JP2006220866A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度、湿度の変化に影響を受けることなく、帯電安定性が高く、且つ、良好な定着性、離型性を有するトナーを得る。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂と着色剤と帯電制御剤およびワックスを含有してなるトナーであって、前記結着樹脂を芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂、前記帯電制御剤を有機ベントナイト、前記ワックスを無極性パラフィンワックスで構成する電子写真用トナーである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用トナーに関する。より詳細には、静電式複写機やレーザビームプリンタなど、いわゆる電子写真方式の画像形成装置で現像剤として用いられる電子写真用トナーに関する。
電子写真方式の画像形成装置における画像形成は、帯電、露光、現像、転写および定着の各工程に従って行われる。まず、帯電工程では、静電潜像を形成するための像担持体である感光体の表面を一様に帯電させる。露光工程では、帯電された感光体表面を画像情報に応じた光を照射することで、その表面に静電潜像を形成する。現像工程では、形成された静電潜像に例えば黒色トナーを選択的に付着させ、トナーによる可視像(トナー像)を感光体の表面に形成する。そして、転写工程では、トナー像を電気的な力によって転写紙上に転写する。最後の定着工程では、転写紙上に転写されたトナー像を熱によって熔融させることでトナー像を転写紙上に定着させる。
また、最近では、電子写真方式におけるカラー化の技術が急速に発展し、フルカラー画像形成装置が開発され、市場に提供されている。フルカラー画像形成装置の市場は、白黒画像形成装置の普及とともに拡大している。一般に、フルカラー画像形成装置における色の再現には、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色、あるいは、この3色に黒色(K)を加えた4色のトナーが用いられる。色の再現の手順としては、C、M、YおよびKの各色に対して、画像形成工程のうち、帯電、露光、現像および転写までの工程を繰り返し、転写紙上に複数色のトナーから成るトナー像を重ねてフルカラー画像形成する。そして最後の定着工程において、重ねられたトナー像を熔融して転写紙上に定着する。この手順にて、重ねられたトナー像は熔融されることで混合されるので、減法混色の原理に従って色が再現される。
このようなフルカラー電子写真法では、複数回の現像を行ない、定着工程として同一支持体上に色の異なる数種のトナー像の重ね合わせを必要とするため、各色のトナーが持つべき帯電特性と定着特性はきわめて重要な要素になる。
すなわち、フルカラー画像の安定した良好な色再現性を維持するためには、まず現像工程から転写時において所定量のトナーを転写紙上に転写させる必要がある。現像及び転写工程でのトナー付着量は、トナーの帯電量立ち上がり特性、帯電量の環境安定性及び経時安定性と耐久性などトナーの帯電特性に大きく影響される。このためトナーには、帯電制御剤が含まれており良好な帯電性が維持されるようになっている。そして、ポリエステル樹脂を使用したトナーは、通常、負帯電性のものであり、負帯電制御剤には、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、脂肪酸石鹸、樹脂酸石鹸などが用いられている。
また、さらにトナーの帯電特性を優れたものにするためには、帯電制御剤がトナー粒子中、あるいはトナー粒子表面に均一に微分散することが重要である。帯電制御剤がトナー中の一部分に凝集していたり、均一に分散していても微粒子化しておらず、粗粒子として存在していると、初期の帯電量が得られなくなる。また、帯電制御剤が微分散していないため帯電の立ち上り特性が不良となったり、帯電の減衰が激しいトナーとなることがある。
そこで、帯電制御剤をトナー中に均一に微分散させるために種々の工夫が行なわれている。しかも、トナーの結着樹脂の種類や化学組成を選択することも重要な要素であり、トナーの帯電特性を優れたものとするためには、帯電特性の優れた帯電制御剤を使用するのみではなく、使用する帯電制御剤に応じて、それを均一に微分散し得る樹脂を選択して使用することが重要な要素となる。
一方、転写紙に転写された色の異なる各カラートナーは、定着工程で定着される。この時、定着されたカラートナーは、各カラートナー粒子が光に対して乱反射して色再現を妨げる事のないように、トナー粒子の境界が無くなるまで熔融させ透明性をだすことのできる色再現範囲の広いカラートナーでなければならない。また、適度の光沢性が必要となる。
カラートナーを定着するための定着装置は、トナーに対して表面離型性の良い優れた材料を利用した加熱ローラなどを用いている。しかし、オフセットを防止するために定着ローラなどの表面に、オイルを多量に塗布したものが殆どであった。そのため転写紙をオイルで汚し、オイル供給部とオイル塗布部を設置することが必須となり定着装置の大型化、機構の複雑化、さらにはコストアップ等の問題が生じてくる。
一般にカラートナーの定着にオイルを使用する理由は、以下の通りである。通常の白黒プリント用の黒トナーの定着加熱時に比べ、透明性を得るために熱熔融性を増し、カラートナーを低粘度化する必要がある。しかし、このようなカラートナーでは、熱熔融時の凝集力が低下し、定着ローラへのトナーの付着がおこり、高温オフセット現象が発生する。したがって、この高温オフセットを防止するために、定着ローラに多くのオイルを塗布して、定着ローラへのトナー付着を低減していた。
以上のことから、近年、定着装置の簡素化とオイルの画像への悪影響( オイル汚れ、ベタツキ) を防止する目的で、シリコンオイル塗布機構をなくしたオイルレス機構への対応が必要になってきている。そのため、定着ローラにオイルを塗布しないで利用できるように、低温から高温まで広範囲でのトナーによる定着特性の改善が望まれるようになり、これに応えるいわゆるオイルレストナーが試みられている。
そのために、トナー中にワックスを分散させることが提案されている。ワックスとしては、アミドワックス、カルナウバワックス、高級脂肪酸及びそのエステル、高級脂肪酸金属石鹸、部分ケン化高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスが用いられている。そして、熔融したトナーからワックスが適性に染み出すことが重要となる。このワックスが染み出すことで、定着ローラ表面に対し、熔融されたトナーの付着が防止され、オフセット現象を抑制されるものと考えられる。
前記トナーの帯電特性及び定着特性の課題を解消するために、例えば下記特許文献1記載の技術が提案されている。この特許文献1には、結着樹脂であるアルコール成分が脂肪族系のポリエステル樹脂に、帯電制御剤として有機ベントナイトを含有させて、トナー中における帯電制御剤の均一微分散性を高め、トナーの帯電特性向上を図る技術が提案されている。さらにその中で、アルコール成分が脂肪族系であるポリエステル樹脂には特に高級脂肪酸エステル化合物及び/又は脂肪族アルコール化合物を含有するワックス等を離型剤として用いることが開示されている。これにより帯電特性や定着特性の改善が図られていた。
特開2004―4207
前記特許文献1に記載された結着樹脂として用いられるアルコール成分が脂肪族系であるポリエステル樹脂は、アルコール成分が芳香族系であるポリエステル樹脂よりも耐湿度環境特性に劣るため、十分な帯電安定性が得られない事が予測される。そのため繰り返し画像を形成するにつれ、画像の汚れやトナー飛散による機体内汚れ等の問題点が発生してくる。
また高級脂肪酸エステル化合物及び/又は脂肪族アルコール化合物を含有するワックスは、アルコール成分が脂肪族系であるポリエステル樹脂に相溶性が高く分散性が良好である。しかし、トナーからの染み出し効果が悪く、良好な耐オフセット及び定着強度が十分に期待できない。
そこで、本発明は、連続使用による繰り返し現像を行っても、温度、湿度の変化に影響を受けず、長時間安定した画像を再現するため帯電安定性に優れた電子写真用トナーを提供する。また、合わせて定着性及び離型性にも優れた電子写真用トナーを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的としては、カラートナーとして利用する場合、少なくとも透明性にも優れ、色再現性を良好にする電子写真用トナーを提供する。
前記課題を解決する本発明の電子写真トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と帯電制御剤およびワックスを含有してなるトナーであって、前記結着樹脂を芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂、前記帯電制御剤を有機ベントナイト、前記ワックスを無極性パラフィンワックスで構成したことを特徴としている。
以上の構成からなるトナーによれば、結着樹脂の芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂に特定の帯電制御剤と無極性パラフィンワックスを含有させることで、ポリエステル樹脂の特性を損なうことなくトナー中に帯電制御剤を均一に微分散させることができ、帯電安定性に優れかつ、定着時にワックスの染み出しが効率よく起こり、定着特性の良好なトナーとすることができる。
例えば、脂肪族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂の場合と比較して、芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂では、外部環境変化によるトナーの抵抗変化が少なく容易に帯電量を制御することができ、連続使用による繰り返し現像を行っても帯電特性(ライフ特性)が安定化する。この差は樹脂の化学構造に起因するところが大きく、アルコール成分が脂肪族系より芳香族系のポリエステル樹脂の方がより疎水性であり、それ故に耐湿性も高い。
さらに、前記樹脂に帯電制御剤として有機ベントナイトを含有させ、さらに前記混合物にワックスとして無極性パラフィンワックスを含有させる事により、定着時にトナーからワックスが効率よく染み出し、トナーに対する離型性を良好にでき定着温度領域を広げることができる。これは、樹脂と帯電制御剤の有機ベントナイトとの混合物に対する無極性パラフィンワックスの相溶性が影響しており、無極性パラフィンワックスは、前記混合物に対して相溶性が適度に低く、トナー中に細かく分散しており、定着時に熔融したトナーから効率良く染み出しだす。これにより定着装置として定着ローラ等を用いた時、この溶融したトナーと定着ローラとの間にワックスが入り込み、色再現性を出すために低粘度化した凝集力の低いトナー熔融物においても定着ローラに付着せず、高温オフセットを防止できる。また低温時においてもワックスの染み出しによるアンカー効果により、転写紙との密着性が強くなり低温オフセットを防止すことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用トナーを構成する結着樹脂は、従来公知のアルコール成分が芳香族系であるポリエステル樹脂を用いることができ、また1種または2以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の電子写真用トナーを構成する結着樹脂について説明する。本発明にかかる結着樹脂であるポリエステル樹脂の芳香系のアルコール成分としては、例えばビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びこれらの誘導体等が挙げられる。
また上記ポリエステル樹脂の多塩基酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸類、トリメリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸等の三塩基以上の酸類及びこれらの無水物、低級アルキルエステル類が挙げられ、耐熱凝集性の点からテレフタル酸、もしくはその低級アルキルエステルが好ましい。
そこで、本発明の電子写真用のトナーを構成する上記ポリエステル樹脂の酸価は、以下の範囲内のものがさらに好適である。例えば、上記ポリエステル樹脂の酸価は、5〜30mgKOH/gが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満になると樹脂の帯電特性低下及び、帯電制御剤である有機ベントナイトがポリエステル樹脂中に分散しにくくなる。これにより、帯電量の立ち上がりや連続使用による繰り返し現像の帯電量安定性に悪影響をおよぼしだす。
また、酸価が2mgKOH/g以下になると、有機ベントナイトの分散が悪くなり、さらに樹脂の帯電特性が低下する。さらに、顔料分散も悪くなり色再現性が狭くなる。
一方、酸価が35mgKOH/gを超えると、高温高湿環境下での水分吸着が大きくなり、含水率が高くなる。このことによりトナーの抵抗が低くなり帯電制御剤を添加しても環境変化に対する帯電量安定制御が難しく、連続使用による繰り返し現像の帯電特性も安定化しない。
ここで、酸価の測定は、JIS K 0070−1992に記載の方法に準拠して行った。
上述した本発明の電子写真用トナーを構成するポリエステル樹脂の熔融温度は、透明性を出すため重要なものの一つの要因ともなる。例えば、カラートナーとして利用する場合は、各色のトナーを重ねた時、各トナーの境界がなくなるように十分に熔融させる必要がある。そのためにも、上記ポリエステル樹脂の熔融温度は、90℃〜135℃である事が好ましい。結着樹脂の熔融温度が90℃未満では、トナー凝集力が下がりすぎ、高温オフセットが発生しやすくなる。また135℃より高ければ、粒子間の境界トナー粒子の境界を無くし十分な透明性をだす事が難しくなる。黒トナーの場合は、90℃から160℃でも利用できる。
ここで、上述した樹脂の熔融温度はフローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用いて、サンプル量1.0g、ダイ寸法1.0×1.0、押し出し荷重20kgf/cm、昇温速度6℃、開始温度60℃予熱時間300秒条件で、測定した時の1/2ストローク時の温度を熔融温度と定義した。
次に本発明の電子写真用トナーを構成する帯電制御剤について説明する。この帯電制御剤としては、有機ベントナイトを使用する。前記有機ベントナイトとは、有機カチオン形成性化合物とベントナイトを主成分として製造される物質であり、ベントナイトとはSiOとAlを主とし、モンモリロン石を主成分とした層状構造を有する粘度鉱物である。このような天然の層状化合物であるベントナイトは、イオン交換などによって有機分子を層間に取り込むことができる。ベントナイトの層間には、本来、ナトリウムやカリウムなどの無機の金属カチオンが存在するが、これをイオン交換することによってアルキルアンモニウムイオンなど、有機カチオンをインターカレート(包接)し、有機物と無機物が交互に積層した複合体(層間化合物)が生じる。本発明で帯電制御剤として使用する有機ベントナイトは、ベントナイト中の無機カチオンを有機カチオン形成性化合物から生じる有機カチオンで交換したものである。
有機ベントナイトを製造するための有機カチオン形成性化合物としては、公知の化合物を使用できる。例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチルアンモニウムフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウムベンゾエート、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、トリエチルメチルアンモニウムアイオダイド、等の4級アンモニウム塩がある。
また、イソプロピルピリジニウムクロライド、ブチルピリジニウムクロライド、ヘプチルピリジニウムクロライド、デシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、セチルピリジニウムクロライド、等のピリジウム塩がある。
更に、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポリ−(4−ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、アミノアセチル化されたポリビニルアルコール、ポリ−(L)−リジン、キトサン、ポリピロール、あるいはジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有アクリレートを含有するビニルモノマーとの共重合体、等から得られるポリマ−性アンモニウム塩がある。
有機ベントナイトを製造するための有機カチオン形成性化合物のアニオン成分としては特に限定されるものではないが、安全性あるいは環境保護という観点からは、クロム、コバルト、銅、ニッケル、モリブデン、鉛、水銀、等の重金属を含まないアニオンであることが好ましい。
本発明で使用する有機ベントナイトを調製するための方法としては、特に限定されるものではなく、従来用いられているイオン交換操作により製造することができる。例えば、水、水と有機溶媒の混合物、あるいは有機溶媒中にベントナイトを浸漬し、これに有機カチオン形成性化合物を添加して、一定時間放置後、これを濾過洗浄し、乾燥することにより得ることができる。
さらに、本発明で使用する有機ベントナイトは、アルカリ性ベントナイトと有機カチオンからなる塩構造を有するものが好ましい。これにより、少量でも十分にトナーへの帯電性付与機能を発揮することができる。
本発明で使用する帯電制御剤の有機ベントナイトは、上述した結着樹脂であるポリエステル樹脂中での分散性がよくなる(均一分散する)ことでトナーの帯電特性を良好にできる。そのためにも、有機ベントナイトの体積平均粒径D50を、8μm以下に調整することが好ましい。これにより、トナー表面に帯電制御剤が微細径でほぼ均一に存在し、またトナー粒子から分離しにくくなり、帯電量立ち上がり特性及び帯電量のライフ安定性等に優れたトナーとすることができる。体積平均粒径D50が8μmを超えると、トナー中に帯電制御剤が均一に分散するが大きさが不均一になり帯電効率が少し落ちる。よって体積平均粒径D50を約8μm以下にすることが好ましい。ここで、体積平均粒径D50を1μm以下に微粉砕しようとすると、かなりの時間とエネルギーを要するため、生産性が悪くなり、コストアップ等を招く。しかし、分散性を考慮し本発明の目的を達成するのであれば、1μm以下の体積平均粒径D50のものを用いることもできる。また、安価にトナーを製造することを目的とするのであれば、体積平均粒径D50の1μm以上のものを用いればよい。
本発明にかかる前記有機ベントナイトは、その添加量による帯電特性、またカラートナー等における色再現性に大きな影響を与えることにもなる。そのため、有機ベントナイトの添加量は、トナー全量に対して、0.5重量%〜5重量%が好ましい。たとえば、添加量が0.5重量%未満の場合には、トナーの帯電量立ち上がり特性の低下や帯電量ライフ安定性の悪化等により画質低下や装置内でのトナー飛散が発生しやすくなる。また5重量%を超えると、トナーの色再現性が低下しだすため、望ましくない。より好まし範囲としては、0.8重量%〜3重量%である。このような範囲内にすることで、色再現性がよくなり、帯電性能低下が起こりにくい。
また、本発明では従来公知の帯電制御剤も併用することができるが、本発明で用いる帯電制御剤は負帯電性帯電制御剤であるので、その他の帯電制御剤を併用する場合は負の帯電制御剤であることが好ましい。
続いて本発明の電子写真トナーを構成するワックスとしては、本発明の目的を達成するためには、無極性パラフィンワックスを使用する。このワックスは、DSC吸収ピーク温度の範囲が70℃〜100℃である事が好ましい。前記ワックスのDSCピーク温度が70℃より低くければ、粘度が下がり高温オフセット性や保存性が悪くなり、100℃より高ければ、染み出し効果が低下し、定着領域が狭くなってくる。このDSCピーク温度測定としては、例えばセイコーインスツルメント社製のDSC200が挙げられる。測定条件としては、20℃〜200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させ、次に200℃から20度まで降温させる過程を2回繰り返してその時の吸熱ピークを測定するものである。
また本発明に用いる前記ワックスの添加量においても以下に明記するように帯電特性等に影響を与える。そのため、ワックスの添加量は、トナー全量に対して1重量%〜 10重量%の範囲である事が好ましい。ワックス混合物の添加量が1 重量%より少なければワックスの効果が低下し、10重量%以上になると帯電性の劣化など起こりだす。より好ましくは2重量%〜8重量%である。ワックスの添加量が2重量%以上になると非オフセット領域が広がり8重量%以下では連続使用による繰り返し現像(ライフ)における現像剤中での遊離ワックスの発生が少ない。
以上電子写真用トナーを構成する本発明に用いる結着樹脂、帯電制御剤、ワックスについて説明した。これらの構成材料と共に、トナーの色を決めるためにも着色剤がさらに添加される。この着色剤、つまり各色のトナー、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを構成する着色剤については、従来公知のものを用いることができる。また、各色とも1種または2種以上を組合せて使用することができる。
イエロートナーを得るための着色剤としては、C.I.Pigment Yellow 1、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18、24、55、65、73、74、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、113、116、117、120、123、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、156、168、169、170、171、172、173、180、185等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Yellow 17(ジスアゾ)、74(モノアゾ)、155(縮合アゾ)、180(ベンズイミダゾロン)が好ましい。
またマゼンタトナーを得るための着色剤としては、C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、17、18、22、23、31、37、38、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53:1、53:3、54、57:1、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、65、66、67、68、81、83、88、90、90:1、112、114、115、122、123、133、144、146、147、149、150、151、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、185、187、188、189、190、193、194、202、208、209、214、216、220、221、224、242、243、243:1、245、246、247等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Red 48:1(バリウムレッド)、48:2(カルシウムレッド)、48:3(ストロンチウムレッド)、48:4(マンガンレッド)、53:1(レーキレッド)、57:1(ブリリアントカーミン)、122(キナクリドンマゼンタ)および209(ジクロロキナクリドンレッド)が好ましい。
またシアントナーを得るための着色剤としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 1、2、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15、16、17:1、27、28、29、56、60、63等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Blue 15:3(フタロシアニンブルーG)、15(フタロシアニンブルーR)、16(無金属フタロシアニンブルー)、60(インダンスロンブルー)が好ましい。
さらにブラックトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック等の、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
これら着色剤の含有量は、2重量%〜20重量%であることが好ましい。この範囲であれば、透明性、着色力、色再現性、定着性に優れた、画像全体が均一な高濃度画像を得ることができる。2重量%未満の顔料濃度では透明性は良好なものの十分な着色力を有しておらず、均一な高濃度画像が得られない。また、20重量%を超えると明度、彩度の不足により十分な色再現域が確保できない、樹脂成分の減少により定着強度が劣化する等、実使用に耐えない。より好ましくは、2重量%〜15重量%である。この範囲にすることにより色再現性が十分確保でき定着性の劣化も少ない。
本発明の電子写真用トナーは、必要に応じて、流動化剤、表面抵抗調製剤等、種々の外添剤を使用することができる。本発明で用いることのできる外添剤としては、例えば二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機微粉体およびそれらをシリコンオイル、シランカップリング剤等の疎水化処理剤で表面処理したもの、ポリスチレン、アクリル、スチレンアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン、ナイロン、シリコン、フェノール、フッ化ビニリデン、等の樹脂微粉体等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組合せて使用することができる。
また本発明の電子写真用トナーは、それ単体で用いることも可能であるが、本発明のトナー粒子とキャリアとを混合して二成分現像剤として用いることもできる。
なおキャリアは、磁性材料粒子を樹脂で被覆したものが一般に用いられ、これを本発明でも用いることができる。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、及びこれらの混合物等を用いることができる。
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの合金を用いることができる。また、これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。
またキャリアは、磁性材料粒子を樹脂で被覆したものが一般に用いられが、この他にも磁性材料のみからなる粒子や、樹脂粒子中に磁性粒子を分散したもの等、他の形態のキャリアを本発明に用いても良い。
本発明の電子写真用トナーは、従来の公知の方法(混練粉砕法、ケミカル法等)で製造できる。ここで高画質、高濃度の画像を得ることを目的とする場合には、得られたトナーの体積平均粒子径は、4μm〜8μmの範囲であることが好ましい。この範囲まで小粒径化することで、少ない付着量でも高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。なお粒径が4μm未満の場合、粒子個々が十分な帯電性を有することができず、トナー飛散や画像かぶり等が著しくなり実使用に耐えない。また、8μmを超えると形成画像の層厚が高くなり著しく粒状性を感じる画像となり望ましくない。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。
(1)帯電制御剤の製造例
pH7〜12のベントナイト10gを80℃で1時間撹拌することにより脱イオン水300mlに分散させ、ベントナイト懸濁液を調整する。次いで、濃度77%のジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(DSDMAC)水溶液5.3gを、希NaOH溶液を用いてpH約9に調節した後、ベントナイト懸濁液に添加し、80℃で1時間撹拌、濾別し、脱イオン水で数回洗浄した後、真空下60℃で乾燥させ、小粒径化処理を施し、平均体積粒径D50が、種々異なる帯電制御剤(有機ベントナイト)を作製した。作製した帯電制御剤の平均体積粒径D50は、下記表1の各実施例及び比較例記載の通りである。
(実施例1)
・ ポリエステル樹脂(酸価:21mgKOH/g)
芳香族系アルコール成分:PO−BPAとEP−BPA
酸成分:フマル酸と無水メリット酸
87.5重量%
・ C.I.Pigment Blue 15:1 5重量%
・ 無極性パラフィンワックス (DSPピーク78℃, Mw8.32×10
6重量%
・ 帯電制御剤 (上記製造例にて作成した体積平均粒径 2μm) 1.5重量%
上記無極性パラフィンワックスMwは周知のとおり重量平均分子量を示すものである。
以上の各構成材料をヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカッテングミルで粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕した後、風力分級機で分級し、平均粒径6.5μmのトナーを作製した。次に分級したトナー100重量部に、流動化剤としてシリカ微粒子1.0重量部を加えヘンシルミキサーにて混合し、外添処理を行い、シアン評価用トナーとした。
(実施例2)
ポリエステル樹脂の酸価を下記表1に示すように5mgKOH/gに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例3)
ポリエステル樹脂の酸価を表1に示すように28mgKOH/gに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例4)
ポリエステル樹脂の酸価を表1に示すように4mgKOH/gに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例5)
ポリエステル樹脂の酸価を表1に示すように31mgKOH/gに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例6)
帯電制御剤の有機ベントナイトの体積平均粒径を表1に示すように7μmに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例7)
帯電制御剤の有機ベントナイトの体積平均粒径を表1に示すように9μmに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例8)
帯電制御剤の有機ベントナイトの重量部数を表1に示すように0.4重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例9)
帯電制御剤の有機ベントナイトの重量部数を表1に示すように0.6重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例10)
帯電制御剤の有機ベントナイトの重量部数を表1に示すように4重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例11)
帯電制御剤の有機ベントナイトの重量部数を表1に示すように6重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例12)
ワックスの無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度を表1に示すように71℃に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例13)
ワックスの無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度を表1に示すように68℃に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例14)
ワックスの無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度を表1に示すように98℃に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例15)
ワックスの無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度を表1に示すように103℃に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例16)
ワックスの無極性パラフィンワックスの重量部数を表1に示すように1.5重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例17)
ワックスの無極性パラフィンワックスの重量部数を表1に示すように0.7重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例18)
ワックスの無極性パラフィンワックスの重量部数を表1に示すように9重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(実施例19)
ワックスの無極性パラフィンワックスの重量部数を表1に示すように11重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
以上のようにして作成された各実施例による本発明のトナーと、比較対比するための比較例を以下に説明する。
(比較例1)
ポリエステル樹脂を表1に示すように脂肪族系のアルコール成分からなる
アルコール成分:エチレングリコール及びジエリレングリコールとネオペンチルグリコール
酸成分:ナフレンンジカルボン酸とテレフタル酸
からなるポリエステル樹脂に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(比較例2)
電制御剤を表1に示すようにサルチル酸のジルコニウム化合物に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(比較例3)
帯電制御剤を表1に示すようにサルチル酸のジルコニウム化合物に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(比較例4)
ワックスを表1に示すようにカルナバに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
(比較例5)
ワックスを表1に示すようにポリエチレンに変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。
以上作製した実施例1〜19、比較例1〜5のトナーと平均粒子径60μmのシリコンコートフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が5重量%になるように調製し、現像剤を作製した。
下記表1において、粒径は体積平均粒径D50を、部数は重量%を示す。また、有機ベントナイトは、アルカリ性ベントナイトと有機カチオンからなる塩構造を有するもので、製造例で得られたものである。
Figure 2006220866
(2) 実施例および比較例の評価方法を説明する。
i.初期の帯電量
現像剤を市販の二成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)AR−C160)にセットし、常温常湿下において3分間空転した後、現像剤を採取し、吸引式帯電量測定装置(TREK社:210H−2A Q/M Meter)で帯電量を測定した。帯電量が−20μC/g以上であれば利用可、−25μC/g以上で良好と判断した。
ii.帯電の立ち上り特性
キャリア(シリコンコートフェライトコアキャリア)0.95gとトナー0.05gが入った5mlのガラス瓶を32rpmの回転培養機で1分撹拌した後、現像剤を採取し、吸引式帯電量測定装置で帯電量を測定した。また3分間撹拌した後、同様に帯電量を測定した。1分後と3分後の帯電量の差が絶対値で7μC/g以下で利用可、5μC/g以下であれば良好と判断した。
iii.帯電の減衰特性
キャリア(シリコンコートフェライトコアキャリア)76gとトナー4gが入った100mlのポリエチレン容器を150rpmのボールミルで60分撹拌した後、現像剤の帯電量を測定し、高温高湿下に曝露した。1日後、3日後、10日後の現像剤の帯電量を測定し、初日の帯電量との差が絶対値で7μC/g以下であれば利用可、5μC/g以下であれば良好と判断した。
iv.帯電のライフ特性
現像剤を市販の二成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)AR−C160)にセットし、常温常湿下においてベタ画像を50000枚実写した後、画像部の画像濃度および非画像部の白色度、現像剤の帯電量を測定した。画像濃度は、X−Rite938分光測色濃度計により測定し、画像濃度が1.4以上であれば良好と判断した。白色度は、日本電色工業(株)製SZ90型分光式色差計を用いて三刺激値X、Y、Zを求め、Zの値が0.7以下であれば利用可、0.5以下で良好と判断した。現像剤の帯電量は吸引式帯電量測定装置にて測定し、初期の帯電量との差が絶対値で7μC/g以下であれば利用可、5μC/g以下であれば良好と判断した。
v.定着特性
市販のフルカラー複写機(シャープ(株)ARC−260)の定着装置(オイルレス方式)を改造し、ローラ温度を自由に設定できる外部定着機を用い、紙送りを120mm/secに固定し、100℃〜230℃まで温度を5℃ずつ変更した。この時、未画像部に画像が再転写するオフセット現象を観察し、画像が再転写しない温度を非オフセット温度とした。
非オフセット域は、幅が、40℃以上の物を利用可、50℃以上を良好と判断した。
以上のiからvの評価結果を表2に示す。総合評価、◎、○、×の三段階で評価した。
Figure 2006220866
上記表2に示した結果から、本発明による各実施例1〜19にて製作したシアントナーは、比較例1〜5に示すシアントナーと比べて以下のように帯電特性、定着特性等の両方の面に優れ、安定した現像を維持できる。
例えば、本発明の実施例1による電子写真用トナーは、表2に示されるように、初期帯電量が−32μC/gで、−25μC/g以上の値を得た。また帯電立ち上がり特性は、撹拌1分後に−34μC/g、撹拌3分後に−36μC/gと帯電量の絶対量差が5μC/g以下であった。さらに減衰特性は、初日が−30μC/g、10日後は、−28μC/gで、帯電量の絶対量差が5μC/g以下であった。5000枚実写した後の帯電量は、−29μc/gで、初期帯電量との差が5μC/g以下であり、画像濃度が1.55で、1.4以上であり、白色度が0.3で、0.5以下であった。このように、非常に帯電特性に優れたトナーであるといえる。
また、トナーを熔融し定着する場合の低温オフセットと高温オフセットの起こらない範囲(定着特性)は、140〜210℃であり50℃以上であった。このことから、トナーは十分に熔融され、トナー粒子の境界がなくなり、透明性も良好になり、良好なる定着が行える。このように各項目すべてにおいて良好な結果がえられた。
また、実施例2、3、6、9、10、12、14、16、18も実施例1と同様にすべとの項目において良好な結果が得られた。
実施例4は、樹脂の酸価が4mgKOH/gと低くなったため実施例1に比べて帯電特性が多少低下しているものの初期帯電特性、帯電立ち上がり特性においては、十分に実施に絶えられる利用可能領域であった。
実施例5は、樹脂の酸価が31mgKOH/gと高くなったため実施例1と比べてより高温高湿での帯電量減衰が大きくなったが、十分に実施に絶えられる利用可能領域であった。
また、実施例7は、有機ベントナイトの体積平均粒径が9μmと大きくなったため実施例1に比べれば帯電特性が悪くなっているが、帯電立ち上がり特性は十分であり、白色度においても利用可能領域にあるといえる。
実施例8は、有機ベントナイトの添加量が0.4重量%と少なくなったため実施例1より帯電特性が多少低下したものの、初期帯電量、帯電立ち上がり特性、白色度の性能判断において十分に利用可能な領域であった。
実施例11は、有機ベントナイトの添加量が6重量%と多くなったため定着特性が実施例1やや低下しているものの、その他の帯電特性等について支障はなく、十分に利用可能な領域であった。
さらに実施例13は、無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度が68℃と低くなったため熔融したトナーの粘度が下がり高温側の定着特性が実施例1より低下したものの性能判断においては十分に利用可能領域であった。
実施例15は、無極性パラフィンワックスのDSCピーク温度が103℃と高くなったため熔融したトナーの粘度が上がり高温側と低温側の定着特性が実施例1より低下したものの、性能判断においては十分に利用可能領域であった。
実施例17は、無極性パラフィンワックスの含有量が0.7重量%と少ないためトナーからの染み出し量が少なくなり高温側と低温側の定着特性が実施例1より低下したものの、性能判断においては十分に利用可能領域であった。
実施例19は、無極性パラフィンワックスの含有量が11重量%と多くなったためトナー表面にあるワックスおよび遊離ワックの存在増加により帯電特性が多少低下したものの、初期帯電量、帯電立ち上がり特性、白色度の性能判断において十分に利用可能な領域であった。
以上のように、アルコール成分が芳香族系のポリエステル樹脂を用いたことで湿度環境特性が優れ、高温高湿での帯電減衰率が小さくなる。また本樹脂に有機ベントナイトと無極性パラフィンワックスを含有させることから、トナー中微分散された有機ベントナイトによりトナーの初期帯電量、帯電量立ち上がりが適正な特性を示し、ライフ安定性も向上する。更に、本構成で、無極性パラフィンワックスは、トナーから効率よく染み出すこと出すことができ、低温から高温にかけて定着領域を広げることができる。
これに対して比較例1は、アルコール成分が脂肪族系であるポリエステル樹脂を用いたことにより、高温高湿下での帯電量の減衰が大きく、さらに白色度が大きい地肌カブリのある画像になり上述した本発明の実施例1〜19のトナーと比べても良好な結果が得られなかった。
比較例2、3は、帯電制御剤に有機ベントナイト以外の物を用いたため初期帯電量が低下し、白色度大きい地肌カブリのある画像になり、しかも定着特性も悪くなり良好な結果が得られなかった。
また比較例4は、ワックスにエステル系ワックスのカルナバワックスを用いた事により、高温高湿下での帯電量の減衰が大きく、定着特性も悪くなり良好な結果が得られなかった。
さらに比較例5は、ワックスにポリエチレンワックスを用いた事により、帯電量の立ち上がり特性と、定着特性が非常に悪くなり良好な結果が得られなかった。
以上、本発明による実施例1〜19及び比較例1〜5を対比した結果の総評とし、帯電性及び定着性の両方を満足させるためには、結着樹脂を上述したように芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂、帯電制御剤を有機ベントナイト、またワックスとして無極性パラフィンワックスを基本構成とすることである。
また、表2に示す結果から、帯電量の立ち上がり特性を良好にするためにも、本発明のポリエステル樹脂の酸価は、4mgKOH/g〜31mgKOH/gの範囲が実施可能範囲であり、先に明記したとおり5mgKOH/g〜30mgKOH/gの範囲が好ましい範囲であることが実施例の結果から立証されたことになる。また、実施例からさらに、より好ましい範囲としては5mgKOH/g〜28mgKOH/gの範囲が好適であるといえる。
また、本発明の帯電制御剤である有機ベントナイトを用いることで帯電性をより良好にできると共に、その添加量としては、表2の結果から0.4重量%〜6重量%の範囲が実施可能範囲であり、先に明記したとおり0.5重量%〜5重量%の範囲が好ましい範囲であることが実施例の結果から立証されたことになる。さらに、実施例によれば、より好ましい範囲としては0.6重量%〜4重量%の範囲が好適であるといえる。
また、本発明の帯電制御剤で有機ベントナイトを用いる場合に、他の要件としてその粒径(体積平均粒径D50)においては、9μmまでは十分に帯電性が安定する実施可能範囲であり、先に明記したとおり8μm以下が良好であることが実施例の結果から立証されたことになる。しかも粒径において、実施例によれば、より好ましくは7μm以下にすれば好適であるといえる。これは、他の構成要素である結着樹脂の酸価の範囲においても多少影響される。
また、本発明のワックスである無極性パラフィンワックスを用いることで定着特性および帯電特性を良好にすることができるが、そのための添加量としては、表2の結果から0.7重量%〜11重量%の範囲が実施可能範囲であり、これは先に明記したとおり1重量%〜10重量%の範囲が好ましい範囲であることが立証されたことになる。しかも、この添加量のより好ましい範囲としては実施例の結果から2重量%〜8重量%の範囲が好適であるといえる。
さらに、本発明のワックスである無極性パラフィンワックスを用いる他の要件として定着特性および保存性を良好にするためのDSCピーク温度は、表2の結果から68℃〜103℃の範囲が実施可能範囲であり、これは先に明記したとおり70℃〜100℃の範囲が好ましいことが立証されたことになる。そしてより好ましい範囲としては71℃〜98℃の範囲が実施例の結果から好適であるといえる。
以上説明したが、本実施例においては電子写真トナーとして、シアントナーを例示した。これは、着色剤として、シアンにかかるC.I.Pigment Blue 15:3を含ませているが、その着色剤に代えて、先に例示している各種着色剤を含ませることで同様にして実施できる。
そのため、イエロー、マゼンタ、実施例記載のシアン、さらにブラックのトナーを作製し、カラー画像を形成した場合、重ね合わせた各色のトナーを熔融させることでトナー粒子間の境界を無くし、十分な透明性を得ることで忠実な色再現を可能にできる。また、帯電特性についても、表2に示す結果からして耐湿性に富、十分に安定した帯電量を得ることで、安定した現像が可能となるため、上述した色再現性を期待できる。
なお、画像としてカラー画像だけでなく、ブラックトナーによる単色、つまり白黒画像を形成する場合においては、帯電特性、定着特性に優れたトナーにて、環境変化に左右されることなく、常時安定した忠実な画像を再現できる。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤と帯電制御剤およびワックスを含有してなるトナーあって、前記結着樹脂が芳香族系のアルコール成分からなるポリエステル樹脂であり、前記帯電制御剤が有機ベントナイトであり、前記ワックスが無極性パラフィンワックスである事を特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記帯電制御剤の体積平均粒径D50が、9μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ワックスのDSC吸収ピーク温度が68℃〜103℃であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記帯電制御剤の添加量が、0.4重量%〜6重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記ワックスの添加量が、0.7重量%〜11重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記結着樹脂の酸価が、4mgKOH/g〜31mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記帯電制御剤が、アルカリ性ベントナイトと有機カチオンからなる塩構造を有すことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
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