JP2000338707A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2000338707A
JP2000338707A JP11148406A JP14840699A JP2000338707A JP 2000338707 A JP2000338707 A JP 2000338707A JP 11148406 A JP11148406 A JP 11148406A JP 14840699 A JP14840699 A JP 14840699A JP 2000338707 A JP2000338707 A JP 2000338707A
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JP
Japan
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toner
wax
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alcohol
acid
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Eiji Shirai
英治 白井
Shinichi Sata
晋一 佐多
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】幅広い定着可能領域を有する静電荷像現像用ト
ナーを提供すること。 【解決手段】結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有してな
る静電荷像現像用トナーであって、前記離型剤がパラフ
ィンワックスを分子状酸素含有ガスで液相酸化して得ら
れうるアルコール系ワックスを含有する静電荷像現像用
トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現
像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】トナー像の定着方法としてヒートロール
定着方式が広く採用され、定着可能領域を広くするため
の種々の検討がなされているが、未だ不十分である。特
に、フルカラートナーでは、色再現性に重要な溶融特性
を満足させるために結着樹脂に低分子量で分子量分布が
シャープなポリマーが用いられているため、定着可能領
域が狭くなり、これを広くする要求が特に強く、特開平
6−59505号公報、特開平8−220808号公報
等にはポリエステルと低融点離型剤を含有したトナーが
開示されているが、いずれのトナーも定着可能領域が未
だ狭く、さらなる改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、幅広
い定着可能領域を有する静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、離
型剤及び着色剤を含有してなる静電荷像現像用トナーで
あって、前記離型剤がパラフィンワックスを分子状酸素
含有ガスで液相酸化して得られうるアルコール系ワック
スを含有する静電荷像現像用トナーに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる結着樹脂は、
ポリエステルを主成分とすることが好ましい。ポリエス
テルの含有量は、着色剤の分散性、定着性及び帯電性の
観点から、結着樹脂中、好ましくは50〜100重量
%、より好ましくは90〜100重量%、特に好ましく
は100重量%である。なお、ポリエステル以外に使用
可能な樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられ
る。
【0006】ポリエステルの原料モノマーとしては、特
に制限がなく、公知の多価アルコール成分と、カルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の多価カ
ルボン酸成分が用いられる。
【0007】多価アルコール成分としては、ポリオキシ
プロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の
ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサ
イド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビス
フェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン
(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜1
0)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有する
ものが好ましい。さらにはトナーの耐久性を向上させる
点から、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜
3)オキサイド付加物がアルコール成分中に5モル%以
上、好ましくは50モル%以上使用されていることが望
ましい。
【0008】また、多価カルボン酸成分としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイ
ン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチル
コハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2
〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれ
らの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げら
れ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0009】ポリエステルは、例えば、多価アルコール
成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中に
て、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250
℃の温度で縮重合することにより製造することができ
る。
【0010】ポリエステルの酸価は1〜40mgKOH
/g、水酸基価は20〜60mgKOH/g、軟化点は
90〜140℃、ガラス転移点は50〜70℃であるこ
とが、それぞれ好ましい。
【0011】本発明では、離型剤として、アルコール系
ワックスが含有されている点に特徴がある。かかるアル
コール系ワックスは、結着樹脂と適度な相溶性を有し、
定着可能領域を広げるのに有効なワックスである。従っ
て、幅広い定着可能領域を有するだけでなく、結着樹脂
と離型剤との相溶性が高く、色再現性に重要な溶融特性
にも優れる本発明の静電荷像現像用トナーは、フルカラ
ートナーとしても好適に使用することができる。
【0012】本発明に用いられるアルコール系ワックス
は、パラフィンワックスを分子状酸素含有ガスで液相酸
化して得ることができる。かかるパラフィンワックスに
含まれる飽和炭化水素の炭素数は、20〜60が好まし
い。
【0013】なお、パラフィンワックスには、エチレン
重合物及び/又はオレフィン重合物が含有されていても
よい。
【0014】エチレン重合物としては、通常のポリエチ
レンワックスで、120℃での粘度が1000cps以
下、かつ数平均分子量が10000以下のものの使用が
適当である。
【0015】オレフィン重合物としては、炭素数3〜6
0の範囲にあるオレフィンを塩化アルミニウム、三フッ
化ホウ素錯体等のルイス酸や、硫酸、フッ化水素等のプ
ロトン酸を用いてカチオン重合したものや、過安息香
酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酢酸等の過酸化
物でラジカル重合したもので、120℃での粘度が10
00cps以下、かつ数平均分子量が10000以下の
ものの使用が適当である。
【0016】パラフィンワックスの分子状酸素含有ガス
による液相酸化は、例えば、パラフィンワックスからな
る溶液中に、分子状酸素含有ガスを吹き込む方法等が挙
げられる。
【0017】分子状酸素含有ガスとしては、酸素、空気
又はそれらを不活性ガスで希釈した広範囲のものが使用
可能であるが、酸素濃度は3〜20%が好ましく、白色
度に優れたアルコール系ワックスを得るためには、5〜
10%がより好ましい。
【0018】反応温度は、150〜250℃が好まし
く、170〜200℃がより好ましい。
【0019】なお、本発明では、前記液相酸化の際、ホ
ウ酸、メタホウ酸、ピロホウ酸、無水ホウ酸等の触媒を
用いるのが好ましいが、触媒の凝集現象を防止し、パラ
フィンワックスをより選択的にアルコールに転化させる
ために、ホウ酸と無水ホウ酸からなる混合触媒を用いる
のが特に好ましい。
【0020】このようして得られるアルコール系ワック
スとして、本発明で好適に用いられる市販品としては、
「NPS−9210」、「OX−1949」(以上、日
本精蝋(株)製)等が挙げられる。
【0021】アルコール系ワックスの融点は、保存性の
観点から、65℃以上、耐オフセット性の観点から、1
10℃以下が好ましく、より好ましくは70〜90℃で
ある。
【0022】結着樹脂との相溶性、環境安定性及び帯電
性の観点から、アルコール系ワックスの酸価は、好まし
くは5〜25mgKOH/g、より好ましくは10〜2
0mgKOH/gであり、ケン化価は、好ましくは20
〜50mgKOH/g、より好ましくは25〜40mg
KOH/gであり、水酸基価は、好ましくは50〜12
0mgKOH/g、より好ましくは60〜100mgK
OH/gである。
【0023】アルコール系ワックスの25℃での針進入
度は、耐久性の観点から、7以上、トナー製造性の観点
から、12以下が好ましく、より好ましくは8〜10で
ある。
【0024】離型剤中のアルコール系ワックスの含有量
は、20〜100重量%が好ましく、50〜100重量
%がより好ましい。
【0025】また、離型剤の含有量は、結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、1〜
10重量部がより好ましい。
【0026】本発明のトナーに用いられる着色剤として
は、従来の黒トナー又はカラートナー用着色剤として用
いられている染料、顔料等を使用することができ、例え
ば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマ
ネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレッ
ト、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソ
ルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ピグメント
ブルー15:3、ソルベントブルー35、キナクリドン、カー
ミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられる。着色剤の含
有量は、結着樹脂100重量部に対して、2〜25重量
部が好ましい。
【0027】さらに、本発明のトナーには、荷電制御
剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填
剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニ
ング性向上剤等の添加剤が、適宜添加されていてもよ
い。
【0028】本発明のトナーは、混練粉砕法、スプレイ
ドライ法、重合法等の公知の方法により製造することが
できる。一般的な方法としては、例えば、結着樹脂、離
型剤、着色剤、荷電制御剤等をボールミル等の混合機で
均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2
軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級する方法
が挙げられる。さらに、トナーの表面には、必要に応じ
て流動性向上剤等を添加してもよい。このようにして得
られるトナーの重量平均粒子径は、5〜15μmが好ま
しい。
【0029】本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性体
微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性
体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤とし
て、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として
使用することができる。
【0030】
【実施例】〔樹脂のガラス転移点〕示差走査熱量計「D
SC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇
温速度10℃/分で測定する。
【0031】〔アルコール系ワックスの融点〕JIS
K2235−5.3の方法により測定する。
【0032】〔アルコール系ワックスの酸価、ケン化価
及び水酸基価〕JIS K0070の方法により測定す
る。
【0033】〔アルコール系ワックスの針進入度〕JI
S K2235−5.4の方法により測定する。
【0034】樹脂製造例1 ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン1.8モル、ポリオキシプ
ロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン5.4モル、テレフタル酸6.2モ
ル、トリメリット酸0.7モル及び酸化ジブチル錫4g
を窒素雰囲気下、230℃で攪拌しつつ、ASTM E
28−67により測定した軟化点が111℃に達するま
で反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aのガラス転移点は
61℃であった。
【0035】実施例1 結着樹脂として樹脂A100重量部、離型剤としてアル
コール系ワックス「NPS−9210」(日本精蝋
(株)製、融点:75℃、酸価:12mgKOH/g、
ケン化価30mgKOH/g、水酸基価:80mgKO
H/g、針進入度(25℃):9)5重量部、荷電制御
剤として「LR−147」(日本カーリット社製)0.
5重量部及び着色剤としてピグメントブルー 15:3 4重
量部をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、2軸押
出機で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級工程を経て、重
量平均粒子径が8μmの粉体を得た。得られた粉体10
0重量部に、外添剤として疎水性シリカ「R−972」
(日本アエロジル社製)0.5重量部を添加し、ヘンシ
ェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
【0036】実施例2 アルコール系ワックスとして、「NPS−9210」の
代わりに「OX−1949」(日本精蝋(株)製、融
点:83℃、酸価:14mgKOH/g、ケン化価38
mgKOH/g、水酸基価:80mgKOH/g、針進
入度(25℃):8)5重量部を使用した以外は、実施
例1と同様にして、トナーを得た。
【0037】比較例1 離型剤として、アルコール系ワックス「NPS−921
0」の代わりにパラフィンワックス「HNP−9」(日
本精蝋(株)製、融点:75℃)5重量部を使用した以
外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0038】比較例2 離型剤として、アルコール系ワックス「NPS−921
0」の代わりに「カルナウバワックスC1」(加藤洋行
社製)5重量部を使用した以外は、実施例1と同様にし
て、トナーを得た。
【0039】比較例3 「NPS−9210」を使用しなかった以外は、実施例
1と同様にして、トナーを得た。
【0040】試験例1 トナー5重量部と、シリコーン樹脂にて被覆した粒子径
が50μmのフェライトキャリア95重量部とをボール
ミルにて混合し、イエロー、マゼンタ、シアンの各現像
剤とした。得られたそれぞれの現像剤を「プリテール5
50」(リコー社製)に実装して定着可能領域を測定
し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示
す。
【0041】〔評価基準〕 ◎:定着可能温度域が50℃以上であり、実使用上特に
良好である ○:定着可能温度域が30℃以上、50℃未満であり実
使用上に問題がない △:定着可能温度域が10℃以上、30℃未満であり実
使用上に問題がない ×:定着可能温度域が10℃未満であり、実使用上に問
題が生じる
【0042】
【表1】
【0043】以上の結果より、比較例1〜3に対して、
実施例1、2では、定着可能領域が広いトナーが得られ
ていることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明により、幅広い定着可能領域を有
する静電荷像現像用トナーを提供することが可能となっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有して
    なる静電荷像現像用トナーであって、前記離型剤がパラ
    フィンワックスを分子状酸素含有ガスで液相酸化して得
    られうるアルコール系ワックスを含有する静電荷像現像
    用トナー。
  2. 【請求項2】 パラフィンワックスに含まれる飽和炭化
    水素の炭素数が20〜60であり、アルコール系ワック
    スの融点が65〜110℃、酸価が5〜25mgKOH
    /g、ケン化価が20〜50mgKOH/g、水酸基価
    が50〜120mgKOH/gである請求項1記載の静
    電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂の主成分がポリエステルである
    請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 フルカラートナーとして用いられる請求
    項1〜3いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1311307C (zh) * 2003-03-24 2007-04-18 夏普株式会社 电子照相有机调色剂
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US7407732B2 (en) 2002-06-21 2008-08-05 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic toner
JP2009271232A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナーと画像形成方法
US7939231B2 (en) 2005-04-22 2011-05-10 Canon Kabushiki Kaisha Magnetic toner

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