定着ローラにトナーが付着する高温オフセット現象が発生するからであり、結着樹脂の熔融温度が135℃より高ければ、トナーを低温で定着させることができず、低エネルギー化の要求に対応することができないからである。また、カラートナーの場合には、結着樹脂の熔融温度は95℃〜125℃であることが好ましく、さらには95〜115℃であることがより好ましい。結着樹脂の熔融温度が95℃より低ければ、熔融時のトナーの凝集力が低下し、定着ローラにトナーが付着する高温オフセット現象が発生する。一方、結着樹脂の熔融温度が125℃より高ければ、トナーの熔融が不完全となる。これによって、トナーの透明性が悪くなり、色の再現性が低下するからである。また、画像表面を適度に平滑にすることが困難となり、光沢性も悪くなるからである。なお、結着樹脂の熔融温度をさらに限定することで、幅広い定着温度領域を確保し、さらに定着特性を向上させることができる。
【0103】
本発明の電子写真用トナーに含有されるワックスには、分子間の凝集力が強く、定着特性が大きいカルボン酸変性パラフィンワックスあるいはアルコール変性パラフィンワックスを用いる。
【0104】
カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価は、4〜30mgKOH/gであることが好ましく、さらには6〜25mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、ポリエステル樹脂との相溶性およびワックスの染み出し効果を最適化できる。カラートナーの場合には、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価は、6〜25mgKOH/gであることが好ましく、さらには6〜20mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、カラートナーの定着に十分なワックスの染み出し量を安定して得られる。
【0105】
また、アルコール変性パラフィンワックスの酸価は、2〜20mgKOH/gであることが好ましく、さらには4〜15mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、ワックスとの相溶性およびワックスの染み出し効果を最適化できる。カラートナーの場合には、アルコール変性パラフィンワックスの酸価は、4〜15mgKOH/gであることが好ましく、さらには4〜13mgKOH/gであることがより好ましい。これによって、カラートナーの定着に十分なワックスの染み出し量を安定して得られる。
【0106】
ワックスの針入度は、5以下であることが好ましく、さらには3以下であることがより好ましい。針入度が5より大きければ、ワックスが過剰な可塑状態となり、トナーの流動性を低下させる。これにより、均一な帯電性が得られないこととなり、トナー飛散やかぶりが発生するからであり、保存性の低下、さらには、トナーの生産工程における粉砕性の低下という問題も発生するからである。なお、針入度をさらに限定することで、さらに良好な帯電性、流動性および保存性を確保することができる。また、カラートナーの場合には、ワックスの針入度は、3以下であることが好ましく、さらには2以下であることがより好ましい。カラートナーは熔融温度が低いため、保存性の低下が生じ易いことから、保存性の低下を防止するためである。
【0107】
ワックスのDSCピーク温度の範囲は、75〜115℃であることが好ましく、さらには80〜110℃であることがより好ましい。ワックスのDSCピーク温度が75℃より低ければ、保存性が悪くなるからであり、ワックスのDSCピーク温度が115℃より高ければ、ワックスが染み出にくくなり、定着特性が低下するからである。なお、DSCピーク温度の範囲をさらに限定することで、さらに定着特性を向上させ、保存性を確保することができる。また、カラートナーの場合には、ワックスのDSCピーク温度の範囲は、75〜110℃であることが好ましく、さらには75〜100℃であることがより好ましい。カラートナーにおいて、ワックスのDSCピーク温度が110℃より高ければ、ワックスが染み出にくくなり、定着特性が低下するからである。なお、DSCピーク温度の範囲をさらに限定することで、さらに良好な定着特性および保存性を確保することができる。
【0108】
また、トナーに含有されるパラフィンワックスは、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックスなど、いずれを使用してもよい。また、フィッシャートロプッシュワックスを混合してもよい。
【0109】
さらに、ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましく、さらには1〜6重量部であることがより好ましい。ワックスの添加量が1部より少なければ、トナー粒子におけるワックスがトナー粒子中で示す効果を発揮することができないからである。また、ワックスの添加量が10部より多ければ、トナーの流動性が低下する。これによって、トナー粒子間での摩擦帯電性にばらつきが生じ、均一な帯電性が得られないことから、トナー飛散やかぶりが発生するからである。また、ワックスの添加量をさらに限定することで、さらに良好な帯電性を確保することができる。
【0110】
本発明のトナーにおける着色剤としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラックなどの所望の色に応じて種々の着色剤を用いることができる。
【0111】
イエロー(Y)トナー用の着色剤としては、たとえば、カラーインデックス(Color Index:C.I.)によって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー74などの有機系顔料や、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料などが挙げられる。さらに、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料や、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料が挙げられる。
【0112】
マゼンタ(M)トナー用の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
【0113】
シアン(C)トナー用の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.Iソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.Iダイレクトブルー86などが挙げられる。
【0114】
黒色(K)トナー用の着色剤として、カーボンブラックが挙げられる。なお、従来公知のいかなる染顔料を使用してもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、着色剤は1〜30重量部の範囲であることが好ましく、さらには、着色剤が2〜20重量部であることがより好ましい。
【0115】
また、本発明の電子写真用トナーには、トナー粒子間での摩擦帯電性を制御するために、電荷制御剤が含有されていてもよい。負電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、脂肪酸石鹸、樹脂酸石鹸などを用いることができる。電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましく、さらには0.5〜8重量部であることがより好ましい。
【0116】
さらに、トナーの流動性および帯電性などを調整するために、表面処理剤が含有されていてもよい。表面処理剤としては、たとえば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末、脂肪酸金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、酸化亜鉛粉末、酸化アルミ粉末、酸化チタン粉末、微粉末シリカなどを使用してもよい。表面処理剤の含有量は、着色剤が含有されている結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0117】
トナー粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径が3〜30μm程度のものが好ましい。特に、高画質の画像を得るためには、粒径が9μm程度以下の小粒径であることが好ましく、より好ましくは4〜9μmであり、さらに好ましくは5〜8μmである。
【0118】
本発明の電子写真用トナーは、前述の材料と、任意にその他の添加剤とともに、乾式ブレンダー、スーパーミキサ、ボールなどによって均質に予備混合し、さらにこの混合物を、たとえば、バンバリーミキサ、ロール、一軸または二軸の押出混練機などの混練装置を用いて均一に熔融混練した後、冷却、粉砕し、必要に応じて分級することによって製造することができる。
【0119】
以下、本発明の電子写真用トナーの実施例について説明する。
[実施例]
実施例1〜10および比較例1〜11に基づき本発明の黒色トナーAについて説明する。
(黒色トナーAの作成例)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイドとテレフタル酸、フ
マル酸もしくは無水トリメリット酸併用)           100重量部
カーボンブラック                        5重量部
電荷制御剤(サルチル酸亜鉛化合物)               2重量部
カルボン酸変性パラフィンワックス
実施例1〜8、比較例1〜9                  3重量部
実施例9                           8重量部
実施例10                          1重量部
比較例10                         11重量部
比較例11                        0.5重量部
以上の材料をスーパーミキサで均一混合した後、二軸押出機で加熱熔融、混練し冷却した。こうして得られた混練品をカッティングミルで粗粉砕した後、超音波式ジェットミルで微粉砕し、分級機で5μm以下の微粉を除去して分級トナーを得た。分級トナー粒子の粒径は5〜16μmの範囲に分布しており、平均粒径は8.0μmであった。
【0120】
次に、分級トナーに外添剤疎水性シリカ0.4%を加え、スーパーミキサで混合し外添処理トナーである黒色トナーAを得た。次に外添処理トナーとキャリアとを混合し、現像剤を作製した。キャリアにはフェライト粒子を使用し、現像剤のトナー濃度は4.0%に設定した。
【0121】
実施例1〜10および比較例1〜11の材料として用いたポリエステル樹脂の熔融温度および酸価、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価、針入度、DSCピーク温度および含有部数(添加量)を表1に示した。
【0122】
【表1】
Figure 2004029160
【0123】
なお、ポリエステル樹脂の熔融温度は、フローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用いて測定した。サンプル量1.0g、シリンダ面積1cm、ダイ寸法1.0mm(直径)×1.0mm(長さ)、押し出し荷重20kgf/cm、昇温速度6℃/分、開始温度60℃、予熱時間300秒の条件下で測定した際に、ピストンのストロークが1/2となった時の温度を熔融温度とした。図1は、フローテスターCFT−500型によって出力されたグラフを表す模式図である。図中、縦軸はピストンのストロークを示し、横軸は温度を示す。横軸の「Tm」は、ストロークが1/2となった時を示している。このときの温度が熔融温度である。
【0124】
また、カルボン酸変性パラフィンワックスの針入度は、JISK2235−5.4に準じて測定した。
【0125】
DSCピーク温度は、セイコーインスルメンツ社製のDSC200を用いて測定した。サンプルおよび基準物質を入れた装置の電気炉内の雰囲気(不活性ガス)温度を20℃〜200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させた後、200℃〜20度まで降温させる過程を2回繰り返して、2回目の昇温時のサンプル温度を測定した。そして、このサンプル温度と基準物質の温度との差によって吸熱ピークを検出し、吸熱ピーク時の温度をDSCピーク温度とした。
【0126】
(印刷試験1)
実施例1〜10および比較例1〜11について印刷試験1を行った。その手順と結果を以下に説明する。なお、結果の一覧を表2に示す。
【0127】
【表2】
Figure 2004029160
【0128】
製造した前述トナーを用い、シャープ社製の複写機(AR−S505)で未定着のトナー像を作成した。次にこの複写機の定着装置(上部ローラ:フッ素樹脂形成された熱ローラ、下部ローラ:シリコンゴム圧力ローラ)を改造し、ローラ温度を自由に設定できる外部定着機を用い、100℃〜220℃の温度範囲でローラ温度を10℃ずつ変更し、未定着のトナー像を定着させた。紙送りは、180mm/secに固定した。この時、画像が再転写するオフセット現象を観察し、画像が再転写しない温度領域を非オフセット領域とした。この非オフセット領域の評価基準として、下限温度が120℃以下で、かつ、温度幅が、60℃以上のものを良好とした。
【0129】
140℃で形成された定着画像の画像濃度を、マクベス社製の反射濃度計により測定した。そして、定着画像に対して砂消しゴムによる摺擦を行い、摺擦後の画像濃度を測定し、以下の式(1)によって、定着強度を算出した。この定着強度は、定着画像のペーパーへの密着性の度合いを表すものであり、定着特性の評価基準となる。定着強度の評価基準として、70%以上のものを良好とした。
【0130】
定着強度=(摺擦後の画像濃度/摺擦前の画像濃度)×100  …(1)
さらに、保存性について評価を行うべく、トナー10gをポリエチレン製の瓶に入れ、50℃で7日間保管した。放冷後、瓶から取り出し、目視にて凝集の程度を判定した。評価基準としては、トナーに塊が生じていない場合、あるいは、塊が生じていても指で軽く触れると塊がほぐれる場合は良好とした。表においては、○および×の記号を用い、良好なものを○、そうでないものを×で示している。
【0131】
形成された定着画像の画像濃度を、マクベス社製の反射濃度計によって、未使用紙と定着画像の白紙部の濃度差を測定し、かぶりを評価した。評価基準としては、測定値が0.005以下の場合を良好とした。
【0132】
以上、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりの評価に基づいて、総合評価を行った。総合評価は次の基準に基づいて判断した。非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりの全ての項目につき良好であるものを極めて良好(◎)、いずれかの項目のうち、評価基準に満たないものが1つ含まれるものを良好(○)、良好とはならなかったもののうち、1つでも評価基準を満たす項目が含まれるものを実用上特に支障なし(△)とし、すべての項目につき評価基準に満たないものは実用上問題あり(×)とした。本実施例においては、すべての項目につき評価基準に満たないものはなかった。なお、表においては、◎、○および△の記号を用いて示している。
【0133】
表2に示すように、実施例1〜10の総合評価は、極めて良好(◎)となった。これは、ポリエステル樹脂ならびにワックスの酸価、ポリエステル樹脂の熔融温度、およびワックスの針入度、DSCピーク温度ならびに含有部数のすべてが所定の範囲内であったためである。
【0134】
このうち、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりに関する最良値は以下のようになった。非オフセット領域に関しては、下限温度が110℃で、110〜210℃と、下限温度が低温で幅広い定着温度領域が得られた。定着強度に関しては、92%と高い値が得られた。また、かぶりに関しては、0.001という小さい値が得られた。なお、保存性に関しては、実施例1〜10は全て良好であった。
【0135】
比較例1〜11の総合評価は、比較例2,5および7については良好(○)、比較例1,3,4,6,8〜11については実用上特に支障なし(△)となった。比較例2,5および7についての詳細は以下のとおりである。
【0136】
比較例2は、かぶりを除き、すべての項目について良好となった。かぶりが評価基準より大きくなったのは、ポリエステル樹脂の酸価が5mgKOH/gと、7〜20mgKOH/gの範囲を下回ったため、相溶性の低下により、帯電性が低下したためである。
【0137】
比較例5は、非オフセット領域を除き、すべての項目について良好となった。非オフセット領域が評価基準に満たなかったのは、ワックスのDSCピーク温度が117℃と、75〜115℃の範囲を上回ったためである。
【0138】
比較例7は、保存性を除き、すべての項目について良好となった。保存性が評価基準に満たなかったのは、ワックスのDSCピーク温度が73℃と、75〜115℃の範囲を下回ったためである。
【0139】
比較例1,3,4,6,8〜11についての詳細は以下のとおりである。
比較例1は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が3mgKOH/gと、4〜30mgKOH/gの範囲を下回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0140】
比較例3は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の酸価が22mgKOH/gと、7〜20mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0141】
比較例4は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が35mgKOH/gと、4〜30mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0142】
比較例6は、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの針入度が6と、5より大きいため、保存性は評価基準に満たなかった。また、かぶりも評価基準より大きくなった。
【0143】
比較例8は、かぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が138℃と、105〜135℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度および保存性も評価基準に満たなかった。
【0144】
比較例9は、定着強度およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が102℃と、105〜135℃の範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が60℃未満であった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0145】
比較例10は、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が11部と、10部より多いため、かぶりが評価基準より大きくなった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0146】
比較例11は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が0.5部と、1部より少ないため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0147】
さらに、実施例1a〜10aおよび比較例1a〜11aに基づき本発明の黒色トナーBについて説明する。
(黒色トナーBの作成例)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイドとテレフタル酸、フ
マル酸もしくは無水トリメリット酸併用)           100重量部
カーボンブラック                        5重量部
電荷制御剤(サルチル酸亜鉛化合物)               2重量部
アルコール変性パラフィンワックス
実施例1a〜8a、比較例1a〜9a              3重量部
実施例9a                          8重量部
実施例10a                         1重量部
比較例10a                        11重量部
比較例11a                       0.5重量部
以上の材料を前述の黒色トナーAの作成例における場合と同様の方法で分級トナーを得た。粒径は5〜16μmの範囲に分布しており、平均粒径は8.0μmであった。
【0148】
次に、前述の黒色トナーAの作成例における場合と同様の方法で分級トナーから外添処理トナーである黒色トナーBを得、外添処理トナーとキャリアとを混合し、現像剤を作製した。キャリアにはフェライト粒子を使用し、現像剤のトナー濃度は4.0%に設定した。
【0149】
実施例1a〜10aおよび比較例1a〜11aの材料として用いたポリエステル樹脂の熔融温度および酸価、アルコール変性パラフィンワックスの酸価、針入度、DSCピーク温度および含有部数を表3に示した。
【0150】
【表3】
Figure 2004029160
【0151】
なお、ポリエステル樹脂の熔融温度、ワックスの針入度およびDSCピーク温度は、前述の黒色トナーAの作成例における条件と同様である。
【0152】
(印刷試験2)
実施例1a〜10aおよび比較例1a〜11aについて印刷試験2を行った。その手順、条件および評価方法は、前述の印刷試験1の場合と同様であるので、結果について以下に説明する。なお、結果の一覧を表4に示す。
【0153】
【表4】
Figure 2004029160
【0154】
表4に示すように、実施例1a〜10aの総合評価は、極めて良好(◎)となった。これは、ポリエステル樹脂ならびにワックスの酸価、ポリエステル樹脂の熔融温度、およびワックスの針入度、DSCピーク温度ならびに含有部数のすべてが所定の範囲内であったためである。
【0155】
このうち、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりについての最良値は以下のようになった。非オフセット領域に関しては、下限温度が110℃で、110〜210℃と、下限温度が低温で幅広い定着温度領域が得られた。定着強度に関しては、91%と高い値が得られた。また、かぶりに関しては、0.001と小さい値が得られた。なお、保存性に関しては、実施例1a〜10aは全て良好であった。
【0156】
比較例1a〜11aの総合評価は、比較例2aおよび7aについては良好(○)、比較例1a,3a〜6a,8a〜11aについては実用上特に支障なし(△)となった。比較例2aおよび7aについての詳細は以下のとおりである。
【0157】
比較例2aは、かぶりを除き、すべての項目について良好となった。かぶりが評価基準より大きくなったのは、ポリエステル樹脂の酸価が4mgKOH/gと、5〜20mgKOH/gの範囲を下回ったため、相溶性の低下により、帯電性が低下したためである。
【0158】
比較例7aは、保存性を除き、すべての項目について良好となった。保存性が評価基準に満たなかったのは、ワックスのDSCピーク温度が73℃と、75〜115℃の範囲を下回ったためである。
【0159】
比較例比較例1a,3a〜6a,8a〜11aについての詳細は以下のとおりである。
【0160】
比較例1aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が1mgKOH/gと、2〜20mgKOH/gの範囲を下回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0161】
比較例3aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の酸価が22mgKOH/gと、2〜20mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0162】
比較例4aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が23mgKOH/gと、2〜20mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0163】
比較例5aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスのDSCピーク温度が118℃と、75〜115℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0164】
比較例6aは、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの針入度が6と、5より大きいため、保存性は評価基準に満たなかった。また、かぶりも評価基準より大きくなった。
【0165】
比較例8aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が138℃と、105〜135℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0166】
比較例9aは、定着強度およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が102℃と、105〜135℃の範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が60℃未満であった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0167】
比較例10aは、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が11部と、10部より多いため、かぶりが評価基準より大きくなった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0168】
比較例11aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が0.5部と、1部より少ないため、非オフセット領域の下限温度が120℃を越え、しかも温度幅が60℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0169】
次に、実施例11〜20および比較例12〜22に基づき本発明のカラートナーであるシアントナーAについて説明する。
(シアントナーAの作成例)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイドとテレフタル酸、フ
マル酸もしくは無水トリメリット酸併用)           100重量部
銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15)        5重量部
電荷制御剤(サリチル酸の亜鉛化合物)              2重量部
カルボン酸変性パラフィンワックス
実施例11〜18、比較例12〜20              3重量部
実施例19                          8重量部
実施例20                          1重量部
比較例21                         11重量部
比較例22                        0.5重量部
以上の材料をスーパーミキサで均一混合した後、二軸押出機で加熱熔融、混練し冷却した。こうして得られた混練品をカッティングミルで粗粉砕した後、超音波式ジェットミルで微粉砕し、分級機で5μm以下の微粉を除去して分級トナーを得た。分級トナー粒子の粒径は5〜16μmの範囲に分布しており、平均粒径は8.0μmであった。次に分級トナーに外添剤疎水性シリカ0.4%を加え、スーパーミキサで混合し外添処理トナーであるシアントナーAを得た。次に外添処理トナーとキャリアとを混合し、現像剤を作製した。キャリアにはフェライト粒子を使用し、現像剤のトナー濃度は4.0%に設定した。
【0170】
実施例11〜20および比較例12〜22の材料として用いたポリエステル樹脂の熔融温度および酸価、カルボン酸変性パラフィンワックスの酸価、針入度、DSCピーク温度および含有部数を表5に示した。
【0171】
【表5】
Figure 2004029160
【0172】
なお、ポリエステル樹脂の熔融温度、ワックスの針入度およびDSCピーク温度は、前述の黒色トナーAの作成例における条件と同様である。
【0173】
(印刷試験3)
実施例11〜20および比較例12〜22について印刷試験3を行った。その手順と結果を以下に説明する。なお、結果の一覧を表6に示す。
【0174】
【表6】
Figure 2004029160
【0175】
製造した前述トナーを用い、シャープ社製の複写機(AR−S505)で未定着のトナー像を作成した。次にシャープ社製の複写機(AR−C150)の定着装置(上部ローラ:鏡面仕上げシリコンゴム熱ローラ、下部ローラ:シリコンゴム圧力ローラ)を改造し、ローラ温度を自由に設定できる外部定着機を用い、100℃〜220℃の温度範囲でローラ温度を10℃ずつ変更し、シリコンオイル供給機構を外しオイルレスの状態で未定着のトナー像を定着させた。紙送りは、120mm/secに固定した。この時、画像が再転写するオフセット現象を観察し、画像が再転写しない温度領域を非オフセット領域とした。この非オフセット領域は、温度幅が50℃以上のものを良好とした。
【0176】
150℃で形成された定着画像の画像濃度を、マクベス社製の反射濃度計により測定した。そして、定着画像に対して砂消しゴムによる摺擦を行い、摺擦後の画像濃度を測定し、前述の式(1)によって定着強度を算出した。評価基準は、カラートナーの粒子融合混合性から勘案して、定着強度が80%以上のものを良好とした。
【0177】
保存性について評価を行うべく、カラートナー10gをポリエチレン製の瓶に入れ、45℃で7日間保管した。放冷後、瓶から取り出し、目視にて凝集の程度を判定した。評価基準として、トナーに塊が生じていない場合、あるいは、塊が生じていても指で軽く触れると塊がほぐれる場合は良好とした。表においては、○×の記号を用い、良好なものを○、そうでないものを×で示している。
【0178】
形成された定着画像の画像濃度を、マクベス社製の反射濃度計によって、未使用紙と定着画像の白紙部の濃度差を測定し、かぶりを評価した。評価基準として、測定値が0.005以下の場合は良好とした。
【0179】
以上、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりの評価に基づいて、総合評価を行った。総合評価の方法は、前述の印刷試験1の場合と同様である。
【0180】
表6に示すように、実施例11〜20総合評価は、極めて良好(◎)となった。これは、ポリエステル樹脂ならびにワックスの酸価、ポリエステル樹脂の熔融温度、およびワックスの針入度、DSCピーク温度ならびに含有部数のすべてが所定の範囲内であったためである。
【0181】
このうち、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりについての最良値は以下のようになった。非オフセット領域に関しては、120〜200℃と、幅広い定着温度領域が得られた。定着強度に関しては、95%と高い値が得られた。また、かぶりに関しては、0.001と小さい値が得られた。なお、保存性に関しては、実施例11〜20は全て良好であった。
【0182】
比較例12〜22についての総合評価は、比較例13および18については良好(○)、比較例12,14〜17,19〜22については実用上特に支障なし(△)となった。比較例13および18についての詳細は以下のとおりである。
【0183】
比較例13は、かぶりを除き、すべての項目について良好となった。かぶりが評価基準より大きくなったのは、ポリエステル樹脂の酸価が5mgKOH/gと、7〜20mgKOH/gの範囲を下回ったため、相溶性の低下により、帯電性が低下したためである。
【0184】
比較例18は、保存性を除き、すべての項目について良好となった。保存性が評価基準に満たなかったのは、ワックスのDSCピーク温度が73℃と、75〜110℃の範囲を下回ったためである。
【0185】
比較例12,14〜17,19〜22についての詳細は以下のとおりである。比較例12は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が4mgKOH/gと、6〜25mgKOH/gの範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0186】
比較例14は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の酸価が22mgKOH/gと、7〜20mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0187】
比較例15は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が35mgKOH/gと、6〜25mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0188】
比較例16は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスのDSCピーク温度が113℃と、75〜110℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0189】
比較例17は、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの針入度が4と、3より大きいため、保存性は評価基準に満たなかった。また、かぶりも評価基準より大きくなった。
【0190】
比較例19は、かぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が128℃と、95〜125℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度および保存性も評価基準に満たなかった。
【0191】
比較例20は、定着強度およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が93℃と、95〜125℃の範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0192】
比較例21は、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が11部と、10部より多いため、かぶりが評価基準より大きくなった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0193】
比較例22は、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が0.5部と、1部より少ないため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0194】
さらに、実施例11a〜20aおよび比較例12a〜22aに基づき本発明のカラートナーであるシアントナーBについて説明する。
(シアントナーBの作成例)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイドとテレフタル酸、フ
マル酸もしくは無水トリメリット酸併用)           100重量部
銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15)        5重量部
電荷制御剤(サリチル酸の亜鉛化合物)              2重量部
アルコール変性パラフィンワックス
実施例11a〜18a、比較例12a〜20a          3重量部
実施例19a                         8重量部
実施例20a                         1重量部
比較例21a                        11重量部
比較例22a                       0.5重量部
以上の材料を、前述のシアントナーAの作成例における場合と同様の方法で分級トナーを得た。分級トナー粒子の粒径は5〜16μmの範囲に分布しており、平均粒径は8.0μmであった。
【0195】
次に、前述のシアントナーAの作成例における場合と同様の方法で分級トナーから外添処理トナーであるシアントナーBを得、外添処理トナーとキャリアとを混合し、現像剤を作製した。キャリアにはフェライト粒子を使用し、現像剤のトナー濃度は4.0%に設定した。
【0196】
実施例11a〜20aおよび比較例12a〜22aの材料として用いたポリエステル樹脂の熔融温度および酸価、アルコール変性パラフィンワックスの酸価、針入度、DSCピーク温度および含有部数を表7に示した。
【0197】
【表7】
Figure 2004029160
【0198】
なお、ポリエステル樹脂の熔融温度、ワックスの針入度およびDSCピーク温度は、前述のシアントナーAの作成例における条件と同様である。
【0199】
(印刷試験4)
実施例21a〜20aおよび比較例12a〜22aについて印刷試験4を行った。その手順、条件および評価方法は、前述の印刷試験3の場合と同様であるので、結果について以下に説明する。なお、結果の一覧を表8に示す。
【0200】
【表8】
Figure 2004029160
【0201】
表8に示すように、実施例11a〜20aの総合評価は、極めて良好(◎)となった。これは、ポリエステル樹脂ならびにワックスの酸価、ポリエステル樹脂の熔融温度、およびワックスの針入度、DSCピーク温度ならびに含有部数のすべてが所定の範囲内であったためである。
【0202】
このうち、非オフセット領域、定着強度、保存性およびかぶりについての最良値は以下のようになった。非オフセット領域に関しては、120〜200℃と、幅広い定着温度領域が得られた。定着強度に関しては、94%と高い値が得られた。また、かぶりに関しては、0.001と小さい値が得られた。なお、保存性に関しては、実施例11a〜20aは全て良好であった。
【0203】
比較例12a〜22aについての総合評価は、比較例13aおよび18aについては良好(○)、比較例12a,14a〜17a,19a〜22aについては実用上特に支障なし(△)となった。比較例13aおよび18aについての詳細は以下のとおりである。
【0204】
比較例13aは、かぶりを除き、すべての項目について良好となった。かぶりが評価基準より大きくなったのは、ポリエステル樹脂の酸価が4mgKOH/gと、5〜20mgKOH/gの範囲を下回ったため、相溶性の低下により、帯電性が低下したためである。
【0205】
比較例18aは、保存性を除く項目全てについて良好となった。保存性が評価基準に満たなかったのは、ワックスのDSCピーク温度が73℃と、75〜110℃の範囲を下回ったためである。
【0206】
比較例12a,14a〜17a,19a〜22aについての詳細は以下のとおりである。
【0207】
比較例12aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が3mgKOH/gと、4〜15mgKOH/gの範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0208】
比較例14aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の酸価が22mgKOH/gと、5〜20mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0209】
比較例15aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの酸価が17mgKOH/gと、4〜15mgKOH/gの範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0210】
比較例16aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスのDSCピーク温度が113℃と、75〜110℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0211】
比較例17aは、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの針入度が4と、3より大きいため、保存性は評価基準に満たなかった。また、かぶりも評価基準より大きくなった。
【0212】
比較例19aは、かぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が128℃と、95〜125℃の範囲を上回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度および保存性も評価基準に満たなかった。
【0213】
比較例20aは、定着強度およびかぶりの項目が良好であった。なお、ポリエステル樹脂の熔融温度が93℃と、95〜125℃の範囲を下回ったため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0214】
比較例21aは、非オフセット領域および定着強度の項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が11部と、10部より多いため、かぶりが評価基準より大きくなった。また、保存性も評価基準に満たなかった。
【0215】
比較例22aは、保存性およびかぶりの項目が良好であった。なお、ワックスの含有量が0.5部と、1部より少ないため、非オフセット領域の温度幅が50℃未満であった。また、定着強度も評価基準に満たなかった。
【0216】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、低温定着性、幅広い定着温度領域といった良好な定着特性を有し、かつ、帯電性、流動性および保存性に優れた黒色トナーを提供することができ、低エネルギー化の要求に対応することができる。
【0217】
また本発明によれば、ワックスの染み出し量が適量で、良好な低温定着性、幅広い定着温度領域といった定着特性を有し、かつ、透明性、光沢性、帯電性、流動性および保存性に優れたカラートナーを提供することができ、カラートナーに関しても、オイルレス定着装置を備えた画像形成装置への実用化を図ることができる。
【0218】
また本発明によれば、最適化された特性を有する黒色トナー、イエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーを用いて成る好適なカラートナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローテスターCFT−500型によって出力されたグラフを表す模式図である。

Claims (25)

  1. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が4〜30mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナー。
  3. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が2〜20mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナー。
  4. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とする電子写真用トナー。
  5. 前記ワックスの針入度が5以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記ワックスの針入度が3以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜115℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が80〜110℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  9. 前記結着樹脂の熔融温度が105〜135℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  10. 前記結着樹脂の熔融温度が110〜130℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  11. 前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  12. 前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の電子写真用トナー。
  13. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が7〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が6〜25mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  14. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が7〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が6〜20mgKOH/gのカルボン酸変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  15. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が5〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が4〜15mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  16. 結着樹脂、ワックスおよび着色剤を含有するフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は酸価が5〜15mgKOH/gのポリエステル樹脂から成り、
    前記ワックスは酸価が4〜13mgKOH/gのアルコール変性パラフィンワックスから成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  17. 前記ワックスの針入度が3以下であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  18. 前記ワックスの針入度が2以下であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  19. 前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜110℃であることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  20. 前記ワックスのDSCピーク温度の範囲が75〜100℃であることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  21. 前記結着樹脂の熔融温度が95〜125℃であることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  22. 前記結着樹脂の熔融温度が95〜115℃であることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  23. 前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲であることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  24. 前記ワックスの添加量が、前記結着樹脂100重量部に対して1〜6重量部の範囲であることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1つに記載のフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
  25. 前記着色剤が黒色用着色剤である請求項1〜12のいずれか1つに記載の電子写真用黒色トナーと、
    前記着色剤がイエロー用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用イエロートナーと、
    前記着色剤がマゼンタ用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用マゼンタトナーと、
    前記着色剤がシアン用着色剤である請求項13〜24のいずれか1つに記載のフルカラー電子写真用シアントナーとを用いて成ることを特徴とするフルカラー画像形成用シアン、マゼンタ、イエローまたはブラック電子写真用トナー。
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